JP3395518B2 - 内燃機関のクランク角検出装置 - Google Patents

内燃機関のクランク角検出装置

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JP3395518B2
JP3395518B2 JP13374896A JP13374896A JP3395518B2 JP 3395518 B2 JP3395518 B2 JP 3395518B2 JP 13374896 A JP13374896 A JP 13374896A JP 13374896 A JP13374896 A JP 13374896A JP 3395518 B2 JP3395518 B2 JP 3395518B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関におけるク
ランクシャフトに形成されたクランクの回転位置(クラ
ンク角)を検出するための内燃機関のクランク角検出装
置に関し、さらに詳細には、多気筒の内燃機関におい
て、特定の気筒におけるクランク角を検出するのに好適
な内燃機関のクランク角検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ピストンの往復運動により駆
動力を得るレシプロエンジンでは、往復運動を回転運動
に変換するために、ピストンはコネクティングロッドを
介してクランクシャフトのクランク(クランクピン)に
連結されている。したがって、シリンダ内におけるピス
トンの位置は、クランクの回転位置によって規定される
こととなり、エンジンの各シリンダにおける吸気行程か
ら排気行程までの各行程(ピストンの位置)は、クラン
クの回転位置(クランク角)を検出することによって判
別することができる。
【0003】そこで、エンジンの行程に関係する点火時
期制御、燃料噴射時期制御といった各種タイミング制御
は、クランク角検出装置によって検出されたクランク角
(°CA、なお、CAはcrank angle の略称である)に
基づいて実行されている。
【0004】ここで、クランク角を検出するクランク角
検出装置としては、たとえば、特開平5−288112
号公報に記載されているクランク角検出装置が知られて
いる。このクランク角検出装置は、クランクシャフト近
傍に配設されたエンジン回転数センサと、カムシャフト
近傍に配設された気筒判別センサとを備えている。そし
て、エンジン回転数センサを構成するクランクロータに
は、30°CA毎に被検出歯が形成されているととも
に、1の被検出歯が欠落された欠落部(不等間隔部)が
形成されている。さらに、気筒判別センサを構成するカ
ムロータには、1の被検出歯が形成されており、カムロ
ータが360°(720°CA)回転する毎に気筒判別
信号が出力される。
【0005】かかるクランク角検出装置では、欠落部が
電磁ピックアップを通過する際に、エンジン回転数セン
サから出力されるエンジン回転数信号を基準位置信号と
し、その基準位置信号出力後に、エンジン回転数センサ
から出力されるエンジン回転数信号の信号数をカウント
する。そして、そのカウンタ値が所定値に到達した時
(すなわち、基準位置信号の出力近傍時期に該当)に、
気筒判別信号が気筒判別センサから出力されているか否
かによって、気筒判別並びに判別がなされた特定のシリ
ンダにおけるクランク角を検出する。
【0006】したがって、2つのセンサ(エンジン回転
数センサ、気筒判別センサ)を備えるだけで、マルチシ
リンダエンジンにおいても特定のシリンダにおけるクラ
ンク角を検出することが可能となり、点火すべきシリン
ダの特定、燃料噴射すべきシリンダの特定を行うことが
できる。また、気筒判別信号が基準位置信号の出力時期
近傍で出力されるので、基準位置までのクランキングで
必ず気筒判別を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来例に係るクランク角検出装置では、エンジン始動
時には、クランクシャフトが基準位置まで回転しないと
気筒を判別することができず、エンジン始動性を向上さ
せ難いという問題があった。
【0008】すなわち、基準位置信号は360°CA毎
にしか出力されず、気筒を判別するための区間が360
°CAに1回しか存在しないからである。したがって、
欠落部が電磁ピックアップを通過した直後にエンジンが
停止された場合には、クランクシャフトが約360°C
A回転した後に初めて次の欠落部の通過を検出できるこ
ととなる。
【0009】それならば、欠落部を180°CA間隔で
2箇所設け、これに応じてカムロータの歯を360°C
A間隔(180°間隔)で2箇所所形成すれば良いよう
に思われる。
【0010】ところが、かかる場合にはエンジン回転数
センサから出力された基準位置信号が、2箇所設けられ
た欠落部のうちいずれの欠落部に基づくものかを判別す
ることができない。また、気筒判別センサから出力され
た気筒判別信号が、2箇所に形成された歯のうちいずれ
の歯に基づくものかを判別することができず、結果とし
て、気筒判別をすることができないという問題を有する
こととなる。
【0011】本発明は、前記従来の問題点を解消するた
めになされたものであり、内燃機関の始動操作後、すぐ
にクランク角を検出することができる内燃機関のクラン
ク角検出装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の第1の発明は、図1に示すように、
多気筒内燃機関に設けられ、各気筒の1サイクルの間に
2回転するクランクシャフトM1と、前記クランクシャ
フトM1に一体回転可能に設けられ、かつ等角度毎に多
数の第1通過被検出部M2を有するとともに、隣り合う
第1通過被検出部M2間に第2通過被検出部M3を有す
るロータであって、隣り合う一対の第1通過被検出部M
2を1つのグループとした場合の全グループに関し、所
定のグループでの第2通過被検出部M3の数と少なくと
もその隣のグループでの第2通過被検出部M3の数との
組み合わせが互いに異なるように設定されたクランクロ
ータM4と、前記クランクロータM4の回転にともなう
前記第1通過被検出部M2の通過を検出する第1通過検
出手段M5と、前記クランクロータM4の回転にともな
う前記第2通過被検出部M3の通過を検出する第2通過
検出手段M6と、前記クランクロータM4が1回転する
毎に異なる波形の回転検出信号を出力する回転検出手段
M7と、前記第1通過検出手段M5により、前記各グル
ープでの一方の第1通過被検出部M2の通過が検出され
てから他方の第1通過被検出部M2の通過が検出される
までの期間における、第2通過検出手段M6による第2
通過被検出部M3の検出回数をカウントし、そのカウン
ト値を記憶する記憶手段M8と、連続する少なくとも2
つの前記グループに関する前記記憶手段M8によるカウ
ント値の組み合わせ、及び前記第1通過検出手段M5に
よる検出タイミングに基づきクランク角を検出するとと
もに、そのクランク角及び前記回転検出手段M7による
回転検出信号に基づき特定の気筒を判定するクランク角
検出手段M9とを備えている。
【0013】上記第1の発明によると、内燃機関の運転
にともないクランクシャフトM1及びクランクロータM
4が一体となって回転する。第1通過検出手段M5は、
クランクロータM4の回転にともない第1通過被検出部
M2が通過する毎に、その通過を検出する。ここで、第
1通過被検出部M2がクランクロータM4の外周部に等
角度毎に形成されていることから、クランクシャフトM
1が一定速度で回転していれば、クランクロータM4が
1回転する間には、前記第1通過被検出部M2の通過が
等タイミング毎に複数回検出される。
【0014】また、第2通過検出手段M6は、クランク
ロータM4の回転にともない第2通過被検出部M3が通
過する毎に、その通過を検出する。ここでは、隣り合う
第1通過被検出部M2,M2間に形成された第2通過被
検出部M3の数が工夫されていることから、所定のグル
ープでの第2通過被検出部M3の検出回数と、少なくと
もその隣のグループでの第2通過被検出部M3の検出回
数との組み合わせが、全グループに関して互いに異な
る。
【0015】記憶手段M8は、第1通過検出手段M5に
より、各グループでの一方の第1通過被検出部M2の通
過が検出されてから他方の第1通過被検出部M2の通過
が検出されるまでの期間における、第2通過検出手段M
6による第2通過被検出部M3の検出回数をカウント
し、そのカウント値を記憶する。
【0016】一方、回転検出手段M7はクランクロータ
M4が1回転する毎に異なる波形の回転検出信号を出力
する。クランク角検出手段M9は、連続する少なくとも
2つのグループに関する記憶手段M8によるカウント値
の組み合わせと、第1通過検出手段M5による第1通過
被検出部M2の検出タイミングとに基づきクランク角を
検出するとともに、そのクランク角と回転検出手段M7
による回転検出信号とに基づき特定の気筒を判定する。
すなわち、前述したように第1通過被検出部M2はクラ
ンクシャフトM1が1回転する間に複数回検出される
が、その検出タイミング毎に異なる組み合わせを割り当
てることにより、両者が一対一に対応する。このため、
カウント値の組み合わせが決まれば、その組み合わせに
対応した第1通過被検出部M2の検出タイミングが一義
的に決まり、その検出タイミングが、クランクシャフト
M1が何度回転したときのものであるか(クランク角が
何度であるか)が検出される。
【0017】また、前記カウント値の組み合わせはクラ
ンクシャフトM1が1回転すると元の状態に戻る。各気
筒の1サイクルの期間にはクランクシャフトM1(クラ
ンクロータM4)が2回転する。したがって、同期間に
はカウント値の組み合わせが同一となるときが2回存在
することになる。これに対しては、前記回転検出信号を
利用することにより、クランクロータM4の回転が1回
転目のものであるか2回転目のものであるかが区別され
る。この結果と前記クランク角とを組み合わせることで
気筒を判別することが可能となる。
【0018】このように、クランクロータM4の回転に
ともなう第1通過被検出部M2の通過が第1通過検出手
段M5によって数回検出される間に、クランク角の検出
と気筒の判定とを行うことが可能となる。
【0019】請求項2に記載の第2の発明は前記第1の
発明の構成に加え、前記第1通過被検出部M2及び第2
通過被検出部M3は、前記クランクロータM4の互いに
異なる円周上に形成されている。
【0020】上記第2の発明によると、内燃機関の運転
にともないクランクシャフトM1及びクランクロータM
4が回転すると、第1通過被検出部M2及び第2通過被
検出部M3は互いに異なる円周上を移動する。したがっ
て、第1通過検出手段M5及び第2通過検出手段M6の
各検出部をクランクロータM4の軸心方向へ離間配置す
ることにより、第1通過被検出部M2及び第2通過被検
出部M3の各通過を確実に検出することが可能である。
【0021】請求項3に記載の第3の発明は前記第1の
発明の構成に加え、前記第1通過被検出部M2及び第2
通過被検出部M3は前記クランクロータM4の同一円周
上に形成され、さらに同第2通過被検出部M3は、第1
通過被検出部M2のクランクロータM4の回転方向にお
ける幅とは異なる幅を有し、前記第1通過検出手段M5
は、前記第1通過被検出部M2及び第2通過被検出部M
3の幅の相違を利用して同第1通過被検出部M2の通過
を検出し、前記第2通過検出手段M6は、前記幅の相違
を利用して第2通過被検出部M3の通過を検出するもの
である。
【0022】上記第3の発明によると、内燃機関の運転
にともないクランクシャフトM1及びクランクロータM
4が回転すると、第1通過被検出部M2及び第2通過被
検出部M3は同一円周上を移動する。そして、第1通過
検出手段M5及び第2通過検出手段M6は、第1通過被
検出部M2及び第2通過被検出部M3が、クランクロー
タM4の回転方向に互いに異なる幅を有していることを
利用して、各被検出部M2,M3の通過を検出する。し
たがって、第1通過被検出部M2及び第2通過被検出部
M3を、前記クランクロータM4の互いに異なる円周上
に形成した場合に比べて、同ロータM4の軸心方向にお
ける厚みを小さくすることが可能である。
【0023】請求項4に記載の第4の発明は前記第1の
発明の構成に加え、図1に示すように、前記内燃機関は
前記クランクシャフトM1が2回転する間に1回転する
バルブ駆動用のカムシャフトM10を備えており、前記
回転検出手段M7は、前記カムシャフトM10に一体回
転可能に設けられ、かつ自身の外周部の略180度毎
に、互いに形状の異なる主通過被検出部M12及び副通
過被検出部M13を有するカムロータM11と、前記カ
ムロータM11の回転にともなう前記主通過被検出部M
12の通過を検出する第3通過検出手段M14と、前記
カムロータM11の回転にともなう前記副通過被検出部
M13の通過を検出する第4通過検出手段M15とを備
えるものである。
【0024】上記第4の発明によると、内燃機関の運転
にともないクランクシャフトM1が2回転すると、それ
に連動してカムシャフトM10及びカムロータM11も
1回転する。第3通過検出手段M14は、カムロータM
11の回転にともない主通過被検出部M12が通過する
毎に、その通過を検出する。第4通過検出手段M15
は、カムロータM11の回転にともない副通過被検出部
M13が通過する毎に、その通過を検出する。ここで、
主・副両通過被検出部M12,M13がカムロータM1
1の外周部の略180度毎に設けられていることから、
カムシャフトM10が略1/2回転する毎に、すなわち
クランクシャフトM1が1回転する毎に、回転検出手段
M7から出力される回転検出信号の波形が変化する。こ
のため、回転検出信号が主通過被検出部M12に対応す
るものであるか、副通過被検出部M13に対応するもの
であるかを区別することが可能である。
【0025】したがって、内燃機関の始動操作直後であ
っても、上述のように区別された回転検出信号を利用す
ることにより、クランクロータM4の回転が1回転目の
ものであるか2回転目のものであるかを確実に区別する
ことが可能となる。
【0026】請求項5に記載の第5の発明は前記第4の
発明の構成に加え、図1に示すように、前記内燃機関は
前記クランクシャフトM1からカムシャフトM10に至
る回転伝達系内に設けられ、かつ前記クランクシャフト
M1に対するカムシャフトM10の回転位相を調整する
ための回転位相調整手段M16を備えており、前記主通
過被検出部M12は、前記カムロータM11の外周に等
角度毎に設けられた複数の主構造体M12aを備え、前
記副通過被検出部M13は、前記主構造体M12aのカ
ムロータM11の回転方向における幅とは異なる幅を有
し、かつ同カムロータM11の外周において同主構造体
M12aと同一の角度毎に設けられた複数の副構造体M
13aを備え、前記第3通過検出手段M14は、前記主
構造体M12a及び副構造体M13aの幅の相違を利用
して同主構造体M12aの通過を検出し、前記第4通過
検出手段M15は、前記幅の相違を利用して副構造体M
13aの通過を検出するものである。
【0027】上記第5の発明によると、クランクシャフ
トM1の回転にともないカムシャフトM10及びカムロ
ータM11が回転すると、第3通過検出手段M14及び
第4通過検出手段M15は、主構造体M12a及び副構
造体M13aが、カムロータM11の回転方向に互いに
異なる幅を有していることを利用して、各構造体M12
a,M13aの通過を検出する。ここで、主構造体M1
2aが主通過被検出部M12において等角度毎に設けら
れていることから、カムシャフトM10が一定速度で回
転していれば、カムロータM11が1/2回転する間に
は、同主構造体M12aの通過が等タイミング毎に複数
回検出される。また、副構造体M13aが副通過被検出
部M13において主構造体M12aと同一の角度毎に設
けられていることから、カムロータM11が1/2回転
する間には、同副構造体M13aの通過が複数回検出さ
れる。
【0028】このため、例えば、回転検出信号が主構造
体M12aに対応するものから副構造体M13aに対応
するものへ切り換わるとき、又はその逆に切り換わると
きを基準とする。そして、その基準から第3通過検出手
段M14による主構造体M12aの検出回数をカウント
する。又は、前記基準から第4通過検出手段M15によ
る副構造体M13aの検出回数をカウントする。このカ
ウント値から主構造体M12aの複数の検出タイミン
グ、又は副構造体M13aの複数の検出タイミングをそ
れぞれ区別し、その検出タイミングがカムシャフトM1
0が何度回転したときのものであるか(カム角が何度で
あるか)を検出することが可能である。
【0029】前記カム角の検出精度は主構造体M12a
及び副構造体M13aの検出回数、すなわち、両構造体
M12a,M13aの数に依存する。これらの回数
(数)が多くなるほど検出精度を高めることができる。
【0030】したがって、回転位相調整手段M16の搭
載された内燃機関では、通常、前記クランク角とカム角
とに基づき、クランクシャフトM1に対するカムシャフ
トM10の回転位相が変更されるが、前述したカム角を
利用することにより、精度の高い回転位相の変更の実現
が可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、第1、第2及び第4の発明
を具体化した第1の実施の形態を図2〜図10に従って
説明する。
【0032】先ず、本実施の形態に係る内燃機関のクラ
ンク角検出装置CDの構成について図2〜図6を参照し
て説明する。ここに、図2は本実施の形態が適用される
4気筒ガソリンエンジンシステムを示す概略構成図、図
3はクランクポジションセンサ20を模式的に示す拡大
図、図4はクランクポジションセンサ20を構成するク
ランクロータ21のエッジ部分の拡大図である。また、
図5はクランクロータ21に形成されている第1被検出
溝22及び第2被検出溝23と、半導体磁気センサ25
から出力される第1パルス信号S1及び第2パルス信号
S2との関係を模式的に示す説明図、図6はカムポジシ
ョンセンサ30を模式的に示す拡大図である。
【0033】内燃機関としてのエンジン10は、シリン
ダブロック11内に形成された4つのシリンダ12と、
各シリンダ12内を上下方向に往復移動するピストン1
4と、シリンダ12、シリンダヘッド13及びピストン
14上面によって区画形成される燃焼室15と、ピスト
ン14の往復運動を回転運動に変換するクランクシャフ
ト16とを備えている。また、シリンダヘッド13の上
方には、タイミングベルト(図示しない)を介してクラ
ンクシャフト16と連結されているカムシャフト19が
配設されている。
【0034】クランクシャフト16は、クランクアーム
16a、クランクピン16bによって回転軸から偏心し
た位置に形成されているクランク17を有しており、こ
のクランク17の形成位置は、グループ化された各シリ
ンダ12毎に異なっている。そして、各シリンダ12に
おいてクランク17がどの位置にあるか(ピストン14
が各シリンダ12のどの位置にあるか)を示す指標とし
てクランク角が用いられている。
【0035】また、ピストン14とクランクシャフト1
6とは、ピストン14の下端部とクランクシャフト16
のクランクピン16bとが、それぞれコネクティングロ
ッド18を介して接続されることによって連結されてい
る。そして、各ピストン14が上下方向に往復移動し、
クランク17(クランクピン16b)が回転軸心の周り
を回転することによって、クランクシャフト16が回転
させられる。なお、エンジン10は、その組付に際して
第1気筒#1のピストン14が圧縮上死点となるように
組み付けられている。
【0036】さらに、クランクシャフト16には、クラ
ンクポジションセンサ20を構成する磁性体クランクロ
ータ21が固定されており、また、クランクシャフト1
6近傍のシリンダブロック11には、クランクポジショ
ンセンサ20を構成する半導体磁気センサ25が配置さ
れている。
【0037】かかるクランクポジションセンサ20につ
いて、図3、図4及び図5を参照して詳細に説明する。
クランクロータ21の互いに異なる円周上には、第1通
過被検出部としての第1被検出溝22と、第2通過被検
出部としての第2被検出溝23とが形成されている。よ
り詳しくは、クランクロータ21外周における一方(図
14の右側)のエッジには、等角度ピッチ毎、たとえ
ば、本実施の形態では30°CAピッチ毎に第1被検出
溝22が形成されている。また、他方(図4の左側)の
エッジには、第1被検出溝22,22間に対応する位置
に、0本乃至4本の第2被検出溝23が形成されてお
り、その形成本数は前後の第2被検出溝23で異なると
ともに、前後する第2被検出溝23の数の組み合わせも
それぞれ異なっている。すなわち、隣り合う一対の第1
被検出溝22,22を1つのグループとした場合の全グ
ループに関し、所定のグループでの第2被検出溝23の
数とその隣のグループでの第2被検出溝23の数との組
み合わせが互いに異なるように設定されている。
【0038】また、クランクシャフト16近傍のシリン
ダブロック11には、第1被検出溝22、第2被検出溝
23の通過をそれぞれ検出する半導体磁気センサ25が
クランクロータ21に対向するように配置されている。
【0039】この半導体磁気センサ25は、クランクロ
ータ21の軸心方向(クランクロータ21の回転方向と
垂直な方向)に、クランクロータ21の厚み程度だけ離
間配置された第1センサ部26と第2センサ部27とを
有している。第1センサ部26は第1通過検出手段を構
成し、第2センサ部27は第2通過検出手段を構成する
ものである。そして、半導体磁気センサ25は、第1セ
ンサ部26が第1被検出溝22の通過を検出した際に、
第1被検出溝22が30°CA毎に形成されていること
を受けて等間隔の第1パルス信号S1を出力する。
【0040】これに対し、第2センサ部27が第2被検
出溝23の通過を検出した際には、半導体磁気センサ2
5は、他方のエッジに形成されている第2被検出溝23
の本数に対応した数の第2パルス信号S2を出力する。
【0041】すなわち、図5に示すように、第1被検出
溝22の右側エッジの通過を第1センサ部26が検出す
ることにより第1パルス信号S1がLoからHighに
切り換わり、第1被検出溝22の左側エッジの通過を第
1センサ部26が検出することにより第1パルス信号S
1がHighからLoに切り換わるのである。また、第
2センサ部27が第2被検出溝23の通過を検出する毎
に第2パルス信号S2がHighからLoに切り換わ
り、図5では4本形成されている第2被検出溝23に対
応して第2パルス信号S2が4回HighからLoに切
り換わっている。
【0042】そして、次の第1被検出溝22の右側エッ
ジが第1センサ部26を通過すると、再び第1パルス信
号S1は、LoからHighに切り換わり、第2パルス
信号S2は1本形成されている第2被検出溝23に対応
して1回HighからLoに切り換わっている。
【0043】なお、半導体磁気センサ25としては、ホ
ール素子、磁気抵抗素子等の半導体素子を各センサ部2
6、27に備えたものが該当する。シリンダヘッド13
には、回転検出手段としてのカムポジションセンサ30
が配設されている。かかるカムポジションセンサ30に
ついて、図6を参照して詳細に説明する。
【0044】カムシャフト19には、磁性体カムロータ
31が固定されている。カムロータ31の外周部には、
その半分(180°の範囲)にわたり主通過被検出部と
しての被検出歯32aが形成されている。カムロータ3
1の外周部の他の半分には副通過被検出部としての凹部
32bが設けられている。したがって、カムポジション
センサ30から出力される第3パルス信号S3の波形が
180°毎(360°CA毎)に変化することになる。
【0045】また、カムシャフト19近傍のシリンダヘ
ッド13には、被検出歯32a及び凹部32bの通過を
検出する電磁ピックアップ33がカムロータ31に対向
するように配置されている。この電磁ピックアップ33
は第3通過検出手段及び第4通過検出手段を構成するも
のである。同ピックアップ33は、被検出歯32aの通
過を検出している間は、Highレベルの第3パルス信
号S3を出力し、被検出歯32aの通過を検出していな
い間(凹部32bの通過を検出している間)は、Loレ
ベルの第3パルス信号S3を出力する。
【0046】このほか、シリンダヘッド13には、図2
に示すように各シリンダ12毎にインジェクタ50及び
点火プラグ51が配設されている。各インジェクタ50
は所定のクランク角において燃焼室15内に燃料を供給
し、各点火プラグ51は所定のクランク角において燃焼
室15内の混合気に点火する。
【0047】続いて、本実施の形態に係る内燃機関のク
ランク角検出装置CDの制御系について図8に示す制御
ブロック図を参照して説明する。内燃機関のクランク角
検出装置CDの制御系は、電子制御ユニット40(以下
「ECU」という。)を核として構成されており、EC
U40にはエンジン10停止後も所定時間、通電される
ものとする。そして、ECU40によって記憶手段、ク
ランク角検出手段等が実現される。
【0048】ECU40は、旧第2パルス信号数XOと
第2パルス信号数Xとの組み合わせから各第1パルス信
号S1に付すナンバー値Nを算出するためのテーブル、
ナンバーが付された第1パルス信号S1及び第3パルス
信号S3に基づき特定気筒のクランク角を検出するクラ
ンク角検出処理プログラムを格納したROM41を有し
ている。また、ROM41には、クランク角検出処理プ
ログラムのほかにも、検出されたクランク角に基づいて
点火時期を制御する点火時期制御プログラム等の各種制
御プログラムが格納されている。
【0049】さらに、ECU40は、ROM41に格納
された各種プログラムに基づいて演算処理を実行するC
PU42、CPU42での演算結果、及び各センサから
入力されたデータ等を一時的に記憶するRAM43、エ
ンジン10停止時等の電源供給停止時にRAM43に格
納された各種データを保持するためのバックアップRA
M44を有している。
【0050】そして、CPU42、ROM41、RAM
43及びバックアップRAM44は、双方向バス45を
介して互いに接続されるとともに、入力インターフェー
ス46及び出力インターフェース47と接続されてい
る。
【0051】入力インターフェース46には、クランク
ポジションセンサ20、カムポジションセンサ30等が
接続されている。そして、各センサから出力された信号
がアナログ信号である場合には、図示しないA/Dコン
バータによってディジタル信号に変換された後、双方向
バス45に出力される。
【0052】また、出力インターフェース47には、イ
ンジェクタ50、点火プラグ51等の外部回路が接続さ
れており、これら外部回路は、CPU42において実行
された制御プログラムの演算結果に基づいて作動制御さ
れる。
【0053】次に、上記構成を備えた本実施の形態に係
る内燃機関のクランク角検出装置CDにおけるクランク
角検出プログラムについて、図9に示すクランク角検出
プログラムのフローチャート、図7に示すフラグ値F算
出プログラムのフローチャート、及び図10に示すタイ
ミングチャートを参照して説明する。
【0054】ここで、図10は、第1被検出溝22が半
導体磁気センサ25の第1センサ部26を通過する際に
出力される第1パルス信号S1、第2パルス信号数X、
被検出歯32aが電磁ピックアップ33を通過する際に
出力される第3パルス信号S3、ナンバー値N、及びフ
ラグ値Fの経時変化を示すタイミングチャートである。
【0055】エンジン10は、その組付時に第1気筒#
1のピストン14が圧縮上死点となるように組み付けら
れており、本フローチャートは、同気筒#1のピストン
14が圧縮上死点に位置している状態からスタートする
ものとする。
【0056】エンジン10を始動させるためクランキン
グが行われると、図9のステップ10(以下、ステップ
をSで表す)において第2パルス信号数Xに0〜4まで
の任意の値をストアする。この処理は、エンジン10始
動当初のみ実行され、エンジン10始動後においては、
後述するS110における点火制御処理が終了した後、
S20にリターンする。
【0057】S20では、先回の処理において用いられ
た第2パルス信号数Xを旧第2パルス信号数XOにスト
アする。続いて、半導体磁気センサ25から出力される
第1パルス信号S1が、LoからHighに立ち上がる
ようにして切り換わったか否か、すなわち、クランクロ
ータ21の一方のエッジに形成された第1被検出溝22
が第1センサ部26を通過し終わったか否かを判断する
(S30)。
【0058】そして、第1パルス信号S1がLoからH
ighに切り換わっていないと判断した場合には(S3
0:NO)、第1パルス信号S1がLoからHighに
切り換わるまで待機する。これに対して、第1パルス信
号S1がLoからHighに切り換わったと判断した場
合には(S30:YES)、S40に移行し、第2パル
ス信号数Xをカウントするための準備として第2パルス
信号数カウンタ値Cを0にリセットすることが行われ
る。
【0059】すなわち、第1パルス信号S1のLoから
Highへの切り換わりをきっかけとして、次に説明す
る第2パルス信号数Xのカウントが開始されるのであ
る。第2パルス信号数Xをカウントするために、先ず、
半導体磁気センサ25から出力される第2パルス信号S
2が、HighからLoに立ち下がるようにして切り換
わったか否かを、クランクロータ21の他方のエッジに
形成された第2被検出溝23の左側エッジが第2センサ
部27を通過したか否かによって判断する(S50)。
【0060】そして、半導体磁気センサ25から出力さ
れる第2パルス信号S2が、HighからLoに切り換
わったと判断した場合には(S50:YES)、第2パ
ルス信号数カウンタ値Cを1つインクリメントし(S6
0)、S70に移行する。これに対して、第2パルス信
号S2が、HighからLoに切り換わっていないと判
断した場合には(S50:NO)、S70に移行する。
【0061】S70では、半導体磁気センサ25から出
力される第1パルス信号S1が、HighからLoに切
り換わったか否か、すなわち、クランクロータ21の一
方のエッジが第1センサ部26を通過し始めたか否かを
判断する。そして、半導体磁気センサ25から出力され
る第1パルス信号S1が、HighからLoに切り換わ
っていないと判断した場合には(S70:NO)、S5
0に移行する。
【0062】すなわち、第2被検出溝23は、クランク
ロータ21の他方のエッジにおいて、クランクロータ2
1の一方のエッジに形成された各第1被検出溝22の間
に位置するように形成されている。したがって、先の第
1被検出溝22の通過が検出された後、次の第1被検出
溝22の通過が検出されたか否かを判断することによっ
て、全ての第2被検出溝23が第2センサ部27を通過
したか否かを判断するのである。そして、S70におい
て第1パルス信号S1が、HighからLoに切り換わ
ったと判断されるまでは、第2センサ部27による第2
被検出溝23の通過検出が実行され、第2パルス信号S
2のカウントアップが行われるのである。
【0063】一方、半導体磁気センサ25から出力され
る第1パルス信号S1が、HighからLoに切り換わ
ったと判断した場合には(S70:YES)、全ての第
2被検出溝23が第2センサ部27を通過したものと判
断し、カウントアップされた第2パルス信号数カウンタ
値Cを、第2パルス信号数Xとしてストアする(S8
0)。
【0064】続いて、S90では、表1に示すROM4
1に格納された旧第2パルス信号数XOと第2パルス信
号数Xとの組み合わせから各第1パルス信号S1に付す
ナンバー値Nを算出するためのテーブルに基づいてナン
バー値Nを算出する。すなわち、クランクロータ21の
他方のエッジに形成されている第2被検出溝23は、前
後で溝数が異なるとともに、前後する溝数の組み合わせ
がそれぞれ異なるように形成されている。したがって、
前後する旧第2パルス信号数XOと第2パルス信号数X
とはそれぞれ異なるとともに、前後する旧第2パルス信
号数XOと第2パルス信号数Xとの組み合わせは、それ
ぞれ異なることとなる。
【0065】
【表1】 テーブルには、旧第2パルス信号数XOと第2パルス信
号数Xとの組み合わせがそれぞれ異なり、12通りの組
み合わせが存在することを受けて、各組み合わせに対応
する0から11までの対応するナンバー値Nが備えられ
ている。そして、各旧第2パルス信号数XOと第2パル
ス信号数Xとの組み合わせに対しては、それぞれ異なる
ナンバー値Nが割り当てられており、各旧第2パルス信
号数XOと第2パルス信号数Xとの組み合わせは、確実
に識別される。
【0066】たとえば、前回検出された旧第2パルス信
号数XOが0、今回検出された第2パルス信号数Xが1
の場合には、S30においてLoからHighに切り換
わったと判断された第1パルス信号S1に対してナンバ
ー値N=0を付すこととなる。これに対して、前回検出
された旧第2パルス信号数XOが0であっても、今回検
出された第2パルス信号数Xが2の場合には、S30に
おいてLoからHighに切り換わったと判断された第
1パルス信号S1に対してナンバー値N=3を付すこと
となる。
【0067】S100では、S90にて算出されたナン
バー値Nと、カムポジションセンサ30から出力される
第3パルス信号S3の変化に応じて算出されるフラグ値
Fとに基づいてクランク角を検出する。
【0068】ここで、フラグ値Fの算出プログラムにつ
いて図7に示すフローチャートを参照して説明する。こ
のフラグ値F算出プログラムは、クランク角検出プログ
ラムと平行して実行されており、算出されたフラグ値F
はその都度、格納される。
【0069】先ず、カムポジションセンサ30からの第
3パルス信号S3を受けて、第3パルス信号S3がHi
ghであるか否かを判断する(S200)。そして、第
3パルス信号S3がHighであると判断した場合には
(S200:YES)、フラグ値Fを1にセットする
(S210)。これに対して、第3パルス信号S3がH
ighではないと判断した場合には(S200:N
O)、フラグ値Fを0にリセットする(S220)。す
なわち、図10に示すように、第3パルス信号S3がH
ighである期間はフラグ値F=1となり、第3パルス
信号S3がLoである期間はフラグ値F=0となる。
【0070】次に、S100にて実行されるクランク角
の検出について図10に示すタイミングチャートを参照
して説明する。ここに、図10において上段の信号波形
は半導体磁気センサ25から出力された第1パルス信号
S1を示し、その信号波形の下に配列された数字は半導
体磁気センサ25から出力された第2パルス信号S2の
検出数である第2パルス信号数Xを示している。また、
中段の信号波形は電磁ピックアップ33から出力された
第3パルス信号S3を示し、下段の波形は第3パルス信
号S3に対応して算出されるフラグ値Fの変化を示して
いる。さらに、中段の信号波形と下段の波形との間に配
列された数字は表1に基づき算出されたナンバー値Nを
示している。
【0071】図から分かるように、クランクシャフト1
6が1回転(0°CA〜360°CA)する範囲におけ
る30°CA刻みのクランク角に対応する旧第2パルス
信号数XOと第2パルス信号数Xとの組み合わせは、そ
れぞれ異なっている。そして、30°CA刻みのクラン
ク角に対しては、かかる組み合わせの相違に基づいてそ
れぞれ異なるナンバー値Nが付されている。
【0072】したがって、クランクシャフト16が1回
転(0°CA〜360°CA)する範囲においては、ク
ランク角とナンバー値Nとの対応関係を予め把握してお
くことにより、ナンバー値Nからクランク角を特定する
ことができることになる。
【0073】しかしながら、エンジン10における1サ
イクルは、クランクシャフト16が2回転することによ
り完了するので、1サイクル中に同じナンバー値Nが併
存することとなり、両者を識別することができない。そ
こで、360°CA毎にその値が変化するフラグ値Fを
用いてクランクシャフト16の回転が0〜360°CA
の範囲にあるのか、360〜720°CA(0°CA)
の範囲にあるのかを識別するのである。
【0074】すなわち、フラグ値F=1の場合における
ナンバー値N=0は、第1気筒#1の圧縮上死点(たと
えばクランク角0°CA)に対応し、フラグ値F=0の
場合におけるナンバー値N=0は、第4気筒#4の圧縮
上死点(たとえばクランク角360°CA)に対応し、
同じナンバー値Nであっても確実に識別することができ
ることとなる。このようにして、任意のクランク角が検
出されるのである。
【0075】そして、算出されたクランク角に基づい
て、点火時期制御が実行される(S110)。こうして
点火時期制御が実行されるとS20に移行し、今回用い
られた第2パルス信号数Xを旧第2パルス信号数XOと
してストアする。
【0076】以上説明したクランク角検出プログラムの
各ステップは、エンジン10作動中、繰り返し実行され
る。本実施の形態では、ECU40によるS30,S4
0,S50,S60,S70,S80の処理が記憶手段
に相当し、S90,S100の処理がクランク角検出手
段に相当する。
【0077】以上実施の形態に基づき詳細に説明した通
り、上記実施の形態に係る内燃機関のクランク角検出装
置CDは、クランクロータ21の一方のエッジに等間隔
毎に形成された第1被検出溝22を備えるとともに、他
方のエッジにおける第1被検出溝22,22間に対応す
る位置に前後で形成数が異なるとともに、前後の形成数
の組み合わせがそれぞれ異なるように形成された第2被
検出溝23を備えている。また、クランクロータ21の
回転軸心方向に、クランクロータ21の厚み程度離間配
置された第1センサ部26及び第2センサ部27を有す
る半導体磁気センサ25を備えている。
【0078】したがって、前後する第2被検出溝23が
第2センサ部27を通過した際には、前後で異なる数を
有する第2パルス信号S2が出力されるとともに、その
第2パルス信号数Xの組み合わせはそれぞれ異なり、各
第1被検出溝22(クランク角)に対してそれぞれ異な
るナンバー値Nを付すことができる。
【0079】この結果、各クランク角を直接かつ確実に
識別することができることとなり、最大でクランクシャ
フトが360°CA回転しなければクランク角を検出す
ることができなかった従来の装置と異なり、最大でも第
2被検出溝23の通過を2回、すなわち、第1被検出溝
22の通過を3回(90°CA)検出するだけでクラン
ク角を検出することができる。
【0080】また、カム角センサと回転数センサとから
出力される信号に基づいて、点火時期に対応するクラン
ク角のみを検出し、点火すべきシリンダを判別するにと
どまった従来のクランク角検出装置と異なり、特定シリ
ンダ12におけるピストン14の位置(クランク角)を
正確に検出することができる。
【0081】さらに、各第1被検出溝22に対して付さ
れたナンバー値Nから対応するクランク角をすべて検出
することができるので、クランク角に基づき実行される
制御の対象を拡大することができる。
【0082】この結果、点火時期の最適化を図ることが
でき、エンジン10の出力特性を向上させることができ
るとともに、燃焼室15から排出される排ガス中のNO
xの濃度等を抑制することができる。また、各シリンダ
12毎に独立して燃料噴射を行う独立噴射、2、3のグ
ループに分けられた複数のシリンダ12に対して各グル
ープ毎に燃料噴射を行うグループ噴射により燃料噴射時
期制御を実行する際に、正確な制御を行うことができ
る。 (第2の実施の形態)次に、第1、第3、第4及び第5
の発明を具体化した第2の実施の形態について、図11
〜図22に従って説明する。
【0083】本実施の形態では、クランクシャフト67
に対する吸気側カムシャフト74の回転位相を調整する
ための回転位相調整手段がエンジン61に組み込まれて
いる。また、クランクポジションセンサ103及びカム
ポジションセンサ109の構成が第1の実施の形態と異
なっている。これにともない、クランク角の検出及び気
筒判別の方法が第1の実施の形態と異なっている。以下
に、これらの相違点を中心に第2の実施の形態について
説明する。
【0084】図11に示すように、車両には多気筒内燃
機関としての4気筒ガソリンエンジン(以下、単にエン
ジンという)61が搭載されている。エンジン61のシ
リンダブロック62には複数のシリンダ64が並設さ
れ、各シリンダ64内にピストン65が往復動可能に収
容されている。各ピストン65はコネクティングロッド
66を介しクランクシャフト67に連結されている。各
ピストン65の往復運動はコネクティングロッド66に
よって回転運動に変換された後、クランクシャフト67
に伝達される。
【0085】シリンダブロック62及びシリンダヘッド
63間において、各ピストン65の上側には燃焼室68
が形成されている。シリンダヘッド63には、各燃焼室
68に連通する吸気ポート69及び排気ポート71がそ
れぞれ設けられている。シリンダヘッド63には、吸気
バルブ72及び排気バルブ73がそれぞれ往復動可能に
支持されている。シリンダヘッド63において吸気バル
ブ72の上方には、カムを有する吸気側カムシャフト7
4が回転可能に設けられ、排気バルブ73の上方にはカ
ムを有する排気側カムシャフト75が回転可能に設けら
れている。
【0086】各カムシャフト74,75の端部にそれぞ
れ設けられたタイミングプーリ76,77は、タイミン
グベルト78により前記クランクシャフト67に駆動連
結されている。同ベルト78はクランクシャフト67の
回転を両タイミングプーリ76,77に伝達する。この
伝達により、クランクシャフト67が2回転する期間に
両カムシャフト74,75が1回転する。両カムシャフ
ト74,75が回転すると、カムの押し下げ力によりバ
ルブ72,73が往復動し、ポート69,71がそのバ
ルブ72,73により開放及び閉鎖される。
【0087】吸気ポート69にはエアクリーナ79、ス
ロットルバルブ81、サージタンク82、吸気マニホー
ルド83等を備えた吸気通路84が接続されている。エ
ンジン61外部の空気は吸気通路84の各部材79,8
1,82,83を順に通過して燃焼室68に取り込まれ
る。
【0088】スロットルバルブ81は、吸気通路84内
に軸81aにより回動可能に支持されている。軸81a
はワイヤ等を介して運転席のアクセルペダル(図示略)
に連結されており、運転者によるアクセルペダルの踏み
込み操作に連動してスロットルバルブ81と一体に回動
する。吸気通路84を流れる空気の量(吸入空気量)
は、スロットルバルブ81の回動角度に応じて決定され
る。
【0089】吸気マニホールド83には、ソレノイドコ
イルを有するインジェクタ85が取り付けられている。
各インジェクタ85は、ソレノイドコイルへの通電によ
り開弁して各吸気ポート69へ向けて燃料を噴射する。
そして、各インジェクタ85から噴射される燃料と吸入
空気とからなる混合気が各燃焼室68内へ導入される。
この混合気に着火するために、シリンダヘッド63には
点火プラグ86が取り付けられている。点火プラグ86
は、ディストリビュータ87によって分配された点火信
号に基づいて駆動される。ディストリビュータ87は、
イグナイタ88から出力される高電圧を、クランクシャ
フト67の回転角(クランク角)に同期して点火プラグ
86に分配して印加する。そして、燃焼室68内へ導入
された混合気は点火プラグ86の点火によって爆発・燃
焼される。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスにより
ピストン65が往復動させられ、クランクシャフト67
が回転してエンジン61の駆動力が得られる。
【0090】排気ポート71には排気マニホールド8
9、触媒コンバータ91等を備えた排気通路92が接続
されている。燃焼室68で生じた燃焼ガスは、排気通路
92の各部材89,91等を順に通ってエンジン61の
外部へ排出される。
【0091】前記エンジン61においては、混合気が燃
焼室68に吸入されて燃焼ガスが排出されるまでの期
間、すなわち、1サイクルの間に、ピストン65が2往
復してクランクシャフト67が2回転する。このサイク
ルは、周知のように、吸気行程、圧縮行程、爆発行程及
び排気行程の4つの行程からなる。吸気行程では、ピス
トン65の下降により燃焼室68内に負圧が発生し、こ
の負圧により燃焼室68内に混合気が吸入される。圧縮
行程では、ピストン65が上昇して、混合気が圧縮され
る。爆発行程では、圧縮された混合気の爆発・燃焼によ
って発生する圧力によってピストン65が押し下げられ
る。排気行程では、押し下げられたピストン65が再び
上昇して、燃焼ガスが燃焼室68外へ排出される。
【0092】なお、エンジン61における4つの気筒
を、その配列順に第1気筒#1、第2気筒#2、第3気
筒#3及び第4気筒#4とすると、その配列順とは異な
る順序、ここでは第1気筒#1、第3気筒#3、第4気
筒#4及び第2気筒#2の順で、180°CAずつ位相
をずらして各気筒#1〜#4のピストン65が往復動す
る。
【0093】前記エンジン61のクランクシャフト67
から吸気側カムシャフト74に至る回転伝達系内には、
可変バルブタイミング機構(VVT)93が設けられて
いる。VVT93は、燃費、トルク特性等の向上及びエ
ミッションの低減のために、クランクシャフト67に対
する吸気側カムシャフト74の回転位相を変化させるこ
とにより、吸気バルブ72の作動タイミングをクランク
角に関して連続的に変更する機構であり、エンジンオイ
ル94の油圧により駆動される。ここでは、VVT93
として可動ピストンを内蔵したものが用いられている。
このタイプのVVT93では、吸気側のタイミングプー
リ76が、タイミングベルト78によって駆動される部
分と、吸気側カムシャフト74に固定される部分とに分
割されている。そして、両部分の間には、内外周にヘリ
カルスプライン(ねじれた縦溝)を有する可動ピストン
が設けられている。この可動ピストンが油圧によって軸
方向に移動させられることにより、両部分の位相がずら
されて吸気バルブ72の作動タイミングが連続的に変更
される。
【0094】VVT93にエンジンオイル94を供給す
るための液体供給源として、エンジン61に既設のオイ
ルポンプ95が利用されている。オイルポンプ95はク
ランクシャフト67に駆動連結されており、エンジン6
1の運転にともない作動してオイルパン96内に貯留さ
れているエンジンオイル94を吸引及び吐出する。吐出
されたエンジンオイル94中の異物、金属粉等はオイル
フィルタ97によって捕捉される。
【0095】VVT93へのエンジンオイル94の供給
量(油圧の大きさ)を調整するためにオイルコントロー
ルバルブ(OCV)98が設けられている。OCV98
は複数のポートを有するケーシング99と、そのケーシ
ング99内に収容されたスプール弁101と、この弁1
01を往復動させて各ポートの開口量を調整する電磁ソ
レノイド102とを備えている。そして、単位時間に占
める電磁ソレノイド102への通電時間の割合(デュー
ティ比)を種々変更する、いわゆるデューティ比制御を
行うことにより、スプール弁101がケーシング99内
の任意の位置へ移動させられて各ポートの開口量が調整
され、VVT93への油圧の大きさが調整される。この
油圧調整に応じて吸気側カムシャフト74の回転位相が
変更され、吸気バルブ72の作動タイミングが連続的に
変更される。そして、前述したVVT93、エンジンオ
イル94、オイルポンプ95、OCV98等によって回
転位相調整手段が構成されている。
【0096】前記エンジン61にはクランクポジション
センサ103、回転検出手段としてのカムポジションセ
ンサ109、水温センサ116、スロットルセンサ11
7、吸気圧センサ118等の各種センサが設けられてい
る。
【0097】クランクポジションセンサ103は、図1
2に示すようにクランクロータ104、第1磁気センサ
105及び第2磁気センサ106を備えている。クラン
クロータ104は鋳鉄の円盤からなり、クランクシャフ
ト67上に一体回転可能に取り付けられている。クラン
クロータ104の外周のほぼ全体には、第1通過被検出
部としての多数の第1の歯107が等角度α毎に形成さ
れている。本実施の形態では12個の第1の歯107が
30°毎に形成されている。
【0098】クランクロータ104は、前記第1の歯1
07と同一円周上の隣り合う第1の歯107,107間
において、第2通過被検出部としての「0」〜「2」個
の第2の歯108を有している。ここで、隣り合う一対
の第1の歯107,107を1つのグループと定義する
と、図12に示すように、全部(12個)の第1の歯1
07はG1〜G12の12個のグループに分類される。
さらに、所定のグループでの第2の歯108の数と、そ
の隣のグループでの第2の歯108の数と、さらにその
隣のグループでの第2の歯108の数との組み合わせ
が、前記全グループG1〜G12において互いに異なる
ように設定されている。その一例として、ここではグル
ープG1,G4,G7,G10,G11に第2の歯10
8が含まれず、グループG2,G3,G9,G12に1
個の第2の歯108が含まれ、グループG5,G6,G
8に2個の第2の歯108が含まれている。
【0099】さらに、第1の歯107のクランクシャフ
ト67の回転方向に対する幅(以下「歯幅」という)を
w1とし、第2の歯108の歯幅をw2とすると、w1
>w2となるように両歯107,108が形成されてい
る。
【0100】両磁気センサ105,106は、前記クラ
ンクロータ104の近傍において、そのロータ104の
外周に対向するように配されている。第1磁気センサ1
05はクランクロータ104の回転方向Aの前側に配置
されている。第2磁気センサ106は、第1磁気センサ
105から回転方向Aとは反対側へ間隔d1だけ離間し
た位置に配置されている。この間隔d1は、w1>d1
>w2が成り立つような大きさに設定されている。両磁
気センサ105,106はコイル(図示略)を備え、前
記各歯107,108との対向位置関係が変化したとき
に、コイルのインダクタンスが変化する特性を利用した
周知のものである。
【0101】第1磁気センサ105は、前記クランクシ
ャフト67の回転にともない、クランクロータ104が
回転して第1の歯107及び第2の歯108がその磁気
センサ105の前方を通過する毎にパルス状の第1のク
ランク角信号SCRANK1を出力する。すなわち、図
20に示すように、第1の歯107に対応した幅の広い
第1のクランク角信号SCRANK1を30°CA毎に
出力するとともに、第2の歯108に対応した幅の狭い
第2のクランク角信号SCRANK2を、前記30°C
Aの期間中に出力する。第2磁気センサ106は、前記
クランクロータ104の回転にともない各歯107,1
08がその磁気センサ106の前方を通過する毎に、す
なわち前記第1のクランク角信号SCRANK1の出力
から若干遅れて、同信号SCRANK1と同一波形のパ
ルス状の第2のクランク角信号SCRANK2を出力す
る。
【0102】カムポジションセンサ109は、図13に
示すようなカムロータ111と一対の磁気センサ11
2,113とを備えている。これらの磁気センサ11
2,113によって、第3通過検出手段及び第4通過検
出手段が構成されている。カムロータ111は円盤状の
磁性体からなり、吸気側カムシャフト74上に一体回転
可能に取り付けられている。カムロータ111の外周部
には略180°毎に主通過被検出部114と副通過被検
出部115とが設けられている。主通過被検出部114
は、カムロータ111の外周部に等角度β毎に設けられ
た主構造体としての多数の第3の歯114aを有する。
副通過被検出部115は、カムロータ111の外周部に
おいて第3の歯114aと同一の角度β毎に設けられ
た、副構造体としての多数の第4の歯115aを有す
る。本実施の形態では、6個の第3の歯114aが30
°毎に形成されるとともに、6個の第4の歯115aが
30°毎に形成されている。
【0103】ここで、第3の歯114aの吸気側カムシ
ャフト74の回転方向Bに対する幅(以下「歯幅」とい
う)をw3とし、第4の歯115aの歯幅をw4とする
と、w3>w4となるように両歯114a,115aが
形成されている。
【0104】磁気センサ112,113は前述した第1
及び第2の磁気センサ105,106と同一の構成を有
し、前記カムロータ111の近傍において、そのロータ
111の外周に対向するように配されている。一方の磁
気センサ112はカムロータ111の回転方向Bの前側
に配置されている。同磁気センサ112は、前記吸気側
カムシャフト74の回転にともない、カムロータ111
が回転して第3の歯114a及び第4の歯115aがそ
の磁気センサ112の前方を通過する毎にパルス状の第
1のカム角信号SCAM1を出力する。すなわち、図1
5に示すように、第3の歯114aに対応した幅の広い
第1のカム角信号SCAM1と、第4の歯115aに対
応した幅の狭い第1のカム角信号SCAM1とを30°
(60°CA)毎に出力する。
【0105】他方の磁気センサ113は、前記磁気セン
サ112から回転方向Bとは反対側へ間隔d2だけ離間
した位置に配置されている。同磁気センサ113は、前
記カムロータ111の回転にともない各歯114a,1
15aがその磁気センサ113の前方を通過する毎に、
すなわち前記第1のカム角信号SCAM1の出力から若
干遅れて、その信号SCAM1と同一波形の第2のカム
角信号SCAM2を出力する。このように、カムポジシ
ョンセンサ109は吸気側カムシャフト74が1/2回
転する毎に(クランクロータ104が1回転する毎
に)、回転検出信号としてカム角信号SCAM1,SC
AM2を出力する。
【0106】図11に示すように、水温センサ116は
シリンダブロック62に取り付けられ、エンジン61の
冷却水の温度(冷却水温THW)を検出する。スロット
ルセンサ117は吸気通路84のスロットルバルブ81
の近傍に取り付けられ、そのバルブ81の軸81aの回
動角度(スロットル開度TA)を検出する。吸気圧セン
サ118はサージタンク82に取り付けられ、真空を基
準とした場合の同タンク82内の圧力(吸気圧PM)を
検出する。
【0107】上述した各種センサ103,109,11
6〜118にて発生した信号は、第1の実施の形態での
ECU40と同一の内部構成を有するECU119に入
力される。ECU119はそれらの入力に基づきエンジ
ン回転速度NE、変位角θ等の算出、気筒の判別及びク
ランク角の検出を行う。
【0108】ここで、クランク角は、後述するクランク
カウンタCCRANKの値によって表される。このカウ
ンタCCRANKは、クランクシャフト67が2回転す
る期間において、第1の歯107の第1磁気センサ10
5の前方の通過回数をカウントするものであり、図21
に示すように「0」〜「23」の値(整数)を採る。ま
た、気筒の判別はクランクカウンタCCRANKが予め
定めた値になったときに行われる。本実施の形態では、
クランクカウンタCCRANKが「0」のとき、第1気
筒#1のピストン65が圧縮行程の最上位置(圧縮TD
C)に位置し、「6」のとき第3気筒#3のピストン6
5が圧縮TDCに位置していると判別される。また、前
記カウンタCCRANKが「12」のとき、第4気筒#
4のピストン65が圧縮TDCに位置し、「18」のと
き第2気筒#2のピストン65が圧縮TDCに位置して
いると判別される。
【0109】ECU119はこれらの算出値に基づき、
各インジェクタ85、イグナイタ88及びOCV98を
作動させ、燃料噴射制御、点火時期制御、バルブタイミ
ング制御等を実行する。
【0110】例えば、ECU119は、クランクポジシ
ョンセンサ103からのクランク角信号SCRANK1
(又はSCRANK2)の時間間隔を計測することによ
り、単位時間当たりのクランクシャフト67の回転数で
あるエンジン回転速度NEを演算する。ECU119は
前記クランク角信号SCRANK1,SCRANK2及
びカムポジションセンサ109からのカム角信号SCA
M1,SCAM2に基づき吸気側カムシャフト74の回
転位相、すなわち変位角θを演算する。この変位角θと
は、吸気バルブ72の作動タイミングの調整のためにV
VT93によって変更される吸気側カムシャフト74の
角度である。
【0111】また、燃料噴射制御のために、ECU11
9は吸入空気量を求め、その量の空気によって燃焼され
る燃料の質量(燃料噴射量)を求める。ここで、燃料噴
射量はインジェクタ85のソレノイドコイル(図示略)
への通電時間によって決定される。そのため、ECU1
19はそのときのエンジン61の運転状態に基づき、燃
料噴射量に関連するパラメータとしてインジェクタ通電
時間TAUを算出する。この時間TAUにわたり各ソレ
ノイドコイルに通電し、インジェクタ85から噴射され
る燃料量を制御する。
【0112】点火時期の制御のために、ROMにはエン
ジン61の運転状態に応じた最適な点火時期に関するデ
ータが予め記憶されている。ECU119は各センサか
らの検出信号によりエンジン61の運転状態、例えば、
エンジン回転速度NE、吸気圧PM、暖機状態等を検知
する。そして、ROM内のデータを参照して最適な点火
時期を割り出し、イグナイタ88に一次電流の遮断信号
を出力して点火時期を制御する。すなわち、ECU11
9は、第1気筒#1、第3気筒#3、第4気筒#4及び
第2気筒#2の順で180°CA毎に点火が行われるよ
うにイグナイタ88を駆動制御する。
【0113】バルブタイミングの制御のために、ECU
119はセンサ117,103,109等によるスロッ
トル開度TA、エンジン回転速度NE、変位角θ等をそ
れぞれ読み込む。ECU119は予め用意された制御マ
ップを用い、前記スロットル開度TA、エンジン回転速
度NE等に基づき目標変位角θVTAを算出する。そし
て、変位角θが目標変位角θVTAに合致するように、
OCV98の電磁ソレノイド102への通電時間を制御
する。この制御によりVVT93へ供給される油圧が調
整される。そして、吸気バルブ72の作動タイミングが
エンジン61の運転状態に応じて連続的に変更される。
【0114】図14のフローチャートは、ECU119
によって実行される各処理のうち、気筒裏表判別フラグ
F1を設定するとともに、カムカウンタCCAMの操作
を行うためのルーチンを示している。このルーチンは、
第1のカム角信号SCAM1が立ち下がる毎に、すなわ
ち、カムロータ111が30°回転する(クランクシャ
フト67が60°CA回転する)毎に実行される。
【0115】気筒裏表判別フラグF1は、クランクシャ
フト67の回転がエンジン61の同一サイクルにおける
1回目のものであるのか、2回目のものであるのかを示
す指標である。ここでは、ECU119は第1のカム角
信号SCAM1がHigh(以下「H」と表す)である
期間において第2のカム角信号SCAM2が「H」とな
った場合、すなわち、第3の歯114aが磁気センサ1
12,113の前方を通過している場合、前記回転が1
回目のもの(表)であるとして気筒裏表判別フラグF1
を「1」に設定する。これに対し、第1のカム角信号S
CAM1が「H」である期間であっても第2のカム角信
号SCAM2がLo(以下「L」と表す)である場合、
すなわち、第4の歯115aが磁気センサ112,11
3の前方を通過している場合、前記回転が2回目のもの
(裏)であるとして、気筒裏表判別フラグF1を「0」
に設定する。
【0116】カムカウンタCCAMは吸気側カムシャフ
ト74の回転角度を検出するためのものである。カムカ
ウンタCCAMはカムポジションセンサ109からの第
1のカム各信号SCAM1の数をカウントし、カムロー
タ111の歯114a,115aに対応して「0」〜
「24」の範囲の値(偶数)を順に記憶する。より詳し
くは、このカウンタCCAMは第1のカム角信号SCA
M1が立ち下がる毎に「2」ずつ加算する。ECU11
9は、前記値が「24」に達するとカウンタCCAMを
「0」にクリヤする。
【0117】なお、上述の気筒裏表判別フラグF1及び
カムカウンタCCAMは、エンジン始動のためにイグニ
ションキーがオン操作されたときに実行されるイニシャ
ルルーチン(図示略)でクリヤされる。
【0118】さて、第1のカム角信号SCAM1の立ち
下がりにより上記ルーチンの処理が開始されると、EC
U119はまずS305において第2のカム角信号SC
AM2が「H」であるか否かを判定する。この判定条件
が満たされていない(SCAM2:「L」)と、第4の
歯115aが磁気センサ112,113の前方を通過し
ていると判断し、S310において気筒裏表判別フラグ
F1を「0」に設定する。次に、S315において、前
回の制御周期での気筒裏表判別フラグF1が「1」であ
ったか否かを判定する。この判定条件が満たされている
(F1=1)と、今回の制御周期で同判別フラグF1が
「1」から「0」に切り換わったことから、磁気センサ
112,113の前方を通過する歯が第3の歯114a
から第4の歯115aに切り換わったと判断し、S32
0においてカムカウンタCCAMの値を「4」に設定す
る。S320の処理を実行した後、このルーチンを終了
する。
【0119】一方、S305の判定条件が満たされてい
る(SCAM2:「H」)と、第3の歯114aが磁気
センサ112,113の前方を通過していると判断し、
S325において気筒裏表判別フラグF1を「1」に設
定する。次に、S330において、前回の制御周期での
気筒裏表判別フラグF1が「0」であったか否かを判定
する。この判定条件が満たされている(F1=0)と、
今回の制御周期で同判別フラグF1が「0」から「1」
に切り換わったことから、磁気センサ112,113の
前方を通過する歯が第4の歯115aから第3の歯11
4aに切り換わったと判断し、S335においてカムカ
ウンタCCAMの値を「16」に設定する。S335の
処理を実行した後、このルーチンを終了する。
【0120】ところで、前記S315又はS330の判
定条件が満たされていないと、気筒裏表判別フラグF1
が前回制御周期と今回制御周期とで変化していないと判
断し、S340においてカムカウンタCCAMを「2」
インクリメントする。S345において、カムカウンタ
CCAMの値が「24」であるか否かを判定し、その判
定条件が満たされていない(CCAM≠24)とそのま
まこのルーチンを終了する。これに対し、S345の判
定条件が満たされている(CCAM=24)と、S35
0においてカムカウンタCCAMを「0」にリセット
し、その後、このルーチンを終了する。
【0121】前記ルーチンによると、第1のカム角信号
SCAM1及び第2のカム角信号SCAM2に基づき、
カムカウンタCCAM及び気筒裏表判別フラグF1が図
15で示すように変化する。このタイミングチャート
は、タイミングt1においてエンジン61が始動され、
タイミングt2において磁気センサ112,113の前
方を通過する歯が第4の歯115aから第3の歯114
aに切り換わり、タイミングt3において、両磁気セン
サ112,113の前方を通過する歯が第3の歯114
aから第4の歯115aに切り換わる例を示している。
【0122】タイミングt1では、第2のカム角信号S
CAM2が「L」である。また、このときには既述した
ように、イニシャルルーチンにおいて気筒裏表判別フラ
グF1及びカムカウンタCCAMの値がともに「0」に
設定される。このため、図14のルーチンではS30
5、S310、S315、S340、S345の順で処
理が行われる。判別フラグF1が「0」に設定され、カ
ウンタCCAMの値が「2」に設定される。
【0123】タイミングt1よりも後のタイミングで
は、このルーチンが実行される毎(第1のカム角信号S
CAM1が立ち下がる毎)にカムカウンタCCAMの値
が「2」ずつ増加してゆく。この増加によりカムカウン
タCCAMの値が「24」になると、S350の処理に
より同カウンタCCAMは「0」にクリヤされる。気筒
裏表判別フラグF1は「0」に保持される。
【0124】タイミングt2において第2のカム角信号
SCAM2が「H」であると、S305、S325、S
330、S335の順で処理が行われる。気筒裏表判別
フラグF1が「0」から「1」に切り換えられ、カムカ
ウンタCCAMの値が「16」に設定される。
【0125】タイミングt2よりも後のタイミングで
は、S305、S325、S330、S340、S34
5の順で処理が行われる。したがって、このルーチンが
実行される毎にカムカウンタCCAMの値が「2」ずつ
増加してゆく。この増加によりカムカウンタCCAMの
値が「24」になると、S350の処理により同カウン
タCCAMは「0」にクリヤされる。気筒裏表判別フラ
グF1は「1」に保持される。
【0126】タイミングt3において第2のカム角信号
SCAM2が「L」であると、S305、S310、S
315、S320の順で処理が行われる。気筒裏表判別
フラグF1が「1」から「0」に切り換えられ、カムカ
ウンタCCAMの値が「4」に設定される。
【0127】タイミングt3よりも後のタイミングで
は、S305、S310、S315、S340、S34
5の順で処理が行われる。したがって、このルーチンが
実行される毎にカムカウンタCCAMの値が「2」ずつ
増加してゆく。この増加によりカムカウンタCCAMの
値が「24」になると、S350の処理により同カウン
タCCAMは「0」にクリヤされる。気筒裏表判別フラ
グF1は「0」に保持される。
【0128】このように上記ルーチンによると、第1の
カム角信号SCAM1が立ち下がる毎(30°)にカム
カウンタCCAMの値が「0」〜「22」の範囲で
「2」ずつ増加してゆく。しかも、同カウンタCCAM
の値は気筒裏表判別フラグF1が切り換わるときに「1
6」又は「4」に設定される。このため、カムカウンタ
CCAMの値を用いることで、吸気側カムシャフト74
が何度回転しているのかを常に30°単位で検知するこ
とができる。
【0129】次に、図16及び図17のフローチャート
はクランクカウンタCCRANKの操作を行うためのル
ーチンを示している。このカウンタCCRANKはクラ
ンクシャフト67の回転角度を検出するためのものであ
り、同シャフト67が所定角度(ここでは30°CA)
回転する毎にカウント動作を行う。そして、クランクカ
ウンタCCRANKはクランクシャフト67が2回転す
ると、カウント値をクリヤする。すなわち、同カウンタ
CCRANKの値は「0」を初期値とし、クランクシャ
フト67が30°CA回転する毎に「1」ずつ増加して
ゆき、「24」になると「0」にクリヤされる。
【0130】前記クランクカウンタCCRANKによる
カウント動作のために、ECU119はクランクシャフ
ト67が30°CA回転する毎に30°CAパルスを生
成する。より詳しくは、図20に示すようにECU11
9は、第1のクランク角信号SCRANK1の立ち下が
り時に第2のクランク角信号SCRANK2が「H」で
あると30°CAパルスを生成する。
【0131】図16及び図17のルーチンの各処理はカ
ウンタC1に基づいて実行される。カウンタC1は、3
0°CAパルスの生成後の第2のクランク角信号SCR
ANK2の立ち下がりの回数をカウントし、RAMに記
憶する。そのカウント値は次の30°CAパルスの生成
時に「0」にクリヤされる。
【0132】本実施の形態では、30°CAパルスが生
成される毎に前記カウンタC1の値がRAMの第1記憶
領域Xに書き込まれる。また、先に第1記憶領域Xに記
憶されていた値は第2記憶領域Yにシフトされてそこに
記憶される。さらにその第2記憶領域Yに記憶されてい
た値は、第3記憶領域Zにシフトされて、そこに記憶さ
れる。なお、上記第1〜第3の記憶領域X,Y,Zに
は、エンジン始動のためにイグニションキーがオン操作
されたときに実行されるイニシャルルーチン(図示略)
で、「1」,「2」,「3」以外の任意の値(例えば、
「∞」)が記憶される。
【0133】さて、図16のルーチンの処理が開始され
ると、ECU119はまずS400においてクランクカ
ウンタCCRANKの値を既に算出しているか否かを判
定する。この判定条件が満たされていないと、エンジン
61の始動直後であって一度もカウンタCCRANKの
値を求めていないと判断し、続くS405〜S435の
処理を順に行う。
【0134】S405では第2のクランク角信号SCR
ANK2が立ち下がる毎にカウンタC1を「1」インク
リメントする。次に、S410において30°CAパル
スが生成されたか否かを判定する。この判定条件が満た
されないとS405の処理を繰り返す。したがって、次
に30°CAパルスが生成されるまでの期間は、このS
405の処理が実行される毎にカウンタC1の値が
「1」ずつ増加してゆくことになる。
【0135】30°CAパルスの生成によりS410の
判定条件が満たされると、S415において前記記憶領
域X,Yに記憶されていた値の更新が行われる。より詳
しくは、記憶領域X,Yに記憶されていた値は、それぞ
れ記憶領域Y,Zにシフトされて、そこに記憶される。
ただし、エンジン始動直後では記憶領域X,Yには
「1」,「2」,「3」以外の値しか記憶されていない
ので、ECU119はS415の処理を行ってもクラン
クカウンタCCRANKを決定せず、S420において
カウンタC1の現在の値を第1記憶領域Xに記憶させ
る。そして、S425においてカウンタC1を「0」に
クリヤする。
【0136】続いて、S430において、ROMに格納
されているマップを検索することにより、前述した3つ
の記憶領域X,Y,Zに記憶された値に対応するマップ
値XYZを求める。このマップには、図18に示すよう
に、3つの記憶領域X,Y,Zに記憶された各値の組み
合わせが12通り設定されている。そして、各組み合わ
せに対して「0」から「11」のマップ値XYZが割り
当てられている。例えば、(X,Y,Z)=(1,1,
2)の組み合わせでは、XYZ=0であり、(X,Y,
Z)=(2,1,1)の組み合わせでは、XYZ=1で
ある。
【0137】次に、S435において、ROMに格納さ
れているマップを検索することにより、前記マップ値X
YZ及び気筒裏表判別フラグF1に対応するクランクカ
ウンタCCRANKの値を求める。このマップには図1
9に示すように、判別フラグF1が「1」であるときの
マップ値XYZに対応するクランクカウンタCCRAN
Kの値(0〜3,16〜23)と、判別フラグF1が
「0」であるときのマップ値XYZに対応するカウンタ
CCRANKの値(12〜15,4〜11)とが設定さ
れている。そして、前記S435の処理を実行した後、
このルーチンを終了する。
【0138】一方、前記S400の判定条件が満たされ
ていると、過去に1度以上クランクカウンタCCRAN
Kの値を求めたことがあると判断し、続くS440〜S
495の処理を順に行う。
【0139】S440では第2のクランク角信号SCR
ANK2が立ち下がる毎にカウンタC1を「1」インク
リメントする。次に、S445において30°CAパル
スが生成されたか否かを判定する。この判定条件が満た
されないとS440の処理を繰り返す。したがって、次
に30°CAパルスが生成されるまでの期間は、S44
0の処理が実行される毎にカウンタC1の値が「1」ず
つ増加してゆくことになる。
【0140】30°CAパルスの生成によりS445の
判定条件が満たされると、S450において、前記第1
記憶領域Xに記憶されていた値を、第2記憶領域Yにシ
フトさせて、そこに記憶させる。S455では、現在の
カウンタC1の値を第1記憶領域Xに記憶させる。そし
て、S460においてカウンタC1を「0」にクリヤす
る。
【0141】S465において、第1記憶領域Xに記憶
されている値が「1」であり、かつ第2記憶領域Yに記
憶されている値が「1」であるか否かを判定する。この
判定条件が満たされていると、S470において、前記
気筒裏表判別フラグF1が「1」であるか否かを判定す
る。この判定条件が満たされていない(F1≠1)と、
S475においてクランクカウンタCCRANKの値を
「12」に設定し、満たされている(F1=1)と、S
480において同カウンタCCRANKの値を「0」に
設定する。S475又はS480でクランクカウンタC
CRANKの値を設定すると、このルーチンを終了す
る。
【0142】これに対し、前記S465の判定条件が満
たされていないと、S485においてクランクカウンタ
CCRANKを「1」インクリメントする。次に、S4
90においてクランクカウンタCCRANKの値が「2
4」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされ
ていない(CCRANK≠24)と、そのままこのルー
チンを終了し、満たされている(CCRANK=24)
と、S495においてクランクカウンタCCRANKの
値を「0」にクリヤして、このルーチンを終了する。
【0143】本実施の形態では、上述した磁気センサ1
05,106によるクランク角信号SCRANK1,S
CRANK2と、ECU119による30°CAパルス
の生成処理とが第1通過検出手段に相当する。第2磁気
センサ106による第2のクランク角信号SCRANK
2と、ECU119によるS405の処理とが第2通過
検出手段に相当する。ECU119によるS405,S
410の両処理が記憶手段に相当し、S415,S42
0,S425,S430,S435の処理がクランク角
検出手段に相当する。
【0144】前記ルーチンによると、第1のクランク角
信号SCRANK1、第2のクランク角信号SCRAN
K2、30°CAパルス及び気筒裏表判別フラグF1に
対応してカウンタC1及びクランクカウンタCCRAN
Kが図20で示すように変化する。このタイミングチャ
ートは、図12のクランクロータ104の回転にともな
い、前述したグループG5,G6、G7での第1の歯1
07及び第2の歯108が磁気センサ105,106の
前方を通過したときの例を示している。そして、ここで
はエンジン61が始動されたとき(タイミングt11〜
t20)の作用と、その始動からある程度時間が経過し
たとき(タイミングt21〜t30)の作用とに分けて
説明する。
【0145】タイミングt11でエンジン61が始動さ
れた場合、クランクカウンタCCRANKの値がまだ決
定されていないことから、S400の判定条件が満たさ
れず、S405〜S435の処理が行われる。このとき
には、前述した図14のルーチンにおいて気筒裏表判別
フラグF1は「0」に設定されるものとする。
【0146】ここでは、30°CAパルスが生成される
まで期間にわたり、S405の処理が行われる毎にカウ
ンタC1が「1」ずつインクリメントされる。カウンタ
C1の値はタイミングt11で「1」になり、タイミン
グt12で「2」になり、タイミングt13で「3」に
なる。
【0147】タイミングt14で30°CAパルスが生
成されると、カウンタC1の値(「3」)が第1記憶領
域X1に書き込まれる。また、先に第1記憶領域Xに記
憶されていた値(「1」〜「3」以外の値)は第2記憶
領域Yにシフトされて、そこに記憶される。さらに、そ
の第2記憶領域Yに記憶されていた値(「1」〜「3」
以外の値)は、第3記憶領域Zにシフトされて、そこに
記憶される。これらの記憶領域X,Y,Zに記憶された
3つの値の組み合わせは、図18のマップには存在しな
い。このため、マップ値XYZ及びクランクカウンタC
CRANKの値はともに算出されない。すなわち、クラ
ンク角及び気筒判別は不明である。
【0148】続くタイミングt15から、30°CAパ
ルスが生成されるタイミングt18までの期間には、前
述したタイミングt11〜t14の期間と同様の処理が
行われる。S405でのインクリメントにより、カウン
タC1の値はタイミングt15で「1」になり、タイミ
ングt16で「2」になり、タイミングt17で「3」
になる。
【0149】タイミングt18で30°CAパルスが生
成されると、カウンタC1の値(「3」)が第1記憶領
域X1に書き込まれる。また、先に第1記憶領域Xに記
憶されていた値(「3」)は第2記憶領域Yにシフトさ
れてそこに記憶される。さらにその第2記憶領域Yに記
憶されていた値(「1」〜「3」以外の値)は、第3記
憶領域Zにシフトされて、そこに記憶される。これらの
記憶領域X,Y,Zに記憶された3つの値の組み合わせ
は、図18のマップには存在しない。このため、マップ
値XYZ及びクランクカウンタCCRANKの値は依然
として算出されない。すなわち、クランク角及び気筒は
依然として不明である。
【0150】前記タイミングt19から、次に30°C
Aパルスが生成されるタイミングt20までの期間に
は、前述したタイミングt11〜t14又はt15〜t
18の期間と同様の処理が行われる。ただし、この期間
には第2の歯108が両磁気センサ105,106の前
方を通過しないので、S405でのインクリメントによ
り、カウンタC1の値はタイミングt19で「1」にな
るのみである。
【0151】タイミングt20で30°CAパルスが生
成されると、カウンタC1の値(「1」)が第1記憶領
域X1に書き込まれる。また、先に第1記憶領域Xに記
憶されていた値(「3」)は第2記憶領域Yにシフトさ
れてそこに記憶される。さらにその第2記憶領域Yに記
憶されていた値(「3」)は、第3記憶領域Zにシフト
されて、そこに記憶される。これらの記憶領域X,Y,
Zに記憶された3つの値の組み合わせ(1,3,3)
は、図18のマップに存在する。そして、その組み合わ
せに対応するマップ値XYZは「8」である。ここで、
気筒裏表判別フラグF1は依然として「0」である。こ
のため、S435の処理により、図19のマップにおい
て前記マップ値XYZ及び前記判別フラグF1に対応す
るクランクカウンタCCRANKの値として、「8」が
求められる。
【0152】このようにエンジン始動時には、30°C
Aパルスが3つ生成されるまで(クランクシャフト67
が90〜120°CA回転するまで)にクランク角及び
気筒判別が行われる。
【0153】次に、エンジン始動からある程度時間が経
過したタイミングt21では、クランクカウンタCCR
ANKの値が既に算出されていることから、S400の
判定条件が満たされ、S440〜S495の処理が行わ
れる。なお、ここでは、タイミングt21の直前におい
て、第1〜第3の記憶領域X,Y,Zに記憶された3つ
の値の組み合わせが(1,2,2)であり、マップ値X
YZが「5」であり、気筒裏表判別フラグF1が「0」
であり、クランクカウンタCCRANKが「5」である
ものとする。
【0154】タイミングt21以降、30°CAパルス
が生成されるまでの期間にわたり、S440の処理が行
われる毎にカウンタC1がインクリメントされる。カウ
ンタC1の値はタイミングt21で「1」になり、タイ
ミングt22で「2」になり、タイミングt23で
「3」になる。
【0155】タイミングt24で30°CAパルスが生
成されると、S400,S440,S445,S45
0,S455,S460の順に処理が行われる。カウン
タC1の値(「3」)が第1記憶領域X1に書き込まれ
る。また、先に第1記憶領域Xに記憶されていた値
(「1」)は第2記憶領域Yにシフトされて、そこに記
憶される。その後、カウンタC1は「0」にクリヤされ
る。従って、S465の判定条件が満たされず、S48
5,S490の処理が行われる。クランクカウンタCC
RANKの値は「5」から「6」に変わる。
【0156】タイミングt25以降、次の30°CAパ
ルスが生成されるまでの期間にわたり、前述したタイミ
ングt21,t22,t23と同様にしてカウンタC1
がインクリメントされる。カウンタC1の値はタイミン
グt25で「1」になり、タイミングt26で「2」に
なり、タイミングt27で「3」になる。
【0157】タイミングt28で次の30°CAパルス
が生成されると、前記タイミングt24と同様の処理が
行われる。すなわち、カウンタC1の値(「3」)が第
1記憶領域Xに書き込まれる。また、先に第1記憶領域
Xに記憶されていた値(「3」)は第2記憶領域Yにシ
フトされて、そこに記憶される。その後、カウンタC1
は「0」にクリヤされる。従って、S465の判定条件
が満たされず、S485,S490の処理が行われる。
クランクカウンタCCRANKの値は「6」から「7」
に変わる。
【0158】タイミングt29から、次に30°CAパ
ルスが生成されるタイミングまでの期間には、前述した
タイミングt21〜t24又はt25〜t28の期間と
同様の処理が行われる。ただし、この期間には第2の歯
108が両磁気センサ105,106の前方を通過しな
いので、S405でのインクリメントにより、カウンタ
C1の値はタイミングt29で「1」になるのみであ
る。
【0159】タイミングt30で30°CAパルスが生
成されると、カウンタC1の値(「1」)が第1記憶領
域Xに書き込まれる。また、先に第1記憶領域Xに記憶
されていた値(「3」)は第2記憶領域Yにシフトされ
て、そこに記憶される。カウンタC1は「0」にクリヤ
される。従って、S465の判定条件が満たされず、S
485,S490の処理が行われる。クランクカウンタ
CCRANKの値は「7」から「8」に変わる。
【0160】ここで、図21及び図22には、上述した
図14、図16及び図17のルーチンに従って求められ
た気筒裏表判別フラグF1、カムカウンタCCAM、ク
ランクカウンタCCRANK等の変化を示す。図21
は、回転位相調整手段によりクランクシャフト67に対
する吸気側カムシャフト74の回転位相が変えられ、吸
気バルブ72の開放及び閉鎖のタイミングが最も遅らさ
れた場合を示している。これに対し、図22は前記吸気
側カムシャフト74の回転位相が変えられ、前記開放及
び閉鎖のタイミングが最も早められた場合を示してい
る。
【0161】いずれの場合にも、クランクカウンタCC
RANKの値と、それに対応するカムカウンタCCAM
の値との位相差を求めることで、変位角θa,θbを決
定することができる。吸気側カムシャフト74の回転位
相の変化に応じて変位角θa,θbが変化すること、す
なわち、吸気バルブ72の開放及び閉鎖のタイミングが
最も早められた場合(図22)には最も遅らされた場合
(図21)よりも、変位角θa,θbが大きくなること
がわかる。
【0162】このように、本実施の形態によると、第1
の歯107がクランクロータ104の外周部に等角度毎
に形成されていることから、クランクシャフト67が一
定速度で回転していれば、クランクロータ104が1回
転する間には、同第1の歯107の通過が等タイミング
毎に複数回検出される。また、隣り合う第1の歯10
7,107間に形成された第2の歯108の数が工夫さ
れていることから、所定のグループG1〜G12でのク
ランクポジションセンサ103による第2の歯108の
検出回数と、その隣のグループG2〜G12,G1での
第2の歯108の検出回数と、さらにその隣のグループ
G3〜G12,G1,G2での第2の歯108の検出回
数との組み合わせが、全グループG1〜G12に関して
互いに異なる。そして、これらの検出回数(カウンタC
1の値)は第1〜第3の記憶領域X,Y,Zにそれぞれ
記憶される。一方、カムポジションセンサ109から
は、クランクロータ104が1回転する毎に異なる波形
の回転検出信号が出力される。
【0163】そして、連続する3つのグループG1〜G
12に関する記憶領域X,Y,Zでの3つの値の組み合
わせと、第1の歯107の検出タイミングとに基づきク
ランク角が検出される。そのクランク角と前記回転検出
信号とに基づき特定の気筒が判定される。すなわち、第
1の歯107はクランクシャフト67が1回転する間に
複数回(12回)検出されるが、その検出タイミング毎
に異なる組み合わせを割り当てることにより、両者が一
対一に対応する。このため、組み合わせが決まれば、そ
れに対応した第1の歯107の検出タイミングが一義的
に決まる。その検出タイミングが、クランクシャフト6
7が何度回転したときのものであるか(クランク角が何
度であるか)が検出される。
【0164】また、前記組み合わせはクランクシャフト
67が1回転すると元の状態に戻る。各気筒#1〜#4
の1サイクルの期間にはクランクシャフト67(クラン
クロータ104)が2回転する。したがって、同期間に
は前記組み合わせが同一となるときが2回存在すること
になる。これに対しては、前記回転検出信号を利用する
ことにより、クランクロータ104の回転が1回転目の
ものであるか2回転目のものであるかが区別される。こ
の結果と前記クランク角とを組み合わせることで、どの
気筒#1〜#4のピストン65がどの行程のどの位置に
あるのかを識別することができる。
【0165】このように、本実施の形態では従来の装置
とは異なり、クランクロータ104の回転にともなう第
1の歯107の通過が、クランクポジションセンサ10
3によって3回検出されるまでに、すなわちクランクシ
ャフト67が最大120°CA回転するまでにクランク
角の検出と気筒の判定とを行うことができる。
【0166】本実施の形態は前述した事項以外にも次に
示す特徴を有する。 (a)第1の歯107及び第2の歯108がクランクロ
ータ104の同一円周上に形成され、しかも同第2の歯
108の歯幅w2が第1の歯107の歯幅w1よりも小
さく設定されている。そして、この歯幅w1,w2が異
なっていることを利用して、各歯107,108の通過
が検出される。したがって、各歯107,108を、ク
ランクロータ104の互いに異なる円周上に形成した場
合に比べて、同ロータ104の軸心方向における厚みを
小さくできる。クランクポジションセンサ103を小型
に構成し、エンジン61への搭載性向上を図ることがで
きる。
【0167】(b)カムポジションセンサ109が、自
身の外周部の略180°毎に主通過被検出部114及び
副通過被検出部115を有するカムロータ111と、一
対の磁気センサ112,113とから構成されている。
吸気側カムシャフト74が略1/2回転する毎(クラン
クシャフト67が1回転する毎)に、各磁気センサ11
2,113から出力される回転検出信号の波形が変化す
る。このため、回転検出信号が主通過被検出部114に
対応するものであるか、副通過被検出部115に対応す
るものであるかを区別することができる。
【0168】したがって、エンジン61の始動直後であ
っても、上述のように区別された回転検出信号を利用す
ることにより、クランクロータ104の回転が1回転目
のものであるか2回転目のものであるかを確実に区別す
ることができる。
【0169】(c)主通過被検出部114が、カムロー
タ111の外周に等角度毎に設けられた第3の歯114
aによって構成され、副通過被検出部115が、前記第
3の歯114aの歯幅w3とは異なる歯幅w4を有し、
かつ同カムロータ111の外周において同第3の歯11
4aと同一の角度毎に設けられた第4の歯115aによ
って構成されている。そして、歯幅w3,w4の相違を
利用して、各歯114a,115aの通過が検出され
る。ここで、第3の歯114aが等角度β毎に設けられ
ていることから、カムロータ111が1/2回転する間
には、同歯114aの通過が等タイミング毎に複数回
(6回)検出される。また、第4の歯115aが第3の
歯114aと同一の角度β毎に設けられていることか
ら、カムロータ111が1/2回転する間には、同歯1
15aの通過が複数回(6回)検出される。
【0170】回転検出信号が第3の歯114aに対応す
るものから第4の歯115aに対応するものへ切り換わ
るとき、又はその逆に切り換わるときが基準とされる。
そして、その基準から第3の歯114aの検出回数がカ
ウントされるか、又は、前記基準から第4の歯115a
の検出回数がカウントされる。このカウント値から第3
の歯114aの複数の検出タイミング、又は第4の歯1
15aの複数の検出タイミングがそれぞれ区別され、そ
の検出タイミングが吸気側カムシャフト74が何度回転
したときのものであるか(カム角が何度であるか)が検
出される。
【0171】前記カム角の検出精度は第3の歯114a
及び第4の歯115aの検出回数、すなわち、両歯11
4a,115aの数に依存する。これらの回数(数)が
多くなるほど検出精度を高めることができる。
【0172】したがって、前述したカム角を用いること
により、変位角θを精度よく算出し、バルブタイミング
制御の精度を高めることができる。 (d)図16及び図17に示すように、エンジン61の
始動時とそれ以外のときとでクランクカウンタCCRA
NKの決定方法を変えている。すなわち、始動時におい
てクランクカウンタCCRANKの値が未だ求められて
いないときには、3つの記憶領域X,Y,Zに記憶され
た値と、図18及び図19のマップとを用いて同カウン
タCCRANKの値を決定する(S400〜S43
5)。これに対し、同値が一旦決まれば、基本的には3
0°CAパルスが生成される毎にクランクカウンタCC
RANKをインクリメントするようにしている(S48
5)。このため、同カウンタCCRANKの値が一度で
も決まれば、その後は比較的簡単にカウント値を決定す
ることができる。
【0173】(e)図17においてS465,S47
0,S475,S480の処理を行うことで、クランク
カウンタCCRANKの値が正しいかどうか確認するこ
とができる。これは、クランクシャフト67が1回転す
る(360°CA)毎に、S465の判定条件が満たさ
れることを利用したものである。上記(d)で説明した
ように、基本的にはクランクカウンタCCRANKの値
が一旦決まれば、その後は30°CAパルスの生成毎に
同カウンタCCRANKをインクリメントするのみでよ
いが、第2の実施の形態では、360°CA毎に気筒裏
表判別フラグF1に応じてクランクカウンタCCRAN
Kの値を正しい値(「0」又は「12」)に設定するよ
うにしている。このため、万が一、クランクカウンタC
CRANKの値が誤っていても、修正することができ
る。
【0174】なお、本発明は次に示す別の実施の形態に
具体化することができる。 (1)第1の実施の形態では、クランクロータ21に形
成された0〜4本の第2被検出溝23に基づき出力され
た第2パルス信号数Xの組み合わせに基づき、12通り
のナンバー値Nを算出し、12通りのナンバー値Nが算
出された時点でフラグ値Fのセット・リセットが実行さ
れるクランク角検出プログラムを備えている。
【0175】しかしながら、クランクロータ21に形成
する第2被検出溝23の形成数を変更して24通りのナ
ンバー値Nを算出するする構成を備え、フラグ値Fを有
しない構成としてもよい。24通りのナンバー値Nを算
出することができれば、1行程につき720°CA回転
するクランクシャフト16の回転角(クランク角)に対
して、30°CA毎にナンバリングを施すことができ、
フラグ値Fを組み合わせることなくクランク角を検出す
ることができるからである。
【0176】(2)第1の実施の形態では、点火時期と
して最適な圧縮上死点に対応するクランク角のみを検出
し、点火時期制御を実行しているが、各シリンダ12毎
に独立して燃料噴射を実行する燃料噴射時期制御を実行
する際に用いるためのクランク角を検出してもよい。ナ
ンバー値Nとして、常時、30°CA毎のクランク角を
検出しており、このクランク角をどのように用いるかは
実行される制御内容に依存するからである。
【0177】(3)第1の実施の形態では、4つのシリ
ンダ12を備えた4気筒エンジン10に対してクランク
角検出装置を適用しているが、6気筒、8気筒等のエン
ジンに対して適用してもよい。いずれの気筒数のエンジ
ンに適用するかは選択上の問題だからであり、12通り
というナンバー値Nは、4気筒、6気筒、8気筒、及び
12気筒のいずれの場合にも適切に用いることができる
数だからである。また、第2の実施の形態についても同
様に、4気筒以外の気筒数を有するエンジンにクランク
角検出装置を適用可能である。
【0178】(4)第1の実施の形態では、クランクロ
ータ21に30°CA毎に第1被検出溝22が形成され
ているが、たとえば、10°CA毎に第1被検出溝22
が形成されていてもよい。何れの場合にも、クランク角
とナンバー値Nとを対応させることは可能だからであ
る。また、第2の実施の形態についても同様に、第1の
歯107の数及び角度αを変更してもよい。
【0179】(5)第1の実施の形態においてクランク
ロータ21に形成されている第2被検出溝23の形成本
数は、0〜4本に限られず、また、その配列も図10、
表1等において用いた例に限られるものではない。すな
わち、前後する第2被検出溝23の形成本数が異なると
ともに、前後する第2被検出溝23数の組み合わせがそ
れぞれ異なれば、各第1被検出溝22に対してそれぞれ
異なるナンバー値Nを付すことができるからである。
【0180】また、第2の実施の形態についても同様
に、第2の歯108の数を変更してもよい。ただし、こ
の場合には全グループG1〜G12に関し、所定のグル
ープでの第2の歯108の数と、その隣のグループでの
第2の歯108の数と、さらにその隣のグループでの第
2の歯108の数とが互いに異なるように、同数を設定
する必要がある。
【0181】(6)VVT93としては、第2の実施の
形態で示したタイプ以外にも種々のタイプを用いること
ができる。例えば、ロータリ式のVVTでは、ベーンを
有するロータがカムシャフトに固定されている。そのロ
ータの外周にはカムシャフト及びロータに対して相対回
転可能にハウジングが設けられ、同ハウジングにタイミ
ングベルト又はタイミングチェーンが掛けられている。
そして、ハウジング内の各ベーンの両側の油圧室へ供給
される油圧の大きさを調整することにより、クランクシ
ャフトに対するカムシャフトの回転位相を変化させ、吸
気バルブ又は排気バルブの作動タイミングをクランク角
に関して連続的に変更することが可能となっている。
【0182】(7)第2の実施の形態でのVVTは、吸
気バルブ及び排気バルブのうち、排気バルブの作動タイ
ミングのみを可変とするものや、両方のバルブの作動タ
イミングを可変とするものであってもよい。
【0183】(8)第2の実施の形態において、第1通
過被検出部としての第1の歯107を凹部に変更し、第
2通過被検出部としての第2の歯108を凹部に変更し
てもよい。
【0184】(9)第2の実施の形態において、主構造
体としての第3の歯114aを凹部に変更し、副構造体
としての第4の歯115aを凹部に変更してもよい。 (10)回転検出手段を吸気側カムシャフト74以外の
箇所に設けてもよい。要は、クランクロータ104が1
回転する毎に異なる波形の回転検出信号を出力するもの
であればよい。
【0185】(11)第2の実施の形態でのクランク角
検出装置は、第1の実施の形態で説明したような、回転
位相調整手段を有しないタイプのエンジンにも適用でき
る。 (12)第2の実施の形態において、第3の歯114a
及び第4の歯115aの数や角度βを変更してもよい。
【0186】(13)第2の実施の形態において、歯幅
w1,w2の大小関係を逆にしてもよい。同様に、歯幅
w3,w4の大小関係を逆にしてもよい。 (14)図17におけるS450〜S480の処理を省
略してもよい。
【0187】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、各形態から把握できる請求項以外の技術的思想
について、以下にそれらの効果とともに記載する。 (イ)請求項1に記載の検出装置において、前記第1通
過検出手段及び第2通過検出手段は半導体素子を備える
半導体磁気センサである内燃機関のクランク角検出装
置。
【0188】このような構成とすることにより、第1通
過被検出部又は第2通過被検出部の通過にともない変化
する電圧値に基づいてその通過が検出される。 (ロ)請求項4に記載の検出装置において、前記主通過
被検出部はカムロータ外周部の180°の範囲にわたっ
て形成された突部(被検出歯)であり、副通過被検出部
はカムロータ外周部の他の180°の範囲にわたって形
成された凹部である内燃機関のクランク角検出装置。
【0189】このような構成とすることにより、突部及
び凹部の通過にともない変化する電圧値に基づいてその
通過が検出される。 (ハ)請求項1に記載の検出装置において、前記クラン
ク角検出手段によりクランク角が既に検出されているか
どうかを判定する判定手段(図16のS400の処理)
をさらに備え、前記クランク角検出手段は、前記判定手
段によりクランク角が既に検出されていると判定された
とき、そのクランク角を基準として、前記第1通過検出
手段により第1通過被検出部の通過が検出される毎に同
クランク角を検出するものである内燃機関のクランク角
検出装置。
【0190】このような構成とすることにより、一度で
もクランク角が決定されれば、その後はそのクランク角
を容易に検出することができる。
【0191】
【発明の効果】第1及び第2の発明によれば、クランク
ロータの回転にともない第1通過被検出部が第1通過検
出手段を数回通過するまでの短い期間に、クランク角の
検出と気筒の判定とを行うことができ、内燃機関の始動
性向上を図るうえで有効である。
【0192】第3の発明によれば、第1の発明の効果に
加え、クランクロータの軸心方向における厚みを小さく
することが可能となる。第4の発明によれば、第1の発
明の効果に加え、内燃機関の始動直後であっても、クラ
ンクロータの回転が1回転目のものであるか2回転目の
ものであるかを確実に区別することが可能となる。
【0193】第5の発明によれば、第4の発明の効果に
加え、回転位相調整手段によって変更されるカムシャフ
トの回転位相の検出精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第5の発明の基本的な概念構成を示す概
念構成図。
【図2】第1の実施の形態におけるクランク角検出装置
の概略構成図。
【図3】クランクポジションセンサを模式的に示す説明
図。
【図4】クランクロータのエッジ部分の拡大図。
【図5】クランクロータに形成されている第1被検出溝
及び第2被検出溝と、半導体磁気センサから出力される
第1パルス信号及び第2パルス信号との関係を模式的に
示す説明図。
【図6】カムポジションセンサを模式的に示す説明図。
【図7】フラグ値を設定するためのルーチンを示すフロ
ーチャート。
【図8】ECUの電気的構成を示すブロック図。
【図9】クランク角を検出するためのルーチンを示すフ
ローチャート。
【図10】第1パルス信号、第2パルス信号数、第3パ
ルス信号、ナンバー値及びフラグ値の経時変化を示すタ
イミングチャート。
【図11】第2の実施の形態におけるクランク角検出装
置の概略構成図。
【図12】クランクポジションセンサを模式的に示す説
明図。
【図13】カムポジションセンサを模式的に示す説明
図。
【図14】気筒裏表判別フラグを設定するとともに、カ
ムカウンタの操作を行うためのルーチンを示すフローチ
ャート。
【図15】カムカウンタ及び気筒裏表判別フラグの変化
を示すタイミングチャート。
【図16】クランクカウンタの操作を行うためのルーチ
ンを示すフローチャート。
【図17】図16に示すフローチャートに基づく処理に
続いて実行される処理を示すフローチャート。
【図18】第1〜第3の記憶領域の値に対応するマップ
値を予め規定したマップを示す説明図。
【図19】マップ値と気筒裏表判別フラグとに対応する
クランクカウンタの値を予め規定したマップを示す説明
図。
【図20】カウンタ、気筒裏表判別フラグ及びクランク
カウンタの変化を示すタイミングチャート。
【図21】クランクシャフトに対するカムシャフトの回
転位相が最も遅らされたときの作用を説明するタイミン
グチャート。
【図22】クランクシャフトに対するカムシャフトの回
転位相が最も早められたときの作用を説明するタイミン
グチャート。
【符号の説明】
10…内燃機関としてのエンジン、16…クランクシャ
フト、19…カムシャフト、21…クランクロータ、2
2…第1通過被検出部としての第1被検出溝、23…第
2通過被検出部としての第2被検出溝、26…第1通過
検出手段としての第1センサ部、27…第2通過検出手
段としての第2センサ部、30…回転検出手段としての
カムポジションセンサ、31…カムロータ、32a…主
通過被検出部としての被検出歯、32b…副通過被検出
部としての凹部、33…第3通過検出手段及び第4通過
検出手段としての電磁ピックアップ、40…記憶手段及
びクランク角検出手段としてのECU、C…第2パルス
信号数カウンタ値(以上、第1の実施の形態)、61…
内燃機関としてのエンジン、67…クランクシャフト、
72…吸気バルブ、74…吸気側カムシャフト、93…
VVT、94…エンジンオイル、95…オイルポンプ、
98…OCV(93,94,95,98は回転位相調整
手段を構成する)、104…クランクロータ、105…
第1磁気センサ、106…第2磁気センサ、107…第
1通過被検出部としての第1の歯、108…第2通過被
検出部としての第2の歯、109…回転検出手段として
のカムポジションセンサ、111…カムロータ、11
2,113…磁気センサ(112,113は第3通過検
出手段及び第4通過検出手段を構成する)、114…主
通過被検出部、114a…主構造体としての第3の歯、
115…副通過被検出部、115a…副構造体としての
第4の歯、119…ECU(119は記憶手段及びクラ
ンク角検出手段を構成するほか、105,106ととも
に第1通過検出手段を構成し、106とともに第2通過
検出手段を構成する)、CCRANK…クランクカウン
タ、SCAM1…第1のカム角信号、SCAM2…第2
のカム角信号(SCAM1,SCAM2は回転検出信号
を構成する)、w1〜w4…歯幅、α,β…角度、#1
〜#4…気筒、G1〜G12…グループ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−2640(JP,A) 特開 平1−294941(JP,A) 特開 平1−310168(JP,A) 特開 平2−91433(JP,A) 特開 平5−340751(JP,A) 特開 昭62−32280(JP,A) 特開 平5−10227(JP,A) 特開 平5−288112(JP,A) 特開 昭60−88317(JP,A) 特開 平6−213058(JP,A) 特開 平3−78550(JP,A) 特開 昭63−247614(JP,A) 特開 平3−206323(JP,A) 特開 昭61−84501(JP,A) 特開 昭53−146038(JP,A) 特開 平2−163470(JP,A) 特開 昭57−124208(JP,A) 実開 平1−152204(JP,U) 実開 平1−61615(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 45/00 G01D 5/245 G01P 3/487

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多気筒内燃機関に設けられ、各気筒の1
    サイクルの間に2回転するクランクシャフトと、 前記クランクシャフトに一体回転可能に設けられ、かつ
    等角度毎に多数の第1通過被検出部を有するとともに、
    隣り合う第1通過被検出部間に第2通過被検出部を有す
    るロータであって、隣り合う一対の第1通過被検出部を
    1つのグループとした場合の全グループに関し、所定の
    グループでの第2通過被検出部の数と少なくともその隣
    のグループでの第2通過被検出部の数との組み合わせが
    互いに異なるように設定されたクランクロータと、 前記クランクロータの回転にともなう前記第1通過被検
    出部の通過を検出する第1通過検出手段と、 前記クランクロータの回転にともなう前記第2通過被検
    出部の通過を検出する第2通過検出手段と、 前記クランクロータが1回転する毎に異なる波形の回転
    検出信号を出力する回転検出手段と、 前記第1通過検出手段により、前記各グループでの一方
    の第1通過被検出部の通過が検出されてから他方の第1
    通過被検出部の通過が検出されるまでの期間における、
    第2通過検出手段による第2通過被検出部の検出回数を
    カウントし、そのカウント値を記憶する記憶手段と、 連続する少なくとも2つの前記グループに関する前記記
    憶手段によるカウント値の組み合わせ、及び前記第1通
    過検出手段による検出タイミングに基づきクランク角を
    検出するとともに、そのクランク角及び前記回転検出手
    段による回転検出信号に基づき特定の気筒を判定するク
    ランク角検出手段とを備えた内燃機関のクランク角検出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記第1通過被検出部及び第2通過被検
    出部は、前記クランクロータの互いに異なる円周上に形
    成されている請求項1に記載の内燃機関のクランク角検
    出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1通過被検出部及び第2通過被検
    出部は前記クランクロータの同一円周上に形成され、 さらに同第2通過被検出部は、第1通過被検出部のクラ
    ンクロータの回転方向における幅とは異なる幅を有し、 前記第1通過検出手段は、前記第1通過被検出部及び第
    2通過被検出部の幅の相違を利用して同第1通過被検出
    部の通過を検出し、 前記第2通過検出手段は、前記幅の相違を利用して第2
    通過被検出部の通過を検出するものである請求項1に記
    載の内燃機関のクランク角検出装置。
  4. 【請求項4】 前記内燃機関は前記クランクシャフトが
    2回転する間に1回転するバルブ駆動用のカムシャフト
    を備えており、 前記回転検出手段は、前記カムシャフトに一体回転可能
    に設けられ、かつ自身の外周部の略180度毎に、互い
    に形状の異なる主通過被検出部及び副通過被検出部を有
    するカムロータと、 前記カムロータの回転にともなう前記主通過被検出部の
    通過を検出する第3通過検出手段と、 前記カムロータの回転にともなう前記副通過被検出部の
    通過を検出する第4通過検出手段とを備えるものである
    請求項1に記載の内燃機関のクランク角検出装置。
  5. 【請求項5】 前記内燃機関は前記クランクシャフトか
    らカムシャフトに至る回転伝達系内に設けられ、かつ前
    記クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を
    調整するための回転位相調整手段を備えており、 前記主通過被検出部は、前記カムロータの外周に等角度
    毎に設けられた複数の主構造体を備え、 前記副通過被検出部は、前記主構造体のカムロータの回
    転方向における幅とは異なる幅を有し、かつ同カムロー
    タの外周において同主構造体と同一の角度毎に設けられ
    た複数の副構造体を備え、 前記第3通過検出手段は、前記主構造体及び副構造体の
    幅の相違を利用して同主構造体の通過を検出し、 前記第4通過検出手段は、前記幅の相違を利用して副構
    造体の通過を検出するものである請求項4に記載の内燃
    機関のクランク角検出装置。
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