JP3395377B2 - 振動制御装置 - Google Patents

振動制御装置

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JP3395377B2
JP3395377B2 JP16814194A JP16814194A JP3395377B2 JP 3395377 B2 JP3395377 B2 JP 3395377B2 JP 16814194 A JP16814194 A JP 16814194A JP 16814194 A JP16814194 A JP 16814194A JP 3395377 B2 JP3395377 B2 JP 3395377B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、圧電形振動
ジャイロに用いる振動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の振動ジャイロとしては、例えば、
図8に示すようなものがある。この振動ジャイロにおい
ては、振動子4を構成する圧電素子2,3を、それぞれ
インピーダンス素子Z1 ,Z2 を経て駆動装置6の出力
側に接続すると共に、この駆動装置6の出力側をさらに
他のインピーダンス素子Z3 を経て容量素子Cにも接続
して、これら圧電素子2,3および容量素子Cに、駆動
装置6からの駆動信号を同時に印加するようにしてい
る。
【0003】また、インピーダンス素子Z1 ,Z2 と圧
電素子2,3とのそれぞれの接続点における出力は合成
し、その合成出力と、インピーダンス素子Z3 および容
量素子Cの接続点における出力とを差動増幅器7に供給
して、その差動出力を駆動装置6に帰還することにより
振動子4を自励振動させるようにし、さらに、これらイ
ンピーダンス素子Z1 ,Z2 と圧電素子2,3とのそれ
ぞれの接続点における出力を他の差動増幅器8に供給し
て、この差動増幅器8の出力に基づいて角速度検出信号
を得るようにしている。
【0004】ここで、振動子4は、例えば、図9に示す
ように、横断面形状が四角形を成し、共振点を有する振
動体1の一側面1aに圧電素子2を、その側面1aと隣
接する他の側面1bに圧電素子3をそれぞれ形成したも
の、図10に示すように、振動体1の同一側面上に幅方
向に分割して圧電素子2,3を形成したもの、図11に
示すように、振動体1の対向する側面上に幅方向にずら
して圧電素子2,3を形成したもの、あるいは、図12
に示すように、振動体1の対向する側面に実質的に一つ
の圧電素子2として作用するように、それぞれ圧電素子
2a,2bを形成してこれらを並列接続すると共に、他
の対向する側面にも実質的に一つの圧電素子3として作
用するように、それぞれ圧電素子3a,3bを形成して
これらを並列接続したものが用いられる。
【0005】また、その他の振動子4として、図13に
示すように、横断面形状が三角形を成し、共振点を有す
る振動体1の二つの側面に圧電素子2,3を形成したも
のや、図14に示すように、横断面形状が円形を成し、
共振点を有する振動体1の円周側面に圧電素子2,3を
形成したもの等、種々の横断面形状を有する振動体の側
面に実質的に二つの圧電素子を形成したものが用いられ
る。
【0006】なお、ここでは、図9〜図14において例
示したように、振動体1に実質的に二つの圧電素子2,
3を形成して成る振動子4を、図15に示すように表す
ものとする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す従来の振動ジャイロにあっては、駆動装置6からの
駆動信号をインピーダンス素子Z1 ,Z2 を介して圧電
素子2,3に印加するようにしているため、振動子4の
機械的直列共振周波数fS 近傍において、圧電素子2,
3のインピーダンスが低下した際に、圧電素子2,3に
印加される信号レベルが低下して、差動増幅器7の出力
が最大となる周波数と、振動子4の機械的直列共振周波
数fS とが一致しなくなる。この現象を、図16および
図17を参照して、以下に説明する。
【0008】図16AおよびBは、図9で示した構成の
振動子4のアドミッタンス|Y|の周波数特性および位
相特性の測定例を示すもので、図17AおよびBは、差
動増幅器7の伝達特性および位相特性を示すものであ
る。図8に示す振動ジャイロでは、圧電素子2,3が、
それぞれインピーダンス素子Z1 ,Z2 に直列に接続さ
れているため、これら圧電素子2,3に印加される信号
レベルは、図16Aから|Y|の大きい機械的直列共振
周波数fS 近傍において低下し、|Y|の小さい機械的
並列共振周波数fa 近傍において増大することが理解さ
れる。このため、差動増幅器7の出力は、印加信号レベ
ルの高い機械的並列共振周波数fa の影響を受けて、そ
の最大値を示す周波数は、図17Aに示されるように、
機械的並列共振周波数fa 寄りにシフトしてしまう。
【0009】また、振動子4は、一つの圧電素子につい
て、図18に等価回路を示すように、コイルL1 ,コン
デンサC1 および抵抗R1 の直列共振回路に、制動容量
Cdを並列に接続した並列共振回路で表され、インピー
ダンス素子Z1 ,Z2 は、例えば、抵抗、コンデンサ等
が用いられるため、例えば、インピーダンス素子Z1
2 として抵抗を用いた場合、印加信号は、インピーダ
ンス素子Z1 ,Z2 の抵抗値に対する制動容量Cdの値
によって決定される位相変化をも生じることになる。こ
のため、印加信号のレベルおよび位相は、ともに振動子
4のインピーダンス変化に伴って複雑に変動してしま
い、差動増幅器7の出力が最大となる周波数が、機械的
並列共振周波数fa 寄りとなってしまう。
【0010】さらにまた、振動子4の等価定数、すなわ
ち制動容量Cd、コイルL1 ,コンデンサC1 および抵
抗R1 は、個々に異なる温度依存性を有するため、周囲
温度の変化により差動増幅器7の出力が最大となる周波
数が変化する。ここで、自励振動は、差動増幅器7の出
力が最大となる周波数において生じるため、周囲温度の
変化によって、自励振動の設定周波数が変動し易くな
る。
【0011】また、振動子4の機械的品質係数Qm は、
圧電素子2側の値と、圧電素子3側の値とが正確に一致
しているものでないため、自励振動の設定周波数の変動
に伴って、インピーダンス素子Z1 ,Z2 と圧電素子
2,3の接続点の出力に差を生じることになり、ヌル電
圧の発生、変動を生じ易くなる。
【0012】さらに、振動子4は、その圧電素子2,3
にインピーダンス素子Z1 ,Z2 が接続され、全体とし
て高インピーダンスとなるため、圧電素子2,3とイン
ピーダンス素子Z1 ,Z2 とのそれぞれの接続点におい
て、電気的ノイズの影響を受け易いという問題もある。
【0013】この発明は、上述した従来の問題点に着目
してなされたもので、振動子を機械的直列共振周波数f
S に設定した周波数で安定して自励振動させることがで
きると共に、ヌル電圧の発生および変動をも有効に低減
できるよう適切に構成した振動制御装置を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の振動制御装置は、共振点を有する振動体
の側面に実質一対の圧電素子を有する振動子と、この振
動子の駆動信号を出力する信号出力端子および該振動子
の制動容量の補償信号を出力する補償信号出力端子を有
する駆動装置と、それぞれ帰還用入力端子および信号用
入力端子を有する二つの帰還増幅器とを有し、これら二
つの帰還増幅器のそれぞれの信号用入力端子を前記信号
出力端子に結合すると共に、一方の帰還増幅器の帰還用
入力端子を前記一方の圧電素子の一方の電極に、他方の
帰還増幅器の帰還用入力端子を前記他方の圧電素子の一
方の電極にそれぞれ結合し、これら圧電素子のそれぞれ
他方の電極を前記補償信号出力端子に結合して、これら
圧電素子のそれぞれ他方の電極側の信号と前記補償信号
との合成信号を前記駆動装置に帰還するよう構成したこ
とを特徴とするものである。
【0015】また、この発明の振動制御装置は、共振点
を有する振動体の側面に実質一対の圧電素子を有する振
動子と、この振動子の駆動信号を出力する信号出力端子
および該振動子の制動容量の補償信号を出力する補償信
号出力端子を有する駆動装置と、それぞれ帰還用入力端
子および信号用入力端子を有する二つの帰還増幅器とを
有し、これら二つの帰還増幅器のそれぞれの信号用入力
端子を前記信号出力端子に結合すると共に、一方の帰還
増幅器の帰還用入力端子を前記一方の圧電素子の一方の
電極に、他方の帰還増幅器の帰還用入力端子を前記他方
の圧電素子の一方の電極にそれぞれ結合し、これら圧電
素子のそれぞれ他方の電極を前記補償信号出力端子に結
合して、これら圧電素子のそれぞれ他方の電極側の信号
と前記補償信号との合成信号を前記駆動装置に帰還する
と共に、この合成信号に基づく前記駆動信号と同相の信
号を前記二つの帰還増幅器のそれぞれの帰還用入力端子
に供給するよう構成したことを特徴とするものである。
【0016】さらに、この発明の振動制御装置は、共振
点を有する振動体の側面に実質一対の圧電素子を有する
振動子と、この振動子の駆動信号を出力する信号出力端
子および該振動子の制動容量の補償信号を出力する補償
信号出力端子を有する駆動装置と、それぞれ帰還用入力
端子および信号用入力端子を有し、少なくとも一方の帰
還抵抗を可変帰還抵抗とした二つの帰還増幅器とを有
し、これら二つの帰還増幅器のそれぞれの信号用入力端
子を前記信号出力端子に結合すると共に、一方の帰還増
幅器の帰還用入力端子を前記一方の圧電素子の一方の電
極に、他方の帰還増幅器の帰還用入力端子を前記他方の
圧電素子の一方の電極にそれぞれ結合し、これら圧電素
子のそれぞれ他方の電極を前記補償信号出力端子に結合
して、これら圧電素子のそれぞれ他方の電極側の信号と
前記補償信号との合成信号を前記駆動装置に帰還すると
共に、この合成信号に基づく前記駆動信号と同相の信号
を可変抵抗を経て前記二つの帰還増幅器のそれぞれの帰
還用入力端子に供給するよう構成したことを特徴とする
ものである。
【0017】前記駆動信号と同相の信号は、前記合成信
号と前記補償信号とを合成して生成するのが、該同相の
信号に、前記実質一対の圧電素子の等価抵抗の温度依存
性に対応する変化をもたせて、ヌル電圧の発生およびそ
の変動を有効に低減する点で好ましい。
【0018】前記駆動信号と同相の信号は、前記合成信
号と前記駆動信号とを合成して生成するのが、該同相の
信号に、前記実質一対の圧電素子の等価抵抗の温度依存
性に対応する変化をもたせて、ヌル電圧の発生およびそ
の変動を有効に低減する点で好ましい。
【0019】前記補償信号の振幅および位相は、前記振
動子の制動容量の値に対応して変化させるのが、制動容
量を正確に補償する点で好ましい。
【0020】前記二つの帰還増幅器の出力の差を検出す
る差動増幅器を設けるのが、前記振動子の自励振動方向
と交差する方向の振動を検出する点で好ましい。
【0021】前記振動子の制動容量の温度依存性に対応
する温度依存性を有するコンデンサを、前記駆動装置の
前記補償信号出力端子に結合するのが、前記合成信号か
ら前記振動子の制動容量にかかわる虚数成分を除去し
て、該振動子をその機械的直列共振周波数で正確に自励
振動させる点で好ましい。
【0022】前記コンデンサは、前記圧電素子と同一組
成のものをもって構成するのが、周囲温度の変化に影響
されることなく、前記合成信号から前記振動子の制動容
量にかかわる虚数成分を有効に除去して、該振動子をそ
の機械的直列共振周波数で常に正確に自励振動させる点
で好ましい。
【0023】
【作用】駆動装置の信号出力端子を二つの帰還増幅器の
それぞれの信号用入力端子に結合し、実質一対の圧電素
子のそれぞれの一方の電極を二つの帰還増幅器のそれぞ
れの帰還用入力端子に結合すると共に、それぞれ他方の
電極を駆動装置の補償信号出力端子に結合して、それぞ
れ他方の電極側の信号と補償信号との合成信号を駆動装
置に帰還すれば、その合成信号は、振動子の機械的直列
共振周波数に正確に一致した周波数において最大とな
る。したがって、振動子を機械的直列共振周波数fS
設定した周波数で安定して自励振動させることが可能に
なると共に、ヌル電圧の発生、変動を小さく抑えること
が可能となる。
【0024】また、上記の合成信号に基づく駆動信号と
同相の信号を、二つの帰還増幅器のそれぞれの帰還用入
力端子に供給すれば、二つの帰還増幅器の出力の差、す
なわちヌル電圧の発生を有効に低減することが可能とな
る。
【0025】さらに、上記の合成信号に基づく駆動信号
と同相の信号を、可変抵抗を経て二つの帰還増幅器のそ
れぞれの帰還用入力端子に供給すれば、二つの帰還増幅
器の実数成分の出力の差を微妙に調整することができ、
また二つの帰還増幅器の少なくとも一方の帰還抵抗を可
変帰還抵抗とすれば、二つの帰還増幅器の虚数成分の出
力の差を微妙に調整することが可能となり、これにより
ヌル電圧の発生をきわめて有効に低減することが可能と
なる。
【0026】このようにして、振動子をその自励振動周
波数において安定して動作させるようにすることによ
り、また、可変抵抗および可変帰還抵抗により二つの帰
還増幅器の実数成分および虚数成分のそれぞれの出力を
微妙に調整することにより、実質一対の圧電素子を有す
る振動子に対して二つの帰還増幅器の出力が安定し、ヌ
ル電圧の発生やその変動を有効に低減することが可能と
なる。
【0027】
【実施例】以下、この発明の実施例について、図面を参
照して説明する。図1は、この発明の第1実施例を示す
もので、角速度を検出する振動ジャイロに適用したもの
である。図1において、従来技術で述べた部分と同様の
部分には同一の符号を付してある。この実施例では、図
9〜図14に示したような振動子4、すなわち共振点を
有する種々の横断面形状の振動体1の側面に実質的に二
つの圧電素子2,3を形成して成る振動子4の振動を制
御する。
【0028】図1において、駆動装置6の信号出力端子
9は、帰還増幅器10L,10Rの信号用入力端子11
L,11Rにそれぞれ接続し、これら帰還増幅器10
L,10Rの帰還用入力端子12L,12Rは、圧電素
子2,3の一方の電極にそれぞれ接続する。圧電素子
2,3の他方の電極は、コンデンサCC を経て、振動子
4の制動容量の補償信号を出力する駆動装置6の補償信
号出力端子13に接続し、これにより圧電素子2,3の
他方の電極側の信号と補償信号とを合成する。この合成
信号は、和動増幅器17で増幅し、その出力端子18に
おける合成信号を駆動装置6の入力端子14に供給する
ことにより、振動子4を自励振動させるようにする。な
お、コンデンサCC は、好適には、振動子4の制動容量
Cdの温度依存性に対応する温度依存性を有するもの、
特に好適には、圧電素子2,3と同一組成のものをもっ
て構成したものを用いて、振動子4の制動容量Cdの温
度依存性と一致させる。
【0029】また、帰還増幅器10L,10Rの出力
は、差動増幅器20に供給し、これにより振動子4に作
用する角速度によって生じるコリオリの力を電圧として
検出するようにする。なお、各帰還増幅器10L,10
Rの出力側と、対応する帰還用入力端子12L,12R
側との間には、それぞれ帰還抵抗RfL ,RfR を接続
する。
【0030】図2は、図1に示す補償信号出力端子13
を有する駆動装置6の一例の構成を示すものである。こ
の駆動装置6は、非反転増幅器15および反転増幅器1
6を有し、入力端子14からの信号を非反転増幅器15
で増幅し、その出力を補償信号として補償信号出力端子
13に供給すると共に、反転増幅器16で増幅して、駆
動信号として信号出力端子9に供給する。すなわち、こ
の例では、信号出力端子9に供給される駆動信号と、補
償信号出力端子13に供給される補償信号との位相を1
80°異ならせると共に、振幅比を反転増幅器16によ
って適切に設定するようにする。
【0031】図3AおよびBは、図1に示す構成におい
て、振動子4として図16および図17の測定に用いた
のと同じものを用いて、和動増幅器17の出力の伝達特
性および位相特性を測定した結果を示すものである。
【0032】この実施例によれば、圧電素子2,3に流
れる電流成分のうち、それぞれの制動容量Cdに関わる
虚数成分は、コンデンサCC を経て合成される補償信号
により打ち消されるので、和動増幅器17の出力は、圧
電素子2,3を流れる電流成分のうちの実数成分のみと
なる。したがって、図3A,Bに示す測定結果からも明
らかなように、和動増幅器17の電圧利得は、振動子4
の機械的直列共振周波数fS において最大となるので、
振動子4をその機械的直列共振周波数fS に正確に一致
した周波数で安定して自励振動させることができる。特
に、コンデンサCC として、圧電素子2,3と同一組成
で構成したものを用いれば、その温度依存性を振動子4
の制動容量Cdの温度依存性と一致させることができる
ので、機械的直列共振周波数fS での自励振動をより安
定化させることができる。
【0033】また、振動子4が自励振動している状態
で、振動子4に角速度が作用すると、それによって生じ
るコリオリの力を差動増幅器20から電圧として検出す
ることができる。ここで、振動子4は、その機械的直列
共振周波数fS に正確に一致した周波数で自励振動して
いるので、振動子4の機械的品質係数Qm が、圧電素子
2側での観測値と、圧電素子3側での観測値とで正確に
一致していなくても、差動増幅器20のコリオリの力に
伴わない出力、すなわちヌル電圧の発生、変動を小さく
抑えることができる。
【0034】図4は、この発明の第2実施例を示すもの
である。この実施例は、図1に示す第1実施例におい
て、和動増幅器17からの合成信号を、反転増幅器19
で反転増幅して、駆動信号と同相とし、この同相信号を
可変抵抗VRを経て帰還増幅器10L,10Rの帰還用
入力端子12L,12Rに供給すると共に、帰還増幅器
10L,10Rの帰還抵抗RfL ,RfR の少なくとも
一方、この実施例では、帰還抵抗RfR を可変帰還抵抗
をもって構成したものである。
【0035】すなわち、この実施例では、可変抵抗VR
により、圧電素子2,3の等価抵抗の微妙な差異を調整
して、それぞれの圧電素子2,3の等価抵抗を流れる電
流値に対応する実数成分の電流を帰還用入力端子12
L,12Rに流入させ、これにより帰還抵抗RfL およ
び可変帰還抵抗RfR を流れる電流が、対応する圧電素
子2,3の制動容量を流れる電流とそれぞれ等しくなる
ようにする。また、可変帰還抵抗RfR により、圧電素
子2,3の制動容量による微妙な差異を調整して、圧電
素子2,3の制動容量を流れるそれぞれの電流値に対応
する虚数成分の電流と、対応する帰還抵抗RfL および
可変帰還抵抗RfR とのそれぞれの積、すなわち虚数成
分の電圧が等しくなるようにする。
【0036】このように構成すれば、帰還増幅器10
L,10Rの帰還抵抗RfL ,可変帰還抵抗RfR
は、実数成分の電流が流れず、コリオリの力に対応した
電流、すなわち虚数成分の電流のみが流れることになる
ので、振動子4の機械的品質係数Qm が、圧電素子2側
での観測値と、圧電素子3側での観測値とで正確に一致
していなくても、差動増幅器20のコリオリの力に伴わ
ない出力、すなわちヌル電圧の発生、変動をより小さく
抑えることができる。したがって、帰還増幅器10L,
10Rにおいて、入力角速度に対応した位相成分を有効
に増幅できるので、角速度をより高精度で検出すること
ができる。
【0037】図5は、この発明の第3実施例を示すもの
である。この実施例は、図4に示す第2実施例におい
て、帰還増幅器10L,10Rの帰還用入力端子12
L,12R側に供給する駆動装置6の駆動信号と同相の
信号に、圧電素子2,3の等価抵抗の温度依存性に対応
する変化をもたせるようにしたものである。このため、
この実施例では、和動増幅器17の出力と、駆動装置6
の補償信号出力端子13からの補償信号とを、和動増幅
器21に供給して合成し、その出力を図4におけると同
様に、可変抵抗VRにより圧電素子2,3の等価抵抗の
微妙な差異を調整して、帰還増幅器10L,10Rの帰
還用入力端子12L,12Rに供給する。なお、圧電素
子2,3の制動容量に対応する虚数成分については、第
2実施例と同様に、帰還増幅器10Rの可変帰還抵抗R
R で調整する。
【0038】図6AおよびBは、図5において、振動子
4として図16および図17の測定に用いたのと同じも
のを用いて、一方の帰還増幅器10Lの出力の実数成分
および虚数成分の伝達特性を測定した結果を示すもので
ある。
【0039】図5に示す実施例によれば、和動増幅器2
1から帰還増幅器10L,10Rの帰還用入力端子12
L,12Rに流入する電流は、圧電素子2,3の等価抵
抗を流れる電流に対応し、かつその温度依存性に対応し
て変化することになる。したがって、周囲温度が変化し
ても、図6A,Bからも明らかなように、帰還増幅器1
0L,10Rの帰還抵抗RfL ,可変帰還抵抗RfR
は、常に実数成分の電流が流れず、コリオリの力に対応
した電流、すなわち虚数成分の電流のみが流れることに
なるので、ヌル電圧の発生およびその変動を有効に低減
することができると共に、入力角速度に対応した位相成
分をより有効に増幅でき、したがって図4におけるより
もより高精度で角速度を検出することができる。
【0040】図7は、この発明の第4実施例を示すもの
である。この実施例は、図5に示す第3実施例におい
て、和動増幅器21に代えて差動増幅器22を設け、こ
の差動増幅器22に、和動増幅器17の出力と、駆動装
置6の信号出力端子9からの駆動信号とを供給して、そ
れらの差動出力を図5におけると同様に、可変抵抗VR
を経て帰還増幅器10L,10Rの帰還用入力端子12
L,12Rに供給し、これにより帰還用入力端子12
L,12Rに圧電素子2,3の等価抵抗を流れる電流値
に対応し、かつその温度依存性に対応して変化する電流
を流入させるようにしたものである。なお、圧電素子
2,3の制動容量に対応する虚数成分については、帰還
増幅器10Rの可変帰還抵抗RfR で調整する。したが
って、この実施例においても、図5におけると同様に、
角速度をより高精度で検出することができる。
【0041】なお、上述した各実施例では、帰還増幅器
10L,10Rとして演算増幅器を用いたが、その他の
帰還増幅器を用いることもできる。また、第2〜4実施
例では、可変抵抗VRおよび可変帰還抵抗RfR をそれ
ぞれ固定抵抗とすることもできる。さらに、この発明は
振動ジャイロに限らず、種々の振動子の振動制御装置と
して適用することができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、駆動
装置の信号出力端子を二つの帰還増幅器のそれぞれの信
号用入力端子に結合し、実質一対の圧電素子のそれぞれ
の一方の電極を二つの帰還増幅器のそれぞれの帰還用入
力端子に結合すると共に、それぞれ他方の電極を駆動装
置の補償信号出力端子に結合して、それぞれ他方の電極
側の信号と補償信号との合成信号を駆動装置に帰還する
ようにしたので、その合成信号が、振動子の機械的直列
共振周波数に正確に一致した周波数において最大とな
り、したがって振動子を機械的直列共振周波数fS に設
定した周波数で安定して自励振動させることができると
共に、ヌル電圧の発生、変動を小さく抑えることができ
る。
【0043】また、合成信号に基づく駆動信号と同相の
信号を、二つの帰還増幅器のそれぞれの帰還用入力端子
に供給するようにしたので、二つの帰還増幅器の出力の
差、すなわちヌル電圧の発生を有効に低減することがで
きる。
【0044】さらに、合成信号に基づく駆動信号と同相
の信号を、可変抵抗を経て二つの帰還増幅器のそれぞれ
の帰還用入力端子に供給すると共に、二つの帰還増幅器
の少なくとも一方の帰還抵抗を可変帰還抵抗としたの
で、実質一対の圧電素子における実数成分および虚数成
分毎の微妙なヌル電圧を調整することができる。
【0045】したがって、振動ジャイロに適用した場合
には、ヌル電圧の発生および変動をも有効に低減して、
入力角速度に対応した位相成分を有効に増幅することが
できるので、角速度を高精度で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示すブロック図であ
る。
【図2】図1に示す駆動装置の一例の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】第1実施例における和動増幅器の伝達特性およ
び位相特性の測定例を示す図である。
【図4】この発明の第2実施例を示すブロック図であ
る。
【図5】同じく、第3実施例を示すブロック図である。
【図6】第3実施例における一方の帰還増幅器の出力の
実数成分および虚数成分の伝達特性の測定例を示す図で
ある。
【図7】この発明の第4実施例を示すブロック図であ
る。
【図8】従来例を説明するためのブロック図である。
【図9】この発明に使用可能な振動子の一例の構成を示
す図である。
【図10】同じく、他の例の構成を示す図である。
【図11】同じく、さらに他の例の構成を示す図であ
る。
【図12】同じく、さらに他の例の構成を示す図であ
る。
【図13】同じく、さらに他の例の構成を示す図であ
る。
【図14】同じく、さらに他の例の構成を示す図であ
る。
【図15】振動子の表示を説明するための図である。
【図16】振動子のアドミッタンスの周波数特性および
位相特性の測定例を示す図である。
【図17】従来例における伝達特性および位相特性の測
定例を示す図である。
【図18】振動子の等価回路を示す図である。
【符号の説明】
1 振動体 2,3 圧電素子 4 振動子 6 駆動装置 10L,10R 帰還増幅器 17 和動増幅器 19 反転増幅器 20 差動増幅器 21 和動増幅器 22 差動増幅器 VR 可変抵抗 RfL 帰還抵抗 RfR 可変帰還抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−29181(JP,A) 特開 平7−243858(JP,A) 特開 平8−14912(JP,A) 特開 平5−118859(JP,A) 特開 平5−118860(JP,A) 特開 平6−241812(JP,A) 特開 平1−236704(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/56 G01P 9/04 H03H 9/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共振点を有する振動体の側面に実質一対
    の圧電素子を有する振動子と、この振動子の駆動信号を
    出力する信号出力端子および該振動子の制動容量の補償
    信号を出力する補償信号出力端子を有する駆動装置と、
    それぞれ帰還用入力端子および信号用入力端子を有する
    二つの帰還増幅器とを有し、これら二つの帰還増幅器の
    それぞれの信号用入力端子を前記信号出力端子に結合す
    ると共に、一方の帰還増幅器の帰還用入力端子を前記一
    方の圧電素子の一方の電極に、他方の帰還増幅器の帰還
    用入力端子を前記他方の圧電素子の一方の電極にそれぞ
    れ結合し、これら圧電素子のそれぞれ他方の電極を前記
    補償信号出力端子に結合して、これら圧電素子のそれぞ
    れ他方の電極側の信号と前記補償信号との合成信号を前
    記駆動装置に帰還するよう構成したことを特徴とする振
    動制御装置。
  2. 【請求項2】 共振点を有する振動体の側面に実質一対
    の圧電素子を有する振動子と、この振動子の駆動信号を
    出力する信号出力端子および該振動子の制動容量の補償
    信号を出力する補償信号出力端子を有する駆動装置と、
    それぞれ帰還用入力端子および信号用入力端子を有する
    二つの帰還増幅器とを有し、これら二つの帰還増幅器の
    それぞれの信号用入力端子を前記信号出力端子に結合す
    ると共に、一方の帰還増幅器の帰還用入力端子を前記一
    方の圧電素子の一方の電極に、他方の帰還増幅器の帰還
    用入力端子を前記他方の圧電素子の一方の電極にそれぞ
    れ結合し、これら圧電素子のそれぞれ他方の電極を前記
    補償信号出力端子に結合して、これら圧電素子のそれぞ
    れ他方の電極側の信号と前記補償信号との合成信号を前
    記駆動装置に帰還すると共に、この合成信号に基づく前
    記駆動信号と同相の信号を前記二つの帰還増幅器のそれ
    ぞれの帰還用入力端子に供給するよう構成したことを特
    徴とする振動制御装置。
  3. 【請求項3】 共振点を有する振動体の側面に実質一対
    の圧電素子を有する振動子と、この振動子の駆動信号を
    出力する信号出力端子および該振動子の制動容量の補償
    信号を出力する補償信号出力端子を有する駆動装置と、
    それぞれ帰還用入力端子および信号用入力端子を有し、
    少なくとも一方の帰還抵抗を可変帰還抵抗とした二つの
    帰還増幅器とを有し、これら二つの帰還増幅器のそれぞ
    れの信号用入力端子を前記信号出力端子に結合すると共
    に、一方の帰還増幅器の帰還用入力端子を前記一方の圧
    電素子の一方の電極に、他方の帰還増幅器の帰還用入力
    端子を前記他方の圧電素子の一方の電極にそれぞれ結合
    し、これら圧電素子のそれぞれ他方の電極を前記補償信
    号出力端子に結合して、これら圧電素子のそれぞれ他方
    の電極側の信号と前記補償信号との合成信号を前記駆動
    装置に帰還すると共に、この合成信号に基づく前記駆動
    信号と同相の信号を可変抵抗を経て前記二つの帰還増幅
    器のそれぞれの帰還用入力端子に供給するよう構成した
    ことを特徴とする振動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動信号と同相の信号を、前記合成
    信号と前記補償信号とを合成して生成するよう構成した
    ことを特徴とする請求項2または3記載の振動制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記駆動信号と同相の信号を、前記合成
    信号と前記駆動信号とを合成して生成するよう構成した
    ことを特徴とする請求項2または3記載の振動制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記補償信号の振幅および位相を、前記
    振動子の制動容量の値に対応して変化させるよう構成し
    たことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載
    の振動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記二つの帰還増幅器の出力の差を検出
    する差動増幅器を設けたことを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか一つに記載の振動制御装置。
  8. 【請求項8】 前記振動子の制動容量の温度依存性に対
    応する温度依存性を有するコンデンサを、前記駆動装置
    の前記補償信号出力端子に結合したことを特徴とする請
    求項1〜7のいずれか一つに記載の振動制御装置。
  9. 【請求項9】 前記コンデンサを、前記圧電素子と同一
    組成のものをもって構成したことを特徴とする請求項1
    〜8のいずれか一つに記載の振動制御装置。
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