JP4069507B2 - 化粧塀用化粧板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷による絵柄層を有し、かつ施工性に優れた化粧塀用化粧板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、敷地内に住宅、建築物が建てられ、更に敷地周囲や内部の一部には塀が設けられているのが普通である。この塀としては、雨や日光に耐性のあるコンクリートブロック、煉瓦などの無機質系基材が使用されていることが多い。
また、最近では、コンクリートブロックに印刷により絵柄層を設け、このコンクリートブロックを用いて塀とする、いわゆる化粧コンクリートブロック塀が知られている。その例としては、特開平07−090975号公報に開示されているようなものであり、転写印刷法により所望の絵柄を基材に転写して設けたコンクリートブロックである。
【0003】
しかしながら、絵柄層の有無に関わらず、コンクリートブロック塀については、1個1個のコンクリートブロックをセメントで固めて積み上げて作成するために、塀をある程度の高さにするには、大変手間と人手がかかるという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、板状であって無機質系基材、特に窯業サイデディング材を用いた、表面に印刷による絵柄層を有し、かつ施工性に優れた化粧塀用化粧板を提供することにある。
【0005】
【発明を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、請求項1の発明においては、
化粧塀用化粧板の製造方法において、
(a)厚み15mmの繊維混入パーライトセメント板に、ウレタン樹脂系シーラー層を設ける工程、該シーラー層上にベースコート用塗料を50g/m2(dry)で塗装し、120℃で8分乾燥してベースコート層を設ける工程、
(b)厚さ80μmで可塑剤8PHR(perts hundred resin)の塩化ビニルフィルムに、フタロシアニンブルー、酸化鉄系顔料、ポリビニルブチラール樹脂、硫酸バリウムを含むグラビアインキで絵柄層を設け転写シートを作成する工程、
(c)前記(a)のベースコート層が乾燥され、表面温度が60℃になったときに、前記(b)の転写シートの絵柄層面と該ベースコート層とを、ゴム硬度40°で160℃に加熱されたゴムロールで線圧20kg/cm、ライン速度20m/minで密着し、該剥離フィルムを剥離して該絵柄層をベースコート層に転写して設ける工程、該絵柄層にアクリルウレタン樹脂系透明樹脂塗料にイソシアネート系硬化剤を10部配合したものをエアスプレーガンにて厚み10μm(dry)で塗布し、100℃30分加熱硬化させて表面保護層を設ける工程、
を含むことを特徴とする化粧塀用化粧板の製造方法としたものである。
【0007】
図1は本発明の化粧塀用化粧板の一実施例の断面の構造を示す説明図である。
このように、無機質系基材2上に、順次にシーラー層3/ベースコート層4/絵柄層5/表面保護層6を積層した構成の化粧塀用の化粧板1である。
但し、シーラー層3は必要に応じ設けるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態につき説明する。
本発明における無機質系基材2は、特に窯業系サイディング材を用い、具体的には繊維混入パーライトセメント板等である。
また、形状は板状であり、すなわち厚みに比べて縦横の面積が極めて大きいものである。一般的な窯業系サイディング材の寸法は厚み12〜25mm、幅455〜1000mm、長さ1800mm〜3030mmの寸法のものである。
表面がフラットな無機質系基材2、その他凹凸を有している無機質系基材2を用いることができ、さらに穴空き無機質系基材2でも良い。
【0009】
無機質系基材2によっては、塗料が浸み込みやすベースコート層と無機質系基材2との密着性が不充分であるときには、無機質系基材2上にシーラー層3を設けることが行われる。また、シーラー層3を設けた後、表面研磨処理等を施すことも行われている。
塗料としては2液硬化型ウレタン樹脂塗料などが用いられる。
【0010】
ベースコート層4は、通常絵柄層5の下地色層となるもので、また無機質系基材2の色を隠蔽する目的にも使われる。
ベースコート層4を設けるための塗料としては、無機質系基材2またはシーラー層3、および絵柄層5との密着性を考慮して適宜選択する。
具体的には、2液硬化の透明または半透明アクリルウレタン系の塗料を用いれば、塗料と接着剤双方の性質を兼ねられるので好ましい。
塗装方法としては、エアースプレー、エアレスガン、ロールコーター、フローコーター等各種コーターにより可能である。
【0011】
ベースコート層4上に絵柄層5を設ける方法としては、直接にグラビヤオフセット、スクリン印刷、インキジェット法などで印刷する方法、また転写法で印刷することにより可能である。
転写法は、剥離フィルム上にグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷等で絵柄層5を設けた転写シートを用いて、絵柄層5を無機質系基材2上(ここでは無機質系基材2上に設けられたベースコート層4上)に熱により転写させるものである。
剥離フィルムとしては、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ビニロン樹脂等であり、その厚みは10μmから100μmのシートが使われる。
剥離フィルムの樹脂の種類や厚み等は、無機質系基材2の表面凹凸形状や、転写温度等を考慮して適宜選択する。
【0012】
絵柄層5に用いるインキを用いるが、インキは主として色材、バインダー樹脂、体質顔料、有機溶剤からなる。
色材としては、耐候性のある顔料を使用することが好ましい。
バインダ−樹脂としては、塩酢ビ樹脂系、ウレタン樹脂系、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの樹脂の組み合わせによる共重合物や混合物が用いられる。
【0013】
なお、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷で形成された絵柄層5は数μmの極めて薄い層で構成されるため、その色調はベースコート層4に影響され、ベースコート層4の色が異なれば、同じ絵柄層5でも異なった意匠感を表現することが可能になる。
【0014】
表面保護層6としては、ウレタン樹脂系、ウレタンアクリレート樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系、有機無機複合高分子樹脂系(金属アルコキシド)が好ましい。
【0015】
その他、表面保護層6には必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤を添加してもよい。
表面保護層の厚みとしては5〜40μm程度が好ましい。
【0016】
本発明により作られた化粧塀用化粧板1を用いて化粧塀にする施工方法としては、通常のコンクリートブロック塀の土台に木製または鋼鉄製、高分子樹脂製からなる複数の柱を立て、この柱間に化粧板を釘留め、ビス留め、金具留め等により固定するなどの方法である。
完成後の化粧塀が地震や大風等で簡単に崩壊しないように各都道府県の条例等に照らし合わせて施工する
また、内部に雨水等の水が入らないように施工した後は、通常のコーキング剤等でシーリングを行う。
【0017】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
無機質系基材2として表面が平らな厚み15mmの繊維混入パーライトセメント板(窯業系サイディング材)に、ウレタン樹脂系シーラーを施してシーラー層3を作成し、このシーラー層3上全面に、ベースコート用塗料として大日本塗料(株)製の「Vトップベースコート」を50g/m2 (dry)で塗装して120℃で8分乾燥してベースコート層4を作成した。
【0018】
一方、転写シートを下記のごとく作成した。
剥離フィルムとして厚さ80μmで可塑剤8PHR(perts hundred resin )の塩化ビニルフィルムを用い、グラビア印刷によりグラビアインキで絵柄層5を設けた。
このインキは、主成分として、色材(顔料)がフタロシアニンブルーと酸化鉄系顔料(茶、黄土)、バインダー樹脂がポリビニルブチラール樹脂(分子量5万、ブチラール置換度65%)、体質顔料が硫酸バリウムであり、その他有機溶剤を用いたものである。
【0019】
前記ベースコート層4が乾燥されて、表面温度が60℃前後になった時に、前記転写シートの絵柄層5面をベースコート層4とを、ゴム硬度40°で160℃に加熱されたゴムロールで線圧20kg/cm 、ライン速度20m/min で密着して剥離フィルムを剥離して絵柄層5をベースコート層4に転写して設けた。
【0020】
次に、アクリルウレタン樹脂系透明樹脂塗料(Vセラン#100、大日本塗料(株)製)にイソシアネート系硬化剤を10部配合してエアスプレーガンにて、厚み10μm(dry)塗布し、100℃30分加熱硬化させて表面保護層6を設け、絵柄層5を有する化粧塀用化粧板1を作成した。
【0021】
通常のコンクリートブロックの土台に複数の鉄製の柱を立て、この柱間に得られた化粧塀用化粧板1をビス留めして化粧塀を作成した。
板状の化粧塀用化粧板1であるので、極めて短時間で施工できた。またこの化粧塀は絵柄層を施されているので、意匠性に優れている塀とすることができた。
更に、最上部に雨水が入らないように鉄、又はアルミニウム製の屋根を取り付けた。最後に、化粧塀のつなぎ目等にシリコーン樹脂製のコーキング材でシーリングした。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
(1)殺風景な塀に対し、印刷による絵柄層を有する塀にすることができる化粧板であり、意匠性に優れている。例えば町並みの外観環境に合わせた絵柄・色調にするなど、色々な工夫をこらすことができる。
(2)板状であり、またコンクリートブロックより表面が良いので、精巧な絵柄層を設けることができる。
(3)板状であり、またコンクリートブロックより軽いため、施工が容易で、釘留め、金具留めにするため短時間で施工できる。
更に、上下あいじゃやくりや四方あいじゃくりにすればつなぎ目のわかりにくい一枚板のような塀ができるという効果がある。
従って本発明は、化粧塀の如き用途の化粧板として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧板の一実施例の断面の構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1…化粧塀用化粧板
2…無機質系基材
3…シーラー層
4…ベースコート層
5…絵柄層
6…表面保護層
Claims (1)
- 化粧塀用化粧板の製造方法において、
(a)厚み15mmの繊維混入パーライトセメント板に、ウレタン樹脂系シーラー層を設ける工程、該シーラー層上にベースコート用塗料を50g/m2(dry)で塗装し、120℃で8分乾燥してベースコート層を設ける工程、
(b)厚さ80μmで可塑剤8PHR(perts hundred resin)の塩化ビニルフィルムに、フタロシアニンブルー、酸化鉄系顔料、ポリビニルブチラール樹脂、硫酸バリウムを含むグラビアインキで絵柄層を設け転写シートを作成する工程、
(c)前記(a)のベースコート層が乾燥され、表面温度が60℃になったときに、前記(b)の転写シートの絵柄層面と該ベースコート層とを、ゴム硬度40°で160℃に加熱されたゴムロールで線圧20kg/cm、ライン速度20m/minで密着し、該剥離フィルムを剥離して該絵柄層をベースコート層に転写して設ける工程、該絵柄層にアクリルウレタン樹脂系透明樹脂塗料にイソシアネート系硬化剤を10部配合したものをエアスプレーガンにて厚み10μm(dry)で塗布し、100℃30分加熱硬化させて表面保護層を設ける工程、
を含むことを特徴とする化粧塀用化粧板の製造方法。
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