JP3390873B2 - 血清蛋白分画のm蛋白検出方法 - Google Patents

血清蛋白分画のm蛋白検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気泳動分析方法にに
より測定されたサンプル検体の血清蛋白分画の測定デ−
タのM蛋白検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、医療機関の臨床検査室等における
血清蛋白の分析・検査に当たっては、セルロ−ズアセテ
−ト膜を用いた電気泳動法が広く用いられている。電気
泳動による血清の分画による分析の場合は、得られた検
体の図即ち分画パタ−ンを形成せしめ、その後、染色液
にて染色し、血清以外の部分を脱色させたものを濃度計
にて測定・定量する分析方法である。
【0003】図18は、電気泳動分析法によって得られ
たサンプル検体の濃度図即ちパタ−ンを示す。図18に
示す如く、パタ−ンの谷の線をフラクションといい、こ
のフラクションとフラクションの間を分画と言い、1分
画目は1番目のフラクションと2番目のフラクションの
間、2分画目は2番目のフラクションと3番目のフラク
ションの間、以下同様で、分画数が5の場合に限り1〜
5分画目をアルブミン(Alb),α1 グロブリン、α2
グロブリン、βグロブリン、γグロブリンと言う。これ
ら蛋白のうち、蛋白質の1種であるM蛋白(モノクロ−
ナル・プロティン)を測定し、身体の異常を判断する診
断法が行われている。一般にM蛋白は正常な場合、パタ
−ンに現れない程小さいのが普通である。従ってM蛋白
がパタ−ン上に現れるまで増加している場合は何等かの
異常例えば骨髄腫等が発生していると判定できる。
【0004】この様な電気泳動分析は、最近では全て自
動的に行われるようになっており、その為の全自動装置
も実用化されている。次に図19に示すように、全自動
電気泳動装置20によって測定されたサンプル検体の血
清蛋白分画に関するデ−タは、入力インタ−フェイス2
2を通してコンピュ−タ−21のCPU211 に入力さ
れ、演算処理される。コンピュ−タ−21は、CPU 2
11とRAM212A、ROM212Bとからなるメモリ−212 と
により構成され、磁気ディスク等の外部メモリ−23が
接続されている。CPU 211には、外部入力手段、例え
ばキ−ボ−ド11が入力インタ−フェイス22を介して
接続されており、対象血清、いわゆるコントロ−ル検体
のナンバ−NO.入力、サンプル検体のNO.入力等必要事
項を入力できるようになっている。CPU211 で演算処
理された結果は、出力インタ−フェイス25を通して出
力装置26のCTR261 及びプリンタ−262 に出力さ
れ、画面に表示されると同時に、プリントアウトされ
る。このようにして、全自動泳動装置20によって得ら
れた血清蛋白分画のデ−タは、一般に専門の臨床医師に
よって検査・判定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く、従来は、
電気泳動分析によって測定された血清中の蛋白を分画す
ることで得られた濃度パタ−ン図からM蛋白の存否を判
断し、医師は患者の病態を診断している。この場合、正
常値を設け、これと比較しながら判定を下すようにして
いるが、単に分画パタ−ンの高低レベルの他に、濃度図
に表われた波形パタ−ンの微小な変化や分画値の全体の
中の比率など、考慮すべき要素が多くあり、判定に経験
と知識を必要とする。そのため、実際にはこの濃度図が
十分に生かされているとはいえない状況である。また、
その経験と知識も臨床医によって区々に異なるので経験
のある専門の臨床医のみが判定作業に従事することにな
る。また、測定された血清中の蛋白分画パタ−ンのデ−
タ−は、検体毎に区々であるから、全ての検体について
詳細に検査・判定を行わなければならず、多大の労力と
時間を要することになる。そのため、判定を行う臨床医
に多大の負担を与えることになり、その貴重な能力を判
定作業に費やすと言った問題があった。さらに、測定さ
れた濃度パタ−ン図の中にM蛋白が存在する場合、それ
が特に微量のM蛋白の場合は判定が困難で見落とした
り、誤認することが多く、判定の精度の向上が望まれて
いた。
【0006】本発明は以上の問題を解決するためになさ
れたものであり、病態の診断特に血清中の蛋白分画中の
M蛋白の存在を全自動泳動分析装置や濃度計により判断
することにより、従来のように熟練の専門医を要せず
に、判定の精度の高く、患者の病態を正確に診断できる
血清蛋白分画のM蛋白検出方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明は、電気泳動分析方法により測定されたサン
プル検体の血清蛋白分画の測定デ−タのパタ−ンにおい
て、次のような蛋白検出方法を行うものである。 (1-1)半値幅法 サンプル検体の血清蛋白分画のピ−クの高さと、そのピ
−クの半分の高さの所の山の幅の比を取り、これが一定
の値以上になった時、そこにM蛋白が存在すると言う方
法である。尚、ここで分画のピ−クの半分の高さとなる
点の距離を半値幅という。 (1-2)ピ−ク比法 アルブミン(蛋白の一つで、濃度パタ−ンの中では一般
に最も高いピ−クを示す)分画と他の分画のピ−クを比
較して、その割合の値が一定の値K1 以上になった時、
そこにM蛋白が存在すると言う方法である。 (1-3)傾斜法 濃度パタ−ン図を描いている線の傾きが一定の値K2 以
上になった時、そこにM蛋白が存在すると言う方法であ
る。 (1-4)変曲点法 濃度パタ−ン図を描いている線の軌跡を二次微分し、そ
の二次微分のグラフで零を切る点が同一分画内で1つで
なくなった場合、その点をM蛋白が存在すると言う方法
である。 (1-5)差分法 正常な検体をコントロ−ル検体として、このコントロ−
ル検体の濃度パタ−ン図と患者のサンプル検体の濃度パ
タ−ン図との差を取り、この差が一定の値K3 以上にな
った時、そこにM蛋白が存在すると言う方法である。 (1-6)6分画法 正常な人は5分画(濃度パタ−ン図の山が5つある)で
あるが、6分画になった時、それぞれの分画の幅を正常
なものと比較して正常な分画1つの中に2つの分画を認
めた時、その2つの分画の幅の内狭いものをM蛋白とす
る方法である。
【0008】(2) 本発明は、また、セルロ−ズアセテ−
ト膜の支持体上に、被検査血清を塗布した上で通電し、
電気泳動による血清の分画パタ−ンを形成せしめ、その
後、染色液にて染色し、血清以外の部分を脱色させたも
のを濃度計にて測定、定量する電気泳動分析装置と前記
測定されたサンプル検体の血清蛋白分画の測定デ−タを
コンピュ−タ−に入力し、計算し、判断し、出力し、得
られた測定されたサンプル検体の血清蛋白分画の測定デ
−タのパタ−ンによってM蛋白の存否を判定するに当
り、下記の [i]〜[iii] 組合せの方法のうちから選ばれ
た1方法により、M蛋白が含まれているかを判断し、前
記判断結果により総合的にM蛋白の存否を判断するM蛋
白検出方法である。 [i]半値幅法+ピ−ク比法+傾斜法+変曲点法の4方
法、 [ii]ピ−ク比法+傾斜法+変曲点法+差分法+6分画法
の5方法、 [iii]半値幅法+ピ−ク比法+傾斜法+変曲点法+差分
法+6分画法の6方法。
【0009】
【作用】本発明は、前述の如く、半値幅法,ピ−ク比
法,傾斜法,変曲点法,差分法,6分画法の検出方法の
うちどれか1つでも当てはまれば、M蛋白が含まれてい
るものと判断するものである。従って形状が多岐に亘る
M蛋白でも本発明方法を採用することにより、精度の高
い判別が出来、誤認が避けられるものである。
【0010】次に各検出方法の特徴について述べる。 (1) 半値幅法は、小〜中量のM蛋白が含まれる場合に
有効である。例えば正常なパタ−ンでは、γグロブリン
はなだらかな山になるのが普通で結果的に半値幅は広く
なる。従ってこの幅が、アルブミン程度まで細くなった
場合はその分画にM蛋白が含まれていると判断できる。 (2) ピ−ク比法は、比較的に多量のM蛋白が含まれる
場合に有効である。例えば正常なパタ−ンでは、各グロ
ブリンのピ−クはアルブミンのピ−クの1/5程度であ
るから、この比が1/2程度になる場合はその分画にM
蛋白が含まれていると判断できる。 (3) 傾斜法は、中〜多量のM蛋白が含まれる場合に有
効である。例えば正常なパタ−ンでは、γ分画はなだら
かな勾配になるのが普通で、この勾配が、アルブミンの
勾配に近づいた場合はその分画にM蛋白が含まれている
と判断できる。 (4) 変曲点法は、ピ−クにならない程小量のM蛋白が
含まれる場合に有効である。前記の(1)-(3) の種類の判
定方法では、多かれ少かれ、M蛋白がピ−クや大きな勾
配を作らなければならなかったが、この変曲点法の場
合、2次微分波形を用いることにより、微量のM蛋白で
も判定出来るようになった。 (5) 差分による方法は、中〜多量のM蛋白が含まれる
場合に有効である。コントロ−ル検体(正常な状態に近
いパタ−ン)から大きくずれているかどうかを見ること
によって判断できるものである。しかしながら、差分は
コントロ−ル検体との差がある値以上になった場合に、
M蛋白として検出する方法なので、サンプル検体のデ−
タしかない場合には判定できない問題点がある。また、
コントロ−ル検体が正しく測定出来ない場合には、正常
である筈の検体にもM蛋白として検出してしまう恐れが
ある。この差分によって検出できる検体はピ−ク比及び
傾斜法によっても検出できることが判明した。 (6) 6分画法は、6分画の場合に有効である。通常で
はピ−クにならない部分を、コントロ−ル検体との比較
で抽出し、M蛋白の位置を検出するものである。しかし
ながら、この方法は上記差分法と同様にコントロ−ル検
体と比較して判断するので、サンプル検体のデ−タしか
ない場合には判定できない問題点があり、また、コント
ロ−ル検体が正しく測定出来ない場合には、正常である
筈の検体にもM蛋白として検出してしまう恐れがある。
更に、6分画である場合に必ずどこかの分画がM蛋白と
なってしまいますが、実際には6分画であってもM蛋白
でない場合がある。
【0011】本発明方法においては、1検体当たりのポ
イント数を当初1024ポイントとしていたが、図22に示
す如く、12ビット×200 ポイントのデ−タ例として図
28などに示す全自動泳動分析装置にて処理しているの
で、処理能力が飛躍的に向上した。更に、図28などに
示すような、バッファ−ライズ部、アプリケ−タ−部、
泳動槽部、染脱色部、濃度計部及び演算処理部からなる
全自動泳動分析装置に、前述のようなM蛋白の検出方法
に基づく指令を入力し、計算し、判断せしめることによ
り、本発明方法の目的である熟練の専門医を要せずに、
判定の精度の高く、患者の病態を正確に診断できるもの
である。
【0012】
【実施例】本発明の実施例は、全自動泳動分析装置20
を用いて、図16に示すように、濃度計で測定されたパ
タ−ンは、12ビット×200ポイントのデ−タ列とし
て処理した。
【0013】[実施例1]先ず、第1の実施例として、
半値幅による検出方法について述べる。図1は、本発明
の第1実施例(半値幅法)に於ける検出方法を示す説明
図、図2は、同じく本発明の第1実施例(半値幅法)の
フロ−チャ−ト、図3は、半値幅を求めるためのフロ−
チャ−トである。先ず、図3のフロ−チャ−トに従って
半値幅を求める。 S1 :該当分画のピ−クの1/2をhとする。 S2 :該当分画のピ−クの位置をLとする。 S3 :hがパタ−ンLよりが大きいか?PAT(L)<
h? S4 :noならばL←L−1としS3 に戻る。 S5 :該当分画のピ−クの位置をRとする。 S6 :PAT(R)<h? S7 :noならばR←R+1としS6 に戻る。 S8 :yesならばR−Lを半値幅とする。 S9 :終了する。 以上により半値幅を求める。そして、図2のフロ−チャ
−トにより、血清蛋白分画のM蛋白の検出を行う。 S1 :アルブミン(ALb)の半値幅を求めHAとす
る。 S2 :分画数をiとする。 S3 :HP←0 S4 :i分画目の半値幅をHGとする。 S5 :HG/HAの値がK3(i)より小さいか? S6 :noならばS11に。 S7 :yesならばi分画目にピ−クの一番高い分画
(HP)を探す。 S8 :noならばS11に。 S9 :i分画ピ−ク→HP S10:i分画ピ−クがHPであればM蛋白と判断する。 S11:noならばi−1を演算する。 S12:i<1?noならばS3 のステップに戻り繰返
す。 S14:yesならば終了する。 なお、基準値K3 は各分画毎に定められている。本発明
の半値幅による検出方法は、図1に示すようにアルブミ
ンの半値幅HAと各グロブリンの半値幅HGの比が基準
値K3(i)より小さい場合、その分画にM蛋白が多量に含
まれていると判断できるものである。基準値K3 は各分
画毎に定められている。
【0014】[実施例2]第2の実施例として、ピ−ク
比法による検出方法について述べる。図4は、本発明の
第2実施例に於ける検出方法を示す説明図、図5は同じ
く本発明の第2実施例のフロ−チャ−トである。まず、
図4及び図5に示すように、 S1 〜S5 :1分画目ピ−クと2分画目ピ−クを比べて
大きい方をPAとし、スタ−ト地点iを変える。 S6 :i分画目のピ−クPGを求め、 S7 :PG/PAのピ−ク比がK1 より大きいか? S8 :noならば、i←i+1分画目のピ−クを求め、 S9 :yesならばi分画目にM蛋白が含まれていると
判断する。 S10:i>分画数? S11:noならばS3 のステップに戻る。 S12:yesならば終了。 即ち、本発明のピ−クによる検出方法は、図1に示すよ
うに、各グロブリンのピ−クPGをアルブミンのピ−ク
PAで割った値が、基準値K1 (この場合K1 =0.4)
より大きくなった場合、その分画にM蛋白が含まれると
判断する。
【0015】[実施例3]第3の実施例として、傾斜に
よるM蛋白の検出方法について述べる。図6は傾斜によ
る検出方法を示す説明図であり、図7は同じく傾斜によ
る検出方法のフロ−チャ−トである。まず、図6及び図
7に示すように、 S1 :パタ−ン (1)〜(200) までの傾斜DEFを求め、 S2 :|PAT(i+1)-PAT(i) |をDEF(i)とする。 S3 :i←i+1,次のパタ−ンへ、 S4 :i=パタ−ンの最後? S5 :yesならば DEF()の最大値×K2 をDEF-THR と
する。 S6 :noならばS2 のステップに戻る。 S7 :2番目のフラクションの位置 S8 :DEF(i)> DEF-THR? S9 :yesならばi番目の点はM蛋白が含まれると判
断する。 S10:noならばi+1→i S11:i>パタ−ンの最後? S12:noならばS8 ステップに戻る。 S13:yesならば終了。 即ち、本発明の傾斜による検出方法は、図6に示すよう
にα1 グロビリン以降の傾斜 DEFが基準値より大きくな
った場合、その分画にM蛋白が含まれると判断する。
【0016】[実施例4]第4の実施例として、変曲点
による検出方法について述べる。図8は変曲点による検
出(γ分画)方法を示す説明図、図9は同じく変曲点に
よる検出(γ分画)による検出方法のフロ−チャ−ト、
図10は変曲点による検出(β分画)方法を示す説明図
であり、図11は同じく変曲点による検出(β分画)に
よる検出方法のフロ−チャ−トである。 (1) γ上のM蛋白の検出方法 まず、図8及び図9に示すように、 S1 :γグロブリンの始点F1 からγグロブリンの終点
F2 までの範囲で2次微分が最初に負になる位置L1 を
求める。 S2 :前記L1 が存在したか? S3 :yesならばL1 からγグロブリンの終点F2 ま
での範囲で2次微分が最初に正になる位置Lrを求め
る。 S4 :noならば変曲点による検出(β)による検出の
ステップへ続く。 S5 :前記Lrが存在したか? S6 :yesならばL1 からLrまでの範囲で2次微分
が最小になる位置MLを求める。 S7 :noならば変曲点による検出(β)による検出の
ステップへ続く。 S8 :γグロブリンの始点F1 からMLまでの範囲でパ
タ−ンの高さがMLの高さの半分になる位置HLを求め
る。 S9 :HLとMLの距離をWLとする。 S10:Lrからγグロブリンの終点F2 までの範囲で2
次微分が最初に負になる位置R1 を求める。 S11:R1 が存在したか? S12:yesならばR1 からγグロブリンの終点F2 ま
での範囲で2次微分が最初に正になる位置Rrを求め
る。 S13:noならば変曲点による検出(β)による検出の
ステップへ続く。 S14:Rrが存在したか? S15:yesならばR1 からRrまでの範囲で2次微分
が最小になる位置MRを求める。 S16:noならば変曲点による検出(β)による検出の
ステップへ続く。 S17:MRからパタ−ンの終点までの範囲でパタ−ンの
高さがMRの高さの半分になる位置HRを求める。 S18:HRとMRの距離をWRとする。 S19:WL>WR? S20:yesならばMRの位置にM蛋白が含まれると判
断する。 S21:noならばMLの位置にM蛋白が含まれると判断
する。 S22:終了する。 即ち、γ上のM蛋白の検出方法は、γ分画の始点から終
点までの範囲で2次微分の値が「+から−」「−から
+」なる位置を探す。これらの位置が1組しか無い場合
は次の(2)の検出方法に移行する。2組の変曲点L1
,Lr,R1 ,Rrが存在する場合には、山の半分の
高さとなる位置までの距離WL,WRの短い方にM蛋白
が含まれていると判断できる。
【0017】(2) β上のM蛋白の検出方法 まず、図10及び図11に示すように、 S1 :βグロブリンの頂点からγグロブリンの始点まで
の範囲で2次微分が最初に負になる位置L1 を求める。 S2 :前記L1 が存在したか? S3 :yesならばL1 からγグロブリンの始点までの
範囲で2次微分が最初に正になる位置Lrを求める。 S4 :noならば終了。 S5 :前記Lrが存在したか? S6 :yesならばLrからγグロブリンの始点までの
範囲で2次微分が最初に正になる位置Rを求める。 S7 :noならば終了。 S8 :Rが存在したか? S9 :yesならばLrからRまでの範囲で2次微分が
最小になる位置Mを求める。 S10:noならば終了。 S11:Mの位置にM蛋白が含まれると判断する。 S12:終了する。 即ち、β上のM蛋白の検出方法は、β分画の頂点からγ
グロブリンの終点までの範囲で2次微分の値が「−から
+」「+から−」なる位置を探す。通常の分画では「−
から+」なる位置はあるが、「+から−」になる点は無
い。ところがピ−クにならない程のβグロブリンの山が
存在する場合、この点L1 ,Lr,Rが現れる。このと
き、LrとRの間の最小値Mの位置にM蛋白が含まれて
いると判断できる。
【0018】[実施例5]第5の実施例として、差分に
よる検出方法について述べる。図12は差分による検出
方法について説明図、図13は同じく差分による検出に
よる検出方法のフロ−チャ−トである。まず、図12及
び図13に示すように、 S1 :パタ−ン1〜 200までの差分を求める。 S2 :コントロ−ル検体高さ−サンプル検体高さ=DEF
(i)を求める。 |CNT(i)-PAT(i) |=DEF(i) S3 :ポイントを1ずらす。 S4 :i>パタ−ンの最後? S5 yesならば3番目のフラクションの位置,mi ←
i,DEF(mi) をmax とする。max ←DEF(mi) S6 :noならばS2 のステップに戻る。 S7 :max<DEF(i)? S8 :yesならばmi ←i,DEF(mi) をmax とする。
max ←DEF(mi) とする。 S9 :no又はS8 のステップに続いてi+1→i S10:i>パタ−ンの最後? S11:noならばS7 ステップに戻る。 S12:yesならばmax>K3 ? S13:noならば終了。 S14:yesならばmi の位置にM蛋白が含まれている
と判断する。 S15:終了する。 即ち、本発明の差分による検出方法は、コントロ−ル検
体とサンプル検体のパタ−ンの差の絶対値[図13のフ
ロ−チャ−トではDEF(i) ]を求め、その絶対値の最
大値(図12の説明図、図13のフロ−チャ−トではma
x )が、基準値(図13のフロ−チャ−トではK3 )よ
り大きくなった場合、その分画にM蛋白が含まれている
と判断する。
【0019】[実施例6]第6の実施例として、6分画
による検出方法について述べる。図14は6分画による
検出方法について説明図、図15は同じく6分画による
検出による検出方法のフロ−チャ−トである。まず、図
14及び図15に示すように、 S1 :パタ−ンは6分画か? S2 :yesならば1分画目から6分画までを求める。 S3 :noならば終了。 S4 :コントロ−ル検体のi分画目の範囲にサンプル検
体のi分画目及びi+1の分画目のピ−クが入っているか
? S5 :noならばi←i+1 S6 :i=6ならば終了でnoならばS4 ステップに戻
る。 S7 :S4 ステップでyesならばi分画目の始点をL
とする。 S8 :i+1分画目の始点からi+1分画目の終点までの範
囲で△yになる位置をRとする。 S9 :Lとi分画目の終点までの距離をWLとする。 S10:Rとi分画目の終点までの距離をWRとする。 S11:WL<WR?。 S12:yesならばi分画目の位置にM蛋白が含まれて
いると判断する。 S13:noならばi+1分画目の位置にM蛋白が含まれて
いると判断する。 S14:終了する。 即ち、本発明の6分画による検出方法は、コントロ−ル
検体とサンプル検体のピ−ク位置を比較し、ピ−ク位置
が大きくずれている分画(図19の説明図では5分画
目)にM蛋白が含まれていると判断するものである。
【0020】次に、図17に診断システムの検体デ−タ
分析例を示す。また表1にピ−ク比法,傾斜法,半値幅
法、変曲点法の各検出方法別並びに量別の検出成績を、
表2に本発明法I(実施例2のピ−ク比法,実施例3の
傾斜法,実施例1の半値幅法、実施例4の変曲点法の4
検出法により検出した場合)と本発明法II(実施例2の
ピ−ク比法,実施例3の傾斜法,実施例4の変曲点法,
実施例5の差分法,実施例6の6分画法の5検出法によ
り検出した場合)検出率の比較を示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】なお、1つの検体について、2種類以上の
方法が検出する場合があるので、表のピ−ク比〜変曲点
の値を加算しても検出数とは一致しない。表1に示すよ
うに、M蛋白の量別での検出率は、当然中量及び多量の
場合は、100%の検出率を示し、微量でも93%であ
り、全体として98%の検出率で検出できる。また検出
方法別では、半値幅法が全体の24/66(36%),
傾斜法が全体の17/66(26%),ピ−ク比法が全
体の15/66(23%)次いで変曲点法全体の10/
66(15%)の順であり、量別の場合、M蛋白が微量
の場合、変曲点法の場合が検出成績が良好(7/15=
47%)で、半値幅(4/15=27%),傾斜(3/
15=20%),ピ−ク比法(1/15=7%)の順で
あり、ピ−ク比、傾斜の検出数が減り、半値幅の検出が
かなりの割合で存在する傾向を有する。
【0024】
【発明の効果】本発明の血清蛋白分画のM蛋白検出方法
によれば、精度の高い検出法を組み合わせて検出可能な
ので、患者の病態が正確に診断され、従来のように熟練
を要せずに診断できる等の効果を奏することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例(半値幅法)に於ける検出
方法を示す説明図。
【図2】同じく本発明の第1実施例(半値幅法)のフロ
−チャ−ト。
【図3】本発明の第1実施例(半値幅法)に於ける半値
幅のフロ−チャ−ト。
【図4】本発明の第2実施例(ピ−ク比法)に於ける検
出方法を示す説明図。
【図5】同じく本発明の第2実施例(ピ−ク比法)のフ
ロ−チャ−ト。
【図6】本発明の第3実施例(傾斜法)に於ける検出方
法を示す説明図。
【図7】同じく本発明の第3実施例(傾斜法)のフロ−
チャ−ト。
【図8】本発明の第4実施例(変曲点法:γ分画)に於
ける検出方法を示す説明図。
【図9】同じく本発明の第4実施例(変曲点法:γ分
画)に於ける検出方法のフロ−チャ−ト。
【図10】本発明の第4実施例(変曲点法:β分画)に
於ける検出方法を示す説明図。
【図11】同じく本発明の第4実施例(変曲点法:β分
画)に於ける検出方法のフロ−チャ−ト。
【図12】本発明の第5実施例(差分法)に於ける検出
方法を示す説明図。
【図13】同じく本発明の第5実施例(差分法)に於け
る検出方法のフロ−チャ−ト。
【図14】本発明の第6実施例(6分画法)に於ける検
出方法を示す説明図。
【図15】同じく本発明の第6実施例(6分画法)に於
ける検出方法のフロ−チャ−ト。
【図16】測定デ−タの構成の説明図。
【図17】診断システムの検体デ−タ分析例の説明図。
【図18】電気泳動分析法によって得られたサンプル検
体の濃度図(パタ−ン)。
【図19】全自動電気泳動装置のフロ−チャ−トを示す
説明図。
【符号の説明】
11 キ−ボ−ド 20 全自動泳動分析装置 21 コンピュ−タ− 22 入力インタ−フェイス 23 外部メモリ− 25 出力インタ−フェイス 26 出力装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−47534(JP,A) 特開 平3−2656(JP,A) 特開 昭62−278442(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/50 - 33/98 G01N 27/447

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気泳動分析方法により測定されたサン
    プル検体の血清蛋白分画の測定データのパターンにおい
    て、アルブミンの血清蛋白分画ピークの半分の高さとな
    る点の距離(半値幅)HAと各グロブリンの血清蛋白分
    画ピークの半分の高さとなる点の距離(半値幅)HGの
    比が小さくなり、グロブリンの半値幅HGがアルプミン
    の半値幅程度まで細くなった場合に、該血清蛋白分画に
    M蛋白が含まれていると判断することを特徴とする血清
    蛋白分画のM蛋白検出方法。
  2. 【請求項2】 セルローズアセテート膜の支持体上に、
    被検査血清を塗布した上で通電し、電気泳動による血清
    の分画パターンを形成せしめ、その後、染色液にて染色
    し、血清以外の部分を脱色させたものを濃度計にて測定
    ・定量する電気泳動分析装置と前記測定されたサンプル
    検体の血清蛋白分画の測定データをコンピュータに入力
    し、計算し、判断し、出力し、得られた測定されたサン
    プル検体の血清蛋白分画の測定データのパターンによっ
    てM蛋白の存否を判定するに当たり、 (1)アルブミンの血清蛋白分画ピークの半分の高さと
    なる点の距離(半値幅)HAと各グロブリンの血清蛋白
    分画ピークの半分の高さとなる点の距離(半値幅)HG
    の比が小さくなり、グロブリンの半値幅HGがアルプミ
    ンの半値幅程度まで細くなった場合に該血清蛋白分画に
    M蛋白が含まれていると判断する半値幅法、 (2)各グロブリンの血清蛋白分画のピークPGが、ア
    ルブミンの血清蛋白分画のピークPAの1/2程度にな
    った場合、該血清蛋白分画にM蛋白が含まれているとピ
    ーク比によって判断するピーク比法、 (3)α1グロブリン以降の血清蛋白分画の傾斜DEF
    が、アルブミンの傾斜に近づいた場合、該血清蛋白分画
    にM蛋白が含まれていると傾斜によって判断する傾斜
    法、 (4)γグロブリンの血清蛋白分画の始点からγグロブ
    リンの血清蛋白分画の終点までの範囲で2次微分の値が
    負になる変曲点L1、R1が存在し、2次微分の値が正
    となる変曲点Lr、Rrの2組の変曲点が存在する場合
    には各々の山の半分の高さとなる位置までの距離WL、
    WRの短い方にγグロブリンの血清蛋白分画上にM蛋白
    が含まれていると判断し、γグロブリンの血清蛋白分画
    上に1組しか変曲点がないが、βグロブリンの血清蛋白
    分画の頂点からγグロブリンの血清蛋白分画の始点まで
    の範囲で2次微分の値が正になる変曲点L1、Rが存在
    し、負になる変曲点Lrが存在する場合には、Lrから
    Rまでの範囲で2次微分が最小となる位置Mに、βグロ
    ブリンの血清蛋白分画上にM蛋白が含まれていると変曲
    点によって判断する変曲点法、 (5)サンプル検体のパターンの絶対値がコントロール
    検体のパターンの絶対値を越えて大きくなった場合、該
    血清蛋白分画にM蛋白が含まれていると判断する差分
    法、 (6)コントロール検体とサンプル検体のピーク位置を
    比較し、該ピーク位置が大きくずれている分画にM蛋白
    が含まれていることを6分画によって判断する6分画
    法、 以上(1)〜(6)方法の内、組合わせ[i]:(1)
    〜(4)、または組合わせ[ii]:(1)〜(6)の
    いずれか一方により、M蛋白の存否を判断することを特
    徴とする血清蛋白分画のM蛋白検出方法。
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