JP3399827B2 - 霧観測方法及び霧観測レーダシステム - Google Patents

霧観測方法及び霧観測レーダシステム

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JP3399827B2
JP3399827B2 JP07408698A JP7408698A JP3399827B2 JP 3399827 B2 JP3399827 B2 JP 3399827B2 JP 07408698 A JP07408698 A JP 07408698A JP 7408698 A JP7408698 A JP 7408698A JP 3399827 B2 JP3399827 B2 JP 3399827B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気象レーダを用い
て霧を観測する方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、気象観測のための装置とし
て、いわゆる気象レーダが広く用いられている。この気
象レーダは、空気中の水滴、例えば雨粒などを観測する
ことができ、降雨強度などを計測することができる。こ
のように、空中の水滴からのエコー波を検出し、水滴の
観測を行う気象レーダは、一般にセンチ波レーダが用い
られている。このセンチ波レーダの代表的な波長として
は、10cm、5cm、3cmなどが用いられている。
【0003】近年、より小さい水滴の観測をすることが
できるレーダとして、ミリ波レーダが利用されつつあ
る。このミリ波レーダを用いれば、従来の気象レーダで
は観測できなかった極めて小さい水滴の粒を観測するこ
とができ、その結果霧や雲を探知することができる。こ
のミリ波レーダが用いている波長は、例えば8.6mm
などが利用されている。
【0004】このミリ波レーダは、小さい水滴の粒の観
測を行うことができるため、霧レーダとしての応用が提
案されている。空港や港湾、道路などにおいては、霧が
発生すると視程の悪化により交通障害を引き起こす恐れ
がある。そこで、このミリ波レーダを霧の監視に利用す
ることが計画され、検討が行われている。
【0005】なお、特開昭54−43694号公報に
は、気象エコーとシークラッタの振幅変動の統計的な特
性を利用して、シークラッタを自動的に除去して重畳し
ている気象エコーを定量的に測定する気象レーダ装置が
開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】さて、波長の短いミリ
波レーダは、小さい水滴の粒を観測できるため、霧観測
レーダとしての利用が検討されているが、小さい水滴の
粒だけではなく、雨粒のような大きな粒からの反射波を
も検出することができる。そのため、このミリ波レーダ
では大きな粒の雨粒なども、小さい粒である霧と同様に
検出してしまう。その結果、降雨と霧とを識別すること
は困難であった。
【0007】勿論、霧のような小さな水滴からの反射波
と、雨粒のような大きな水滴からの反射波とはその大き
さが異なるので、反射波のエコー強度の大小により降雨
と霧とを識別することも考えられる。
【0008】しかし、レーダ観測では、霧や降雨により
電波が減衰し、その減衰量を正確に補正することは必ず
しも容易ではない。そのため、エコー強度の大小のみで
霧か降雨かを正確に識別することは困難である。
【0009】さらに、霧観測レーダでは、視程劣化の原
因である主要な霧のみを検出することが、その霧レーダ
の本来の目的に鑑みれば望ましいことである。そのた
め、反射波が検知された時、その反射波の原因となった
ターゲットが霧であるのかそれとも降雨であるのかを識
別する必要がある。
【0010】本発明は、係る課題に鑑みなされたもので
あり、その目的は検出されたターゲットが霧であるのか
それとも降雨であるのかを識別する方法及びシステムを
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定高度より
低い地表又は海面付近の降雨及び霧領域を観測する第1
ステップと、上記所定高度以上の降雨領域を観測する第
2ステップと、上記所定高度以上の降雨領域の観測結果
から対応する上記所定高度よりも低い地表又は海面付近
における降雨領域を求める第3ステップと、上記第3の
ステップで求められた降雨領域に基づいて上記第1ステ
ップで観測された上記降雨及び霧領域の降雨領域を算出
し、この降雨領域以外の領域を上記降雨及び霧領域にお
ける霧領域として抽出する第4ステップと、を含むこと
を特徴とするものである。
【0012】本発明は、前記所定の高度は、気象条件に
よって定めることを特徴とするものである。
【0013】
【0014】本発明は、気象レーダの仰角を所定の小角
度に設定し、この気象レーダを用いて所定高度より低い
地表又は海面付近の降雨及び霧領域を観測する第1ステ
ップと、上記気象レーダの仰角を上記小角度より大きい
所定の大角度に設定し、この気象レーダを用いて上記所
定高度以上の降雨領域を観測する第2ステップと、上記
所定高度以上の降雨領域の観測結果から対応する上記所
定高度よりも低い地表又は海面付近における降雨領域を
求める第3ステップと、上記第3のステップで求められ
た降雨領域に基づいて上記第1ステップで観測された上
記降雨及び霧領域の降雨領域を算出し、この降雨領域以
外の領域を上記降雨及び霧領域における霧領域として抽
出する第4ステップと、を含むことを特徴とするもので
ある。
【0015】本発明は、前記大角度は、気象条件に基づ
き定めることを特徴とするものである。
【0016】本発明は、前記小角度は、上記気象レーダ
の設置場所の地形状況に基づいて定めることを特徴とす
るものである。本発明は、前記気象レーダはミリ波レー
ダであることを特徴とするものである。
【0017】本発明は、仰角が所定の大角度に設定さ
れ、所定高度以上の降雨領域の観測をする高仰角アンテ
ナと、仰角が前記大角度より小さい所定の小角度に設定
され、所定高度より低い地表又は海面付近の降雨及び霧
領域を観測する低仰角アンテナと、を含み、上記所定高
度以上の降雨領域の観測結果から対応する上記所定高度
よりも低い地表又は海面付近における降雨領域を求め、
この降雨領域に基づいて、上記低仰角アンテナが観測し
た上記降雨及び霧領域の降雨領域を算出し、この降雨領
域以外の領域を上記降雨及び霧領域における霧領域とし
て抽出することを特徴とするものである。
【0018】本発明は、前記低仰角アンテナが送信する
電波は、ミリ波帯電波であることを特徴とするものであ
る。
【0019】本発明は、前記高仰角アンテナの開口面積
は、前記低仰角アンテナの開口面積よりも小さいことを
特徴とするものである。
【0020】本発明は、海面付近の降雨及び霧領域を観
測する第1ステップと、海面上の降雨領域を観測する第
2ステップと、上記第2ステップの降雨領域の観測結果
から対応する海面付近の降雨領域を求める第3ステップ
と、上記第3のステップで求められた降雨領域に基づい
て上記第1ステップで観測された上記降雨及び霧領域の
降雨領域を算出し、この降雨領域以外の領域を上記降雨
及び霧領域における霧領域として抽出する第4ステップ
と、を含むことを特徴とするものである。
【0021】本発明は、前記第2ステップは、海面から
の反射波であって、エコー強度が強い反射波を、クラッ
タとして検出し、クラッタが検出された領域を降雨領域
として抽出することを特徴とするものである。
【0022】本発明は、前記第2ステップは、海面から
の反射波であって、周波数のドップラ速度幅が大きい反
射波を、前記クラッタとして検出し、クラッタが検出さ
れた領域を降雨領域として抽出することを特徴とするも
のである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。
【0024】実施の形態1.図1には、本発明の好まし
い実施の形態である霧観測方法の原理を表す説明図が示
されている。また、図2には本実施の形態に係る霧観測
方法の動作の流れを表すフローチャートが示されてい
る。
【0025】図1に示されているように霧10は、一般
に低い高度にのみ発生することが経験的に知られてい
る。具体的には高度としては数100m程度以下であ
る。そのためレーダ12が低い高度に対してレーダビー
ム14を発した場合には、このレーダビームから得られ
るエコー波は霧10からのものと、降雨16のものから
との2種類が含まれる。なお、本実施の形態におけるレ
ーダ12は、上述したミリ波レーダである。さて、この
霧10からの反射波と、降雨16からの反射波とを距離
的には区別することができるものの、それが霧10であ
るか又は降雨16であるかを区別することは一般に困難
である。この困難性については既に上で述べた。
【0026】次に、レーダ12が高高度領域に対してレ
ーダビーム18を発した場合には、このレーダビーム1
8から得られる反射波は降雨16からのものだけであ
る。これは、高高度領域とは霧が発生しない数100m
程度以上だからである。
【0027】従って、レーダ12の仰角を調整し、レー
ダ12が低高度領域に対してレーダビーム14を発した
場合には霧10及び降雨16からの反射波が得られるの
に対し、レーダ12の仰角を大きくしレーダ12が高高
度領域に対してレーダビーム18を発した場合には、降
雨16からの反射波のみが検出される。従って、両反射
波を比較することにより、降雨16と霧10とを識別す
ることができる。
【0028】具体的には、低高度領域に発したレーダビ
ーム14から得られたエコーデータにより水滴が存在す
ると判断された地域は霧10又は降雨16が発生してい
る2つの地域を含んだものである。この地域を霧・降雨
地域と呼ぶ。一方、高高度領域に向けて発せられたレー
ダビーム18から水滴が検出される地域は降雨16のみ
が生じている地域だけである。この地域を降雨地域と呼
ぶ。
【0029】従って、低高度領域のエコーデータに基づ
いて得られた地域から、高高度領域に対して発せられた
レーダビーム18から得られた降雨の地域を除けば、そ
の残りの地域は霧10が発生している地域である。換言
すれば、低高度領域に向けて発せられたレーダビーム1
4に対してのみ反射波を返して来た地域のみが霧10が
発生している地域であると判断されるのである。霧10
のみが発生している地域を霧地域と呼ぶ。
【0030】尚、本文においては空中の3次元上での一
定の範囲を「領域」と呼ぶ。また、地図上の一定の範囲
のように2次元上での一定の範囲を「地域」と呼んでい
る。この結果、ある「領域」は、高さと、地上に対する
投影面積と、を有する3次元上の一定の範囲である。そ
して、ある「領域」を地上に投影してできた地上の2次
元的な平面を、その「領域」に対する「地域」と呼んで
いる。
【0031】このように、本実施の形態においては霧1
0と降雨16とを、双方の高度分布によって識別してい
るのである。すなわち、降雨16は高度数kmから雨粒
が落下してくるのに対し、霧は低い高度(高度数100
m)にのみ発生することが経験上知られているからであ
る。従って、レーダ12の仰角を小さくし低高度領域に
対してレーダビーム14を発して得られた霧・降雨地域
から高高度領域にレーダビーム18を発して得られた降
雨地域を除けば、霧10が発生している霧地域のみを抽
出することができるのである。なお、低高度領域と高高
度領域の境目となる高度は地域や周囲環境によって適宜
適切な値とすることが好ましいが、典型的には200m
から300m程度とすることが望ましいと考えられる。
【0032】本実施の形態においてはこのように高度分
布によって霧10と降雨16とを区別しているが、レー
ダ12自体は従来の気象データと同様に例えばCAPP
I(Constant Altitude Plain
Position Indecator)観測を行っ
て高度分布を検出することも勿論好ましい。このCAP
PI観測は、レーダ12を水平面内で360度回転さ
せ、水平方向における空気中の水滴の方位を求めつつ、
1回転毎にレーダ12の仰角を変化させ空中の全ての方
向における空気中の水滴の観測を行う手法である。
【0033】次に、本実施の形態における霧観測方法の
動作をフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0034】図2のフローチャートにおいて、まずステ
ップS2−1のレータ観測ステップにおいて、レーダ1
2を用いたCAPPI観測が行われる。CAPPI観測
は、従来から知られている観測手法であり、この観測に
より地上の半球面方向における全ての方向にレーダビー
ムが発せられ、反射波のデータ(エコーデータ)が得ら
れる。
【0035】次に、ステップS2−2の降雨地域抽出ス
テップにおいては、高高度領域観測画像から降雨地域の
抽出が行われる。ここで、高高度領域観測画像とは、図
1に示されているように、数100m以上の空中からの
エコーデータによって作成された画像である。このエコ
ーデータの画像に基づき、現在雨が降っているか否かの
検査を行って、降雨地域を抽出している。
【0036】なお、上述したように、本文においては領
域とは雲や霧が占める三次元的な空間の領域を意味し、
「地域」とは地上の二次元的な広がりを持つ地域を意味
している。従って、高高度領域観測画像は、空中の三次
元的な領域に対する画像であり、この情報から現在雨が
降っている地上の2次元的な地域を算出し、この地域を
「降雨地域」として抽出しているのである。
【0037】次に、ステップS2−3の霧・降雨地域抽
出ステップにおいては低高度領域観測画像から霧・降雨
地域の抽出を行う。この霧・降雨地域は、霧10または
降雨16が発生している地域である。この両者が同時に
検出されるのは、図1に示されているように双方から反
射波が得られるためである。
【0038】ステップS2−4の霧地域算出ステップに
おいては上記ステップS2−3で求めた霧・降雨地域か
ら、ステップS2−2で求めた降雨地域を除去し、霧地
域を求める。
【0039】本実施の形態において特徴的なことは低高
度領域観測画像から得られた霧・降雨地域から、高高度
領域観測画像から抽出した降雨地域を除去することであ
る。この結果、低高度領域観測画像でのみ反射波が得ら
れた領域の下の地域(霧地域)のみを抽出することがで
き、霧10が発生している地域を知ることができる。
【0040】ステップS2−5においては得られた霧地
域を、霧分布画像に変換し、この霧分布画像を表示装置
に表示する。この表示は、従来からのCRTや、LCD
などの種々の表示手段を用いることが好ましい。
【0041】以上述べたように、本実施の形態1によれ
ば、低高度領域の観測結果による地域から、高高度領域
における観測結果による地域を減算し、霧10のみが発
生している地域を検出することができた。その結果、降
雨16とは分離して霧10のみを純粋に検出することが
できるため、道路や空港等における視程の悪化を明確に
把握することができる。
【0042】実施の形態2.次に本発明の好ましい実施
の形態2について、その説明を行う。まず、霧領域と降
雨領域との関係について説明する。図3には、霧領域と
降雨領域との間の関係を表す説明図が示されており、こ
の説明図において(1)には、霧領域が単独で存在する
場合の説明図が示されている。また、(2)には霧領域
と降雨領域とが重複せずに存在する場合の説明図が示さ
れている。また(3)には霧領域と降雨領域とが重複し
て存在する場合の説明図が示されている。また(4)に
は霧領域が降雨領域に完全に包含される場合の説明図が
示されている。
【0043】本実施の形態(及び本発明)においては、
このうち図3の(1)〜(3)の場合の霧観測を想定し
ており、(4)は観測対象外である。なお、(3)及び
(4)における重複部分の領域は、霧自体よりも視程が
良好であることが知られている。この図3においては、
各領域はそれぞれ全て上空から見た様子を表している。
【0044】本実施の形態における霧観測の様子を表す
フローチャートが図4に示されている。このフローチャ
ートは、請求項に記載された本発明の動作を表すフロー
チャートでもある。このフローチャートにおいて特徴的
なことは、全て「領域」のデータで演算が行われている
ことである。したがって、上記実施の形態1と異なり、
2次元の「地域」のデータは何ら扱っていない。
【0045】まず、第1ステップ30においては、所定
高度より低い地表又は海面付近の降雨及び霧領域の観測
が行われる。この「降雨及び霧領域」とは降雨又は霧が
存在する領域を意味する。なお、所定高度とは、上記実
施の形態1における低高度領域と高高度領域の境目とな
る高度である。
【0046】次に、第2ステップ32においては、上記
所定高度以上の降雨領域の観測が行われる。これは、気
象レーダの仰角を大きくすることにより高高度領域の観
測を行うことを意味する。
【0047】尚、この第2ステップ32において、降雨
領域が存在しない場合も想定される。これは、図3の
(1)に示されているような場合である。この図3の
(1)に示されているような場合には、上記第1ステッ
プ30において検出される「降雨及び霧領域」は、図3
の(1)における霧領域そのものとなる。
【0048】第3ステップ34においては、上記所定高
度以上の降雨領域の観測結果から対応する上記所定高度
よりも低い地表又は海面付近における降雨領域が求めら
れる。これは、高高度領域の観測に基づき、その下方に
ある低高度領域における降雨領域を求めるものである。
【0049】第4ステップ36においては、上記第3の
ステップ34で求められた降雨領域に基づいて上記第1
ステップ30で観測された上記降雨及び霧領域の降雨領
域を算出し、この降雨領域以外の領域を上記降雨及び霧
領域における霧領域として抽出するのである。
【0050】このように、本実施の形態2及び本発明に
おいては、2次元的なデータを何ら用いず、3次元的な
「領域」のデータのみを用いて「霧領域」を求めること
ができる。
【0051】実施の形態3.さて、上記実施の形態1に
おいては、気象観測自体は、従来からのCAPPI観測
を行っていた。このCAPPI観測によれば、レーダ1
2の仰角が少しずつ変化するため、図1に示すような低
高度領域の観測と、高高度領域の観測とは、そのCAP
PI観測の最中に自動的に行われる。
【0052】しかしながら、霧の有無のみを観測する場
合には、必ずしもCAPPI観測を行う必要はない。本
実施の形態3においては、霧の有無のみを検出するた
め、レーダ12の仰角として、低高度領域を観測するた
めの小さな仰角と、高高度領域を観測するための大きな
仰角の2つの仰角のみを取り得るように設定した。すな
わち、レーダ12の仰角を例えば0deg.に設定し、
レーダビームを水平方向に発射し、低高度領域における
水滴の有無を検出する。次に、レーダ12の仰角を例え
ば5.7deg.に設定し、高高度領域における水滴の
有無を検出するのである。このような気象観測の様子を
表す説明図が図5に示されている。この図に示されてい
るように、レーダ12の位置からおよそ2kmより遠い
地域においての霧の有無を観測するには、高高度領域の
観測をする際のレーダ12の仰角を5.7deg.に設
定することが好ましい。なお、この図5に示されている
例においては200mより高い領域を高高度領域と呼ん
でいる。また、この200mより低い領域を低高度領域
と呼んでいる。
【0053】次に、本実施の形態2にかかる霧観測の動
作を、図6に示されたフローチャートに基づき、詳細に
説明する。
【0054】図6のステップS4−1の降雨地域抽出ス
テップにおいては、高高度領域の観測を行い、得られた
観測結果の高高度領域観測画像から、降雨地域の抽出が
行われる。
【0055】ステップS4−2の霧・降雨地域抽出ステ
ップにおいては、低高度領域の観測を行い、得られた観
測結果の低高度領域観測画像から、霧・降雨地域の抽出
が行われる。
【0056】最後に、ステップS4−3においては、上
記霧・降雨地域から、上記降雨地域を除去し、霧地域を
求める。
【0057】このように、本実施の形態3においては、
レーダ12の取り得る仰角を大角度と小角度の2種類に
のみ限定した。そのため、低高度領域と高高度領域の観
測を迅速に行うことができ、観測の時間分解能を高める
ことができる。換言すれば、極めて短時間で霧の有無を
判断することができる霧観測方法が実現できる。
【0058】実施の形態4.次に本発明の好ましい実施
の形態4について、その説明を行う。
【0059】本実施の形態4(及び本発明)において
も、上述したように、上記図3の(1)〜(3)の場合
の霧観測を想定しており、(4)は観測対象外である。
【0060】本実施の形態における霧観測の様子を表す
フローチャートが図7に示されている。このフローチャ
ートは、請求項に記載された本発明の動作を表すフロー
チャートでもある。このフローチャートにおいて特徴的
なことは、上記図4のフローチャートと同様に全て「領
域」のデータで演算が行われていることである。したが
って、上記実施の形態2と異なり、2次元の「地域」の
データは何ら扱っていない。
【0061】まず、第1ステップ40においては、レー
ダ12の仰角を所定の小角度に設定し、このレーダ12
を用いて所定高度より低い地表又は海面付近の降雨及び
霧領域の観測が行われる。
【0062】所定の小角度は典型的には0deg.であ
るが、地表や海面付近を観測できればどのような角度で
もかまわない。小角度の設定のより詳細な例を次の実施
の形態6で説明する。
【0063】次に、第2ステップ42においては、上記
レーダ12の仰角を上記小角度より大きい所定の大角度
に設定し、このレーダ12を用いて上記所定高度以上の
降雨領域の観測を行う。所定の大角度とは、典型的には
5.7deg.であるが、種々の条件にしたがって、適
切な値を設定することが好ましい。大角度のより詳細な
設定の方法を次の実施の形態5で説明する。
【0064】第3ステップ44においては、上記所定高
度以上の降雨領域の観測結果から対応する上記所定高度
よりも低い地表又は海面付近における降雨領域を求め
る。この第3ステップ44は、基本的には図4における
上記第3ステップ34とほぼ同様の動作を行う。
【0065】第4ステップ46においては、上記第3の
ステップ44で求められた降雨領域に基づいて上記第1
ステップ40で観測された上記降雨及び霧領域の降雨領
域を算出し、この降雨領域以外の領域を上記降雨及び霧
領域における霧領域として抽出する。この第4ステップ
46は、基本的には図4における上記第4ステップ36
とほぼ同様の動作を行う。
【0066】このように、本実施の形態4及び本発明に
おいては、2次元的なデータを何ら用いず、3次元的な
「領域」のデータのみを用いて「霧領域」を求めること
ができる。
【0067】実施の形態5.本実施の形態5において
は、2つの仰角のみで観測を行う場合の上記大角度につ
いてのより具体的な算出方法等を説明する。
【0068】本実施の形態5における霧観測の様子を表
す説明図が図8に示されている。この説明図は本発明に
おける霧観測の様子を表す説明図でもある。この説明図
においては、高高度領域と低高度領域との境界の高度を
hとしている。また、高高度領域の最大高度をHとして
いる。そして、レーダ12が観測可能な水平最大距離を
Lとしている。
【0069】さて、この図8に示されているように、最
大水平距離Lにおいて高度Hの点を観測するときの仰角
θは以下の式で表される。
【0070】
【数1】θ=tan-1(H/L) この仰角θで観測をしたときに高高度領域を観測可能な
最小水平距離lは、以下の式で表される。
【0071】
【数2】l=h/tan(θ) このことは、換言すれば、この水平距離lよりレーダ1
2に近い地域の高高度領域の観測はできないことを意味
する。すなわち、θとhによって、高高度領域のデータ
として観測しない範囲(これはレーダ12からの距離が
l以内である地域を意味する)が決定されるのである。
【0072】例えば、L=20×103m、H=2×1
03m、h=200mの場合には、以下のように計算で
きる。
【0073】
【数3】θ=5.7deg. l=2×103m 以上述べたように、H、L、hが予め定まっていれば、
これらの値によって、θとlが定まり、高高度領域を観
測する際の最適な仰角(θ)が求まるので、このθを大
角度にすることが好ましい。なお、レーダ12の仰角を
これ以上の角度に設定すると、雨雲の観測が困難となっ
たり、観測範囲が狭くなってしまう等の弊害が生じる。
【0074】勿論、逆にθとlとを先に求めておき、こ
のようなθとlになるようにH、L、hを定めることも
好ましい。
【0075】以上述べたように、大角度は、観測条件や
気象条件により算出することが好ましい。
【0076】実施の形態6.本実施の形態6において
は、2つの仰角のみで観測を行う場合の上記小角度につ
いてのより具体的な決定方法等を説明する。
【0077】上記小角度は、一般には0度に設定するこ
とが好ましい。これは、地表や海面付近の霧及び降雨領
域を観測するには、発射する電波ビームは、地表や海面
と平行である必要があるためである。なお、このことは
海面は水平であり、また地表も水平であると認められる
場合が多いからである。
【0078】しかし、レーダの設置場所によっては、必
ずしも地面が水平とは言えない場合も想定される。
【0079】例えば、本実施の形態6における霧観測の
様子を表す説明図が図9に示されている。この図9の説
明図は、本発明の説明図でもある。この説明図に示され
ているように、本実施の形態においてはレーダ12が高
地の頂上に位置しており、レーダ12から周囲に向かっ
て下り坂になっている。
【0080】したがって、図9に示されているような本
実施の形態の場合には、レーダ12からの電波ビームは
水平方向ではなく、地表面に沿わせるために下向きにす
る必要がある。そのため、図9の場合には、小角度は、
−2度〜−3度程度に設定することが好ましい。
【0081】さて、本実施の形態においては、図9に示
したように、レーダ12の仰角の小角度がマイナスの場
合について説明したが、小角度がプラスとなる場合も考
えられる。これは図9の場合とは逆にレーダ12が窪地
の何処に位置している場合等である。いずれの場合も、
レーダ12から発射される電波ビームを地表面と平行に
するために、上記小角度はレーダ12の設置場所の地形
に応じて決定することが望ましい。
【0082】実施の形態7.上記実施の形態1や3にお
いては、いずれにしてもレーダ12を駆動し、その仰角
を変更して低高度領域と高高度領域における観測を行っ
ていた。
【0083】しかしながら、レーダ12の仰角を変更す
るための駆動装置は精密な機械的な駆動装置が必要とな
り、レーダ12のコストの増大を招く可能性もある。さ
らには、レーダ12を駆動するために低高度領域と高高
度領域とを同時に観測することはできない。このため、
霧の有無を検出するためにはレーダ12を駆動する一定
の時間が常に必要となってしまう。
【0084】そこで、本実施の形態7においては複数の
アンテナすなわちマルチアンテナを備えたレーダ22を
用いて、アンテナの仰角を固定している。このように、
マルチアンテナによるレーダ22の例が図5の説明図に
示されている。この図に示されているように、レーダ2
2は低高度領域の観測をするために仰角を小さく設定し
た低仰角アンテナ22aと、高高度領域の観測を行うた
めに仰角を大きく設定した高仰角アンテナ22bとの2
つのアンテナを備えている。そして、これらの低仰角ア
ンテナ22a、高仰角アンテナ22bの仰角は固定され
ている。
【0085】このため、低仰角アンテナ22a、高仰角
アンテナ22bの仰角を変更するための駆動装置が不要
となり、レーダ22のコストの低減を図ることができ
る。さらには、低仰角アンテナ22a、高仰角アンテナ
22bの仰角が固定されているため、タイムラグを生じ
させずすぐに低高度領域及び高高度領域の観測を行うこ
とができる。そのため、上記実施の形態1や3と比較し
て迅速に霧の有無を検出することができる。
【0086】このように、霧観測にのみ用いるレーダ2
2として、本実施の形態3においては低仰角アンテナ2
2aと高仰角アンテナ22bとからなるマルチアンテナ
を備えたレーダ22について説明した。このレーダ22
を用いた霧観測レーダシステムは、霧の観測において低
高度領域と高高度領域とを同時に観測し得るという点を
除けば、上記実施の形態1や3とその霧観測の原理は同
様であり、霧地域の算出動作も同様である。
【0087】尚、低仰角アンテナ22aと比較して、高
仰角アンテナ22bは小さなアンテナを利用することが
できる。具体的には、高仰角アンテナ22bは、低仰角
アンテナ22aと比較して開口面積が小さいアンテナを
利用することができる。その理由は、霧10からの反射
波よりも降雨16からの反射波のほうが一般に大きいた
め、アンテナ利得の低くなる開口面積の小さなアンテナ
を用いても降雨16を検出することができるからであ
る。さらに、高仰角アンテナ22bは、ミリ波アンテナ
を使用する必要は必ずしもなく、従来のセンチ波レーダ
でもかまわない。その理由は、高仰角アンテナ22bは
霧を検出する必要はなく降雨16のみを検出できればよ
いからである。
【0088】実施の形態8.上記実施の形態1、3や7
においては、低高度領域と高高度領域における水滴を検
出し、低高度領域にのみ水滴が観察された地域を霧が発
生している地域と判断した。この原理は、上記実施の形
態1、3や7において共通なものである。本実施の形態
8においては、別の原理による霧が発生している地域の
検出の例について説明する。
【0089】本実施の形態8に係る霧の観測方法の説明
図が図11に示されている。この図は、本発明の霧観測
方法の説明図でもある。この図に示されているように、
本実施の形態は海面エコーの観測によって海面上に霧1
0が発生しているか否かを判断する方法である。
【0090】まずレーダ12の仰角をほぼ0deg.付
近に設定し、海上の空中の水滴について気象観測を行
う。このような気象観測の結果、海上に発生している霧
10や降雨16を検出することができる。
【0091】次に、レーダ12の仰角をマイナスにする
ことにより、海面の観測を行う。このように、レーダ1
2の仰角をマイナスにすることにより積極的に海面クラ
ッタを受信するようにしたものである。この海面クラッ
タは、海面から反射されたエコーであるが、その反射波
の強度や、その反射波のドップラ速度幅の大きさなどは
その海面に雨が降っているか否かによって大きく異な
る。
【0092】例えば、雨が降っておらず海面が滑かな状
態においてはその反射波の大きさは小さい。一方、海面
上に雨が降っており、海表面が乱れている場合には、そ
の海面の細かい凹凸や細かい波により反射波の強度が大
きくなるのである。さらに、雨によって海面上に細かい
波が生じているため、その反射波のドップラ速度幅の大
きさも、なめらかな海面に比べて大きくなる。
【0093】従って、海面クラッタのエコー強度やドッ
プラ速度幅の大きさを観測することにより、その海表面
に雨が降っているか否かを知ることができる。
【0094】本実施の形態8において特徴的なことは、
このように海面クラッタの様子からその海表面における
降雨の有無を判断することである。
【0095】以上のようにして、霧10や降雨16が生
じている地域(霧・降雨地域)を、観測すると共に、海
面クラッタを観測することにより降雨16が存在する地
域(降雨地域)のみを検出することができる。従って、
霧10または降雨16が生じている霧・降雨地域から、
降雨16のみが発生している降雨地域を取り除くことに
より、霧10のみが発生している霧地域を特定すること
ができる。
【0096】本実施の形態8において特徴的なことは、
降雨16が生じている場合に海面の様子が変化すること
を利用して、降雨地域を検出したことである。降雨16
によって海面状態が変化することにより海面クラッタの
大きさやドップラ速度幅が大きく異なることを利用し、
降雨16が生じている地域を特定することができたもの
である。
【0097】次に、フローチャートに基づき、本実施の
形態8における霧地域の算出動作についてより詳細に説
明する。図12には、本実施の形態8に係る霧観測方法
の動作を表すフローチャートが示されている。
【0098】まず、空中観測ステップであるステップS
7−1においては、レーダ12の仰角を0deg.に設
定し、霧10及び降雨16からの反射波を受信し、霧1
0及び降雨16が存在する領域を検出するものである。
【0099】次に、霧・降雨領域抽出ステップS7−2
においては、上記の観測結果に基づき霧10または降雨
16が生じている地域の抽出を行う。この「地域」と
は、上で述べたように地図上の二次元的な範囲を表すも
のであり、本実施の形態においては特に海面上の所定の
面の範囲を意味する。
【0100】海面観測ステップS7−3においては海面
の観測が行われる。この観測は、上述したようにレーダ
12の仰角をマイナスにすることにより、レーダビーム
を海面に照射し、その反射波を検出することにより行わ
れる。上述したように降雨16が生じている領域におい
ては海面上に細かい波が発生し、レーダビームの反射波
の強度が大きくなり、またドップラ速度幅も大きくな
る。一方、降雨16が存在しない地域の海面においては
その表面は滑かであり、レーダビームの反射波の強度が
弱まると共に、ドップラ速度幅も小さなものとなる。
【0101】降雨領域抽出ステップS7−4においては
降雨地域の抽出が行われる。具体的には、反射波の強度
が大きい領域や、ドップラ速度幅の大きな領域の下にあ
る地域が降雨地域として抽出されるのである。
【0102】霧領域算出ステップS7−5においては、
上で検出した霧・降雨地域から、降雨地域を除く作業が
行われる。これによって、霧10のみが発生している霧
地域を抽出することができる。
【0103】最後に、ステップS7−6においては上で
求めた霧のみが発生している地域である霧地域の表示が
行われる。この表示は、CRTやLCDなど従来の表示
装置に対して地域の表示が行われるものである。
【0104】本実施の形態において特徴的なことは降雨
16が生じている場合に海面の表面に細かい波が生じ、
レーダビームの反射波に変化が生じることを利用して、
降雨16が生じている地域を検出したことである。そし
て、この降雨地域を、霧10または降雨16が生じてい
る地域から取り除くことにより、霧10のみが発生して
いる霧地域を求めることができたのである。
【0105】実施の形態9.次に本発明の好ましい実施
の形態9について、その説明を行う。
【0106】本実施の形態9(及び本発明)において
も、上述したように、上記図3の(1)〜(3)の場合
の霧観測を想定しており、(4)は観測対象外である。
【0107】本実施の形態9(及び本発明)において
は、上記実施の形態8と同様の原理に基づき、霧領域の
観測を行うものであるが、上記実施の形態8と異なり、
2次元的なデータである「地域」を用いずに、3次元的
なデータである「領域」のみを用いて霧領域を観測して
いる。
【0108】本実施の形態9における霧観測の様子を表
すフローチャートが図13に示されている。このフロー
チャートは、請求項に記載された本発明の動作を表すフ
ローチャートでもある。このフローチャートにおいて特
徴的なことは、上述したように、全て「領域」のデータ
で演算が行われていることである。
【0109】まず、第1ステップ50においては、海面
付近の降雨及び霧領域の観測が行われる。この「降雨及
び霧領域」とは、上記実施の形態2と同様に、降雨又は
霧が存在する領域を意味する。
【0110】次に、第2ステップ52においては、海面
上の降雨領域の観測が行われる。この降雨領域の判定処
理動作は、上記実施の形態8と同様である。すなわち、
海面からのクラッタに基づき、降雨領域の判定が行われ
る。
【0111】第3ステップ54においては、上記第2ス
テップ52の降雨領域の観測結果から対応する海面付近
の降雨領域が求められる。これは、海面からのクラッタ
に基づき海面上の降雨領域を求め、これに基づいて海面
付近の降雨領域を求めるものである。
【0112】第4ステップ56においては、上記第3の
ステップ54で求められた降雨領域に基づいて上記第1
ステップ50で観測された上記海面付近の降雨及び霧領
域の降雨領域を算出し、この降雨領域以外の領域を上記
降雨及び霧領域における霧領域として抽出するのであ
る。この第4ステップ56は、本質的には、上記図4に
おける第4ステップ36と同様の動作が行われる。
【0113】このように、本実施の形態9及び本発明に
おいては、2次元的なデータを何ら用いず、3次元的な
「領域」のデータのみを用いて「霧領域」を求めること
ができる。
【0114】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、霧
及び降雨領域中の降雨領域を除いて霧領域を求めること
ができる。
【0115】低高度領域と高高度領域の境界は、気象条
件により定めることにより、霧領域を正確に求めること
ができる。
【0116】
【0117】また、レーダに2つの仰角のみを設定した
ので、迅速に高高度領域と低高度領域の観測を行うこと
ができる霧観測方法が得られる。
【0118】特に、本発明によれば、大角度を気象条件
に基づき定めるので、高高度領域を効率よく観測するこ
とができる。
【0119】また、本発明によれば、小角度を地形状況
に基づき定めるので、低高度領域を効率よく観測するこ
とができる。また、霧及び雨粒の双方を含む空中の水滴
を検出し得るレーダとして、ミリ波レーダを用いること
により、容易に双方の水滴を検出することができる。
【0120】また、本発明によれば、高高度領域の観測
を行う高仰角アンテナと、低高度領域の観測を行う低仰
角アンテナとを備えているため、迅速に霧地域を求める
ことができる霧観測レーダシステムが得られる。
【0121】また、本発明によれば、特に、低仰角アン
テナとしてミリ波レーダを用いた。そのため、霧を構成
する水滴を効率的に観測することができる。
【0122】また、本発明においては、上記高仰角アン
テナ開口面積は、低仰角アンテナよりも小さく構成し
た。これは、霧などの反射波より高高度領域の降雨16
からの反射波の方が経験的に大きいことが判明している
ためである。その結果、霧観測レーダシステムの構成を
より小さくすることができる。
【0123】また、本発明によれば、海面からのクラッ
タを検出することにより、降雨地域を求めているため、
海上面の霧の発生の様子をより正確に求めることができ
る霧観測方法が得られる。
【0124】また、本発明によれば、特にエコー強度が
強い反射波を受信した場合に降雨地域であると判断して
いるため、容易に降雨地域を判断することができる。
【0125】また、本発明によれば、ドップラ速度幅が
大きい反射波が検出された場合にその地域を降雨地域で
あると判断したため、より容易に霧観測が行える霧観測
方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態1による霧観測方法の原理を表
す説明図である。
【図2】 本実施の形態1における霧と降雨の識別動作
を表すフローチャートである。
【図3】 本実施の形態2及び本発明の霧観測における
霧領域と降雨領域との関係を表す説明図である。
【図4】 本実施の形態2及び本発明の霧観測の動作を
表すフローチャートである。
【図5】 本実施の形態3においてレーダを2つの仰角
にのみ設定して霧の観測を行う様子を表す説明図であ
る。
【図6】 本実施の形態3における霧と降雨の識別動作
を表すフローチャートである。
【図7】 本実施の形態4及び本発明における霧と降雨
の識別動作を表すフローチャートである。
【図8】 本実施の形態5及び本発明における霧観測の
様子を表す説明図である。
【図9】 本実施の形態6及び本発明における霧観測の
様子を表す説明図である。
【図10】 本実施の形態7のマルチアンテナを用いて
霧の観測を行う場合の動作の説明図であり、本発明の気
象レーダシステムを用いて霧の観測を行う場合の動作の
説明図でもある。
【図11】 本実施の形態8において海面からのエコー
によって降雨地域を判断し、それを用いて霧の観測を行
う場合の動作を表す説明図である。
【図12】 図11に示された海面からのエコーを観測
する場合の動作を表すフローチャートである。
【図13】 実施の形態9の霧観測方法の動作を表すフ
ローチャートであり、本発明の霧観測方法の動作を表す
フローチャートでもある。
【符号の説明】
10 霧、12 レーダ、14、18 レーダビーム、
16 降雨、22 レーダ、22a 低仰角アンテナ、
22b 高仰角アンテナ、30 40 50第1ステッ
プ、32 42 52 第2ステップ、34 44 5
4 第3ステップ、36 46 56 第4ステップ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−222135(JP,A) 特開 平8−122433(JP,A) 特開 平7−260946(JP,A) 特開 平10−104255(JP,A) 特開 平6−214007(JP,A) 特開 平7−234280(JP,A) 特開 平11−14749(JP,A) 特公 昭60−4954(JP,B2) 特公 平6−19479(JP,B2) 特許2633802(JP,B2) 特許2572841(JP,B2) 特許2624870(JP,B2) 特許3335544(JP,B2) 特許3311663(JP,B2) 若山俊夫、臼井隆三郎、藤阪貴彦, “ミリ波気象レーダの探知距離評価”, 1997年電子情報通信学会総合大会講演論 文集 通信1,日本,社団法人電子情報 通信学会,1997年3月6日,B−2− 21,p.207 松田知也、橋口浩之、渡邊伸一郎、若 山俊夫、深尾昌一郎,“ミリ波ドップラ ーレーダーを用いた大気運動の観測法の 開発”,大気圏シンポジウム,日本,宇 宙科学研究所,1998年3月4日,第13 回,p.60−63 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01W 1/00 - 1/18 G01S 13/00 - 13/95 JICSTファイル(JOIS)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定高度より低い地表又は海面付近の降
    雨及び霧領域を観測する第1ステップと、 上記所定高度以上の降雨領域を観測する第2ステップ
    と、 上記所定高度以上の降雨領域の観測結果から対応する上
    記所定高度よりも低い地表又は海面付近における降雨領
    域を求める第3ステップと、 上記第3のステップで求められた降雨領域に基づいて上
    記第1ステップで観測された上記降雨及び霧領域の降雨
    領域を算出し、この降雨領域以外の領域を上記降雨及び
    霧領域における霧領域として抽出する第4ステップと、 を含むことを特徴とする霧観測方法。
  2. 【請求項2】 前記所定の高度は、気象条件によって定
    めることを特徴とする請求項1記載の霧観測方法。
  3. 【請求項3】 気象レーダの仰角を所定の小角度に設定
    し、この気象レーダを用いて所定高度より低い地表又は
    海面付近の降雨及び霧領域を観測する第1ステップと、 上記気象レーダの仰角を上記小角度より大きい所定の大
    角度に設定し、この気象レーダを用いて上記所定高度以
    上の降雨領域を観測する第2ステップと、 上記所定高度以上の降雨領域の観測結果から対応する上
    記所定高度よりも低い地表又は海面付近における降雨領
    域を求める第3ステップと、 上記第3のステップで求められた降雨領域に基づいて上
    記第1ステップで観測された上記降雨及び霧領域の降雨
    領域を算出し、この降雨領域以外の領域を上記降雨及び
    霧領域における霧領域として抽出する第4ステップと、 を含むことを特徴とする霧観測方法。
  4. 【請求項4】 前記大角度は、気象条件に基づき定める
    ことを特徴とする請求項記載の霧観測方法。
  5. 【請求項5】 前記小角度は、上記気象レーダの設置場
    所の地形状況に基づいて定めることを特徴とする請求項
    又は記載の霧観測方法。
  6. 【請求項6】 前記気象レーダはミリ波レーダであるこ
    とを特徴とする請求項3、4、5のいずれかに記載の霧
    観測方法。
  7. 【請求項7】 仰角が所定の大角度に設定され、所定高
    度以上の降雨領域の観測をする高仰角アンテナと、 仰角が前記大角度より小さい所定の小角度に設定され、
    所定高度より低い地表又は海面付近の降雨及び霧領域を
    観測する低仰角アンテナと、 を含み、 上記所定高度以上の降雨領域の観測結果から対応する上
    記所定高度よりも低い地表又は海面付近における降雨領
    域を求め、この降雨領域に基づいて、上記低仰角アンテ
    ナが観測した上記降雨及び霧領域の降雨領域を算出し、
    この降雨領域以外の領域を上記降雨及び霧領域における
    霧領域として抽出することを特徴とする霧観測レーダシ
    ステム。
  8. 【請求項8】 前記低仰角アンテナが送信する電波は、
    ミリ波帯電波であることを特徴とする請求項7記載の霧
    観測レーダシステム。
  9. 【請求項9】 前記高仰角アンテナの開口面積は、前記
    低仰角アンテナの開口面積よりも小さいことを特徴とす
    る請求項7又は8記載の霧観測レーダシステム。
  10. 【請求項10】 海面付近の降雨及び霧領域を観測する
    第1ステップと、 海面上の降雨領域を観測する第2ステップと、 上記第2ステップの降雨領域の観測結果から対応する海
    面付近の降雨領域を求める第3ステップと、 上記第3のステップで求められた降雨領域に基づいて上
    記第1ステップで観測された上記降雨及び霧領域の降雨
    領域を算出し、この降雨領域以外の領域を上記降雨及び
    霧領域における霧領域として抽出する第4ステップと、 を含むことを特徴とする霧観測方法。
  11. 【請求項11】 前記第2ステップは、 海面からの反射波であって、エコー強度が強い反射波
    を、クラッタとして検出し、クラッタが検出された領域
    を降雨領域として抽出することを特徴とする請求項10
    記載の霧観測方法。
  12. 【請求項12】 前記第2ステップは、 海面からの反射波であって、周波数のドップラ速度幅が
    大きい反射波を、前記クラッタとして検出し、クラッタ
    が検出された領域を降雨領域として抽出することを特徴
    とする請求項10又は11記載の霧観測方法。
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