JP3395431B2 - 放電加工方法及びその装置 - Google Patents

放電加工方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円筒状、円柱状、角柱
状などの単純な形状をした電極を用い、それをNC制御
することにより三次元加工を実現する放電加工方法及び
その装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から円筒状、円柱状、角柱状などの
単純な形状をした電極をNC制御手段により三次元制御
を行い、所望の三次元形状を加工する放電加工装置が知
られている。この種の放電加工装置においては、複雑な
三次元形状の総型電極を製作しなくて済むので、金型製
作コスト及び製作時間を大きく改善することができる。
また、電極形状を予め規定できることからCAMシステ
ム構築が容易となり加工工程の自動化が期待できる。
【0003】しかし、この種の放電加工装置では、総型
電極による放電加工に比べて電極消耗及び加工精度が問
題となる。
【0004】このような問題を解決するために、例え
ば、山形大学工学部では所望の三次元形状をZ軸方向に
いくつかの層状に分割して一層ずつ加工を進め、その際
の電極消耗を補正する方法を提案している。
【0005】図42は、例えば、土屋、金子氏らによる
一連の研究報告の一つである『円筒電極による三次元制
御放電加工(第3報)』電気加工学会誌,Vol.17,No.3
4,p30〜p42(1984) における放電加工装置の構成図であ
る。
【0006】図において、1は円柱状等の電極、2は被
加工物である工作物、3は工作物2を固定するためのX
−Yテーブル、4は電極1をZ軸回りに回転させるため
の電極回転機構、5はX−Yテーブル3をXY方向へ駆
動するためのX軸駆動手段、6はX−Yテーブル3をY
方向へ駆動するためのY軸駆動手段、7は電極1が取付
けられた電極回転機構4をZ軸方向へ駆動するためのZ
軸駆動手段、8は電極1と工作物2とで形成される極間
に加工パルスを供給するための加工用電源、9は加工中
の加工状態を検出するための加工状態検出手段、10は
X軸駆動手段5及びY軸駆動手段6及びZ軸駆動手段7
を制御するNC制御手段、11は加工中の電極1の消耗
を位置的情報で補正する電極消耗補正手段である。NC
制御手段10は、電極消耗補正手段11より指令される
三次元の軌跡指令に基づいて加工状態検出手段9から検
出される加工状態を安定に保ちながらX軸駆動手段5及
びY軸駆動手段6及びZ軸駆動手段7のそれぞれに適切
な駆動指令を与える。
【0007】土屋、金子氏らはNC制御手段10と電極
消耗補正手段11を1台のマイクロコンピュータを使っ
たプログラムで実現しているが、その実現手段は電極消
耗補正方法になんら制限を与えるものではない。
【0008】図43は土屋、金子氏らの提案による従来
の加工したい三次元加工形状が与えられてから電極消耗
補正を施したNCデータを得るまでの処理を示す電極消
耗補正方法の動作説明図である。
【0009】まず、処理12aにおいて加工したい所望
の三次元加工形状のデータが与えられ、次に、処理13
aにおいて前記三次元加工形状のデータを、例えば、Z
軸方向に複数にスライスし、いくつかの層状に分割す
る。序で、図の点線で囲まれた一連の処理14aがそれ
ぞれの層に適用される。
【0010】いま、ここで分割されたある一つの層の厚
さをEと仮定する。処理15aにおいてXY平面での電
極の経路、即ち、ツールパスを生成する。そして、処理
16aにおいてツールパスの始点でZ軸方向に前記層の
厚さEに相当する加工プログラムを実行し、その後、一
連の処理19a及び処理20aにより電極消耗補正をし
ながらXY平面での加工を行う。
【0011】次に、土屋、金子氏らの実験結果をもとに
処理19aに示す電極消耗補正方法の原理を説明する。
【0012】図44は電極消耗補正を行わない場合のX
Y平面での電極移動量と電極消耗長さとの関係を示す特
性図である。図45は実際に電極消耗補正を行いながら
加工した場合の電極移動量と電極消耗長さとの関係を示
す特性図である。
【0013】図44に示す電極移動量と電極消耗長さと
の関係をみると、加工初期において電極消耗長さが負と
なり、その後、電極消耗長さが徐々に大きくなり、その
電極消耗長さの変化は、電極の形状や材質、工作物の材
質、電気条件などによって曲線の傾きがm1 ,m2 ,m
3 と変化し、所定以上の電極消耗長さが変化すると、以
後、同一変化率で電極1が消耗していることがわかる。
そこで、電極消耗長さが負から正に変わる点を補正開始
点Lc とし、その後、適当な補正基準区間ΔLごとに、
例えば、曲線の傾きm2 にもとづいてZ軸方向送り補正
量を求める。
【0014】Z軸送り補正量ΔLE は、 ΔLE =mi ・ΔL 但し、mi :電極消耗長さの曲線の傾き ΔL:補正基準区間 Lc :補正開始点 このように、Z軸送り補正した加工プログラムは処理2
0aにおいて実行される。
【0015】図45のように電極消耗補正をした場合に
は、通算の電極消耗長さが直線的に増加しており、電極
消耗が発生しても加工深さが均一な加工、即ち、厚さE
に分割された一つの層が加工できることを示している。
【0016】ここで、処理19aに示した電極消耗補正
に必要なパラメータは、処理13aより与えられる分割
されたある一つの層の厚さE、及び処理17aにおいて
与えられる電極の形状や材質、工作物の材質、電気条件
などに対応して予め加工技術データ18aとして記憶し
ておく必要がある。なお、電極消耗量は加工中の電極形
状と密接な関係があることから、電極消耗補正量は加工
取り量がツールパスに伴って変化する場合を考慮して決
定する必要がある。
【0017】これと同様の考えに基づいた電極消耗補正
方法は特開平5−345228号公報においても述べら
れている。
【0018】図46は従来の電極消耗補正方法の原理を
説明する説明図である。
【0019】図に示すように、回転しながら円筒電極を
放電加工している平面に対して角度αで斜めに送ること
により、電極1の輪郭形状及び加工深さが変化する位置
aから位置cまでの過渡状態を経て、電極1の輪郭形状
及び加工深さが変化しない位置cから位置d以降の定常
状態を作り出すことができる。このとき、電極消耗量の
大きい加工条件であるならば、上述の位置aから位置c
までの過渡状態をほとんど無視することができる。した
がって、適切な送り角度αで加工電極を斜めに送ること
により加工深さが一定な層状の除去加工ができる。
【0020】このとき、電極1が工作物2に接触し、輪
郭が変化する短い初期移行期間後、電極1の輪郭は加工
の残りの期間(位置dから位置cまでの間)一定(不
変)となり、電極の長さが消耗し、電極の長さのみが減
少する。図示の例では、電極先端形状は移行段階の終了
時では円錐形となり、傾斜角度βは層の厚さE(カット
深さまたは溝の深さ)及び円筒形電極の半径Rに左右さ
れる。
【0021】図47は従来の電極消耗補正方法の原理を
説明する電極消耗補正処理の説明図である。
【0022】まず、処理12bにおいて加工したい所望
の三次元加工形状が与えられ、次に処理13bにおいて
前記三次元加工形状をいくつかの層状に分割し、そし
て、図の点線で囲まれた一連の処理14bがそれぞれの
層に適用される。いま、分割されたある一つの層の厚さ
をEとする。処理15bにおいてXY平面での電極1の
経路、即ち、ツールパスを生成し、前記ツールパスに対
して処理19b、処理20bの一連の処理により電極消
耗補正を施した加工プログラムを加工に先立って作成す
る。前記図46に示す原理によれば、定常状態での加工
量と電極消耗量を考慮することで、厚さEの一層分を除
去するための電極斜め送り角度αは、層の厚さE、加工
電極の半径R、加工電極の断面積S、体積消耗率Uより
処理19bに示すように、次式で求めることができる。
【0023】 tan(α)=R・E・U/S ・・・・・・ (1) ただし、式(1)は電極1が図46に示すように円筒形
状の場合である。電極1が中空の円筒形状の場合には加
工電極の外側半径R1 、内側半径R2 、加工電極の断面
積Sとすると電極斜め送り角度αは、次式のようにな
る。
【0024】 tan(α)=(R1 +R2 )・E・U/S =E・U/π/(R1 −R2 ) ・・・・・・ (2) したがって、電極1の形状に対応して電極消耗補正のた
めの計算式をいくつか準備しておく必要がある。なお、
前記パラメータは処理13bより与えられる層の厚さ、
及び処理17bにおいて与えられる電極の形状や材質、
工作物の材質、電気条件などをもとに予め準備されてい
る加工技術データ18bより選択できる。
【0025】このように、前記公報で開示されている技
術は、長手方向消耗を補正するための値を計算するシミ
ュレータを備え、除去層の厚さE、電極の半径R、消耗
体積量Uを与えることにより、放電加工している層の平
面に対する電極の送り角度αを計算し、傾斜運動による
加工を行う。特に、電極の長さ方向消耗の補正を斜め方
向の送りを行うことにより補正でき、加工速度が稼げる
電極有消耗領域を利用でき、加工効率が向上するとして
いる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】第1の課題. このように、円筒、角柱などの単純な形状をした電極1
をNC制御手段10により三次元制御を行い、所望の三
次元形状を加工する放電加工装置においては、いかに正
確に、かつ、簡単に電極消耗補正を行うかが重要であ
る。
【0027】しかしながら、従来の前者の『円筒電極に
よる三次元制御放電加工(第3報)』で報告された電極
消耗補正方法においては、さまざまな層の厚さ、電極の
形状や材質、工作物の材質、電気条件などに対して実験
的に補正開始点、補正基準区間、曲線の傾きを測定する
必要があり、更に、それらの大量なデータを加工技術デ
ータとして記憶することがたいへん厄介であるなどの問
題があった。
【0028】後者の特開平5−345228号公報で述
べられている電極消耗補正方法では、理論的には加工技
術データとして層の厚さ、加工電極の半径、加工電極の
断面積、体積消耗率が与えられれば、加工に先立って解
析的に電極斜め送り角度を決定できるものの、実際の加
工での電極消耗率は加工時の加工液温度や加工間隙の加
工くず量などにより変化するため、要求される層の厚さ
を正確に除去できるとは限らず、加工技術データの修正
や追加加工のための加工プログラムの作成が煩雑になる
という問題があった。即ち、Z軸補正量を加工開始前に
全てNCプログラムのZ軸送り指令として組み込む必要
があり、NCプログラムが極めて煩雑かつ、大容量とな
るとともに、加工中に加工状態が変化してもZ軸補正量
を変更するのが困難であった。
【0029】そこで、本発明は、このような問題点を解
決するためになされたもので、電極消耗補正に必要な人
為的に入力する加工技術データを少なくし、より簡単な
方法で電極消耗補正を実現することを第1の課題とす
る。
【0030】第2の課題. 一方、前述の単純形状電極を用いた放電加工装置は、複
雑な電極を作成することなく単純形状の電極にて加工す
ることができる反面、面積効果により加工速度が低下す
る。即ち、放電加工では一般に電極面積に応じて投入で
きる電流値の上限値があり、それ以上の電流を投入して
も(流そうとしても)、異常アークが発生して加工不能
となり、電極面積が小さい場合には、この限定値が低下
することが実験的に確認されている。通常は電極面積が
大きいほうが電流密度を上げることができ、加工効率が
増大する。こうした放電加工特有の現象は面積効果と呼
ばれている。従来の単純形状電極による加工では、有消
耗条件が使用できるため、投入できる電流の限界値は上
昇するものの、通常の放電加工条件では、総型と比較し
て加工効率がかなり低下する問題があった。
【0031】また、従来の一般的な形彫放電加工装置で
は、加工液として油が、ワイヤ放電加工装置においては
水が用いられている。
【0032】形彫放電加工装置において水による放電加
工が不向きとされ、ワイヤ放電加工装置のように水が用
いられないのには、次の理由がある。
【0033】1) 加工精度が低い 一般的な放電加工は総型による転写加工を前提としてい
るため、低消耗加工が不可欠である。水による放電加工
では油による加工のように逆極性(電極+)により電極
低消耗が得られず、正極性(電極−)のパルス幅の大き
い領域にて電極低消耗が得られることが知られており
(電気加工学会誌、Vol.3.No.5(1969)p23〜p29 、木
本、田宮『水中における電極低消耗放電加工(I)』の
項参照)、低消耗を得られる条件がきわめて狭く、クリ
ティカルであることがその後明らかになった(電気加工
学会誌、Vol.14.No.27(1980)p50 〜p57 、増沢『水を加
工液とする放電加工の研究(第1報)』の項参照)。し
たがって、水を加工液として用いた場合には、一般に電
極低消耗状態を維持することが困難となる。その点、ワ
イヤ放電加工装置では電極が順次供給されるため、電極
消耗を無視した加工が可能となるが、総型を用いた形彫
放電加工の場合は高い加工精度を得ることが困難とな
る。
【0034】2) 加工速度が遅い 電極低消耗条件を使う限りにおいて、水を加工液として
用いると、油に比べて加工速度が1/2〜1/3程度と
著しく低下する。
【0035】そこで、この発明は前述のような従来のも
のの課題を解消するためになされたもので、単純形状電
極を用いた3次元加工において、従来にない高い加工速
度と加工精度が得られる放電加工装置を得ることを第2
の課題とするものである。
【0036】第3の課題.更に、図48の(a)から
(g)は特開平5−345228号公報に示されている
加工パスの例を示した工程説明図である。図49は側面
加工によるコーナー部仕上げを行う場合の平面図(a)
及びその正面図(b)からなる説明図である。
【0037】この種の加工においては、放電加工後の層
の端縁に沿ってバリや取り残し部分が生じることから、
この縁端に沿って残存する材料を除去するために、1つ
の層から次の層に変わるごとに加工パスのパターンを変
化させる必要があるとしている。即ち、図48の(a)
から(g)の例示のように、さまざまな加工パスパター
ンを切り替えながら、何度も層の除去加工を繰返して行
うことにより、所望深さ及び形状の加工が可能となる。
【0038】従来の単純形状電極を用いた放電加工装置
は、加工層の縁端に沿って残存する材料を除去するため
に、1つの層から次の層に変わるごとに加工パスのパタ
ーンを変化させる必要があった。このため、例えば、図
48の(a)から(g)の例示のように、さまざまな加
工パスパターンを切り替えながら、何度も層の除去加工
を繰返して行う数種類の加工パス(加工プログラム)を
生成する必要があり、加工プログラミングが複雑になる
とともに、データ容量が膨大になるなどの問題があっ
た。
【0039】また、上記加工パスを繰返し加工しても、
加工可能な形状としては側面が垂直な2.5次元のキャ
ビティ形状に限定されており、側面がテーパー面や曲面
を呈するなどの3次元形状を持ったキャビティの加工が
困難であった。
【0040】そして、円柱状電極またはパイプ状電極に
よって加工されたキャビティ形状のインコーナー部分に
おいては、使用した円柱状電極またはパイプ状電極の半
径Rに相当する最小コーナーが形成され、このコーナー
部分の仕上げを行うことが困難であった。即ち、従来の
単純電極による加工は、電極底面部分での有消耗加工を
行うことにより、電極底面形状を定常状態に保ちながら
加工を行うが、荒加工の後に図48に示すように、既存
の自動拡大または寄せ加工(電極側面部分による仕上加
工)を行う際に有消耗条件を用いると、円柱・パイプ電
極では消耗により電極半径の縮小が発生し、また、四角
電極では角部の消耗が発生するため、コーナー部分の形
状精度が著しく悪化するなどの問題があった。
【0041】このため、図49のような側面加工による
コーナー部仕上げを行うためには、低消耗条件に電気加
工条件を切り替える必要がある。しかし、一般に低消耗
条件としては電流パルスのパルス幅を長くするため、コ
ーナー部の面あらさが悪化してしまったり、面あらさを
維持するために加工速度を著しく低下させなければなら
なかった。また、低消耗条件を用いた場合においても、
四角電極では電極角部の消耗により、形状精度が劣化す
るなどの問題が発生していた。
【0042】そこで、この発明は、上記のような従来の
課題を解消するためになされたもので、プログラミング
が容易で端縁部の加工形状精度を向上させるとともに、
3次元形状の側面加工が容易に行え、コーナー部の加工
精度を向上させることのできる放電加工方法及びその装
置の提供を第3の課題とするものである。
【0043】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる放電加
工方法は、XY平面の所定の単位移動距離に対するZ軸
方向の補正を行う補正移動量を記憶し、加工中の軌跡移
動におけるXY平面での移動距離が前記単位移動距離に
到達するごとに前記Z軸方向に所定の補正移動量の送り
を行うものである。
【0044】請求項2にかかる放電加工装置は、XY平
面の所定の単位移動距離に対するZ軸方向の補正を行う
補正移動量を記憶する記憶手段と、加工中の軌跡移動に
おけるXY平面での移動距離が前記単位移動距離に到達
するごとに前記Z軸方向に所定の補正移動量の送りを行
う相対位置制御手段とを具備するものである。
【0045】請求項3にかかる放電加工方法は、XY平
面の所定の単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ
軸方向の補正を行う補正移動量との関係を記憶し、加工
中の軌跡移動におけるXY平面での移動距離が前記単位
移動距離に到達するごとに前記Z軸方向に所定移動量の
送りを行うものである。
【0046】請求項4にかかる放電加工装置は、XY平
面の所定の単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ
軸方向の補正を行う補正移動量との関係を記憶する記憶
手段と、加工中の軌跡移動におけるXY平面での移動距
離が前記単位移動距離に到達するごとに前記Z軸方向に
所定の補正移動量の送りを行う相対位置制御手段とを具
備するものである。
【0047】請求項5にかかる放電加工方法は、XY平
面の特定の単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ
軸方向の補正を行う補正移動量との関係をXY平面の特
定の単位移動距離と角度として記憶し、加工中の軌跡移
動におけるXY平面での移動距離が前記単位移動距離に
到達するごとに前記Z軸方向に所定の補正移動量の送り
を行うものである。
【0048】請求項6にかかる放電加工装置は、XY平
面の所定の単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ
軸方向の補正を行う補正移動量との関係をXY平面の所
定の単位移動距離と角度として記憶する記憶手段と、加
工中の軌跡移動におけるXY平面での移動距離が前記単
位移動距離に到達するごとに前記Z軸方向に単位移動距
離の送りを行う相対位置制御手段とを具備するものであ
る。
【0049】請求項7にかかる放電加工方法は、XY平
面の所定の単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ
軸方向の補正を行う補正移動量との関係、及びZ軸方向
の所定の単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ軸
方向の補正を行う補正移動量との関係を記憶し、前記X
Y平面の単位移動距離と前記Z軸方向の単位移動距離を
基にXY平面の所定の補正された単位移動距離を計算
し、加工中の軌跡移動が前記XY平面の補正され単位移
動距離が前記XY平面の単位移動距離に到達するごとに
前記Z軸方向の所定移動量の送りを行うものである。
【0050】請求項8にかかる放電加工装置は、XY平
面の所定の単位移動距離と前記XY平面の所定の単位移
動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量との関
係、及びZ軸方向の所定の単位移動距離と前記単位移動
距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量との関係
を記憶する記憶手段と、前記XY平面の単位移動距離と
前記Z軸方向の単位移動距離を基にXY平面の所定の補
正された単位移動距離を計算し、加工中の軌跡移動が前
記XY平面の補正された単位移動距離が前記XY平面の
単位移動距離に到達するごとに前記Z軸方向の所定移動
量の送りを行う相対位置制御手段とを具備するものであ
る。
【0051】請求項9にかかる放電加工方法は、XY平
面の所定の単位移動距離と前記XY平面の所定の単位移
動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量との関
係、及びZ軸方向の所定の単位移動距離と前記単位移動
距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量との関係
を記憶し、前記XY平面の単位移動距離と前記Z軸方向
の単位移動距離を基に、加工中の軌跡移動におけるXY
平面での単位移動距離が前記XY平面の単位移動距離に
到達するごとに、及び前記加工中の軌跡移動におけるZ
軸方向の所定の単位移動距離に到達するごとに、前記Z
軸方向の所定移動量の送りを行うものである。
【0052】請求項10にかかる放電加工装置は、XY
平面の所定の単位移動距離と前記XY平面の所定の単位
移動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量との
関係、及びZ軸方向の所定の単位移動距離と前記単位移
動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量との関
係を記憶する記憶手段と、前記XY平面の単位移動距離
と前記Z軸方向の単位移動距離を基に、加工中の軌跡移
動におけるXY平面での単位移動距離が前記XY平面の
単位移動距離に到達するごとに、及び前記加工中の軌跡
移動におけるZ軸方向の所定の単位移動距離に到達する
ごとに、前記Z軸方向の所定移動量の送りを行う相対位
置制御手段とを具備するものである。
【0053】請求項11にかかる放電加工方法は、所望
の三次元形状をZ軸方向にいくつかの層に分割し、前記
層ごとのツールパスのXYデータ、XY軸方向の補正を
行う基準とする補正基準区間及び前記補正基準区間に対
応するZ軸方向の単位移動距離を記憶し、前記Z軸方向
の移動量と前記XY平面でのXY移動距離に対応するZ
軸方向の単位移動距離から決まる加工深さに相当する量
より、前記ツールパスを何回繰返すかを決定し、前記ツ
ールパスの繰返し回数を制御するものである。
【0054】請求項12にかかる放電加工装置は、所望
の三次元形状をZ軸方向にいくつかの層に分割し、前記
層ごとのツールパスの少なくともXYデータ、XY軸方
向の補正を行う基準とする補正基準区間及び前記補正基
準区間に対応するZ軸方向の単位移動距離を記憶する記
憶手段と、前記層の厚さに相当する量と少なくともZ軸
方向の単位移動距離と前記単位移動距離に対応するXY
平面でのXY移動距離に相当する量から決まる加工深さ
に相当する量から前記ツールパスを何回繰返すかを決定
し、前記ツールパスの繰返し回数を制御する回数制御手
段とを具備するものである。
【0055】請求項13にかかる放電加工方法は、所望
の三次元形状をZ軸方向にいくつかの層に分割し、前記
層ごとのツールパスの少なくともXYデータ、XY軸方
向の補正を行う基準とする補正基準区間及び前記補正基
準区間に対応するZ軸方向の単位移動距離を記憶し、前
記層の厚さに相当する量と少なくともZ軸方向の単位移
動距離と前記単位移動距離に対応するXY平面でのXY
移動距離に相当する量から決まる加工深さに相当する量
より前記ツールパスを何回繰返すかを決定し、前記ツー
ルパスの繰返し回数を制御しながら各層ごとに加工を進
めるとともに、前記繰返し数の途中或いは前記繰返し数
の終了後に加工深さを計測し、前記計測値と前記繰返し
数に対して期待される加工深さとを比較し、前記比較値
が許容範囲を越えている場合には、残りの繰返し数、追
加すべき繰返し数、Z軸方向の単位移動距離、Z軸方向
の単位移動距離に対応するXY平面でのXY移動距離に
相当する量、電極消耗量を調節できる電気条件の一つ以
上を変更するものである。
【0056】請求項14にかかる放電加工装置は、所望
の三次元形状をZ軸方向にいくつかの層に分割し、前記
層ごとのツールパスの少なくともXYデータを記憶する
記憶手段と、前記層の厚さに相当する量と少なくともZ
軸方向の単位移動距離と前記単位移動距離に対応するX
Y平面でのXY移動距離に相当する量から決まる加工深
さに相当する量から前記ツールパスを何回繰返すかを決
定し、前記ツールパスの繰返し回数を制御する回数制御
手段と、前記繰返し数の途中或いは前記繰返し数の終了
後に加工深さを計測する計測手段と、前記計測値と前記
繰返し数に対して期待される加工深さとを比較し、前記
比較値が許容範囲を越えている場合には残りの繰返し
数、追加すべき繰返し数、Z軸方向の単位移動距離、Z
軸方向の単位移動距離に対応するXY平面でのXY移動
距離に相当する量、電極消耗を調節できる電気条件の一
つ以上を変更する電気条件制御手段とを具備するもので
ある。
【0057】請求項15にかかる放電加工方法は、所望
の三次元形状をZ軸方向にいくつかの層に分割し、前記
層ごとのツールパスの少なくともXYデータを記憶し、
前記層の厚さに相当する量と少なくともZ軸方向の単位
移動距離と前記単位移動距離に対応するXY平面での移
動距離に相当する量から決まる加工深さに相当する量よ
り前記ツールパスを何回繰り返すかを決定し、前記ツー
ルパスの繰返し回数を制御しながら各層ごとに加工を進
めるとともに、前記繰返し数の途中或いは前記繰返し数
の終了後に加工深さを計測し、前記計測値と前記繰返し
数に対して期待される加工深さとを比較し、前記比較値
が許容範囲を越えている場合には残りの繰返し数、追加
すべき繰返し数、XY方向の単位移動距離、XY方向の
単位移動距離に対応するZ軸方向の送り量、Z軸方向の
単位移動距離、Z軸方向の単位移動距離に対応するXY
平面でのXY移動距離に相当する量、電極消耗量を調節
できる電気条件の一つ以上を変更するものである。
【0058】請求項16にかかる放電加工装置は、所望
の三次元形状をZ軸方向にいくつかの層に分割し、前記
層ごとのツールパスの少なくともXYデータを記憶する
記憶手段と、前記層の厚さに相当する量と少なくともZ
軸方向の単位移動距離と前記単位移動距離に対応するX
Y平面でのXY移動距離に相当する量から決まる加工深
さに相当する量から前記ツールパスを何回繰り返すかを
決定し、前記ツールパスの繰返し回数を制御する回数制
御手段と、前記繰返し数の途中或いは前記繰返し数の終
了後に加工深さを計測する計測手段と、前記計測値と前
記繰返し数に対して期待される加工深さとを比較し、前
記比較値が許容範囲を越えている場合には残りの繰返し
数、追加すべき繰返し数、XY方向の単位移動距離、X
Y方向の単位移動距離に対応するZ軸方向の送り量、Z
軸方向の単位移動距離、Z軸方向の単位移動距離に対応
するXY平面でのXY移動距離に相当する量、電極消耗
量を調節できる電気条件の一つ以上を変更する電気条件
制御手段とを具備するものである。
【0059】請求項17にかかる放電加工方法は、電極
の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平
面の送りと合成するとともに、少なくとも1種類のツー
ルパスの繰返し移動を制御する繰返し制御手段と、加工
液としてイオン交換水を極間に供給する加工液供給手段
と、電極側が負の極性にて高ピーク、短パルスのパルス
電流を極間に供給する加工用電源とを備え、電極消耗率
40%以上の有消耗加工条件により加工を行うものであ
る。
【0060】請求項18にかかる放電加工装置は、電極
の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平
面の送りと合成するとともに、少なくとも1種類のツー
ルパスの繰返し移動を制御する繰返し制御手段と、加工
液としてイオン交換水を極間に供給する加工液供給手段
と、両極性電圧を極間に印加するとともに、電極側が負
の極性での放電発生時にのみ、電極負極性の高ピーク、
短パルスのパルス電流を極間に供給する加工用電源とを
備え、電極消耗率40%以上の有消耗加工条件により加
工を行うものである。
【0061】請求項19にかかる放電加工装置は、請求
項17または請求項18記載の高ピーク、短パルスのパ
ルス電流を極間に供給する加工用電源を、ピーク値10
0A以上、パルス幅20μs以下のパルス電流を用いる
ものである。
【0062】請求項20にかかる放電加工装置は、請求
項2、4、6、8、10、12、14、16、17、1
8乃至請求項19のうちの1つに記載の単純な形状から
なる電極に、黄銅を使用したものである。
【0063】請求項21にかかる放電加工方法は、単純
な形状からなる電極と工作物間に電圧を印加するととも
に、電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送り
を、XY平面の送りと合成してNC制御により三次元制
御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加工方法に
おいて、加工形状における内部形状パスを形成する内部
加工パスと、加工形状における輪郭形状パスを形成する
輪郭加工パスを繰返し移動しながら加工を行うと共に、
前記内部加工パスと輪郭加工パスの繰返し移動の際に
は、Z軸を上昇させて空走するものである。
【0064】請求項22にかかる放電加工装置は、加工
形状における内部形状パスを生成する内部加工パス生成
手段と、加工形状における輪郭形状パスを生成する輪郭
加工パス生成手段を備え、前記内部形状パスと輪郭形状
パスを繰返し移動させながら加工を行うと共に、前記内
部加工パスと輪郭加工パスの繰返し移動の際には、Z軸
を上昇させて空走するものである。
【0065】請求項23にかかる放電加工方法は、加工
形状における輪郭形状パスを順次縮小または内側に変更
しながら繰返し加工することにより、任意角度の側面を
持った加工形状の加工を行うものである。
【0066】請求項24にかかる放電加工方法は、加工
形状における輪郭形状パスを、オフセット情報を有する
プログラムとして記憶するオフセットプログラム記憶手
段と、加工中に変更する複数のオフセット値を記憶する
オフセット値記憶手段とを備え、前記オフセット値を順
次変更しながら繰返し加工することにより任意角度の側
面を持った形状の加工を行うものである。
【0067】請求項25にかかる放電加工装置は、加工
形状における輪郭形状パスを、オフセット情報を有する
プログラムとして記憶するオフセットプログラム記憶手
段と、側面形状の情報を記憶する側面形状記憶手段と、
加工中に変更するオフセット値を前記側面形状の情報に
基づいて計算するオフセット値計算手段とを備え、前記
オフセット値計算手段の計算結果からオフセット値を順
次変更しながら繰返し加工することにより任意角度の側
面を持った形状の加工を行うものである。
【0068】請求項26にかかる放電加工装置は、電極
をその電極回転軸に対して所定の角度に傾斜させた状態
で固定する電極保持手段と、電極消耗量を可変とする加
工用電源を備え、電極を所定の角度に傾斜させた状態で
回転させながら所望形状の加工を輪郭加工することによ
り、一定勾配を持った側面形状を加工形成するものであ
る。
【0069】請求項27にかかる放電加工方法は、円柱
状電極またはパイプ状電極にて半径Rのインコーナー部
分の加工を行った後に、四角状電極の一辺の長さLが、 L≦(1−1/√2)・R となるような四角状電極にて、前記円柱状電極またはパ
イプ状電極で取り残したコーナー部分の仕上げを行うも
のである。
【0070】請求項28にかかる放電加工方法は、円柱
状電極またはパイプ状電極にて半径Rのインコーナー部
分の加工を行った後に、半径R’が、 R’≦(1−1/√2)・R となるような仕上げ加工用の円柱状電極またはパイプ状
電極で前記先の円柱状電極またはパイプ状電極で取り残
したコーナー部分の仕上を行うものである。
【0071】請求項29にかかる放電加工方法は、円柱
状電極またはパイプ状電極にて半径Rのインコーナー部
分の加工を行った後に、液穴部分の一部が前記円柱状電
極またはパイプ状電極で取り残したコーナー部分にかか
るような形状のパイプ状電極で前記円柱状電極またはパ
イプ状電極で取り残したコーナー部分の仕上げを行うも
のである。
【0072】請求項30にかかる放電加工装置は、複数
の電極を交換する電極交換手段と、現在加工している位
置がコーナー部か否かを判別するコーナー部判別手段
と、コーナー部分においては電極の長さ方向消耗量を補
正するZ軸方向の送りをXY平面送りと合成しながら斜
め方向に加工を行い、コーナー部以外の部分においては
XY平面送りのみを行うように制御する相対位置制御手
段を備え、円柱状電極またはパイプ状電極にて加工を行
った後に電極を仕上用電極に交換し、前記相対位置制御
手段の指令に基づいてコーナー部の仕上加工を行うもの
である。
【0073】請求項31にかかる放電加工装置は、請求
30記載の極間制御手段のコーナー部以外の部分の水
平方向移動を、通常の加工送りよりも高速で行うもので
ある。
【0074】請求項32にかかる放電加工装置は、請求
30記載の放電加工装置が、コーナー部以外の部分の
水平方向移動速度の低下を検出する移動速度検出手段
と、前記移動速度検出手段の検出結果からコーナー仕上
げ用電極が荒加工による底面に達したことを判別するコ
ーナー部判別手段を備え、前記コーナー部判別手段によ
り仕上加工の終了時期を判別するものである。
【0075】請求項33にかかる放電加工装置は、請求
30記載の放電加工装置が、加工中の放電頻度の増大
または平均加工電圧の下降を検出する極間検出手段と、
前記極間検出手段の検出結果からコーナー仕上用電極が
荒加工による底面に達したことを判別するコーナー部判
別手段を備え、前記コーナー部判別手段により仕上加工
の終了時期を判別するものである。
【0076】
【作用】請求項1及び請求項2においては、XY平面の
所定の単位移動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正
移動量を記憶し、加工中の軌跡移動におけるXY平面で
の移動距離が前記単位移動距離に到達するごとに前記Z
軸方向に所定の補正移動量の送りを行うようにしたの
で、少ない加工技術データにより電極消耗を補正するこ
とができる。
【0077】請求項3及び請求項4においては、XY平
面の所定の単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ
軸方向の補正を行う補正移動量との関係を記憶し、加工
中の軌跡移動におけるXY平面での移動距離が前記単位
移動距離に到達するごとに前記Z軸方向に所定移動量の
送りを行うようにしたので、少ない加工技術データによ
り電極消耗を補正することができる。
【0078】請求項5及び請求項6においては、XY平
面の特定の単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ
軸方向の補正を行う補正移動量との関係をXY平面の特
定の単位移動距離と角度として記憶し、加工中の軌跡移
動におけるXY平面での移動距離が前記単位移動距離に
到達するごとに前記Z軸方向に所定の補正移動量の送り
を行うようにしたので、少ない加工技術データにより電
極消耗を補正することができる。
【0079】請求項7及び請求項8においては、XY平
面の所定の単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ
軸方向の補正を行う補正移動量との関係、及びZ軸方向
の所定の単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ軸
方向の補正を行う補正移動量との関係を記憶し、前記X
Y平面の単位移動距離と前記Z軸方向の単位移動距離を
基にXY平面の所定の補正された単位移動距離を計算
し、加工中の軌跡移動が前記XY平面の補正された単位
移動距離が前記XY平面の単位移動距離に到達するごと
に前記Z軸方向の所定移動量の送りを行うものであるか
ら、異なる層の厚さに対しても電極消耗補正のための加
工プログラムが簡単になる。
【0080】請求項9及び請求項10においては、XY
平面の所定の単位移動距離と前記単位移動距離に対する
Z軸方向の補正を行う補正移動量との関係、及びZ軸方
向の所定の単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ
軸方向の補正を行う補正移動量との関係を記憶し、前記
XY平面の単位移動距離と前記Z軸方向の単位移動距離
を基に、加工中の軌跡移動におけるXY平面での単位移
動距離が前記XY平面の単位移動距離に到達するごと
に、及び前記加工中の軌跡移動におけるZ軸方向の所定
の単位移動距離に到達するごとに、前記Z軸方向の所定
移動量の送りを行うものであるから、異なる層の厚さに
対しても電極消耗補正のための加工プログラムが簡単に
なる。
【0081】請求項11及び請求項12においては、前
記ツールパスの繰返し回数を制御しながら各層ごとに加
工を進めるとき、前記繰返し数の途中或いは前記繰返し
数の終了後に加工深さを計測して、前記計測値と前記繰
返し数に対して期待される加工深さとを比較することに
より残りの繰返し数、追加すべき繰返し数、Z軸方向の
単位移動距離、Z軸方向単位移動距離に対するXY平面
でのXY移動距離に相当する量、またはそれらを求める
ために利用する量、電極消耗量を調節できる電気条件の
少なくとも一つ以上を変更するようにしたので、加工中
にも加工技術データの修正や追加加工のための加工プロ
グラムの作成が簡単にでき、要求される層の厚さを正確
に除去することができる。
【0082】請求項13及び請求項14においては、層
ごとのツールパスの少なくともXYデータを記憶し、前
記層の厚さに相当する量と少なくともZ軸方向の単位移
動距離と前記単位移動距離に対応するXY平面でのXY
移動距離に相当する量から決まる加工深さに相当する量
より前記ツールパスを何回繰返すかを決定し、前記ツー
ルパスの繰返し回数を制御しながら各層ごとに加工を進
め、前記繰返し数の途中或いは前記繰返し数の終了後に
加工深さを計測し、前記計測値と前記繰返し数に対して
期待される加工深さとを比較し、前記比較値が許容範囲
を越えている場合には、残りの繰返し数、追加すべき繰
返し数、Z軸方向の単位移動距離、Z軸方向の単位移動
距離に対応するXY平面でのXY移動距離に相当する
量、電極消耗量を調節できる電気条件の一つ以上を変更
するようにしたので、層の深さの調整や変更に対しても
電極消耗補正のための加工プログラム作成が簡単にな
り、しかも要求される層の厚さを正確に除去できる。
【0083】請求項15及び請求項16においては、層
ごとのツールパスの少なくともXYデータを記憶し、前
記層の厚さに相当する量と少なくともZ軸方向の単位移
動距離と前記単位移動距離に対応するXY平面での移動
距離に相当する量から決まる加工深さに相当する量より
前記ツールパスを何回繰り返すかを決定し、前記ツール
パスの繰返し回数を制御しながら各層ごとに加工を進め
るとともに、前記繰返し数の途中或いは前記繰返し数の
終了後に加工深さを計測し、前記計測値と前記繰返し数
に対して期待される加工深さとを比較し、前記比較値が
許容範囲を越えている場合には残りの繰返し数、追加す
べき繰返し数、XY方向の単位移動距離、XY方向の単
位移動距離に対応するZ軸方向の送り量、Z軸方向の単
位移動距離、Z軸方向の単位移動距離に対応するXY平
面でのXY移動距離に相当する量、電極消耗量を調節で
きる電気条件の一つ以上を変更するようにしたので、層
の深さの調整や変更に対しても電極消耗補正のための加
工プログラム作成が簡単になり、しかも要求される層の
厚さを正確に除去できる。
【0084】請求項17においては、単純形状の電極の
長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平面
送りと合成し、少なくとも1種類以上のツールパスの繰
返し移動を制御するとともに、加工液としてイオン交換
水を極間に供給し、電極側が負の極性にて高ピーク、短
パルスのパルス電流を極間に供給して電極消耗率が40
%以上の有消耗加工状態により加工を行う。
【0085】請求項18においては、単純形状の電極の
長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平面
送りと合成し、少なくとも1種類以上のツールパスの繰
返し移動を制御するとともに、加工液としてイオン交換
水を極間に供給し、両極性電圧を極間に印加するととも
に、電極側が負の極性での放電発生時においてのみ、電
極負極性の高ピーク、短パルスのパルス電流を極間に供
給して電極消耗率40%以上の有消耗加工条件により加
工を行う。
【0086】請求項19においては、高ピーク、短パル
スのパルス電流波形として、ピーク値100A以上、パ
ルス幅20μs以下のパルス電流により加工を行う。
【0087】請求項20においては、単純形状電極材料
として、黄銅を用いて加工を行う。
【0088】請求項21においては、対向する電極と工
作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消耗量を補正す
るZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成して加工形状
における内部形状パスを形成する内部加工パスと、加工
形状における輪郭形状パスを形成する輪郭加工パスを繰
返し移動し加工を行うと共に、前記内部加工パスと輪郭
加工パスの繰返し移動の際には、Z軸を上昇させて空走
する。
【0089】請求項22においては、加工に先だって加
工形状における内部形状パスと輪郭形状パスを生成し、
対向する電極と工作物間に電圧を印加し、電極の長さ方
向消耗量を補正するZ軸方向の送りをXY平面送りと合
成しながら前記内部形状パスと輪郭形状パスを繰返し移
動し加工を行うと共に、前記内部加工パスと輪郭加工パ
スの繰返し移動の際には、Z軸を上昇させて空走する。
【0090】請求項23においては、対向する電極と工
作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消耗量を補正す
るZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成して加工形状
における輪郭形状パスを順次縮小または内側に変更し繰
返し加工することにより、任意の角度の側面を持った加
工形状の加工を行う。
【0091】請求項24においては、対向する電極と工
作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消耗量を補正す
るZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成して加工形状
における輪郭形状パスのオフセット値を順次変更し、繰
返し加工することにより任意角度の側面を持った形状の
加工を行う。
【0092】請求項25においては、対向する電極と工
作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消耗量を補正す
るZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成して加工中に
変更するオフセット値を側面形状情報に基づいて計算
し、オフセット値を順次変更し、繰返し加工することに
より任意角度の側面を持った形状の加工を行う。
【0093】請求項26においては、電極を電極回転軸
に対して所定の角度に傾斜させた状態で回転させながら
工作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消耗量を補正
するZ軸方向の送りをXY平面送りと合成して所望形状
の加工を輪郭加工することにより、一定勾配を持った側
面形状を加工形成する。
【0094】請求項27においては、対向する電極と工
作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消耗量を補正す
るZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成しながら半径
Rの円柱状電極またはパイプ状電極にて加工を行った後
に、その四角状電極の一辺の長さLが、L≦(1−1/
√2)・Rとなるような四角状電極にて、前記円柱状電
極またはパイプ状電極で取り残したコーナー部分の仕上
げを行う。
【0095】請求項28においては、対向する電極と工
作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消耗量を補正す
るZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成しながら半径
Rの先の円柱状電極またはパイプ状電極にて加工を行っ
た後に、半径R’が、R’≦(1−1/√2)・Rとな
るような後の円柱状電極にて、前記第1の円柱状電極ま
たはパイプ状電極で取り残したコーナー部分の仕上げを
行う。
【0096】請求項29においては、対向する電極と工
作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消耗量を補正す
るZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成しながら半径
Rの先の円柱状電極またはパイプ状電極にて加工を行っ
た後に、液穴部分の一部が前記先の円柱状電極で取り残
したコーナー部分にかかるような形状のパイプ状電極に
て、前記先の円柱状電極で取り残したコーナー部分の仕
上げを行う。
【0097】請求項30にかかる放加工装置は、対向す
る電極と工作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消耗
量を補正するZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成し
ながら円柱状電極またはパイプ状電極にて加工を行った
後に電極を仕上げ用電極に交換し、現在加工している位
置がコーナー部か否かにより、コーナー部分においては
電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、X
Y平面送りと合成しながら斜め方向に加工を行い、コー
ナー部以外の部分においてはXY平面送りのみを行うこ
とによりコーナー部の仕上げ加工を行う。
【0098】請求項31においては、前記請求項30
載のコーナー部以外の部分の水平方向移動を、通常の加
工送りよりも高速で行う。
【0099】請求項32においては、前記請求項30
載のコーナー部以外の部分の水平方向移動速度の低下か
らコーナー仕上げ用電極が荒加工による底面に達したこ
とを判別し、仕上げ加工の終了時期を判定する。
【0100】請求項33においては、請求項30記載の
加工中の放電頻度の増大または平均加工電圧の下降を検
出することにより、コーナー仕上げ用電極が荒加工によ
る底面に達したことを判別し、仕上げ加工の終了時期を
判定する。
【0101】
【実施例】以下、本発明の放電加工方法及びその装置の
実施例について説明する。
【0102】実施例1. 図1は本発明の第一実施例における電極消耗補正方法の
原理を説明する電極消耗補正処理の機能説明図、図2の
(a)及び(b)は本発明の第一実施例における電極消
耗補正方法を実行する電極消耗補正処理のフローチャー
トである。なお、本発明の第一実施例における電極消耗
補正方法を実施する基本的構成は、図42の構成図と同
じであるのでその説明を省略する。また、従来と同様に
説明をわかり易くするために、図には加工したい三次元
加工形状が与えられてから電極消耗補正を施したNCデ
ータを得るまでの処理を示したものである。
【0103】処理12cにおいて加工したい所望の三次
元加工形状を与え、処理13cにおいて前記三次元加工
形状をいくつかの層状に分割する。この分割は従来例の
ものとほぼ同様に行われ、同様の意味を持つものであ
る。そこで、処理13cにおいて分割されたそれぞれの
層に対して一点鎖線で囲まれた一連の処理14cが適用
される。いま、分割されたある一つの層の厚さをEとす
る。処理15cにおいてXY平面での電極の経路、即
ち、ツールパスを生成し、前記ツールパスに対して処理
19c、処理20cの一連の処理により電極消耗補正し
ながらXY平面での加工を行う。
【0104】従来の電極消耗補正とは異なり、処理19
cに示す電極消耗補正では、加工中のXY平面での軌跡
移動距離(X−Y移動距離)Lが、加工技術データ18
cより与えられるZ軸方向の補正を行う基準となる単位
移動距離ΔLに達するごとに、加工技術データ18cよ
り与えられる補正移動量ΔZu のZ軸送りを行う。これ
によりZ軸方向の補正移動量ΔZu と補正移動量ΔZu
に対するXY平面でのXY移動距離に相当する量、即
ち、単位移動距離ΔLから決まる一定の加工深さ、言い
換えると、電極消耗量と電極送り量が釣り合う加工深さ
の層を除去することができる。
【0105】このときのZ軸送り補正移動量ΔZu は、 L=i・ΔL (i=1,2,3,…) Z=Z+ΔZu 但し、ΔZu :補正移動量 ΔL:単位移動距離 L:軌跡移動距離 このように、Z軸送り補正した加工プログラムは処理2
0cにおいて実行される。
【0106】ここで、処理19cに示した電極消耗補正
に必要なパラメータは、少なくとも処理17cにおいて
与えられる電極の形状や材質、工作物の材質、電気条件
などに対応して予め加工技術データ18cに記憶してお
く必要がある。なお、図1にはZ軸方向の補正移動量Δ
Zu を加工技術データ18cより与える場合を示した
が、Z軸駆動手段7やNC制御手段10の最小位置指令
単位と同じに選んでもよく、この場合にはZ軸方向の補
正移動量ΔZu を加工技術データ18cとして持つ必要
はない。また、Z軸方向の補正移動量ΔZu と単位移動
距離ΔLから決まる加工深さ、即ち、一回の加工パス走
査による加工深さは加工したい層の厚さと一致する必要
はなく、前記層の厚さ以下となるようなZ軸方向の補正
移動量ΔZu に対するXY平面でのXY移動距離に相当
する量を加工技術データ18cとして記憶してもよい。
何れにしても、本発明を実施する場合においては、少な
くともZ軸方向の補正移動量ΔZu と前記Z軸方向の補
正移動量ΔZu に対するXY平面でのX−Y移動距離と
なる軌跡移動距離Lに相当する量とを記憶するだけでよ
く、従来例より少ない加工技術データ18cにより電極
消耗を補正することができる。
【0107】次に、図2の実施例の電極消耗補正処理の
フローチャートを用いて、これをNC制御手段10のプ
ログラム処理する場合について説明する。
【0108】ステップS1で電気加工条件及び加工形状
などの加工条件を入力する。即ち、少なくとも電極の形
状や材質、工作物の材質、電気条件などを入力し、それ
に対応する加工技術データを呼出しておく。ステップS
2で加工したい所望の三次元加工形状に従って、その三
次元加工形状をいくつかの層状に分割する。即ち、層状
に加工形状データを分割し、各層Sk (X,Y,H)と
する。但し、Hは深さであり、また、k=1,2,3・
・・の整数である。そして、ステップS3で、分割され
た層について、XY平面での電極の経路、即ち、ツール
パスPj (X,Y)を生成し、それを格納する。但し、
j=1,2,3・・・の整数である。ステップS4で加
工技術データより与えられる特定の単位単位移動距離Δ
Lと、その単位移動距離ΔLに達するごとに加工技術デ
ータより与えられる補正移動量ΔZu のZ軸送りを行う
Z軸方向の補正移動量ΔZu とを選択決定する。そし
て、ステップS5で加工を開始し、ステップS6でツー
ルパスPj の処理数(j=1,2,3・・・)を記録す
るメモリjに「1」をセット(j=1)し、ステップS
7でZ軸方向の初期位置、即ち、Z=Zo をセットす
る。但し、Zo は初期位置である。ステップS8でツー
ルパスPj (j=1,2,3・・・)の加工を行うルー
チンをコールし、ステップS9でツールパスPj の最大
値ツールパスPmまでの加工を行ったかをメモリj=m
であるかで判定し、そうでないとき、ステップS10で
メモリjの値をインクリメントし、ステップS8乃至ス
テップS9のルーチンを繰返し実行する。
【0109】ステップS8でツールパスPj (j=1,
2,3・・・)の加工ルーチンがコールされると、ステ
ップS11でツールパスPj のXY平面の指令値を出力
し、ステップS12でXY平面でのXY移動距離LをL
=i・ΔLとして求め、ステップS13でXY移動距離
Lだけ移動したか判定し、ステップS12で求めたXY
移動距離Lを移動したとき、ステップS14でZ軸送り
補正を行うべく、Z軸送り量Z=Z+ΔZu を演算し、
ステップS15でツールパスPj の終点を判定し、終点
となるまで、ステップS12乃至ステップS15のルー
チンの処理を継続する。
【0110】このように、本実施例の放電加工装置は、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平面の送りと
合成してNC制御により三次元制御を行い、所望の三次
元形状を加工する放電加工装置において、XY平面の所
定の単位移動距離ΔLに対するZ軸方向の補正を行う補
正移動量ΔZu を記憶するステップS4からなる記憶手
段と、加工中の軌跡移動におけるXY平面での移動距離
Lが前記単位移動距離ΔLに到達するごとに前記Z軸方
向に所定の補正移動量ΔZu の送りを行うステップS1
4からなる相対位置制御手段とを具備するものであり、
これは請求項に対応する実施例に相当する。
【0111】これによって、電極の消耗量が大きくて
も、加工中のXY平面での軌跡移動距離Lが、Z軸方向
の補正を行う基準となる単位移動距離ΔLに達するごと
に、補正移動量ΔZu のZ軸送りを行うものであるか
ら、Z軸方向の補正移動量ΔZuと補正移動量ΔZu に
対するXY平面でのXY移動距離に相当する量、即ち、
単位移動距離ΔLから決まる一定の加工深さ、言い換え
ると、電極消耗量と電極送り量が釣り合う加工深さの層
を除去することができ、電極消耗補正に必要な人為的に
入力する加工技術データを少なくし、より簡単な方法で
電極消耗補正を実現することができる。また、電極の消
耗量が大きくても加工精度を良くすることができる。故
に、単純形状電極を用いた3次元加工において、電極の
消耗量に依存されることなく、従来にない高い加工速度
と加工精度が得られる。
【0112】更に、従来例のようにZ軸補正成分をNC
プログラムのZ軸送り指令として組み込む必要がないた
め、NCプログラムが極めて容易、かつ、プログラム容
量が大幅に削減することができる。また、加工中におけ
る補正量の変更も容易である。
【0113】また、本実施例は、単純な形状からなる電
極1と工作物2間に電圧を印加するとともに、電極1の
長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY軸方
向で形成されるXY平面の送りと合成してNC制御によ
り三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電
加工方法において、XY平面の所定の単位移動距離ΔL
に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量ΔZu をステ
ップS4で記憶し、ステップS13及びステップS14
で判定されるように、加工中の軌跡移動におけるXY平
面での移動距離Lが前記単位移動距離ΔLに到達するご
とに前記Z軸方向に所定の補正移動量ΔZu の送りを行
うものであり、これは請求項に対応する実施例の放電加
工方法に相当し、上記請求項と同一の効果を奏する。
【0114】ところで、本実施例においては、XY平面
の所定の単位移動距離ΔLに対するZ軸方向の補正を行
う補正移動量ΔZu をステップS4で記憶するものであ
るが、本発明を実施する場合には、XY平面の所定の単
位移動距離ΔLとZ軸方向の補正を行う補正移動量ΔZ
u との関係を設定しておくことによっても実施できる。
【0115】即ち、この種の実施例の放電加工装置は、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平面の送りと
合成してNC制御により三次元制御を行い、所望の三次
元形状を加工する放電加工装置において、XY平面の所
定の単位移動距離ΔLとその単位移動距離ΔLに対する
Z軸方向の補正を行う補正移動量ΔZu の関係を記憶す
る、例えば、ステップS4からなる記憶手段と、加工中
の軌跡移動におけるXY平面での移動距離Lが前記単位
移動距離ΔLに到達するごとに前記Z軸方向に所定の補
正移動量ΔZu の送りを行う、例えば、ステップS14
からなる相対位置制御手段とを具備するものであり、こ
れは請求項に対応する実施例に相当し、上記効果を奏す
る。
【0116】また、この種の実施例は、単純な形状から
なる電極1と工作物2間に電圧を印加するとともに、電
極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、X
Y軸方向で形成されるXY平面の送りと合成してNC制
御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工す
る放電加工方法において、XY平面の所定の単位移動距
離ΔLと前記単位移動距離ΔLに対するZ軸方向の補正
を行う補正移動量ΔZu との関係を、例えば、ステップ
S4で記憶し、そして、例えば、ステップS13及びス
テップS14で判定されるように、加工中の軌跡移動に
おけるXY平面での移動距離Lが前記単位移動距離ΔL
に到達するごとに前記Z軸方向に所定移動量の送りを行
うものとすることができ、これは請求項に対応する実施
例の放電加工方法に相当し、上記請求項と同一の効果を
奏する。
【0117】上記各実施例においては、XY平面の所定
の単位移動距離ΔLとZ軸方向の補正を行う補正移動量
ΔZu との関係を設定しておくものであるが、XY平面
の所定の単位移動距離ΔLとZ軸方向の補正を行う補正
移動量ΔZu との関係を所定の角度αはα= tan-1ΔZ
u/ΔL として表現することができ、ΔZu/ΔLの大きさのう
ち、一方、例えば、単位移動距離ΔZu がその装置の分
解精度に依存することになる可能性が大きいから、装置
の操作を行う経験者等は所定の単位移動距離ΔLまたは
角度αを入力することにより、前記Z軸方向に所定移動
量の送りの補正の程度を捕え易くなる。
【0118】即ち、この種の実施例の放電加工装置は、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平面の送りと
合成してNC制御により三次元制御を行い、所望の三次
元形状を加工する放電加工装置において、XY平面の所
定の単位移動距離ΔLとその単位移動距離ΔLに対する
Z軸方向の補正を行う補正移動量ΔZu の関係を、単位
移動距離ΔLと角度αとの関係として、例えば、ステッ
プS4で記憶する記憶手段と、加工中の軌跡移動におけ
るXY平面での移動距離Lが前記単位移動距離ΔLに到
達するごとに前記Z軸方向に所定の補正移動量ΔZu の
送りを行う、例えば、ステップS14からなる相対位置
制御手段とを具備する実施例として構成でき、これは請
求項に対応する実施例に相当し、上記効果を奏する。
【0119】また、この種の実施例は、単純な形状から
なる電極1と工作物2間に電圧を印加するとともに、電
極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、X
Y軸方向で形成されるXY平面の送りと合成してNC制
御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工す
る放電加工方法において、XY平面の所定の単位移動距
離ΔLと前記単位移動距離ΔLに対するZ軸方向の補正
を行う補正移動量ΔZu との関係を、単位移動距離ΔL
と角度αとの関係として、例えば、ステップS4で記憶
し、例えば、ステップS13及びステップS14で判定
されるように、加工中の軌跡移動におけるXY平面での
移動距離Lが前記単位移動距離ΔLに到達するごとに前
記Z軸方向に所定移動量の送りを行う実施例として構成
でき、これは請求項に対応する実施例の放電加工方法に
相当し、上記請求項と同一の効果を奏する。
【0120】なお、本発明の第一実施例における電極消
耗補正について説明したが、図1に示すそれぞれの処理
をNC制御手段10の中にプログラムとして実施しても
よいし、或いはそれぞれの処理手段を構成してもよい。
【0121】実施例2. 図3は本発明の第二実施例における電極消耗補正方法の
原理を説明する電極消耗補正処理の説明図、図4は本発
明の第二実施例における電極消耗補正方法を実行する電
極消耗補正処理のフローチャートである。なお、本実施
例における電極消耗補正方法を実施する基本的構成は、
図42の構成図と同じであるのでその説明を省略する。
【0122】本実施例においては、処理19dに示す電
極消耗補正、及び加工技術データ18dに示す処理及び
加工技術データを除いた残りの処理12d,13d,1
4d,15d,16d,17d,20dは、前述した第
一実施例とほぼ同一であるのでその説明を省略し、本実
施例の電極消耗補正19dと加工技術データ18dにつ
いて詳しく説明する。
【0123】処理19dにおいては、加工技術データ1
8dより与えられるXY方向の単位移動距離ΔL移動す
る毎にZ軸方向の補正移動量ΔZu と、Z軸方向の補正
移動量ΔZに対するXY平面でのXY移動距離に相当す
る量、即ち、単位移動距離ΔLu によって単位移動距離
ΔLを補正し、その補正した補正単位移動距離をもって
XY方向の単位移動距離ΔLとする。加工中の軌跡移動
におけるXY平面での軌跡移動距離Lが前記計算量の補
正された単位移動距離ΔLに達するごとにZ軸方向の補
正移動量ΔZu の送りを行う。
【0124】これにより、Z軸方向の単位移動距離ΔZ
とXY方向の単位移動距離ΔLから決まる一定の加工深
さ、言い換えると、電極消耗量と電極送り量が釣り合う
加工深さの層を除去することができる。ここで、処理1
9dに示した電極消耗補正に必要なパラメータは、少な
くとも、処理17dにおいて与えられる電極の形状や材
質、工作物の材質、電気条件などに対応して予め加工技
術データ18dに記憶しておく必要がある。
【0125】なお、図3においては、Z軸方向の補正移
動量ΔZu とXY方向の補正移動量ΔLu を加工技術デ
ータ18dより与える場合を示したが、X軸駆動手段
5、Y軸駆動手段6、Z軸駆動手段7やNC制御手段1
0の最小位置指令単位と同じにし、両者を同一値として
選択してもよい。当然、この場合はZ軸方向の補正移動
量ΔZu やXY方向の補正移動量ΔLu を加工技術デー
タ18dとして持つ必要はない。また、Z軸方向の補正
移動量ΔZu と単位移動距離ΔLから決まる加工深さ、
即ち、一回の加工パス操作による加工深さは、加工した
い層の厚さと一致する必要はなく、前記層の厚さ以下と
なるようなXY方向の補正移動量ΔLu に対するZ軸方
向の送り量を加工技術データ18dとして記憶してもよ
い。いずれにしても、この発明を実施する場合には、少
なくともZ軸方向の送りの単位移動距離ΔZ、Z軸方向
の補正移動量ΔZu 、XY方向の単位移動距離ΔLに対
するZ軸方向の送り量とを記憶するだけでよく、従来例
より少ない加工技術データにより電極消耗を正確に補正
することができる。
【0126】次に、図4の実施例の電極消耗補正処理の
フローチャートを用いて、これをNC制御手段10のプ
ログラム処理する場合について説明する。
【0127】ステップS1aで電気加工条件及び加工形
状などの加工条件を入力する。即ち、少なくとも電極の
形状や材質、工作物の材質、電気条件などを入力し、そ
れに対応する加工技術データを呼出しておく。ステップ
S2aで加工したい所望の三次元加工形状に従って、そ
の三次元加工形状をいくつかの層状に分割する。即ち、
層状に加工形状データを分割し、各層Sk (X,Y,
H)とする。そして、ステップS3aで分割された層に
ついて、XY平面での電極の経路、即ち、ツールパスP
j (X,Y)を生成し、それを格納する。ステップS4
aで加工技術データより与えられるZ軸方向の送りの単
位移動距離ΔZ、Z軸方向の補正移動量ΔZu 、XY方
向の補正移動量ΔLu を決定する。ステップS5aで、
加工技術データから選択したZ軸方向の単位移動距離Δ
Z、Z軸方向の補正移動量ΔZu 、及びXY方向の補正
移動量ΔLu を基に、前記Z軸方向の補正移動量ΔZu
に対するXY平面でのXY移動距離Lに相当する量、即
ち、補正した単位移動距離ΔLを計算する。単位移動距
離ΔLは、ΔL/ΔLu =ΔZu /ΔZから ΔL=ΔLu ・ΔZu /ΔZ として求められる。
【0128】ステップS6aで、放電加工を開始し、ス
テップS7aでツールパスの処理数を記録するメモリj
に「1」をセット(j=1)し、ステップS8aでZ軸
方向の初期位置、即ち、Z=Zo をセットする。但し、
Zo は初期位置である。ステップS9aでツールパスP
j の加工を行うルーチンをコールし、ステップS10a
でツールパスPj の最大値ツールパスPm までの加工を
行ったかをメモリj=mであるかで判定し、そうでない
とき、ステップS11aでメモリjの値をインクリメン
トし、ステップS9a乃至ステップS11aのルーチン
を繰返し実行する。
【0129】ステップS9aでツールパスPj の加工ル
ーチンがコールされると、ステップS12aでツールパ
スPj のXY平面の指令値を出力し、ステップS13a
でXY平面でのXY移動距離LをL=i・ΔLとして求
め、ステップS14aでXY移動距離Lだけ移動したか
判定し、ステップS13aで求めたXY移動距離Lを移
動したとき、ステップS15aでZ軸送り補正を行うべ
く、Z軸送り量Z=Z+ΔZu を演算し、ステップS1
6aでツールパスPj の終点を判定し、終点となるま
で、ステップS13a乃至ステップS16aのルーチン
の処理を継続する。
【0130】このように、本実施例の放電加工装置は、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平面の送りと
合成してNC制御により三次元制御を行い、所望の三次
元形状を加工する放電加工装置において、加工技術デー
タから選択したXY平面の所定の単位移動距離ΔLと前
記単位移動距離ΔLに対するZ軸方向の補正を行う補正
移動量ΔZu との関係、及びZ軸方向の所定の単位移動
距離ΔZと前記XY平面の所定の補正を行う補正移動量
ΔLu との関係を記憶するステップS4aからなる記憶
手段と、ステップS5aでZ軸方向の単位移動距離ΔZ
を基にXY平面の補正移動量ΔLu で補正した前記XY
平面の単位移動距離ΔLを計算し、加工中の軌跡移動L
におけるXY平面での補正移動量ΔLu の影響を補正し
た前記XY平面の単位移動距離ΔLに到達するごとに前
記Z軸方向の所定移動量ΔZu の送りを行うステップS
14a及びステップS15aからなる相対位置制御手段
とを具備するものであり、これは請求項に対応する実施
例に相当する。
【0131】これによって、電極の消耗量が大きくて
も、加工中のXY平面での軌跡移動距離Lが、Z軸方向
の単位移動距離ΔZ、Z軸方向の補正移動量ΔZu 及び
Z軸方向の単位移動距離ΔZに対するXY平面の補正移
動量ΔLu を基に補正した単位移動距離ΔLに達するご
とに、補正移動量ΔZu のZ軸送りを行うものであるか
ら、Z軸方向の補正移動量ΔZu とZ軸方向の単位移動
距離ΔZに対するXY平面でのXY移動距離に相当する
量、即ち、単位移動距離ΔLから決まる一定の加工深
さ、言い換えると、電極消耗量と電極送り量が釣り合う
加工深さの層を除去することができ、電極消耗補正に必
要な人為的に入力する加工技術データを少なくし、より
簡単な方法で電極消耗補正を実現することができる。ま
た、電極の消耗量が大きくても加工精度を良くすること
ができる。
【0132】また、本実施例は、単純な形状からなる電
極1と工作物2間に電圧を印加するとともに、電極1の
長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY軸方
向で形成されるXY平面の送りと合成してNC制御によ
り三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電
加工方法において、ステップS4a及びステップS5a
で加工技術データから選択した前記単位移動距離ΔLに
対するZ軸方向の補正を行う補正移動量ΔZu との関
係、及びZ軸方向の所定の単位移動距離ΔZによってX
Y平面の所定の単位移動距離ΔLの補正を行う補正移動
量ΔLu との関係を記憶し、前記Z軸方向の補正移動量
ΔZu に対するXY平面での単位移動距離ΔLの補正量
を計算し、ステップS13及びステップS14で判定さ
れるように、加工中の軌跡移動におけるXY平面での移
動距離が前記計算量に達するごとにZ軸方向に前記Z軸
方向の補正移動量ΔZu の送りを行うものである。故
に、前記請求項に対応する実施例に相当する作用効果と
なる。
【0133】ところで、この実施例においては、単位移
動距離ΔLに対するZ軸方向の補正を行う補正移動量Δ
Zu 及びZ軸方向の所定の単位移動距離ΔZに対するX
Y平面の所定の単位移動距離ΔLの補正を行う補正移動
量ΔLu との関係によってXY平面での単位移動距離Δ
Lの補正量を計算している。しかし、本発明を実施する
場合には、XY平面の単位移動距離ΔLとZ軸方向の単
位移動距離ΔZを基に、加工中の軌跡移動がXY平面の
単位移動距離ΔLに到達するごとに、及び前記加工中の
軌跡移動がZ軸方向の単位移動距離ΔZに到達するごと
に、前記Z軸方向の単位移動量ΔZu の送りを行うこと
もできる。
【0134】即ち、この種の実施例は、単純な形状から
なる電極1と工作物2間に電圧を印加するとともに、電
極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、X
Y軸方向で形成されるXY平面の送りと合成してNC制
御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工す
る放電加工装置において、加工技術データから選択した
XY平面の所定の単位移動距離ΔLと前記単位移動距離
ΔLに対するZ軸方向の補正を行う補正移動量ΔZu と
の関係、及びZ軸方向の所定の単位移動距離ΔZと前記
単位移動距離ΔZに対するZ軸方向の補正を行う補正移
動量ΔZu との関係を記憶する、例えば、図4のルーチ
ンのステップS4aからなる記憶手段と、XY平面の単
位移動距離ΔLとZ軸方向の単位移動距離ΔZを基に、
加工中の軌跡移動がXY平面の単位移動距離ΔLに到達
するごとに、及び前記加工中の軌跡移動がZ軸方向の単
位移動距離ΔZに到達するごとに、前記Z軸方向の補正
移動量ΔZu の送りを行う、例えば、図4のルーチンの
ステップS14a及びステップS15aからなる相対位
置制御手段とを具備する構成として実施でき、これは請
求項に対応する実施例に相当する。
【0135】また、方法の概念からみれば、単純な形状
からなる電極1と工作物2間に電圧を印加するととも
に、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送り
を、XY軸方向で形成されるXY平面の送りと合成して
NC制御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を
加工する放電加工方法において、例えば、図4のルーチ
ンのステップS4aで加工技術データから選択したXY
平面の所定の単位移動距離ΔLと前記単位移動距離ΔL
に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量ΔZuとの関
係、及びZ軸方向の所定の単位移動距離ΔZと前記単位
移動距離ΔZに対するZ軸方向の補正を行う補正移動量
ΔZu との関係を記憶し、例えば、図4のルーチンのス
テップS14a及びステップS15aでXY平面の単位
移動距離ΔLとZ軸方向の単位移動距離ΔZを基に、加
工中の軌跡移動がXY平面の単位移動距離ΔLに到達す
るごとに、及び前記加工中の軌跡移動がZ軸方向の単位
移動距離ΔZに到達するごとに、前記Z軸方向の補正移
動量ΔZu の送りを行う構成として実施でき、これは請
求項に対応する実施例に相当する。
【0136】この種の実施例においては、XY平面の単
位移動距離ΔLとZ軸方向の単位移動距離ΔZを基に、
加工中の軌跡移動がXY平面の単位移動距離ΔLに到達
するごとに、及び前記加工中の軌跡移動がZ軸方向の単
位移動距離ΔZに到達するごとに、前記Z軸方向の補正
移動量ΔZu の送りを行うものであるから、XY平面の
単位移動距離ΔLまたはZ軸方向の単位移動距離ΔZの
みの軌跡移動があったとき、特に、初期にZ軸方向のみ
の穴上げ加工を行った場合にも、電極消耗に対する補償
が行われる。
【0137】実施例3. 図5は本発明の第三実施例における電極消耗補正方法の
原理を説明する電極消耗補正処理の説明図、図6(a)
及び(b)は本発明の第三実施例における電極消耗補正
方法を実行する電極消耗補正処理のフローチャートであ
る。なお、本実施例における電極消耗補正方法を実施す
る基本的構成は、図42の構成図と同じであるのでその
説明を省略する。また、図中、処理15c、処理17
c、処理18c、処理19c、処理20cは、第一実施
例に示したものと同一であるので、その説明を省略す
る。
【0138】図において、処理21は処理15cで生成
されたツールパスを記憶し、処理22は前記ツールパス
を何回繰り返すかを決定し、前記繰返し回数を制御す
る。前述の第一実施例でも述べたように、本実施例にお
いても、加工したい層を一回の加工パス操作で加工する
必要はない。まず、処理21で加工したい層のツールパ
スを記憶する。一方、処理22で前記加工したい層の厚
さに相当する量と少くともXY平面での単位移動距離Δ
Lに対応するZ軸方向の補正移動量ΔZu と、前記単位
移動距離ΔZに対するXY平面での補正移動量ΔLu よ
り、前記記憶されたツールパスを何回繰り返すかを決定
する。そして、処理22は前記記憶されたツールパスの
再生命令を処理21に出して繰返し回数を制御する。即
ち、処理22で決定された繰返し回数だけ点線で囲まれ
た部分の処理が実行される。
【0139】ところで、実際の加工での電極消耗率は加
工時の加工液温度や加工間隙の加工くず量などにより変
化するため、要求される層の厚さと加工技術データ18
cから加工に先立って解析的に電極消耗補正を施した加
工プログラムでは、正確に前記要求される層の厚さを除
去できない場合も発生する。このような場合、従来例で
は加工深さを補正するための新たな電極消耗補正を施し
た加工プログラムを作成する必要があった。また、二次
元形状が同じでも加工深さが変更される場合にも同様に
新たな電極消耗補正を施した加工プログラムを作成する
必要があった。しかしながら、本発明の実施例によれ
ば、繰返し回数を変更するだけで加工深さの調整や変更
を容易に行うことが可能である。
【0140】次に、図6の実施例の電極消耗補正処理の
フローチャートを用いて、これをNC制御手段10のプ
ログラム処理する場合について説明する。
【0141】ステップS1bで電気加工条件及び加工形
状などの加工条件を入力する。即ち、少なくとも電極の
形状や材質、工作物の材質、電気条件などを入力し、そ
れに対応する加工技術データを呼出しておく。ステップ
S2bで加工したい所望の三次元加工形状に従って、そ
の三次元加工形状をいくつかの層状に分割する。即ち、
層状に加工形状データを分割し、各層Sk (X,Y,
H)とする。そして、ステップS3bで分割された層に
ついて、XY平面での電極の経路、即ち、ツールパスP
j (X,Y)を生成し、それを格納する。ステップS4
bで加工技術データより与えられる特定の補正基準距離
ΔLと、その補正基準距離ΔLに達するごとに加工技術
データより与えられる補正移動量ΔZu のZ軸送りを行
うZ軸方向の補正移動量ΔZu を決定する。
【0142】また、ステップS5bで加工技術データ及
び加工形状データから1つのツールパスの繰返し回数N
r(j)を決定する。ステップS6bで、放電加工を開始
し、ステップS7bでツールパスの処理数を記録するメ
モリjに「1」をセット(j=1)し、ステップS8b
でZ軸方向の位置、即ち、位置Zに初期位置Zo をセッ
トする。
【0143】ステップS9bでXY移動距離Lが特定の
補正基準距離ΔLの何倍であるかを現わす変数iに
「1」をセットし、ステップS10bで現在加工中のツ
ールパスの繰返し回数Nr(j)以下であるか判定し、現在
加工中のツールパスの繰返し回数Nr(j)以下と判定され
たとき、ステップS11bでツールパスPj の加工を行
うルーチンをコールし、ステップS12bでメモリiの
値をインクリメントし、ステップS10b乃至ステップ
S12bにより繰返し、それを実行し、ステップS10
bで現在加工中のツールパスの繰返し回数Nr(j)以下で
ないと判定されたとき、ステップS13bでツールパス
Pj の最大値ツールパスPm までの加工を行ったかをメ
モリj=mであるかで判定し、そうでないとき、ステッ
プS14bでメモリjの値をインクリメントし、ステッ
プS10b乃至ステップS13bのルーチンを繰返し実
行する。
【0144】ステップS15bでツールパスPj の加工
ルーチンがコールされると、ステップS16bでツール
パスPj のXY平面の指令値を出力し、ステップS17
bでXY平面でのXY移動距離LをL=i・ΔLとして
求め、ステップS14bでXY移動距離Lだけ移動した
か判定し、ステップS18bで求めたXY移動距離Lを
移動したとき、ステップS18bでZ軸送り補正を行う
べく、Z軸送り量Z=Z+ΔZu を演算し、ステップS
19bでツールパスPj の終点を判定し、終点となるま
で、ステップS15b乃至ステップS19bのルーチン
の処理を継続する。
【0145】このように、本実施例の放電加工装置は、
所望の三次元形状をZ軸方向にいくつかの層に分割し、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY平面の送りと合成しながら前記分割し
た層ごとに加工を進め、NC制御により三次元制御を行
い、所望の三次元形状を加工する放電加工装置におい
て、各層ごとのツールパスのXYデータを、また、前記
層ごとのツールパスの少なくとも加工技術データより与
えられる特定のXY平面での単位移動距離ΔLに対応す
るZ軸方向の補正移動量ΔZu を決定するステップS3
a及びステップS4bからなる記憶手段と、前記層の厚
さに相当する量と少なくともZ軸方向の補正移動量ΔZ
u と前記補正移動量ΔZu に対応するXY平面でのXY
移動距離Lに相当する量から決まる加工深さに相当する
量から前記ツールパスを何回繰返すかを決定し、前記ツ
ールパスの繰返し回数を制御するステップS5b、ステ
ップS9b乃至ステップS12bからなる回数制御手段
とを具備するものである。
【0146】また、本実施例の放電加工方法は、所望の
三次元形状をZ軸方向にいくつかの層に分割し、単純な
形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加するとと
もに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送
りを、XY平面の送りと合成しながら前記分割した層ご
とに加工を進め、NC制御により三次元制御を行い、所
望の三次元形状を加工する放電加工方法において、ステ
ップS3bで各層ごとのツールパスのXYデータを、ま
た、加工技術データより与えられる特定の単位移動距離
ΔLとZ軸送りを行うZ軸方向の補正移動量ΔZu を記
憶し、前記層の厚さに相当する量と少なくともZ軸方向
の補正移動量ΔZu と、前記補正移動量ΔZu に対応す
るXY平面でのXY移動距離Lに相当する量から決まる
加工深さに相当する量より、前記ツールパスを何回繰返
すかをステップS5bで決定し、ステップS9b乃至ス
テップS12bで前記ツールパスの繰返し回数を制御す
るものである。
【0147】これによって、電極の消耗量が大きくて
も、加工中のXY平面での軌跡移動距離Lが、Z軸方向
の補正を行う基準となる補正基準区間ΔLに達するごと
に、補正移動量ΔZu のZ軸送りを行うものであるか
ら、Z軸方向の補正移動量ΔZuと補正移動量ΔZu に
対するXY平面でのXY移動距離に相当する量、即ち、
補正基準区間ΔLから決まる一定の加工深さ、言い換え
ると、電極消耗量と電極送り量が釣り合う加工深さの層
を除去することができ、それによって、前記ツールパス
を何回繰返すかを算出できる。また、電極の消耗量が大
きくても加工精度を良くすることができる。故に、単純
形状電極を用いた3次元加工において、従来にない高い
加工速度と加工精度が得られ、プログラミングが容易で
端縁部の加工形状精度を向上させるとともに、3次元形
状の側面加工が容易に行え、コーナー部の加工精度を向
上させることができる。
【0148】また、本発明の第三実施例は、図5に示す
それぞれの処理をNC制御手段10の中にプログラムと
して実現してもよいし、或いはそれぞれの処理手段を構
成して実現してもよい。また、図5には前述の第一実施
例にもとづく変形例を示したが、図5に示す処理15
c、処理17c、処理18c、処理19c、処理20c
の代わりに、第二実施例にもとづき処理15d、処理1
7d、処理18d、処理19d、処理20dをそれぞれ
利用しても上記実施例と同様の効果を実現できる。即
ち、実施例1.及び実施例2.に記載の技術が使用でき
る。
【0149】実施例4. 図7は本発明の第四実施例における電極消耗補正方法の
原理を説明する電極消耗補正処理の説明図である。図8
は本発明の第四実施例における電極消耗補正方法を実行
する電極消耗補正処理のメインプログラムのフローチャ
ート、図9(a)及び(b)は図8のメインプログラム
で使用するツールパスの実行プログラム及び加工深さ計
測処理プログラムのフローチャートである。なお、本実
施例における電極消耗補正方法を実施する基本的構成
は、図42の構成図と同じであるのでその説明を省略す
る。また、図中、処理15c、処理17c、処理18
c、処理19c、処理20c、処理21、処理22は、
第三実施例に示したものと同一であるので、その説明を
省略する。
【0150】図において、処理23では加工中或いは加
工後の工作物2の加工深さを評価する。処理24はツー
ルパスの繰返し数、Z軸方向の補正移動量ΔZu 、Z軸
方向の補正移動量ΔZu に対するXY平面でのXY移動
距離Lに相当する量、電極消耗量を調節できる電気条件
などのパラメータを変更制御する。本実施例では、前述
の第三実施例で述べたように加工したい層を一回のツー
ルパス走査で加工する必要はなく、前記ツールパスを何
回繰返すかを制御しながら各層ごとに加工を進める。そ
の際、処理22のツールパス繰返し数が途中或いは前記
繰返し数の終了後に処理23により被加工物2の加工深
さを計測し、処理24により前記計測値と前記計測時の
繰返し数に対して期待される加工深さとを比較し、前記
比較値が予め決められた許容範囲を越えている場合、或
いは前記繰返し数の終了時に前記許容範囲を越えること
が予測される場合には残りの繰返し数、追加すべき繰返
し数、Z軸方向の補正移動量ΔZu 、Z軸方向の補正移
動量ΔZu に対するXY平面でのXY移動距離Lに相当
する量、電極消耗量を調節できる電気条件の少なくとも
一つを変更する。例えば、上述の計測した加工深さが前
記計測時の繰返し数に対して期待される加工深さよりも
許容値以上に深い場合には、残りの繰返し数を減らし、
Z軸方向の補正移動量ΔZu を小さくする、Z軸方向の
補正移動量ΔZu に対するXY平面でのXY移動距離L
に相当する量を大きくする、電極消耗量が大きくなるよ
うに電気条件を調節する少なくとも一つを実行する。逆
に許容値以上に浅い場合には、残りの繰返し数を増や
す、繰返し数を追加する、Z軸方向の補正移動量ΔZu
を大きくする、Z軸方向の補正移動量ΔZu に対するX
Y平面でのXY移動離Lに相当する量を小さくする、電
極消耗量が小さくなるように電気条件を調節する少なく
とも一つを実行する。これにより繰返し回数を変更す
る、或いは一回のツールパス操作による加工深さを調整
することで要求される層の加工深さの調整や変更を従来
に比べて容易に行い、要求される層の厚さを正確に除去
することができる。
【0151】次に、図8及び図9の実施例の電極消耗補
正処理のフローチャートを用いて、これをNC制御手段
10でプログラム処理する場合について説明する。
【0152】ステップS1cで電気加工条件及び加工形
状などの加工条件を入力する。即ち、少なくとも、電極
の形状や材質、工作物の材質、電気条件などを入力し、
それに対応する加工技術データを呼出しておく。ステッ
プS2cで加工したい所望の三次元加工形状に従って、
その三次元加工形状をいくつかの層状に分割する。即
ち、層状に加工形状データを分割し、各層Sk (X,
Y,H)とする。そして、ステップS3cで分割された
層について、XY平面での電極の経路、即ち、ツールパ
スPj (X,Y)を生成し、それを格納する。ステップ
S4cで加工技術データより与えられる特定の単位移動
距離ΔLと、その単位移動距離ΔLに達するごとに加工
技術データより与えられる補正移動量ΔZu のZ軸送り
を行うZ軸方向の補正移動量ΔZu を決定する。
【0153】また、ステップS5cで加工技術データ及
び加工形状データから1つのツールパスの繰返し回数N
r(j)を決定する。ステップS6cで、放電加工を開始
し、ステップS7cでツールパスの処理数を記録するメ
モリjに「1」をセット(j=1)し、ステップS8c
でZ軸方向の位置、即ち、位置Zに初期位置Zo をセッ
トする。
【0154】ステップS9cでXY移動距離Lが特定の
単位移動距離ΔLの何倍であるかを現わす変数iに
「1」をセットし、ステップS10cで加工深さ計測処
理のルーチンをコールし、ステップS11cで現在加工
中のツールパスの繰返し回数Nr(j)以下であるか判定
し、現在加工中のツールパスの繰返し回数Nr(j)以下と
判定されたとき、ステップS12cでツールパスPj の
加工を行うルーチンをコールし、ステップS13cでメ
モリiの値をインクリメントし、ステップS10c乃至
ステップS13cにより繰返し、それを実行し、ステッ
プS11cで現在加工中のツールパスの繰返し回数Nr
(j)以下でないと判定されたとき、ステップS14cで
ツールパスPj の最大値ツールパスPm までの加工を行
ったかをメモリj=mであるかで判定し、そうでないと
き、ステップS15cでメモリjの値をインクリメント
し、ステップS10c乃至ステップS15cのルーチン
を繰返し実行する。
【0155】ステップS10cで加工深さ計測処理プロ
グラムがコールされると、ステップS31cで加工深さ
Hm を計測し、ステップS32cでツールパス繰返し数
が途中の被加工物2の加工深さの予測値H1 、及びツー
ルパス繰返し数の終了後の被加工物2の加工深さの予測
値H2 を算出する。ステップS33cで、ツールパス繰
返し数が途中の被加工物2の加工深さの予測値H1 と、
そのときの加工深さHm とを比較して、H1 −Hm の絶
対値が所定の誤差範囲ε1 内のとき、更に、ステップS
34cでツールパス繰返し数の終了後の被加工物2の加
工深さの予測値H2 と仕上りの加工深さHとを比較し
て、H2 −Hの絶対値が所定の誤差範囲ε2 内であるか
判定する。ステップS34cでH2 −Hの絶対値が所定
の誤差範囲ε2 内のとき、このルーチンを脱する。しか
し、ステップS33cでH1 −Hmの絶対値が所定の誤
差範囲ε1 内でない、またはH2 −Hの絶対値が所定の
誤差範囲ε2 内でないと判定したとき、ステップS35
cでツールパスの残りの繰返し数Nr(j-n)、Z軸方向の
補正移動量ΔZu 、Z軸方向の補正移動量ΔZu に対す
るXY平面での単位移動距離ΔL、電極消耗量を調節で
きる電気条件の少なくとも一つを変更する。
【0156】ステップS16cでツールパスPj の加工
ルーチンがコールされると、ステップS17cでツール
パスPj のXY平面の指令値を出力し、ステップS18
cで軌跡移動としてXY平面でのXY移動距離LをL=
i・ΔLとして求め、ステップS18cでXY移動距離
Lだけ移動したか判定し、ステップS18cで求めたX
Y移動距離Lを移動したとき、ステップS19cでZ軸
送り補正を行うべく、Z軸送り量Z=Z+ΔZu を演算
し、ステップS20cでツールパスPj の終点を判定
し、終点となるまで、ステップS17c乃至ステップS
20cのルーチンの処理を継続する。
【0157】このように、本実施例の放電加工装置は、
所望の三次元形状をZ軸方向にいくつかの層に分割し、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY平面の送りと合成しながら前記分割し
た層ごとに加工を進め、NC制御により三次元制御を行
い、所望の三次元形状を加工する放電加工装置におい
て、前記層ごとのツールパスの少なくともXYデータを
記憶するステップS3cからなる記憶手段と、前記層の
厚さに相当する量と少なくともZ軸方向の補正移動量Δ
Zu と前記補正移動量ΔZu に対応するXY平面での単
位移動距離ΔLに相当する量から決まる加工深さに相当
する量から前記ツールパスを何回繰返すかを決定し、前
記ツールパスの繰返し回数を制御するステップS4c及
びステップS5c、ステップS7c乃至ステップS14
cからなる回数制御手段と、前記繰返し数の途中或いは
前記繰返し数の終了後に加工深さを計測するステップS
31c及びステップS32cからなる計測手段と、前記
計測値と前記繰返し数に対して期待される加工深さとを
比較し、前記比較値が許容範囲を越えている場合には、
残りの繰返し数、追加すべき繰返し数、Z軸方向の補正
移動量ΔZu 、Z軸方向の補正移動量ΔZu に対応する
XY平面での単位移動距離ΔLに相当する量、電極消耗
を調節できる電気条件の一つ以上を変更するステップS
33c及びステップS34c、ステップS35cからな
る電気条件制御手段とを具備するものである。
【0158】これによって、電極の消耗量が大きくて
も、加工中のXY平面での軌跡移動距離Lが、Z軸方向
の補正を行う基準となる補正基準区間ΔLに達するごと
に、補正移動量ΔZu のZ軸送りを行い、Z軸方向の補
正移動量ΔZu と前記補正移動量ΔZu に対応するXY
平面での単位移動距離ΔLに相当する量から決まる加工
深さに相当する量から前記ツールパスを何回繰返すかを
決定し、ステップS7c乃至ステップS14cで前記ツ
ールパスの繰返し回数を制御し、補正基準区間ΔLから
決まる一定の加工深さ、言い換えると、電極消耗量と電
極送り量が釣り合う加工深さの層を除去することがで
き、電極消耗補正に必要な人為的に入力する加工技術デ
ータを少なくし、より簡単な方法で電極消耗補正を実現
することができる。また、電極の消耗量が大きくても加
工精度を良くすることができる。故に、単純形状電極を
用いた3次元加工において、従来にない高い加工速度と
加工精度が得られる。
【0159】また、本実施例の放電加工方法は、所望の
三次元形状をZ軸方向にいくつかの層に分割し、単純な
形状からなる電極と工作物間に電圧を印加するととも
に、電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送り
を、XY平面の送りと合成しながら前記分割した層ごと
に加工を進め、NC制御により三次元制御を行い、所望
の三次元形状を加工する放電加工方法において、ステッ
プS3cで前記層ごとのツールパスの少なくともXYデ
ータを記憶し、ステップS4c及びステップS5cで前
記層の厚さに相当する量と少なくともZ軸方向の補正移
動量ΔZu と前記補正移動量ΔZu に対応するXY平面
での単位移動距離ΔLに相当する量から決まる加工深さ
に相当する量より前記ツールパスを何回繰返すかを決定
し、ステップS7c乃至ステップS14cで前記ツール
パスの繰返し回数を制御しながら各層ごとに加工を進め
るとともに、ステップS31c及びステップS32cで
前記繰返し数の途中或いは前記繰返し数の終了後に加工
深さを計測し、ステップS33c及びステップS34c
で前記計測値と前記繰返し数に対して期待される加工深
さとを比較し、前記比較値が許容範囲を越えている場合
には、ステップS35cで残りの繰返し数、追加すべき
繰返し数、XY平面でのXY移動距離Lに対応するZ軸
方向の補正移動量ΔZu 、前記補正移動量ΔZu に対応
するXY平面での単位移動距離ΔL、電極消耗量を調節
できる電気条件の一つ以上を変更するものである。
【0160】ここでは、本発明の第四実施例について説
明したが、図4に示すそれぞれの処理をNC制御手段1
0の中にプログラムとして実現しても良いし、或いはそ
れぞれの処理手段を用いて実現してもよい。
【0161】実施例5. 図10は本発明の第五実施例における電極消耗補正方法
の原理を説明する電極消耗補正処理の説明図である。図
11は本発明の第四実施例における電極消耗補正方法を
実行する電極消耗補正処理のメインプログラムのフロー
チャート、図12(a)及び(b)は図11のメインプ
ログラムで使用するツールパスの実行プログラム及び加
工深さ計測処理プログラムのフローチャートである。な
お、本実施例における電極消耗補正方法を実施する基本
的構成は、図42の構成図と同じであるのでその説明を
省略する。また、図中、処理15d、処理17d、処理
18d、処理19d、処理20dは、第二実施例に示し
たものと同一であるので、また、処理21、処理22、
処理23は、第四実施例に示したものと同一であるの
で、その説明を省略する。
【0162】図において、処理24は第四実施例に示し
たものと同様に、ツールパスの繰返し数、Z軸方向の補
正移動量ΔZu 、Z軸方向の単位移動距離ΔZに対する
XY平面での補正移動量ΔLu 、電極消耗量と調節でき
る電気条件に加えてXY方向の補正移動量ΔLu 、XY
方向の補正移動量ΔLu に対するZ軸方向の送り量など
のパラメータを変更制御する。
【0163】本実施例では、前述の第四実施例で述べた
ように、処理22のツールパス繰返し数が途中、或いは
前記繰返し数の終了後に処理23により工作物2の加工
深さを計測し、処理24により前記計測値と前記計測時
の繰返し数に対して期待される加工深さとを比較し、前
記比較値が予め決められた許容範囲を越えている場合、
或いは前記繰返し数の終了時に前記許容範囲を越えるこ
とが予測される場合には残りの繰返し数、追加すべき繰
返し数、XY平面での単位移動距離ΔL、XY平面での
単位移動距離ΔLに対応するZ軸方向の補正移動量ΔZ
u と、前記単位移動距離ΔZに対するXY平面での補正
移動量ΔLu 、電極消耗量を調節できる電気条件の少な
くとも一つを変更する。
【0164】例えば、上述の計測した加工深さが前記計
測時の繰返し数に対して期待される加工深さよりも許容
値以上に深い場合には、 1) 残りの繰返し数を減らす。 2) XY方向の単位移動距離ΔLを大きくする。 3) XY方向の単位移動距離ΔLに対するZ軸方向の
補正移動量ΔZu を小さくする。 4) Z軸方向の単位移動距離ΔZを小さくする。 5) Z軸方向の単位移動距離ΔZに対するXY平面で
の補正移動量ΔLu を大きくする。 6) 電極消耗量が大きくなるように電気条件を調節す
る。 の少なくとも一つを実行する。
【0165】逆に、許容値以上に浅い場合には、 1) 残りの繰返し数を増やす。 2) 繰返し数を追加する。 3) XY方向の単位移動距離ΔLを小さくする。 4) XY方向の単位移動距離ΔLに対するZ軸方向の
補正移動量ΔZu を大きくする。 5) Z軸方向の単位移動距離ΔZを大きくする。 6) Z軸方向の単位移動距離ΔZに対するXY平面で
の補正移動量ΔLu を小さくする。 7) 電極消耗量が小さくなるように電気条件を調節す
る。 の少なくとも一つを実行する。
【0166】次に、図11及び図12の実施例の電極消
耗補正処理のフローチャートを用いて、これをNC制御
手段10でプログラム処理する場合について説明する。
【0167】ステップS1dで電気加工条件及び加工形
状などの加工条件を入力する。即ち、少なくとも電極の
形状や材質、工作物の材質、電気条件などを入力し、そ
れに対応する加工技術データを呼出しておく。ステップ
S2dで加工したい所望の三次元加工形状に従って、そ
の三次元加工形状をいくつかの層状に分割する。即ち、
層状に加工形状データを分割し、各層Sk (X,Y,
H)とする。そして、ステップS3dで分割された層に
ついて、XY平面での電極の経路、即ち、ツールパスP
j (X,Y)を生成し、それを格納する。ステップS4
dで加工技術データから選択した特定のXY平面での単
位移動距離ΔLに対応するZ軸方向の補正移動量ΔZu
と、前記単位移動距離ΔZに対するXY平面での補正移
動量ΔLuより、単位移動距離ΔLとZ軸送りを行うZ
軸方向の補正移動量ΔZu を決定する。
【0168】ステップS5dで加工技術データから選択
したZ軸方向の単位移動距離ΔZ、Z軸方向の補正移動
量ΔZu 、及びXY方向の補正移動量ΔLu を基に、前
記Z軸方向の補正移動量ΔZu に対するXY平面でのX
Y移動距離Lに相当する量、即ち、補正基準区間ΔLを
計算する。補正基準区間ΔLは、 ΔL=ΔLu ・ΔZu /ΔZ として求められる。
【0169】ステップS7dで、放電加工を開始し、ス
テップS8dでツールパスの処理数を記録するメモリj
に「1」をセット(j=1)し、ステップS9dでZ軸
方向の位置、即ち、位置Zに初期位置Zo をセットす
る。
【0170】ステップS10dでXY移動距離Lが特定
の単位移動距離ΔLの何倍であるかを現わす変数iに
「1」をセットし、ステップS11dで加工深さ計測処
理のルーチンをコールし、ステップS12dで現在加工
中のツールパスの繰返し回数Nr(j)以下であるか判定
し、現在加工中のツールパスの繰返し回数Nr(j)以下と
判定されたとき、ステップS13dでツールパスPj の
加工を行うルーチンをコールし、ステップS14dでメ
モリiの値をインクリメントし、ステップS11d乃至
ステップS14dにより繰返し、それを実行し、ステッ
プS12dで現在加工中のツールパスの繰返し回数Nr
(j)以下でないと判定されたとき、ステップS15dで
ツールパスPj の最大値ツールパスPm までの加工を行
ったかをメモリj=mであるかで判定し、そうでないと
き、ステップS16dでメモリjの値をインクリメント
し、ステップS11d乃至ステップS16dのルーチン
を繰返し実行する。
【0171】ステップS11dで加工深さ計測処理プロ
グラムがコールされると、ステップS31dで加工深さ
Hm を計測し、ステップS32dでツールパス繰返し数
が途中の被加工物2の加工深さの予測値H1 、及びツー
ルパス繰返し数の終了後の被加工物2の加工深さの予測
値H2 を算出する。ステップS33dで、ツールパス繰
返し数が途中の被加工物2の加工深さの予測値H1 と、
そのときの加工深さHm とを比較して、H1 −Hm の絶
対値が所定の誤差範囲ε1 内のとき、更に、ステップS
34dでツールパス繰返し数の終了後の被加工物2の加
工深さの予測値H2 と仕上りの加工深さHとを比較し
て、H2 −Hの絶対値が所定の誤差範囲ε2 内であるか
判定する。ステップS34dでH2 −Hの絶対値が所定
の誤差範囲ε2 内のとき、このルーチンを脱する。しか
し、ステップS33dでH1 −Hmの絶対値が所定の誤
差範囲ε1 内でない、またはH2 −Hの絶対値が所定の
誤差範囲ε2 内でないと判定したとき、ステップS35
dでツールパスの残りの繰返し数Nr(j-n)、特定のXY
平面での単位移動距離ΔLに対応するZ軸方向の補正移
動量ΔZu と、前記単位移動距離ΔZに対するXY平面
での補正移動量ΔLuより、単位移動距離ΔLとZ軸送
りを行うZ軸方向の単位移動距離ΔZ、電極消耗量を調
節できる電気条件の少なくとも一つを変更する。
【0172】ステップS17dでツールパスPj の加工
ルーチンがコールされると、ステップS18dでツール
パスPj のXY平面の指令値を出力し、ステップS19
dでXY平面でのXY移動距離LをL=i・ΔLとして
求め、ステップS19dでXY移動距離Lだけ移動した
か判定し、ステップS19dで求めたXY移動距離Lを
移動したとき、ステップS20dでZ軸送り補正を行う
べく、Z軸送り量Z=Z+ΔZu を演算し、ステップS
21dでツールパスPj の終点を判定し、終点となるま
で、ステップS18d乃至ステップS21dのルーチン
の処理を継続する。
【0173】このように、本実施例の放電加工装置は、
所望の三次元形状をZ軸方向にいくつかの層に分割し、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY平面の送りと合成しながら前記分割し
た層ごとに加工を進め、NC制御により三次元制御を行
い、所望の三次元形状を加工する放電加工装置におい
て、前記層ごとのツールパスの少なくともXYデータを
記憶するステップS3dからなる記憶手段と、前記層の
厚さに相当する量と少なくとも特定のXY平面での単位
移動距離ΔLに対応するZ軸方向の補正移動量ΔZu
と、前記単位移動距離ΔZに対するXY平面での補正移
動量ΔLu より、単位移動距離ΔLとZ軸送りを行うZ
軸方向の補正移動量ΔZu から決まる加工深さに相当す
る量から前記ツールパスを何回繰り返すかを決定し、前
記ツールパスの繰返し回数を制御するステップS4d乃
至ステップS6d、ステップS8d乃至ステップS16
dからなる回数制御手段と、前記繰返し数の途中或いは
前記繰返し数の終了後に加工深さを計測するステップS
31d乃至ステップS32dからなる計測手段と、前記
計測値と前記繰返し数に対して期待される加工深さとを
比較し、前記比較値が許容範囲を越えている場合には、
残りの繰返し数、追加すべき繰返し数、特定のXY平面
での単位移動距離ΔLに対応するZ軸方向の補正移動量
ΔZu と、前記単位移動距離ΔZに対するXY平面での
補正移動量ΔLu より、単位移動距離ΔLとZ軸送りを
行うZ軸方向の補正移動量ΔZu 、電極消耗量を調節で
きる電気条件の一つ以上を変更するステップS33d乃
至ステップS34d、ステップS35からなる電気条件
制御手段とを具備するものである。
【0174】これによって、電極の消耗量が大きくて
も、加工中のXY平面での軌跡移動距離Lが、Z軸方向
の補正を行う基準となる補正基準区間ΔLに達するごと
に、補正移動量ΔZu のZ軸送りを行い、Z軸方向の補
正移動量ΔZu と前記補正移動量ΔZu に対応するXY
平面での移動距離Lに相当する量から決まる加工深さに
相当する量より前記ツールパスを何回繰り返すかを決定
し、前記ツールパスの繰返し回数を制御しながら各層ご
とに加工を進めるとともに、前記繰返し数の途中或いは
前記繰返し数の終了後に加工深さを計測し、前記計測値
と前記繰返し数に対して期待される加工深さとを比較
し、前記比較値が許容範囲を越えている場合には残りの
繰返し数、追加すべき繰返し数、特定のXY平面での単
位移動距離ΔLに対応するZ軸方向の補正移動量ΔZu
と、単位移動距離ΔLとZ軸送りを行うZ軸方向の補正
移動量ΔZu 、Z軸方向の補正移動量ΔZu に対応する
XY平面でのXY移動距離Lに相当する量、電極消耗量
を調節できる電気条件の一つ以上を変更し、電極消耗量
と電極送り量が釣り合う加工深さの層を除去することが
でき、電極消耗補正に必要な人為的に入力する加工技術
データを少なくし、より簡単な方法で電極消耗補正を実
現することができる。また、電極の消耗量が大きくても
加工精度を良くすることができる。故に、単純形状電極
を用いた3次元加工において、従来にない高い加工速度
と加工精度が得られる。
【0175】また、本実施例の放電加工方法は、所望の
三次元形状をZ軸方向にいくつかの層に分割し、単純な
形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加するとと
もに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送
りを、XY平面の送りと合成しながら前記分割した層ご
とに加工を進め、NC制御により三次元制御を行い、所
望の三次元形状を加工する放電加工方法において、ステ
ップS3dで前記層ごとのツールパスの少なくともXY
データを記憶し、ステップS4d乃至ステップS6dで
前記層の厚さに相当する量と少なくともZ軸方向の補正
移動量ΔZu と前記補正移動量ΔZu に対応するXY平
面での移動距離Lに相当する量から決まる加工深さに相
当する量より前記ツールパスを何回繰り返すかを決定
し、ステップS8d乃至ステップS16dで前記ツール
パスの繰返し回数を制御しながら各層ごとに加工を進め
るとともに、ステップS31d乃至ステップS32dで
前記繰返し数の途中或いは前記繰返し数の終了後に加工
深さを計測し、ステップS33d乃至ステップS34d
で前記計測値と前記繰返し数に対して期待される加工深
さとを比較し、前記比較値が許容範囲を越えている場合
には、ステップS35dで残りの繰返し数、追加すべき
繰返し数、特定のXY平面での単位移動距離ΔLに対応
するZ軸方向の補正移動量ΔZu と、前記単位移動距離
ΔZに対するXY平面での補正移動量ΔLu より単位移
動距離ΔLとZ軸送りを行うZ軸方向の補正移動量ΔZ
u から決まる加工深さに相当する量、電極消耗量を調節
できる電気条件の一つ以上を変更するものである。
【0176】なお、繰返し回数を変更したり、或いは一
回のツールパス走査による加工深さを調整することで要
求される層の加工深さの調整や変更を従来に比べて容易
に行い、要求される層の厚さを正確に除去することがで
きる。
【0177】ここでは、本発明の第五実施例について説
明したが、図5に示すそれぞれの処理をNC制御手段1
0の中にプログラムとして実現しても良いし、或いはそ
れぞれの処理手段を用いて実現してもよい。
【0178】実施例6. 図13は本発明の第六実施例における放電加工装置の全
体構成図である。図14の(a)は従来の放電加工によ
る低消耗条件の説明図、(b)は本発明の第六実施例に
よる放電加工装置の放電加工による有消耗条件の説明
図、図15は本発明の第六実施例の放電加工装置におけ
る電極消耗率と電極エッジ部消耗との関係を示す特性図
である。また、図16の(a)は本発明の第六実施例の
放電加工装置におけるパルス幅と加工速度との関係を示
す特性図、(b)はパルス幅と電極消耗率との関係を示
す特性図、図17は本発明の第六実施例の放電加工装置
におけるパルス幅と加工速度との関係を示す特性図であ
る。
【0179】図13において、1は円筒、円柱、角柱な
どの単純な形状をした単純形状の電極、2は工作物、8
は加工電流パルスを極間に供給する加工用電源、30は
電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、X
Y平面送りと合成するとともに、ツールパスの繰返し移
動を制御する相対移動制御手段である。また、32は加
工用パスを記憶する記憶手段、33は加工液であるイオ
ン交換水、34は加工槽、35は加工液供給手段、37
は単純形状の電極1を回転させるとともにZ軸方向の駆
動を行う主軸手段である。
【0180】次に、本実施例における放電加工装置の動
作を図13乃至図17に基づいて説明する。
【0181】対向する電極1と工作物2の間に電圧を印
加するとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ
軸方向の送りをXY平面送りと合成しながら輪郭形状の
加工を行うことにより、電極形状が定常形状に落着いた
状態で加工を行う。その結果、側面消耗を補償すること
なく一定の輪郭形状が得られる。このとき、加工液供給
手段35は加工液としてイオン交換水33を加工槽34
の内部及び極間に供給する。また、加工用電源8はピー
クが100A以上、パルス幅が10μs以下の高ピー
ク、短パルス電流波形を極間に供給し、加工を行ってい
る。
【0182】このような単純形状の電極1による加工を
行う場合には、定常状態における電極1の形状が重要と
なる。加工形状のエッジ部分の精度を確保するために
は、電極先端の形状としてエッジ部分の半径Rが小さい
形状を維持しながら加工を行うことが必要となるが、本
実施例の加工方法では電極消耗率が電極エッジ部半径R
形状に大きく影響を与える。
【0183】例えば、図14(a)に示すように、従来
の一般的な低消耗条件による加工においては、電極1の
全体の消耗は少ないが、電極1のエッジ部分が集中的に
消耗し、半径Rの形状(だれ)が発生する傾向にある。
【0184】一方、図14(b)に示す本実施例のよう
に、有消耗条件において電極1を回転させて加工を行う
場合、電極底面部の全面が消耗するため、極消耗形状と
しては、エッジ部分の消耗が少なくなり、結果的に、エ
ッジ部の半径Rが小さい形状が得られる。また、図15
は本実施例における電極消耗率による電極エッジ部の消
耗した半径Rを示したものであり、電極消耗率が大きく
なるほど電極消耗Rが小さくなる傾向があるのがわか
る。また、加工条件にかかわらず、電極消耗率が40%
以上となると、電極底面の電極消耗が大きく、電極エッ
ジ部の半径Rの形成が急激に小さくなることがわかる。
こうした条件による加工は、加工形状のエッジ部分の精
度を維持するのにきわめて有効となる。
【0185】このように、本実施例の放電加工装置は、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY平面の送りと合成してNC制御により
三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加
工装置において、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ
軸方向の送りを、XY平面の送りと合成するとともに、
少なくとも1種類のツールパスの繰返し移動を制御す
る、電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送り
を、XY平面送りと合成するとともに、ツールパスの繰
返し移動を制御する相対移動制御手段30及び加工用パ
スを記憶する記憶手段32からなる繰返し制御手段と、
加工液としてイオン交換水33を極間に供給する加工液
供給手段35と、電極側が負の極性にて高ピーク、短パ
ルスのパルス電流を極間に供給する加工用電源8とを備
え、電極消耗率40%以上の有消耗加工条件により加工
を行うものである。
【0186】特に、本実施例は、図16に示したよう
に、加工液としてイオン交換水33を用いた場合におけ
る電流パルス幅に対する加工速度(a)、電極消耗率
(b)のように、加工液とし水を用いる場合、電流パル
スの波形は加工速度、電極消耗に大きく影響を与える。
まず、加工速度に対しては、電流ピークが高いものほど
当然加工速度が高い。パルス幅に対しては、電流ピーク
100A以下のものはパルス幅に対する速度の変化が少
ないが、電流ピークが800Aと高いものについては逆
にパルス幅が短い方が加工速度が向上することがわか
る。なお、このような領域においては電極極性が(+)
の場合、加工効率が著しく低下する。次に、電極消耗に
対しては、パルス幅が短いものほど電極消耗が増大して
おり、パルス幅20μs以下、電流ピーク100A以上
の領域にて電極消耗率40%以上が得られることがわか
る。
【0187】したがって、本実施例の放電加工装置は、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY平面の送りと合成してNC制御により
三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加
工装置において、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ
軸方向の送りを、XY平面の送りと合成するとともに、
少なくとも1種類のツールパスの繰返し移動を制御す
る、電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送り
を、XY平面送りと合成するとともに、ツールパスの繰
返し移動を制御する相対移動制御手段30及び加工用パ
スを記憶する記憶手段32からなる繰返し制御手段と、
加工液としてイオン交換水33を極間に供給する加工液
供給手段35と、両極性電圧を極間に印加するととも
に、電極側が負の極性での放電発生時にのみ、電極負極
性の高ピーク、短パルスのパルス電流を極間に供給する
加工用電源とを備え、電極消耗率40%以上の有消耗加
工条件により加工を行うものである。
【0188】また、本実施例の放電加工装置は、前記高
ピーク、短パルスのパルス電流を極間に供給する加工用
電源は、ピーク値100A以上、パルス幅20μs以下
のパルス電流を用いるものである。
【0189】図17は加工液が油(ケロシン)の場合と
イオン交換水33の場合について加工速度を比較したも
のである。パルス幅が長い領域においては油の方が水よ
り2〜3倍程度加工速度が速いが、パルス幅が短い領域
については逆に水の方が加工速度が速いことがわかる。
こうした傾向は特に電流ピークが高い場合に顕著とな
る。
【0190】したがって、図14乃至図17の結果よ
り、単純形状の電極1により加工パスを繰返しながら3
次元形状の加工を行う場合において、加工速度が高く、
加工形状のエッジ部分の精度が高い加工を行うために
は、加工液として油ではなくイオン交換水33を用い、
電流ピークが高く、パルス幅の短い領域の電流パルスに
より加工を行う必要があることがわかる。
【0191】実施例7. 第六実施例においては加工用電源8として直流電圧を印
加する例を示したが、電極1が負極性の加工を行うと、
工作物2側が電解作用により、腐食、錆、変色などが発
生することがある。このような場合は、加工用電源8と
して、両極性電圧を印加し、前記両極性電圧による放電
発生後に、電極1の負極性の高ピーク、短パルスのパル
ス電流を極間に供給するようにすることにより、電解作
用による腐食をほぼ完全に防止することが可能となる。
このような、加工用電源8で加工した金型の場合は加工
面や工作物2の表面の変質がないため、金型寿命が大幅
に向上するなどの効果がある。
【0192】また、放電加工用電極材料としては、銅を
用いるのが一般的であるが、本実施例のように、水を加
工液として用い、短パルス、高ピークの波形にて加工す
る場合、黄銅を電極材料として用いる方が、短絡の発生
頻度が低下し、加工速度が大幅に向上することが実験に
より明らかになった。次表にその実験データを示す。こ
の表より加工速度は銅の約2倍近くに向上していること
がわかる。
【0193】したがって、本実施例の放電加工装置は、
単純な形状からなる電極1として、黄銅を使用したもの
である。
【0194】
【表1】
【0195】実施例8,9. 図18は本発明の第八実施例の放電加工方法及びその装
置における平面の事例を示す説明図で、図19は本発明
の放電加工装置における第八実施例の構成を示す全体概
略構成図である。また、図20は本発明の第九実施例の
放電加工方法及びその装置の構成を示す全体概略構成図
である。
【0196】図18において、2aは工作物キャビティ
の外周部分、2bは工作物キャビティ内の加工残し部分
で、工作物キャビティの外周部分2aと工作物キャビテ
ィ内の加工残し部分2bで囲まれた部分の加工が行われ
る。49はこの加工部分の内部を加工する内部形状パ
ス、50は加工部分の輪郭形状パスを示すものであり、
50aがキャビティの外周輪郭パス、50bは加工取り
残し部分2bの取り残し輪郭形状パスである。
【0197】図19において、1は電極、2は工作物、
63はNC制御手段、64は電極1と工作物2の相対位
置制御を行う相対位置制御手段、65はNC制御手段6
3の内部に設けられた加工パス生成手段であり、内部形
状パス49を生成する内部加工パス生成手段66と、輪
郭形状パス50を生成する輪郭加工パス生成手段67を
有する。
【0198】次に、本実施例の放電加工装置の動作につ
いて説明する。
【0199】従来例と同様、対向する電極1と工作物2
間に電圧を印加するとともに、電極1の長さ方向消耗量
を補正するZ軸方向成分の送りを水平方向(XY方
向)、即ち、XY平面送りと合成しながら輪郭形状の加
工を行う。電極形状が定常状態に落着いた状態にて加工
を行うことにより、側面消耗を補償することなく一定の
輪郭形状が得られる。
【0200】このように、本実施例の放電加工装置は、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY平面の送りと合成してNC制御により
三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加
工装置において、加工形状における内部形状パスを生成
する内部加工パス生成手段66と、加工形状における輪
郭形状パスを生成する輪郭加工パス生成手段67を備
え、前記内部形状パスと輪郭形状パスを繰返し移動させ
ながら加工を行うものである。
【0201】また、本実施例の放電加工方法は、単純な
形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加するとと
もに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送
りを、XY平面の送りと合成してNC制御により三次元
制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加工方法
において、加工形状における内部形状パスを形成する内
部加工パスと、加工形状における輪郭形状パスを形成す
る輪郭加工パスを繰返し、移動しながら加工を行うもの
である。
【0202】更に、具体的に説明すると、図19におい
て、加工に先立ってNC制御手段63の内部に設けられ
た加工パス生成手段65において加工パスが生成され
る。従来例とは異なり、加工パス生成手段65は内部形
状パス49を生成する内部加工パス生成手段66と、輪
郭形状パス50を生成する輪郭加工パス生成手段67か
ら構成されており、内部加工パス生成手段66では、図
18で示される内部形状パス49が、また、輪郭加工パ
ス生成手段67では、図18で示されるキャビティの外
周輪郭パス50aと加工取り残し部分2bの取り残し輪
郭形状パス50bが生成される。
【0203】加工パスの生成に関しては、まず、加工エ
リア(図18の形状例では、工作物キャビティの外周部
分2aと工作物キャビティ内の加工残し部分2bで囲ま
れた部分)が定義され、次に、加工エリアの外周輪郭に
沿った輪郭形状パス50aが輪郭加工パス生成手段67
により生成される。定義された加工エリア内部に工作物
キャビティ内の加工残し部分2bのような加工取り残し
部分がある場合には、この部分の取り残し輪郭形状パス
50bも同時に生成される。序で、外周輪郭パス50a
及び取り残し輪郭形状パス50bに囲まれた内部形状パ
ス49が内部加工パス生成手段66により生成される。
その際、除去量がほぼ同一となるようなパスが生成され
る。更に、内部形状パス49と外周輪郭パス50a及び
取り残し輪郭形状パス50bを連続的につなぐ空走パス
が付加される。この空走パスは、一旦、Z軸を上昇させ
てから移動を行うパスとして生成される。
【0204】この加工に際しては、相対位置制御手段6
4により、AからBの内部形状パス49の加工を行った
後、Z軸を上昇させ、BからCの外周輪郭パス50aに
移動(空走)し、Z軸を再び下げて外周輪郭パス50a
の加工を行う。更に、外周輪郭パス50aの加工の終了
後はZ軸を上昇させ、輪郭形状パス50bの位置まで空
走した後にZ軸を下げ、取り残し輪郭形状パス50bの
加工を行う。なお、このように、パスからパスの移動に
おいてZ軸を待避させて空走するのは、移動時の加工に
より除去量に不均一が発生し、深さ方向の加工誤差を生
じるのを防止するためである。このような加工パスを繰
返しながら、所望の深さの加工が行われる。
【0205】従来例による加工においては、放電加工後
の層の端縁に沿ってバリや取り残し部分が生じることか
ら、この縁端に沿って残存する材料を除去するために、
1つの層から次の層に変わるごとに加工パスのパターン
を変化させる必要があったが、本実施例においては、内
部形状パス49と輪郭形状パス50をそれぞれ生成し、
それらの加工パスを繰返しながら加工を行うため、従来
例のように何種類もの加工パスを生成することなく、放
電加工後の層の端縁に沿ってバリや取り残し部分が発生
するのを抑えることができる。また、加工パスと加工パ
スの移動時に、一旦、Z軸を上げ、空走させるようにす
ることにより、加工誤差の発生を防止することができ
る。
【0206】なお、本実施例においてはNC制御手段6
3の内部にて加工パスを生成する例を示したが、加工パ
スの生成については、外部の加工プログラム作成装置を
用いても良い。図20は外部の加工プログラム作成手段
68を用いて内部形状パス49と輪郭形状パス50を生
成する実施例を示したものである。
【0207】即ち、本実施例においては、NC制御手段
63のデータを外部の加工プログラム作成手段68で解
析し、加工パスを生成している。
【0208】このように、本実施例の放電加工方法は、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY平面の送りと合成してNC制御により
三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加
工方法において、加工形状における輪郭形状パスを順次
縮小または内側に変更しながら繰返し加工することによ
り、任意角度の側面を持った加工形状の加工を行うもの
である。
【0209】実施例10. 図21は本発明の放電加工装置における第十実施例の放
電加工動作を示す説明図である。なお、本実施例の全体
概略構成図は図19と同じであるからその説明を省略す
る。
【0210】1aは工作物2の最上面における電極位
置、L1 は工作物2の最上面における電極1aが移動す
る外周の軌跡、1bは工作物2の最終加工底面における
電極位置、Ln は工作物2の最終加工底面における電極
1b外周の軌跡である。
【0211】次に、本実施例の放電加工動作について説
明する。
【0212】第八実施例と同様、対向する電極1と工作
物2間に電圧を印加するとともに、電極1の長さ方向消
耗量を補正するZ軸方向の送りをXY平面送りと合成し
ながら輪郭形状の加工を行う。電極形状が定常状態に落
着いた状態で加工を行うことにより、側面消耗を補償す
ることなく一定の輪郭形状が得られる。
【0213】本実施例においては、先の輪郭形状パスと
して軌跡L1 〜Ln という複数のパスを生成する。これ
ら複数の軌跡L1 〜Ln は等間隔で順次形状が小さくな
るようなパスとして生成される。なお、図示の実施例で
は、説明の都合上、周囲に階段状の段差が形成されてい
るが、具体的事例では、滑かな連続する直線または曲線
に形成されることは勿論である。
【0214】加工に際しては、相対位置制御手段64に
より、図示されない内部形状パスの加工を行った後、一
旦、Z軸を上昇させ、外周輪郭パス50aに移動(空
走)し、Z軸を再び下げて一番外側の輪郭形状の外周の
軌跡L1 の加工を行う。更に、輪郭形状の外周の軌跡L
1 の加工の終了後はZ軸を上昇させ、再度内部形状パス
の加工を行った後、今度は軌跡L2 の加工を行う。この
ように、加工を繰返しながら、輪郭形状の軌跡L1 →L
2 →・・・→Ln まで繰返すことにより、図21に示す
ように、一定の勾配を有する側面形状を持ったキャビテ
ィの加工が行われる。
【0215】このように、本実施例の放電加工方法は、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY平面の送りと合成してNC制御により
三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加
工方法において、加工形状における輪郭形状パスを順次
縮小または内側に変更しながら繰返し加工することによ
り、任意の側面を持った加工形状の加工を行うものであ
る。
【0216】したがって、例えば、『電気加工学会誌』
(Vol.18、No.36(1984) 第11〜17頁、金子.土屋:
円筒電極による三次元制御放電加工(第5報)の項参
照)に示されている従来例において、斜面の加工方法が
示されているが、こうした従来の方法は、電極のエッジ
部分のみで加工するため、電極形状が加工の進行に伴っ
て変化してしまい、こうした電極形状変化による加工誤
差を補正する必要があった。しかるに、本実施例の方法
では、軌跡L1 〜L2 の全てにわたって電極底面全体に
よる加工を行うため、電極形状が一定しており、従来例
のような電極形状変化による加工誤差の補正を行う必要
がなく、極めて精度の高い傾斜側面形状が得られる。
【0217】実施例11. 図22は本発明の放電加工装置における第十一実施例の
構成を示す全体概略構成図で、図23は本発明の放電加
工装置における第十一実施例の放電加工動作を示す説明
図である。また、図24は本発明の第十一実施例におけ
る放電加工動作を実行するフローチャートで、図25は
本発明の第十一実施例における放電加工動作を実行する
他の事例のフローチャートである。
【0218】図において、1は電極、2は工作物、63
はNC制御手段、64は電極1と工作物2の相対位置制
御を行う相対位置制御手段、61は工作物加工形状の輪
郭形状パス50をオフセット情報を有するプログラムと
して記憶するオフセットプログラム記憶手段、62は加
工中に変更する前記輪郭形状パス50の複数のオフセッ
ト値を記憶するオフセット値記憶手段、H1 〜Hn はそ
れぞれn回目の加工における輪郭形状パスのオフセット
である。
【0219】次に、本実施例の動作について説明する。
【0220】第十実施例と同様、対向する電極1と工作
物2間に電圧を印加するとともに、電極1の長さ方向消
耗量を補正するZ軸方向の送りをXY平面送りと合成し
ながら輪郭形状の加工を行い、電極形状が定常状態に落
着いた状態にて加工を行うことにより、側面消耗を補償
することなく一定の輪郭形状が得られる。
【0221】本実施例においては、輪郭形状パスを、オ
フセット付きプログラムで定義し、各層の加工における
オフセット値を予め設定、記憶しておくことにより、輪
郭形状パスを順次変化させて加工を行う。
【0222】即ち、図23において、オフセット値記憶
手段62に加工に先立って各層におけるオフセット値H
1 〜Hn が記憶されており、相対位置制御手段64はこ
のオフセット値H1 〜Hn とオフセットプログラム記憶
手段61に記憶されたオフセット付き輪郭形状プログラ
ムに基づいて順次輪郭形状を縮小させて繰返し加工を行
う。
【0223】これにより、相対位置制御手段64によ
り、図示されない内部形状パスの加工を行った後、一
旦、Z軸を上昇させ輪郭形状パスに移動(空走)し、Z
軸を再び下げて一番外側のオフセット値H1 による輪郭
形状の加工を行う。そして、軌跡L1 の加工の終了後は
Z軸を上昇させ、再度内部形状パスの加工を行った後、
今度はオフセット値H2 による輪郭形状の加工を行う。
このように、加工を繰返しながら、オフセット値H1 →
H2 →・・・→Hn による輪郭形状を順次加工を繰返す
ことにより、図23に示すような、一定の勾配を有する
側面形状を持ったキャビティの加工が行われる。なお、
図示の実施例では、説明の都合上、周囲に階段状の段差
が形成されているが、具体的事例では、滑かな連続する
直線または曲線に形成されることは勿論である。
【0224】通常、この処理はNC制御手段63によっ
て図24のようにプログラム制御される。
【0225】まず、ステップS41で輪郭形状パスのN
Cプログラムを入力し、ステップS42で入力されたN
Cプログラムを記憶する。ステップS43で輪郭形状パ
スに分割する加工回数nを入力し、ステップS44でそ
れを記憶する。そして、ステップS45で加工回数nか
ら、所望加工深さHと1回の加工を行う一層の深さEと
の関係から、一層の深さEがE=H/nとして演算され
る。ステップS46で一層の深さEに基きオフセットプ
ログラムを記憶し、ステップS47で加工回数別にオフ
セット値を入力し、オフセット値を記憶する。なお、本
実施例では、加工回数別にオフセットを入力し、それを
記憶する場合について説明したが、ステップS43乃至
ステップS45で算出した一層の深さE及び加工深さ
H、または、加工回数n及び加工深さHとの関係で加工
回数別にオフセット値を自動割付けを行うことができ
る。このとき、一層の深さEを均等に割付けを行った
り、或いはその位置に応じて重み付けを行うことができ
る。
【0226】ステップS48で加工開始が判断される
と、ステップS49で加工回数を記憶するメモリfに初
期値の「1」を設定する。ステップS50でオフセット
Hf をH1 とし、ステップS51でメモリfに格納され
ている加工回数に応じたE(f)=E(1) (初回のみ)層
の加工を行う。ステップS52でメモリfが加工回数n
になったか判定し、メモリfが加工回数nになるまで
は、ステップS53でメモリfの値をインクリメント
し、ステップS50からステップS53のルーチンを繰
返し実行し、メモリfが加工回数nになったとき、この
ルーチンを脱する。
【0227】また、図24に示されたプログラム制御
は、NC制御手段63によって図25に示すようにプロ
グラム制御することもできる。
【0228】ステップS41aで輪郭形状パスのNCプ
ログラムを入力し、ステップS42aで入力されたNC
プログラムを記憶する。ステップS43aで輪郭形状パ
スに分割する加工回数nを入力し、ステップS44aで
それを記憶する。そして、ステップS45aで加工回数
nから、所望加工深さHと1回の加工を行う一層の深さ
Eとの関係から、一層の深さEがE=H/nとして演算
される。ステップS46aで一層の深さEに基きオフセ
ットプログラムを記憶し、ステップS47aでオフセッ
ト値として毎回減少する変化分ΔHを入力し、加工回数
毎に減少する変化分ΔHを記憶する。なお、本実施例で
は、加工回数毎に減少する変化分ΔHを入力し、それを
記憶する場合について説明したが、ステップS43a乃
至ステップS45aで算出した一層の深さE=ΔHとし
て、または、加工回数n及び加工深さHとの関係で加工
回数毎に減少する変化分ΔHを自動割付けを行うことが
できる。このとき、一層の深さE=ΔHを均等に割付け
を行ったり、或いはその位置に応じて重み付けを行うこ
とができる。
【0229】ステップS48aで加工開始が判断される
と、ステップS49aで加工回数を記憶するメモリfに
初期値の「1」を設定する。ステップS50aで加工回
数に応じたE(f) 層の加工を行う。ステップS51aで
メモリfが加工回数nになったか判定し、メモリfが加
工回数nになるまでは、ステップS52aでオフセット
HをH=H−ΔHとして更新し、ステップS53aでメ
モリfの値をインクリメントし、ステップS50aから
ステップS53aのルーチンを繰返し実行し、メモリf
が加工回数nになったとき、このルーチンを脱する。
【0230】本実施例の放電加工装置は、単純な形状か
らなる電極1と工作物2間に電圧を印加するとともに、
電極2の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、
XY平面の送りと合成してNC制御により三次元制御を
行い、所望の三次元形状を加工する放電加工装置におい
て、ステップS41乃至ステップS45またはステップ
S41a乃至ステップS45aで加工形状における輪郭
形状パスを、ステップS47またはステップS47aで
オフセット情報を有するプログラムとして記憶するオフ
セットプログラム記憶手段61と、ステップS48乃至
ステップS53またはステップS48a乃至ステップS
53aで加工中に変更する複数のオフセット値を記憶す
るオフセット値記憶手段62とを備え、前記オフセット
値を順次変更しながら繰返し加工することにより任意角
度の側面を持った形状の加工を行うものである。
【0231】これによって、電極の消耗量が大きくて
も、加工中のXY平面での軌跡移動距離Lが、Z軸方向
の補正を行う基準となる補正基準区間ΔLに達するごと
に、補正移動量ΔZu のZ軸送りを行うものであるか
ら、電極消耗量と電極送り量が釣り合う加工深さの層を
除去することができ、電極消耗補正に必要な人為的に入
力する加工技術データを少なくし、より簡単な方法で電
極消耗補正を実現することができる。また、電極の消耗
量が大きくても加工精度を良くすることができる。故
に、単純形状電極を用いた3次元加工において、従来に
ない高い加工速度と加工精度が得られる。
【0232】特に、本実施例においては、前記実施例と
比較して、輪郭形状パスをオフセット付きプログラムと
して定義したため、輪郭形状プログラムとしては1つ定
義するだけで傾斜側面形状の加工が可能となる。したが
って、プログラミングが容易で端縁部の加工形状精度を
向上させるとともに、3次元形状の側面加工が容易に行
え、コーナー部の加工精度を向上させることができる。
【0233】実施例12. 図26は本発明の放電加工装置における第十二実施例の
構成を示す全体概略構成図で、図27は本発明の放電加
工装置における第十二実施例の放電加工動作を示す説明
図である。図28は本発明の第十二実施例における放電
加工動作を実行する事例のフローチャートである。
【0234】図において、1は電極、2は工作物、63
はNC制御手段、64は電極1と工作物2の相対位置制
御を行う相対位置制御手段、61は工作物加工形状の輪
郭形状パス50をオフセット情報を有するプログラムと
して記憶するオフセットプログラム記憶手段、73は側
面形状の情報を記憶する側面形状記憶手段、72は前記
側面情報から加工中に変更するオフセット値を計算する
オフセット値計算手段、71は加工中に変更する前記輪
郭形状パス50の複数のオフセット値を記憶するオフセ
ット値記憶手段である。また、X1 〜Xn 及びH1 〜H
n は前記側面情報から計算したそれぞれn回目の加工に
おける輪郭形状パスのオフセット値である。
【0235】次に、本実施例の放電加工動作について説
明する。
【0236】本実施例においては、第十実施例と同様、
輪郭形状パスを、オフセットプログラム記憶手段61で
オフセット付きプログラムとして定義し、輪郭形状パス
を順次変化させて加工を行うが、本実施例との相違点
は、各層の加工におけるオフセット値を予め設定、記憶
させておくのではなく、側面形状の情報からNC制御手
段63の内部にてオフセット値を計算する点が異なる。
【0237】即ち、図26において、側面形状記憶手段
73に記憶されている側面形状の方程式X=f(Z) か
ら、オフセット値計算手段72が各層の加工におけるオ
フセット値を計算する。計算されたオフセット群はオフ
セット値記憶手段71に記憶され、相対位置制御手段6
4は、このオフセット情報とオフセットプログラム記憶
手段61に記憶されたオフセット付き輪郭形状プログラ
ムに基づいて順次輪郭形状を縮小させて繰返し加工を行
う。
【0238】即ち、相対位置制御手段64により、図示
されない内部形状パスの加工を行った後、一旦、Z軸を
上昇させ輪郭形状パスに移動(空走)し、Z軸を再び下
げて一番外側の輪郭形状パスのオフセット値H1 の加工
を行う。更に、輪郭形状の軌跡L1 の加工の終了後はZ
軸を上昇させ、再度内部形状パスの加工を行った後、今
度は輪郭形状パスのオフセット値H2 の加工を行う。こ
のような加工を繰返しながら、オフセット値H1 →H2
→・・・→Hn と変更しながら輪郭形状を繰返し加工す
ることにより、図27に示すように、任意の形状を有す
る側面形状を持ったキャビティの加工が行われる。
【0239】通常、この処理はNC制御手段63によっ
て図28のようにプログラム制御される。
【0240】まず、ステップS41bで輪郭形状パスの
NCプログラムを入力し、ステップS42bで入力され
たNCプログラムを記憶する。ステップS43bで輪郭
形状パスに分割する加工回数nを入力し、ステップS4
4bでそれを記憶する。ステップS45bで加工回数n
から、所望加工深さHと1回の加工を行う一層の深さE
との関係から、一層の深さEがE=H/nとして演算さ
れる。ステップS46bで一層の深さEに基きオフセッ
トプログラムを記憶し、ステップS47bで側面の形状
を指定する方程式を入力する。即ち、図27のように例
えば、Z軸方向とX軸方向との関係をZ=X2 、即ち、
X=Z1/2 等の方程式を入力し、ステップS48bでそ
れを記録し、ステップS49bで入力した側面の形状を
指定する方程式に合致したオフセットを入力し、ステッ
プS50bでそれを記憶する。なお、本実施例では、側
面の形状を指定する方程式及び加工回数別にオフセット
を入力し、それを記憶する場合について説明したが、ス
テップS43b乃至ステップS47bで算出した一層の
深さE及び加工深さH、または、オフセットプログラ
ム、加工回数n及び加工深さHとの関係及び側面の形状
を指定する方程式で加工回数別にオフセット値を自動割
付けを行うことができる。
【0241】ステップS51bで加工開始が判断される
と、ステップS52bで加工回数を記憶するメモリfに
初期値の「1」を設定する。ステップS53bでオフセ
ットHf をセットし、ステップS54bでメモリfに格
納されている加工回数に応じたE(f) 層の加工を行う。
ステップS55bでメモリfが加工回数nになったか判
定し、メモリfが加工回数nになるまでは、ステップS
56bでメモリfの値をインクリメントし、ステップS
53bからステップS56bのルーチンを繰返し実行
し、メモリfが加工回数nになったとき、このルーチン
を脱する。
【0242】ところで、本実施例の放電加工装置は、単
純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加する
とともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向
の送りを、XY平面の送りと合成してNC制御により三
次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加工
装置において、ステップS46bで加工形状における輪
郭形状パスを、オフセット情報を有するプログラムとし
て記憶するオフセットプログラム記憶手段61と、ステ
ップS47b及びステップS48bで側面形状の情報を
記憶する側面形状記憶手段73と、ステップS51b及
びステップS56bで加工中に変更するオフセット値を
前記側面形状の情報に基づいて計算するオフセット値計
算手段72とを備え、前記オフセット値計算手段の計算
結果からオフセット値を順次変更しながら繰返し加工す
ることにより任意角度の側面を持った形状の加工を行う
ものである。
【0243】これによって、電極の消耗量が大きくて
も、加工中のXY平面での軌跡移動距離Lが、Z軸方向
の補正を行う基準となる補正基準区間ΔLに達するごと
に、補正移動量ΔZu のZ軸送りを行うものであるか
ら、電極消耗量と電極送り量が釣り合う加工深さの層を
除去することができ、電極消耗補正に必要な人為的に入
力する加工技術データを少なくし、より簡単な方法で電
極消耗補正を実現することができる。また、電極の消耗
量が大きくても加工精度を良くすることができる。故
に、単純形状電極を用いた3次元加工において、従来に
ない高い加工速度と加工精度が得られる。
【0244】なお、本実施例においては、第十一実施例
と比較して、輪郭形状パスのオフセット値を側面形状情
報から計算するようにしたため、複雑な任意の側面形状
の加工が可能である。したがって、プログラミングが容
易で端縁部の加工形状精度を向上させるとともに、3次
元形状の側面加工が容易に行え、コーナー部の加工精度
を向上させることができる。
【0245】実施例13. 図29は本発明の放電加工装置における第十三実施例の
構成を示す全体概略構成図で、図30は図29の実施例
による加工状態を示す模式図である。
【0246】図において、1は電極、20は電極1を保
持するコレット部、21は電極1をコレット部20によ
り保持するホルダー、22はホルダー21をクランプす
るクランプ機構、23はユニバーサルジョイントで、電
極1とともにクランプ機構22に傾斜を与える機構であ
る。また、25は図示されないZ軸駆動部に保持される
回転機構であり、回転により角度を調整する角度調整機
構24a及び24bによってクランプ機構22と結合さ
れる。26aは角度調整機構24aを回転させるギア機
構、27aはギア機構26aを回転させるアクチュエー
タ、30はアクチュエータ27aを駆動する駆動回路、
29は側面テーパー量設定手段28の設定値から電極軸
傾斜角度及びこの傾斜角度を得るためのアクチュエータ
の駆動量(回転角度)を計算するとともに、駆動回路3
0に駆動指令を与える軸傾斜量制御装置、31は加工用
電源である。
【0247】次に、本実施例の放電加工動作について説
明する。
【0248】本実施例においては、回転電極を回転軸に
対して予め所定の角度で傾斜させるようセットすること
により、傾斜側面の加工を行う。
【0249】即ち、図29において、クランプ機構22
はユニバーサルジョイント23を介して回転機構25に
接続されており、角度調整機構24a、24bを調整す
ることにより、任意の角度に電極1を傾斜させた状態で
保持できる。加工に際してはこの状態にして回転機構2
5を駆動し、電極1を回転させながら加工を行う。図3
0に示す本実施例における加工の様子を示す模式図のよ
うに、1aは加工開始時における電極位置、1bは加工
途中における電極位置を示す。
【0250】図示されるように、初期長さLe の電極1
が電極回転軸に対してθe の角度で傾斜させて回転させ
られ、その状態で加工が開始する。加工が進行するにつ
れ、電極1を消耗させながら加工が行われるため、電極
位置1bにおいてはLc で示した長さ消耗が発生する。
故に、図において、側面の傾斜角度をθw 、所望加工深
さをDとすると、 tan θw =(Lc /D)・sin θe θw = tan-1(K・sin θe ) ただし、k =Lc /D になり、傾斜角度θw の側面形状が得られる。
【0251】このように、本実施例の放電加工装置は、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY平面の送りと合成してNC制御により
三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加
工装置において、電極1をその電極回転軸に対して所定
の角度に傾斜させた状態で固定するホルダー21からな
る電極保持手段と、電極消耗量を可変とする加工用電源
31を備え、電極を所定の角度に傾斜させた状態で回転
させながら所望形状の加工を輪郭加工することにより、
一定勾配を持った側面形状を加工形成するものである。
【0252】これによって、電極の消耗量が大きくて
も、電極を所定の角度に傾斜させた状態で回転させなが
ら所望形状の加工を輪郭加工することにより、一定勾配
を持った側面形状を加工形成できるから、電極消耗補正
に必要な人為的に入力する加工技術データを少なくし、
より簡単な方法で電極消耗補正を実現することができ
る。また、電極の消耗量が大きくても加工精度を良くす
ることができる。故に、単純形状電極を用いた3次元加
工において、従来にない高い加工速度と加工精度が得ら
れる。
【0253】よって、電極長さ消耗比に応じて適正な電
極傾斜角度を設定することにより、任意の傾斜角度を持
つ側面形状の加工が可能となる。したがって、プログラ
ミングが容易で端縁部の加工形状精度を向上させるとと
もに、3次元形状の側面加工が容易に行え、コーナー部
の加工精度を向上させることができる。
【0254】実施例14. 図31は本発明の放電加工方法における第十四実施例を
示す説明図で、角形のパイプ状電極または角形の四角柱
電極で加工されたコーナー部分の仕上げ方法を示したも
のである。
【0255】図において、1Aは一片の長さL=(1−
1/√2)・Rの仕上げ用の四角柱状電極である。ここ
で、Rはパイプ状電極での加工により形成されたコーナ
ー半径である。2は工作物である。
【0256】次に、本実施例の放電加工動作について説
明する。
【0257】前述の実施例と同様、対向する電極1と工
作物2間に電圧を印加するとともに、電極1を回転さ
せ、かつ、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向
の送りをXY平面送りと合成しながら輪郭形状の加工を
行う。電極形状が定常状態に落着いた状態で加工を行う
ことにより、側面消耗を補償することなく一定の輪郭形
状が得られる。
【0258】加工においては、まず、図示されない半径
Rのパイプ状電極にて前述の加工パスを繰返し加工し、
所望深さの荒加工を行う。この加工において、4隅のコ
ーナー部には図31に示すような半径Rのコーナーが形
成される。
【0259】次に、電極1をコーナー部の仕上げ用の四
角柱状電極1Aに交換し、コーナー部の仕上げ加工を行
う。ここで、コーナー部の仕上げは従来のように電極側
面部分を用いて仕上げを行うのではなく、電極底面によ
る加工の繰返しにより仕上げを行う。即ち、電極を四角
柱状電極1Aに交換後、再度、工作物2の上面に電極を
位置決めし、Z軸方向の送りをXY平面送りと合成しな
がらコーナー取り残し部分の加工を行うことにより、層
状にコーナー部の除去を繰返し行う。四角柱状電極1A
の底面が前加工底面(パイプ状電極による加工形状の底
面)に達した段階でコーナー部の仕上げ加工が完了する
が、この仕上げにより、インコーナー部分を半径Rのな
いシャープエッジインコーナーに仕上げることができ
る。
【0260】このように、電極底面による加工の繰返し
により、コーナー部の高精度仕上げ加工を行うために
は、仕上げ用の四角柱状電極1Aの形状・大きさがきわ
めて重要となる。
【0261】次に、図32、図33を用いて仕上げ用の
四角柱状電極1Aの大きさが異なる場合における電極の
消耗形状について説明する。
【0262】図32及び図33は本発明の放電加工方法
における図19の実施例による仕上げ用の四角柱状電極
1Aの大きさが異なる事例における電極の消耗形状を示
す説明図である。なお、図中、矢視の図は電極底部を側
面側からみた図である。
【0263】図32(a)及び(b)のように、仕上げ
用の四角柱状電極1Aの大きさが比較的大きい場合に
は、四角柱状電極1Aの中心部分は4隅のコーナー仕上
げにおいて使用されないため、電極底面の消耗形状とし
ては、中心部分が消耗せずに残った形状、即ち、電極中
央が突出した形状となる。このような状態でコーナー仕
上げ加工を行うと、コーナー部分の底面形状は電極底面
形状が転写された形状となり、平坦な形状が得られな
い。
【0264】更に、図33(a)のような四角柱状電極
1Aの一片の長さL=(1−1/√2)・Rよりも或程
度大きい場合は、4隅のコーナー仕上げを行っても、電
極底面中央の突起は発生しないが、エッジ部分がダレた
電極底面形状となり、コーナー仕上げの形状精度が劣化
する。これらの加工誤差は、コーナー仕上げにおいて仕
上げ電極底面の一部が加工に使用されないために生ず
る。図33(b)のような場合、即ち、四角柱状電極1
Aの一片の長さL=(1−1/√2)・Rとなるような
状態にて加工を行うと、コーナー部において仕上げ用の
四角柱状電極1Aの底面全体を使用して加工が行われ、
四角柱状電極1Aが均一に消耗し、電極有消耗条件を利
用した高精度の加工が可能となる。
【0265】このように、本実施例の放電加工方法は、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1Aの長さ方向消耗量を補正するZ軸
方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC制御によ
り三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電
加工方法において、円柱状電極またはパイプ状電極にて
半径Rのインコーナー部分の加工を行った後に、断面四
角形の一辺の長さLが、 L≦(1−1/√2)・R となるような四角柱状電極1Aにて、前記円柱状電極ま
たはパイプ状電極で取り残したコーナー部分の仕上げを
行うものである。
【0266】これによって、電極消耗量と電極送り量が
釣り合う加工深さの層を除去することができ、電極消耗
補正に必要な人為的に入力する加工技術データを少なく
し、より簡単な方法で電極消耗補正を実現でき、電極の
消耗量が大きくても加工精度を良くすることができる。
そして、プログラミングが容易で端縁部の加工形状精度
を向上させるとともに、3次元形状の側面加工が容易に
行え、コーナー部の加工精度を向上させることができ
る。
【0267】実施例15. 図34は本発明の放電加工方法における第十五実施例を
示す説明図で、仕上げ用の円柱状電極またはパイプ状電
極によるコーナー部分の仕上げ方法を示したものであ
る。また、図35及び図36は本発明の図34の実施例
の放電加工方法における仕上げ用の円柱状電極1Bの大
きさが異なる事例における電極の消耗形状を示す説明図
である。なお、図中、矢視の図は電極底部を側面側から
みた図である。
【0268】図34は円柱状電極またはパイプ状電極に
て加工されたコーナー部分の仕上げ方法を示したもので
あり、1Bは半径R’=(1−1/√2)・Rの仕上げ
用のパイプ状電極である。なお、ここで、Rはパイプ状
電極での前加工により形成されたコーナー半径であり、
2は工作物である。
【0269】次に、本実施例の放電加工動作について説
明する。
【0270】前述の実施例と同様、まず、図示されない
半径Rのパイプ状電極で前述の加工パスを繰返し加工す
ることにより、所望深さの荒加工を行う。この加工にお
いて、4隅のコーナー部には図34に示すような半径R
のコーナーが形成される。次に、電極1Bをコーナー部
仕上げ用の円柱状電極1Bに交換し、コーナー部の仕上
げ加工を行う。ここで、コーナー部の仕上げは従来のよ
うに電極側面部分を用いて仕上げを行うのではなく、電
極底面による加工の繰返しにより仕上げを行う。即ち、
電極1Bを仕上げ用の円柱状電極1Bに交換後、再度工
作物上面に電極を位置決めし、Z軸方向の送りをXY平
面送りと合成しながらコーナー取り残し部分の加工を行
うことにより、層状にコーナー部の除去を繰返し行う。
仕上げ用の円柱状電極1Bの底面が前加工底面(パイプ
状電極による加工形状の底面)に達した段階でコーナー
部の仕上げ加工が完了するが、この仕上げにより、イン
コーナー部分を半径Rより小さなインコーナーに仕上げ
ることができる。
【0271】前記実施例でも述べたように、電極底面に
よる加工の繰返しにより、コーナー部の高精度仕上げ加
工を行うためには、仕上げ用の電極の形状・大きさがき
わめて重要となる。
【0272】例えば、図35(a)のように、仕上げ用
の円柱状電極1Bの大きさが比較的大きい場合には、円
柱状電極1Bの中心部分はコーナー仕上げにおいて使用
されないため、電極底面の消耗形状としては、中心部分
が消耗せずに残った形状、即ち、電極中央が突出した形
状となる。このような状態で、コーナー仕上げ加工を行
うと、コーナー部分の底面形状は電極底面形状が転写さ
れた形状となり、平坦な形状が得られない。これらの加
工誤差は、コーナー仕上げにおいて仕上げ電極底面の一
部が加工に使用されるために生ずる。また、図35
(b)のような場合、即ち、円柱状電極1Bの半径R’
=(1−1/√2)・Rとなるような状態にて加工を行
うと、コーナー部において仕上げ用の円柱状電極1Bの
底面全体を使用して加工が行われ、円柱状電極1Bが均
一に消耗し、電極有消耗条件を利用した高精度の加工が
可能となる。図35(b)のような場合には、仕上げ用
の円柱状電極1Bに限定されることなく、パイプ状電極
としても同じである。
【0273】また、図36(a)、図36(b)に示す
ように、更に、電極形状が小さい場合も、電極消耗は均
一となり、所望の加工が可能であるが、図36(b)に
示すように、更に、電極形状が小さい場合には、その軌
跡Lna,Lnbで示すように、複数のパスによる仕上げを
行う必要があり、その際、2回目のパスにおいて電極中
心がコーナー取り残し部分(図の網掛け部分)の内部に
入ることが必要である。図36(b)のような場合、外
側と内側の奇跡に重複部分が生じ、2回目のパスによる
加工において加工誤差が発生する。図36のような場合
には、仕上げ用の円柱状電極1Bに限定されることな
く、パイプ状電極としても同じである。
【0274】このように、本実施例の放電加工方法は、
単純な形状からなる電極1Bと工作物2間に電圧を印加
するとともに、電極1Bの長さ方向消耗量を補正するZ
軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC制御に
より三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放
電加工方法において、円柱状またはパイプ状電極にて半
径Rのインコーナー部分の加工を行った後に、半径R’
が、 R’≦(1−1/√2)・R となるような仕上げ加工用の円柱状電極1Bにて、前記
先の円柱状またはパイプ状電極1Bで取り残したコーナ
ー部分の仕上を行うものである。
【0275】したがって、電極1Bを仕上げ用の円柱状
またはパイプ電極1Bに交換後、層状にコーナー部の除
去を繰返し行い、仕上げ用の円柱状電極1Bの底面が前
加工底面(パイプ状電極による加工形状の底面)に達し
た段階でコーナー部の仕上げ加工が完了するが、この仕
上げにより、インコーナー部分を電極1Bが移動する軌
跡の半径Rより小さなインコーナーに仕上げることがで
きる。
【0276】実施例16. 図37は本発明の放電加工方法における第十六実施例を
示す説明図で、仕上げ用のパイプ状電極によるコーナー
部分の仕上げ方法を示したものである。
【0277】図において、1Bは液穴部分の一部が前加
工として行う先のパイプ状電極、即ち、前加工において
パイプ状電極で取り残した半径Rのコーナー部分にかか
るような形状のパイプ状電極であり、2は工作物であ
る。
【0278】次に、本実施例の放電加工動作について説
明する。
【0279】前加工において、半径Rのパイプ状電極に
て前述の加工パスを繰返し行い、所望深さの荒加工を行
う。この加工において、コーナー部には図37に示すよ
うな半径Rのコーナーが形成される。即ち、図示されな
い半径Rのパイプ状電極にて前述の加工パスを繰返し加
工することにより、所望深さの荒加工を行う。この加工
において、コーナー部には図37に示すような半径Rの
コーナーが形成される。次に、電極をコーナー部仕上げ
用のパイプ状電極1Bに交換し、コーナー部の仕上げ加
工を行う。ここで、コーナー部の仕上げは従来のように
電極側面部分を用いて仕上げを行うのではなく、電極底
面による加工の繰返しにより仕上げを行う。即ち、電極
を仕上げ用パイプ状電極1Bに交換後、再度工作物上面
に仕上げ用パイプ状電極1Bを位置決めし、Z軸方向の
送りをXY平面送りと合成しながらコーナー取り残し部
分の加工を行うことにより、層状にコーナー部の除去を
繰返し行う。パイプ状電極1Bの底面が前加工底面(パ
イプ状電極による加工形状の底面)に達した段階でコー
ナー部の仕上げ加工が完了するが、この仕上げにより、
インコーナー部分を半径Rのより小さなインコーナーに
仕上げることができる。
【0280】このように、本実施例の放電加工方法は、
単純な形状からなる電極1Bと工作物2間に電圧を印加
するとともに、電極1Bの長さ方向消耗量を補正するZ
軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC制御に
より三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放
電加工方法において、円柱状またはパイプ状電極1Bに
て半径Rのインコーナー部分の加工を行った後に、液穴
部分の一部が前記円柱状またはパイプ状電極1Bで取り
残したコーナー部分にかかるような形状のパイプ状電極
1Bで前記円柱状またはパイプ状電極1Bで取り残した
コーナー部分の仕上げを行うものである。
【0281】本実施例においては、図37のように液穴
部分の一部が前加工の円柱状電極、即ち、前記第1の円
柱状電極で取り残した半径Rのコーナー部分にかかるよ
うな形状のパイプ状電極1Bで、前記第1の円柱状電極
で取り残したコーナー部分の仕上げを行えば、前記実施
例と同様にコーナー部において仕上げ用パイプ状電極1
Bの底面全体を使用して加工が行われるため、電極が均
一に消耗し、電極有消耗条件を利用した高精度の加工が
可能となる。
【0282】これによって、電極の消耗量が大きくて
も、電極消耗量と電極送り量が釣り合う加工深さの層を
除去することができ、単純形状電極を用いた3次元加工
において、プログラミングが容易で端縁部の加工形状精
度を向上させるとともに、3次元形状の側面加工が容易
に行え、コーナー部の加工精度を向上させることができ
る。
【0283】実施例17. 図38は本発明の放電加工方法における第十七実施例を
示す説明図である。
【0284】図38において、1は電極、2は工作物で
ある。なお、図中、A区間はコーナー仕上げ部分の加工
区間、B区間はコーナー部以外の空走部分である空走区
間である。
【0285】図39は本発明の放電加工装置における第
十七実施例の構成を示す全体概略構成図である。
【0286】図39において、1は電極、2は工作物、
81は加工プログラム情報を記憶する加工プログラム記
憶手段、82は加工プログラム記憶手段81に格納され
ている加工プログラム情報に従って現在加工している部
分が、コーナー仕上げ部分の加工区間Aとコーナー部以
外の空走区間Bであるかを判別するコーナー部判別手段
である。具体的には、コーナー部判別手段82は、加工
プログラムが直線加工であるか否かの判定によって行う
ことができる。64は電極1と工作物2の相対位置を制
御するサーボ機構等の相対位置制御手段、63はNC制
御手段である。
【0287】次に、本実施例の放電加工動作について説
明する。
【0288】前記実施例と同様、対向する電極1と工作
物2間に電圧を印加するとともに、電極1の長さ方向消
耗量を補正するZ軸方向の送りをXY平面送りと合成し
ながら輪郭形状の加工を行う。電極形状が定常状態に落
着いた状態で加工を行うことにより、側面消耗を補償す
ることなく一定の輪郭形状が得られる。
【0289】具体的加工においては、まず、図示されな
い半径Rのパイプ状電極で前述の加工パスを繰返し加工
することにより、所望深さの荒加工を行う。この加工に
おいて、コーナー部には半径Rのコーナーが形成され
る。次に、電極をコーナー部の仕上げ用電極1に交換
し、コーナー部の仕上げ加工を行う。ここで、コーナー
部の仕上げは従来のように電極側面部分を用いて仕上げ
を行うのではなく、電極底面による加工の繰返しにより
仕上げを行う。即ち、電極1を仕上げ電極1に交換後、
再度、工作物2の上面に仕上げ電極1を位置決めし、Z
軸方向の送りをXY平面送りと合成しながらコーナー取
り残し部分の加工を行うことにより、層状にコーナー部
の除去を繰返し、加工する。仕上げ電極1の底面が前加
工底面(パイプ状電極による加工形状の底面)に達した
段階でコーナー部の仕上げ加工が完了するが、この仕上
げにより、インコーナー部分を仕上げることができる。
【0290】このように、本実施例の放電加工装置は、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY平面の送りと合成してNC制御により
三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加
工装置において、複数の電極を交換する公知の電極交換
手段と、現在加工している位置がコーナー部か否かを判
別するコーナー部判別手段82と、コーナー部分におい
ては電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを
XY平面送りと合成しながら斜め方向に加工を行い、コ
ーナー部以外の部分においてはXY平面送りのみを行う
ように制御する相対位置制御手段64を備え、円柱状ま
たはパイプ状の電極1にて加工を行った後に電極を仕上
用電極1に交換し、前記相対位置制御手段64の指令に
基づいてコーナー部の仕上加工を行うものである。
【0291】図38のような形状の仕上げ加工において
は、矢印で移動方向を示すように仕上げ電極1を移動さ
せ、四隅を順番に繰返し仕上げ加工を行うが、図の加工
区間Aで示している部分がコーナー部で放電する区間で
あり、空走区間Bで示している部分は放電が発生しない
空走する区間である。このような形状のコーナー仕上げ
では、空走区間Bが長いため、この空走区間Bにおいて
電極長さ消耗補正送り(Z軸送り)を行ってしまうと、
電極の送り過ぎとなり、次のコーナー部での加工が短絡
状態などの異常加工となる。したがって、加工区間の加
工区間Aにおいては、電極の長さ消耗を補正するようZ
軸方向の送りをXY平面送りと合成しながら斜め方向に
加工を行うが、コーナー部以外の空走区間Bにおいては
XY平面送りのみを行う。
【0292】即ち、図39において、コーナー部判別手
段82は、加工プログラム記憶手段81の情報により、
現在加工している部分がコーナー部(加工区間A)かそ
うでないか(空走区間B)であるかを判別する。コーナ
ーの加工区間Aの距離は、前加工におけるコーナーRや
仕上げ電極の形状・大きさによって変化するため、コー
ナー部判別手段82はこうした電極形状情報からより正
確にコーナー加工区間の判定を行うように構成されてい
る。相対位置制御手段64はコーナー部判別手段82の
判別結果に基づき、加工区間Aにおいては、電極の長さ
消耗を補正するよう、Z軸方向の送りをXY平面送りと
合成しながら斜め方向に加工を行い、コーナー部以外の
空走区間BにおいてはXY平面送りのみを行う。こうし
た、判別制御を行うことにより、空走部分においては電
極のZ軸方向送りが停止され、コーナー部分のみの適正
な仕上げ加工が可能となる。
【0293】なお、前記コーナー部判別手段82の判別
結果から、コーナー部以外の部分の水平方向移動(空走
区間B)における移動送りゲインを増大させたり、送り
速度の上限を増大させたりして、通常の加工送りよりも
高速で行うことにより、空走区間Bの移動無駄時間を削
減することができる。
【0294】本実施例における極間制御手段は、コーナ
ー部以外の部分の水平方向移動を、通常の加工送りより
も高速で行うものである。
【0295】また、コーナー部判別手段15の代わり
に、加工中における放電頻度の低下または平均加工電圧
の上昇などにより極間がオープン状態であることを検出
する極間検出手段を設け、その極間検出手段により極間
がオープン状態またはそれに近い場合には、Z方向の送
りを停止し、XY平面の送りのみを行うようにしてもよ
い。
【0296】このように、本実施例の放電加工装置は、
単純な形状からなる電極1と工作物2間に電圧を印加す
るとともに、電極1の長さ方向消耗量を補正するZ軸方
向の送りを、XY平面の送りと合成してNC制御により
三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加
工装置において、加工中における放電頻度の低下または
平均加工電圧の上昇などにより極間がオープン状態であ
ることを検出する極間検出手段を有し、前記極間検出手
段により極間がオープン状態またはそれに近い場合に
は、Z方向の送りを停止し、XY平面の送りのみを行う
ものである。
【0297】これによって、電極の消耗量が大きくて
も、電極消耗量と電極送り量が釣り合う加工深さの層を
除去することができ、電極消耗補正に必要な人為的に入
力する加工技術データを少なくし、より簡単な方法で電
極消耗補正を実現することができ、電極の消耗量が大き
くても加工精度を良くすることができる。そして、プロ
グラミングが容易で端縁部の加工形状精度を向上させる
とともに、3次元形状の側面加工が容易に行え、コーナ
ー部の加工精度を向上させることができる。
【0298】実施例18. 図40は本発明の放電加工装置における第十八実施例の
構成を示す全体概略構成図である。
【0299】図40において、1は電極、2は工作物、
81は加工プログラム情報を記憶する加工プログラム記
憶手段、82は現在加工している部分がコーナー部(加
工区間A)かそうでない(空走区間B)かを判別するコ
ーナー部判別手段、64は電極1と工作物2の相対位置
を制御する相対位置制御手段、83は加工送り速度の変
化から電極1が底面に達したことを検出する移動速度検
出手段、63はNC制御手段である。84は極間におけ
る平均電圧Vg を検出する極間検出手段で、加工中にお
ける放電頻度の低下または平均加工電圧の上昇などによ
り極間がオープン状態であることを検出する。その極間
検出手段84により極間がオープン状態またはそれに近
い状態であるかが判定できる。
【0300】次に、本実施例の放電加工動作について説
明する。
【0301】前記実施例と同様、まず、図示されない半
径Rのパイプ状電極にて前述の加工パスを繰返し加工す
ることにより、所望深さの荒加工を行う。次に、電極を
コーナー部仕上げ用電極1に交換し、コーナー部の仕上
加工を行う。
【0302】図38のような形状の仕上げ加工において
は、矢印で示す方向に電極を移動させ、四隅を順番に繰
返し仕上げ加工を行う。
【0303】即ち、図40において、コーナー部判別手
段82は、加工プログラム記憶手段81の情報により、
現在加工している部分がコーナー部(加工区間A)かそ
うでない(空走区間B)かを判別する。相対位置制御手
段64はコーナー部判別手段82の判別結果に基づき、
加工区間Aにおいては、コーナー部仕上げ用電極1の長
さ消耗を補正するよう、Z軸方向の送りをXY平面送り
と合成しながら斜め方向に加工を行い、コーナー部以外
の空走区間BにおいてはXY平面送りのみを行う。ま
た、相対位置制御手段64は、極間検出手段84によ
り、極間における平均電圧Vg を検出し、この検出電圧
により電極送り速度を制御する。即ち、平均電圧Vg が
減少した場合は、極間が狭まったことを意味するので、
送り速度を低下させ、逆に平均電圧Vg が増大した場合
は、極間が広がったことを意味するので、送り速度を増
大させるよう制御する。よって、送り速度の増減によ
り、極間での放電の状態を判別することができる。空走
区間Bにおいては放電は発生しないので送り速度は早い
が、コーナー部仕上げ用電極1が底面に達すると空走区
間Bでも放電が発生するようになるため、送り速度が減
少する。移動速度検出手段83は、この送り速度の減少
を検出することにより、仕上げ用電極1が底面に達した
ことを検出し、NC制御手段63は仕上げ加工の終了を
判定、仕上げ加工を終了する。
【0304】このように、本実施例の放電加工装置は、
コーナー部以外の部分の水平方向移動速度の低下を検出
する移動速度検出手段83と、前記移動速度検出手段8
3の検出結果からコーナー仕上げ用電極が荒加工による
底面に達したことを判別するコーナー部判別手段82を
備え、前記コーナー部判別手段82により仕上加工の終
了時期を判別するものである。したがって、仕上加工に
おいて無駄な加工を行うことがないから、加工形状精度
を向上させるとともに、3次元形状の側面加工が容易に
行え、コーナー部の加工精度を向上させることができ
る。
【0305】実施例19. 図41は本発明の放電加工装置における第十九実施例の
構成を示す全体概略構成図である。
【0306】図41において、1は電極、2は工作物、
81は加工プログラム情報を記憶する加工プログラム記
憶手段、82は現在加工している部分がコーナー部(加
工区間A)かそうでない(空走区間B)かを判別するコ
ーナー部判別手段、64は電極1と工作物2の相対位置
を制御する相対位置制御手段、85は平均下降電圧の変
化からコーナー部仕上げ用電極1が底面に達したことを
検出する電極位置検出手段、63はNC制御手段であ
る。
【0307】次に、本実施例の放電加工動作について説
明する。
【0308】前記実施例と同様、まず、図示されない半
径Rのパイプ状電極または円柱状電極1にて前述の加工
パスを繰返し加工することにより、所望深さの荒加工を
行う。次に、電極をコーナー部仕上げ用電極1に交換
し、コーナー部の仕上げ加工を行う。
【0309】図41において、コーナー部判別手段82
は、加工プログラム記憶手段81の情報により、現在加
工している部分がコーナー部(加工区間A)かそうでな
いか(空走区間B)を判別する。相対位置制御手段64
はコーナー部判別手段82の判別結果に基づき、加工区
間Aにおいては、仕上げ用電極1の長さ消耗を補正する
ようにZ軸方向の送りをXY平面送りと合成しながら斜
め方向に加工を行い、コーナー部以外の空走区間Bにお
いてはXY平面送りのみを行う。相対位置制御手段64
は、極間における平均電圧Vg を検出し、この検出電圧
により電極送り速度を制御する。前記実施例では、この
送り速度の増減により、仕上げ用電極1が底面に達した
ことを検出したが、本実施例では、極間平均電圧の変化
から仕上げ用電極1が底面に達したことを検出する。即
ち、仕上げ用電極1が底面に達すると空走区間Bでも放
電が発生するようになるため、平均電圧がVg が低下す
る。電極位置検出手段85は、この送り速度の減少を検
出することにより、仕上げ用電極1が底面に達したこと
を検出し、NC制御手段63は仕上げ加工の終了を判定
し、仕上げ加工を終了する。
【0310】このように、本実施例の放電加工装置は、
加工中の放電頻度の増大または平均加工電圧の下降を検
出する電極位置検出手段85と、前記電極位置検出手段
85の検出結果からコーナー仕上用電極1が荒加工によ
る底面に達したことを判別するコーナー部判別手段82
を備え、前記コーナー部判別手段82により仕上加工の
終了時期を判別するものである。したがって、仕上加工
において無駄な加工を行うことがないから、加工形状精
度を向上させるとともに、3次元形状の側面加工が容易
に行え、コーナー部の加工精度を向上させることができ
る。
【0311】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び請求項2の
放電加工方法及びその装置によれば、XY平面の所定の
単位移動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量
を記憶し、加工中の軌跡移動におけるXY平面での移動
距離が前記単位移動距離に到達するごとに前記Z軸方向
に所定の補正移動量の送りを行うようにしたので、従来
より少ない加工技術データにより電極消耗補正を簡単に
行える。したがって、電極の消耗量が大きくても、電極
消耗量と電極送り量が釣り合う加工深さの層を除去する
ことができ、電極消耗補正に必要な人為的に入力する加
工技術データを少なくし、より簡単な方法で電極消耗補
正を実現することができ、電極の消耗量が大きくても加
工精度を良くすることができる。故に、単純形状電極を
用いた3次元加工において、電極の消耗量に依存される
ことなく、従来にない高い加工速度と加工精度が得られ
るという効果がある。
【0312】請求項3及び請求項4の放電加工方法及び
その装置によれば、XY平面の所定の単位移動距離と前
記単位移動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動
量との関係を記憶し、加工中の軌跡移動におけるXY平
面での移動距離が前記単位移動距離に到達するごとに前
記Z軸方向に所定移動量の送りを行うようにしたので、
請求項1及び請求項2の放電加工方法及びその装置と同
様に、従来より少ない加工技術データにより電極消耗補
正を簡単に行える。したがって、電極の消耗量が大きく
ても、電極消耗量と電極送り量が釣り合う加工深さの層
を除去することができ、電極消耗補正に必要な人為的に
入力する加工技術データを少なくし、より簡単な方法で
電極消耗補正を実現することができ、電極の消耗量が大
きくても加工精度を良くすることができる。故に、単純
形状電極を用いた3次元加工において、電極の消耗量に
依存されることなく、従来にない高い加工速度と加工精
度が得られるという効果がある。更に、XY平面の所定
の単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ軸方向の
補正を行う補正移動量との関係を記憶するものであるか
ら、Z軸方向の補正を行う補正移動量をNC制御の能力
に合致した自動設定が可能である。
【0313】請求項5及び請求項6の放電加工方法及び
その装置によれば、XY平面の特定の単位移動距離と前
記単位移動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動
量との関係をXY平面の特定の単位移動距離と角度とし
て記憶し、加工中の軌跡移動におけるXY平面での移動
距離が前記単位移動距離に到達するごとに前記Z軸方向
に所定の補正移動量の送りを行うようにしたので、請求
項1乃至請求項4の放電加工方法及びその装置と同様
に、従来より少ない加工技術データにより電極消耗補正
を簡単に行える。したがって、電極の消耗量が大きくて
も、電極消耗量と電極送り量が釣り合う加工深さの層を
除去することができ、電極消耗補正に必要な人為的に入
力する加工技術データを少なくし、より簡単な方法で電
極消耗補正を実現することができ、電極の消耗量が大き
くても加工精度を良くすることができる。故に、単純形
状電極を用いた3次元加工において、電極の消耗量に依
存されることなく、従来にない高い加工速度と加工精度
が得られるという効果がある。更に、XY平面の所定の
単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ軸方向の補
正を行う補正移動量との関係を角度で記憶するものであ
るから、Z軸方向の補正を行う補正移動量をNC制御の
能力に合致した自動設定が可能である。
【0314】請求項7及び請求項8の放電加工方法及び
その装置によれば、XY平面の所定の単位移動距離と前
記XY平面の所定の単位移動距離に対するZ軸方向の補
正を行う補正移動量との関係、及びZ軸方向の所定の単
位移動距離と前記単位移動距離に対するZ軸方向の補正
を行う補正移動量との関係を記憶し、前記XY平面の単
位移動距離と前記Z軸方向の単位移動距離を基にXY平
面の所定の補正された単位移動距離を計算し、加工中の
軌跡移動がXY平面での補正された単位移動距離に到達
するごとに前記Z軸方向の所定移動量の送りを行うよう
にしたので、従来より少ない加工技術データにより電極
消耗補正を簡単に行える。したがって、電極の消耗量が
大きくても、電極消耗量と電極送り量が釣り合う加工深
さの層を除去することができ、電極消耗補正に必要な人
為的に入力する加工技術データを少なくし、より簡単な
方法で電極消耗補正を実現することができ、電極の消耗
量が大きくても加工精度を良くすることができる。故
に、単純形状電極を用いた3次元加工において、電極の
消耗量に依存されることなく、従来にない高い加工速度
と加工精度が得られるという効果がある。
【0315】請求項9及び請求項10の放電加工方法及
びその装置によれば、XY平面の所定の単位移動距離と
前記XY平面の所定の単位移動距離に対するZ軸方向の
補正を行う補正移動量との関係、及びZ軸方向の所定の
単位移動距離と前記単位移動距離に対するZ軸方向の補
正を行う補正移動量との関係を記憶し、前記XY平面の
単位移動距離と前記Z軸方向の単位移動距離を基に、加
工中の軌跡移動におけるXY平面での単位移動距離が前
記XY平面の単位移動距離に到達するごとに、及び前記
加工中の軌跡移動におけるZ軸方向の所定の単位移動距
離に到達するごとに、前記Z軸方向の所定移動量の送り
を行うものであるから、従来より少ない加工技術データ
により電極消耗補正を簡単に行える。したがって、電極
の消耗量が大きくても、電極消耗量と電極送り量が釣り
合う加工深さの層を除去することができ、電極消耗補正
に必要な人為的に入力する加工技術データを少なくし、
より簡単な方法で電極消耗補正を実現することができ、
電極の消耗量が大きくても加工精度を良くすることがで
きる。故に、単純形状電極を用いた3次元加工におい
て、電極の消耗量に依存されることなく、従来にない高
い加工速度と加工精度が得られるという効果がある。特
に、Z軸方向のみの移動を行っても、所定の単位移動距
離に到達するごとに、前記Z軸方向の所定移動量の送り
を行うものであるから、穴あけ加工についても精度の高
い処理が可能となる。
【0316】請求項11及び請求項12の放電加工方法
及びその装置によれば、層ごとのツールパスの少なくと
もXYデータを記憶し、前記層の厚さに相当する量と少
なくともZ軸方向の補正移動量と前記補正移動量に対す
るXY平面でのXY移動距離に相当する量から決まる加
工深さに相当する量より前記ツールパスを何回繰り返す
かを決定し、前記ツールパスの繰返し回数を制御するよ
うにしたので、従来より少ない加工技術データにより電
極消耗補正を簡単に行え、また、層の深さの調整や変更
に対しても電極消耗補正のための加工プログラム作成が
簡単になる。したがって、電極の消耗量が大きくても、
電極消耗量と電極送り量が釣り合う加工深さの層を除去
することができ、電極消耗補正に必要な人為的に入力す
る加工技術データを少なくし、より簡単な方法で電極消
耗補正を実現することができ、電極の消耗量が大きくて
も加工精度を良くすることができる。故に、単純形状電
極を用いた3次元加工において、電極の消耗量に依存さ
れることなく、従来にない高い加工速度と加工精度が得
られ、しかも、その電極消耗補正のための加工プログラ
ム作成が簡単になるという効果がある。
【0317】請求項13及び請求項14の放電加工方法
及びその装置によれば、層ごとのツールパスの少なくと
もXYデータを記憶し、前記層の厚さに相当する量と少
なくともZ軸方向の補正移動量と前記補正移動量に対す
るXY平面でのXY移動距離に相当する量から決まる加
工深さに相当する量より前記ツールパスを何回繰り返す
かを決定し、前記ツールパスの繰返し回数を制御しなが
ら各層ごとに加工を進めるとともに、前記繰返し数の途
中或いは前記繰返し数の終了後に加工深さを計測し、前
記計測値と前記繰返し数に対して期待される加工深さと
を比較し、前記比較値が許容範囲を越えている場合、或
いは前記繰返し数の終了時に前記許容範囲を越えること
が予測される場合には残りの繰返し数、追加すべき繰返
し数、Z軸方向の補正移動量、Z軸方向の補正移動量に
対するXY平面でのXY移動距離に相当する量、電極消
耗量を調節できる電気条件の少なくとも一つ以上を変更
するようにしたので、従来より少ない加工技術データに
より電極消耗補正を簡単に行え、また、層の深さの調整
や変更に対しても電極消耗補正のための加工プログラム
作成が簡単になり、しかも要求される層の厚さを正確に
除去することができる。したがって、電極の消耗量が大
きくても、電極消耗量と電極送り量が釣り合う加工深さ
の層を除去することができ、電極消耗補正に必要な人為
的に入力する加工技術データを少なくし、より簡単な方
法で電極消耗補正を実現することができ、電極の消耗量
が大きくても加工精度を良くすることができる。故に、
単純形状電極を用いた3次元加工において、電極の消耗
量に依存されることなく、従来にない高い加工速度と加
工精度が得られ、しかも、その電極消耗補正のための加
工プログラム作成が簡単になるという効果がある。
【0318】請求項15及び請求項16の放電加工方法
及びその装置によれば、層ごとのツールパスの少なくと
もXYデータを記憶し、前記層の厚さに相当する量と少
なくともZ軸方向の補正移動量と前記補正移動量に対す
るXY平面でのXY移動距離に相当する量から決まる加
工深さに相当する量より前記ツールパスを何回繰り返す
かを決定し、前記ツールパスの繰返し回数を制御しなが
ら各層ごとに加工を進めるとともに、前記繰返し数の途
中、或いは前記繰返し数の終了後に加工深さを計測し、
前記計測値と前記繰返し数に対して期待される加工深さ
とを比較し、前記比較値が許容範囲を越えている場合、
或いは前記繰返し数の終了時に前記許容範囲を越えるこ
とが予測される場合には残りの繰返し数、追加すべき繰
返し数、XY方向の補正移動量、XY方向の補正移動量
に対するZ軸方向の送り量、Z軸方向の補正移動量、Z
軸方向の補正移動量に対するXY平面でのXY移動距離
に相当する量、電極消耗量を調節できる電気条件の少な
くとも一つ以上を変更するようにしたので、従来より少
ない加工技術データにより電極消耗補正を簡単に行え、
また、層の深さの調整や変更に対しても電極消耗補正の
ための加工プログラム作成が簡単になり、しかも要求さ
れる層の厚さを正確に除去することができる。したがっ
て、電極の消耗量が大きくても、電極消耗量と電極送り
量が釣り合う加工深さの層を除去することができ、電極
消耗補正に必要な人為的に入力する加工技術データを少
なくし、より簡単な方法で電極消耗補正を実現すること
ができ、かつ、電極の消耗量が大きくても加工精度を良
くすることができる。故に、単純形状電極を用いた3次
元加工において、電極の消耗量に依存されることなく、
従来にない高い加工速度と加工精度が得られ、しかも、
その電極消耗補正のための加工プログラム作成が簡単に
なるという効果がある。
【0319】請求項17の放電加工装置によれば、電極
の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平
面送りと合成するとともに、少なくとも1種類のツール
パスの繰返し移動を制御する相対移動制御手段と、加工
液としてイオン交換水を極間に供給する加工液供給手段
と、電極側が負の極性にて高ピーク、短パルスのパルス
電流を極間に供給する加工用電源とを備え、極消耗率が
40%以上の有消耗加工条件により加工を行うようにし
たため、加工速度が高く、加工精度が高い三次元放電加
工を行い得る放電加工装置が得られる効果がある。
【0320】請求項18の放電加工装置によれば、電極
の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平
面送りと合成するとともに、少なくとも1種類のツール
パスの繰返し移動を制御する繰返し制御手段と、加工液
としてイオン交換水を極間に供給する加工液供給手段
と、両極性電圧を極間に印加するとともに、電極側が負
の極性での放電発生時においてのみ、電極負極性の高ピ
ーク、短パルスのパルス電流を極間に供給する加工用電
源とを備え、極消耗率が40%以上の有消耗加工条件に
より加工を行うようにしたため、加工速度が高く、加工
精度が高い三次元放電加工が行えるとともに、電解腐食
による工作物の変質を防止し得る放電加工装置が得られ
る効果がある。
【0321】請求項19の放電加工装置は、請求項17
または請求項18の効果に加えて、高ピーク、短パルス
のパルス電流波形として、ピーク値100A以上、パル
ス幅20μs以下のパルス電流を供給しながら加工を行
うようにしたため、加工速度、エッジ部精度がより向上
する効果がある。
【0322】請求項20の放電加工装置は、請求項2、
4、6、8、10、12、14、16、17、18乃至
請求項19のうちの1つに記載の効果に加えて、単純形
状電極材料として、黄銅を用い、加工を行うようにした
ため、加工速度が大幅に向上する効果がある。
【0323】請求項21の放電加工方法によれば、対向
する電極と工作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消
耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成
して加工形状における内部形状パスを形成する内部加工
パスと、加工形状における輪郭形状パスを形成する輪郭
加工パスを繰返し移動し加工を行うようにしたため、加
工層の縁端に沿って残存する材料を除去するために、1
つの層から次の層に変わるごとに加工パスのパターンを
変化させる必要がなく、加工プログラミングが容易にな
るとともに、データ容量が大幅に低減できる効果があ
る。また、前記内部加工パスと輪郭加工パスの繰返し移
動の際には、Z軸を上昇させて空走するものであるか
ら、移動時の加工により除去量に不均一が発生し、深さ
方向の加工誤差を生じるのを防止できる効果がある。
【0324】請求項22の放電加工装置によれば、加工
形状における内部形状パスを生成する内部加工パス生成
手段と、加工形状における輪郭形状パスを生成する輪郭
加工パス生成手段を備え、対向する電極と工作物間に電
圧を印加し、電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向
の送りを、XY平面送りと合成して加工形状における内
部形状パスを形成する内部加工パスと、加工形状におけ
る輪郭形状パスを形成する輪郭加工パスを繰返し移動し
加工を行うようにしたため、加工層の縁端に沿って残存
する材料を除去するために、1つの層から次の層に変わ
るごとに加工パスのパターンを変化させる必要がなく、
加工プログラミングが容易になるとともに、データ容量
が大幅に低減できる放電加工装置が得られる効果があ
る。また、前記内部加工パスと輪郭加工パスの繰返し移
動の際には、Z軸を上昇させて空走するものであるか
ら、移動時の加工により除去量に不均一が発生し、深さ
方向の加工誤差を生じるのを防止できる効果がある。
【0325】請求項23の放電加工方法によれば、対向
する電極と工作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消
耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成
して加工形状における輪郭形状パスを徐々に縮小または
内側に変更し繰返し加工することにより、任意角度の側
面を持った加工形状の加工を行うようにしたため、電極
形状が一定しており、電極形状変化による加工誤差の補
正を行う必要がなく、きわめて精度の高い傾斜側面形状
が容易に加工できる効果がある。
【0326】請求項24の放電加工装置によれば、加工
形状における輪郭形状パスを、オフセット情報を有する
プログラムとして記憶するオフセットプログラム記憶手
段と、加工中に変更する複数のオフセット値を記憶する
オフセット値記憶手段を備え、対向する電極と工作物間
に電圧を印加し、電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸
方向の送りを、XY平面送りと合成して加工形状におけ
る輪郭形状パスのオフセット値を徐々に変更しながら繰
返し加工することにより任意角度の側面を持った形状の
加工を行うようにしたため、輪郭形状プログラムとして
は1つ定義するだけで傾斜側面形状の加工が可能となる
効果がある。
【0327】請求項25の放電加工装置によれば、加工
形状における輪郭形状パスを、オフセット情報を有する
プログラムとして記憶するオフセットプログラム記憶手
段と、側面形状の情報を記憶する側面形状記憶手段と、
加工中に変更するオフセット値を前記側面形状情報に基
づいて計算するオフセット値計算手段を備え、対向する
電極と工作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消耗量
を補正するZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成して
加工中に変更するオフセット値を側面形状情報に基づい
て計算し、オフセット値を徐々に変更しながら繰返し加
工することにより任意角度の側面を持った形状の加工を
行うようにしたため、複雑な任意の3次元側面形状の加
工が可能となる効果がある。
【0328】請求項26の放電加工装置によれば、電極
を電極回転軸に対して所定の角度に傾斜させた状態で固
定する電極保持手段と、電極消耗量を可変とする加工用
電源を備え、電極を電極回転軸に対して所定の角度に傾
斜させた状態で回転させながら工作物間に電圧を印加
し、電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを
XY平面送りと合成して所望形状の加工を輪郭加工する
ことにより、一定勾配を持った側面形状を加工形成する
ようにしたため、任意の傾斜角度をもつ側面形状の加工
が容易に行える効果がある。
【0329】請求項27の放電加工方法によれば、対向
する電極と工作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消
耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成
しながら半径Rの円柱状電極またはパイプ状電極にて加
工を行った後に、断面四角形状の一辺の長さLが、L≦
(1−1/√2)・Rとなるような四角柱状電極にて、
前記円柱状電極またはパイプ状電極で取り残したコーナ
ーR部分の仕上げを行うようにしたため、角電極による
高精度のコーナー仕上げが可能となる効果がある。
【0330】請求項28の放電加工方法によれば、対向
する電極と工作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消
耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成
しながら半径Rの円柱状電極またはパイプ状電極にて加
工を行った後に、半径R’が、R’≦(1−1/√2)
・Rとなるような仕上げ加工用の円柱状電極にて、前記
先の円柱状電極またはパイプ状電極で取り残したコーナ
ーR部分の仕上げを行うようにしたため、円柱状電極に
よる高精度のコーナー仕上げが可能となる効果がある。
【0331】請求項29の放電加工方法によれば、対向
する電極と工作物間に電圧を印加し、電極の長さ方向消
耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平面送りと合成
しながら半径Rの先の円柱状電極またはパイプ状電極に
て加工を行った後に、液穴部分の一部が前記先の円柱状
電極またはパイプ状電極で取り残したコーナー部分にか
かるような形状の電極にて、前記先の円柱状電極または
パイプ状電極で取り残したコーナー部分の仕上げを行う
ようにしたため、円柱状電極またはパイプ状電極による
高精度のコーナー仕上げが可能となる効果がある。
【0332】請求項30の放電加工装置によれば、複数
の電極を交換する電極交換手段と、現在加工している位
置がコーナー部か否かを判別するコーナー部判別手段
と、コーナー部分においては電極の長さ方向消耗量を補
正するZ軸方向の送りをXY平面送りと合成しながら斜
め方向に加工を行い、コーナー部以外の部分においては
XY平面送りのみを行うように制御する相対位置制御手
段を備え、対向する電極と工作物間に電圧を印加し、電
極の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY
平面送りと合成しながら円柱状電極またはパイプ状電極
にて加工を行った後に電極を仕上げ用電極に交換し、現
在加工している位置がコーナー部か否かにより、コーナ
ー部分においては電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸
方向の送りを、XY平面送りと合成しながら斜め方向に
加工を行い、コーナー部以外の部分においてはXY平面
送りのみを行うことによりコーナー部の仕上げ加工を行
うようにしたため、コーナー部分の仕上げ精度を向上さ
せる効果がある。
【0333】請求項31の放電加工装置によれば、請求
30の効果に加えて、コーナー部以外の部分の水平方
向移動を、通常の加工送りよりも高速で行うようにした
ため、コーナー部分の仕上げ精度を向上させるととも
に、加工時間が大幅に低減できる効果がある。
【0334】請求項32の放電加工装置によれば、請求
30の効果に加えて、前記記載のコーナー部以外の部
分の水平方向移動速度の低下を検出する移動速度検出手
段と、前記移動速度検出手段の検出結果からコーナー仕
上げ用電極が荒加工による底面に達したことを判別する
コーナー部判別手段を備え、前記記載のコーナー部以外
の部分の水平方向移動速度の低下からコーナー仕上げ用
電極が荒加工による底面に達したことを判別し、仕上げ
加工の終了時期を判定するようにしたため、仕上げ加工
によって前加工による底面の加工精度を劣化させること
がなく、高精度の仕上げが行える効果がある。
【0335】請求項33の放電加工装置によれば、請求
30の効果に加えて、加工中の放電頻度の増大または
平均加工電圧の下降を検出する極間検出手段と、前記極
間検出手段の検出結果からコーナー仕上げ用電極が荒加
工による底面に達したことを判別するコーナー部判別手
段を備え、加工中の放電頻度の増大または平均加工電圧
の下降を検出することによりコーナー仕上げ用電極が荒
加工による底面に達したことを判別し、仕上げ加工の終
了時期を判定するようにしたため、仕上げ加工によって
前加工による底面の加工精度を劣化させることがなく、
高精度の仕上げが行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一実施例における電極消耗
補正方法の原理を説明する電極消耗補正処理の説明図で
ある。
【図2】 図2は本発明の第二実施例における電極消耗
補正方法を実行する電極消耗補正処理のフローチャート
である。
【図3】 図3は本発明の第二実施例における電極消耗
補正方法の原理を説明する電極消耗補正処理の説明図で
ある。
【図4】 図4は本発明の第二実施例における電極消耗
補正方法を実行する電極消耗補正処理のフローチャート
である。
【図5】 図5は本発明の第三実施例における電極消耗
補正方法の原理を説明する電極消耗補正処理の説明図で
ある。
【図6】 図6(a)及び(b)は本発明の第三実施例
における電極消耗補正方法を実行する電極消耗補正処理
のフローチャートである。
【図7】 図7は本発明の第四実施例における電極消耗
補正方法の原理を説明する電極消耗補正処理の説明図で
ある。
【図8】 図8は本発明の第四実施例における電極消耗
補正方法を実行する電極消耗補正処理のメインプログラ
ムのフローチャートである。
【図9】 図9(a)及び(b)は図8のメインプログ
ラムで使用するツールパスの実行プログラム及び加工深
さ計測処理プログラムのフローチャートである。
【図10】 図10は本発明の第五実施例における電極
消耗補正方法の原理を説明する電極消耗補正処理の説明
図である。
【図11】 図11は本発明の第四実施例における電極
消耗補正方法を実行する電極消耗補正処理のメインプロ
グラムのフローチャートである。
【図12】 図12(a)及び(b)は図11のメイン
プログラムで使用するツールパスの実行プログラム及び
加工深さ計測処理プログラムのフローチャートである。
【図13】 図13は本発明の第六実施例における放電
加工装置の全体構成図である。
【図14】 図14(a)は従来の放電加工による低消
耗条件の説明図、(b)は本発明の第六実施例による放
電加工装置の放電加工による有消耗条件の説明図であ
る。
【図15】 図15は本発明の第六実施例の放電加工装
置における電極消耗率と電極エッジ部消耗との関係を示
す特性図である。
【図16】 図16(a)は本発明の第六実施例の放電
加工装置におけるパルス幅と加工速度との関係を示す特
性図、(b)はパルス幅と電極消耗率との関係を示す特
性図である。
【図17】 図17は本発明の第六実施例の放電加工装
置におけるパルス幅と加工速度との関係を示す特性図で
ある。
【図18】 図18は本発明の第八実施例の放電加工方
法及びその装置における平面の事例を示す説明図であ
る。
【図19】 図19は本発明の放電加工装置における第
八実施例の構成を示す全体概略構成図である。
【図20】 図20は本発明の第九実施例の放電加工方
法及びその装置の構成を示す全体概略構成図である。
【図21】 図21は本発明の放電加工装置における第
十実施例の放電加工動作を示す説明図である。
【図22】 図22は本発明の放電加工装置における第
十一実施例の構成を示す全体概略構成図である。
【図23】 図23は本発明の放電加工装置における第
十一実施例の放電加工動作を示す説明図である。
【図24】 図24は本発明の放電加工装置における第
十一実施例の放電加工動作を実行するフローチャートで
ある。
【図25】 図25は本発明の放電加工装置における第
十一実施例の放電加工動作を実行する他の事例のフロー
チャートである。
【図26】 図26は本発明の放電加工装置における第
十二実施例の構成を示す全体概略構成図である。
【図27】 図27は本発明の放電加工装置における第
十二実施例の放電加工動作を示す説明図である。
【図28】 図28は本発明の放電加工装置における第
十二実施例の放電加工動作を実行する事例のフローチャ
ートである。
【図29】 図29は本発明の放電加工装置における第
十三実施例の構成を示す全体概略構成図である。
【図30】 図30は図29の実施例による加工状態を
示す模式図である。
【図31】 図31は本発明の放電加工方法における第
十四実施例を示す説明図である。
【図32】 図32は本発明の放電加工方法における図
19の実施例による仕上げ用の四角柱状電極の大きさが
異なる事例における電極の消耗形状を示す一部の説明図
である。
【図33】 図33は本発明の放電加工方法における図
19の実施例による仕上げ用の四角柱状電極の大きさが
異なる事例における電極の消耗形状を示す他の一部の説
明図である。
【図34】 図34は本発明の放電加工方法における第
十五実施例を示す説明図である。
【図35】 図35は本発明の図34の実施例の放電加
工方法における仕上げ用の円柱状電極の大きさが異なる
事例における電極の消耗形状を示す一部の説明図であ
る。
【図36】 図36は本発明の図34の実施例の放電加
工方法における仕上げ用の円柱状電極の大きさが異なる
事例における電極の消耗形状を示す他の一部の説明図で
ある。
【図37】 図37は本発明の放電加工方法における第
十六実施例を示す説明図である。
【図38】 図38は本発明の放電加工方法における第
十七実施例を示す説明図である。
【図39】 図39は本発明の放電加工装置における第
十七実施例の構成を示す全体概略構成図である。
【図40】 図40は本発明の放電加工装置における第
十八実施例の構成を示す全体概略構成図である。
【図41】 図41は本発明の放電加工装置における第
十九実施例の構成を示す全体概略構成図である。
【図42】 図42は従来の放電加工装置の構成図であ
る。
【図43】 図43は従来の電極消耗補正方法の動作説
明図である。
【図44】 図44は電極消耗補正を行わない場合のX
Y平面での電極移動量と電極消耗長さとの関係を示す特
性図である。
【図45】 図45は実際に電極消耗補正を行いながら
加工した場合の電極移動量と電極消耗長さとの関係を示
す特性図である。
【図46】 図46は従来の電極消耗補正方法の原理を
説明する説明図である。
【図47】 図47は従来の電極消耗補正方法の原理を
説明する電極消耗補正処理の説明図である。
【図48】 図48の(a)から(f)は従来の加工パ
スの例を示した工程説明図である。
【図49】 図49は従来の側面加工によるコーナー部
仕上げを行う場合の平面図(a)及びその正面図(b)
からなる説明図である。
【符号の説明】
1 電極、2 工作物、2a 工作物キャビティの外周
部分、2b 工作物キャビティ内の加工残し部分、5
X軸駆動手段、6 Y軸駆動手段、7 Z軸駆動手段、
8 加工用電源、30 相対移動制御手段、32 記憶
手段、33 イオン交換水、34 加工槽、35 加工
液供給手段、37 主軸手段、49 内部形状パス、5
0 輪郭形状パス、50a 外周輪郭パス、50b 輪
郭形状パス、61 オフセットプログラム記憶手段、6
2 オフセット値記憶手段、63NC制御手段、64
相対位置制御手段、65 加工パス生成手段、66 内
部加工パス生成手段、67 輪郭加工パス生成手段、7
1 オフセット値記憶手段、72 オフセット値計算手
段、73 側面形状記憶手段、81 加工プログラム記
憶手段、82 コーナー部判別手段、83 移動速度検
出手段、85 電極位置検出手段、X1 〜Xn 輪郭形
状パスのオフセット値、H1 〜Hn 輪郭形状パスのオ
フセット値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千代 知子 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機株式会社 産業システム研究所 内 (72)発明者 佐藤 達志 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機株式会社 産業システム研究所 内 (72)発明者 三宅 英孝 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機株式会社 産業システム研究所 内 (56)参考文献 特開 平3−166020(JP,A) 特開 平4−53629(JP,A) 特開 昭56−126532(JP,A) 特開 昭59−30622(JP,A) 特開 昭57−173423(JP,A) 特開 平5−345228(JP,A) 特開 平2−190219(JP,A) 特開 昭57−132927(JP,A) 特開 平4−201019(JP,A) 特公 昭63−65459(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 7/26 B23H 1/04

Claims (33)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単純な形状からなる電極と工作物間に電
    圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正す
    るZ軸方向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平面
    の送りと合成してNC制御により三次元制御を行い、所
    望の三次元形状を加工する放電加工方法において、 XY平面の所定の単位移動距離に対するZ軸方向の補正
    を行う補正移動量を記憶し、加工中の軌跡移動における
    XY平面での移動距離が前記単位移動距離に到達するご
    とに前記Z軸方向に所定の補正移動量の送りを行うこと
    を特徴とする放電加工方法。
  2. 【請求項2】 単純な形状からなる電極と工作物間に電
    圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正す
    るZ軸方向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平面
    の送りと合成してNC制御により三次元制御を行い、所
    望の三次元形状を加工する放電加工装置において、 XY平面の所定の単位移動距離に対するZ軸方向の補正
    を行う補正移動量を記憶する記憶手段と、加工中の軌跡
    移動におけるXY平面での移動距離が前記単位移動距離
    に到達するごとに前記Z軸方向に所定の補正移動量の送
    りを行う相対位置制御手段とを具備することを特徴とす
    る放電加工装置。
  3. 【請求項3】 単純な形状からなる電極と工作物間に電
    圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正す
    るZ軸方向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平面
    の送りと合成してNC制御により三次元制御を行い、所
    望の三次元形状を加工する放電加工方法において、 XY平面の所定の単位移動距離と前記単位移動距離に対
    するZ軸方向の補正を行う補正移動量との関係を記憶
    し、加工中の軌跡移動におけるXY平面での移動距離が
    前記単位移動距離に到達するごとに前記Z軸方向に所定
    移動量の送りを行うことを特徴とする放電加工方法。
  4. 【請求項4】 単純な形状からなる電極と工作物間に電
    圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正す
    るZ軸方向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平面
    の送りと合成してNC制御により三次元制御を行い、所
    望の三次元形状を加工する放電加工装置において、 XY平面の所定の単位移動距離と前記単位移動距離に対
    するZ軸方向の補正を行う補正移動量との関係を記憶す
    る記憶手段と、加工中の軌跡移動におけるXY平面での
    移動距離が前記単位移動距離に到達するごとに前記Z軸
    方向に所定の補正移動量の送りを行う相対位置制御手段
    とを具備することを特徴とする放電加工装置。
  5. 【請求項5】 単純な形状からなる電極と工作物間に電
    圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正す
    るZ軸方向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平面
    の送りと合成してNC制御により三次元制御を行い、所
    望の三次元形状を加工する放電加工方法において、 XY平面の特定の単位移動距離と前記単位移動距離に対
    するZ軸方向の補正を行う補正移動量との関係をXY平
    面の特定の単位移動距離と角度として記憶し、加工中の
    軌跡移動におけるXY平面での移動距離が前記単位移動
    距離に到達するごとに前記Z軸方向に所定の補正移動量
    の送りを行うことを特徴とする放電加工方法。
  6. 【請求項6】 単純な形状からなる電極と工作物間に電
    圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正す
    るZ軸方向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平面
    の送りと合成してNC制御により三次元制御を行い、所
    望の三次元形状を加工する放電加工装置において、 XY平面の所定の単位移動距離と前記単位移動距離に対
    するZ軸方向の補正を行う補正移動量との関係をXY平
    面の所定の単位移動距離と角度として記憶する記憶手段
    と、加工中の軌跡移動におけるXY平面での移動距離が
    前記単位移動距離に到達するごとに前記Z軸方向に単位
    移動量の送りを行う相対位置制御手段とを具備すること
    を特徴とする放電加工装置。
  7. 【請求項7】 単純な形状からなる電極と工作物間に電
    圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正す
    るZ軸方向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平面
    の送りと合成してNC制御により三次元制御を行い、所
    望の三次元形状を加工する放電加工方法において、 XY平面の所定の単位移動距離と前記XY平面の所定の
    単位移動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量
    との関係、及びZ軸方向の所定の単位移動距離と前記単
    位移動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量と
    の関係を記憶し、 前記XY平面の単位移動距離と前記Z軸方向の単位移動
    距離を基にXY平面の所定の補正された単位移動距離を
    計算し、加工中の軌跡移動がXY平面での補正された単
    位移動距離に到達するごとに前記Z軸方向の所定移動量
    の送りを行うことを特徴とする放電加工方法。
  8. 【請求項8】 単純な形状からなる電極と工作物間に電
    圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正す
    るZ軸方向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平面
    の送りと合成してNC制御により三次元制御を行い、所
    望の三次元形状を加工する放電加工装置において、 XY平面の所定の単位移動距離と前記XY平面の所定の
    単位移動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量
    との関係、及びZ軸方向の所定の単位移動距離と前記単
    位移動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量と
    の関係を記憶する記憶手段と、 前記XY平面の単位移動距離と前記Z軸方向の単位移動
    距離を基にXY平面の所定の補正された単位移動距離を
    計算し、加工中の軌跡移動が前記XY平面の補正された
    単位移動距離に到達するごとに前記Z軸方向の所定移動
    量の送りを行う相対位置制御手段とを具備することを特
    徴とする放電加工装置。
  9. 【請求項9】 単純な形状からなる電極と工作物間に電
    圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正す
    るZ軸方向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平面
    の送りと合成してNC制御により三次元制御を行い、所
    望の三次元形状を加工する放電加工方法において、 XY平面の所定の単位移動距離と前記XY平面の所定の
    単位移動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量
    との関係、及びZ軸方向の所定の単位移動距離と前記単
    位移動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量と
    の関係を記憶し、 前記XY平面の単位移動距離と前記Z軸方向の単位移動
    距離を基に、加工中の軌跡移動におけるXY平面での単
    位移動距離が前記XY平面の単位移動距離に到達するご
    とに、及び前記加工中の軌跡移動におけるZ軸方向の所
    定の単位移動距離に到達するごとに、前記Z軸方向の所
    定移動量の送りを行うことを特徴とする放電加工方法。
  10. 【請求項10】 単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY軸方向で形成されるXY平
    面の送りと合成してNC制御により三次元制御を行い、
    所望の三次元形状を加工する放電加工装置において、 XY平面の所定の単位移動距離と前記XY平面の所定の
    単位移動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量
    との関係、及びZ軸方向の所定の単位移動距離と前記単
    位移動距離に対するZ軸方向の補正を行う補正移動量と
    の関係を記憶する記憶手段と、 前記XY平面の単位移動距離と前記Z軸方向の単位移動
    距離を基に、加工中の軌跡移動におけるXY平面での単
    位移動距離が前記XY平面の単位移動距離に到達するご
    とに、及び前記加工中の軌跡移動におけるZ軸方向の所
    定の単位移動距離に到達するごとに、前記Z軸方向の所
    定移動量の送りを行う相対位置制御手段とを具備するこ
    とを特徴とする放電加工装置。
  11. 【請求項11】 所望の三次元形状をZ軸方向にいくつ
    かの層に分割し、単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成しながら
    前記分割した層ごとに加工を進め、NC制御により三次
    元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加工方
    法において、 前記層ごとのツールパスのXYデータ、XY軸方向の補
    正を行う基準とする補正基準区間及び前記補正基準区間
    に対応するZ軸方向の単位移動距離を記憶し、前記Z軸
    方向の移動量と前記XY平面でのXY移動距離に対応す
    るZ軸方向の単位移動距離から決まる加工深さにより、
    前記ツールパスを何回繰返すかを決定し、前記ツールパ
    スの繰返し回数を制御することを特徴とする放電加工方
    法。
  12. 【請求項12】 所望の三次元形状をZ軸方向にいくつ
    かの層に分割し、単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成しながら
    前記分割した層ごとに加工を進め、NC制御により三次
    元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加工装
    置において、 前記層ごとのツールパスの少なくともXYデータ、XY
    軸方向の補正を行う基準とする補正基準区間及び前記補
    正基準区間に対応するZ軸方向の単位移動距離を記憶す
    る記憶手段と、前記層の厚さに相当する量と少なくとも
    前記Z軸方向の単位移動距離と前記単位移動距離に対応
    するXY平面でのXY移動距離に相当する量から決まる
    加工深さから前記ツールパスを何回繰返すかを決定し、
    前記ツールパスの繰返し回数を制御する回数制御手段と
    を具備することを特徴とする放電加工装置。
  13. 【請求項13】 所望の三次元形状をZ軸方向にいくつ
    かの層に分割し、単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成しながら
    前記分割した層ごとに加工を進め、NC制御により三次
    元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加工方
    法において、 前記層ごとのツールパスの少なくともXYデータ、XY
    軸方向の補正を行う基準とする補正基準区間及び前記補
    正基準区間に対応するZ軸方向の単位移動距離を記憶
    し、前記層の厚さに相当する量と少なくとも前記Z軸方
    向の単位移動距離と前記単位移動距離に対応するXY平
    面でのXY移動距離に相当する量から決まる加工深さに
    相当する量より前記ツールパスを何回繰返すかを決定
    し、前記ツールパスの繰返し回数を制御しながら各層ご
    とに加工を進めるとともに、前記繰返し数の途中或いは
    前記繰返し数の終了後に加工深さを計測し、前記計測値
    と前記繰返し数に対して期待される加工深さとを比較
    し、前記比較値が許容範囲を越えている場合には、残り
    の繰返し数、追加すべき繰返し数、Z軸方向の単位移動
    距離、Z軸方向の単位移動距離に対応するXY平面での
    XY移動距離に相当する量、電極消耗量を調節できる電
    気条件の一つ以上を変更することを特徴とする放電加工
    方法。
  14. 【請求項14】 所望の三次元形状をZ軸方向にいくつ
    かの層に分割し、単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成しながら
    前記分割した層ごとに加工を進め、NC制御により三次
    元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加工装
    置において、 前記層ごとのツールパスの少なくともXYデータを記憶
    する記憶手段と、前記層の厚さに相当する量と少なくと
    もZ軸方向の単位移動距離と前記単位移動距離に対応す
    るXY平面でのXY移動距離に相当する量から決まる加
    工深さに相当する量から前記ツールパスを何回繰返すか
    を決定し、前記ツールパスの繰返し回数を制御する回数
    制御手段と、前記繰返し数の途中或いは前記繰返し数の
    終了後に加工深さを計測する計測手段と、前記計測値と
    前記繰返し数に対して期待される加工深さとを比較し、
    前記比較値が許容範囲を越えている場合には残りの繰返
    し数、追加すべき繰返し数、Z軸方向の単位移動距離、
    Z軸方向の単位移動距離に対応するXY平面でのXY移
    動距離に相当する量、電極消耗を調節できる電気条件の
    一つ以上を変更する電気条件制御手段とを具備すること
    を特徴とする放電加工装置。
  15. 【請求項15】 所望の三次元形状をZ軸方向にいくつ
    かの層に分割し、単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成しながら
    前記分割した層ごとに加工を進め、NC制御により三次
    元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加工方
    法において、 前記層ごとのツールパスの少なくともXYデータを記憶
    し、前記層の厚さに相当する量と少なくともZ軸方向の
    単位移動距離と前記単位移動距離に対応するXY平面で
    の移動距離に相当する量から決まる加工深さに相当する
    量より前記ツールパスを何回繰り返すかを決定し、前記
    ツールパスの繰返し回数を制御しながら各層ごとに加工
    を進めるとともに、前記繰返し数の途中或いは前記繰返
    し数の終了後に加工深さを計測し、前記計測値と前記繰
    返し数に対して期待される加工深さとを比較し、前記比
    較値が許容範囲を越えている場合には残りの繰返し数、
    追加すべき繰返し数、XY方向の単位移動距離、XY方
    向の単位移動距離に対応するZ軸方向の送り量、Z軸方
    向の単位移動距離、Z軸方向の単位移動距離に対応する
    XY平面でのXY移動距離に相当する量、電極消耗量を
    調節できる電気条件の一つ以上を変更することを特徴と
    する放電加工方法。
  16. 【請求項16】 所望の三次元形状をZ軸方向にいくつ
    かの層に分割し、単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成しながら
    前記分割した層ごとに加工を進め、NC制御により三次
    元制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加工装
    置において、 前記層ごとのツールパスの少なくともXYデータを記憶
    する記憶手段と、前記層の厚さに相当する量と少なくと
    もZ軸方向の単位移動距離と前記単位移動距離に対応す
    るXY平面でのXY移動距離に相当する量から決まる加
    工深さに相当する量から前記ツールパスを何回繰り返す
    かを決定し、前記ツールパスの繰返し回数を制御する回
    数制御手段と、前記繰返し数の途中或いは前記繰返し数
    の終了後に加工深さを計測する計測手段と、前記計測値
    と前記繰返し数に対して期待される加工深さとを比較
    し、前記比較値が許容範囲を越えている場合には残りの
    繰返し数、追加すべき繰返し数、XY方向の単位移動距
    離、XY方向の単位移動距離に対応するZ軸方向の送り
    量、Z軸方向の単位移動距離、Z軸方向の単位移動距離
    に対応するXY平面でのXY移動距離に相当する量、電
    極消耗量を調節できる電気条件の一つ以上を変更する電
    気条件制御手段とを具備することを特徴とする放電加工
    装置。
  17. 【請求項17】 単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC
    制御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工
    する放電加工装置において、 電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、X
    Y平面の送りと合成するとともに、少なくとも1種類の
    ツールパスの繰返し移動を制御する繰返し制御手段と、
    加工液としてイオン交換水を極間に供給する加工液供給
    手段と、電極側が負の極性にて高ピーク、短パルスのパ
    ルス電流を極間に供給する加工用電源とを備え、電極消
    耗率40%以上の有消耗加工条件により加工を行うこと
    を特徴とする放電加工装置。
  18. 【請求項18】 単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC
    制御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工
    する放電加工装置において、 電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、X
    Y平面の送りと合成するとともに、少なくとも1種類の
    ツールパスの繰返し移動を制御する繰返し制御手段と、
    加工液としてイオン交換水を極間に供給する加工液供給
    手段と、両極性電圧を極間に印加するとともに、電極負
    極性の高ピーク、短パルスのパルス電流を極間に供給す
    る加工用電源とを備え、電極消耗率40%以上の有消耗
    加工条件により加工を行うことを特徴とする放電加工装
    置。
  19. 【請求項19】 前記高ピーク、短パルスのパルス電流
    を極間に供給する加工用電源は、ピーク値100A以
    上、パルス幅20μs以下のパルス電流を用いることを
    特徴とする請求項17または請求項18記載の放電加工
    装置。
  20. 【請求項20】 前記単純な形状からなる電極は、黄銅
    を使用したことを特徴とする請求項2、4、6、8、1
    0、12、14、16、17、18乃至請求項19のう
    ちの1つに記載の放電加工装置。
  21. 【請求項21】 単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC
    制御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工
    する放電加工方法において、 加工形状における内部形状パスを形成する内部加工パス
    と、加工形状における輪郭形状パスを形成する輪郭加工
    パスを繰返し移動しながら加工を行うと共に、前記内部
    加工パスと輪郭加工パスの繰返し移動の際には、Z軸を
    上昇させて空走することを特徴とする放電加工方法。
  22. 【請求項22】 単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC
    制御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工
    する放電加工装置において、 加工形状における内部形状パスを生成する内部加工パス
    生成手段と、加工形状における輪郭形状パスを生成する
    輪郭加工パス生成手段を備え、前記内部形状パスと輪郭
    形状パスを繰返し移動させながら加工を行うと共に、前
    記内部加工パスと輪郭加工パスの繰返し移動の際には、
    Z軸を上昇させて空走することを特徴とする放電加工装
    置。
  23. 【請求項23】 単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC
    制御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工
    する放電加工方法において、 加工形状における輪郭形状パスを順次縮小または内側に
    変更しながら繰返し加工することにより、任意角度の側
    面を持った加工形状の加工を行うことを特徴とする放電
    加工方法。
  24. 【請求項24】 単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC
    制御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工
    する放電加工装置において、 加工形状における輪郭形状パスを、オフセット情報を有
    するプログラムとして記憶するオフセットプログラム記
    憶手段と、加工中に変更する複数のオフセット値を記憶
    するオフセット値記憶手段とを備え、前記オフセット値
    を順次変更しながら繰返し加工することにより任意角度
    の側面を持った形状の加工を行うことを特徴とする放電
    加工装置。
  25. 【請求項25】 単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC
    制御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工
    する放電加工装置において、 加工形状における輪郭形状パスを、オフセット情報を有
    するプログラムとして記憶するオフセットプログラム記
    憶手段と、側面形状の情報を記憶する側面形状記憶手段
    と、加工中に変更するオフセット値を前記側面形状の情
    報に基づいて計算するオフセット値計算手段とを備え、
    前記オフセット値計算手段の計算結果からオフセット値
    を順次変更しながら繰返し加工することにより任意角度
    の側面を持った形状の加工を行うことを特徴とする放電
    加工装置。
  26. 【請求項26】 単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC
    制御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工
    する放電加工装置において、 電極をその電極回転軸に対して所定の角度に傾斜させた
    状態で固定する電極保持手段と、電極消耗量を可変とす
    る加工用電源を備え、電極を所定の角度に傾斜させた状
    態で回転させながら所望形状の加工を輪郭加工すること
    により、一定勾配を持った側面形状を加工形成すること
    を特徴とする放電加工装置。
  27. 【請求項27】 単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC
    制御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工
    する放電加工方法において、 円柱状電極またはパイプ状電極にて半径Rのインコーナ
    ー部分の加工を行った後に、四角状電極の一辺の長さL
    が、 L≦(1−1/√2)・R となるような四角状電極で前記円柱状電極またはパイプ
    状電極で取り残したコーナー部分の仕上げを行うことを
    特徴とする放電加工方法。
  28. 【請求項28】 単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC
    制御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工
    する放電加工方法において、 円柱状電極またはパイプ状電極で半径Rのインコーナー
    部分の加工を行った後に、半径R’が、 R’≦(1−1/√2)・R となるような仕上げ加工用の円柱状電極またはパイプ状
    電極で、前記先の円柱状電極またはパイプ状電極で取り
    残したコーナー部分の仕上を行うことを特徴とする放電
    加工方法。
  29. 【請求項29】 単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC
    制御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工
    する放電加工方法において、 円柱状電極またはパイプ状電極にて半径Rのインコーナ
    ー部分の加工を行った後に、液穴部分の一部が前記円柱
    状電極またはパイプ状電極で取り残したコーナー部分に
    かかるような形状の円柱状電極またはパイプ状電極で前
    記円柱状電極またはパイプ状電極で取り残したコーナー
    部分の仕上げを行うことを特徴とする放電加工方法。
  30. 【請求項30】 単純な形状からなる電極と工作物間に
    電圧を印加するとともに、電極の長さ方向消耗量を補正
    するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成してNC
    制御により三次元制御を行い、所望の三次元形状を加工
    する放電加工装置において、 複数の電極を交換する電極交換手段と、現在加工してい
    る位置がコーナー部か否かを判別するコーナー部判別手
    段と、コーナー部分においては電極の長さ方向消耗量を
    補正するZ軸方向の送りをXY平面送りと合成しながら
    斜め方向に加工を行い、コーナー部以外の部分において
    はXY平面送りのみを行うように制御する相対位置制御
    手段を備え、円柱状電極またはパイプ状電極にて加工を
    行った後に電極を仕上用電極に交換し、前記相対位置制
    御手段の指令に基づいてコーナー部の仕上加工を行うこ
    とを特徴とする放電加工装置。
  31. 【請求項31】 前記極間制御手段は、コーナー部以外
    の部分の水平方向移動を、通常の加工送りよりも高速で
    行うことを特徴とする請求項30記載の放電加工装置。
  32. 【請求項32】 前記記載のコーナー部以外の部分の水
    平方向移動速度の低下を検出する移動速度検出手段と、
    前記移動速度検出手段の検出結果からコーナー仕上げ用
    電極が荒加工による底面に達したことを判別するコーナ
    ー部判別手段を備え、前記コーナー部判別手段により仕
    上加工の終了時期を判別することを特徴とする請求項
    記載の放電加工装置。
  33. 【請求項33】 加工中の放電頻度の増大または平均加
    工電圧の下降を検出する極間検出手段と、前記極間検出
    手段の検出結果からコーナー仕上用電極が荒加工による
    底面に達したことを判別するコーナー部判別手段を備
    え、前記コーナー部判別手段により仕上加工の終了時期
    を判別することを特徴とする請求項30記載の放電加工
    装置。
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