JP3398163B2 - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

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JP3398163B2
JP3398163B2 JP13097892A JP13097892A JP3398163B2 JP 3398163 B2 JP3398163 B2 JP 3398163B2 JP 13097892 A JP13097892 A JP 13097892A JP 13097892 A JP13097892 A JP 13097892A JP 3398163 B2 JP3398163 B2 JP 3398163B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンピュータ等に接
続される画像処理装置にカラー画像を入力する為のカラ
ー画像を読み取るカラー画像読取装置に係り、特にカラ
ー画像読取装置における色ずれを防止する光学系の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンピュータ等に接続される画
像処理装置にカラー画像を入力するには、カラー画像を
読み取るカラー画像読取装置が用いられている。このよ
うなカラー画像読取装置では、ガラス、或いは、プラス
チック製の透明な原稿載置台上に原稿が載せられ、この
原稿面の画像情報が結像レンズ系によってCCDセンサ
等の読取装置へ結像される。CCDセンサへ結像された
画像情報は、CCDセンサによって電気信号に変換さ
れ、画像情報信号として所定のメモリに記憶され、或い
は、外部に接続される画像形成装置等へ出力される。
【0003】上述したカラー画像読取装置では、カラー
画像を読み取る方法として1ラインCCD法及び3ライ
ンCCD法が既に提案されている。1ラインCCD法を
採用したカラー画像読取装置では、1個のCCDライン
センサによって原稿が読み取られる。即ち、原稿上の同
一領域が3回走査されるとともに結像レンズ系に装着さ
れた色分解フィルタが走査毎に変更されてその領域の画
像情報が3つの色成分に分解され、一走査毎に3つの色
成分に対応する画像信号がCCDラインセンサから画像
情報として発生される。この3回の走査によって得られ
る画像信号が合成されて1ラインカラー画像が再現され
る。これに対して、3ラインCCD法を採用したカラー
画像読取装置では、3個のCCDラインセンサで原稿上
の画像が読み取られる。即ち、CCDラインセンサの配
列ピッチに対応する異なる原稿上の領域が同時に走査さ
れ、この個々のラインセンサからの画像信号が異なる領
域の異なる色成分画像情報として発生される。この一回
毎の走査によって次々に得られる画像信号が合成されて
原稿上のカラー画像が再現される。
【0004】1ラインCCD法は、1枚の原稿に対して
3回の走査が必要であることから読取り速度が遅く、主
に低速で画像を読み取る読取装置に利用される。また、
色成分毎にメモリを必要とするとともに、3回の走査に
よって得られる画像情報を合成する必要がある。この画
像情報を合成する際の位置合わせに際しては、画像読取
装置の駆動装置及び装置の構造に対して高い精度が要求
されるとともに、その制御も非常に複雑なものとなる。
【0005】3ラインCCD法は、1枚の原稿に対して
1回の走査で画像情報の読取りが可能なことから読取り
速度が速く、比較的高速で画像を読み取る読取装置に利
用される。しかしながら、この方法に用いられる3ライ
ンCCDセンサでは、3個の1ラインCCDセンサが1
つのユニットに形成されていることから、原稿読取り位
置が異なっている。従って、同一領域の各色成分の画像
信号が3個のラインCCDセンサの配列ピッチに従って
異なるタイミングで出力される。その結果、読取られた
画像情報に色成分毎のズレが発生する。上述した3ライ
ンCCDセンサ法における色成分毎のズレを除去する方
法として、様々な方法が提案されている。
【0006】特開平1−97056号には、3ラインC
CDセンサの配列ピッチに対応した領域の画像が読み込
まれ、画像情報が各色成分毎にメモリに記憶され、この
画像情報の色成分間の位置的なズレが電気的に補正され
る例が開示されている。この方法によれば、CCDセン
サの配列ピッチに起因する画像情報の各色成分間のズレ
は除去される。しかしながら、上述1ラインCCD法と
同様に複雑な画像情報の合成が必要になる問題がある。
【0007】また、特開平2−115816号には、各
ラインCCDセンサの配列ピッチに合わせて読取り位置
をズラして画像情報が読込み込まれ、各ラインCCDセ
ンサの配列ピッチに起因する画像情報の各色成分のズレ
を光学的に除去する方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平1−9
7056号に開示されているカラー画像読取装置では、
3ラインCCDセンサの個々のラインCCDセンサの配
列ピッチ、即ち、各ラインCCDセンサの両側に配置さ
れるCCD電荷転送路によって生じるラインCCDセン
サの間隔に起因する各色成分の画像情報のズレに対し
て、各ラインCCDセンサの間隔に対して読取位置その
ものを僅かにシフトして画像情報を読込んでいる。この
僅かにシフトされて読込まれた画像情報は、メモリを用
いて合成され、各色成分の画像情報のズレが除去され
る。
【0009】しかしながら、上述特開平1−97056
号に開示されているカラー画像読取装置では、読取られ
る画像がカラー画像である場合には、画像情報に階調デ
ータも含まれることから、膨大な記憶容量を有するライ
ン間補正メモリが必要になる問題がある。画像読取装置
にズーム機能などが付加されている場合には、その倍率
により、ラインメモリのライン数を変えたりライン間で
の演算を行なうなどたいへんに複雑な処理が必要とさ
れ、回路規模の増大によるコスト高を免れない問題があ
る。また、読取り位置そのものを僅かにシフトしている
ことから、副走査方向における機械的振動などによっ
て、各色成分の読取り位置がずれ、結果として出力画像
に色ずれ、色にじみを生じるという問題がある。当然の
ことながら、被読取り物の速度が安定していない場合、
あるいは元から速度がわからない場合などは、ライン間
補正メモリでの補正量が決められず、従って、色ずれの
ない画像読取りは不可能となる。さらに画像情報を合成
する際の位置合わせに際しては、画像読取装置の駆動装
置及び装置の構造に対して、高い精度が必要とされると
ともに、その制御も非常に複雑になる問題がある。
【0010】また、上述した特開平2−115816号
に開示されている色分解装置では、画像情報に対応した
光ビームを同一平面上に並列に配列された複数個の各ラ
インCCDセンサの配列ピッチに対応する間隔で色分解
するとともに、この色分解された光ビームを同一方向に
伝達するように設定する色分解手段が用いられ、各色成
分の画像情報のズレが光学的に除去される。
【0011】しかしながら、上述特開平2−11581
6号に開示されている色分解手段は、透光性部材を基体
とし、一方の面には光ビームを反射する光ビーム反射面
が設けられ、この光ビーム反射面に平行な他方の面には
光ビームに含まれる色成分を選択的に透過および反射す
る色選択面が設けられているダイクロイックプリズムに
より構成されている。従って、3ラインCCDセンサを
用いる場合など各ラインCCDセンサの配列ピッチが小
さい場合には、上記ダイクロイックプリズムの板厚を薄
くする必要がある。このため光ビーム反射面、或いは色
選択面を上記透光性部材上に蒸着等の方法により形成す
る際に、この透光性部材が反り、結像面が安定しないと
いう問題がある。また、3ラインCCDセンサを用いる
場合など各ラインCCDセンサの配列ピッチが小さい場
合には複数の色選択面を各ラインCCDセンサの配列ピ
ッチに対応して隣接して形成する必要があり、色選択面
の形成が困難で、このためコストが高くなるという問題
がある。更に、光線がプリズムに入射する際、或は、ダ
イクロイックプリズムより射出される際、光の屈折が生
じて光路が変化され、このために結像面にずれが生じる
問題がある。
【0012】また、特開平2−115816号に開示さ
れている色分解手段を用いた光学系においては、使用す
るCCDセンサ間のピッチが変わる度に、光学系の形状
を変更して再設計する必要があり、製造コストが高くな
るという問題がある。
【0013】さらに、特開平2−115816号に開示
されている色分解手段により色分解された光ビームは、
各ラインCCDセンサによって光電変換される。しか
し、この各ラインCCDセンサの感度は、光ビームの波
長によって異なるので、色分解された光ビームを各ライ
ンCCDセンサで光電変換するとそれぞれの出力信号の
レベルは、各色毎に異なることとなる。従って、例え
ば、これらの出力信号に256階調のA/D変換の処理
を施す際に、最も出力レベルが高い信号を基準にしてA
/D変換のリファレンス電圧を設定すると、相対的に出
力レベルの低い信号については256階調フルスケール
を用いてのA/D変換を行うことができず階調性が悪く
なるなど、出力信号の処理上問題となる。
【0014】更にまた、上述特開平2−115816号
に開示されている色分解手段に用いられている光路長補
正手段を射出した光ビームの一部は、各ラインCCDセ
ンサのカバーガラスにより反射され、光路長補正手段の
射出面でこの反射光の一部が再び反射されて各ラインC
CDセンサへ入射し、出力画像に迷光が現れるなどの不
具合を生じる。同様に、特開平2−115816号に開
示されている色分解手段を用いた光学系の場合、光電変
換手段の各光電変換素子間のピッチに完全に合わせるた
めに、色分解手段の寸法精度を非常に高くせねばなら
ず、製造コストが高くなるという問題もある。
【0015】この発明の目的は、3ラインCCD法が利
用されるカラー画像読取装置において、画像情報の各色
成分が異なる読取り位置で検出されることに起因する画
像の色ズレを光学的に防止し、しかも、特別な補正手段
を用いることなく複数の検出部に色画像情報をジャスト
フォ−カスでき、また、各ラインCCDの同一画素に結
像できるカラー画像読取装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、光束を被読取対象物に照射
する光源手段と、前記被読取対象物からの光束を伝達す
る光学手段と、この光学手段からの光束を、所定距離離
れた複数の光束に分割する光学素子と、この光学素子に
より分割された光束の各々を受光する位置に,異なる色
フィルタを介して設けられた複数の検出部が単一の基板
に構成されている検出手段と、前記光学素子の光入射側
に設けられ前記光学素子により分割される光束を前記検
出部上に結像させる結像用光学素子とを具備する画像読
取装置において、前記光学素子は、長辺側の面に光束
過及び反射するハーフミラー面が形成され、他の2短
辺に反射防止膜が形成された直角プリズムと、この直角
プリズムの長辺側の面と対向する面に光束を反射するミ
ラー面が形成された全反射光学素子と、前記ハーフミラ
ー面と前記ミラー面との間に形成された平板状屈折部材
とから構成され、前記直角プリズムと、前記平板状屈折
部材と、この両者を接着する接着剤とが実質同一の屈折
率を有し、前記平板状屈折部材は、前記接着剤の厚さ分
を加えた厚さが前記検出手段の前記検出部の配列ピッチ
に対応した厚さに形成される。
【0017】請求項2記載の発明は、光束を被読取対象
物に照射する光源手段と、前記被読取対象物からの光束
を伝達する光学手段と、この光学手段からの光束を、所
定距離離れた複数の光束に分割する光学素子と、この光
学素子により分割された光束の各々を受光する位置に、
異なる色フィルタを介して設けられた複数の検出部が単
一の基板に構成されている検出手段と、前記光学素子の
光入射側に設けられ前記光学素子により分割される光束
を前記検出部上に結像させる結像用光学素子とを具備す
る画像読取装置において、前記光学素子は、長辺側の面
に光束を透過及び反射するハーフミラー面が形成され、
他の2短辺に反射防止膜が形成された直角プリズムと、
この直角プリズムの長辺側の面と対向する面に光束を反
射するミラーが形成された全反射光学素子と、前記ハー
フミラー面と前記ミラー面との間に前記検出手段の前記
検出部の配列ピッチに対応した厚さに形成された平板状
屈折部材とから構成され、前記平板状屈折部材が前記直
角プリズムと前記全反射光学素子とを接着する接着剤で
作られており、かつ、この接着剤が前記直角プリズムと
実質同一の屈折率を有する。
【0018】
【作用】この発明によればカラー画像の読取りに際し
て、光学手段により得られる単一ラインの画像情報が、
プリズムを用いた光学素子により所定のピッチで配列さ
れた複数の検出部、即ち、イメージセンサ上に分光され
て結像される。そのため複数配列された検出部に固有の
配列ピッチに起因にする各色成分のズレが生じなくな
る。
【0019】また、分光された画像情報が複数配列され
たカラ−ラインイメ−ジセンサ上に結像される際に、こ
の各カラ−ラインイメ−ジセンサの同一画素に結像させ
ることができる。
【0020】
【実施例】以下、図面を用いてこの発明の一実施例に係
る画像読取装置を説明する。
【0021】図1には、この発明の一実施例に係る画像
読取装置が示されている。図1に示されるように画像読
取装置2は、その内部に原稿面からの反射光線をその内
で1回反射することによって第2反射ユニット30へ導
く第1反射ユニット20、第1反射ユニット20からの
光線をその内において2回反射することによって画像情
報を読み取画像読取ユニット40へ導く第2反射ユニ
ット30、及び、後述する駆動機構を有し、これらのユ
ニット20、30、40が収納されたハウジング10を
備えている。
【0022】ハウジング10は、上面に原稿が載置され
る平坦面を有する読取窓14、及び、この読取窓14に
載置される原稿を読取窓に密着させる原稿押え12を備
えている。また、このハウジング10は、原稿押え12
及び読取窓14を第1反射ユニット20上で副走査方向
Sa に移動させる図示しない駆動機構を備え、その内に
は、原稿の原稿面Gからの画像情報を結像して画像情報
を読取る画像読取ユニット40、及び画像読取ユニット
40からの信号を処理して画像信号として出力する図示
しない信号処理部が設けられている。次に、図1に示さ
れた各装置或いはユニットに関して詳述する。
【0023】ハウジング10の上部に配置された読取窓
14は、例えば、ガラスによって形成される透明板であ
って、略水平に配置されている。この読取窓14では、
読取るべき画像情報を明瞭に取り出すべく、原稿が裏返
しされて、即ち、原稿面Gがハウジング10の内側に向
けられて原稿の原稿面Gが読取窓14の平坦面に密着さ
れるよう載置される。また、この原稿押え12及び読取
窓14は、図示しない駆動機構によりハウジング10上
を副走査走行Sa に沿って移動される。
【0024】読取窓14に略平行に設置された第1反射
ユニット20は、図2に示されるように読取窓14に密
着された原稿の原稿面Gを照明するランプ24、ランプ
24からの光線を集束させ、効率よく原稿面を照明する
凹面反射板26、原稿の原稿面Gから反射された反射光
線の一部を第2反射ユニット30へ導くための第1ミラ
ー22、原稿の原稿面Gからの反射光線を所定の幅に絞
るスリット27、及び、ランプ24からの光源光線が直
接第1ミラー22に入射されないように遮光する遮光板
28を備えている。ランプ24、反射板26、スリット
27、遮光板28及び原稿面Gからの反射光線の一部を
第2反射ユニット30へ導く第1反射ミラー22は、そ
れぞれ、原稿押え12及び読取窓14が移動される副主
走査方向Sa に直交する走査方向に延出され、原稿面を
完全に走査可能に副主走査方向Sa の所定の位置で第1
反射ユニット20に固定されている。
【0025】第2反射ユニット30は、図1に示される
ように原稿の原稿面Gからの反射光線を2回反射して画
像情報を読み取る読取部へ導く第2及び第3ミラー3
2,34を備えている。この第2及び第3ミラー32,
34は、主走査方向に延出されるように第2反射ユニッ
ト30内に固定されている。ここで、第2のミラー32
は、第1の反射ミラー22に平行に配置され、第3のミ
ラー34は、第1及び第2の反射ミラー22、32に対
して直交するように配置されている。
【0026】画像読取ユニット40では、第2反射ユニ
ット30から導かれた画像情報を含む光線が複数のレン
ズが組合わせられた結像レンズユニット42、及び、図
3に示される光分解機能を有する光分解素子44を介し
て、図4及び図5に示される画像読取素子、即ち3ライ
ンCCDセンサ46に導かれ、この3ラインCCDセン
サ46よって電気信号に変換され、信号処理部で所定の
処理をされて図示しない外部の画像形成装置或いは記憶
装置等へ送られる。
【0027】図4に示すように3ラインCCDセンサ4
6は、主走査方向に延出される3つのラインCCDセン
サ46r,46g,46bを有し、図4に示す領域Aを
拡大した図5に示すようにそのラインCCDセンサ46
r,46g,46bには、光を受光する画素が同一方向
即ち、主走査方向にそれぞれ一列に並んで同数配置され
ている。また、図5中の主走査方向に対して垂直な方向
すなわち、副走査方向に並んでいる47r,47g,4
7bの各画素は、原稿面上の同一点からの光を受光する
画素である。同様に、副走査方向に並んでいる各ライン
CCDセンサ46r,46g,46b上の画素は、原稿
面上のある一点からの光を受光する。このラインCCD
46b,46g,46rは、図5に示すように1画素の
大きさが14μm四方に形成される。従って、例えば、
原稿を4本/mmの解像度で読み取る場合、原稿面Gに
おける読取画素の大きさは250μm四方となるので、
第1図に示した結像レンズ42の倍率は1/17.86
に設定される。
【0028】3ラインCCDセンサ46では、その各ラ
インCCDセンサ46r,46g,46bの側には、C
CD電荷転送路が設けられ、これによってラインCCD
センサ46r,46g,46bは、所定の間隔を空けて
配置されることとなる。この配列間隔、即ちそのピッチ
pは、3ラインCCDセンサに固有であって、この実施
例では、略168μmに設定されている。
【0029】ラインCCDセンサ46rの光入射面に
は、図6に示す分光特性FR、即ち、赤色光を透過する
特性を有する赤色フィルターL1 が設けられ、ラインC
CDセンサ46gの光入射面には、図6に示す分光特性
FG、即ち、緑色光を透過する特性を有する緑色フィル
ターL2 が設けられ、ラインCCDセンサ46bの光入
射面には、図6に示す分光特性FB、即ち、青色光を透
過する特性を有する青色フィルターL3 が設けられてい
る。この3ラインCCD46には、更に、各ラインCC
Dの検出面前面には、この検出面を保護するためのカバ
ーガラス48が設けられている。
【0030】更に、上述した実施例においては、再生さ
れた画像にゴーストを生じさせない為にラインCCDセ
ンサ46r,46g,46b毎の間隔、即ち、ピッチp
に対応して第1反射ユニット20に設けられたスリット
27の幅w、正確には原稿画像の一ライン読み取り幅
は、結像レンズ42の倍率a及びラインCCDセンサの
配列ピッチpにより設定され、各CCDセンサの光検出
面の幅s、スリット27の幅w及びピッチpは、次の関
係を満足するように定められる。 w<(2p−s)・a この関係式からこの発明の実施例では、スリットの幅w
が3mmに設定されている。
【0031】このようスリット27が設けられる理由
について説明する。上述の光分解素子44を用いて原稿
面Gから反射された光線LをラインCCDセンサ46
b,46g,46rの配列ピッチpに対応して分解する
際、上述した第1反射ユニット20にスリット27を配
置されていないと、光分解素子44の構造上次のような
不具合が生じる。即ち、図7に示されるように領域P1
からP7 を有する原稿の原稿面G1を読取るとき、第1
反射ユニット20にスリット27が設けられない場合に
は、図8に示されるように、各ラインCCDセンサ46
b,46g,46rには、領域P1 からP7 までの画像
情報セグメントを夫々有する一次反射光L1、二次反射
光L2及び三次反射光L3が同時に向けられ、ラインC
CDセンサ46b,46g,46rの夫々には、領域P
1 からP7 の隣接する3つの画像情報セグメントが同時
に結像されて一種のゴースト現象が生じてしまう。しか
し、第1反射ユニット20に所定の幅wを有するスリッ
ト27が設けられる場合には、図9に示されるように、
反射光L1,L2,L3を同時に読取っても、領域P1
からP7 の内の画像セグメントP4 以外がスリット27
によって遮蔽され、領域P1 からP7 の内の画像セグメ
ントP4 のみがラインCCDセンサ46b,46g,4
6rの夫々に入射される。上述したゴースト現象を生じ
させる光信号は、ラインCCDセンサには結像されず、
従って、ゴースト現象は生じない。
【0032】第1反射ユニット20に配置されたランプ
24からの照明光線Lwは、直接、或は、反射板26で
反射されて原稿の原稿面Gに導かれ、原稿面Gを効率よ
く照明する。原稿面Gは、この集光された照明光線Lw
によって照明され、不特定の方向に反射光線を発生す
る。この原稿面Gからの反射光線Lの一部は、図2に示
すようにスリット27を通過して第1反射ユニット20
内へ進み、第1反射ユニット20に固定されている第1
ミラー22で略副走査方向Sa に反射され、第2反射ユ
ニット30に固定されている第2ミラー32に入射され
る。ここで、遮光板28により、原稿の原稿面Gからの
反射光線L以外の光線が直接及び間接的に第1ミラー2
2に導かれることが防止される。
【0033】第2ミラー32に入射された光線Lは、第
2ミラー32に対して直交するように配置された第3ミ
ラー34に向かって直角に反射され、第3ミラー34に
入射される。第3ミラー34に入射された光線Lは、再
び直角に反射されて略副走査方向Sa に向けられ、画像
読取ユニット40へ導かれる。即ち、原稿面Gからの画
像情報を含む反射光線Lは、第2反射ユニット30にお
ける2回の反射によってその方向が180°折り曲げら
れて画像読取ユニット40に導かれる。
【0034】画像読取ユニット40へ導かれた光線L
は、レンズユニット42によって集束される。この集束
性の光線は、図3に示されるように光分解素子44によ
って画像情報の色成分、即ち、ブルー、グリーン及びレ
ッド成分Lb、Lg、Lr毎に分解されるとともに光分
解素子44内の異なる位置で反射され、その方向が略9
0°折返されて画像読取素子、即ち、3ラインCCDセ
ンサ46へ導かれる。分解された反射光線Lb、Lg、
Lrは、画像読取素子、即ち、3ラインCCDセンサ4
6の夫々色分解フィルターを装着した各ラインCCDセ
ンサ46r,46g,46bに結像されて電気信号に変
換される。
【0035】図3に示される光分解素子44は、断面形
状が直角二等辺三角形に形成されている第1及び第2の
直角プリズム44h,44m及びその間に設けた平板状
屈折部材45とから構成されている。平板状屈折部材4
5は、ラインCCDセンサの配列ピッチに対応した厚さ
tを有し、第1直角プリズム44hの長辺側の面には、
光線を透過及び反射する光分解面としてハーフミラー面
が蒸着などの方法により形成され、他の2短辺に反射防
止膜、即ちARコート膜が設けられている。第1直角プ
リズム44hの長辺側の面に対向する第2の直角プリズ
ム44mの長辺側の面には、光線を反射する全反射面、
即ちミラー面が蒸着などの方法により形成されている。
第1直角プリズム44h、第2直角プリズム44m及び
平板状屈折部材45は、オプティカルコンタクト、又
は、接着剤により互いに接合されている。
【0036】この光分解素子44に導かれた光線Lは、
まずハーフミラー面により一部の光線、即ち一次反射光
Lbが反射され、次にハーフミラー面を透過した残りの
光線は、全反射面で反射され、ハーフミラー面により一
部の光線、即ち二次反射光Lgが透過される。そしてハ
ーフミラー面を反射した残りの光は、全て全反射面で反
射され、ハーフミラー面により一部の光線、即ち三次反
射光Lrが透過される。このようにして反射光Lb,L
g,Lrが等間隔で分解される。
【0037】このようにして分解された光線は、光分解
素子44を射出し3ラインCCDセンサ46へ導かれ
る。そして、3ラインCCDセンサのカバーガラス48
によって一部が反射され、この反射光線が再び光分解素
子44へ入射されるが、このときの入射面は、ARコー
ト面であるのでここで光線が反射されて再び3ラインC
CDセンサ46に導かれることが防止される。すなわ
ち、3ラインCCDセンサ46のカバーガラス48から
の光線の反射によって画像の劣化が防止される。
【0038】各反射光線Lb,Lg,Lrが分解される
間隔は、光分解素子44を形成している平板状屈折部材
45の厚さtによって定められる。この実施例では、3
ラインCCDセンサ46の各反射光線Lb,Lg,Lr
に対応するラインCCDセンサ46b,46g,46r
の配列ピッチpが略そのCCDセンサ固有のもの(即
ち、ピッチpは、一定であり、可変できない。)である
ことから、平板状屈折部材45の厚さtは、配列ピッチ
pに対応した厚さに形成される。光線Lを折返すハーフ
ミラー面及び全反射面は、反射光線Lを直角に反射する
ことから、光軸に対して45°の角度で配置される。従
って、平板状屈折部材45の厚さtは、 t=p/ 21/2 に定められている。
【0039】光分解素子44の第1の直角プリズム44
h及び平板状屈折部材45は、好ましくは、同一材料で
作られている。第1の直角プリズム44h及び平板状屈
折部材45の材質が異なると次のような好ましくない問
題がある。即ち、光分解素子44によって光線が分解さ
れるようすを示している図10において、第1の直角プ
リズム44hと平板状屈折部材45の屈折率が異なる
と、実線で示されるように光分解素子44内を進行する
原稿Gからの反射光線Lに屈折が生じ、図10に破線で
示される所望の光路を進行しなくなる。しかし、第1直
角プリズム44hと平板状屈折部材45の材質を同一に
すると、このような光線の屈折を防止することができ
る。従って、図10の破線で示されるように各ラインC
CDセンサの配列ピッチに対応して光線が分解され、ラ
インCCDセンサ46r,46g,46bに反射光線L
b,Lb,Lrが確実に向けられることとなる。
【0040】光分解素子44のハーフミラー面は、好ま
しくは誘電体多層膜により形成される。これは、次のよ
うな理由に基づいている。一般に金属膜によりハーフミ
ラー面が形成されると、光がハーフミラー面に入射する
際、この面において光の吸収が生じる。この吸収は、膜
厚や膜の種類によって異なるが、このハーフミラーがク
ロム膜、或は、アルミ膜で作られた場合、全入射光の3
0〜40%は、透過も反射もされず膜に吸収されてしま
う。この結果、3ラインCCDセンサ46へ導かれる光
量が大きく減少してしまう。この光量の減少を防止する
には、原稿を照明するランプの光量を大きくする等の対
策が必要とされるが、装置の消費電力が大きくなり、ま
た、センサの出力信号の増幅度を上げ見かけ上の画像信
号レベルに上げる方法もあるが、S/N比の低下は避け
られず、その結果、画質の劣化を招くという問題を生じ
る。一方、誘電体多層膜によりハーフミラー面を形成し
た場合、膜の材料である誘電体が光の吸収をほとんど起
こさないため、上述のような対策は不要となる。このこ
とから、ハーフミラー面は、好ましくは誘電体多層膜に
より形成される。
【0041】平板状屈折部材45が図11及び図12で
示されるようにプリズム44h、44mに接着剤45
a、45bで接合される場合には、接着剤の厚みを調整
することで平板状屈折部材45の厚さに関する精度を満
足させることができる。この理由を図11及び図12を
参照して説明する。図11において破線は、1点鎖線で
示すように平板状屈折部材45の厚みが均一で理想的な
ミラー面に形成されている場合におけるミラー面からの
反射光線Lb、Lg、Lrを示し、実線は、平板状屈折
部材45の厚みが不均一なミラー面に形成されている場
合におけるミラー面から反射光線Lb、Lg、Lrを示
している。図11に示すようにハーフミラー面とミラー
面とが平行でない場合には、反射光Lb,Lg,Lrが
CCDセンサ46g及び46r上に結像されない。通
常、光分解面、即ち、ハーフミラー面とセンサ46との
間の距離が大きくなるに従って平板状屈折部材45の厚
さは、高い精度が要求される。そこで、第1プリズム4
4hと平板状屈折部材45、及び第2プリズム44mと
平板状屈折部材45の接着部に、平板状屈折部材45と
同一の屈折率を有する接着剤45a及び45bを用いて
この接着剤の厚みを調整することで平板状屈折部材45
の厚さに関する精度を満足させることができる。接着剤
の厚みを調整することにより、図12に示すようにハー
フミラー面とミラー面との平行度を確保することがで
き、ズレのない画像の読取りが可能となる。但し、この
ような調整を可能とする為には、平板状屈折部材45の
厚さは、センサの配列ピッチで決定される厚さtより接
着剤の厚さに相当する値だけ薄くする必要がある。
【0042】平板状屈折部材45は、接着剤、例えば紫
外線硬化性の接着剤で作られ、複数の樹脂の配合を調整
することによって、プリズムと同一の屈折率(石英ガラ
スの場合、nD =1.475 )が与えられても良い。これ
は、装置毎に3ラインCCDセンサの配列ピッチpが変
更されても、接着剤の厚さtを変更するだけで、その他
の光学部品の仕様の変更が不用であり、製造上及びコス
ト上で非常に有利であるからである。また、センサの配
列ピッチpが狭い場合、平板状屈折部材45は、非常に
薄くなるが、平板状屈折部材45にガラスを用いると、
その薄さのため平板状屈折部材45が反ったり、厚みが
不均一になるため、各反射光Lb,Lg,Lrがセンサ
面上に正しく結像されない虞がある。然ながら、平板状
屈折部材45が接着剤で作られている場合には、プリズ
ムの接着面の平行度が維持され、画像情報に生じる虞の
あるズレが防止される。
【0043】プリズム44h、44mと平板状屈折部材
45は、接着材を用いず、オプティカルコンタクトの手
法を用いて接合しても良い。接着剤を用いた場合の問題
点及びその精度について図13を参照して更に考察す
る。図13は、図3に示した光学素子44の光線分離面
を拡大して示している。この図13において第1プリズ
ム44hと平板状屈折部材45及び第2プリズム44m
と平板状屈折部材45が、それぞれ平板状屈折部材45
と同一の屈折率を持つ接着剤、45a及び45bで接着
されている様子を表している。ここで、接着剤45aの
厚みが図13に示すように不均一となってそのミラー面
が傾いてしまった場合、ハーフミラー面とミラー面とが
平行でなくなり、原稿面Gからの反射光線Lg,Lrが
CCDセンサ46g及び46r上に結像されなくなる。
また、光分解面とセンサ46との間の距離が遠くなるに
従って、接着剤45a及び45bの厚さは、高い精度が
要求される。そこで、第1プリズム44hと平板状屈折
部材45、及び第2プリズム44mと平板状屈折部材4
5の接着には接着剤を用いず、それぞれの接着面を真空
状態にするオプティカルコンタクトの手法を用いること
によって第1プリズム44hと平板状屈折部材45、及
び第2プリズム44mと平板状屈折部材45を完全に密
着させることができる。このオプティカルコンタクトに
よりハーフミラー面とミラー面との平行度は、平板状屈
折部材45の厚みの精度のみに依存することになり、よ
り精度の高い光分解面を得ることができる。
【0044】ハーフミラー面及びミラー面は、プリズム
44hの長辺側の面の中央部及びプリズム44mの長辺
側の面の中央部にのみ形成され、第1直角プリズム44
hのハーフミラー面が形成されていないプリズムの周辺
部が平板状屈折部材45の一方の面に真空状態で接触さ
れて両者がオプティカルコンタクトの手法によって接合
され、また、このハーフミラー面に平行な他方の面に第
2直角プリズム44mのミラー面が、プリズムの周辺部
を用いてオプティカルコンタクト又は、接着剤により貼
付されても良い。これは、次のような理由に基づいてい
る。ハーフミラー面又は、ミラー面をプリズムの全面に
形成すると、次のような問題がある。即ち、光分解素子
44をオプティカルコンタクトで接合する場合、ハーフ
ミラー面、或いは、ミラー面を構成する多層膜の種類に
よっては接合面が真空状態にならず、オプティカルコン
タクトはできない。また、光分解素子44を接着剤で接
合する場合、接着剤が有する厚みによって光分解ピッチ
に誤差が生じ、さらにこの厚みの不均一性によりハーフ
ミラー面とミラー面の平行度の精度は悪くなるので、分
解光線Lb,Lg,Lrが各ラインCCDセンサ46
b、46g、46r上へ結像する位置がずれてしまう。
しかし、ハーフミラー面及びミラー面をプリズムの中央
部に形成すると、プリズムの周辺部を用いたオプティカ
ルコンタクトが可能となる。また、接着剤で光分解素子
44を接合する場合、接着剤をプリズムの周辺部に付け
てプリズムを接合できる。このため、接着剤の厚さをミ
ラー面としての多層膜の膜厚と同じ厚さに形成すること
により、接着剤の厚みは光分解ピッチには影響を与える
ことはなく、従って、このような光分解素子44は、原
稿からの光線を所定のピッチで分解することができる。
【0045】一般にラインCCDセンサ46r,46
g,46bは、その検出感度が波長依存性を有し、同一
の光強度レベルを有する光線が入射されてもその夫々か
ら発生される検出信号レベルが異なっている。青色光線
を検出するラインCCDセンサ46bの感度が最も低
く、赤色光線を検出するラインCCDセンサ46rの感
度が最も高い場合には、分解された光線の中で最も光量
が大きいハーフミラーからの反射光線Lbを受光できる
ようにラインCCDセンサ46bが配置され、また、分
解された光線の中で最も光量が小さいハーフミラーから
の反射光線Lrを受光できるようにラインCCDセンサ
46rが配置されている。また、このような場合、必要
であれば、ラインCCDセンサ46bの出力信号レベル
を上げ、結果として画像データのS/N比を向上させる
ことができる。これとは反対に、もし、ラインCCDセ
ンサ46rの感度が最も低い場合は、CCDセンサ46
r,46g,46bの順序で配列することによって、C
CDセンサ46rの出力信号レベルを高めることができ
る。即ち、上述した光学系においては、光分解素子44
のハーフミラー面の透過及び反射の割合が等しい場合
(透過率50%、反射率50%、損失0%)、光線が光
学素子44内で反射透過されるにともない光強度は、光
線Lb、Lg、Lrの順番に小さくなっている。そこ
で、ラインCCDセンサ46r,46g,46bが青
色、緑色及び赤色光線に対してその順序で検出感度が高
くなる特性を有する場合には、その順序でラインCCD
センサ46r,46g,46bが配置され、第3図に示
すように対応する光線Lb、Lg、LrがラインCCD
センサ46r,46g,46bに入射させることによっ
てある程度検出感度の相違が補正される。
【0046】また、ラインCCDセンサ46r,46
g,46bの光入射面に設けられるフィルターは、この
感度特性を補正するような光透過特性を有することが好
ましい。青色、緑色及び赤色フイルターの透過率を調整
することによってラインCCDセンサ46r,46g,
46bからの出力信号レベルを原稿画像の色成分に近似
させることができ、原稿画像の再現性を向上させること
ができる。
【0047】更に、分解された光線Lb,Lg,Lrの
光量は、その分解される過程から明らかなように、ハー
フミラー面の透過率によってそれぞれ異なった値に定ま
る。原稿面Gを照明するランプ24として赤外線カット
フィルタを通したキセノンランプを用いた場合、各ライ
ンCCDセンサ46b、46g、46rの感度は、それ
ぞれ概ね7.2、8.5、8.8[V/lx ・sec]と実験的
に求まる。これらの感度と分解光線Lb,Lg,Lrの
光量を考慮して、各ラインCCDセンサ46b、46
g、46rの出力信号レベルの差異が最小になるように
ハーフミラー面の透過率は設定される。この例におい
て、光分解素子44に入射する光量が10[lx]、3ライ
ンCCDセンサ46の積分時間が10[msec]であるとする
と、各ラインCCDセンサ46b、46g、46rの出
力信号レベルは概ね表1のようになる。従って、本実施
例においてこの透過率は、表1により概ね59%に設定
される。また、原稿面Gを照射するランプまたはライン
CCDセンサの感度が上述した例とは異なる場合も、上
述した例と同様に最適な透過率を求めることができる。
【0048】
【表1】 ところで、図1に示される読取装置の光学系は、テレセ
ントリック系が採用されている。
【0049】テレセントリック系は、一般的に良く知ら
れた光学系であり、レンズを射出した光線がすべて光軸
と平行になるよう調整された光学系である。例えば、
(株)オプトロニクス社発行の「オプトロニクス技術活
用のための光学部品の使い方と留意点」(末田哲夫著、
平成2年5月増補改訂版)にその光学的性質や利用方法
が記載されている。
【0050】図14には、図1に示した読取装置の画像
読取ユニット40に含まれる結像レンズ42の射出部か
ら射出された光線が3ラインCCDセンサ46上に結像
される様子が示されている。
【0051】第2反射ユニット30に含まれる第3ミラ
−34により反射された原稿からの反射光線は、結像レ
ンズ42に導かれる。この結像レンズ42は、光分解素
子44に入射する光線が光学系の主軸とほぼ平行となる
ような光学系、すなわち、テレセントリックな光学系と
なっている。原稿からの反射光は、この結像レンズ42
で集束性の光線に変換される。さらに、光学系の主軸に
対してほぼ平行となって光分解素子44に導かれる。し
たがって、原稿面上のある一点からの光線は、光分解素
子44で分解された後、3ラインCCDセンサ46上で
副走査方向に並んでいる画素列、たとえば、47b、4
7g、47rによって同時に受光される。
【0052】図15にはテレセントリック光学系以外の
光学系を用いた結像レンズの射出部から射出された光線
が3ラインCCDセンサ上に結像される様子が示されて
いる。
【0053】原稿面上からの光線は、各ラインCCDセ
ンサの配列ピッチに対応して光分解素子44により分解
されることが要求されるが、この分解の際に光線の違い
により次のような問題がある。すなわち、結像レンズが
テレセントリックな光学系でないため、各分解光線は、
光学系の主軸に対して平行でなく、ある角度を有してい
る。したがって、原稿面のある一点からの光線は、3ラ
インCCDセンサ上で副走査方向に並んでいる主走査方
向に同一位置にある画素列によって受光されずにズレが
生じ、この結果出力画像に色ズレが生じる。この出力画
像の色ズレを除去するためには、光分解の際に生じる各
分解光線の光路長を補正する手段を設ける必要があり、
コストが高くなってしまう。しかし、結像レンズをテレ
セントリックな光学系を用いて構成することにより、こ
のような光路長補正手段を設ける必要がなくなる。
【0054】各反射光線Lb、Lg、Lrの光路長につ
いて考察すると、図3から明きらかように、青色成分の
反射光線の光路長(DLb)を基準とするとそれぞれ、緑
色成分の反射光線の光路長DLg(=DLb+p)、赤色成
分の反射光線の光路長DLr(=DLb+2p)となり色ご
とにセンサピッチ(p)分だけ光路長が異なる。
【0055】図16に示すように、青色成分画像がジャ
ストフォ−カスになるような位置にセンサが設置された
場合、赤成分画像および緑成分画像がぼけるという不都
合が生じる。そこで、結像レンズ42は図17に示すよ
うに、青、緑、赤色成分ごとの結像距離がそれぞれセン
サピッチ(P)ずつ異なるように、設計されている。図
18に本発明の一実施例である光学系レンズのデフォ−
カス特性例を示す。横軸はデフォ−カス位置で、e線
(波長546.1mm の単波長光)を入射したときに解像度
(MODULATION, 縦軸)が最大となる位置を原点としてい
る。図ではR,G,B 色に相当する3色の単波長光(g 線:4
35.8mm, e 線:546.1mm,c線:656.3mm) のデフォ−カス特
性が示されている。
【0056】図から明らかなように、3色の解像度最大
の位置は本実施例でのセンサピッチ168 μm 相当分ずれ
ている。したがって、3ラインCCDセンサ−上でそれ
ぞれの色画像信号がジャストフォ−カスで結像される。
【0057】なお、上述した実施例においては、原稿か
ら反射された光線を検出する場合について説明したが、
原稿上に光源を設けて原稿を透過した光線を読み取るこ
とができる装置に適用することができることは明かであ
る。
【0058】また、上述した実施例においては、光線を
検出する検出器としてラインCCDセンサの例が説明さ
れているが、この発明の画像読取装置の検出器は、ライ
ンCCDセンサに限られるものではなく、他の検出器が
用いられても良いことは、明かである。
【0059】更に、上述した実施例においては、3つに
分離された光線を検出する為に3つの検出部が設けられ
る検出器について説明されているが、3つの検出部に限
らず、2叉は、2以上に光線が分離され、これらの光線
を検出する2叉は、2以上の検出部が検出器に設けられ
れば良いことは明かである。
【0060】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
主走査方向の単一ラインの画像情報が複数配置される色
分解フィルターを装着したラインイメージセンサの配列
ピッチに対応する間隔で光学素子によって分解されるこ
とから、複数配置されるラインイメージセンサに固有の
配列ピッチに起因する各色成分のズレを除去できる。従
って、複数配置されるラインイメージセンサからの情報
をメモリする記憶手段及び各色成分のズレを補正する機
構、或いはその制御装置が不要になる。
【0061】また、光学素子の光入射側に前記光学素子
により分割される光束の焦点距離を可変し、前記検出部
の分光感度特性に対応する波長の光ビ−ムを前記検出部
上に結像させる集束用光学素子を設けるから、各検出部
上でそれぞれの色画像信号がジャストフォ−カスされ、
特別な補正手段を用いることなく、高解像度の画像を得
ることができる。
【0062】さらに、光学手段から出射されて前記光学
素子に入射する光ビームを光学系の主軸と平行にする平
行用光学素子を備えるから、原稿面上の画像情報の全て
の領域に亘って色ズレのない出力画像を得ることができ
る。また、直角プリズムと平板状屈折部材とこの両者を
接着する接着剤とが実質同一の屈折率を有するため、原
稿からの反射光線を所望の光路に沿って進行させること
ができ、画像の読取精度を向上できる。また、平板状屈
折部材を検出手段の検出部の配列ピッチに対応した厚さ
よりも接着剤の厚さに相当する分だけ薄く形成して直角
プリズムと接着するため、接着剤の厚みを調整すること
で、ハーフミラー面とミラー面の接着面の平行度を維持
でき、画像の読取精度を向上できる。さらに、平板状屈
折部材を、直角プリズムと全反射光学素子とを接着する
接着剤で作るため、平板状屈折部材が薄い場合であって
も、ハーフミラー面とミラー面の接着面の平行度を維持
でき、画像情報を正確に読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るカラー画像読取装置を
概略的に示す断面図。
【図2】図1のカラー画像読取装置に用いられる第1の
反射ユニットを示す断面図。
【図3】図1のカラー画像読取装置に用いられる光分解
素子を示す断面図。
【図4】図1のカラー画像読取装置に用いられる3ライ
ンCCDの平面概略図。
【図5】図4の3ラインCCDを部分的に拡大して示す
平面図。
【図6】図4の3ラインCCDに用いられる色分解フイ
ルタの分光特性を示すグラフ図。
【図7】図1のカラー画像読取装置によって読取られる
原稿上の領域を示す平面図。
【図8】図7の原稿上の領域の画像情報とラインCCD
センサとの関係を示す読取ユニットの側面図。
【図9】図7の原稿上の領域の画像情報とラインCCD
センサとの関係を示す読取ユニットの側面図。
【図10】図3の光分解素子において第1の直角プリズ
ムと透光性部材の屈折率が異なる場合の光線軌跡を示す
説明図。
【図11】図3の光分解素子において透光性部材の厚み
が均一および不均一に形成されている場合における反射
光線の軌跡を示す説明図。
【図12】図3の光分解素子において接着剤の厚みを調
整することにより、ハ−フミラ−面とミラ−面との平行
度を確保する説明図。
【図13】図3の光分解素子において第1のプリズム、
透光部材、第2のプリズムがそれぞれ同一の屈折率を持
つ接着剤で接着された構成を示す断面図。
【図14】図1のカラー画像読取装置で、テレセントリ
ックな光学系を採用した場合において、結像レンズの射
出部から射出された光線が3ラインCCDセンサ上に結
像される様子を示す説明図。
【図15】図1のカラー画像読取装置で、テレセントリ
ックな光学系以外の光学系を採用した場合において、結
像レンズの射出部から射出された光線が3ラインCCD
センサ上に結像される様子を示す説明図。
【図16】図1のカラー画像読取装置において、光分解
素子内で反射光線の光線軌跡の光路に差異が生じる理由
を説明する説明図。
【図17】図1のカラー画像読取装置において、光分解
素子内で生じる反射光線の光線軌跡の差を補正するレン
ズ系を用いた光学系を説明するための説明図。
【図18】図17のレンズ系のデフォ−カス特性を示す
グラフ図。
【符号の説明】
2…画像読取装置、10…ハウジング、14…読取窓、
20…第1反射ユニット、22…第1ミラ−、24…ラ
ンプ、26…反射板、27…遮光板、28…スリット、
30…第2反射ユニット、32…第2ミラ−、34…第
3ミラ−、40…画像読取ユニット、42…結像ユニッ
ト、44…光分解素子、46…3ラインCCDセンサ
−。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 憲一郎 東京都渋谷区代々木1−3−6 日東光 器株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−65965(JP,A) 特開 平3−201861(JP,A) 特開 平2−214370(JP,A) 特開 昭57−45516(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光束を被読取対象物に照射する光源手段
    と、 前記被読取対象物からの光束を伝達する光学手段と、 この光学手段からの光束を、所定距離離れた複数の光束
    に分割する光学素子と、 この光学素子により分割された光束の各々を受光する位
    置に,異なる色フィルタを介して設けられた複数の検出
    部が単一の基板に構成されている検出手段と、 前記光学素子の光入射側に設けられ前記光学素子により
    分割される光束を前記検出部上に結像させる結像用光学
    素子と、 を具備する画像読取装置において、 前記光学素子は、長辺側の面に光束を透過及び反射する
    ハーフミラー面が形成され、他の2短辺に反射防止膜が
    形成された直角プリズムと、この直角プリズムの長辺側
    の面と対向する面に光束を反射するミラー面が形成され
    た全反射光学素子と、前記ハーフミラー面と前記ミラー
    面との間に形成された平板状屈折部材とから構成され、 前記直角プリズムと、前記平板状屈折部材と、この両者
    を接着する接着剤とが実質同一の屈折率を有し、 前記平板状屈折部材は、前記接着剤の厚さ分を加えた厚
    さが前記検出手段の前記検出部の配列ピッチに対応した
    厚さに形成された ことを特徴とする画像読取装置。
  2. 【請求項2】光束を被読取対象物に照射する光源手段
    と、 前記被読取対象物からの光束を伝達する光学手段と、 この光学手段からの光束を、所定距離離れた複数の光束
    に分割する光学素子と、 この光学素子により分割された光束の各々を受光する位
    置に、異なる色フィルタを介して設けられた複数の検出
    部が単一の基板に構成されている検出手段と、 前記光学素子の光入射側に設けられ前記光学素子により
    分割される光束を前記検出部上に結像させる結像用光学
    素子と、 を具備する画像読取装置において、 前記光学素子は、長辺側の面に光束を透過及び反射する
    ハーフミラー面が形成され、他の2短辺に反射防止膜が
    形成された直角プリズムと、この直角プリズムの長辺側
    の面と対向する面に光束を反射するミラーが形成された
    全反射光学素子と、前記ハーフミラー面と前記ミラー面
    との間に前記検出手段の前記検出部の配列ピッチに対応
    した厚さに形成された平板状屈折部材とから構成され、 前記平板状屈折部材が前記直角プリズムと前記全反射光
    学素子とを接着する接着剤で作られており、かつ、この
    接着剤が前記直角プリズムと実質同一の屈折率を有する
    ことを特徴とする画像読取装置。
JP13097892A 1992-05-22 1992-05-22 画像読取装置 Expired - Fee Related JP3398163B2 (ja)

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