JP3397148B2 - 液状物質の連続処理方法、連続処理装置及びそれらにより処理された液状飲食物 - Google Patents

液状物質の連続処理方法、連続処理装置及びそれらにより処理された液状飲食物

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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超臨界又は亜臨界
流体を用いた液状食品・液状薬品等の酵素、胞子の失活
処理、殺菌処理、或いは液状食品等の脱臭処理などを連
続的に行う連続処理方法及び連続処理装置と、その方法
又は装置により処理されて成る液状飲食物に関する。
【0002】
【従来の技術】酵素を含有する液状食品には種々のもの
があるが、例えば清酒やビール、果汁がその代表的なも
のである。清酒の製造工程を見ると、発酵終了後に圧搾
・濾過して新酒を得る第1工程、新酒を加熱殺菌して貯
蔵する第2工程、得られた原酒を調合して酒質を決定す
るとともにアルコール分を規格に適合するように調整す
る第3工程、調整した酒を再び加熱殺菌して瓶や紙パッ
クなどに充填する第4工程、を有している。このよう
に、清酒では2回の加熱処理を受けることにより酵素の
失活と殺菌とがなされており、これによって流通中の清
酒の質の悪変を防止するようにしている。しかしなが
ら、このような加熱処理は新酒の新鮮な香味を著しく減
少する要因ともなっている。そのため、新鮮な味や香り
を楽しむために加熱処理を行っていない生酒も好まれて
おり、生酒は品質を維持するために低温で流通されてい
る。しかし、このような加熱処理を行っていない生酒は
α−アミラーゼ、プロテアーゼ等の酵素の作用により品
質が劣化し易い上に、冷温流通のためのコストの増大な
どの問題がある。
【0003】また、オレンジ果汁のような混濁果汁の安
定性を保つためにはペクチンエステラーゼ(PE)の不
活性化が必要であるが、PEは熱に安定な酵素であるた
め、加熱による失活を行うには高温条件下の熱処理(8
8〜99℃又は120℃)が必要になる。しかしなが
ら、このような高温条件下での熱処理を行うと果汁の風
味を損なうという問題がある。
【0004】このような問題に対し、本願発明者らは、
酵素含有液状食品に超臨界状態の二酸化炭素を接触させ
ることにより酵素を失活させるという、新規の技術を既
に提案している(特開平7−170965号公報参
照)。この技術では、処理槽内に酵素含有液状食品を貯
留し、密閉した状態で処理槽内を所定の温度、圧力条件
に保つとともに、処理槽内に二酸化炭素の超臨界流体を
フィルタを介して微小なサイズ(平均直径が100μm
以下)にして供給することにより、液状食品中に超臨界
流体を溶け込み易くしている。この方法によれば、効率
よく酵素の失活ができるだけでなく、食品に接触するの
は二酸化炭素だけであるので、安全性が高いという利点
がある。また、この方法によれば細菌、酵母、カビなど
の微生物の殺菌処理も同時に行うことができる。
【0005】更に、本願発明者らは、このような失活処
理・殺菌処理をより効率的に且つ品質の劣化なく行うた
めの連続処理装置を提案している(特開平9−2060
44号公報参照)。この連続処理装置では、所定圧力、
所定温度に維持した処理槽底部に液状食品を連続的に送
給するとともに処理槽底部に配設したメッシュ状フィル
タを通して超臨界状態の二酸化炭素を連続的に供給し、
処理槽内上部の液面下近傍に液体取出口を設けて製品を
回収している。処理槽内で液状食品と微小泡状の超臨界
流体とは上昇方向に並流しつつ接触し、これにより酵素
を効率よく失活させることができる。また、処理槽上部
には超臨界流体排出口を設け、超臨界流体を取り出して
二酸化炭素供給源へ戻すことにより再利用するようにし
ている。この装置によれば、液状食品を連続的に処理す
ることができるので、大量に処理を行う必要がある飲料
・食品工場などへの導入に有益である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記連続処理装置によ
れば、酵素の失活、殺菌などの処理を高い効率で連続的
に行うことができる。しかしながら、この連続処理装置
を実用化しようとする場合、特にコストの面において課
題がある。すなわち、上記連続処理装置では、二酸化炭
素の超臨界状態を維持するために処理槽を31.1℃以
上に保つ必要があるが、液状食品中への二酸化炭素の溶
解度は温度が高いほど低くなり、溶解という点から見る
と効率が悪い。このため、充分な失活・殺菌効果を得る
には、液状食品と超臨界流体とが並流した状態を所定時
間(数分〜数十分程度)維持しなければならず、処理槽
を大容量化することにより時間を稼ぐ必要がある。ま
た、処理槽を上記温度に維持するために、加温器を付設
する必要がある。更に、処理槽に供給される液状食品の
温度が低いと処理槽内部での反応が遅くなるため、処理
槽に供給するまでの間に液状食品を適度に加熱するため
の加温器も必要である。このように、上記連続処理装置
では大掛かりな設備が必要となり、コストが高くなると
ともに設備の占有面積も大きくなる。
【0007】また、処理槽の温度は加熱による酵素の失
活処理などに比較すればかなり低いものの常温よりは高
く、そのような温度条件下に上記所定時間、液状食品を
放置しておくことは品質の劣化を伴う恐れがある。具体
的には、例えば搾汁直後の柑橘類果汁は活性の高い酵素
を含有しており、酵素が失活する以前に処理槽内におい
て酵素が作用して果汁の品質を損なう可能性があった。
【0008】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その主たる目的は、処理槽を小型
化することができるとともに加温器の設置も最小限で済
ませることができる液状物質の連続処理方法、連続処理
装置及びそれらにより処理された液状飲食物を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】先の出願に開示した連続
処理装置は、液状食品中へ二酸化炭素を溶解するプロセ
スと、二酸化炭素を超臨界状態にしてそれを維持するプ
ロセスとを、処理槽内で同時に行うものであった。これ
に対し、上記課題を解決するために成された本発明に係
る連続処理方法及び連続処理装置は、上記2つのプロセ
スを時間的及び空間的に分離して行うようにしたことを
特徴としている。
【0010】すなわち、本発明に係る連続処理方法は、
液状食品などの液状原料を超臨界又は亜臨界流体を用い
て連続的に処理する連続処理方法であって、 a)連続的に供給される液状原料中に微小泡化させた液体
二酸化炭素を連続的に放出して、液状原料中に液体二酸
化炭素を溶解させる溶解工程と、 b)液体二酸化炭素が溶解した液状原料を所定温度、所定
圧力条件下に維持することにより二酸化炭素を超臨界又
は亜臨界状態にする加温・加圧工程と、 c)加温・加圧工程を通過した液状原料を急速に減圧して
二酸化炭素を除去するとともに製品を回収する減圧工程
と、を有することを特徴としている。
【0011】また、本発明に係る連続処理装置は上記連
続処理方法を具現化する装置であって、液状食品などの
液状原料を超臨界又は亜臨界流体を用いて連続的に処理
する連続処理装置において、 a)液状原料を連続的に供給する原料供給流路と、 b)液化した二酸化炭素を連続的に供給する二酸化炭素供
給流路と、 c)前記原料供給流路より送られる液状原料の液流に対
し、前記二酸化炭素供給流路より送られる液体二酸化炭
素を微小泡化して放出することにより液状原料中に液体
二酸化炭素を溶解させる溶解手段と、 d)液体二酸化炭素が溶解した液状原料を前記溶解手段か
ら取り出し、所定温度、所定圧力条件下に維持すること
により二酸化炭素を超臨界又は亜臨界状態にする加温・
加圧手段と、 e)該加温・加圧手段を通過した液状原料を急速に減圧し
て二酸化炭素を除去するとともに製品を回収する減圧手
段と、を備えることを特徴としている。
【0012】更に、本発明に係る液状物質の製造方法
は、 a)連続的に供給される液状原料中に微小泡化させた液体
二酸化炭素を連続的に放出して、液状原料中に液体二酸
化炭素を溶解させる溶解工程と、 b)液体二酸化炭素が溶解した液状原料を所定温度、所定
圧力条件下に維持することにより二酸化炭素を超臨界又
は亜臨界状態にする加温・加圧工程と、 c)加温・加圧工程を通過した液状原料を急速に減圧して
二酸化炭素を除去するとともに製品を回収する減圧工程
と、を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る連続処理方法及び連
続処理装置では、液状食品や液状薬品などの液状原料を
原料供給流路を通して溶解手段に連続的に供給する一
方、冷却・液化された二酸化炭素(液体二酸化炭素)を
二酸化炭素供給流路を通して溶解手段に連続的に供給す
る。二酸化炭素供給流路の出口には例えば微小孔径のメ
ッシュ状フィルタが設けられており、このフィルタを通
過する際に液体二酸化炭素は微小泡になって液状原料中
に溶け込む。勿論、高速ミキサー、超音波発生装置など
の他の方法によって、二酸化炭素と液状原料との接触効
率を高めるようにしても構わない。周知の如く液体二酸
化炭素の液体中への溶解度は周囲温度が低いほど高い。
したがって、溶解手段は望ましくは冷却しておく方が好
ましいが、常温であっても短時間で充分な量の液体二酸
化炭素を液状原料中に溶け込ませることができる。特に
冬期間には、周囲温度が低いので溶解効率も高い。
【0014】例えば、上記溶解手段は溶解槽を含むもの
とし、該溶解槽底部に原料供給流路の入口と二酸化炭素
供給流路の入口とを設け、液体取出口は溶解槽上部の液
面近傍に設ける構成とすることができる。これによれ
ば、溶解槽底部から導入された液状原料は溶解槽内を上
昇するように流れ、泡状の液体二酸化炭素も同方向に流
れる。したがって、接触面積が極めて広く、液体二酸化
炭素は液状原料中に効率的に溶け込む。
【0015】溶解手段において液体二酸化炭素が溶解し
た液状原料は次段の加温・加圧手段に送られる。加温・
加圧手段は二酸化炭素を超臨界又は亜臨界状態にするた
めに必要な温度及び圧力条件に維持される。かかる条件
としては、温度が30〜80℃、好ましくは30〜50
℃、圧力が40〜400atm、好ましくは100〜3
00atmとするとよい。このような条件下において、
液状原料に溶解している液体二酸化炭素は急速に超臨界
又は亜臨界状態に変化する。液状原料の加温槽内での滞
留時間はせいぜい1分程度で充分である。このため、温
度が常温より高い状態であるにも拘わらず、液状原料の
品質の劣化は最低限に抑えられる。
【0016】次に、減圧手段において急激に圧力が降下
されると、酵素の活性物質である蛋白質中に浸透してい
た二酸化炭素が急激に膨張し、蛋白質が破壊されて酵素
は失活する。また、各種微生物の殺菌も行われる。液状
原料中に溶け込んでいた二酸化炭素は気化して液状原料
中から揮散するので、液状原料を処理後の製品として回
収することができる。このような減圧工程では減圧の速
度が重要であって、かかる条件としては、減圧手段に含
まれる圧力調節弁のオリフィス内を20ミリ秒以下、好
ましくは10ミリ秒以下で通過するように減圧速度を設
定するとよい。
【0017】なお、本発明が適用される液状原料として
は生酒、ビール、ワイン、醤油などの発酵・醸造液状食
品、各種果汁類、清涼飲料水などが代表的である。果汁
類は、通常リンゴ、ブドウ、各種柑橘類などを原料とし
て得られるが、トマトやその他の野菜を原料として得ら
れる搾汁液であってもよい。また、液状原料は食品でな
くともよく、各種輸液、血液製剤、栄養補給液剤などの
液状薬品でもよい。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液状
物質の連続処理方法及び連続処理装置によれば、液状原
料への液体二酸化炭素の溶解工程と、二酸化炭素を超臨
界又は亜臨界状態へ移行させる加温・加圧工程とを分離
しているので、各工程を極めて効率的に実行することが
でき、従来の連続処理装置と比較して総合的な処理時間
を大幅に短縮することができる。それに伴い、大型の処
理槽が不要になるとともに液状原料の加温器なども不要
になるため、装置の小型化が達成できる。また、加温・
加圧工程における温度設定を最適化できるので、従来よ
りも一層高い酵素の失活、殺菌などの効果を得ることが
できる。更には、液状原料が加温された状態に維持され
る時間が短いので、製品の風味を損なう恐れも一層少な
い。
【0019】
【実施例】以下、本発明に係る連続処理装置の一実施例
を図面を参照して説明する。図1は、本実施例による連
続酵素失活処理装置の構成図である。
【0020】液状原料は原料槽1に貯蔵されており、原
料槽1底部と溶解槽11底部とは原料供給流路3で接続
されている。この流路3の途中には加圧しつつ送液を行
うためにポンプ2が配設されており、ポンプ2の運転条
件を適当に設定することにより、液状原料を所望の流速
にて溶解槽11へ連続的に送給することができる。
【0021】一方、液体二酸化炭素ボンベ4と溶解槽1
1底部との間には、バルブ5、ラインフィルタ7、冷却
器8、ポンプ9を備えた二酸化炭素供給流路10が接続
されている。冷却器8は、配管途中で二酸化炭素が気化
した場合、或いは後記リサイクル流路30を介して供給
される気体二酸化炭素を冷却液化するためのものであっ
て、二酸化炭素は液体状に維持されたままポンプ9によ
り加圧されて溶解槽11に供給されるようになってい
る。
【0022】溶解槽11は耐圧容器で構成されており、
その底部の原料供給流路3の出口には導入口12が設け
られ、二酸化炭素供給流路10の出口には微小孔を有す
るメッシュ状のフィルタ13が設置されている。液状原
料中へ液体二酸化炭素を効率よく溶解させるには、該液
体二酸化炭素をできる限り微細な粒子として放出するこ
とが好ましい。そこで、このフィルタ13のメッシュは
100μm以下、更に望ましくは20μm以下にしてお
くとよい。溶解槽11の底部にはバルブにより開閉自在
の排液用のドレイン14も接続されており、一方、溶解
槽11内の上部の液面近傍には液体取出口18が設けら
れている。すなわち、導入口12から導入された液状原
料は溶解槽11内を上昇するように流れ、液面近傍に到
達したときに液体取出口18から外部へ取り出される。
【0023】溶解槽11内には液位センサ16が設置さ
れており、液位センサ16の出力信号をポンプ2にフィ
ードバックしてその動作を制御することにより、溶解槽
11内の液位レベルが略一定に維持されるようにしてい
る。なお、液位センサ16を用いる代わりに、例えば上
記液体取出口18から取り出す液量と導入口12から供
給する液量とを等しくするような制御手段を設けるなど
の他の方法によって溶解槽11内の液位レベルを一定に
維持するようにしてもよい。このように液位レベルを一
定に維持することにより、液状原料が溶解槽11内を通
過する時間を一定に維持することができるので、後述の
ような二酸化炭素の溶解が安定して均等に行われる。
【0024】溶解槽11の上端面を閉塞する蓋部には二
酸化炭素排出口17が設けられている。後述のように溶
解槽11内では液状原料への液体二酸化炭素の溶解が行
われるが、条件によっては一部の液体二酸化炭素が亜臨
界又は超臨界状態に変化することがある。その場合、亜
臨界又は超臨界流体の密度は液体密度よりも小さいの
で、液面よりも高い位置にある二酸化炭素排出口17か
らこの亜臨界又は超臨界状態の二酸化炭素を取り出すこ
とができる。
【0025】液体取出口18には螺旋状の加温配管20
が接続されている。この加温配管20は加温器19を備
えた保温槽(又は保温用金属ブロックなど)内に保持さ
れており、加温配管20の温度は温度センサ21でモニ
タできるようになっている。この温度センサ21により
モニタした温度を加温器19にフィードバックすること
により、加温配管20の温度をほぼ一定に維持すること
ができる。
【0026】一方、溶解槽11内の圧力は圧力センサ1
5によりモニタされる。溶解槽11及び加温配管20
は、ポンプ2、9と圧力調節弁22、28とに挟まれて
いるから、ポンプ2、9による液状原料及び液体二酸化
炭素の送給速度と圧力調節弁22、28の開度とによっ
て所定の圧力値に調整できるようになっている。
【0027】加温配管20の出口には、急速減圧を達成
させるための圧力調節弁22を途中に備えた製品回収流
路23が接続されており、その末端は減圧タンク24に
接続されている。減圧タンク24では製品(処理済みの
液状原料)中に溶け込んでいる二酸化炭素を気化させて
取り出し、その気体二酸化炭素をバルブ25を介してリ
サイクル流路30に戻すことができるようにしている。
減圧タンク24内に溜まった製品は製品タンク26に移
される。なお、減圧タンク24内で二酸化炭素が気化す
る際に気化熱が奪われるため、加温配管20内で温めら
れた液状原料は減圧タンク24内で冷却され、常温若し
くは低温の製品が得られる。
【0028】二酸化炭素排出口17には、圧力調節弁2
8を介してリサイクルタンク29に接続される二酸化炭
素回収流路27が接続されている。この二酸化炭素回収
流路27へ送られた超臨界又は亜臨界流体は圧力調節弁
28で減圧されて気体二酸化炭素になり、リサイクルタ
ンク29に回収される。リサイクルタンク29には逆止
弁31、バルブ6を介して二酸化炭素供給流路10へ接
続されるリサイクル流路30が連結されており、液体二
酸化炭素ボンベ4に代わる二酸化炭素供給源として機能
するようになっている。すなわち、リサイクル流路30
を介して再利用される二酸化炭素量に不足する分だけを
液体二酸化炭素タンク4から供給すればよく、該タンク
4から供給する液体二酸化炭素量を節約することができ
る。
【0029】次に、上記装置における酵素の失活処理を
説明する。溶解槽11には導入口12を介して液状原料
が連続的に導入される。二酸化炭素供給流路10を通し
て送られてきた液体二酸化炭素がフィルタ13を通過す
ると、そのフィルタ13の孔径に応じた微小泡となって
液状原料中に放出される。すなわち、フィルタ13を介
して導入される微小泡の液体と導入直後の液状原料とは
すぐに接触し、液状原料中に液体二酸化炭素が効率よく
溶け込む。このような溶解は温度が低いほど促進される
から溶解槽11を冷却することが好ましいが、溶解槽1
1の周囲を常温としておくだけでも充分に高い溶解度が
得られる。
【0030】液体二酸化炭素が溶け込んだ液状原料は、
溶解槽11内を上昇して液体取出口18に到達する。充
分な酵素失活効果を得るには、液状原料に対する二酸化
炭素の溶解度をできるだけ高くすることが好ましい。
【0031】液体取出口18から取り出された液体原料
は加温配管20へ導入される。このとき、液状原料中に
溶解しきれない(つまり混合された状態の)液体二酸化
炭素もともに加温配管20へ導入されることになるが何
ら問題はない。加温配管20は加温器19によって30
〜40℃程度の温度に維持されている。また、加温配管
20(溶解槽11も同じ)内の圧力は100〜300a
tmに維持されている。このような温度、圧力条件下で
は液体二酸化炭素は短時間の間に超臨界流体に変化す
る。液状原料は螺旋状の加温配管20内を約1分程度か
かって通過する。液状原料に溶け込んでいる液体二酸化
炭素が超臨界流体に変化することによって、液状原料に
含まれる酵素の活性物質である蛋白質の一部を崩壊さ
せ、微生物の一部を死滅させる。しかしながら、この時
点ではその効果は一部に留まる。
【0032】続いて、この液状原料が圧力調節弁22を
介して減圧タンク24に到達すると、圧力が急激に下降
するため超臨界状態が解除され、二酸化炭素は一気に気
化して体積が急激に膨張する。その際に、上記酵素の蛋
白質を崩壊させ、微生物を死滅させる。これにより、酵
素の失活、胞子の失活及び微生物の殺菌が行われ、処理
済みの製品が製品タンク26に回収される。その結果、
製品タンク26に貯留された製品は、活性酵素の割合が
極めて低くなり、不所望の微生物もゼロとなる。また、
前述のように回収された時点で製品の温度は低くなって
いる。また、減圧タンク24で二酸化炭素が気化する際
にも熱を加えていないので、液状原料に含まれる香気成
分自体は殆ど揮発せず、風味が損なわれることもない。
【0033】次に、上記実施例の装置を用いた実験によ
り得られた酵素失活効果について説明する。表1は、本
実施例の連続処理装置で処理された液状原料中に残存す
る活性酵素の割合を検査した結果であって、比較対象と
して、従来の亜臨界・超臨界流体を用いた連続処理装置
(前述の特開平9−206044号公報に記載の装置)
による処理結果(比較例1)と、現在一般に使用されて
いる加熱処理法による処理結果(比較例2)とを示して
いる。
【表1】 ここで、液状原料の供給量は20kg/h、二酸化炭素
の供給量は1.6kg/hとし、本実施例では、温度5
0℃、圧力250atmの加温・加圧工程を1分間行う
ようにしている。一方、比較例1では、温度40℃、圧
力250atmの加温・加圧工程を15分間行ってお
り、比較例2では、85℃の加熱工程を1分間行ってい
る。
【0034】表1から明らかなように、亜臨界・超臨界
流体を利用した二つの方法つまり本実施例及び比較例1
は共に、比較例2なる加熱処理法よりも高い失活効果を
有している。また、前者の二つの方法の間には失活効果
の有為差は見られない。すなわち、本実施例の処理方法
は、加温・加圧工程が1分という短い時間でもって、1
5分という長い加温・加圧工程を要する比較例1の処理
方法と同等の酵素失活効果を得ることができる。
【0035】また、上記実験と同時に、有胞子微生物の
残存胞子数も調べたところ、枯草菌(学名:Bacillus s
ubtilis)を始めとする8種類のバチルス属の細菌の残存
胞子数はいずれもゼロであることが確認できた。すなわ
ち、本実施例の処理方法により、微生物の殺菌も完全に
行うことができる。
【0036】なお、上記実施例は一例であって、本発明
の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行なえることは明らか
である。例えば、上記実施例の構成では、溶解槽11内
の液体にも高い圧力が加わっているが、高圧は二酸化炭
素を超臨界流体にするために必要であるので、加温配管
20内に流通する液体にのみ圧力が加わればよい。した
がって、例えば送液加圧用のポンプを溶解槽11と加温
配管20との間に設置するなどの構成に変更することも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による連続酵素失活処理装
置の構成図。
【符号の説明】
1…原料槽 2、9…ポンプ 3…原料供給流路 4…液体二酸化炭素
ボンベ 10…二酸化炭素供給流路 11…溶解槽 12…導入口 13…フィルタ 15…圧力センサ 16…液位センサ 18…液体取出口 19…加温器 20…加温配管 21…温度センサ 22、28…圧力調節弁 23…製品回収流路 24…減圧タンク 26…製品タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−206044(JP,A) 特開 平7−170965(JP,A) 特開 平10−84924(JP,A) 特開 平4−222583(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 3/3418 A23L 2/42 B01J 3/00 B01J 19/00 C12H 1/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状食品などの液状原料を超臨界又は亜
    臨界流体を用いて連続的に処理する連続処理方法であっ
    て、 a)連続的に供給される液状原料中に微小泡化させた液体
    二酸化炭素を連続的に放出して、液状原料中に液体二酸
    化炭素を溶解させる溶解工程と、 b)液体二酸化炭素が溶解した液状原料を所定温度、所定
    圧力条件下に維持することにより二酸化炭素を超臨界又
    は亜臨界状態にする加温・加圧工程と、 c)加温・加圧工程を通過した液状原料を急速に減圧して
    二酸化炭素を除去するとともに製品を回収する減圧工程
    と、 を有することを特徴とする液状物質の連続処理方法。
  2. 【請求項2】 液状食品などの液状原料を超臨界又は亜
    臨界流体を用いて連続的に処理する連続処理装置におい
    て、 a)液状原料を連続的に供給する原料供給流路と、 b)液化した二酸化炭素を連続的に供給する二酸化炭素供
    給流路と、 c)前記原料供給流路より送られる液状原料の液流に対
    し、前記二酸化炭素供給流路より送られる液体二酸化炭
    素を微小泡化して放出することにより液状原料中に液体
    二酸化炭素を溶解させる溶解手段と、 d)液体二酸化炭素が溶解した液状原料を前記溶解手段か
    ら取り出し、所定温度、所定圧力条件下に維持すること
    により二酸化炭素を超臨界又は亜臨界状態にする加温・
    加圧手段と、 e)加温・加圧手段を通過した液状原料を急速に減圧して
    二酸化炭素を除去するとともに製品を回収する減圧手段
    と、 を備えることを特徴とする液状物質の連続処理装置。
  3. 【請求項3】 a)連続的に供給される液状原料中に微小
    泡化させた液体二酸化炭素を連続的に放出して、液状原
    料中に液体二酸化炭素を溶解させる溶解工程と、 b)液体二酸化炭素が溶解した液状原料を所定温度、所定
    圧力条件下に維持することにより二酸化炭素を超臨界又
    は亜臨界状態にする加温・加圧工程と、 c)加温・加圧工程を通過した液状原料を急速に減圧して
    二酸化炭素を除去するとともに製品を回収する減圧工程
    と、 を有することを特徴とする液状物質の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記製品が液状飲食物であることを特徴
    とする、請求項3に記載の液状物質の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記製品が液状薬品であることを特徴と
    する、請求項3に記載の液状物質の製造方法。
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