JP3396323B2 - 高抵抗化合物半導体層とその結晶成長法,及び該高抵抗化合物半導体層を用いた半導体装置 - Google Patents

高抵抗化合物半導体層とその結晶成長法,及び該高抵抗化合物半導体層を用いた半導体装置

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JP3396323B2
JP3396323B2 JP01606495A JP1606495A JP3396323B2 JP 3396323 B2 JP3396323 B2 JP 3396323B2 JP 01606495 A JP01606495 A JP 01606495A JP 1606495 A JP1606495 A JP 1606495A JP 3396323 B2 JP3396323 B2 JP 3396323B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高抵抗化合物半導体
層とその結晶成長法,及び該層を用いた半導体装置に関
し、特に、有機金属化学気相成長法により形成した高抵
抗化合物半導体層とその結晶成長法,及び該層を用いた
半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、基板材料がInPからなるInP
系の光デバイス及び電子デバイスに用いる化合物半導体
層の材料として、3元化合物のAlInAsが注目を集
めている。そして、上記AlInAsのような化合物半
導体層を結晶成長させる代表的な方法としては、分子線
エピタキシー(以下、MBEと称す)法と、有機金属化
学気相成長(以下、MOCVDと称す)法とがあり、例
えばJournal of CrystalGrowth 131(1993) P.186 〜192
"Electrical properties and deep levels ofInGaAs l
ayers grown by metalorganic chemical vapor deposit
ion"(S.Naritsuka,T.Tada,A.Wagai,S.Fujita and Y.Ash
izawa)に示されているように、上記MBE法を用いてア
ンドープAlInAs層の結晶成長を行うと、該アンド
ープAlInAs層が高抵抗化し、また、上記MOCV
D法によりアンドープAlInAs層を結晶成長する
と、該アンドープAlInAs層がn型の伝導を示すも
のとなることが知られている。
【0003】図14は、上記MOCVD法により成長温
度620〜700℃で成膜したアンドープAlInAs
層のエネルギバンド図であり、図において、Ec,E
v,ESD,EA ,EDDはそれぞれ伝導帯,価電子帯,浅
いドナー,浅いアクセプタ,深いドナーの各エネルギレ
ベルを示している。ここで、図14に示したようなドナ
ーレベルESD,EDD,及びアクセプタレベルEA は、上
記アンドープAlInAs層が真性半導体であれば存在
しないものであるが、真性半導体は理想的な半導体であ
り、これを形成することは非常に困難を極めるものであ
り、このアンドープAlInAs層を、MOCVD法を
用いた通常の形成方法により形成すると、意図せず導入
される不純物により、上記ドナーESD,EDD,及びアク
セプタレベルEA が形成されてしまうものである。
【0004】そして、上記アンドープAlInAs層に
おける伝導帯と、価電子帯とのエネルギギャップEc−
Evは室温で1.45eVとなり、各ドナーレベルES
D,EDD,及びアクセプタレベルEA は以下に示すよう
になる。まず、浅いドナーレベルESDは、Si,Se等
の不純物により形成されたものであり、このレベルESD
と上記伝導帯レベルEcとの差は、Ec−ESD≒5me
Vとなる。また、浅いアクセプタレベルEA は、Zn等
の不純物により形成されたものであり、このレベルEA
と上記価電子帯レベルEvとの差は、Ev−EA ≒20
meVとなる。さらに、深いドナーレベルEDDは、酸素
により形成されたものであり、このレベルEDDと上記伝
導帯レベルEcとの差Ec−EDDは、0.3,0.4
5,0.5eVと数多くの値をもつものとなる。
【0005】このように、アンドープAlInAs層を
MOCVD法により成長温度620〜700℃で成膜し
た場合、浅いアクセプタが少ないために、該アンドープ
AlInAs層のフェルミレベルは伝導帯近傍に位置す
ることとなり、浅いドナー及び深いドナーのうちの上記
伝導帯レベルに近いエネルギレベルを形成するドナーか
ら電子が室温で励起されて、キャリア濃度1016cm-3
(ホール測定)のn型の伝導を示すものとなる。
【0006】ところで、上記InP系の光デバイス,及
び電子デバイスにおける電流ブロック層,あるいは高抵
抗バッファ層等には、その抵抗率が5×104 Ω・cm
程度のものをよく用いるものであり、また一般的に、抵
抗率が103 〜108 Ω・cmオーダの化合物半導体を
高抵抗化合物半導体と呼ぶものである。しかるに、MO
CVD法により結晶成長させた上記キャリア濃度1016
cm-3のアンドープAlInAs層は、その抵抗率が1
Ω・cm以下となるため、高抵抗化合物半導体であるこ
とが必須条件とされる上記電流ブロック層,あるいは高
抵抗バッファ層等には用いることができない。
【0007】そこで、MOCVD法により形成する際化
合物半導体を高抵抗化するために、該化合物半導体に、
深いアクセプタ準位を有しているFeをドーピングする
ことが知られており、例えば特開平1−241817号
公報には、AlGaAs層にFeを含有させて該AlG
aAs層を高抵抗化することが記載され、また、Jpn.J.
Appl.Phys.Vol.31(1992)pp,L376-L378 Part2,No.4A,1 A
pril 1992 "Highly Resistive Iron-Doped AlInAs Laye
rs Grown by Metalorganic Chemical Vapor Depositio
n"(H.Ishikawa,M.Kamada,H.Kawai and K.Kaneko) に
は、残留キャリア濃度が1〜2×1015cm-3でn型の
伝導を示すアンドープAlInAs層に、濃度が2×1
17 atoms・cm-3のFeをドーピングすることによ
り、その抵抗率が104 〜106 Ω・cmオーダとなる
高抵抗AlInAs層が得られることが示されている。
即ち、従来の高抵抗AlInAs層は、MBE法を用い
て結晶成長を行うか、もしくはMOCVD法によりFe
をドーピングして結晶成長を行うかのいずれかの方法に
より得ていたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の高抵抗化合物半
導体層は、以上のような結晶成長法により形成されてお
り、MBE法を用いてアンドープの化合物半導体の結晶
成長を行うことにより、該化合物半導体を高抵抗化する
ことができるが、このMBE法を用いることによって高
抵抗化できる理由は未だ不明であり、かつ該MBE法は
リン系の化合物半導体には適用し難いものである。一
方、MOCVD法を用いた場合は、絶縁膜上への選択成
長等のように面方位依存性を利用した成長を行うことが
でき、かつ、これはリン系および砒素系の化合物半導体
の双方に対しその適用が容易なものであるが、アンドー
プの化合物半導体の結晶成長を行うと、該化合物半導体
がn型の伝導を示してしまうという問題がある。これを
補償するためには、上記化合物半導体にFeをドーパン
トとしてドーピングを行うと高抵抗化することができる
が、上記ドーピングされたFeは、該化合物半導体に隣
接して形成されるp型半導体に非常に早い速度で拡散す
ることが一般的に知られており、この拡散したFeは化
合物半導体結晶の電気的,光学的特性を劣化させ、これ
を用いる電子デバイス及び光学デバイスの信頼性を低下
させてしまうこととなる。従って、上記化合物半導体に
Feをドーピングして高抵抗化する結晶成長法,及びこ
の成長法により得た高抵抗化合物半導体層を備えた電子
デバイス,及び光学デバイスは実用的ではないという問
題点があった。
【0009】この発明は以上のような問題点を解消する
ためになされたもので、MOCVD法により、InP系
の電子デバイス及び光学デバイスに用いる化合物半導体
層を再現性良く高抵抗化して結晶成長させることがで
き、かつこの成長により得られる高抵抗化合物半導体層
が含有する不純物の,他の化合物半導体層への拡散を抑
制して、該高抵抗化合物半導体層を備えた電子デバイス
及び光学デバイスのデバイス特性を劣化させることのな
いものとできる,高抵抗化合物半導体層とその結晶成長
法,及び該層を用いた半導体装置を得ることを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に
係る高抵抗化合物半導体層は、Inを含む有機金属、A
lを含む有機金属、Asを含む水素化合物または有機金
属を原料として気相成長させた化合物半導体混晶からな
り、該化合物半導体混晶中のp型不純物の濃度を、該化
合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中央
に位置させる濃度としたものである。
【0011】また、この発明(請求項2)に係る高抵抗
化合物半導体層は、上記3種類の原料をもって気相成長
させた化合物半導体混晶からなり、該化合物半導体混晶
中の浅いアクセプタ準位を形成する不純物の濃度を、該
化合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中
央に位置させるに必要な濃度としたものである。
【0012】また、この発明(請求項3)に係る高抵抗
化合物半導体層は、上記3種類の原料をもって気相成長
させた化合物半導体混晶からなり、該化合物半導体混晶
中のIV族元素のアクセプタ不純物の濃度を、該化合物半
導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中央に位置
させる濃度としたものである。
【0013】また、この発明(請求項4)に係る高抵抗
化合物半導体層は、上記IV族元素のアクセプタ不純物を
炭素としたものである。
【0014】また、この発明(請求項5)に係る高抵抗
化合物半導体層は、上記3種類の原料をもって気相成長
させた化合物半導体混晶からなり、該化合物半導体混晶
中のII族元素のアクセプタ不純物の濃度を,該化合物半
導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中央に位置
させる濃度としたものである。
【0015】また、この発明(請求項6)に係る高抵抗
化合物半導体層は、上記II族元素のアクセプタ不純物
を、ドーピングにより上記化合物半導体混晶に取り込ま
れたベリリウムあるいはマグネシウムとしたものであ
る。
【0016】また、この発明(請求項7)に係る高抵抗
化合物半導体層は、上記IV族元素またはII族元素のアク
セプタ不純物に加え、上記化合物半導体混晶中に該アク
セプタ不純物の濃度の10倍以上の濃度の深いドナー準
位を形成する不純物を含むものとしたものである。ま
た、この発明(請求項8)に係る高抵抗化合物半導体層
は、上記深いドナー準位を形成する不純物を、ドーピン
グにより上記化合物半導体混晶中に取り込まれた酸素と
したものである。
【0017】また、この発明(請求項9)に係る高抵抗
化合物半導体層は、Inを含む有機金属、Alを含む有
機金属、Gaを含む有機金属、Asを含む水素化合物を
原料として気相成長させた化合物半導体混晶からなり、
該化合物半導体混晶中の深いドナー及びアクセプタ準位
を形成する不純物の濃度を,該化合物半導体混晶のフェ
ルミ準位をその禁制帯のほぼ中央に位置させる濃度とし
たものである。
【0018】また、この発明(請求項10)に係る高抵
抗化合物半導体層は、上記深いドナー及びアクセプタ準
位を形成する不純物を、ドーピングにより上記化合物半
導体混晶中に取り込まれた酸素としたものである。
【0019】また、この発明(請求項11)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、Inを含む有機金
属、Alを含む有機金属、Asを含む水素化合物または
有機金属を原料とし、有機金属化学気相成長法により所
定の低温度で結晶成長させて、得られる化合物半導体混
晶中に、該化合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制
帯幅のほぼ中央に位置させる濃度の不純物を取り込ませ
るようにしたものである。
【0020】また、この発明(請求項12)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、Inを含む有機金
属、Alを含む有機金属、Asを含む水素化合物または
有機金属を原料とし、有機金属化学気相成長法により所
定の低温度で結晶成長させて、得られる化合物半導体混
晶中に、該化合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制
帯幅のほぼ中央に位置させる濃度のp型不純物を取り込
ませるようにしたものである。
【0021】また、この発明(請求項13)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、上記3種類の原料を
用い、有機金属化学気相成長法により所定の低温度で気
相成長させて、得られる化合物半導体混晶中に、該化合
物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯幅のほぼ中央
に位置させる濃度の浅いアクセプタ準位を形成する不純
物を取り込ませるようにしたものである。
【0022】また、この発明(請求項14)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、上記3種類の原料を
用い、有機金属化学気相成長法により所定の低温度で気
相成長させて、得られる化合物半導体混晶中に、該化合
物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯幅のほぼ中央
に位置させる濃度のIV族元素のアクセプタ不純物を取り
込ませるようにしたものである。また、この発明(請求
項15)に係る高抵抗化合物半導体層の結晶成長法は、
上記IV族元素のアクセプタ不純物を、炭素としたもので
ある。
【0023】また、この発明(請求項16)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、上記3種類の原料を
用い、有機金属化学気相成長法により化合物半導体混晶
を結晶成長させ、かつ、この結晶成長時に該化合物半導
体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中央に位置さ
せる濃度のp型不純物をドーピングするようにしたもの
である。
【0024】また、この発明(請求項17)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、上記3種類の原料を
用い、有機金属化学気相成長法により化合物半導体混晶
を結晶成長させ、かつ、この結晶成長時に該化合物半導
体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中央に位置さ
せる濃度の浅いアクセプタ準位を形成する不純物をドー
ピングするようにしたものである。
【0025】また、この発明(請求項18)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、上記3種類の原料を
用い、有機金属化学気相成長法により化合物半導体混晶
を結晶成長させ、かつ、この結晶成長時に該化合物半導
体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中央に位置さ
せる濃度のIV族元素のアクセプタ不純物をドーピングす
るようにしたものである。
【0026】また、この発明(請求項19)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、上記ドーピングする
IV族元素のアクセプタ不純物を、炭素としたものであ
る。
【0027】また、この発明(請求項20)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、上記3種類の原料を
用い、有機金属化学気相成長法により化合物半導体混晶
を結晶成長させ、かつ、この結晶成長時に該化合物半導
体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中央に位置さ
せる濃度のII族元素のアクセプタ不純物をドーピングす
るようにしたものである。
【0028】また、この発明(請求項21)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、上記ドーピングする
II族元素のアクセプタ不純物を、ベリリウムあるいはマ
グネシウムとしたものである。
【0029】また、この発明(請求項22)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、上記II族元素のアク
セプタ不純物に加え、深いドナー準位を形成する不純物
をドーピングするようにしたものである。
【0030】また、この発明(請求項23)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、上記深いドナー準位
を形成する不純物を酸素としたものである。
【0031】また、この発明(請求項24)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、上記酸素のドーピン
グ量を、上記アクセプタ不純物のドーピング量の10倍
以上としたものである。
【0032】また、この発明(請求項25)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、Inを含む有機金
属、Alを含む有機金属、Asを含む水素化合物または
有機金属、Gaを含む有機金属を原料とし、有機金属化
学気相成長法により化合物半導体混晶を結晶成長させ、
かつ、この結晶成長時に該化合物半導体混晶のフェルミ
準位をその禁制帯のほぼ中央に位置させる濃度の深いド
ナー及びアクセプタ準位を形成する不純物をドーピング
するようにしたものである。
【0033】また、この発明(請求項26)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、上記深いドナー及び
アクセプタ準位を形成する不純物を、酸素としたもので
ある。
【0034】また、この発明(請求項27)に係る半導
体装置は、電流ブロック層を、請求項1ないし10のい
ずれかに記載の高抵抗化合物半導体層をi層とする,p
−n−i−n構造としたものである。
【0035】また、この発明(請求項28)に係る半導
体装置は、上記半導体装置(請求項27)を長波長レー
ザダイオードとしたものである。
【0036】また、この発明(請求項29)に係る半導
体装置は、上記半導体装置(請求項27)を変調器とし
たものである。
【0037】また、この発明(請求項30)に係る半導
体装置は、上記半導体装置(請求項27)をレーザダイ
オードと変調器と導波路とフォトダイオードとを集積し
た複合デバイスとしたものである。
【0038】また、この発明(請求項31)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、請求項11ないし1
5のいずれかに記載の高抵抗化合物半導体層の結晶成長
法において、上記所定の低温度で結晶成長させる前に、
基板温度を該成長温度よりも高い温度に昇温させるよう
にしたものである。
【0039】また、この発明(請求項32)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、請求項11ないし1
5のいずれかに記載の高抵抗化合物半導体層の結晶成長
法において、マスクに付着するポリの核となる原料種を
除去する効果を持つエッチングガスを添加しながら結晶
成長させるようにしたものである。
【0040】また、この発明(請求項33)に係る高抵
抗化合物半導体層の結晶成長法は、請求項32に記載の
高抵抗化合物半導体層の結晶成長法において、上記エッ
チングガスを、HClガスあるいはCl2 ガスとしたも
のである。
【0041】
【作用】この発明に係る高抵抗化合物半導体層,及びそ
の結晶成長法においては、上記3種類の原料を用い、有
機金属化学気相成長法により所定の低温度で結晶成長さ
せて、得られる化合物半導体混晶中に,該化合物半導体
混晶のフェルミ準位をその禁制帯幅のほぼ中央に位置さ
せる濃度のp型不純物を取り込ませるようにしたから、
アンドープの状態でn型の伝導を示すAlInAs混晶
をそのドナー濃度を相殺させて高抵抗化することがで
き、これにより、気相成長により,これに隣接して積層
される化合物半導体層への不純物拡散の少ない高抵抗A
lInAs層を得ることができる。
【0042】また、この発明に係る高抵抗化合物半導体
層,及びその結晶成長法においては、上記3種類の原料
を用い、有機金属化学気相成長法により所定の低温度で
気相成長させて、得られる化合物半導体混晶中に,該化
合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯幅のほぼ中
央に位置させる濃度の浅いアクセプタ準位を形成する不
純物を取り込ませるようにしたから、アンドープの状態
でn型の伝導を示すAlInAs混晶をその浅いドナー
の濃度を相殺させて高抵抗化することができ、これによ
り、気相成長により,これに隣接して積層される化合物
半導体層への不純物拡散の少ない高抵抗AlInAs層
を得ることができる。
【0043】また、この発明に係る高抵抗化合物半導体
層,及びその結晶成長法においては、上記3種類の原料
を用い、有機金属化学気相成長法により所定の低温度で
気相成長させて、得られる化合物半導体混晶中に,該化
合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯幅のほぼ中
央に位置させる濃度のIV族元素のアクセプタ不純物を取
り込ませるようにしたから、アンドープの状態でn型の
伝導を示すAlInAs混晶を,その浅いドナーの濃度
を相殺することにより高抵抗化することができ、これに
より、気相成長により,これに隣接して積層される化合
物半導体層への不純物拡散の少ない高抵抗AlInAs
層を得ることができる。
【0044】また、この発明に係る高抵抗化合物半導体
層,及びその結晶成長法においては、上記3種類の原料
を用いて、有機金属化学気相成長法により化合物半導体
混晶を結晶成長させ、かつ、この結晶成長時に該化合物
半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中央に位
置させる濃度の,p型不純物をドーピングするようにし
たから、アンドープの状態でn型の伝導を示すAlIn
As混晶をその浅いドナーの濃度を相殺させて高抵抗化
することができ、これにより、気相成長により,これに
隣接して積層される化合物半導体層への不純物拡散の少
ない高抵抗AlInAs層を得ることができる。
【0045】また、この発明に係る高抵抗化合物半導体
層,及びその結晶成長法においては、上記3種類の原料
を用いて、有機金属化学気相成長法により化合物半導体
混晶を結晶成長させ、かつ、この結晶成長時に該化合物
半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中央に位
置させる濃度の,浅いアクセプタ準位を形成する不純物
をドーピングするようにしたから、アンドープの状態で
n型の伝導を示すAlInAs混晶を,その浅いドナー
の濃度を相殺することにより高抵抗化することができ、
これにより,これに隣接して積層される化合物半導体層
への不純物拡散の少ない高抵抗AlInAs層を得るこ
とができる。
【0046】また、この発明に係る高抵抗化合物半導体
層,及びその結晶成長法においては、上記3種類の原料
を用いて、有機金属化学気相成長法により化合物半導体
混晶を結晶成長させ、かつ、この結晶成長時に該化合物
半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中央に位
置させる濃度の,IV族元素のアクセプタ不純物をドーピ
ングするようにしたから、アンドープの状態でn型の伝
導を示すAlInAs混晶を,その浅いドナーの濃度を
相殺することにより高抵抗化することができ、これによ
り,これに隣接して積層される化合物半導体層への不純
物拡散の少ない高抵抗AlInAs層を得ることができ
る。
【0047】また、この発明に係る高抵抗化合物半導体
層,及びその結晶成長法においては、上記3種類の原料
を用いて、有機金属化学気相成長法により化合物半導体
混晶を結晶成長させ、かつ、この結晶成長時に該化合物
半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中央に位
置させる濃度の,II族元素のアクセプタ不純物をドーピ
ングするようにしたから、アンドープの状態でn型の伝
導を示すAlInAs混晶を,その浅いドナーの濃度を
相殺することにより高抵抗化することができ、これによ
り,これに隣接して積層される化合物半導体層への不純
物拡散の少ない高抵抗AlInAs層を得ることができ
る。
【0048】また、この発明に係る高抵抗化合物半導体
層,及びその結晶成長法においては、上記II族元素のア
クセプタ不純物に加え、深いドナー準位を形成する不純
物をドーピングするようにしたから、上記AlInAs
混晶を,そのフェルミ準位の制御範囲を拡大することに
より高抵抗化することができ、これにより,これに隣接
して積層される化合物半導体層への不純物拡散の少ない
高抵抗AlInAs層を得ることができる。
【0049】また、この発明に係る高抵抗化合物半導体
層,及びその結晶成長法においては、Inを含む有機金
属、Alを含む有機金属、Asを含む水素化合物または
有機金属、Gaを含む有機金属を原料にして、有機金属
化学気相成長法により化合物半導体混晶を結晶成長さ
せ、かつ、この結晶成長時に該化合物半導体混晶中に深
いドナー及びアクセプタ準位を形成する不純物をドーピ
ングするようにしたから、得られる化合物半導体混晶に
おける深いドナー及びアクセプタの準位の数が増大し
て,その禁制帯中央近傍に多数のエネルギ準位が形成さ
れた状態で、上記深いドナー及びアクセプタ準位を形成
する不純物がドーピングされることとなり、、その結
果、そのフェルミ準位がその禁制帯のほぼ中央に位置し
て、高抵抗化がなされることとなる。
【0050】また、この発明に係る高抵抗化合物半導体
層の結晶成長法においては、請求項11ないし15のい
ずれかに記載の高抵抗化合物半導体層の結晶成長法にお
いて、上記所定の低温度で結晶成長させる前に、基板温
度を該成長温度よりも高い温度に昇温させるようにした
ので、マスクに付着するポリを抑制する効果を持つリン
原子(又は水素原子)の,ホスフィンからの分解が促進
され、これにより高抵抗化合物半導体層を厚く成長させ
ることができる。
【0051】また、この発明に係る高抵抗化合物半導体
層の結晶成長法においては、請求項11ないし15のい
ずれかに記載の高抵抗化合物半導体層の結晶成長法にお
いて、マスクに付着するポリの核となる原料種を除去す
る効果を持つエッチングガスを添加しながら結晶成長さ
せるようにしたので、高抵抗化合物半導体層を成長させ
ることのできる温度範囲を広げることができる。
【0052】また、この発明に係る半導体装置において
は、電流ブロック層を、請求項1ないし10のいずれか
に記載の高抵抗化合物半導体層をi層とする,p−n−
i−n構造としたので、電流ブロック層をさらに高抵抗
化させることができる。
【0053】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の第1の実施例を図について
説明する。図1(a) は、本発明の第1の実施例による高
抵抗化合物半導体層の結晶成長法により得た高抵抗Al
InAs層のエネルギバンド図であり、図において、E
c,Ev,ESD,EA ,EDDはそれぞれ伝導帯,価電子
帯,浅いドナー,浅いアクセプタ,深いドナーの各エネ
ルギレベルを示し、NSD,NA ,NDDはそれぞれ浅いド
ナー,浅いアクセプタ,深いドナーの各レベルの濃度を
示す。
【0054】また、図1(b) は、その層構造を簡略化し
て示した半導体レーザの断面図であり、これは、n−I
nP層1、活性層2、およびp−InP層3を形成し、
上記3つの層1,2,3をメサ状にエッチングし、その
エッチングした部分に、電流ブロック層となる高抵抗A
lInAs層4を埋め込み形成したのち、上記p−In
P層3及び高抵抗AlInAs層4上に、さらにp−I
nP層3を形成してなるものである。
【0055】次に、上記高抵抗AlInAs層4の結晶
成長法について説明する。まず、結晶成長を行う装置と
して縦型MOCVD炉を用いる。そして、原料にはトリ
メチルインジウム(TMI),トリメチルアルミニウム
(TMA),アルシン(AS H3 )(10%)を用い、
これら材料ガスをそれぞれ流量19cc/min ,2.5cc
/min ,170cc/min で反応炉中に流す。そして、成
長温度は、通常の成長温度である約600℃〜700℃
よりも低温の500℃として気相成長させる。
【0056】図4は、AlInAsの成長温度を650
℃から50℃ずつ順次下げて気相成長させ、各成長温度
で得られた上記AlInAsの抵抗率を調べた結果を示
したものであるが、この結果から判るように、上記50
0℃の低温で結晶を気相成長させることにより、抵抗率
5×104 Ω・cmの高抵抗AlInAs層4を得るこ
とができるものである。
【0057】次に、成長温度を下げることにより高い抵
抗率が得られるメカニズムについて詳述する。図2は、
化合物半導体の成長温度に対する該化合物半導体中の不
純物濃度の変化、つまり、不純物濃度の成長温度依存性
をSIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy) により
分析した結果を示した図であり、この図2から、上記成
長温度500℃で結晶成長させると深いドナーである酸
素の濃度がやや増加するとともに、p型不純物でありア
クセプタ種である炭素(C)の濃度が高くなることがわ
かる。
【0058】そして、図3は、浅いアクセプタの濃度N
A と、フェルミレベル,Ec−EFとの関係を示す図で
あり、これは、通常の成長温度の約600℃〜700℃
で、上記炭素と同じように浅いアクセプタレベルEA の
準位をもつZnをドーピングしてAlInAsを結晶成
長させ、Zn濃度を増加させた場合の上記AlInAs
のフェルミレベルの変化を調べてグラフに表したもので
ある。この図3における実線lから、上記アクセプタ濃
度NA が2×1016cm-3から3×1017cm-3の範囲で
は、上記フェルミレベル,Ec−EF が430〜600
meVまで緩やかに変化していることがわかる。但し、
従来例の説明でJournal of Crystal Growth 131(1993)
P.186 〜192 を引用して述べたように、本来アンドープ
AlInAs中には酸素が形成する深いドナーレベルE
DDが多く存在するものであるが、上記図3においては、
上記アクセプタ濃度NA の増加によるフェルミレベル,
Ec−EF の変化をわかりやすくするために、そのうち
の1つのドナーレベルである, Ec−EDD=500me
V,ドナー濃度NDD≒3×1017cm-3、の準位について
示したものであり、このときのアンドープAlInAs
の濃度NSD−NA は約1×1016cm-3である。ここで、
上記ドナーレベル, Ec−EDD=500meVより浅い
準位のドナーが多く存在したとしても、上記フェルミレ
ベル,Ec−EF の階段的変化が、その準位の数だけ増
加するだけであり、AlInAsを高抵抗化するうえで
のアクセプタ濃度NA の制御性は損なわれることはない
ものである。なお、深いドナー濃度NDDを増加させる
と、アクセプタ濃度NA とフェルミレベル, Ec−EF
との関係は上記図3の実線lから破線mで示したように
なり、これは、アクセプタ濃度NA の制御範囲を広げる
こととなる。
【0059】即ち、化合物半導体を高抵抗化するために
は、該化合物半導体のフェルミレベルをその禁制帯のほ
ぼ中央にする必要があり、禁制帯幅が1.45eVのA
lInAsを高抵抗化する場合、そのフェルミレベルを
約0.45〜1.0eVにすると良く、上述のように成
長温度を500℃にすることにより、酸素による深いド
ナー濃度NDDがやや増えるとともに、浅いアクセプタ準
位を形成する炭素の結晶中に取り込まれる量が増加して
炭素濃度が増大し、この炭素濃度の増大が浅いドナー濃
度NSDからアクセプタ濃度NA を引いた濃度を減少させ
て上記AlInAsのフェルミレベルを下げることとな
る。そして、上記炭素によるアクセプタ濃度NA が2×
1016cm-3程度になると、AlInAsのフェルミレベ
ルが430meVとなり、これにより該AlInAsと
して、抵抗率5×104 Ω・cmの高抵抗AlInAs
混晶が得られることとなる。
【0060】以上のように、本実施例1においては、T
MI,TMA,AsH3 を原料とし、MOCVD装置を
用いて、成長温度500℃で結晶を気相成長させるよう
にしたので、上記結晶中に取り込まれる,浅いアクセプ
タ準位を形成するp型不純物の炭素の量が増加し、アク
セプタ濃度NA が増大することにより、結晶のフェルミ
レベルが下がることとなり、これにより、気相成長によ
り形成されるAlInAs混晶のフェルミレベルをその
禁制帯のほぼ中央である0.5eV近傍に位置させて、
高抵抗のAlInAsとすることができる。このため、
この気相成長による高抵抗AlInAsを、図1(b) に
示したような半導体レーザの電流ブロック層4に用いた
場合にも、従来のFeドープ高抵抗AlInAsのよう
に、隣接するp−InP層3に不純物拡散が生じてデバ
イス特性の劣化を招くということのない、高抵抗AlI
nAs層4を得ることができる。
【0061】なお、本実施例1では結晶成長の原料とし
て、TMI,TMA,AsH3 を用いたが、Inを含む
有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む水素化合物
または有機金属を用いるものであれば良く、例えば上記
TMI,TMAに代えて、各々エチル基を有するTE
I,TEAを用いても、また、AsH3 に代えてTBA
を用いても良いことは言うまでもない。
【0062】実施例2.上記実施例1では、AlInA
s混晶を気相成長させるときの成長温度を、通常の成長
温度600℃〜700℃より低い温度とすることによ
り、結晶中に自然に導入される,浅いアクセプタ準位を
形成する炭素の濃度を増大させて高抵抗化するようにし
たものであるが、本実施例2は、アクセプタ原料をバブ
ラーから反応管に導入して高抵抗化するようにしたもの
である。
【0063】図5は、AlInAsにアクセプタ原料で
あるZnをドーピングしたときの、該AlInAsにお
ける抵抗率のZn濃度依存性を調べたグラフであり、こ
の図5から、n型の伝導を示すアンドープAlInAs
に対し、徐々にドーピング量を増やしてZn濃度を増加
させていくと、抵抗率も徐々に増加し、Zn濃度が5×
1017cm-3あたりになったときに高抵抗のAlInAs
となり、さらに、Zn濃度を高めると、p型の伝導を示
すAlInAsとなることがわかる。
【0064】しかるに、アクセプタ種としてZnを用い
て結晶成長させたZnドープAlInAsは、これを例
えば図6に示したような半導体レーザにおける電流ブロ
ック層4’に用いた場合、該ZnドープAlInAs高
抵抗層4’からこれに隣接している他の層へZnが拡散
し(、または逆の現象が起こり)、該層4’中に含まれ
るZnが減少(または増加)してその抵抗率が下がるこ
とにより、活性層2の両側の抵抗率が下がって活性層わ
きを流れるレーザ発振に寄与しない電流成分が増加して
レーザ特性を悪くするものとなってしまう。
【0065】そこで、本実施例2においては、ドーパン
トとして、Znに比べて拡散しにくく、かつ上記実施例
1における炭素と同様、浅いアクセプタ準位を形成する
p型不純物であるベリリウムを用いるようにした。
【0066】即ち、上記実施例1と同じくMOCVD法
により結晶成長させるAlInAsの原料にTMI,T
MA,AsH3 を用い、これに加えて、Beを含む有機
金属であるBe(CH3 C5 H4 )2 (ビスメチルシク
ロペンタジエニルベリリウム)をバブラーから反応管に
導入し、成長温度600℃で、Beを濃度2×1016cm
-3から3×1017cm-3の範囲でドーピングすることによ
り、該気相成長により形成される結晶のフェルミレベル
を0.5eV近傍で制御することができ、これにより、
高抵抗AlInAsを得ることができる。なお、上記B
eを含む有機金属にDEBe(ジエチルベリリウム)を
用いてベリリウムをドーピングしても、上記フェルミレ
ベルを0.5eV近傍にして、高抵抗AlInAs層を
得ることができることは言うまでもない。
【0067】実施例3.この発明の第3の実施例は、マ
グネシウムをドーパントに用いて、上記実施例2に示し
たように、MOCVD法により成長温度600℃でAl
InAs混晶を気相成長させるものである。このときの
Mgを含む有機金属には、Mg(CH3 C5 H4 )2
(ビスメチルシクロペンタジエニルマグネシウム)を用
い、ドーピングするMg濃度は、2×1016cm-3から3
×1017cm-3の範囲とした。
【0068】本実施例3においても、拡散係数が小さ
く、浅いアクセプタ準位を形成するp型不純物であるマ
グネシウムを、気相成長させる結晶中にそのフェルミレ
ベルがそのバンドギャップのほぼ中央になるようにドー
ピングしたので、デバイス特性を劣化させない高抵抗A
lInAs層を得ることができる。
【0069】なお、本実施例3,及び上記実施例2にお
いて、AlInAsを高抵抗化できるのは、ドーピング
する浅いアクセプタ準位を形成するp型不純物が、浅い
ドナーと相殺してそのフェルミレベルを下げることによ
るものであり、ドーピング方法によるものではないた
め、上記マグネシウム,あるいはベリリウムを一般的に
知られているドーピング方法を用いてドーピングするこ
とができ、用いるドーピング方法を問わず同様の効果を
得ることができ、さらに、拡散係数がこの2つのp型不
純物よりも小さい炭素を、上記実施例1のように、成長
温度を下げることにより自然に取り込ませるのではな
く、ドーピングにより結晶中に導入するようにしても良
いものである。
【0070】実施例4.上記実施例1〜3では、深いド
ナー準位を形成する酸素を、MOCVD装置内の残留酸
素及びH2 Oを利用して自然に結晶中に取り込ませてい
たが、本実施例4は、酸素ガスを用いて、ドーピングに
より結晶中の酸素濃度を制御するようにしたものであ
る。即ち、Heベースの100ppm酸素ガスをMOC
VD装置の反応管内にTMA,TMI,AH3 ,Be
(CH3 C5 H4 )2 とともに導入し、酸素及びBeド
ープAlInAs層を気相成長する。このとき、酸素ド
ーピング量に対して深いドナー濃度は1/10程度にな
るため、ベリリウムのドーピング量の10倍以上の量で
酸素ドーピングを行う。
【0071】本実施例4においては、ドーピングにより
結晶中の酸素濃度を高めるようにしたので、これにより
気相成長により形成されるAlInAs混晶のフェルミ
レベルの制御範囲を拡大することができ、高抵抗AlI
nAs層を得ることができる効果がある。なお、アクセ
プタ種としてベリリウムを用いた場合について説明した
が、これはベリリウムに限らず、上記実施例3のように
マグネシウム、あるいは炭素を用いても同じ効果を得る
ことができる。
【0072】実施例5.また、酸素ガスのかわりに、H
2 Oガス,あるいはAlO(CH3 )3 〔メトキシアル
ミニウム〕をH2 でバブリングして酸素を導入してもよ
く、該メトキシアルミニウムの蒸気圧は、20℃で0.
14mmHgとTMAの蒸気圧(9.2mmHg)より非常
に小さいので、AlInAsの組成には影響を及ぼさな
い。本実施例5においても、上記実施例4と同様の効果
を得ることができる。
【0073】実施例6.上記実施例1〜5では、浅いア
クセプタレベルEA を形成するp型不純物を導入するこ
とにより、気相成長により成長されるAlInAs混晶
のフェルミレベルをそのバンドギャップのほぼ中央に位
置させるようにしたものであるが、本実施例6は、Ga
を加えることにより、図7に示したように、酸素が形成
する深いドナーレベルEDDの数を増大させて該AlIn
As混晶を高抵抗化するようにしたものである。
【0074】即ち、InP系の光デバイス,あるいは電
子デバイスに多く用いるInP基板に格子整合する組成
のAlInAs混晶の酸素レベルET は、0.3,0.
45,0.05eVであるが、該AlInAs混晶にG
aを加えて、上記AlInAs混晶と同じくInP基板
に格子整合する組成(Aly Ga1-y )xIn1-x As
(x=0.48,0≦y≦1)のAlGaInAs混晶
とした場合、酸素が形成するレベルは、さらに深く、か
つ増えることとなり、Ec−ET ≒0.4eVからEA
−ET =0.14eVまでの多くのレベルが形成され
る。従って、上記AlGaInAs混晶に酸素をドーピ
ングすると、該AlGaInAs混晶には深いドナー,
及び深いアクセプタが存在するため、結晶のフェルミレ
ベルはそのバンドギャップ中央に位置することとなり、
これにより高抵抗AlGaInAs層を容易に得ること
ができる。
【0075】なお、上記AlGaInAs混晶は、In
P基板に格子整合する組成(AlyGa1-y )xIn1-x
As(x=0.48,0≦y≦1)のものであるが、
格子整合する組成のAlGaInAs層に限らず、本実
施例6の結晶成長法により、高抵抗AlGaInAs層
を得ることができるものである。
【0076】実施例7.この発明の第7の実施例は、高
抵抗化合物半導体層を用いた長波長半導体レーザを作製
するものである。本実施例を説明する前に、まず従来の
長波長半導体レーザの構造とその製造方法について説明
する。図8は、従来の長波長半導体レーザの構造とその
製造方法を説明するための図である。図において、10
0はn−InP基板,1はn−InP基板100の上に
形成されたn−InP層,2はn−InP層1とp−I
nP層3との間に挟まれた活性層,200はp−InP
層3a上に形成されたp−InGaAsPコンタクト
層,10は電流狭窄構造を実現するためのFeドープI
nP高抵抗層であり、Fe濃度を1016cm-3とすること
で、108 Ωcm程度の抵抗率が得られ、現在もっとも利
用されている高抵抗層である。
【0077】次にこの長波長半導体レーザの製造方法に
ついて説明する。まず、n−InP基板100上にMO
CVD法を用いて、n−InP層20,アンドープ層3
0,p−InP層40を順次成長した後、スパッタによ
りSiO2 膜を成膜し、通常のホトレジスト技術を用い
てSiO2 ストライプ50を形成する(図8(a) )。
【0078】次いでSiO2 ストライプ50をマスクと
してウェットエッチングにより図8(b) のようなメサを
形成した後、MOCVD法によりFe−InP層10を
メサ両側に選択埋め込み成長する(図8(c) )。
【0079】そして、SiO2 ストライプ50をHFで
除去した後、再びMOCVD法を用いてp−InP層3
a,p−InGaAsPコンタクト層200を順次成長
する(図8(d) )。
【0080】このようにして形成した長波長半導体レー
ザは、図8(d) に示すように、活性層2の両側を高抵抗
層であるFe−InP層10で埋め込んだことにより、
注入電流を活性層2に集中させるとともに、Fe−In
P層10の屈折率が活性層2より小さいため、活性層3
に光を効率よく閉じ込めることができ、レーザの特性を
向上させることができるが、以下に示す問題点がある。
【0081】図9は、Fe−InP層とp−InP(ド
ーパントZn)層とが隣りあった時の結晶中のそれぞれ
のドーパント(Fe,Zn)の分布をSIMS分析した
結果である。図において、横軸は表面からの深さ、縦軸
はFe及びZnの濃度である。実線及び点線はそれぞれ
Fe及びZnのプロファイルを示す。この図から、Fe
は、Zn−InP層の中へ10μm程度拡散し、その時
のFe濃度は、FeのInP中の固溶限界に近い1017
cm-3程度であることがわかる。
【0082】即ち、上述の長波長半導体レーザ(図8
(d) )に示すレーザ構造の場合、Fe−InP層10か
らのp−InP層3及び活性層3へのFeの拡散と、p
−InP層4からの活性層3へのZnの拡散とによりレ
ーザの電気的,光学的特性が劣化する。
【0083】以下本実施例の長波長半導体レーザについ
て説明する。まず、成長温度500°CでMOCVD法
により結晶成長したアンドープAlInAs層の電気的
特性について示す。n−InP基板上にアンドープAl
0.48In0.52As層を成長温度500°Cで3μm成長
したのち、さらにn及びp−InP層を成長温度650
°Cでそれぞれ0.5μm成長してp−n−i−n構造
を作製した。これをメサ型に加工して電流電圧特性をn
−i−n構造及びp−i−n構造と比較した。図1に、
それぞれの構造の電流電圧特性を示す。n−i−n構造
では、電子のみがアンドープAlInAs層に注入され
るので、抵抗率は2×108 Ωcmと高抵抗であるのに対
し、p−i−n構造では、n及びp−InP層からそれ
ぞれ電子とホールとがアンドープAlInAs層に注入
されて再結合するため、抵抗率は1Ωcm以下になった。
一方、p−n−i−n構造では、p−InP層とアンド
ープAlInAs層との間のn−InP層によりアンド
ープAlInAs層へのホールの注入が抑えられるた
め、1×1010Ωcm以上の高い抵抗率が得られた。
【0084】従って、長波長LDの電流ブロック層とし
てAlInAs層を用いるためには埋め込み構造をp−
n−i−n構造にする必要がある。ただし、電子デバイ
スにおいて電子又はホールを単独で利用する際の高抵抗
層として用いる場合はこの限りでない。
【0085】次に、電流ブロック層としてAlInAs
層を用い、埋め込み構造をp−n−i−n構造とした長
波長LD製造プロセスについて図11に示す。n−In
P基板100上にn−InP層(1μm,1×1018cm
-3)1,活性層(0.1μm)2,p−InP層(0.
5μm,1×1018cm-3)3を成長温度600°CでM
OCVD法を用いて順次成長する(図11(a) )。表面
にSiO2 膜をスパッタで成膜し、通常の写真製版技術
を用いて(110)方向にSiO2 ストライプ50を形
成する。次にHBr系のエッチング液を用いてメサを形
成する(図11(b) )。再びMOCVD法を用いて成長
温度500°CでアンドープAlInAs層(3μm,
高抵抗)6を成長した後、成長温度600°Cでn−I
nP電流ブロック層(0.5μm,1×1018cm-3)7
をSiO2 ストライプ5上にポリ結晶を成長させること
なく選択成長する(図11(c) )。SiO2 ストライプ
5をHF系エッチング液で除去した後、p−InP層
(1μm,1×1018cm-3)3a,p−InGaAsコ
ンタクト層(1μm,1×1019cm-3)200を再びM
OCVD法で成長して長波長LD構造を作製する(図1
1(d))。
【0086】この製法におけるポイントは図11(c) の
プロセスである。この時の成長温度プロファイルを図1
2に示す。通常は、上記実施例1で説明したように高抵
抗アンドープAlInAs層4の成長温度である500
°Cにリン圧で昇温してから成長を開始する(プロファ
イルa)。しかしこの場合、アンドープAlInAs層
4は1μm程度(時間にして約1時間)しか選択成長す
ることができない。それ以上の膜厚を成長しようとする
とSiO2 ストライプ50上にポリAlInAs結晶が
析出する。レーザを高速動作させるためには、レーザの
寄生容量を減らす必要があり、そのためにはアンドープ
AlInAs層4をできるだけ厚くする必要がある。例
えばレーザ出力の伝送レートが2.5〜10Gb/sで
あれば、アンドープAlInAs層4の膜厚は3μm程
度必要である。
【0087】そこで1度アンドープAlInAs層の成
長温度よりも高い基板温度(例えば600°C)に昇温
した後、500°Cまで降温して成長を行うと、アンド
ープAlInAs層4は3μm程度までSiO2 ストラ
イプ5の上にポリAlInAs結晶が析出することな
く、埋め込み成長ができる(プロファイルb)。
【0088】これは成長前にホスフィンから分解したリ
ン原子(又は水素原子)が、SiO2 ストライプ5を全
面に覆うことにより、ポリAlInAs結晶がSiO2
膜に付着することを抑制するためである。また、アンド
ープAlInAs層4成長前のホスフィンを流している
温度を高くすることによりホスフィンの分解を促進する
ことができるため、図12の(a) と比較して(b) のプロ
ファイルの方がアンドープInInAs層4の膜を厚く
選択成長できる。
【0089】以上のように500°Cという低温でAl
InAs層を、SiO2 ストライプ5上にポリAlIn
As結晶を付着させずに選択埋め込み成長するために
は、成長前の温度プロファイルを制御することが極めて
重要である。
【0090】本実施例の製造方法で作製した長波長LD
の光出力/注入電流特性を図13に示す。該長波長LD
はしきい値電流8mAで発振し、良好な特性が得られて
いることがわかる。
【0091】このような本実施例7においては、電流ブ
ロック層としてアンドープAlInAs層を用い、埋め
込み構造をp−n−i−n構造とした長波長LDの製造
プロセスにおいて、アンドープAlInAs層4の選択
埋め込み成長を、成長温度(500°C)よりも高い基
板温度に昇温した後、500°Cまで降温して行うよう
にしたので、アンドープAlInAs層4成長前のホス
フィンを流す温度が高くなり、ホスフィンからのリン原
子(又は水素原子)への分解が促進され、該リン原子
(又は水素原子)がSiO2 ストライプ5の全面を覆
い、ポリAlInAs結晶がSiO2 膜に付着するのを
抑制することができる。このためアンドープAlInA
s層4の膜を厚く選択成長でき、レーザを高速動作させ
ることのできる長波長LDを得ることができる。
【0092】また、アンドープAlInAs層4にはF
e−InP層中のFeのような非常に拡散しやすいドー
パントが含まれていない。従って、p型InP層のp型
ドーパントにZnよりも拡散しにくいBeを用いること
によって、活性層3中に拡散してくる不純物量を抑える
ことができるため、長波長LDを設計通りの不純物プロ
ファイルに製作することができる。なお、本実施例では
マスクとしてSiO2 膜を用いたが、これはSiO1-x
Nx (0<x ≦1)膜を用いても同じ効果が得られる。
【0093】実施例8.上記実施例7ではアンドープA
lInAs層4の成長前の温度プロファイルを変えるこ
とにより、アンドープAlInAs層4の埋め込み層厚
を厚くすることを述べた。この場合、選択埋め込み成長
できる温度は、上記実施例1で説明したように500±
25°Cと非常に狭い。本実施例は、成長中にエッチン
グガスを微量添加することによりその成長温度範囲を広
げるものである。
【0094】以下本実施例の長波長半導体レーザについ
て説明する。図11(c) のアンドープAlInAs層4
成長中に、HClガス(又はCl2ガス)を5〜20CC/
minほど添加しながら成長を行う。この際、昇温プロフ
ァイルは図12の(a) ,(b) のどちらでもかまわない。
HClはSiO2 ストライプ50に付着するポリAlI
nAs結晶の核となる原料種を除去する効果があるた
め、選択埋め込み成長できる温度範囲を475〜600
°Cまで広げることができる。
【0095】また図11(c) の構造からSiO2 ストラ
イプ50を除去する際に、アンドープAlInAs層4
の表面露出部分、即ちSiO2 ストライプ50とアンド
ープAlInAs層6とが接触している部分は酸化され
やすいものとなる。そして、この酸化されている領域が
広いとp−InP層3aが平坦に成長しない。そこでp
−InP層3aを成長する前にHClガスを流して、酸
化した表面層をうすくライトエッチングすることによ
り、p−InP層8を平坦に成長することができる。
【0096】このような本実施例8においては、電流ブ
ロック層としてアンドープAlInAs層を用い、埋め
込み構造をp−n−i−n構造とした長波長LDの製造
プロセスにおいて、アンドープAlInAs層4の選択
埋め込み成長を、HClガス(又はCl2 ガス)を5〜
20CC/minほど添加しながら行うようにしたので、HC
lがSiO2 ストライプ50に付着するポリAlInA
s結晶の核となる原料種を除去することとなり、選択埋
め込み成長できる温度範囲を475〜600°Cまで広
げることができる。このため成長温度をシビアに制御し
なくても、アンドープInInAs層4の膜を厚く選択
成長した,高速動作させることのできる長波長LDを得
ることができる。
【0097】また、アンドープAlInAs層4にはF
e−InP層中のFeのような非常に拡散しやすいドー
パントが含まれていない。従って、p型InP層のp型
ドーパントにZnよりも拡散しにくいBeを用いること
によって、活性層3中に拡散してくる不純物量を抑える
ことができるため、長波長LDを設計通りの不純物プロ
ファイルに作製することができる。
【0098】なお、上記実施例7,8では、長波長LD
単体について述べたが、動作電圧を逆にすることにより
構成される単体変調器、あるいはLDと、変調器と、導
波路と、PDとを集積した複合デバイスの埋め込み層に
適用してもよく、上記と同様の効果が得られる。
【0099】
【発明の効果】この発明によれば、Inを含む有機金
属、Alを含む有機金属、Asを含む水素化合物及び有
機金属を原料とし、有機金属化学気相成長法により所定
の低温度で気相成長させて、得られる化合物半導体混晶
中に該化合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯の
ほぼ中央に位置させる濃度の不純物が導入されるように
したので、アンドープの状態でn型の伝導を示すAlI
nAs混晶を,そのドナー濃度が相殺されることにより
高抵抗化することができ、その結果、気相成長法を用い
て,これに隣接する化合物半導体層への不純物拡散が抑
えられた高抵抗化合物半導体層を再現性よく形成するこ
とができる効果がある。
【0100】この発明によれば、Inを含む有機金属、
Alを含む有機金属、Asを含む水素化合物及び有機金
属を原料とし、有機金属化学気相成長法により所定の低
温度で気相成長させて、得られる化合物半導体混晶中に
該化合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ
中央に位置させる濃度の,p型不純物が導入されるよう
にしたので、アンドープの状態でn型の伝導を示すAl
InAs混晶を,そのドナー濃度が相殺されることによ
り高抵抗化することができ、その結果、気相成長法を用
いて,これに隣接する化合物半導体層への不純物拡散が
抑えられた高抵抗化合物半導体層を再現性よく形成する
ことができる効果がある。
【0101】また、この発明によれば、上記3種類の原
料を用い、有機金属化学気相成長法により所定の低温度
で気相成長させて、得られる化合物半導体混晶中に、該
化合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中
央に位置させる濃度の,浅いアクセプタ準位を形成する
不純物が導入されるようにしたので、アンドープの状態
でn型の伝導を示すAlInAs混晶を,その浅いドナ
ーの濃度が相殺されることにより高抵抗化することがで
き、その結果、気相成長法を用いて,これに隣接する化
合物半導体層への不純物拡散が抑えられた高抵抗化合物
半導体層を再現性良く得ることができる効果がある。
【0102】また、この発明によれば、上記3種類の原
料を用い、有機金属化学気相成長法により所定の低温度
で気相成長させて、得られる化合物半導体混晶中に、該
化合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯のほぼ中
央に位置させる濃度の,IV族元素のアクセプタ不純物が
導入されるようにしたので、アンドープの状態でn型の
伝導を示すAlInAs混晶を,その浅いドナーの濃度
が相殺されることにより高抵抗化することができ、その
結果、気相成長法を用いて,これに隣接する化合物半導
体層への不純物拡散が抑えられた高抵抗化合物半導体層
を再現性良く得ることができる効果がある。
【0103】また、この発明によれば、上記3種類の原
料を用いて、有機金属化学気相成長法により化合物半導
体混晶を結晶成長させ、かつ、この結晶成長時に該化合
物半導体混晶中に、該化合物半導体混晶のフェルミ準位
をその禁制帯のほぼ中央に位置させる濃度の,p型不純
物をドーピングするようにしたので、アンドープの状態
でn型の伝導を示すAlInAs混晶を,その浅いドナ
ーの濃度が相殺されることにより高抵抗化することがで
き、その結果、気相成長法を用いて,これに隣接する化
合物半導体層への不純物拡散が抑えられた高抵抗化合物
半導体層を再現性良く得ることができる効果がある。
【0104】また、この発明によれば、上記3種類の原
料を用いて、有機金属化学気相成長法により化合物半導
体混晶を結晶成長させ、かつ、この結晶成長時に該化合
物半導体混晶中に、該化合物半導体混晶のフェルミ準位
をその禁制帯のほぼ中央に位置させる濃度の,浅いアク
セプタ準位を形成する不純物をドーピングするようにし
たので、アンドープの状態でn型の伝導を示すAlIn
As混晶を,その浅いドナーの濃度が相殺されることに
より高抵抗化することができ、その結果、気相成長法を
用いて,これに隣接する化合物半導体層への不純物拡散
が抑えられた高抵抗化合物半導体層を再現性良く得るこ
とができる効果がある。
【0105】また、この発明によれば、上記3種類の原
料を用いて、有機金属化学気相成長法により化合物半導
体混晶を結晶成長させ、かつ、この結晶成長時に該化合
物半導体混晶中に、該化合物半導体混晶のフェルミ準位
をその禁制帯のほぼ中央に位置させる濃度のIV族元素の
アクセプタ不純物をドーピングするようにしたので、ア
ンドープの状態でn型の伝導を示すAlInAs混晶
を,その浅いドナーの濃度が相殺されることにより高抵
抗化することができ、その結果、気相成長法を用いて,
これに隣接する化合物半導体層への不純物拡散が抑えら
れた高抵抗化合物半導体層を再現性良く得ることができ
る効果がある。
【0106】また、この発明によれば、上記3種類の原
料を用いて、有機金属化学気相成長法により化合物半導
体混晶を結晶成長させ、かつ、この結晶成長時に該化合
物半導体混晶中に、該化合物半導体混晶のフェルミ準位
をその禁制帯のほぼ中央に位置させる濃度の,II族元素
のアクセプタ不純物をドーピングするようにしたので、
アンドープの状態でn型の伝導を示すAlInAs混晶
を,その浅いドナーの濃度が相殺されることにより高抵
抗化することができ、その結果、気相成長法を用いて,
これに隣接する化合物半導体層への不純物拡散が抑えら
れた高抵抗化合物半導体層を再現性良く得ることができ
る効果がある。
【0107】また、この発明によれば、上記II族元素の
アクセプタ不純物に加え、深いドナー準位を形成する不
純物をドーピングするようにしたので、上記AlInA
s混晶のフェルミ準位の制御範囲が拡大することによ
り、これがより高抵抗化することとなり、その結果、気
相成長法を用いて,これに隣接する化合物半導体層への
不純物拡散が抑えられた高抵抗化合物半導体層をより一
層再現性良く得ることができる効果がある。
【0108】また、この発明によれば、Inを含む有機
金属、Alを含む有機金属、Asを含む水素化合物また
は有機金属、Gaを含む有機金属を原料とし、有機金属
化学気相成長法により化合物半導体混晶を結晶成長さ
せ、かつ、この結晶成長時に該化合物半導体混晶中に深
いドナー及びアクセプタ準位を形成する不純物をドーピ
ングするようにしたので、得られる化合物半導体混晶
は、深いドナー及びアクセプタの準位の数が増大し,そ
の禁制帯中央近傍に多数のエネルギ準位が形成された状
態で、上記深いドナー及びアクセプタ準位を形成する不
純物がドーピングされることにより,そのフェルミ準位
がその禁制帯のほぼ中央に位置したものとなり、その結
果、これに隣接する化合物半導体層への不純物拡散が抑
えられた高抵抗化合物半導体層を再現性良く得ることが
できる効果がある。
【0109】また、この発明に係る高抵抗化合物半導体
層の結晶成長方法においては、請求項11ないし15の
いずれかに記載の高抵抗化合物半導体層を結晶成長する
方法において、上記所定の低温度で結晶成長させる前
に、基板温度を該成長温度よりも高い温度に昇温させる
ようにしたので、マスクに付着するポリを抑制する効果
を持つリン原子(又は水素原子)の,ホスフィンからの
分解が促進され、これにより高抵抗化合物半導体層を厚
く成長させることができる効果がある。
【0110】また、この発明に係る高抵抗化合物半導体
層の結晶成長方法においては、請求項11ないし15の
いずれかに記載の高抵抗化合物半導体層を結晶成長する
方法において、マスクに付着するポリの核となる原料種
を除去する効果を持つエッチングガスを添加しながら結
晶成長させるようにしたので、高抵抗化合物半導体層を
成長させることのできる温度範囲を広げることができる
効果がある。
【0111】また、この発明に係る半導体装置において
は、電流ブロック層を、請求項1ないし10のいずれか
に記載の高抵抗化合物半導体層をi層とする,p−n−
i−n構造としたので、電流ブロック層をさらに高抵抗
化させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施例による高抵抗AlI
nAs層のエネルギバンド図、及び該高抵抗AlInA
s層を備えた半導体レーザの断面図。
【図2】 上記実施例1における不純物濃度の成長温度
依存性を示す図。
【図3】 上記実施例1におけるアクセプタ濃度と、フ
ェルミレベルとの関係を示す図。
【図4】 上記実施例1におけるAlInAs混晶の室
温での抵抗率の成長温度依存性を示す図。
【図5】 この発明の実施例2,3を説明するための,
ZnドープAlInAs混晶の抵抗率のZn濃度依存性
を示す図。
【図6】 上記実施例2,3を説明するための,Znド
ープAlInAs層を備えた半導体レーザの断面図。
【図7】 この発明の第6の実施例による高抵抗AlG
aInAs層のエネルギバンド図。
【図8】 従来の高抵抗埋め込み層を用いた長波長半導
体LDの製造方法を説明するための図。
【図9】 Fe−InP層とp−InP(ドーパントZ
n)層とが隣りあった時の結晶中のそれぞれのドーパン
ト(Fe,Zn)の分布をSIMS分析した結果を示す
図。
【図10】 この発明の第7の実施例を説明するため
の,AlInAs層の上下構造の違いによる電流電圧特
性を示す図。
【図11】 上記実施例7による長波長半導体レーザ装
置の製造方法を示す断面図である。
【図12】 上記実施例7におけるAlInAs埋め込
み層成長前の温度プロファイルを示す図。
【図13】 上記実施例7による長波長半導体レーザの
光出力−注入電流特性を示す図。
【図14】 従来のAlInAs層のエネルギバンド
図。
【符号の説明】
1 n−InP、2 活性層、3,3a p−InP、
4 高抵抗AlInAs層(電流ブロック層)、4’
ZnドープAlInAs高抵抗層(電流ブロック層)、
10 FeドープInP高抵抗層(電流ブロック層)、
20 n−InP層、30 アンドープ層、40 p−
InP層、50 SiO2 ストライプ、100 n−I
nP基板、200 p−InGaAsPコンタクト層、
Ec 伝導帯レベル、Ev 価電子帯レベル、ESD 浅
いドナーレベル、EA 浅いアクセプタレベル、EDD
深いドナーレベル、NSD 浅いドナー濃度、NDD 深い
ドナー濃度、NA アクセプタ濃度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 園田 琢二 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電 機株式会社 光・マイクロ波デバイス開 発研究所内 (56)参考文献 特開 平4−72720(JP,A) 特開 平3−22519(JP,A) 特開 平3−218008(JP,A) 特開 平3−148112(JP,A) 特開 昭61−48917(JP,A) 特開 平1−138784(JP,A) 特開 平1−241817(JP,A) 特開 昭59−124170(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 C30B 25/00 C30B 29/40 502 H01S 5/30

Claims (33)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる組成の化合物半導体層を積層して
    なる半導体装置における高抵抗化合物半導体層におい
    て、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む
    水素化合物または有機金属を原料として気相成長させた
    化合物半導体混晶からなり、該化合物半導体混晶中に
    は、該化合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯の
    ほぼ中央に位置させる濃度の,p型不純物が含まれてい
    ることを特徴とする高抵抗化合物半導体層。
  2. 【請求項2】 異なる組成の化合物半導体層を積層して
    なる半導体装置における高抵抗化合物半導体層におい
    て、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む
    水素化合物または有機金属を原料として気相成長させた
    化合物半導体混晶からなり、該化合物半導体混晶中に
    は、該化合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯の
    ほぼ中央に位置させる濃度の,浅いアクセプタ準位を形
    成する不純物が含まれていることを特徴とする高抵抗化
    合物半導体層。
  3. 【請求項3】 異なる組成の化合物半導体層を積層して
    なる半導体装置における高抵抗化合物半導体層におい
    て、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む
    水素化合物または有機金属を原料として気相成長させた
    化合物半導体混晶からなり、該化合物半導体混晶中に
    は、該化合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯の
    ほぼ中央に位置させる濃度の,IV族元素のアクセプタ不
    純物が含まれていることを特徴とする高抵抗化合物半導
    体層。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の高抵抗化合物半導体層
    において、 上記IV族元素のアクセプタ不純物が、炭素であることを
    特徴とする高抵抗化合物半導体層。
  5. 【請求項5】 異なる組成の化合物半導体層を積層して
    なる半導体装置における高抵抗化合物半導体層におい
    て、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む
    水素化合物または有機金属を原料として気相成長させた
    化合物半導体混晶からなり、該化合物半導体混晶中に
    は、該化合物半導体混晶のフェルミ準位をその禁制帯の
    ほぼ中央に位置させる濃度の,II族元素のアクセプタ不
    純物が含まれていることを特徴とする高抵抗化合物半導
    体層。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の高抵抗化合物半導体層
    において、 上記II族元素のアクセプタ不純物が、ドーピングにより
    上記化合物半導体混晶中に取り込まれたベリリウムある
    いはマグネシウムであることを特徴とする高抵抗化合物
    半導体層。
  7. 【請求項7】 請求項3ないし6のいずれかに記載の高
    抵抗化合物半導体層において、 上記IV族元素またはII族元素のアクセプタ不純物に加
    え、該アクセプタ不純物の濃度の10倍以上の濃度の深
    いドナー準位を形成する不純物が含まれていることを特
    徴とする高抵抗化合物半導体層。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の高抵抗化合物半導体層
    において、 上記深いドナー準位を形成する不純物が、ドーピングに
    より上記化合物半導体混晶中に取り込まれた酸素である
    ことを特徴とする高抵抗化合物半導体層。
  9. 【請求項9】 異なる組成の化合物半導体層を積層して
    なる半導体装置における高抵抗化合物半導体層におい
    て、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Gaを含む
    有機金属、Asを含む水素化合物または有機金属を原料
    として気相成長させた化合物半導体混晶からなり、該化
    合物半導体混晶中には、該化合物半導体混晶のフェルミ
    準位をその禁制帯のほぼ中央に位置させる濃度の,深い
    ドナー及びアクセプタ準位を形成する不純物が含まれて
    いることを特徴とする高抵抗化合物半導体層。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の高抵抗化合物半導体
    層において、 上記深いドナー及びアクセプタ準位を形成する不純物
    は、ドーピングにより上記化合物半導体混晶中に取り込
    まれた酸素であることを特徴とする高抵抗化合物半導体
    層。
  11. 【請求項11】 異なる組成の化合物半導体層を積層し
    てなる半導体装置における高抵抗化合物半導体層を結晶
    成長する方法において、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む
    水素化合物または有機金属を原料とし、有機金属化学気
    相成長法により所定の低温度で結晶成長させて、得られ
    る化合物半導体混晶中に、該化合物半導体混晶のフェル
    ミ準位をその禁制帯幅のほぼ中央に位置させる濃度の,
    不純物を取り込ませることを特徴とする高抵抗化合物半
    導体層の結晶成長法。
  12. 【請求項12】 異なる組成の化合物半導体層を積層し
    てなる半導体装置における高抵抗化合物半導体層を結晶
    成長する方法において、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む
    水素化合物または有機金属を原料とし、有機金属化学気
    相成長法により所定の低温度で結晶成長させて、得られ
    る化合物半導体混晶中に、該化合物半導体混晶のフェル
    ミ準位をその禁制帯幅のほぼ中央に位置させる濃度の,
    p型不純物を取り込ませることを特徴とする高抵抗化合
    物半導体層の結晶成長法。
  13. 【請求項13】 異なる組成の化合物半導体層を積層し
    てなる半導体装置における高抵抗化合物半導体層を結晶
    成長する方法において、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む
    水素化合物または有機金属を原料とし、有機金属化学気
    相成長法により所定の低温度で結晶成長させて、得られ
    る化合物半導体混晶中に、該化合物半導体混晶のフェル
    ミ準位をその禁制帯幅のほぼ中央に位置させる濃度の,
    浅いアクセプタ準位を形成する不純物を取り込ませるこ
    とを特徴とする高抵抗化合物半導体層の結晶成長法。
  14. 【請求項14】 異なる組成の化合物半導体層を積層し
    てなる半導体装置における高抵抗化合物半導体層を結晶
    成長する方法において、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む
    水素化合物または有機金属を原料とし、有機金属化学気
    相成長法により所定の低温度で気相成長させて、得られ
    る化合物半導体混晶中に,該化合物半導体混晶のフェル
    ミ準位をその禁制帯幅のほぼ中央に位置させる濃度の,
    IV族元素のアクセプタ不純物を取り込ませることを特徴
    とする高抵抗化合物半導体層の結晶成長法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の高抵抗化合物半導
    体層の結晶成長法において、 上記IV族元素のアクセプタ不純物が、炭素であることを
    特徴とする高抵抗化合物半導体層の結晶成長法。
  16. 【請求項16】 異なる組成の化合物半導体層を積層し
    てなる半導体装置における高抵抗化合物半導体層を結晶
    成長する方法において、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む
    水素化合物または有機金属を原料とし、有機金属化学気
    相成長法により化合物半導体混晶を結晶成長させ、か
    つ、この結晶成長時に該化合物半導体混晶のフェルミ準
    位をその禁制帯のほぼ中央に位置させる濃度の,p型不
    純物をドーピングすることを特徴とする高抵抗化合物半
    導体層の結晶成長法。
  17. 【請求項17】 異なる組成の化合物半導体層を積層し
    てなる半導体装置における高抵抗化合物半導体層を結晶
    成長する方法において、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む
    水素化合物または有機金属を原料とし、有機金属化学気
    相成長法により化合物半導体混晶を結晶成長させ、か
    つ、このこの結晶成長時に該化合物半導体混晶のフェル
    ミ準位をその禁制帯のほぼ中央に位置させる濃度の,浅
    いアクセプタ準位を形成する不純物をドーピングするこ
    とを特徴とする高抵抗化合物半導体層の結晶成長法。
  18. 【請求項18】 異なる組成の化合物半導体層を積層し
    てなる半導体装置における高抵抗化合物半導体層を結晶
    成長する方法において、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む
    水素化合物または有機金属を原料とし、有機金属化学気
    相成長法により化合物半導体混晶を結晶成長させ、か
    つ、この結晶成長時に該化合物半導体混晶のフェルミ準
    位をその禁制帯のほぼ中央に位置させる濃度の,IV族元
    素のアクセプタ不純物をドーピングすることを特徴とす
    る高抵抗化合物半導体層の結晶成長法。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の高抵抗化合物半導
    体層の結晶成長法において、 上記ドーピングするIV族元素のアクセプタ不純物が、炭
    素であることを特徴とする高抵抗化合物半導体層の結晶
    成長法。
  20. 【請求項20】 異なる組成の化合物半導体層を積層し
    てなる半導体装置における高抵抗化合物半導体層を結晶
    成長する方法において、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む
    水素化合物または有機金属を原料とし、有機金属化学気
    相成長法により化合物半導体混晶を結晶成長させ、か
    つ、この結晶成長時に該化合物半導体混晶のフェルミ準
    位をその禁制帯のほぼ中央に位置させる濃度の,II族元
    素のアクセプタ不純物をドーピングすることを特徴とす
    る高抵抗化合物半導体層の結晶成長法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の高抵抗化合物半導
    体層の結晶成長法において、 上記ドーピングするII族元素のアクセプタ不純物が、ベ
    リリウムあるいはマグネシウムであることを特徴とする
    高抵抗化合物半導体層の結晶成長法。
  22. 【請求項22】 請求項18ないし21のいずれかに記
    載の高抵抗化合物半導体層の結晶成長法において、 上記II族元素またはIV族元素のアクセプタ不純物に加
    え、深いドナー準位を形成する不純物をドーピングする
    ことを特徴とする高抵抗化合物半導体層の結晶成長法。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の高抵抗化合物半導
    体層の結晶成長法において、 上記深いドナー準位を形成する不純物が、酸素であるこ
    とを特徴とする高抵抗化合物半導体層の結晶成長法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の高抵抗化合物半導
    体層の結晶成長法において、 上記酸素のドーピング量は、上記アクセプタ不純物のド
    ーピング量の10倍以上であることを特徴とする高抵抗
    化合物半導体層の結晶成長法。
  25. 【請求項25】 異なる組成の化合物半導体層を積層し
    てなる半導体装置における高抵抗化合物半導体層を結晶
    成長する方法において、 Inを含む有機金属、Alを含む有機金属、Asを含む
    水素化合物または有機金属、Gaを含む有機金属を原料
    とし、有機金属化学気相成長法により結晶成長させ、か
    つ、この結晶成長時に該化合物半導体混晶のフェルミ準
    位をその禁制帯のほぼ中央に位置させる濃度の,深いド
    ナー及びアクセプタ準位を形成する不純物をドーピング
    することを特徴とする高抵抗化合物半導体層の結晶成長
    法。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載の高抵抗化合物半導
    体層の結晶成長法において、 上記深いドナー及びアクセプタ準位を形成する不純物
    が、酸素であることを特徴とする高抵抗化合物半導体層
    の結晶成長法。
  27. 【請求項27】 異なる組成の化合物半導体層を積層し
    てなる半導体装置において、 電流ブロック層を、請求項1ないし10のいずれかに記
    載の高抵抗化合物半導体層をi層とする,p−n−i−
    n構造としたことを特徴とする半導体装置。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の半導体装置におい
    て、 該半導体装置が、長波長レーザダイオードであることを
    特徴とする半導体装置。
  29. 【請求項29】 請求項27に記載の半導体装置におい
    て、 該半導体装置が、変調器であることを特徴とする半導体
    装置。
  30. 【請求項30】 請求項27に記載の半導体装置におい
    て、 該半導体装置が、レーザダイオードと変調器と導波路と
    フォトダイオードとを集積した複合デバイスであること
    を特徴とする半導体装置。
  31. 【請求項31】 請求項11ないし15のいずれかに記
    載の高抵抗化合物半導体層の結晶成長法において、 上記所定の低温度で結晶成長させる前に、基板温度を該
    成長温度よりも高い温度に昇温させることを特徴とする
    高抵抗化合物半導体層の結晶成長法。
  32. 【請求項32】 請求項11ないし15のいずれかに記
    載の高抵抗化合物半導体層の結晶成長法において、 マスクに付着するポリの核となる原料種を除去する効果
    を持つエッチングガスを添加しながら結晶成長させるこ
    とを特徴とする高抵抗化合物半導体層の結晶成長法。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の高抵抗化合物半導
    体層の結晶成長法において、 上記エッチングガスが、HClガスあるいはCl2 ガス
    であることを特徴とする高抵抗化合物半導体層の結晶成
    長法。
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