JP3386926B2 - 自動車のエアバッグドア部の構造およびその製法 - Google Patents

自動車のエアバッグドア部の構造およびその製法

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JP3386926B2
JP3386926B2 JP12962495A JP12962495A JP3386926B2 JP 3386926 B2 JP3386926 B2 JP 3386926B2 JP 12962495 A JP12962495 A JP 12962495A JP 12962495 A JP12962495 A JP 12962495A JP 3386926 B2 JP3386926 B2 JP 3386926B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動車のエアバッグ装
置に関連し、特にはそのエアバッグドア部の構造および
その製法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車の助手席側に設けられるエ
アバッグ装置は、添付の図面の図18に示すように、折
り畳まれたエアバッグAがエアバッグ収容容器C内にエ
アバッグ作動装置Iとともに収容されて助手席前面のイ
ンストルメントパネルP内側に格納されている。エアバ
ッグ収容容器Cの上部は、エアバッグAが車室内に展開
するための開口部Oとして構成されており、この開口部
OはインストルメントパネルPに一体に形成されたエア
バッグドア部Dによって覆われている。このエアバッグ
装置は、一旦自動車が大きな衝撃を受けた時には前記作
動装置Iが作動し、図20に示すように、膨張したエア
バッグAがインストルメントパネルPに一体に形成され
たエアバッグドア部Dを内側から押し開いて車室内に展
開するようになっている。
【0003】インストルメントパネルPは図のように合
成樹脂発泡層71上面に表皮72を一体に有し、該表皮
72のエアバッグ展開開口部Oに対応する所定位置には
エアバッグドア部Dを画定する薄肉の破断予定部73が
形成されている。図中符号74はインストルメントパネ
ルPの裏面に設けられた芯材、75はエアバッグドア用
芯材、76はエアバッグ収容容器Cと芯材74(および
エアバッグドア用芯材75)とを固定する取付部材、T
はインストルメントパネルPの破断予定部である。
【0004】ところで、インストルメントパネルPの表
皮72は一般に塩化ビニール等の軟質プラスチックのパ
ウダースラッシュ成形あるいは真空成形等によって所定
の表皮形状に成形される。そして、エアバッグドア部D
を画定する前記薄肉の破断予定部73は、エアバッグA
が膨張する際に確実に破断することができるように、表
皮72の一般部分の厚みが約0.8mmから1.2mm
である場合、概ね0.3mm以下、好ましくは0.1m
m以下の厚みに形成されることが望ましい。
【0005】しかるに、この表皮72における破断予定
部73の厚みが極めて薄くなるために、表皮成形の脱型
時に当該破断予定部73が破れるおそれがある。また、
インストルメントパネルPの表皮72は、車室内に照射
される太陽光線やそれに起因する熱履歴によって経時的
に劣化し収縮することが知られている。このような場合
において、強度が低い薄肉の破断予定部73でこの劣
化、収縮の影響が大となり、その結果、表皮72の破断
予定部73に亀裂が生じたり内側の合成樹脂発泡体層7
1が露出するなどの外観不良を生じやすいという問題が
指摘されている。
【0006】一方、当該破断予定部における表皮の厚み
を、劣化による亀裂を生じにくくなるまで大きくする
と、今度はエアバッグAの膨張時に該破断予定部73が
スムーズに破断しなくなるおそれもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、薄肉の破
断予定部に表皮の劣化、収縮による亀裂などの外観不良
の発生を防ぎ、しかもエアバッグの膨張時には確実に破
断させることができるインストルメントパネルのエアバ
ッグドア部の構造を提供しようとするものである。そし
て、表皮の成形の際には、薄肉の破断予定部を効率よく
かつ破れなどを生じることなく形成することができるイ
ンストルメントパネルのエアバッグドア部の製法を提供
しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1の発
明は、合成樹脂発泡層上面にエアバッグドア部を画定す
る破断予定部が形成された表皮を一体に有するエアバッ
グドア部において、前記表皮は前記破断予定部に沿って
その裏面側に折り曲げられたフランジ部の合接部を有す
るとともに、前記フランジ部の合接部先端の折り曲げ部
に鋭角状薄肉部が平坦状一般部と交互に形成されている
ことを特徴とする自動車のエアバッグドア部の構造に係
る。
【0009】また、請求項2の発明は、請求項1におい
て、前記裏面側に折り曲げられたフランジ部の合接部の
長さが4ないし10mmで、前記折り曲げ部の鋭角状薄
肉部の肉厚が0.1mm以下でかつ平坦状一般部の肉厚
が0.2ないし0.4mmである自動車のエアバッグド
ア部の構造に係る。
【0010】請求項3の発明は、請求項1または2にお
いて、交互に形成された鋭角状薄肉部の長さが3ないし
5mmで、平坦な一般部の長さが10ないし20mmで
ある自動車のエアバッグドア部の構造に係る。
【0011】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかにおいて、前記鋭角状薄肉部および平坦な一般部
の幅折り曲げ部の交互形成部分が最初に破断される破断
予定部にのみ形成され、他の破断予定部は平坦状一般部
によって形成された自動車のエアバッグドア部の構造に
係る。
【0012】請求項5の発明は、表皮のパウダースラッ
シュ成形型の表皮破断予定部に、厚み0.8ないし1.
0mmで高さ4ないし10mmのビード部を突設すると
ともに、前記ビード部先端を鋭角状にした鋭角部と平坦
な一般部とを交互に形成し、これに表皮用樹脂材料を導
入して、破断予定部に沿ってその裏面側に折り曲げられ
たフランジ部と前記フランジ部先端の折り曲げ部に鋭角
状薄肉部と平坦状一般部が交互に形成された表皮を得る
工程と、前記工程で得られた表皮裏面側に合成樹脂発泡
材料を注入し合成樹脂発泡層を形成して、破断予定部に
沿ってその裏面側に折り曲げられたフランジ部の合接部
を有するとともに、前記フランジ部の合接部先端の折り
曲げ部に鋭角状薄肉部が平坦状一般部と交互に形成され
た表皮を有するエアバッグドア部を得る工程とを含むこ
とを特徴とする自動車のエアバッグドア部の製法に係
る。
【0013】
【実施例】以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説
明する。図1はこの発明構造の一実施例を示す自動車の
インストルメントパネルの概略斜視図、図2はそのエア
バッグ装置が取り付けられた部分の断面図、図3は図2
の矢印3部分の拡大断面図、図4はこの発明構造のエア
バッグドア部が開口した状態を示す断面図、図5はこの
発明構造のインストルメントパネルの表皮フランジ部の
合接部に沿って切断した拡大断面図、図6は図5の6A
−6A線および6B−6B線で切断した断面図、図7は
この発明構造に係る表皮を裏面側から見た要部の斜視
図、図8はこの発明構造の表皮の他の例を示す要部の拡
大断面図、図9は同じく表皮の他の例を示す拡大断面図
である。
【0014】また、図10ないし図17はこの発明のエ
アバッグドア部の製法に関するものであって、図10は
表皮の成形に用いられるパウダースラッシュ成形型を示
す断面図、図11はそのビード部を示す要部の斜視図、
図12は前記パウダースラッシュ成形型によって表皮を
成形する状態を示す断面図、図13はビード部における
表皮成形状態を示す断面図、図14は表皮の裏面側に合
成樹脂発泡材料を注入する状態を示す断面図、図15は
その発泡成形状態を示す断面図、図16は発泡成形前に
おける表皮フランジ部の状態を示す断面図、図17は発
泡成形時における表皮フランジ部の状態を示す断面図で
ある。
【0015】図1ないし図4に示したように、この発明
は、例えば前記したようなインストルメントパネル10
に係り、特に合成樹脂発泡層11上面にエアバッグドア
部Dを画定する破断予定部14が形成された表皮12を
一体に有するものに係る。なお、図示したエアバッグ装
置は先の従来技術の項で説明したものと同様の構造を有
し、符号Aはエアバッグ、Iは前記エアバッグAの作動
装置、Cはエアバッグ収容容器、Oはエアバッグの展開
開口部、Tはインストルメントパネルの開裂(予定)
部、20はインストルメントパネルの芯材、21はエア
バッグ展開開口部上方に配置されたエアバッグドア用芯
材、22,23は前記インストルメントパネル10にエ
アバッグ収容容器Cを固定する取付部材である。
【0016】インストルメントパネル10は所定の形状
に形成されたもので、発泡ポリウレタンなどからなる合
成樹脂発泡層11の上面が表皮12によって覆われてい
る。この表皮12は公知のパウダースラッシュ成形など
によって成形され、その材質としては一般的に軟質PV
C、PVC−ウレタン共重合体または熱可塑性ポリオレ
フィンエラストマーなどが使用される。
【0017】そして、この表皮12には、表皮12の破
断予定部14に沿って裏面側に折り曲げられることによ
るフランジ部13,13の合接部13Jが形成されてい
る。図7にその表皮を裏面側から見た図を示す。この表
皮フランジ部の合接部13Jは合成樹脂発泡層11内で
密に合接されている。この合接部13Jの折り曲げ長さ
は4ないし10mm程度が好ましい。そして、このフラ
ンジ部13,13の合接部13Jはその先端の折り曲げ
部15が他の一般部分よりも薄肉に形成されることによ
って、エアバッグAの膨張によってエアバッグドア部D
が内側から押圧された際に破断する。
【0018】前記フランジ部13,13の合接部13J
の先端の折り曲げ部15には、図5ないし図7に図示し
たように、鋭角状薄肉部16と平坦状一般部17とが交
互に形成されている。これは、表皮12の破断予定部1
4となる折り曲げ部15の強度を調整するもので、エア
バッグ作動膨張時においてエアバッグドア部Dを速やか
にかつ確実に破断させるものである。
【0019】鋭角状薄肉部16は、図5および図6に示
すように、前記折り曲げ部15を平坦状一般部17より
も薄肉とするとともに、合成樹脂発泡層11に向かって
尖る鋭角状とすることにより構成されている。それによ
り、表皮12における前記破断予定部14の位置が確実
に定められ、かつエアバッグの膨張圧力で容易に破断す
る強度が付与される。また、平坦状一般部17は、破断
予定部14の位置を画定しその破断しやすさを保ちなが
ら、表皮12の強度を保持するためのもので、折り曲げ
部15先端を平坦な形状としかつ前記鋭角状薄肉部16
よりも肉厚で、その他の一般部分よりは薄肉な構成とさ
れている。
【0020】前記鋭角状薄肉部16および平坦状一般部
17の肉厚と長さは以下のように形成することが好まし
い。すなわち、表皮12におけるフランジ部以外の一般
部分の厚みtが0.8から1.2mmである場合、前記
折り曲げ部15先端の鋭角状薄肉部16の肉厚t1は
0.1mm以下、平坦状一般部17の肉厚t2は0.2
から0.4mmとするのが好ましい。また、交互に形成
される鋭角状薄肉部16の長さw1は約3ないし5mm
とし、平坦状一般部17の長さw2は約10ないし20
mmとするのが好ましい。
【0021】鋭角状薄肉部16と平坦状一般部17との
肉厚が上記範囲より大きくなった場合、エアバッグ膨張
の際に破断予定部14が確実かつ速やかに破断しないお
それがある。また、前記鋭角状薄肉部16の一つの長さ
を5mmより大きくすると、表皮成形時の脱型の際に、
前記鋭角状薄肉部16において破れやすくなる上、当該
破断予定部14が必要以上に脆弱となる。一方、鋭角状
薄肉部16の一つの長さが3mmより小さい場合では、
折り曲げ部15の強度と破断しやすさのバランスがとり
にくくなる。さらに、破断予定部14における各鋭角状
薄肉部16間の間隔(平坦状一般部17の長さ)が10
mm以下でも、表皮成形の際の脱型が困難で鋭角状薄肉
部16が破れるおそれがあり、また前記破断予定部14
の強度が充分ではなくなる。さらにまた、各鋭角状薄肉
部16間の間隔が20mmより長くなると、鋭角状薄肉
部16が効果的に作用しない。
【0022】なお、前記鋭角状薄肉部16および平坦状
一般部17の肉厚t1,t2および長さw1,w2は前
記した範囲内で、形成されるインストルメントパネルの
種類や材質などによって適宜に設定することができる。
また、前記鋭角状薄肉部16は、表皮12の破断予定部
14において最初に破断されるべき部分のみに形成して
もよい。すなわち、図1ではエアバッグドア部Dのドア
コーナー部D1などである。それによって、エアバッグ
Aの膨張の際のエアバッグドア部Dの開放を速やかに行
なうことができる。
【0023】さらに、前記フランジ部13の先端折り曲
げ部15に、鋭角状薄肉部16および平坦状一般部17
を交互に形成したことにより、特に強度の低い部分が、
前記破断予定部14上にミシン目状に形成される。それ
によって、エアバッグAが膨張しエアバッグドア部Dを
裏面から押圧した際には、その押圧力が、折り曲げ部1
5の鋭角状薄肉部16に集中し、図4に示されるよう
に、この部分で表皮12を確実に破断させることができ
る。特に、エアバッグの展開時には、破断予定部の周囲
の表皮に亀裂が生じるのを防ぎ、当該破断部分の破片な
どが飛散することが減少される。また、表皮成形時にお
ける脱型の際には、鋭角状薄肉部16部分が破れにくく
なるので、当該表皮の成形を効率的に行なうことができ
る。
【0024】加えて、前記鋭角状薄肉部16と平坦状一
般部17とは、表皮裏面側に折り曲げられたフランジ部
13の先端の折り曲げ部15に設けられ、しかも合成樹
脂発泡層11によってそのフランジ部13が互いに合接
されているので、前記破断予定部14がインストルメン
トパネル10の表面上に目立たず、外観が極めて良好で
ある。さらに、太陽光線等の影響を受けにくくなるの
で、経時的な劣化および収縮などで前記破断予定部に亀
裂などが発生するのを抑えることができる。
【0025】図8はこの発明構造の表皮の他の例を示す
ものである。この表皮24においては、裏面側に凹陥す
る側壁26,26を介して凹溝部25が設けられ、一の
側壁26を表皮裏面側にさらに延ばすことにより、凹溝
部25の一側にフランジ部27,27を形成したもので
ある。符号28は折り曲げ部、29は鋭角状薄肉部であ
る。この構造によれば、インストルメントパネルのデザ
イン上の自由度が大となる。
【0026】また、図9は前記図8に図示の構造におい
て、フランジ部37,37を凹溝部35の底面略中央に
設けた例である。符号34は表皮、36は側壁、38は
折り曲げ部、39は鋭角状薄肉部である。
【0027】次に、図10ないし図17に従って、この
発明構造に係るエアバッグドア部の製法について説明す
る。ここに提案されるエアバッグドア部の製法は、鋭角
状薄肉部と平坦状一般部とが交互に形成された表皮を得
る工程と、前記表皮裏面側に合成樹脂発泡層を一体に形
成する工程とを含む。
【0028】まず表皮の形成工程について説明すると、
図10に示すように、表皮の成形は、公知のパウダース
ラッシュ成形型40によってなされる。このパウダース
ラッシュ成形型40はバケット41と成形型43とから
なり、前記バケット41のパウダー収容部42には、軟
質PVCパウダーなどの熱可塑性合成樹脂パウダーから
なる表皮用樹脂材料50が収容される。
【0029】前記成形型43の型面44において、前記
破断予定部14となるフランジ部13を形成する部分に
は、ビード部30が設けられている。このビード部30
は表皮の裏面に、折り曲げられたフランジ部を形成する
ためのもので、前記破断予定部14の形状に沿って突設
される。前記ビード部30は、成形される表皮のフラン
ジ部を前記した所定の長さとするため、厚み0.8ない
し1.0mmで高さ4ないし10mmに形成される。
【0030】前記ビード部30の先端には先を鋭角とし
た鋭角部31と平坦な一般部32とが交互に形成されて
いる。図11に示されるように、鋭角部31は、表皮の
フランジ部の折り曲げ部に鋭角状薄肉部を形成するため
のものである。また、一般部32は表皮に平坦状一般部
を形成するためのもので、前記鋭角部31より0.5か
ら1.0mm程度高さを下げてその先端面を平坦として
いる。なお、鋭角部31と一般部32は、前記した表皮
の鋭角状薄肉部16と平坦状一般部17との長さw1,
w2間隔となるように配設される。
【0031】そして、熱媒循環パイプ55,55,…に
加熱オイル等の熱媒を供給し、前記成形型43を適当な
温度まで加熱する。バケット41と前記成形型43とを
クランプして矢印aのように所定回数回転させると、図
12に示すように、バケット41内の表皮用樹脂材料5
0が成形型43内に移動してその型面44に接触する。
前記表皮用樹脂材料50は前記型面44の熱により溶融
し該型面44に所定厚みで層状に付着して、表皮51が
形成される。
【0032】この表皮成形時において、図13に示すよ
うに、型面44のビード部30に接触した前記表皮用樹
脂材料50は、鋭角部31では薄肉となり一般部32で
は上面が平坦であるので、鋭角部31よりも多く付着し
て厚肉となる。
【0033】しかる後、前記成形型40を冷却して、型
面に付着した表皮用樹脂材料50を固化させてから脱型
し表皮51を得る。得られた表皮51には、前記ビード
部30により、その破断予定部に沿って裏面側に折り曲
げられたフランジ部52、およびその先端に鋭角状薄肉
部56および平坦状一般部57が交互に設けられてい
る。
【0034】次いで、図14および図15に示したよう
に、前記表皮51の裏面側に合成樹脂発泡層が一体に形
成される。すなわち、発泡成形型60の下型61の型面
63に、フランジ部52が形成されている表皮の裏面側
が型内側となるようにして前記表皮51を配置する。こ
のとき、フランジ部52,52は互いに近接するように
配置することが好ましい。一方、前記発泡成形型60の
上型62の型面64には、インストルメントパネル用芯
材53およびエアバッグドア部用芯材54が適宜手段で
保持されて配置される。
【0035】そして、前記下型61に配置された表皮5
1の裏面側に、注入機65よりポリウレタン原料などの
合成樹脂発泡原料66が所定量注入された後、前記上型
62を閉じて発泡成形を行なう。
【0036】その際、図16および図17から理解され
るように、前記フランジ部52,52は合成樹脂発泡原
料66の発泡圧により合接する。特に、鋭角状先端部
は、薄肉かつ鋭角となっているので発泡圧を受けて曲が
りやすく、フランジ部が強固に密着する。合成樹脂発泡
原料66は発泡硬化して表皮51裏面に一体に合成樹脂
発泡層67を形成し、上面側(型内では下面側)にエア
バッグドア部Dを画定する破断予定部56を備えた表皮
51を有するインストルメントパネル68が得られる。
【0037】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
エアバッグドア部の構造によれば、表皮の破断予定部に
は、表皮裏面側へ折り曲げられてなるフランジ部の先端
に交互に設けられた鋭角状薄肉部と平坦状一般部とを有
しているので、平時には必要な強度が付与され、しかも
エアバッグの膨張時には確実かつ速やかに破断される。
さらに、合接したフランジ部の先端に設けられているの
で、前記破断予定部はエアバッグドア部の表面側に現れ
ず、外観が良好となるだけでなく、太陽光線や温度など
による劣化、収縮で亀裂などを生じるのを防ぐことがで
きる。
【0038】また、本発明の製法によれば、パウダース
ラッシュ成形型に鋭角部と一般部とを交互に有するビー
ド部を設けているので、鋭角状薄肉部と平坦状一般部と
が交互に設けられたフランジ部が裏面に一体に形成され
た表皮を簡単かつ確実に成形することができる。したが
って、前記表皮を用いれば、合成樹脂発泡層の上面にエ
アバッグドア部を簡単かつ容易にしかも確実に得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明構造の一実施例を示す自動車のインス
トルメントパネルの概略斜視図である。
【図2】そのエアバッグ装置が取り付けられた部分の断
面図である。
【図3】図2の矢印3部分の拡大断面図である。
【図4】この発明構造のエアバッグドア部が開口した状
態を示す断面図である。
【図5】この発明構造のインストルメントパネルの表皮
フランジ部の合接部に沿って切断した拡大断面図であ
る。
【図6】図5の6A−6A線および6B−6B線で切断
した断面図である。
【図7】この発明構造に係る表皮を裏面側から見た要部
の斜視図である。
【図8】この発明構造の表皮の他の例を示す要部の拡大
断面図である。
【図9】同じく表皮の他の例を示す拡大断面図である。
【図10】表皮の成形に用いられるパウダースラッシュ
成形型を示す断面図である。
【図11】そのビード部を示す要部の斜視図である。
【図12】前記パウダースラッシュ成形型によって表皮
を成形する状態を示す断面図である。
【図13】ビード部における表皮成形状態を示す断面図
である。
【図14】表皮の裏面側に合成樹脂発泡材料を注入する
状態を示す断面図である。
【図15】その発泡成形状態を示す断面図である。
【図16】発泡成形前における表皮フランジ部の状態を
示す断面図である。
【図17】発泡成形時における表皮フランジ部の状態を
示す断面図である。
【図18】従来のエアバッグドア部を有するインストル
メントパネルの構造を示す断面図である。
【図19】図18の矢印19部分の拡大断面図である。
【図20】図18に示したエアバッグドア部の展開状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル 11 合成樹脂発泡層 12 表皮 13 フランジ部 14 破断予定部 15 折り曲げ部 16 鋭角状薄肉部 17 平坦状一般部 30 ビード部 31 鋭角部 32 一般部 D エアバッグドア部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 丈夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 柳原 雅彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動 車株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−26061(JP,A) 特開 平6−285876(JP,A) 特開 平8−253087(JP,A) 特開 平7−309188(JP,A) 特開 平7−329681(JP,A) 特開 平5−162599(JP,A) 特開 平4−27634(JP,A) 実開 平6−35057(JP,U) 特表 平6−504503(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂発泡層上面にエアバッグドア部
    を画定する破断予定部が形成された表皮を一体に有する
    エアバッグドア部において、 前記表皮は前記破断予定部に沿ってその裏面側に折り曲
    げられたフランジ部の合接部を有するとともに、前記フ
    ランジ部の合接部先端の折り曲げ部に鋭角状薄肉部が平
    坦状一般部と交互に形成されていることを特徴とする自
    動車のエアバッグドア部の構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記裏面側に折り曲
    げられたフランジ部の合接部の長さが4ないし10mm
    で、前記折り曲げ部の鋭角状薄肉部の肉厚が0.1mm
    以下でかつ平坦状一般部の肉厚が0.2ないし0.4m
    mである自動車のエアバッグドア部の構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、交互に形成
    された鋭角状薄肉部の長さが3ないし5mmで、平坦な
    一般部の長さが10ないし20mmである自動車のエア
    バッグドア部の構造。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記鋭角状薄肉部および平坦な一般部の幅折り曲げ部の
    交互形成部分が最初に破断される破断予定部にのみ形成
    され、他の破断予定部は平坦状一般部によって形成され
    た自動車のエアバッグドア部の構造。
  5. 【請求項5】 表皮のパウダースラッシュ成形型の表皮
    破断予定部に、厚み0.8ないし1.0mmで高さ4な
    いし10mmのビード部を突設するとともに、前記ビー
    ド部先端を鋭角状にした鋭角部と平坦な一般部とを交互
    に形成し、これに表皮用樹脂材料を導入して、破断予定
    部に沿ってその裏面側に折り曲げられたフランジ部と前
    記フランジ部先端の折り曲げ部に鋭角状薄肉部と平坦状
    一般部が交互に形成された表皮を得る工程と、 前記工程で得られた表皮裏面側に合成樹脂発泡材料を注
    入し合成樹脂発泡層を形成して、破断予定部に沿ってそ
    の裏面側に折り曲げられたフランジ部の合接部を有する
    とともに、前記フランジ部の合接部先端の折り曲げ部に
    鋭角状薄肉部が平坦状一般部と交互に形成された表皮を
    有するエアバッグドア部を得る工程とを含むことを特徴
    とする自動車のエアバッグドア部の製法。
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