JP3388653B2 - 自動車用ドアトリム - Google Patents

自動車用ドアトリム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、組立て作業性に優れて
おり、しかも、大幅なコストダウンを図ることができる
自動車用ドアトリムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ドアトリム本体のガーニッシュ部にウィ
ンドガラスシール用のウェザーストリップを装着した自
動車用ドアトリムにおいて、ドアトリム本体にウェザー
ストリップを固定一体化する取付構造としては、図7に
示されるようにドアトリム本体30のガーニッシュ部に
断面L字状のベース部材31を取り付けておき、該ベー
ス部材31に内部に芯金32が埋設されたウィンドガラ
スシール用のウェザーストリップ33を、前記芯金32
の切り起こし爪42aをもって装着したものが広く知ら
れている。更には、実開平6−18030号公報に示さ
れるように、ガーニッシュ部の下面側に設けたボスをイ
ンナーパネルとウェザーストリップの両者に係合固定し
たものも提案されている。
【0003】ところが、このような取付構造において
は、いずれの場合も取り付けのためのベース部材31を
必要不可欠とするため、部品点数が多くなるとともに重
量も大きくなるという問題点があり、また、芯金32に
切り起こし爪32aを加工する必要があって手間がかか
るという問題点や、更にはドアトリム本体30に対して
ベース部材31を事前に取り付けておくために端末部に
おける表皮材の切断加工が難しく歩留りを悪くしている
という問題点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題点を解決して、従来のようなベース部材を用
いることなくドアトリム本体とウェザーストリップとを
容易且つ正確に位置決めして高い取付精度で一体化する
ことができ、しかも、部品点数の削減と加工費の削減も
図ることができ、更には表皮材を基材に巻き込んでから
ウェザーストリップを装着できて取付作業の自由度を拡
げることができるとともに、表皮材の歩留りも著しく向
上させることができる自動車用ドアトリムを提供するこ
とを目的として完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の自動車用ドアトリムは、ドアトリ
ム本体のガーニッシュ部に断面略コ字状の挟持枠部を備
えた硬質合成樹脂からなる本体部に軟質合成樹脂からな
るリップ部を一体化したウィンドガラスシール用のウェ
ザーストリップを装着した自動車用ドアトリムにおい
て、前記ドアトリム本体のガーニッシュ部の先方部分を
凹段部に形成し、ガーニッシュ部に前記挟持枠部をもっ
てはめ込んだウェザーストリップを挟持枠部に設けた顎
片部と凹段部を突き当てることにより位置決め固定して
あることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】このように構成された自動車用ドアトリムは、
ウェザーストリップを硬質合成樹脂からなる本体部に設
けられた断面略コ字状の挟持枠部をもってドアトリム本
体のガーニッシュ部にはめ込むとともに、該挟持枠部の
顎片部をガーニッシュ部に設けた凹段部に位置決め固定
してあることにより、硬質合成樹脂からなる本体部と一
体化された軟質合成樹脂からなるリップ部がガラスウィ
ンドに対して十分なウェザーストリップとしての機能を
発揮するうえ、従来のようなベース部材を用いなくても
ウェザーストリップがドアトリム本体のガーニッシュ部
に対してしっかりと、しかも正確に位置決めされた状態
で一体化されることとなる。
【0007】
【実施例】次に、本発明を図示の実施例について詳細に
説明する。図中1はドアトリム本体、2はドアトリム本
体1のガーニッシュ部に装着されるウィンドガラスシー
ル用のウェザーストリップで、前記ドアトリム本体1は
基材1aの表面を裏面側にウレタンフォーム層が形成さ
れたファブリック等の表皮材1bで添装されたものであ
り、以上の構成は基本的には従来のものと同じである。
【0008】ウェザーストリップ2は、上下の顎片部2
2b、22bを連繋部22aにより連繋させた断面略コ
字状の挟持枠部22を上端に備えた本体部21を例えば
硬質塩化ビニル樹脂等の硬質合成樹脂により成形すると
ともに、この本体部21の裏側に軟質塩化ビニル樹脂等
の軟質合成樹脂からなるリップ部24を張設したもので
ある。なお、前記の本体部21とリップ部24とは押出
成形法やインジェクション成形法などで一体成形するの
を普通とするが、両者を一体成形せずに別々に成形し、
その後において貼り合わせ一体化したものとしてもよい
ことは勿論である。
【0009】そして、このようなウェザーストリップ2
はドアトリム本体1のガーニッシュ部に前記挟持枠部2
2をもってはめ込むとともに、該挟持枠部22の上側の
顎片部22bをガーニッシュ部の上面側に設けた凹段部
11に突き当てて位置決め固定した状態で一体化してあ
り、ウェザーストリップ2の取付精度が極めて高いもの
となっている。また、前記挟持枠部22には鉄板や軽金
属板などの金属芯板23がインサート成形法により埋設
されていてこの金属芯板23により顎片部22bにカシ
メ作用を付与している。なお、この金属芯板23として
は少なくとも一方の顎片部22bにカシメ作用を付与す
る構造であれば特に限定されるものではないが、、図6
に示すように先端に内向きの突出部が形成された略コ字
枠状とするか、図5に示すように本体部21にも金属芯
板23が埋設されるようにするため、先端に内向きの突
出部が形成された略L字枠状のものに下側の顎片部22
bに埋められる切り起こし爪23aが形成されたものな
どが用いられる。
【0010】なお、図1に示されるように前記の凹段部
11を、ガーニッシュ部の上面側に設けた場合は、ウェ
ザーストリップ2とドアトリム本体1とが面一となるの
で取扱い上も外観上もより好ましいが、取付スペース等
の関係から図2に示されるように、凹段部11をガーニ
ッシュ部下面側に設けて挟持枠部22の下側の顎片部2
2bを突き当てて位置決め固定することも勿論可能であ
る。
【0011】また、ガーニッシュ部に設ける凹段部11
は、図3に示されるように、端面に向けて徐々に肉厚と
なるテーパ面とし、一方、挟持枠部22の顎片部22b
も該テーパ面に対応した逆テーパ面としておけば、組立
後におけるウェザーストリップ2の抜け防止に大きな効
果がある。更には、図4に示すようにガーニッシュ部に
設ける凹段部11を溝状としてこの溝状の凹段部11内
に挟持枠部22の顎片部22bの先端に形成した内向き
の突出部を食い込ませて固定することもでき、この場合
にはウェザーストリップ2の位置決めと組立後における
ウェザーストリップ2の抜け防止とを容易且つ確実に確
保できることとなる。なお、以上の図1〜図4に示した
実施例においては、いずれも挟持枠部22に金属芯板2
3を埋設したものについて説明したが、金属芯板23が
ないものであってもよいし、また、図1〜図4に示した
ような凹段部11や金属芯板を設計条件等に応じて任意
に組み合わせてもよいことは勿論である。
【0012】このようにして得られたドアトリムは、ド
アトリム本体1のガーニッシュ部にウェザーストリップ
2が装着されて軟質合成樹脂からなるリップ部24によ
りガラスウィンド10をシールする点は従来のものと同
様であるが、本発明では前記ウェザーストリップ2を硬
質合成樹脂からなる本体部21と軟質合成樹脂からなる
リップ部24よりなるものとしてあるので、硬質合成樹
脂からなる本体部21でドアトリム本体1のガーニッシ
ュ部に対する取付けがなされ、これと一体化された軟質
合成樹脂からなるリップ部24がガラスウィンド10に
対する十分なウェザーストリップとしての機能を発揮す
ることとなり、従来のようなベース部材を用いなくても
ウェザーストリップ2をドアトリム本体1にしっかりと
固定一体化できることとなるとともに、軟質樹脂からな
るリップ部24によりウェザーストリップとしての機能
も十分に発揮できることとなる。
【0013】また、前記した硬質合成樹脂からなる本体
部21によるドアトリム本体1のガーニッシュ部に対す
る取り付けは、本体部21の上部に設けた断面略コ字状
の挟持枠部22をもってガーニッシュ部の先端にはめ込
むとともに、該挟持枠部22の顎片部22bをガーニッ
シュ部に設けた凹段部11に突き当てるのみで正確に位
置決め固定して一体化することができ、煩雑な位置合わ
せ作業等を行う必要もなく極めて簡単且つ短時間で行え
るものであり、従来のようなベース部材を用いることな
く、また、従来は表皮材の端末部における切断加工が難
しく歩留りを悪くしていたのに対し、本発明ではガーニ
ッシュ部を単純に切断処理したものや基材に表皮材を巻
き込み成形したものに対してウェザーストリップ2の装
着作業を行うため困難な切断加工等は一切不要となると
ともに、表皮材の加工歩留り等も大幅に向上できること
となる。
【0014】特に、挟持枠部22に顎片部22bによる
カシメ作用を付与するための金属芯板23を埋設してあ
るものは、多量の接着剤を使用したり溶着処理を施さな
くてもカシメ作用で固定できるのでより作業製が高めら
れる利点がある。
【0015】
【発明の効果】本発明は以上の説明からも明らかなよう
に、従来のようなベース部材を用いることなくドアトリ
ム本体とウェザーストリップとを容易且つ正確に位置決
めして高い取付精度で一体化することができ、しかも、
部品点数の削減および加工費の削減も図ることができ、
更には表皮材を基材に巻き込んでからウェザーストリッ
プを装着できて取付作業の自由度を拡げることができる
とともに、表皮材の歩留りも著しく向上させることがで
きるものである。よって本発明は従来の問題点を一掃し
た自動車用ドアトリムとして、産業の発展に寄与すると
ころは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】その他の実施例を示す断面図である。
【図3】その他の実施例を示す断面図である。
【図4】その他の実施例を示す断面図である。
【図5】金属芯板の一例を示す斜視図である。
【図6】その他の金属芯板を示す斜視図である。
【図7】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ドアトリム本体 2 ウェザーストリップ 11 凹段部 21 硬質合成樹脂よりなる本体部 22 挟持枠部 22b 顎片部 23 金属芯板 24 軟質合成樹脂よりなるリップ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60J 10/08 B60J 10/04 B60R 13/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドアトリム本体(1)のガーニッシュ部
    断面略コ字状の挟持枠部(22)を備えた硬質合成樹
    脂からなる本体部(21)に軟質合成樹脂からなるリッ
    プ部(24)を一体化したウィンドガラスシール用のウ
    ェザーストリップ(2)を装着した自動車用ドアトリム
    において、前記ドアトリム本体(1)のガーニッシュ部
    の先方部分を凹段部(11)に形成し、ガーニッシュ部
    に前記挟持枠部(22)をもってはめ込んだウェザース
    トリップ(2)を挟持枠部(22)に設けた顎片部(2
    2b)と凹段部(11)を突き当てることにより位置決
    め固定してあることを特徴とする自動車用ドアトリム。
  2. 【請求項2】 挟持枠部(22)に顎片部(22b) によるカシ
    メ作用を付与する金属芯板(23)が埋設してある請求項1
    に記載の自動車用ドアトリム。
  3. 【請求項3】 凹段部(11)がガーニッシュ部の上面側に
    設けられてウェザーストリップ(2)とドアトリム本体(1)
    とを面一としてある請求項1または2に記載の自動車
    用ドアトリム。
  4. 【請求項4】 凹段部(11)が端面に向けて徐々に肉厚と
    なるテーパ面とされている請求項1または2または3に
    記載の自動車用ドアトリム。
  5. 【請求項5】 凹段部(11)が溝状で、挟持枠部(22)の顎
    片部(22b) の先端に形成した内向きの突出部を溝状の凹
    段部(11)に食い込ませてある請求項1または2または3
    に記載の自動車用ドアトリム。
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