JP3391191B2 - クリーム用油脂及びそれを使用したクリーム - Google Patents
クリーム用油脂及びそれを使用したクリームInfo
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Description
びそれを使用した、口溶け、耐熱保形性、ヒートショッ
ク耐性に優れたホイップ作業性の良好なクリームに関す
る。
だけでなくコンビニエンスストア等でも洋生菓子を取り
扱う場合が急増している。ホイップクリームは攪拌操作
により取り込まれた空気を結晶化した油脂が一部溶解し
て架橋骨格を形成すると考えられるが、作業室温やクリ
ーム品温等の微妙な作業環境、保存環境の変化が物性に
大きく影響する。そのため、以前より特に夏季における
作業環境の悪化や輸送中の温度上昇等ヒートショックに
よるホイップクリームの造花性、耐熱保形性、離水耐性
の低下、或いは造花時の荒れ、先切れ等の作業性の悪化
が指摘されてきた。
てきた植物性油脂は、生クリームの口溶けに似たSFC
を有する横型油脂が主に使われてきたが、そのような油
脂では、耐熱保形性と口溶けを両立することが出来なか
った。
点の高い油脂を配合する方法が一般的に採用されてきた
が、造花性、耐熱保形性、離水耐性の改良は口溶けの悪
化を招くことになり、口溶けと耐熱保形性の両立は非常
に困難であった。また、口溶けと耐熱保形性を両立させ
るために、SFC(固体脂含有指数)のシャープな硬化
パーム核油等の使用が試みられてきたが、その添加量が
多くなるとホイップ後のクリームが硬くなる、いわゆる
しまり現象が発生し易く、一般的にクリーム用油脂の主
成分として使用されることは少なかった。
のクリーム用油脂を使用することにより、口溶けと耐熱
保形性を両立させ、かつ良好なホイップ作業性を有する
クリームを提供することにある。
を解決すべく鋭意研究した結果、クリーム用油脂として
あまり使用されていなかった特定のSFCを満たす分別
パーム硬化油を使用することによって、口溶けと耐熱保
形性が両立し、かつ良好なホイップ作業性を有するクリ
ームが得られることを見い出し、本発明を完成させるに
至った。すなわち本発明は、SFC(固体脂含有指数)
が10℃で70%以上、20℃で50%以上、35℃で
20%以下である分別パーム硬化油を30重量%以上含
むことを特徴とする、融点が20〜40℃であるクリー
ム用油脂、および当該クリーム用油脂を使用してなるク
リーム、である。
パーム油を硬化するか、硬化パーム油を分別するか、も
しくは更に分別パーム硬化油を分別することによって得
ることができる。パーム油は比較的安定供給可能であ
り、かつ、安価であるためクリーム用原料油脂として特
に好適である。当該分別パーム硬化油は、シャープな口
溶けと適度の耐熱保形性、離水耐性を両立するために、
SFCが10℃で70%以上、20℃で50%以上、3
5℃で20%以下でなければならない。
FCを満たす分別パーム硬化油を単独、或いはクリーム
用油脂中の30重量%以上になるように他の油脂と組み
合わせて使用する。クリーム用油脂として、当該分別パ
ーム硬化油を多量もしくは単独使用するとクリームはボ
テ(可塑化)易くなるが、ラウリン系油脂の併用及びそ
の配合率の調整により、または親水性の乳化剤であるポ
リグリセリン脂肪酸エステルや庶糖脂肪酸エステルの使
用及びその使用量を調整することによって、そのボテ
(可塑化)易さを回避することができる。なお、分別パ
ーム硬化油の使用量が多い程、クリームの口溶けはより
良好になる。一方、クリーム用油脂中の上記油脂含量が
30重量%以下であれば、ホイップ作業性が不良となる
だけでなく、口溶けと造花性、耐熱保形性、離水耐性の
両立が困難になり、本発明の目的を満足することができ
ない。
ては、通常クリームの製造に使用される油脂であれば如
何なる油脂でも使用可能であり、例えば乳脂、あるいは
動植物性油脂またはそれらの硬化、分別、エステル交換
等の加工を施した加工油脂が使用できる。
融点が20〜40℃であるのが好ましく、クリーム全体
に対して20〜45重量%含むことが適している。油分
含量が45重量%を越えるとクリームはボテ(塑性状態
化)易くなるため好ましくない。また、20重量%以下
であれば、ホイップしても適切な硬さが得られない。
従来公知の方法に従って製造すればよく、例えば、予備
乳化した後、均質化、殺菌、再均質化、冷却、エージン
グを行って得られる。尚、殺菌もしくは滅菌処理に前後
して均質化処理もしくは攪拌処理することができ、均質
化は前均質、後均質のどちらか一方でも、両方を組み合
わせた2段均質でもよい。
乳或いは大豆蛋白等と水を混合して得られる従来公知の
水相でよく、蛋白固形分としては、クリーム全量に対し
0.5〜6.0重量%程度使用すればよい。以上の他
に、ヘキサメタリン酸塩等各種リン酸塩、重炭酸ソーダ
を使用してもよい。また、必要に応じて安定剤を用いる
ことができる。安定剤としては、ガム類、セルロース等
があげられる。
に使用されるものでよく、例えば、レシチン、シュガー
エスエル、モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エスエル等から選択された1
種又は2種類以上を組み合わせて使用することができ
る。なお、SFCが10℃で70%以上、20℃で50
%以上、35℃で20%以下である分別パーム硬化油を
単独、もしくは多量使用する場合は、特にレシチンと併
用する親水性乳化剤としてのシュガーエステル及び又は
ポリグリセリン脂肪酸エスエルの使用が好ましい。
ップ作業性、耐熱保形性、造花性、離水耐性に優れてい
るため、洋菓子全般に従来以上に使い易いという効果を
有する。
℃、数秒程度の超高温加熱殺菌(UHT)し、40Kg
/cm2 の加圧条件にて均質化し、冷却し、約24時間
エージングを行うことにより作成した。ホイップは、ケ
ンウッドミキサーを使用した。作成したホイップクリー
ムの性質として、粘度、ホイップ時間、オーバーラン、
造花性、造花後の状態、保形性、作業性について評価し
た。作業性を比較するために、ホイップクリームの品温
や作業室温についても比較検討した。なお、各例は単に
例示であって、発明精神の限定または制限を意図したも
のではない。また、配合の部及び%はいずれも重量基準
である。
はクリーム油脂中の分別パーム硬化油(融点36℃)の
割合をそれぞれ33、67、89%として検討したが、
どのクリームも良好な結果を得た。また実施例4〜6で
は、クリーム油分をそれぞれ45、30、25%として
検討したが、何れも良好な物性を示し、また、融点を変
化させても(実施例5)規定のSFCを満たしていれ
ば、物性に大きな変化は見られず、良好な結果が得られ
た。
同配合のクリームを、品温は5℃付近一定で、作業室温
を20、24、27℃としてホイップを行った。また、
実施例10〜12はクリームを5、7、10℃の恒温室
に5時間放置してヒートショックをかけた後、室温20℃
でホイップを行った。いずれのクリームも室温、品温の
上昇に伴い、ホイップタイムの短縮、オーバーランの低
下傾向が見られたが、ホイップ作業性、耐熱保形性、造
花性、離水耐性は問題ないレベルであった。
リーム油脂中の分別パーム硬化油含有割合を30%以下
としたが、充分な耐熱保形性を得ることが出来なかっ
た。比較例2では横型油脂、比較例3では本発明の特定
SFCを満たす分別パーム核硬化油を使用した。従来通
りの横型油脂の使用では、耐熱保形性と口溶けを両立す
ることが出来なかった。また、分別パーム核硬化油使用
では、しまり傾向でホイップ作業性を良好にすることが
出来なかった。比較例4、5では横型油脂を使用して、
また、比較例6では分別パーム核硬化油を使用してヒー
トショックの影響を検討した。いずれも、分別パーム硬
化油使用時と比較してしまり傾向が顕著であり、ヒート
ショックの可能性がある場合、特に夏場等の使用には適
さない。
熱保形性が両立され、かつ作業性の良好なホイップクリ
ームを得ることが可能となった。
Claims (2)
- 【請求項1】SFC(固体脂含有指数)が10℃で70
%以上、20℃で50%以上、35℃で20%以下であ
る分別パーム硬化油を30重量%以上含むことを特徴と
する、融点が20〜40℃であるクリーム用油脂。 - 【請求項2】請求項1記載のクリーム用油脂を使用して
なるクリーム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP23265396A JP3391191B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | クリーム用油脂及びそれを使用したクリーム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23265396A JP3391191B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | クリーム用油脂及びそれを使用したクリーム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1075729A JPH1075729A (ja) | 1998-03-24 |
JP3391191B2 true JP3391191B2 (ja) | 2003-03-31 |
Family
ID=16942681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23265396A Expired - Fee Related JP3391191B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | クリーム用油脂及びそれを使用したクリーム |
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Country | Link |
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102014646B (zh) | 2008-04-24 | 2013-03-27 | 日清奥利友集团株式会社 | 油脂组合物及含有该油脂组合物的水包油型乳化物 |
JP4445037B2 (ja) | 2008-07-16 | 2010-04-07 | 日清オイリオグループ株式会社 | 油脂組成物及び該油脂組成物を含有する水中油型乳化物 |
-
1996
- 1996-09-03 JP JP23265396A patent/JP3391191B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1075729A (ja) | 1998-03-24 |
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