JP3384710B2 - マスター情報担体およびその製造方法 - Google Patents
マスター情報担体およびその製造方法Info
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Description
録媒体に静的に面記録するために用いられるマスター情
報担体とその製造方法に関する。
現するために、磁気記録媒体の記録密度を高めることが
益々求められている。代表的な磁気記録再生装置である
ハードディスクドライブにあっては、面記録密度が1G
bit/in2(1.55Mbit/mm2)を超える装
置がすでに商品化されており、数年後には面記録密度1
0Gbit/in2(15.5Mbit/mm2)の装置
の実用化が予測されるほど、急激な技術進歩が認められ
る。
的背景として、媒体性能、ヘッド・ディスクインターフ
ェース性能の向上、パーシャルレスポンス等の新規な信
号処理方式の出現があり、これらによる線記録密度の向
上が高記録密度化に大きく寄与してきた。しかしながら
近年では、トラック密度の増加傾向が線記録密度の増加
傾向を大きく上回っている。これには、従来の誘導型磁
気ヘッドに比べて再生出力性能がはるかに優れている磁
気抵抗素子型ヘッドの実用化が寄与している。現在、磁
気抵抗素子型ヘッドを用いることにより、わずか数μm
のトラック幅で記録された信号を良好なSN比で再生す
ることができる。ヘッド性能のさらなる向上に伴い、近
い将来にはトラックピッチがサブミクロン領域に達する
ものと予想されている。
査し、良好なSN比で信号を再生するためには、ヘッド
のトラッキングサーボ技術が重要な役割を担う。このよ
うなトラッキングサーボ技術に関しては、例えば、日本
応用磁気学会誌、Vol. 20, No. 3, p. 771 (1996)、山
口、「磁気ディスク装置の高精度サーボ技術」に詳細な
内容が開示されている。この文献によれば、現在のハー
ドディスクドライブでは、ディスクの1周、すなわち3
60度の角度において、一定の角度間隔でトラッキング
用サーボ信号、アドレス情報信号、再生クロック信号等
が記録された領域を設けている。このような情報信号を
予め記録することを、プリフォーマット記録という。磁
気ヘッドは、一定間隔でこれらの信号を再生することに
より、ヘッドの位置を確認し、必要に応じて修正しなが
ら正確にトラック上を走査することができる。
ス情報信号、再生クロック信号等はヘッドが正確にトラ
ック上を走査するための基準信号であるので、その記録
に際して、ヘッド位置決め精度が高いことが要求され
る。例えば、日本応用磁気学会第93回研究会資料、93
-5, p. 35 (1996)、植松他、「メカ・サーボ、HDI技
術の現状と展望」に記載された内容によれば、現在のハ
ードディスクドライブでは、ディスクをドライブに組み
込んだ後、専用のサーボ記録装置を用いて磁気ヘッドを
厳密に位置制御しながらプリフォーマット記録を行って
いる。
号、再生クロック信号等のプリフォーマット記録は、近
年商品化された大容量フレキシブルディスクまたはディ
スクカートリッジが着脱可能なリムーバブルハードディ
スク用媒体についても同様に、専用のサーボ記録装置を
用いて行われている。
磁気ヘッドによるプリフォーマット記録には、以下のよ
うな課題があった。第1に、磁気ヘッドによる記録は基
本的にヘッドと媒体との相対移動による線記録であるた
め、専用のサーボ記録装置を用いて磁気ヘッドを厳密に
位置制御しながら記録を行う上記の方法では、プリフォ
ーマット記録に多くの時間を要する。さらに、専用のサ
ーボ記録装置がかなり高価である。従って、プリフォー
マット記録に要するコストが高くなる。
が向上するほど深刻になる。ディスク径方向のトラック
数が増加することに加えて、以下の理由によってもプリ
フォーマット記録に要する時間が長くなる。つまり、ト
ラック密度が向上するほどヘッドの位置決めに高精度が
要求されるため、ディスクの1周においてトラッキング
用サーボ信号等の情報信号を記録するサーボ領域を設け
る角度間隔を小さくしなければならない。このため高記
録密度の装置ほどディスクにプリフォーマット記録すべ
き信号量が多くなり、多くの時間を要することになる。
あるものの、依然として3.5インチや5インチの大径
ディスクに対する需要も多い。ディスクの記録面積が大
きいほどプリフォーマット記録すべき信号量が多くな
る。このような大径ディスクのコストパフォーマンスに
関しても、プリフォーマット記録に要する時間が大きく
影響している。
の課題は、ヘッド・媒体間のスペーシング、および、記
録ヘッドの先端ポール形状に起因して記録磁界が広がる
ため、プリフォーマット記録されたトラック端部の磁化
遷移が急峻性に欠けるという点である。
と媒体との相対移動による動的線記録であるため、ヘッ
ド・媒体間のインターフェース性能の観点から、一定量
のヘッド・媒体間スペーシングを設けざるを得ない。ま
た、現在の磁気ヘッドは通常、記録と再生を別々に担う
2つのエレメントを有する構造上、記録ギャップの後縁
側ポール幅が記録トラック幅に相当し、前縁側ポール幅
は記録トラック幅の数倍以上に大きくなっている。
部における記録磁界の広がりを生じる要因となり、結果
的にプリフォーマット記録されたトラック端部の磁化遷
移が急峻性に欠ける、あるいはトラック端両側に消去領
域を生じるという結果を生ずる。現在のトラッキングサ
ーボ技術では、ヘッドがトラックを外れて走査した際の
再生出力の変化量に基づいてヘッドの位置検出を行って
いる。従って、サーボ領域間に記録されたデータ信号を
再生する際のようにヘッドがトラック上を正確に走査し
たときのSN比に優れることだけではなく、ヘッドがト
ラックを外れて走査したときの再生出力変化量、すなわ
ちオフトラック特性が急峻であることが要求される。従
って、上述のようにプリフォーマット記録されたトラッ
ク端部の磁化遷移が急峻性に欠けると、今後のサブミク
ロントラック記録における正確なトラッキングサーボ技
術の実現が困難になる。
マット記録における2つの課題を解決する手段に関して
は、既に様々な技術が提案されている。例えば特開昭6
3−183623号公報には、第1の課題に対する解決
策として、磁気転写技術を用いたトラッキングサーボ信
号等の複写技術が開示されている。この磁気転写技術を
用いれば、プリフォーマット記録の際の生産性が改善さ
れることは事実である。しかしながら、この磁気転写技
術は、フレキシブルディスクのように保磁力が比較的低
く、面記録密度が小さい磁気ディスク媒体には有効であ
るが、今日のハードディスク媒体のように数百メガビッ
トからギガビットオーダーの面記録密度を担う分解能を
備えた高保磁力媒体に対して使用することは不可能であ
る。
するために、被転写ディスク保磁力の1.5倍程度の振
幅の交流バイアス磁界を印加する必要がある。マスター
ディスクに記録されたマスター情報は磁化パターンであ
るので、この交流バイアス磁界によってマスター情報が
消磁されないようにするためには、マスターディスクの
保磁力は被転写ディスクの保磁力の3倍程度以上である
ことが要求される。現在の高密度ハードディスク媒体の
保磁力は高面記録密度を担うために120〜200kA
/mもある。さらに将来の10ギガビットオーダーの面
記録密度を担うためには、この値は250〜350kA
/mにも達することが予想される。つまりマスターディ
スクには、現状において360〜600kA/m、将来
的には750〜1050kA/mの保磁力が要求される
ことになる。
力を実現することは、磁性材料の選択の面から困難であ
る。さらに、現在の磁気記録技術では、このような高保
磁力を有するマスターディスクにマスター情報を記録す
ることができない。従って、磁気転写技術においては、
マスターディスクにおいて実現可能な保磁力値を考慮す
ると、必然的に被転写ディスクの保磁力に制約を受ける
ことになる。
報には、トラッキング用サーボ信号、アドレス情報信
号、再生クロック信号等に対応する凹凸形状を有するデ
ィスク媒体用基板をスタンパにより形成し、この基板上
に磁性層を形成するプリエンボストディスク技術が開示
されている。この技術は、前述の2つの課題の両方に対
して有効な解決策となる。しかしながら、ディスク表面
の凹凸形状が記録再生時のヘッドの浮上特性(あるいは
接触記録の場合には媒体とのコンタクト状態)に影響を
及ぼし、その結果、ヘッド・媒体インターフェース性能
に問題を生じることが予想される。また、スタンパで製
造される基板は基本的にプラスチック基板であるため、
媒体性能の確保のために必要な磁性層成膜時の基板加熱
ができず、必要な媒体SN比が確保されないという問題
もある。
る前述の課題に対して、特開昭63−183623号公
報または特開平7−153060号公報に記載された技
術は、媒体SN比、インターフェース性能等の他の重要
な性能を犠牲にすることとなり、真に有効な解決策とは
ならない。
−191889号の明細書に記載されている。この記録
技術では、基体の表面に情報信号に対応する凹凸形状が
形成され、この凹凸形状の少なくとも凸部の表面が強磁
性材料で形成されているマスター情報担体の表面を、磁
気記録媒体の表面に接触させることにより、マスター情
報担体表面の凹凸形状に対応する磁化パターンを磁気記
録媒体に記録する。
磁性材料として好ましくは、高飽和磁束密度を有する軟
質磁性膜、あるいは基体面内保磁力が40kA/m以下
の硬質もしくは半硬質磁性膜を用いる。さらに好ましく
は、マスター情報担体表面を磁気記録媒体表面に接触さ
せる際に、マスター情報担体の凸部表面を形成する強磁
性材料を励磁するための直流磁界、あるいは磁化パター
ンの記録を助成するための交流バイアス磁界を印加す
る。これにより、特開昭63−183623号公報また
は特開平7−153060号公報に開示された技術に関
して先に述べた課題をも解決することができる。
に記載されている記録技術では、一方向に磁化されたマ
スター情報担体表面の凸部の強磁性材料が発生する記録
磁界により、マスター情報担体の凹凸形状に対応した磁
化パターンが磁気記録媒体に記録される。すなわち、マ
スター情報担体表面に、トラッキング用サーボ信号、ア
ドレス情報信号、再生クロック信号等に対応する凹凸形
状を形成することにより、これらの情報信号のプリフォ
ーマット記録を磁気記録媒体に行うことができる。
抗変化に起因して凸部の強磁性材料から生ずる漏れ磁界
により記録が行われる。従って、その記録メカニズム
は、磁気ヘッドの記録ギャップから生ずる漏れ磁界によ
り記録を行う従来の磁気ヘッドを用いる記録と基本的に
は同様である。しかし、従来の磁気ヘッドによる記録が
ヘッドと媒体との相対移動による動的線記録であるのに
対し、上記の構成による記録はマスター情報担体と媒体
との相対移動を伴わない静的な面記録であるということ
ができる。このような特徴により、特願平8−1918
89号の明細書に記載された記録技術は、プリフォーマ
ット記録に関する前述の課題に対して、以下のように有
効な解決策を提供する。
め、プリフォーマット記録に要する時間が従来の磁気ヘ
ッドによる記録に比べて非常に短い。また、磁気ヘッド
を厳密に位置制御しながら記録を行うための高価なサー
ボ記録装置が不要である。従って、プリフォーマット記
録に関する生産性を大幅に向上することができるととも
に、生産コストを低減することができる。
と媒体との相対移動を伴わない静的記録であるため、マ
スター情報担体表面と磁気記録媒体表面とを密着させる
ことにより、記録時の両者間のスペーシングを最小限に
することができる。さらに、磁気ヘッドによる記録のよ
うに、記録ヘッドのポール形状による記録磁界の広がり
を生じることもない。このためプリフォーマット記録さ
れたトラック端部の磁化遷移は、従来の磁気ヘッドによ
る記録に比べて優れた急峻性を有する。その結果、より
正確なトラッキングが可能となる。
に記載された記録技術は、特開昭63−183623号
公報に開示された磁気転写技術や特開平7−15306
0号公報に開示されたプリエンボストディスク技術に関
して述べたような問題を生じることはない。つまり、プ
リフォーマット記録される磁気記録媒体の構成や磁気特
性に制約を受けることはない。
に開示された磁気転写技術において、磁化パターンによ
り記録されたマスター情報を備えるマスターディスク
は、それ自体が磁気記録媒体であるために相応の磁気記
録媒体分解能を必要とする。このため、マスターディス
ク磁性層の磁束密度および膜厚を十分に大きくすること
ができず、発生する転写磁界の大きさが非常に小さいも
のとなってしまう。またマスター情報は磁化パターンに
より記録されているため、ダイビットの突き合わせ磁化
による減磁を生じ、磁化遷移領域における転写磁界勾配
も緩やかである。このような弱い転写磁界によっても十
分な転写効率を確保するために、磁気転写技術において
は、被転写ディスク保磁力の1.5倍程度もの振幅の交
流バイアス磁界を印加する必要がある。結果的に前述の
ように、被転写ディスクの保磁力が制約を受け、記録密
度の比較的低いフレキシブルディスク等にしか使用する
ことができなかった。
の明細書に記載されたマスター情報担体は、マスター情
報を凹凸形状パターンとして有しており、その凹凸形状
による磁気抵抗変化に起因して凸部の強磁性材料から生
ずる漏れ磁界により記録を行う点が磁気ヘッドによる記
録に似ている。磁気転写技術におけるマスターディスク
のように磁気記録媒体としての分解能を必要としないの
で、マスター情報担体の凸部表面を形成する強磁性材料
の磁束密度および体積を従来の磁気ヘッドと同等まで大
きくすることにより、磁気ヘッドと同等の大きな記録磁
界を発生することができる。これにより、通常のフレキ
シブルディスク、ハードディスク、さらには将来のギガ
ビット記録を担う高保磁力媒体に至るまで、あらゆる磁
気記録媒体に対して十分な記録能力を発揮することがで
きる。
示されたプリエンボストディスク技術は、前述のように
プリフォーマット記録されるディスク媒体の基板材料と
形状に制約を受けるため、媒体成膜時の基板温度に関係
する媒体SN比性能およびヘッドの浮上特性(接触記録
の場合は媒体とのコンタクト状態)に関してヘッド・媒
体インターフェース性能を犠牲にしていた。これに対
し、特願平8−191889号の明細書に記載された記
録技術は、上記のようにプリフォーマット記録される磁
気記録媒体の基板材料や表面形状においては何らの制約
も受けない。
8−191889号の明細書に記載された記録技術は、
プリフォーマット記録される磁気記録媒体の構成や磁気
特性を問わずに静的な面記録を行うことができる技術を
提供するものであり、媒体SN比、インターフェース性
能等の他の重要性能を犠牲にすることなく、良好なプリ
フォーマット記録を効率的に行うことができる優れた技
術である。
は、マスター情報担体の表面にフォトリソグラフィ技術
等を用いて、プリフォーマット記録される信号パターン
に対応する凹凸パターンを精度良く形成することが必要
である。この際、ビット長が数μm以下の記録密度の高
い信号に対応する凹凸パターンを形成することが必要で
あるが、マスター情報担体の形成プロセスによっては、
十分に分解能の良い凹凸パターンの形成が困難な場合が
ある。特に、3.5インチまたは5インチの大径ディス
クに記録を行うためのマスター情報担体の場合、通常の
フォトリソグラフィプロセスでは、このような広い面積
の全面にわたって均一な加工精度を実現することは困難
であり、場所によって凹凸パターンの微細な断面形状に
差異を生じてしまう。
い精度と分解能を実現可能な高度のフォトリソグラフィ
技術を用いることにより解決できる可能性もある。しか
しながらこの場合は、仮に上記課題が解決されたとして
も、高価な露光装置、レジスト、現像液等を使用する必
要があるので、マスター情報担体の生産性およびコスト
メリットを損なうことになる。
状の差異は、プリフォーマット記録された信号のSN比
に影響を及ぼす。しかし、この断面形状とSN比との相
関、および、SN比の差異が生ずるメカニズムについて
明かになってはいない。凹凸パターン形状を工夫するこ
とにより、比較的安価なフォトリソグラフィプロセスを
使用した場合でも、微細な断面形状の差異に伴うSN比
の変化を許容範囲内にとどめることができる可能性があ
ると考えられる。
ォーマット記録される信号パターンに対応する凹凸パタ
ーンを最適化したマスター情報担体を提供すると共に、
このようなマスター情報担体を安価に、かつ、効率良く
生産するための凹凸パターン形成プロセスを提供するこ
とを目的とする。
録媒体の表面に密着させ、情報信号を前記磁気記録媒体
に記録するために用いられる。その第1の構成は、基体
の表面にディジタル情報信号に対応する凹凸形状が形成
され、前記凹凸形状の少なくとも凸部に強磁性薄膜が形
成され、前記ディジタル情報信号のビット長さ方向にお
ける前記凸部の断面が、表面側を上底、基体側を下底と
する台形であり、前記台形の上底が下底より短く、上底
と下底との長さの差が高さの2倍以下であることを特徴
とする。凸部をこのような断面形状とすることにより、
磁界勾配が比較的急峻となり、ビット長が数μm程度の
ディジタル情報信号をプリフォーマット記録する場合に
も、微細な断面形状の差異に伴うSN比の変化を許容範
囲内にとどめることができる。
2の構成は、基体の表面にディジタル情報信号に対応す
る凹凸形状が形成され、前記凹凸形状の少なくとも凸部
に強磁性薄膜が形成された情報担体であって、前記ディ
ジタル情報信号のビット長さ方向における前記凸部の断
面が、表面側を上底、基体側を下底とする台形であり、
前記台形の上底が下底より長いことを特徴とする。この
ような構造により、台形の斜辺部分から発生する漏れ磁
界の影響を低減し、上底両端近傍において急峻な磁界勾
配を得ることができる。その結果、再生信号の十分なS
N比を得ることができる。
体を製造するのに適した本発明による方法は、基体表面
にディジタル情報信号に対応する凹凸形状をフォトレジ
スト膜により形成する工程と、前記凹凸形状を形成した
基体上に強磁性薄膜を形成する工程と、前記強磁性薄膜
表面をエッチングする工程と、前記フォトレジスト膜お
よびフォトレジスト膜上に形成された強磁性薄膜をリフ
トオフ法により取り除く工程とを備えている。
造するのに適した別の製造方法は、基体表面に導電性薄
膜を形成する工程と、前記導電性薄膜上にディジタル情
報信号に対応する凹凸形状をフォトレジスト膜により形
成する工程と、前記凹凸形状を形成した前記導電性薄膜
上に電解めっき法により強磁性薄膜を形成する工程と、
前記フォトレジスト膜を取り除く工程とを備えている。
造するのに適したさらに別の製造方法は、導電性基体の
表面にディジタル情報信号に対応する凹凸形状をフォト
レジスト膜により形成する工程と、前記凹凸形状を形成
した導電性基体表面上に電解めっき法により強磁性薄膜
を形成する工程と、前記フォトレジスト膜を取り除く工
程とを備えている。
基づいて詳細に説明する。まず、本発明によるマスター
情報担体の表面を拡大した記録情報の一例を図5に示
す。これは、ディスク状磁気記録媒体の周方向(すなわ
ちトラック長さ方向)に一定角度毎に設けられるプリフ
ォーマット領域に記録されるマスター情報パターンを、
ディスク媒体の径方向(すなわちトラック幅方向)に1
0トラック分だけ示したものである。参考のため、マス
ター情報パターンがディスク媒体に記録された後、ディ
スク媒体上のデータ領域となるトラック部分を破線によ
り示した。実際のマスター情報担体の表面には、マスタ
ー情報が記録される磁気ディスク媒体の記録領域に対応
するように、ディスク媒体の周方向に一定角度毎に、か
つ、径方向には全記録トラック分、図5に示すようなマ
スター情報パターンが形成されている。
されるように、クロック信号、トラッキング用サーボ信
号、アドレス情報信号等を含み、これらの各領域がトラ
ック長さ方向に順番に並べられている。本発明のマスタ
ー情報担体には、このマスター情報パターンに対応する
表面凹凸形状が形成されている。例えば図5において、
ハッチングを施した部分が凸部となっており、その表面
が強磁性材料により形成されている。
微細な凹凸形状パターンは、例えば光ディスク成形用マ
スタースタンパの形成プロセス、半導体プロセス等にお
いて用いられる様々な微細加工技術を用いて形成するこ
とができる。マスター情報担体のトラック長さ方向の断
面の例として、図5の一点鎖線AA’に沿う断面を図6
に示す。
まず強磁性薄膜2を堆積し、その表面に塗布したレジス
ト膜を露光、現像してディジタル情報信号に対応する凹
凸形状をパターニングした後、イオンミリング等のドラ
イエッチング技術によって強磁性薄膜2に微細な凹凸形
状パターンを形成した。この例では、凹部のエッチング
深さが基体1内まで達するようにして、凸部表面にのみ
強磁性薄膜2が残留するようにしたが、エッチング深さ
を強磁性薄膜2の膜厚より小さくして、凸部および凹部
の両方に強磁性薄膜2が残留するようにしてもよい。
体を用いて磁気ディスク等の磁気記録媒体にプリフォー
マット記録を行うには、マスター情報担体の凸部表面と
磁気記録媒体の表面とを密着させた後、例えば面内磁気
記録媒体の場合は、ディスクの円周方向に沿って直流励
磁磁界を印加してマスター情報担体凸部の強磁性薄膜2
を磁化し、凹凸形状パターンに応じたディジタル情報信
号を磁気記録媒体に記録する。この際、好ましくは、予
め磁気ディスク媒体を円周方向に沿って一様に直流消磁
しておくことにより、飽和記録に近い十分な磁気記録を
行い易くなる。なお、直流消磁のための磁化の向きは、
通常は、プリフォーマット時にマスター情報担体の凸部
の強磁性薄膜2を磁化する向きとは逆の向きにする。
面形状を簡略化して矩形に描いているが、通常のフォト
リソグラフィプロセスを用いて作成した実際のマスター
情報担体では、このような矩形断面を広面積において均
一に形成することは困難である。すなわち、一般に、凸
部の断面形状は正確には矩形にならず、上底長さと下底
長さとが異なる台形に近い形状となる。しかも、上底両
端の肩部は角がとれて曲線形状になる。
ジスト膜の露光および現像プロセスにおける分解能がデ
ィジタル情報信号のビット長に比して十分でないことに
起因する。つまり、レジスト膜をパターニングして得ら
れるレジストの凸部断面形状がすでに台形状になる。こ
のようなレジストのパターニング後の形状を受け継い
で、この後にイオンミリング等のドライエッチング技術
によって形成される強磁性薄膜2の凹凸形状パターンの
凸部断面形状も同様の台形状断面となる。
おける均一性に欠け、同一の凹凸パターンを形成した場
合に、場所によって上述のような微細な断面形状に差異
が認められることも多い。このような凹凸パターンの微
細な断面形状の差異が、プリフォーマット記録された信
号のSN比に影響を及ぼすことは好ましくはない。
くい、好ましい凹凸パターンの断面形状について鋭意研
究した。その結果、マスター情報担体の凸部断面形状を
以下に述べる第1または第2の実施形態のようにするこ
とにより、微細な断面形状の差異に伴うSN比の変化を
許容範囲内にとどめ得ることがわかった。
形状を示す。この実施形態では、ディジタル情報信号の
ビット長さ方向における凸部の断面形状は、表面側が上
底、基体1に接する側が下底の台形である。上底長さa
は下底長さbより小さく、両者の差(b−a)が台形の
高さhの2倍以下である。凸部をこのような断面形状す
ることにより、ビット長が数μm程度のディジタル情報
信号をプリフォーマット記録する場合にも、微細な断面
形状の差異に伴うSN比の変化を許容範囲内にとどめる
ことができる。
部の強磁性薄膜2がプリフォーマット記録を行うために
発生する記録磁界の大きさはもちろんのこと、凸部と凹
部との境界部、すなわち凸部表面側の上底両端近傍の磁
界勾配の大きさにも影響される。台形状断面を有する凸
部の上底長さaと下底長さbとの差が台形高さhの2倍
以下の範囲においては、磁界勾配が比較的急峻であるた
め、再生信号のSN比は必要十分な値が得られ、かつ、
この範囲においては微細な断面形状の差異に伴うSN比
の変化も小さいことが研究の結果分かった。。
aと下底長さbとの差が台形高さhの2倍より大きい範
囲では、上底および下底を除く傾斜部より発生する漏れ
磁界のために、上底両端近傍の磁界勾配が急激に低下す
る。すなわち、この範囲においては、断面形状の差異に
伴う再生信号SNの変化が許容範囲を越えて大きくな
り、広面積にわたって均一かつ十分な再生信号のSN比
を得ることが困難となる。
下のディジタル情報信号を記録する場合は、上底の両端
における肩部の形状に伴う磁界勾配の変化が再生信号の
SN比に影響を及ぼすことがある。このような場合、上
底の両端における肩部の曲率半径r,r’を上底長さの
2分の1以下とすることが好ましい。これにより、ビッ
ト長が1μm以下のディジタル情報信号を記録する場合
にも断面形状の差異に伴うSN比の変化を許容範囲内に
とどめることができる。
ば、凸部断面が台形状になることが許容されるので、特
に高度のフォトリソグラフィプロセスを用いる必要がな
く、広く使用されている通常のフォトリソグラフィプロ
セスを用いて凹凸形状を作製できる。したがって、本発
明の第1実施形態によるマスター情報担体は、生産性に
優れ、かつ、安価に生産できる。
リフォーマット記録を行う場合、強磁性薄膜2の膜厚も
再生信号のSN比に影響を及ぼす。強磁性薄膜2の膜厚
が薄すぎる場合には、十分な大きさの記録磁界を発生で
きず、しかも凸部と凹部との境界部における磁界勾配が
小さくなるため、十分な記録が行われ難くなる。
ト記録を行う場合、強磁性薄膜2の膜厚が大きすぎる
と、凸部の形状に伴う反磁界のために、やはり十分な大
きさの記録磁界を発生できなくなる。例えば、面内磁気
ディスク媒体にプリフォーマット記録を行う場合、ディ
スク面内において円周方向に直流励磁磁界を印加してマ
スター情報担体凸部の強磁性薄膜2を磁化し、凹凸形状
パターンに応じたディジタル情報信号を記録する。しか
しながら、信号のビット長に対応する凸部の上底長さa
が、強磁性薄膜2の膜厚に比して十分に大きくない場合
には、強磁性薄膜2の磁化とは逆極性の反磁界が大きく
なり、凸部の発生する記録磁界を低下させてしまう。
の膜厚が凸部の上底長さaの2分の1より大きい場合に
はSN比の低下を引き起こすが、強磁性薄膜2の膜厚が
凸部上底の長さaの2分の1より小さければ、SN比の
低下は無視できる程小さいことが分かった。従って、特
に面内記録媒体にプリフォーマット記録する場合に使用
されるマスター情報担体においては、凸部の断面におけ
る上底長さaの2分の1以下の範囲で、十分な記録磁界
を発生可能な強磁性薄膜2の膜厚を確保することが好ま
しい。
ト記録する場合には、強磁性膜膜2の膜厚方向に直流励
磁磁界を印加してこれを磁化し、凹凸形状パターンに応
じたディジタル情報信号を記録する。この場合には、面
内記録媒体に信号記録する場合とは逆に、強磁性薄膜2
の膜厚が小さいほど、反磁界に起因する記録磁界の低下
が顕著となる。従って、垂直磁気記録媒体にプリフォー
マット記録する場合に使用されるマスター情報担体にお
いては、強磁性薄膜2の膜厚を凸部の断面における上底
長さaに比して十分に大きく、好ましくは上底長さaの
2倍以上とすることが必要である。
す。この実施形態では、ディジタル情報信号のビット長
さ方向における凸部の断面形状は、表面側を上底、基体
1に接する側を下底とする台形であり、上底長さaが下
底長さbより大きい。このように、凸部の断面をいわば
倒立の台形状とすることにより、ビット長が1μm以下
のディジタル情報信号をプリフォーマット記録する場合
にも、十分な再生信号のSN比が得られ、かつ微細な断
面形状の差異に伴うSN比の変化を許容量以下にとどめ
ることができる。
ター情報担体の凸部の強磁性薄膜2がプリフォーマット
記録を行うために発生する記録磁界の大きさ、および、
凸部と凹部との境界部すなわち凸部表面側の上底両端近
傍の磁界勾配の大きさに影響される。本実施形態では、
凸部断面形状である台形の上底長さaを下底長さbより
大きくすることにより、上底とその両側の斜辺とのなす
角を鋭角としている。このような構造により、斜辺部分
から発生する漏れ磁界の影響を低減し、上底両端近傍に
おいて急峻な磁界勾配を得ることができ、その結果、再
生信号の十分なSN比を得ることができる。
る台形の上底長さaと下底長さbとの差、および、上底
の両端における肩部の曲線形状の変化に伴う磁界勾配変
化が構造上小さくなる。微細な断面形状変化に伴う再生
信号のSN比の変化量についても、許容量以下の小さい
値とすることができる。したがって、第1の実施形態と
同様に、広面積にわたって均一かつ十分な再生信号SN
比を得ることが可能となる。
厚が再生信号SN比に影響を及ぼすが、強磁性薄膜2の
膜厚に関する設計指針は第1の実施形態で述べたのと同
様である。すなわち、面内磁気記録媒体にプリフォーマ
ット記録するためのマスター情報担体では強磁性薄膜2
の膜厚を凸部上底長さaの2分の1以下とし、一方、垂
直磁気記録媒体にプリフォーマット記録するためのマス
ター情報担体では強磁性薄膜2の膜厚を凸部上底長さa
の2倍以上とすることが好ましい。
えば、リフトオフプロセス等を用いたフォトリソグラフ
ィ技術により製造することができる。以下に、上記のマ
スター情報担体の製造に適した製造プロセスの例を図3
(a)〜(d)を用いて説明する。
表面にディジタル情報信号に対応する凹凸形状をフォト
レジスト膜3により形成する。この際、ディジタル情報
信号のビット長さ方向における、フォトレジスト膜3に
より形成される凸部の断面形状が、図3(a)に示すよ
うに、表面側を上底、基体1に接する側を下底とする台
形であり、下底長さが上底長さより大きくなるようにす
る。
スト膜3によって形成された凸部を含む基体1上に強磁
性薄膜2を形成する。強磁性薄膜2の形成には、真空蒸
着法、スパッタ法、めっき法等、一般的に使用されてい
る様々な薄膜形成方法を用いることができる。
ング等によって強磁性薄膜2の表面に若干のエッチング
を施した後、フォトレジスト膜3およびその上に形成さ
れた強磁性薄膜2をリフトオフによって取り除く。この
結果、図3(d)に示すように、表面側の上底が基体に
接する側の下底より長い台形断面を有する強磁性薄膜の
凸部が基体1上に形成されたマスター情報担体が完成す
る。なお、リフトオフプロセスは、リムーバと呼ばれる
特定の溶液によってフォトレジスト膜3を溶かすことに
より、フォトレジスト膜3およびフォトレジスト膜3上
に形成された強磁性薄膜2を除去するものである。
チング工程は、フォトレジスト膜により形成される凸部
の断面形状において、上底および下底を除く斜辺上に堆
積した強磁性薄膜2を取り除き、この後のリフトオフプ
ロセスを容易ならしめることを目的とする。強磁性薄膜
2の膜厚が小さい場合は、このエッチング工程を省略し
てリフトオフすることが可能である。しかしながらこの
場合は、リフトオフ後の強磁性薄膜2のパターニング精
度が低下し易い上、部分的に強磁性薄膜屑やレジスト膜
3が残留する恐れがある。したがって、図3(c)に示
したエッチング工程を確実に行う方が好ましい。
強磁性薄膜のエッチングを行う例を示したが、この工程
には、スパッタエッチングもしくはイオンミリング等の
真空ドライプロセスの他、化学エッチングによるウェッ
トプロセスを用いることもできる。
レジスト膜3により形成される凸部の断面形状におい
て、上底および下底を除く斜辺上に堆積した強磁性薄膜
2を取り除くことを目的としているので、スパッタエッ
チングもしくはイオンミリング等の真空ドライプロセス
を用いる場合には、イオンを基体1表面に対して斜めに
入射させることが好ましい。具体的には、イオンの基体
1表面への入射角を、基体面の法線に対して、20度以
上とすることにより、上記斜辺上に堆積した強磁性薄膜
2を効果的に除去できることが分かっている。
報担体の製造プロセスの別の例を図4に示す。まず、図
4(a)に示すように、基体1表面に導電性薄膜5を形
成した後、図4(b)に示すように、導電性薄膜5上に
ディジタル情報信号に対応する凹凸形状をフォトレジス
ト膜3により形成する。この際、ディジタル情報信号の
ビット長さ方向における、フォトレジスト膜3により形
成される凸部の断面形状が、図4(b)に示すように、
表面側を上底、基体に接する側を下底とする台形であ
り、下底長さが上底長さより大きくなるようにする。
レジスト膜3による凸部を含む導電性薄膜5上に、電解
めっき法により強磁性薄膜2を形成する。最後に、フォ
トレジスト膜3を除去することにより、図4(d)に示
すように、表面側の上底が基体に接する側の下底より長
い台形断面を有する強磁性薄膜の凸部が導電性薄膜5上
に形成されたマスター情報担体が完成する。フォトレジ
スト膜3の除去は、図3(d)に示したリフトオフプロ
セスと同様に、リムーバと呼ばれる特定の溶液によって
フォトレジスト膜を溶かすことにより行われる。
製法では、強磁性薄膜2の形成が電解めっき法により行
われるので、フォトレジスト膜3による凸部の表面に
は、強磁性薄膜が堆積しない。従って、図3に示した製
法に比べてフォトレジスト膜3の除去が容易であると共
に、強磁性薄膜2のエッチングプロセスを必要としな
い。導電性薄膜5を形成するプロセスが図4に示した製
法では必要であるが、基体1として導電性基体を用いる
ことにより、導電性薄膜5を形成するプロセスが必要で
なくなる。
報担体を実現するに際し、導電性薄膜5の材料や膜厚に
特に大きな制限はないが、表面粗度が小さい薄膜を得る
ことが好ましい。導電性薄膜5の表面粗度が大きい場合
は、この上に堆積される強磁性薄膜2の表面粗度も大き
くなるので、プリフォーマット記録時の記録磁界分布に
影響を及ぼす可能性がある。従って、電解めっきが可能
な導電性が得られる限りにおいて、表面粗度が小さい連
続薄膜材料を用い、できる限り膜厚を薄くすることが好
ましい。
長領域において導電性薄膜表面の光の反射率が大きい
と、反射光による影響のために露光時の分解能を低下さ
せてしまう場合がある。従って、導電性薄膜材料とし
て、表面の光反射率が、フォトレジスト膜を露光する光
源波長領域において比較的小さいもの、好ましくは50
%以下であるものを用いることが好ましい。
としての機能を併せ持たせることにより、レジスト膜に
よるパターニングを基体1上に直接行う場合に比べて、
分解能を向上することができる。このような反射防止膜
としての機能を併せ持つ導電性薄膜に適した材料とし
て、例えば導電性のカーボン膜、またはカーボンを主成
分として若干の不純物を含有する膜がある。
の基準として、導電性薄膜の上に堆積される強磁性薄膜
材料との相性を考慮することが望ましい。導電性薄膜材
料によっては、電解めっき法によって導電性薄膜の上に
堆積される強磁性薄膜2の膜堆積速度、構造または磁気
特性に差異を生じることがある。従って、用いられる強
磁性薄膜材料を考慮して、最適な導電性材料を選択する
ことが望ましい。
合も、その基体材料の選択に関する指針は、上記の導電
性薄膜材料の選択の場合と同様である。以上に述べたよ
うに、本発明の第2の実施形態のマスター情報担体の製
造に適した製造プロセスでは、フォトレジスト膜3によ
る凸部断面が台形形状となることが許容されるので、特
に高度なフォトリソグラフィプロセスを用いる必要がな
く、広く使用されている通常のフォトリソグラフィプロ
セスを用いることができる。このため、本発明の第1の
実施形態のマスター情報担体と同様に、生産性に優れ、
安価に生産することができる。
が、本発明はこれらの実施形態に限らず、種々の応用が
可能である。例えば、ハードディスクドライブに搭載さ
れる磁気ディスク媒体にに限らず、フレキシブル磁気デ
ィスク、磁気カードまたは磁気テープ等の磁気記録媒体
に本発明を適用することも可能であり、上記の実施形態
と同様の効果を得ることができる。
は、トラッキング用サーボ信号、アドレス情報信号、再
生クロック信号等のプリフォーマット信号に限らず、他
の種類の情報信号であってもよい。例えば、様々なデー
タ信号、オーディオ、ビデオ信号等の記録に本発明を適
用することも可能である。この場合、本発明のマスター
情報担体とこれを用いた磁気記録媒体への記録技術によ
って、ソフトディスク媒体の大量複写生産を行うことが
でき、製品を安価に提供することが可能となる。その他
にも、本発明の種々の実施形態および変形例が、特許請
求の範囲に記載した本発明の範囲内において実施できる
であろう。
定ハードディスク媒体、リムーバブルハードディスク媒
体、大容量フレキシブル媒体等のディスク状媒体に、短
時間に生産性良く、かつ広面積に渡って精度良く、トラ
ッキング用サーボ信号、アドレス情報信号、再生クロッ
ク信号等のプリフォーマット記録を行うためのマスター
情報担体を提供することができる。また、このマスター
情報担体を、生産性良く、安価に製造するプロセスが提
供される。
の凸部のビット長さ方向における断面を示す図
の凸部のビット長さ方向における断面を示す図
の製造プロセスの一例を示す断面図
の製造プロセスの他の例を示す断面図
た記録情報の一例を示す図
Claims (13)
- 【請求項1】 磁気記録媒体の表面に密着させ、情報信
号を前記磁気記録媒体に記録するためのマスター情報担
体であって、 基体の表面にディジタル情報信号に対応する凹凸形状が
形成され、前記凹凸形状の少なくとも凸部に強磁性薄膜
が形成され、 前記ディジタル情報信号のビット長さ方向における前記
凸部の断面が、表面側を上底、基体側を下底とする台形
であり、 前記台形の上底が下底より長いことを特徴とするマスタ
ー情報担体。 - 【請求項2】 前記凹凸形状の凸部における強磁性薄膜
の膜厚が、上底長さの2分の1以下であることを特徴と
する面内磁気記録媒体に信号記録を行うための請求項1
記載のマスター情報担体。 - 【請求項3】 前記凹凸形状の凸部における強磁性薄膜
の膜厚が、上底長さの2倍以上であることを特徴とする
垂直磁気記録媒体に信号記録を行うための請求項1記載
のマスター情報担体。 - 【請求項4】 磁気記録媒体の表面に密着させて、ディ
ジタル情報信号を前記磁気記録媒体に記録するためのマ
スター情報担体を製造する方法であって、 基体表面に前記ディジタル情報信号に対応する凹凸形状
をフォトレジスト膜により形成する工程と、 前記凹凸形状を形成した基体上に強磁性薄膜を形成する
工程と、 前記強磁性薄膜表面をエッチングする工程と、 前記フォトレジスト膜およびフォトレジスト膜上に形成
された強磁性薄膜をリフトオフ法により取り除く工程と
を備え、 前記ディジタル情報信号のビット長さ方向における、前
記フォトレジスト膜により形成される凸部の断面形状
を、表面側が上底、基体側が下底の台形とし、前記台形
の下底長さを上底長さより大きくすることを特徴とする
マスター情報担体の製造方法。 - 【請求項5】 前記強磁性薄膜表面をエッチングする工
程が、スパッタエッチングまたはイオンミリング等の真
空ドライプロセスを用いて行われることを特徴とする請
求項4記載のマスター情報担体の製造方法。 - 【請求項6】 前記スパッタエッチングまたはイオンミ
リングにおいて、イオンの基体表面への入射角を、基体
面の法線に対して、20度以上とすることを特徴とする
請求項5記載のマスター情報担体の製造方法。 - 【請求項7】 前記強磁性薄膜表面をエッチングする工
程が、化学エッチングを用いて行われることを特徴とす
る請求項4記載のマスター情報担体の製造方法。 - 【請求項8】 磁気記録媒体の表面に密着させて、ディ
ジタル情報信号を前記磁気記録媒体に記録するためのマ
スター情報担体を製造する方法であって、 基体表面に導電性薄膜を形成する工程と、 前記導電性薄膜上に前記ディジタル情報信号に対応する
凹凸形状をフォトレジスト膜により形成する工程と、 前記凹凸形状を形成した前記導電性薄膜上に電解めっき
法により強磁性薄膜を形成する工程と、 前記フォトレジスト膜を取り除く工程とを備え、 前記ディジタル情報信号のビット長さ方向における、前
記フォトレジスト膜により形成される凸部の断面形状
を、表面側が上底、基体側が下底の台形とし、前記台形
の下底長さを上底長さより大きくする ことを特徴とする
マスター情報担体の製造方法。 - 【請求項9】 磁気記録媒体の表面に密着させて、ディ
ジタル情報信号を前記磁気記録媒体に記録するためのマ
スター情報担体を製造する方法であって、 導電性基体の表面に前記ディジタル情報信号に対応する
凹凸形状をフォトレジスト膜により形成する工程と、 前記凹凸形状を形成した導電性基体表面上に電解めっき
法により強磁性薄膜を形成する工程と、 前記フォトレジスト膜を取り除く工程とを備え、 前記ディジタル情報信号のビット長さ方向における、前
記フォトレジスト膜により形成される凸部の断面形状
を、表面側が上底、基体側が下底の台形とし、前記台形
の下底長さを上底長さより大きくする ことを特徴とする
マスター情報担体の製造方法。 - 【請求項10】 前記導電性薄膜表面の光反射率が、
フォトレジスト膜を露光する光源波長領域において、5
0%以下であることを特徴とする請求項8記載のマスタ
ー情報担体の製造方法。 - 【請求項11】 前記導電性基体の表面の光反射率
が、フォトレジスト膜を露光する光源波長領域におい
て、50%以下であることを特徴とする請求項9記載の
マスター情報担体の製造方法。 - 【請求項12】 前記導電性薄膜がカーボンを主成分
とすることを特徴とする請求項10記載のマスター情報
担体の製造方法。 - 【請求項13】 前記導電性基体がカーボンを主成分
とすることを特徴とする請求項11記載のマスター情報
担体の製造方法。
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CNB021403031A CN1224007C (zh) | 1996-07-22 | 1997-07-18 | 主信息载体 |
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