JP3385750B2 - 核磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

核磁気共鳴イメージング装置

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JP3385750B2
JP3385750B2 JP26107794A JP26107794A JP3385750B2 JP 3385750 B2 JP3385750 B2 JP 3385750B2 JP 26107794 A JP26107794 A JP 26107794A JP 26107794 A JP26107794 A JP 26107794A JP 3385750 B2 JP3385750 B2 JP 3385750B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、NMR(核磁気共
鳴)現象を利用してイメージングを行う核磁気共鳴イメ
ージング装置の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】核磁気共鳴イメージング装置において、
ある傾斜磁場を用いて相互に極性が反対の2つのパルス
(バイポーラグラジェント)を時間間隔を置いて順次印
加する必要のあることがある。これは、たとえば高速ス
ピンエコー法やフェーズコントラストアンギオグラフィ
法に基づくパルスシーケンスにおいて、ある傾斜磁場を
用いて、磁化ベクトルの位相を乱すディフェージング用
パルスを印加し、その後時間を置いて乱れた位相を戻す
リフェージング用パルスを印加するような場合である。 【0003】高速スピンエコー法について図5を用いて
少し説明すると、90゜パルス61とともにスライス選
択用の傾斜磁場Gzパルス71を加えて、Z方向の所定
領域を選択励起した後、リフォーカス用の180゜パル
ス62、63を順次、Gzパルス72、73とともに印
加する。読み出し用の傾斜磁場Gxパルス81は90゜
パルス61の後最初の180゜パルス62の前に与え、
その後、180゜パルス62、63のそれぞれの後にパ
ルス82、83として与えてスピンエコー信号を発生さ
せる。そして、傾斜磁場Gyを用いて位相エンコードを
行なう。最初の180゜パルス62の後、信号発生前に
Gyパルス91を加え、その後に発生してくる信号に対
して位相エンコードを施すとともに、その直後に反対極
性のGyパルス92を加えてその位相を戻す。2番目の
180゜パルス63の後に発生してくる信号についても
同様にGyパルス93で位相エンコードを行ない、信号
が発生したら反対極性のGyパルス94を与える。 【0004】高速スピンエコー法では、1個の90゜パ
ルス61の後、複数個の180゜パルスを順次加えてリ
フォーカスし、複数のスピンエコー信号を順次発生させ
る。そして、その各々に異なる位相エンコードを施すこ
とによって、1個の90゜パルスから始まる1回のパル
スシーケンスで、kスペース(生データ空間)で異なる
位置(位相方向の)に配置すべき複数ラインのデータを
一度に得る。そのため、パルスシーケンスの繰り返し回
数を少なくしてkスペースに配置すべきすべてのデータ
を収集できるので、高速の撮像が可能となる。 【0005】この場合、図5では、Gyパルス91、9
3が位相エンコード用のパルスとなり、それぞれの時間
積分を異なるものとして異なる位相エンコードが施され
るようにしている。このように、いったんある量のディ
フェージングを施した後、異なる量のディフェージング
を施す必要があるため、ディフェージングして信号が発
生した後、その影響をキャンセルする必要がある。Gy
パルス92、94はこのためのリフェージング用であ
る。リフェージング用パルスとして機能するため、これ
らGyパルス92、94は、Gyパルス91、93のそ
れぞれと時間積分がまったく同一で、単に極性が異なる
ものである必要がある。 【0006】このようにバイポーラグラジェントは、デ
ィフェージング用パルスおよびリフェージング用パルス
として用いられるので、最初のパルスによる位相変化が
つぎのパルスによって完全に打ち消されるよう、両者の
パルスの時間積分を完全に等しくして、2つのパルス全
体では時間積分が厳密に0となるようにする必要があ
る。そうなっていない場合には、乱れた位相が完全には
戻らないことになるため、高速スピンエコー法では画像
のぼけが発生し、フェーズコントラストアンギオグラフ
ィ法では血管が明瞭に抽出されないなどの不都合が生じ
る。このような不都合が生じないためには、バイポーラ
グラジェントの正負パルスの時間積分の誤差は、実験お
よび理論から0.1%以下に抑える必要がある。 【0007】そこで、従来より、バイポーラグラジェン
トを高精度に調整できる核磁気共鳴イメージング装置が
提案されている(特開平06−014903)。この核
磁気共鳴イメージング装置では、バイポーラグラジェン
トの誤差がMR画像上に現われるような特別の撮像シー
ケンスを行なう。この画像を観察することによりバイポ
ーラグラジェントを調整し、これによって精度の高い調
整が可能となる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の核磁気共鳴イメージング装置では、バイポーラグ
ラジェントの誤差を画像化するため、画像のマトリクス
数に対応するだけのパルスシーケンスの繰り返しを必要
とし、調整に膨大な時間を要するという問題がある。ま
た、印加のタイミングの変化ごとに調整を行なう必要が
あり、印加タイミングの変化に対応できない。 【0009】この発明は、上記に鑑み、バイポーラグラ
ジェントの調整時間を大幅に短縮しながら高精度の調整
ができるように改善した、核磁気共鳴イメージング装置
を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明によると、静磁場を発生する手段と、静磁
場に重畳するようスライス選択用傾斜磁場、読み出し用
傾斜磁場および位相エンコード用傾斜磁場を発生する傾
斜磁場発生手段と、RF送信手段と、NMR信号の受信
手段と、上記傾斜磁場発生手段およびRF送信手段を制
御して、90°RFパルスとともにスライス選択用傾斜
磁場パルスを印加した後、複数の180°RFパルスを
スライス選択用傾斜磁場パルスとともに順次印加し、最
初の180°RFパルスの前に読み出し用傾斜磁場パル
スを与えるとともに各180°RFパルスの後にそれぞ
れ読み出し用傾斜磁場パルスを与えてスピンエコー信号
を各々発生させ、各スピンエコー信号の発生前に位相エ
ンコード用傾斜磁場のディフェージング用パルスを、各
スピンエコー信号の発生後に位相エンコード用傾斜磁場
のリフェージング用パルスを、それぞれ与えるという撮
像シーケンスを行なう制御手段とを備える核磁気共鳴イ
メージング装置において、上記の制御手段はさらに、上
記の撮像シーケンスの一部を変更した、上記の読み出し
用傾斜磁場パルスを印加せず、その代わりに位相エンコ
ード用傾斜磁場を用いたパルスを読み出し用パルスとし
て最初の180°RFパルスの前および2番目の180
°パルスの後に加えるとともに、上記の最初の180°
パルスの後に位相エンコード用傾斜磁場のディフェージ
ング用パルスとリフェージング用パルスとを加え、2番
目の180°パルスの後に発生してくるスピンエコー信
号のピーク時点を測定する調整用シーケンスを行ない、
この調整用シーケンスにおいて測定した信号のピーク時
点により上記ディフェージング用パルスとリフェージン
グ用パルスとを調整し、その調整終了後に上記の撮像シ
ーケンスを行なうよう制御することが特徴となってい
る。 【0011】上記の制御手段は、上記の調整用シーケン
スを2回行ない、その各回において相互に、ディフェー
ジング用パルスとリフェージング用パルスの極性を反転
させ、それぞれの調整用シーケンスで測定した信号のピ
ーク時点の差が少なくなるように上記ディフェージング
用パルスとリフェージング用パルスとを調整するように
してもよい。 【0012】また、上記の制御手段は、上記の調整用シ
ーケンスを2回行ない、その1回は、ディフェージング
用パルスおよびリフェージング用パルスを印加しない点
だけ変更した調整用シーケンスとし、ディフェージング
用パルスおよびリフェージング用パルスを印加した調整
用シーケンスで測定した信号のピーク時点が、ディフェ
ージング用パルスおよびリフェージング用パルスを印加
しない調整用シーケンスで測定した信号のピーク時点に
一致するように上記ディフェージング用パルスとリフェ
ージング用パルスとを調整することもできる。 【0013】 【作用】撮像シーケンスの一部を変更した調整用シーケ
ンスが行なわれる。ここで、撮像シーケンスというの
は、90°RFパルスとともにスライス選択用傾斜磁場
パルスを印加した後、複数の180°RFパルスをスラ
イス選択用傾斜磁場パルスとともに順次印加し、最初の
180°RFパルスの前に読み出し用傾斜磁場パルスを
与えるとともに各180°RFパルスの後にそれぞれ読
み出し用傾斜磁場パルスを与えてスピンエコー信号を各
々発生させ、各スピンエコー信号の発生前に位相エンコ
ード用傾斜磁場のディフェージング用パルスを、各スピ
ンエコー信号の発生後に位相エンコード用傾斜磁場のリ
フェージング用パルスを、それぞれ与えるというもので
あり、調整用シーケンスは、上記の撮像シーケンスにお
いて、上記の読み出し用傾斜磁場パルスを印加せず、そ
の代わりに位相エンコード用傾斜磁場を用いたパルスを
読み出し用パルスとして最初の180°RFパルスの前
および2番目の180°パルスの後に加えるとともに、
上記の最初の180°パルスの後に位相エンコード用傾
斜磁場のディフェージング用パルスとリフェージング用
パルスとを加え、2番目の180°パルスの後に発生し
てくるスピンエコー信号のピーク時点を測定するという
ものである。この調整用シーケンスを行なう場合、上記
のディフェージング用パルスとリフェージング用パルス
とが印加された後、2番目の180°パルスの後で発生
する信号のピーク時点は、ディフェージング用パルスと
リフェージング用パルスとが完全に調整されていて相互
にキャンセルし合う関係になっているならば、読み出し
用パルスの時間積分によって決まる所定の時点に一致す
るはずである。ところが、ディフェージング用パルスと
リフェージング用パルスの調整が不完全で、それらの時
間積分が等しくない場合には、乱された位相が完全には
戻されず、残余の位相乱れがあるため、信号のピーク時
点がずれてくる。そのため、この信号のピーク時点のず
れにより、ディフェージング用パルスによって乱された
位相を完全に戻すことができるような、ディフェージン
グ用パルスとリフェージング用パルスとの関係が得られ
るよう調整することが可能となる。このような調整が終
了した後上記の撮像シーケンスを行なえば、180°パ
ルスごとに発生する信号に対して正確な位相エンコード
を施すことができ、優れた画質のMR信号を得ることが
できる。 【0014】上記の調整用シーケンスを2回行ない、そ
の各回において相互に、ディフェージング用パルスとリ
フェージング用パルスの極性を反転させるならば、ディ
フェージング用パルスとリフェージング用パルスの調整
の不完全性に起因して生じる信号のピーク時点のずれ
は、その各回の調整用シーケンスの間で、反対方向に生
じるはずである。そこで、これらの調整用シーケンスで
測定される信号のピーク時点の差が少なくなるように調
整すれば、ディフェージング用パルスによって乱された
位相を完全に戻すことができるような、ディフェージン
グ用パルスとリフェージング用パルスとの関係が得られ
る。 【0015】調整用シーケンスを2回行ない、その1回
は、ディフェージング用パルスおよびリフェージング用
パルスを印加しない点だけ変更した調整用シーケンスと
する場合、この調整用シーケンスでは、ディフェージン
グ用パルスおよびリフェージング用パルスの影響はなん
ら生じないのであるから、読み出し用パルスの時間積分
によって決まる時点で、信号のピークが生じることにな
る。そのため、ディフェージング用パルスおよびリフェ
ージング用パルスを印加した調整用シーケンスで測定し
た信号のピーク時点が、ディフェージング用パルスおよ
びリフェージング用パルスを印加しない調整用シーケン
スで測定した信号のピーク時点に一致するように上記デ
ィフェージング用パルスとリフェージング用パルスとを
調整するなら、それらの間で、いったん乱した位相をふ
たたび完全にもとに戻すという関係が得られる。 【0016】 【実施例】以下、この発明の好ましい一実施例について
図面を参照しながら詳細に説明する。この発明の一実施
例にかかる核磁気共鳴イメージング装置は図1に示すよ
うに構成されている。この図1において、マグネットア
センブリ11は被検体を挿入するための空間を有し、そ
の空間に均一な静磁場を発生するための静磁場コイルが
備えられており、この静磁場コイルには静磁場電源21
より電力が供給される。さらにマグネットアセンブリ1
1には、上記の空間に静磁場と重畳するように傾斜磁場
を発生するための傾斜磁場コイルが備えられる。傾斜磁
場コイルは3組のコイルよりなり、その各々により、
X、Y、Zの3軸方向に磁場強度がそれぞれ傾斜する3
つの傾斜磁場Gx,Gy,Gzが発生させられる。これ
ら3軸方向の傾斜磁場Gx,Gy,Gzの1つを選択
し、あるいはそれらを組み合わせることにより、任意の
方向のスライス選択用傾斜磁場、読み出し(および周波
数エンコード)用傾斜磁場、位相エンコード用傾斜磁場
をつくることができる。傾斜磁場コイルには、傾斜磁場
駆動装置22から所定のパルス波形の駆動電流が供給さ
れる。 【0017】また、マグネットアセンブリ11には、上
記の静磁場と傾斜磁場が重畳するよう発生される空間内
に配置された被検体に対して、RFパルスを照射してそ
の被検体内の核スピンを励起するためのRF送信コイル
と、その被検体から発生したNMR信号を受信するため
のRF受信コイルとが備えられている。 【0018】RF発振回路31、ゲート変調回路32お
よびRF電力増幅器33は、上記のマグネットアセンブ
リ11内のRF送信コイルにRF電力を供給する送信系
をなす。RF発振回路31からは被検体の共鳴周波数に
一致する周波数のRF信号が発生させられ、これがゲー
ト変調回路32で振幅変調させられてRF電力増幅器3
3に送られる。マグネットアセンブリ11内のRF受信
コイルには前置増幅器41、位相検波回路42およびA
/D変換器43よりなる受信系が接続される。受信信号
は前置増幅器41を経て位相検波回路42に送られ、上
記のRF発振回路31からのRF信号を参照信号として
位相検波され、検波出力がシーケンスコントローラ52
により制御されるA/D変換器43でデジタルデータに
変換され、コンピュータ51に取り込まれる。 【0019】コンピュータ51は、収集されたデータを
2次元フーリエ変換処理することによって画像を再構成
するデータ処理などを行なうとともに、操作コンソール
53から入力された指令に基づき、シーケンスコントロ
ーラ52を介してグラジェントエコー法やスピンエコー
法などによる種々のパルスシーケンスを実行する制御を
行なう。再構成された画像は、表示装置54によって表
示される。 【0020】ここで、たとえば図5に示すような高速ス
ピンエコー法によるパルスシーケンスが実行されるもの
とすると、それに先立って図2に示すバイポーラグラジ
ェントの調整用パルスシーケンスが行なわれるよう、コ
ンピュータ51が制御する。この図2に示すパルスシー
ケンスは、図5のパルスシーケンスを少し変えたもの
で、RFパルス61、62、63と、スライス選択用の
傾斜磁場として用いられているGzパルス71、72、
73は同じであるが、読み出し用傾斜磁場として用いた
Gxパルス81、82、83は与えないこととしてい
る。つまりGxについてはなんら印加しない。 【0021】そして、傾斜磁場Gyを用いたディフェー
ジング用パルスについては、最初の1組、つまり最初の
180゜パルス62とつぎの180゜パルス63との間
のパルス91、92のみを与える。この傾斜磁場Gyを
用いて読み出し用パルス95、96を印加する。このパ
ルス95は90゜パルス61の後最初の180゜パルス
の前に、パルス96は2番目の180゜パルス63の後
に与え、この2番目の180゜パルス63の後でスピン
エコー信号を発生させて、その信号をサンプリングする
パルスをそのときのみ発生する。 【0022】このようなパルスシーケンスを少なくとも
2回行ない、その各々で、パルス91、92の極性を、
相互に反転させる。つまり、図3の(a)のようにパル
ス91、92を正負の順で与えるシーケンスと、図3の
(b)のようにパルス91、92を負正の順で与えるシ
ーケンスとを行なう。図3の(a)では、Gyパルスに
よる位相のシフト量は、正のパルス95によって正側に
増大していき、パルス95の終了によってその状態が保
たれ、最初の180゜パルス62によって位相シフト量
が反転させられて負側とされ、その後正のパルス91に
よって正側にシフトさせられる。さらにその後負のパル
ス92により負側に位相がシフトさせられ、2番目の1
80゜パルス63によって反転させられて正側となった
後、負のパルス96によって、位相が負側にシフトさせ
られる。この負側にシフトしていく途中で0になった時
点で、信号はその強度がピークとなる。 【0023】位相シフト量が0になるということは、そ
れまでに印加されたGyパルスの時間積分が0になると
いうことである。仮に正のパルス91と負のパルス92
とが、その時間積分の絶対値が等しいとするなら、パル
ス91で正の方向にシフトしたものが同量だけ負の方向
にシフトすることになるので、点線で示すようにパルス
91を印加する以前のシフト量となるはずである。とこ
ろが実際には、たとえば正のパルス91に比較して負の
パルス92の時間積分の絶対値が小さいとすると、図3
の(a)のように点線のレベルまで戻りきらないことに
なる。そのため、読み出し用パルス96の時間積分が、
読み出し用パルス95の時間積分と同量で反対極性とな
る以前に、位相シフト量が0になる。 【0024】これに対して、図3の(b)のようにパル
ス91、92を負正の順で与えると、位相はパルス91
で負の方向にシフトされ、パルス92で正の方向に戻さ
れるが、負のパルス91に比較して正のパルス92の時
間積分の絶対値が小さいとすると、もとのレベル(点線
で示す)にまでは戻されないこととなる。そこで、読み
出し用パルス96を印加する時点では、位相シフト量は
正の方向に大きなものとなっているため、パルス96の
時間積分がパルス95の時間積分と同量で反対極性とな
っても位相シフト量は0とならず、それよりも遅れた時
点で位相シフト量が0となる。 【0025】このように、パルス91とパルス92の時
間積分の絶対値に差がある場合、2回のパルスシーケン
スの各々の間で、そのパルス91、92の極性を互いに
反転させると、信号のピークの生じる時点が早まる方向
と遅れる方向との、各々反対の方向にずれることにな
る。そのため、これらのピーク時点p、mの差がなくな
るように、パルス91とパルス92の時間積分の絶対値
を調整すれば、それらが等しくなるように調整できる。
たとえば、リフェージング用パルス92の波高値(ある
いは印加時間)を変化させて、上記のような2回のパル
スシーケンスを行ない、ピーク時点p、mの差を指標と
し、その差がなくなるような波高値(あるいは印加時
間)を探せばよい。これらの動作はコンピュータ51の
制御の下で自動的に行なうことができる。 【0026】そして、このような調整が終了した直後
に、図5に示すような高速スピンエコー法のパルスシー
ケンスを行なえば、180゜パルスごとにGyパルスに
よる位相シフトが完全に戻されるため、180゜パルス
ごとに発生する信号に対して正確な位相エンコードを施
すことができ、アーティファクトのない優れた画質のM
R画像を得ることができる。 【0027】なお、ディフェージング用パルス91とリ
フェージング用パルス92の極性を反転させて2回のパ
ルスシーケンスを行なうのではなく、たとえば図3の
(a)、(b)の一方のようにある極性でパルス91、
92を与えるパルスシーケンスと、これらのディフェー
ジング用パルス91とリフェージング用パルス92をま
ったく与えないパルスシーケンスとを行ない、前者のパ
ルスシーケンスにおいて発生する信号のピーク時点が、
後者のパルスシーケンスにおいて発生する信号のピーク
時点に一致するよう調整することも可能である。パルス
91、92をまったく与えない場合は、読み出し用パル
ス95でシフトさせられた位相が読み出し用パルス96
で戻された時点で信号のピークとなるので、ディフェー
ジング用パルス91とリフェージング用パルス92が理
想的に調整されていて完全に元に戻される場合と同じで
あるからである。 【0028】図4は他の実施例のパルスシーケンスを示
すものである。このパルスシーケンスは、グラジェント
エコー法に基づくものである。グラジェントエコー法の
場合、180゜パルスによって位相が反転するというこ
とはなく、読み出し用パルスは、ある極性のパルス95
を与えた後すぐに反転させ、その反転したパルス96を
印加し続けることで、パルス95によってシフトされた
位相を0に戻し、信号を発生させる。 【0029】そのため、この場合も、図4の(a)のよ
うにパルス91、92を正負の順で与えるシーケンス
と、図4の(b)のようにパルス91、92を負正の順
で与えるシーケンスとを行ない、信号のピーク時点p,
mの差がなくなるように調整すればよい。あるいは、図
4の(a)、(b)の一方のようにある極性でパルス9
1、92を与えるパルスシーケンスと、これらのディフ
ェージング用パルス91とリフェージング用パルス92
をまったく与えないパルスシーケンスとを行ない、前者
のパルスシーケンスにおいて発生する信号のピーク時点
が、後者のパルスシーケンスにおいて発生する信号のピ
ーク時点に一致するよう調整することもできる。 【0030】なお、上記では説明の便宜上、Gyを用い
てバイポーラグラジェントを構成するものとし、その調
整を、Gyを用いた読み出し用パルスにより信号を発生
させることによって、行なっているが、他の傾斜磁場に
よりバイポーラグラジェントを構成する場合も同様であ
る。たとえば、Gxによりバイポーラグラジェントを構
成する場合には、Gxを読み出し用パルスとして与え、
信号を発生させて、その信号のピーク時点を指標として
調整を行なう。 【0031】また、高速スピンエコー法について述べた
が、フェーズコントラストアンギオグラフィ法など、他
のバイポーラグラジェントを用いるすべてのパルスシー
ケンスに適用可能であることはいうまでもない。 【0032】 【発明の効果】以上実施例について説明したように、こ
の発明の核磁気共鳴イメージング装置によれば、パルス
シーケンスの繰り返し回数を少なくできるので、バイポ
ーラグラジェントの調整時間の大幅な短縮が可能であ
る。また、調整の自動化が可能であり、それによって高
精度のバイポーラグラジェント調整ができ、画像の画質
向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の一実施例にかかる核磁気共鳴イメー
ジング装置のブロック図。 【図2】同実施例の調整用パルスシーケンスを示すタイ
ムチャート。 【図3】図2のパルスシーケンスにおける位相変化の様
子を表わすタイムチャート。 【図4】他の実施例にかかる調整用パルスシーケンスに
おける位相変化の様子を表わすタイムチャート。 【図5】高速スピンエコー法による撮像用パルスシーケ
ンスを示すタイムチャート。 【符号の説明】 11 マグネットアセンブリ 21 静磁場電源 22 傾斜磁場駆動装置 31 RF発振回路 32 ゲート変調回路 33 RF電力増幅器 41 前置増幅器 42 位相検波回路 43 A/D変換器 51 コンピュータ 52 シーケンスコントローラ 53 操作コンソール 54 表示装置

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 静磁場を発生する手段と、静磁場に重畳
    するようスライス選択用傾斜磁場、読み出し用傾斜磁場
    および位相エンコード用傾斜磁場を発生する傾斜磁場発
    生手段と、RF送信手段と、NMR信号の受信手段と、
    上記傾斜磁場発生手段およびRF送信手段を制御して、
    90°RFパルスとともにスライス選択用傾斜磁場パル
    スを印加した後、複数の180°RFパルスをスライス
    選択用傾斜磁場パルスとともに順次印加し、最初の18
    0°RFパルスの前に読み出し用傾斜磁場パルスを与え
    るとともに各180°RFパルスの後にそれぞれ読み出
    し用傾斜磁場パルスを与えてスピンエコー信号を各々発
    生させ、各スピンエコー信号の発生前に位相エンコード
    用傾斜磁場のディフェージング用パルスを、各スピンエ
    コー信号の発生後に位相エンコード用傾斜磁場のリフェ
    ージング用パルスを、それぞれ与えるという撮像シーケ
    ンスを行なう制御手段とを備える核磁気共鳴イメージン
    グ装置において、上記の制御手段はさらに、上記の撮像
    シーケンスの一部を変更した、上記の読み出し用傾斜磁
    場パルスを印加せず、その代わりに位相エンコード用傾
    斜磁場を用いたパルスを読み出し用パルスとして最初の
    180°RFパルスの前および2番目の180°パルス
    の後に加えるとともに、上記の最初の180°パルスの
    後に位相エンコード用傾斜磁場のディフェージング用パ
    ルスとリフェージング用パルスとを加え、2番目の18
    0°パルスの後に発生してくるスピンエコー信号のピー
    ク時点を測定する調整用シーケンスを行ない、この調整
    用シーケンスにおいて測定した信号のピーク時点により
    上記ディフェージング用パルスとリフェージング用パル
    スとを調整し、その調整終了後に上記の撮像シーケンス
    を行なうよう制御することを特徴とする核磁気共鳴イメ
    ージング装置。
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