JP3391361B2 - 多翼送風機 - Google Patents

多翼送風機

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JP3391361B2 JP16349894A JP16349894A JP3391361B2 JP 3391361 B2 JP3391361 B2 JP 3391361B2 JP 16349894 A JP16349894 A JP 16349894A JP 16349894 A JP16349894 A JP 16349894A JP 3391361 B2 JP3391361 B2 JP 3391361B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠心式多翼送風機に関
するもので、詳細には、車両に搭載される空調装置に使
用して好適な遠心多翼送風機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ベルマウスをもつケース内に
多数の翼をもつファンが収納される多翼送風機が知られ
ている。このような多翼送風機においては、ベルマウス
により形成される空気吸込口付近での逆流が発生するこ
とが問題となる。例えば特公平1−44919号公報に
開示されるものは、ファンから吐き出された空気の一部
が戻り気流となってそのエネルギーを失うことなく、フ
ァンケース内から吸込口に戻されて再び昇圧され、吐出
口から吐き出される空気の全圧を増加するようにしたも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の多翼送風機においては、本発明者の実験検討
によると、例えば図18に示すように、ベルマウス6に
より形成される空気取入口36からケース7内に空気が
吸込まれた後、ケース7の空間7aの上部で渦流101
が発生すると共に、保持リング24とケース7の間に逆
流102が発生することが判明した。この渦流101ま
たは逆流102の発生は、送風機の風量とは無関係に生
ずるもので、多翼ファンの仕事を無駄に消費することに
なり、また吸込流や吐出流を乱す影響が大きく、送風機
の効率を低下させかつ送風機の騒音を高める原因になっ
ている。
【0004】そこで本発明者は種々の実験を行った結
果、図18に示す多翼送風機において、ケース7の下面
と保持リング24との間の隙間を小さくすることで逆流
102を低減しようとすると、今度は逆に保持リング2
4の下方における隣接するブレート1と1との間の上部
に逆流103が発生することが判明した。この逆流10
3は、スクロール状のケース7内において空気取入口3
6とブレード1外側のケース7の空間7aとの圧力差が
ブレードの仕事量より大きくなると、円周方向の一部分
もしくはほぼ全周にて発生する。
【0005】さらに、実験中、このような逆流103
は、スクロール状のケース7の全周において均一に発生
するものではなく、ファンの回転方向に対しスクロール
ノーズ部を起点とした一定の角度範囲において顕著に発
生するという重要な知見が得られた。このような逆流1
03の発生状況は送風機の回転数、送風機の仕様等によ
っても異なるが、逆流が発生する一例としては、図3に
示すように、スクロールノーズ部21からファン回転方
向の部分的な角度βの範囲内おいて発生しやすいことが
判明した。
【0006】また、この種の遠心多翼送風機を、乗用車
に搭載するリアクーラの送風ファンとして適用する場
合、リアウインド下方のリアパネルとさらにその下方の
トランクとの間にリアクーラユニットを装着するときに
は、限定された上下高さ範囲の空間容積に送風ファンを
装着する必要があるため、送風ファンのファン軸方向長
さをできるだけ小さくすることが要求される。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、ケース内の上方の空間で生じやす
い逆流を抑制するため空気取入口の一部を封鎖し、ファ
ン効率の向上および騒音の低減を図れるようにした多翼
送風機を提供することを目的とする。さらに本発明は、
乗用車のリアクーラ用送風ファンとしてリアパネル下方
にほぼ鉛直方向にファン軸を取付ける場合、圧力損失を
低減して騒音の低減を図るようにした多翼送風機を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の本発明の多翼送風機は、空気取入
口を形成するベルマウスを有するケースと、前記ケース
に収納され、円周方向に配設された多数のブレード、前
記多数のブレードの空気吸込側端部に形成された環状の
シュラウドおよび前記多数のブレードの反空気吸込側端
部に形成された底プレートを有する遠心多翼ファンとを
備えた多翼送風機において、前記シュラウドは、前記空
気取入口から前記ブレード間にファン軸方向よりファン
径外方向へ方向転換しつつ流入する空気流れに沿った略
円弧状の断面形状に形成され、前記ケースの前記ベルマ
ウス近傍の内壁断面形状が前記シュラウドとの間に微小
隙間を介して前記シュラウドの断面形状に沿うよう形成
されており、前記ベルマウスの上部の周方向の一部に前
記シュラウド下面に沿って前記ブレード側から前記空気
取入口側へ流れる逆流の流量を抑制する逆流抑制手段を
設け、この逆流抑制手段の径内方向端部に前記底プレー
トに回転駆動力を伝達する駆動モータを取り付け、この
逆流抑制手段の径外方向端部に前記ケースを固定したこ
とを特徴とする。
【0009】請求項2に記載の本発明の多翼送風機は、
空気取入口を形成するベルマウスを有するケースと、前
記ケースに収納され、円周方向に配設された多数のブレ
ード、前記多数のブレードの空気吸込側端部に設けられ
た環状の保持リングおよび前記多数のブレードの反空気
吸込側端部に形成された底プレートを有する遠心多翼フ
ァンとを備えた多翼送風機において、前記ベルマウスの
上部の周方向の一部に前記保持リングの下面に沿って前
記ブレード側から前記空気取入口側へ流れる逆流の流量
を抑制する逆流抑制手段を設け、この逆流抑制手段の径
内方向端部に前記底プレートに回転駆動力を伝達する駆
動モータを取り付け、この逆流抑制手段の径外方向端部
に前記ケースを固定したことを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の本発明の多翼送風機は、
ケースと、空気取入口を形成するベルマウスを有するモ
ータステーと、前記ケースに収納され、円周方向に配設
された多数のブレード、前記多数のブレードの空気吸込
側端部に形成された環状のシュラウドおよび前記多数の
ブレードの反空気吸込側端部に形成された底プレートを
有する遠心多翼ファンとを備えた多翼送風機において、
前記シュラウドは、前記空気取入口から前記ブレード間
にファン軸方向よりファン径外方向へ方向転換しつつ流
入する空気流れに沿った略円弧状の断面形状に形成さ
れ、前記ベルマウス近傍の内壁断面形状が前記シュラウ
ドとの間に微小隙間を介して前記シュラウドの断面形状
に沿うよう形成されており、前記ベルマウスの周方向の
一部に前記シュラウド下面に沿って前記ブレード側から
前記空気取入口側へ流れる逆流の流量を抑制する逆流抑
制手段を設け、前記モータステーの径内方向端部に前記
底プレートに回転駆動力を伝達する駆動モータを取り付
け、前記モータステーの径外方向端部に前記ケースを固
定したことを特徴とする。
【0011】請求項4に記載の本発明の多翼送風機は、
ケースと、空気取入口を形成するベルマウスを有するモ
ータステーと、前記ケースに収納され、円周方向に配設
された多数のブレード、前記多数のブレードの空気吸込
側端部に設けられた環状の保持リングおよび前記多数の
ブレードの反空気吸込側端部に形成された底プレートを
有する遠心多翼ファンとを備えた多翼送風機において、
前記ベルマウスの周方向の一部に前記保持リングの下面
に沿って前記ブレード側から前記空気取入口側へ流れる
逆流の流量を抑制する逆流抑制手段を設け、前記モータ
ステーの径内方向端部に前記底プレートに回転駆動力を
伝達する駆動モータを取り付け、前記モータステーの径
外方向端部に前記ケースを固定したことを特徴とする。
【0012】請求項5に記載の本発明の多翼送風機は、
請求項3または4記載の構成において、前記逆流抑制手
段をぼぼ平板形状にしたことを特徴とする。請求項6に
記載の本発明の多翼送風機は、請求項3または4記載の
構成において、前記逆流抑制手段の先端をぼぼ円弧状の
第2のベルマウス形状にしたことを特徴とする。
【0013】
【作用および発明の効果】請求項1または2記載の多翼
送風機によると、ケースのノーズ部を基準線としてファ
ン中心からノーズ部の先端を結ぶ基準線より一定の角度
範囲においてシュラウドの下方または保持リングの下方
の隣り合うブレード間上部で逆流が発生しやすいことに
着目し、この逆流が発生しやすい範囲においてベルマウ
スの上部に逆流抑制手段を設けため、ベルマウス近傍の
逆流の発生しやすい箇所において効果的に逆流を抑制す
る。
【0014】請求項3、4、5または6記載の多翼送風
機によると、遠心多翼ファンに空気を取り込む場合、モ
ータステーに形成したベルマウスより空気を取り込む。
そして、モータステーの一部に形成した平板部分あるい
はベルマウス部分が、ブレード側から空気取入口側に流
れようとする逆流を抑制する。このため、空気流れの逆
流が防止されるとともに、圧力損失が低減され、ファン
効率の向上および騒音の低減が図れる。
【0015】また、請求項1〜6記載の多翼送風機によ
ると、この逆流抑制手段を構成するモータステーに固定
される駆動モータを空気取入口側に設ける構成としたた
め、ファンの駆動モータを吸込側から取り付けることで
ファンおよびモータの軸方向長さ(送風機の厚さ)を縮
小することができるという効果がある。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (第1実施例)車両用空調装置の空気を取り込む送風機
に本発明を適用した第1実施例を図1〜図6に示す。
【0017】通風系統は、図5に示すように、車室外の
空気を取り入れる外気取入口42、または車室内の空気
を取り入れる内気取入口43から取り入れられた空気を
送風機46の空気取入口36からケース7内に取り込
み、遠心多翼ファン20によりエバポレータ47に導
く。外気取入口42と内気取入口43は回動自在な内外
気切替ダンパ45により開閉される。エバポレータ47
の出口側にはエアミックスダンパ48が設けられ、この
エアミックスダンパ48によって仕切られる第1流路1
8と第2流路19のうちの片側の第2流路19にヒータ
コア17が取り付けられている。エアミックスダンパ4
8とヒータコア17の出口側に形成されるエアミックス
チャンバ49は、車室内の上方に向けて吹き出す上方吹
出口13、車両乗員の上部に向けて吹き出す上部吹出口
12ならびに車両乗員の足元に向けて吹き出す足元吹出
口10に連通している。各吹出口10、12、13の入
口側には、それぞれの吹出口の開度を調節するダンパ1
4、15、16が回動自在に取り付けられている。
【0018】前記送風機46は、その具体的な構造が図
1、図2、図3及び図6に示され、遠心多翼ファン20
の斜視図が図4に示される。送風機46は、遠心多翼フ
ァン20とケース7とからなる。ケース7は、樹脂成形
された上ケース7bと下ケース7cとをクランプ、ビス
等により一体に組み付けられたものであって、周知のス
クロール形状に形成されており、径外方向に延びる図5
に示す空気出口部37を有し、この空気出口部37はエ
バポレータ47の空気入口側に接続されている。ケース
7には、遠心多翼ファン20を回転駆動するファン駆動
用モータ33が支持固定されている。
【0019】遠心多翼ファン20は、底プレート2と、
複数のブレード1と、ブレード1の頂部に環状に形成さ
れ保持リングの役目を兼ねるシュラウド4とから構成さ
れる。底プレート2は、図5に示すファン駆動用モータ
33からの駆動力が伝達されるボス部3を有している。
ブレード1は、底プレート2の外周端2bの近傍から立
ち上がるように形成されるもので、底プレート2の外周
端2bの近傍に円周方向に沿って所定の円弧間隔をおい
て複数配置される。
【0020】シュラウド4は、ブレード1の空気吸込側
端部と接合され、空気取入口36から取り入れた空気流
れをファン軸方向よりファン径外方向へ方向転換するよ
うにほぼ円弧状の断面形状に形成される。シュラウド内
周端4aには、上方に突き出す環状の突起4bが形成さ
れる。さらに、上ケース7bは、図1及び図2に示すよ
うに、軸方向に空気取入口36を形成するベルマウス6
を有し、このベルマウス6がシュラウド4の突起4bを
包み込むように概断面半円弧状に形成される。このベル
マウス内壁6aと突起4bの間には微小な一定間隔δ例
えば約3mm程度を有する。
【0021】そして、図1、図2及び図6に示すよう
に、上ケース7bの上部に3本のステー51、52、5
3が120°間隔でファン軸中心上部に設けられてい
る。 (1) 第1のステー51、52は、ケース径外方向端部5
1a、52aが上ケース7bの上部に固定され、径内方
向端部51b、52bが駆動モータ33を支持してい
る。
【0022】(2) 第2のステー53は、平板状の扇形を
しており、径外方向端部53aがファンケース上部のノ
ーズ部21の近傍に固定され、径内方向端部53bが駆
動モータ33を支持している。この第2のステー53
は、ブレード1の上部のシュラウド4の下面に沿う逆流
103の発生しやすい箇所に設けられている。ステー5
3が設けられる扇形の角度範囲は、図3に示すようにフ
ァン中心とノーズ部21を結ぶ基準線mからファン回転
方向を正とすると、この基準線mより負方向に例えば7
0°、正方向に80°の角度範囲βの一部または全部に
する。
【0023】このようにして図3に示すように逆流の起
こりやすい範囲においてステー53を設ける構成にした
ため、シュラウド4の直下の全周部分の一部分において
起こりやすい逆流を効果的に防止し、騒音を低減するこ
とができるという効果がある。本第1実施例によると、
例えば図3に示すように、ブレード1間の上部を通って
ブレード1の径外側から径内側に図10に示すような逆
流103が発生しやすい角度βの範囲において、ステー
53を設ける構成としたため、前述の逆流103の発生
が低減されるので、この逆流に起因する騒音の発生が低
減される。
【0024】(第2実施例)図7に示す第2の実施例
は、モータ33を固定するステー253の径外方向端部
をケース7に固定し、ステー中間部に段部253cを形
成し、この段部253cの径内方向端部253bで駆動
モータ33を支持した例である。この場合、駆動モータ
33の軸方向中間外周部をステー径内方向端部253b
により固定するので支持剛性が高められると共に、モー
タ33の周囲の上部の余裕空間254が形成されること
で、ファンケース周囲の余裕空間を効果的に利用可能で
ある。
【0025】(第3実施例)図8に示す第3実施例は、
ファンの形状をシュラウドに代えて保持リング70でブ
レード1の上部を保持する例に本発明を適用した例であ
る。すなわち、ブレード1の上部にファンケース71の
ベルマウス6が円弧状内側に円弧を描いて垂れ下がった
形状となっている。モータ33を固定するステー53は
第1の実施例のものと同様である。
【0026】(第4実施例)図9に示す第4実施例は、
前記図8に示す第3実施例と同様に複数のブレードを保
持リング70で固定するファン201に本発明を適用し
た例である。駆動モータ33を支持するステー253
は、その中間部に段部253cを有し、径外方向端部2
53aがファンケース71の上部に固定され、径内方向
端部253bが駆動モータ33を支持している。
【0027】この第4実施例においても、図7に示す第
2実施例と同様に駆動モータ33を支持する剛性が高め
られると共に駆動モータ33の上部の余裕空間254を
有効利用することができるという効果がある。以上の実
施例においても、シュラウドまたは保持リングの下の部
分において空気取入口より外へ抜けようとする逆流が発
生しやすい円周部分の一部についてはその逆流を遮断す
るように逆流抑制手段を設けたため、逆流を効果的に防
止し、騒音を効果的に低減することができる。
【0028】さらに、これらの実施例では、ブレード上
方の空間で生じやすい逆流を抑制するため空気取入口の
一部を封鎖し、別部品を用いることなく、送風ファンの
ファン軸方向の厚さを薄くできる。 (第5実施例)本発明の第5実施例を図10〜図12に
示す。
【0029】図10および図11に示すように、この第
5実施例ではモータステー60の形状ないし構造に工夫
をし送風機の軸方向長さを縮小したものである。モータ
ステー60は、脚部61、62、63、ベルマウス6
4、カバー部65、取付部66および平板部67、68
からなる。脚部61、62、63は、互いに120°間
隔で放射状に延び、その一端61a、62a、63aが
駆動モータ33を固定する固定部69に接続されてい
る。脚部61、62、63の他端61b、62b、63
bは、前記一端61a、62a、63aから径外方向に
延びるものでベルマウス64に接続されている。
【0030】ベルマウス64は、内部に空気取入口を形
成するように環状に形成されている。脚部61、62、
63は、断面半円弧状に上に凸状に空気抵抗の少ないよ
うに形成されている。そしてこのベルマウス64の外周
部は環状カバー部65に接続されている。カバー部65
は、その下面がシュラウド4の形状に沿う方向にシュラ
ウド4との間に微小隙間を形成するように径外方向に延
びるとともにシュラウド4と同様に円環状に形成されて
いる。このカバー部65の径外側は、脚部61、62、
63の径外方向延長上に形成される取付部66に接続し
ている。
【0031】取付部66は、この実施例では3箇所設け
られており、ケース7の上端に嵌合されるとともに、さ
らにその取付部上部からボルト75により取付部66と
ケース7とが締め付け固定されている。そして、ベルマ
ウス64のケースノーズ部21の近傍の所定箇所に平板
部67、68が形成されている。平板部67、68は、
ブレード1側からベルマウス64側に逆流しようとする
空気流が外部に漏れるのを抑制する働きがある。平板部
67、68はその位置がノーズ部21の近傍におけるベ
ルマウス64の径内側であり、脚部63に対しその延び
る方向と垂直方向にオーバーハングするように翼状に形
成されている。平板部67、68はその形状が脚部63
に対し両側に対称に形成されている。これにより、前記
第1実施例で扇形状に形成したのと異なり翼状に平板部
67、68が形成されている。
【0032】モータステー60を構成する脚部61、6
2、63、ベルマウス64、カバー部65、取付部66
および平板部67、68は樹脂により一体成形されてい
る。このため、これらの各構成要素部分が一体にあらか
じめ樹脂成形されるため組み付け作業が容易に行えると
いう効果がある。この第5実施例では、ファン軸方向の
余裕空間をより有効に利用することで、リアクーラのよ
うなファン軸方向にスペースの余裕がないレイアウトの
ときに有効となり、ファン軸方向の大きさを小さくする
ことで送風機の小型化が図れる。したがってリアクーラ
のようなファン軸方向小スペース部分に取り付けること
ができる。
【0033】またこの第5実施例では、ベルマウス部分
がケース7でなくモータステー60の一部分に形成され
ている。したがってファン上部部分の空間部分のケース
形状部分を簡素化することでケース形状を単純化できる
ためケースの複雑形状を回避し樹脂成形し易くなるとい
う効果がある。さらに、平板部67、68は、請求項に
記載の逆流抑制手段に相当するのであるが、この平板部
67、68の逆流抑制作用によってどのような騒音低減
効果があるか実験を行った。この実験結果を図12に示
す。
【0034】実験条件は、第5実施例の形状に相当する
もので平板部67、68を形成しないもの(比較例)
と、前記第5実施例の形状のものとについて、騒音レベ
ルの周波数特性を比較した。周波数は、40Hzから1
0kHzまでの範囲について騒音レベルを測定した。実
験結果は図12に示すとおりである。図12に示すよう
にいずれの周波数域においても比較例よりも第5実施例
の方が騒音レベルが低いことが理解できる。特に周波数
1kHzにおいては、比較例に比べ第5実施例の方が3
dBの騒音低減効果があり、またオーバーオール値で2
dBの騒音低減効果があることが判明した。
【0035】次に、この第5実施例を乗用車のリアクー
ラ用送風ファンに適用した例を図13に示す。乗用車の
リアシート後方のトレイとその下方の燃料タンク上面と
の間に装着したリアクーラのレイアウト例である。図1
3と図5を対比して分かるように、共に模式図である
が、図13に示すリアクーラ用のレイアウトでは、全体
的に薄型になっていることが理解できる。図13におい
て、ケース77の一方の端部側のリアトレイ部分と接続
する部分に車室内と連通する空気取入口78が形成さ
れ、この空気取入口78の下方にフィルタ79が取り付
けられている。フィルタ79の下流側に遠心多翼送風機
が取り付けられている。そしてその送風機の空気出口側
にスクロール状ケース80が形成され、そのスクロール
状ケース80の出口側部にエバポレータ47が形成され
ている。エバポレータ47の出口側には空気ダクト81
と82に分岐している。この空気ダクト81、82は、
車室の後部両サイドドアに上方に位置する吹出口を通じ
て後部座席に送風が行き渡るように分岐するダクトであ
る。
【0036】車室内の空気は、空気取入口78からケー
ス77内に取り入れられフィルタ79を通って送風ファ
ンによって後方のエバポレータ47に送風され、エバポ
レータ47で冷却された風が空気ダクト81または82
から車室内に送風される。 (第6実施例)本発明の第6実施例を図14に示す。
【0037】図14に示す第6実施例は、図11に示す
第5実施例のファン形状をシュラウドに代えて、保持リ
ング70でブレード1の上部を保持する例に置き換えた
例である。すなわち、ブレード1の上部にモータステー
60のベルマウス85が内径側に略円弧を描いて垂れ下
がった形状となっている。モータ33を固定するモータ
ステー60は、前記第5実施例と同様のものであるの
で、実質的に同一の構成部分については同一符号を付
し、その説明を省略する。
【0038】この第6実施例に示す保持リング70でブ
レード1を保持する例のファンについても本発明を適用
することにより、ファン軸方向の小型化ならびにケース
7ならびにモータステー60の取付けが容易になるとい
う効果がある。 (第7実施例)本発明の第7実施例を図15および図1
6に示す。
【0039】図15および図16に示す第7実施例は、
第5実施例、第6実施例に示す平板部67、68に代え
て、第2のベルマウス83、84に置き換えた例であ
る。この第7実施例では、前記第5、第6実施例に示す
平板部67、68の先端で新たに吸込風の流れの乱れが
発生することによる騒音低減効果の減少を改善するため
に、平板先端で発生する風の乱れを抑制するようにこの
先端部分をベルマウス形状にすることで騒音低減するこ
とを目的とする。
【0040】この第2のベルマウス83、84は図15
に示すように脚部63の両側に延びており、それぞれの
部分はベルマウス状に形成されている。ベルマウスと反
対部分は第1のベルマウス64に接続されており、また
脚部63の近傍において連続して接続されている。この
第2のベルマウス83、84についても、モータステー
60として樹脂により脚部63、ベルマウス64、カバ
ー部65、取付部66等と樹脂により一体成形されて形
成される。
【0041】この第7実施例によると、ファン軸方向の
大きさを縮小できることはもちろん、空気取入口部分に
おける逆流防止効果と騒音低減効果を同時に達成できる
という効果がある。 (第8実施例)本発明の第8実施例を図17に示す。
【0042】図17に示す第8実施例は、図16に示す
第7実施例のシュラウドに代えて、保持リング70でブ
レード1の上部を保持する例に本発明を適用した例であ
る。すなわち、ブレード1の上部にモータステー60の
ベルマウス64(図示せず)が径内側に略円弧を描いて
垂れ下がった形状となっている。モータ33を固定する
モータステー60は、第2のベルマウス83、84を有
し、前記第7実施例と実質的に同一部分には同一符号を
付し、説明を省略する。
【0043】この第2のベルマウス83、84について
も、モータステー60として樹脂により脚部63、ベル
マウス64、カバー部65、取付部66等と樹脂により
一体成形されて形成される。この第8実施例において
も、ファン軸方向の縮小と騒音低減効果が大であるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による多翼送風機の平面図
である。
【図2】本発明の第1実施例による多翼送風機の断面図
である。
【図3】本発明の多翼送風機の逆流抑制手段を取付ける
範囲を説明する説明図である。
【図4】本発明の第1実施例による遠心多翼ファンを示
す斜視図である。
【図5】本発明の遠心多翼送風機を適用した空調装置を
示す模式的断面図である。
【図6】本発明の第1実施例による多翼送風機の右側半
分を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施例による多翼送風機の右側半
分を示す断面図である。
【図8】本発明の第3実施例による多翼送風機の右側半
分を示す断面図である。
【図9】本発明の第4実施例による多翼送風機の右側半
分を示す断面図である。
【図10】本発明の第5実施例による多翼送風機の平面
図である。
【図11】本発明の第5実施例による多翼送風機の右側
半分を示す断面図である。
【図12】本発明の第5実施例の実験データ図である。
【図13】本発明の第5実施例の多翼送風機を乗用車の
リアクーラ用送風機に取り付けた空調装置のレイアウト
例を示す模式図である。
【図14】本発明の第6実施例による多翼送風機の右側
半分を示す断面図である。
【図15】本発明の第7実施例による多翼送風機の平面
図である。
【図16】本発明の第7実施例による多翼送風機の右側
半分を示す断面図である。
【図17】本発明の第8実施例による多翼送風機の右側
半分を示す断面図である。
【図18】従来の多翼送風機の右側半分を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ブレード 2 底プレート 4 シュラウド 6 ベルマウス 7 ケース 20 遠心多翼ファン 33 駆動モータ 36 空気取入口 37 空気出口部 51 第1のステー 52 第1のステー 53 第2のステー(逆流抑制手段) 60 モータステー 61、62、63 脚部 64 ベルマウス 65 カバー部 66 取付部 67、68 平板部(逆流抑制手段) 70 保持リング 83、84 第2のベルマウス(逆流抑制手段) 253 第2のステー(逆流抑制手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 泰司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 浅野 秀夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 伊藤 功治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 亀岡 輝彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 渡辺 晃章 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−356631(JP,A) 特開 平4−350399(JP,A) 実開 昭50−147205(JP,U) 実開 昭55−60497(JP,U) 実開 昭62−36296(JP,U) 実開 昭62−192(JP,U) 実開 昭61−202698(JP,U) 特公 平1−44919(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 17/16 F04D 29/44 F04D 29/28 F04D 29/42 F04D 17/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気取入口を形成するベルマウスを有す
    るケースと、 前記ケースに収納され、円周方向に配設された多数のブ
    レード、前記多数のブレードの空気吸込側端部に形成さ
    れた環状のシュラウドおよび前記多数のブレードの反空
    気吸込側端部に形成された底プレートを有する遠心多翼
    ファンとを備えた多翼送風機において、 前記シュラウドは、前記空気取入口から前記ブレード間
    にファン軸方向よりファン径外方向へ方向転換しつつ流
    入する空気流れに沿った略円弧状の断面形状に形成さ
    れ、 前記ケースの前記ベルマウス近傍の内壁断面形状が前記
    シュラウドとの間に微小隙間を介して前記シュラウドの
    断面形状に沿うよう形成されており、 前記ベルマウスの上部の周方向の一部に前記シュラウド
    下面に沿って前記ブレード側から前記空気取入口側へ流
    れる逆流の流量を抑制する逆流抑制手段を設け、 この逆流抑制手段の径内方向端部に前記底プレートに回
    転駆動力を伝達する駆動モータを取り付け、この逆流抑
    制手段の径外方向端部に前記ケースを固定したことを特
    徴とする多翼送風機。
  2. 【請求項2】 空気取入口を形成するベルマウスを有す
    るケースと、 前記ケースに収納され、円周方向に配設された多数のブ
    レード、前記多数のブレードの空気吸込側端部に設けら
    れた環状の保持リングおよび前記多数のブレードの反空
    気吸込側端部に形成された底プレートを有する遠心多翼
    ファンとを備えた多翼送風機において、 前記ベルマウスの上部の周方向の一部に前記保持リング
    の下面に沿って前記ブレード側から前記空気取入口側へ
    流れる逆流の流量を抑制する逆流抑制手段を設け、 この逆流抑制手段の径内方向端部に前記底プレートに回
    転駆動力を伝達する駆動モータを取り付け、この逆流抑
    制手段の径外方向端部に前記ケースを固定したことを特
    徴とする多翼送風機。
  3. 【請求項3】 ケースと、 空気取入口を形成するベルマウスを有するモータステー
    と、 前記ケースに収納され、円周方向に配設された多数のブ
    レード、前記多数のブレードの空気吸込側端部に形成さ
    れた環状のシュラウドおよび前記多数のブレードの反空
    気吸込側端部に形成された底プレートを有する遠心多翼
    ファンとを備えた多翼送風機において、 前記シュラウドは、前記空気取入口から前記ブレード間
    にファン軸方向よりファン径外方向へ方向転換しつつ流
    入する空気流れに沿った略円弧状の断面形状に形成さ
    れ、 前記ベルマウス近傍の内壁断面形状が前記シュラウドと
    の間に微小隙間を介して前記シュラウドの断面形状に沿
    うよう形成されており、 前記ベルマウスの周方向の一部に前記シュラウド下面に
    沿って前記ブレード側から前記空気取入口側へ流れる逆
    流の流量を抑制する逆流抑制手段を設け、 前記モータステーの径内方向端部に前記底プレートに回
    転駆動力を伝達する駆動モータを取り付け、前記モータ
    ステーの径外方向端部に前記ケースを固定したことを特
    徴とする多翼送風機。
  4. 【請求項4】 ケースと、 空気取入口を形成するベルマウスを有するモータステー
    と、 前記ケースに収納され、円周方向に配設された多数のブ
    レード、前記多数のブレードの空気吸込側端部に設けら
    れた環状の保持リングおよび前記多数のブレードの反空
    気吸込側端部に形成された底プレートを有する遠心多翼
    ファンとを備えた多翼送風機において、 前記ベルマウスの周方向の一部に前記保持リングの下面
    に沿って前記ブレード側から前記空気取入口側へ流れる
    逆流の流量を抑制する逆流抑制手段を設け、 前記モータステーの径内方向端部に前記底プレートに回
    転駆動力を伝達する駆動モータを取り付け、前記モータ
    ステーの径外方向端部に前記ケースを固定したことを特
    徴とする多翼送風機。
  5. 【請求項5】 前記逆流抑制手段をぼぼ平板形状にした
    ことを特徴とする請求項3または4記載の多翼送風機。
  6. 【請求項6】 前記逆流抑制手段の先端をぼぼ円弧状の
    第2のベルマウス形状にしたことを特徴とする請求項3
    または4記載の多翼送風機。
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