JP3384461B2 - ファジィ制御によるブレンダ計量機 - Google Patents
ファジィ制御によるブレンダ計量機Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、ファジィ制御に
より二種類のガソリンを混合し、希望の比率に応じた油
液の給油を行うファジィ制御によるブレンダ計量機に関
するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来、ブレンダ計量機は、ユーザーの多
様化に伴い、オクタン価の異なる二種類のガソリンを混
合し、希望に応じたオクタン価の油液の給油を可能とす
る計量給油装置である。例えば、レギュラーガソリンと
ハイオクガソリンを給油装置内で混合し、車両に給油す
るブレンダ型計量給油機は、各々の油種配管系にリニア
制御可能なブレンダバルブを設けて希望した混合比率に
応じて各バルブを制御している。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のブレン
ダ計量機では、混合する流体が正確に混合されているか
否かを判定する混合精度は、流速が低速流となると誤差
が大きくなり、精度が保たれなくなるという特性を有し
ている。現状では、流速とは無関係にバルブの制御量を
チャート化し、誤差を小さくするように制御している
が、必ずしも十分に精度を保つことができなかった。 【０００４】そこで本発明は、低速流においても誤差を
最小限とし混合精度を向上できるファジィ制御によるブ
レンダ計量機を提供することを目的とする。 【０００５】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のファジィ制御によるブレンダ計量機は、異
なる種類の油液を備蓄したタンクのそれぞれからポン
プ、流量センサを設けたメータを通ってバルブで流量を
制御する２系統の給油機構を有し、前記それぞれの流量
センサで計測した計量データに基づいて電子制御部がそ
れぞれのバルブを制御して混合した油液の給油を行うブ
レンダ計量機において、前記電子制御部は、前記流量セ
ンサで計測される流速、混合精度誤差、混合精度誤差の
変化分に関する各データをファジィ集合知識部に記憶し
た知識に基づいて曖昧量データ集合に変換するファジィ
変換部と、このファジィ変換部で変換した曖昧量データ
集合を入力として、演算知識部に記憶した推論ルールに
基づいて前記ブレンダバルブの制御量を曖昧量データ集
合で出力するファジィ推論部と、このファジィ推論部か
ら出力される制御量の曖昧量データ集合を制御量変換知
識部に記憶された知識に基づいて具体的制御量に変換す
る制御量変換部とを備えたものである。 【０００６】 【作用】本発明では、ブレンダ計量機を運転中の流速を
極めて低速から高速までファジィ集合で定義し、混合精
度の誤差と誤差の変化分を正または負の大小でファジィ
表現し、ブレンダバルブを制御するための入力条件とし
て、各々のブレンダバルブの制御量をファジィ推論し制
御することで、低速流においても誤差を最小限とし混合
精度が向上する。 【０００７】 【実施例】以下、本発明を図示の一実施例により具体的
に説明する。図２は本発明実施例のファジィ制御による
ブレンダ計量機の機器構成を説明する図である。 【０００８】同図において、本実施例のブレンダ計量機
は、異なる種類の油液を給油する２系統の第１及び第２
給油機構１０及び２０を備えており、第１タンク１１に
備蓄された所定種類の油液は、第１ポンプ１２、第１メ
ータ１３を通って第１バルブ１４で流量が制御され、ま
た、第２タンク２１に備蓄された他の種類の油液は、第
２ポンプ２２、第２メータ２３を通って第２バルブ２４
で流量が制御され、その後それぞれの油液が一つに混合
されて給油ノズル３１から給油される。この給油は、給
油ノズル３１をノズル掛けから外し、システムの始動ス
イッチが入り、第１ポンプ１２及び第２ポンプ２２が駆
動されることで始動する。第１流量センサ１５及び第２
流量センサ２５でそれぞれ検出された流量の計測信号
は、電子制御部３０で積算され、表示器等に表示され
る。また、この電子制御部３０は、ユーザーが希望する
混合比（オクタン価）をボタンスイッチ等で設定するデ
ータ入力部を有しており、この入力された混合比をもと
に第１バルブ１４及び第２バルブ２４へ制御信号を出力
し、それぞれに設けられたアクチュエータ操作量を変化
させることで流路を制御し流量を制御する。 【０００９】図１は本発明実施例の電子制御部の構成を
説明するブロック図である。 【００１０】同図において、電子制御部３０は、入力さ
れる各データをファジィ制御に適したデータに変換する
ファジィ変換部４１、このファジィ変換部４１のデータ
変換に必要な知識を記憶しているファジィ集合知識部４
２、ファジィ変換部４１から出力されるデータに基づい
て制御量を演算するファジィ推論部４３、このファジィ
推論部４３で制御量を演算するために必要なルールを記
憶している演算知識部４４、ファジィ推論部４３で演算
した制御量を具体的操作量に変換する制御量変換部４
５、この制御量変換部４５で具体的操作量に変換するた
めに必要な知識を記憶した制御量変換知識部４６、それ
ぞれ変換された操作量が与えられる第１アクチュエータ
４７及び第２アクチュエータ４８、これらアクチュエー
タ４７及び４８が制御されたときの流量データの差の混
合精度からその微分値を演算する混合精度変化計算部４
９からなり、この混合精度変化計算部４９の演算出力が
ファジィ変換部４１のデータとして再入力される。 【００１１】上記ファジィ変換部４１に入力されるデー
タは、それぞれ第１及び第２流量センサ１５，２５から
得られるパルス周波数で示される流速データＱ（Ｈ
ｚ）、流量センサ１５，２５から得られる流速データか
ら計算した混合精度の誤差（精度）データＳ（％）、サ
ンプリング毎の混合精度の誤差変化分ｄＳ（％）という
具体的なデジタル数値である。ファジィ変換部４１は、
これらのデータをファジィ集合知識部４２に記録された
知識をもとに曖昧量に変換する。 【００１２】上記ファジィ集合知識部４２は、データを
曖昧量に変換する集合であり、メンバシップ関数という
関数表現で集合境界を表したものである。図３は本発明
実施例のファジィ集合知識例のメンバシップ関数を説明
する図である。 【００１３】同図において、入力前件部となる流量Ｑ、
混合精度誤差Ｓ、混合精度誤差の変化分ｄＳ、及び出力
後件部となる第１バルブ１４のアクチュエータ操作量Δ
Ｐ１（パルス）、第２バルブ２４のアクチュエータ操作
量ΔＰ２（パルス）に関するファジィ集合知識の一例を
示している。すなわち、流量Ｑでは０〜３３（Ｈｚ）の
間を、非常に遅い（ＮＢ）、少し遅い（ＮＳ）、普通
（ＺＲ）、少し速い（ＰＳ）、非常に速い（ＰＢ）と
し、三角形で囲まれた領域がそれぞれのファジィ集合と
なる。同様に、混合精度誤差Ｓでは誤差が負に大きい
（ＮＢ）から正に大きい（ＰＢ）までを−５〜＋５
（％）の範囲で定義し、混合精度の誤差の変化分ｄＳで
は変化分が負に大きい（ＮＢ）から正に大きい（ＰＢ）
までを−１．５〜＋１．５（％）の範囲で定義し、第１
及び第２アクチュエータ操作量ΔＰ１及びΔＰ２では操
作量が負に大きい（ＮＢ）から正に大きい（ＰＢ）まで
を−６〜＋６（パルス）の範囲で定義し、三角形で囲ま
れた領域がそれぞれのファジィ集合となる。これらのフ
ァジィ集合に、それぞれの値を入力し、斜線との交点か
らそれぞれの値がファジィ集合に対してどの程度適合し
ているかを、０から１の数値に表現される。例えば、Ｑ
は、非常に遅いという曖昧集合（ＮＢ）に０．７の適合
度を持ち、同時に少し遅いという曖昧集合（ＮＳ）に
０．４の適合度を持つ。これにより曖昧量による表現が
可能になる。 【００１４】上記ファジィ推論部４３は、ファジィ変換
部４１で変換した流量Ｑ、混合精度誤差Ｓ、混合精度誤
差の変化分ｄＳの曖昧データを入力として、演算知識部
４４に格納されている制御量を推論するためのルールを
用いて制御量を推論する部分である。この演算知識部４
４に格納されているルールは、例えば、以下の通りであ
る。 【００１５】例（１）「 if Q is NS and S is NS and dS is NS then ΔP1 is
ZR and ΔP2 is PB」 【００１６】例（２）「 if Q is PB and S is NS and dS is NS then ΔP1 is
ZR and ΔP2 is PS」 【００１７】これらのルールの言語的表現は、例（１）
の場合は、「もし流速Ｑが少し遅く、混合制度誤差Ｓが
少しマイナスになっており、混合精度誤差の変化分ｄＳ
が少しマイナスに変化しているときには、第１バルブの
アクチュエータパルスは変化せず、第２バルブのアクチ
ュエータパルスは大きく開く方向に加算する。」、また
例（２）の場合は、「もし流速Ｑがかなり速く、混合制
度誤差Ｓが少しマイナスになっており、混合精度誤差の
変化分ｄＳが少しマイナスに変化しているときには、第
１バルブのアクチュエータパルスは変化せず、第２バル
ブのアクチュエータパルスは少し開く方向に加算す
る。」となる。 【００１８】そして、ファジィ推論部４３は、流量Ｑ、
混合精度誤差Ｓ、混合精度誤差の変化分ｄＳが曖昧集合
で入力されるため、適合されるすべてのルールの最大値
を採択し、制御出力の曖昧量を集合として出力する。 【００１９】図４は本発明実施例の入力される曖昧集合
データと制御出力の曖昧集合データを説明する図であ
り、流量Ｑ、混合精度誤差Ｓ、混合精度誤差の変化分ｄ
Ｓが曖昧集合から第１バルブ及び第２バルブの操作量が
曖昧集合として出力される。 【００２０】上記制御量変換部４５は、ファジィ推論部
４３で出力された曖昧量データを、実際の制御量に変換
する部分である。この曖昧量データは、全てファジィ集
合として出力されていると考え、適応したルールの全て
について、集合の合成演算を実施する。この合成演算結
果は、制御操作量のファジィ集合となる。このファジィ
集合の面積の重心を具体的な出力操作量とする。すなわ
ち、図５に示すように、第１バルブ及び第２バルブの操
作量のファジィ集合の面積の重心（同図において矢印で
示す位置）を求めることで、具体的操作量が得られる。
例えば、何度バルブを開ける（または閉じる）、あるい
は何パルス分バルブを操作する等のような具体的操作量
になる。 【００２１】上記混合精度変化計算部４９は、第１及び
第２アクチュエータで制御された流量データから得られ
る混合精度から、その変化分が計算され、再び混合精度
誤差の変化分ｄＳとしてファジィ変換部４１に入力され
る。 【００２２】上記構成によれば、ブレンダ計量機の運転
中に流量センサ１５，２５で計測される流速をファジィ
集合知識部４２の知識にもとづいてファジィ変換部４１
で極めて低速から高速までをファジィ集合で定義すると
ともに、混合精度誤差とその誤差の変化分を正または負
の大小でファジィ集合で表現し、演算知識部４４のルー
ルに基づいてファジィ推論部４３で制御入力条件とし
て、第１及び第２バルブ１４，２４の制御量をファジィ
推論し、この推論結果を制御量変換知識部４６の知識に
基づいて制御量変換部４５で具体的操作量に変換してい
る。従って、状態流速を監視してバルブ制御量を決定す
ることにより、低流速時の精度の安定性が確保され、ま
た誤差の変化分を監視することにより、より短時間に安
定な混合精度に近付けることができる。 【００２３】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ブ
レンダ計量機を運転中の流速を極めて低速から高速まで
ファジィ集合で定義し、混合精度の誤差と誤差の変化分
を正または負の大小でファジィ表現し、ブレンダバルブ
を制御するための入力条件として、各々のブレンダバル
ブの制御量をファジィ推論し制御しているため、低速流
においても誤差を最小限とし混合精度を向上できる効果
がある。
より二種類のガソリンを混合し、希望の比率に応じた油
液の給油を行うファジィ制御によるブレンダ計量機に関
するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来、ブレンダ計量機は、ユーザーの多
様化に伴い、オクタン価の異なる二種類のガソリンを混
合し、希望に応じたオクタン価の油液の給油を可能とす
る計量給油装置である。例えば、レギュラーガソリンと
ハイオクガソリンを給油装置内で混合し、車両に給油す
るブレンダ型計量給油機は、各々の油種配管系にリニア
制御可能なブレンダバルブを設けて希望した混合比率に
応じて各バルブを制御している。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のブレン
ダ計量機では、混合する流体が正確に混合されているか
否かを判定する混合精度は、流速が低速流となると誤差
が大きくなり、精度が保たれなくなるという特性を有し
ている。現状では、流速とは無関係にバルブの制御量を
チャート化し、誤差を小さくするように制御している
が、必ずしも十分に精度を保つことができなかった。 【０００４】そこで本発明は、低速流においても誤差を
最小限とし混合精度を向上できるファジィ制御によるブ
レンダ計量機を提供することを目的とする。 【０００５】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のファジィ制御によるブレンダ計量機は、異
なる種類の油液を備蓄したタンクのそれぞれからポン
プ、流量センサを設けたメータを通ってバルブで流量を
制御する２系統の給油機構を有し、前記それぞれの流量
センサで計測した計量データに基づいて電子制御部がそ
れぞれのバルブを制御して混合した油液の給油を行うブ
レンダ計量機において、前記電子制御部は、前記流量セ
ンサで計測される流速、混合精度誤差、混合精度誤差の
変化分に関する各データをファジィ集合知識部に記憶し
た知識に基づいて曖昧量データ集合に変換するファジィ
変換部と、このファジィ変換部で変換した曖昧量データ
集合を入力として、演算知識部に記憶した推論ルールに
基づいて前記ブレンダバルブの制御量を曖昧量データ集
合で出力するファジィ推論部と、このファジィ推論部か
ら出力される制御量の曖昧量データ集合を制御量変換知
識部に記憶された知識に基づいて具体的制御量に変換す
る制御量変換部とを備えたものである。 【０００６】 【作用】本発明では、ブレンダ計量機を運転中の流速を
極めて低速から高速までファジィ集合で定義し、混合精
度の誤差と誤差の変化分を正または負の大小でファジィ
表現し、ブレンダバルブを制御するための入力条件とし
て、各々のブレンダバルブの制御量をファジィ推論し制
御することで、低速流においても誤差を最小限とし混合
精度が向上する。 【０００７】 【実施例】以下、本発明を図示の一実施例により具体的
に説明する。図２は本発明実施例のファジィ制御による
ブレンダ計量機の機器構成を説明する図である。 【０００８】同図において、本実施例のブレンダ計量機
は、異なる種類の油液を給油する２系統の第１及び第２
給油機構１０及び２０を備えており、第１タンク１１に
備蓄された所定種類の油液は、第１ポンプ１２、第１メ
ータ１３を通って第１バルブ１４で流量が制御され、ま
た、第２タンク２１に備蓄された他の種類の油液は、第
２ポンプ２２、第２メータ２３を通って第２バルブ２４
で流量が制御され、その後それぞれの油液が一つに混合
されて給油ノズル３１から給油される。この給油は、給
油ノズル３１をノズル掛けから外し、システムの始動ス
イッチが入り、第１ポンプ１２及び第２ポンプ２２が駆
動されることで始動する。第１流量センサ１５及び第２
流量センサ２５でそれぞれ検出された流量の計測信号
は、電子制御部３０で積算され、表示器等に表示され
る。また、この電子制御部３０は、ユーザーが希望する
混合比（オクタン価）をボタンスイッチ等で設定するデ
ータ入力部を有しており、この入力された混合比をもと
に第１バルブ１４及び第２バルブ２４へ制御信号を出力
し、それぞれに設けられたアクチュエータ操作量を変化
させることで流路を制御し流量を制御する。 【０００９】図１は本発明実施例の電子制御部の構成を
説明するブロック図である。 【００１０】同図において、電子制御部３０は、入力さ
れる各データをファジィ制御に適したデータに変換する
ファジィ変換部４１、このファジィ変換部４１のデータ
変換に必要な知識を記憶しているファジィ集合知識部４
２、ファジィ変換部４１から出力されるデータに基づい
て制御量を演算するファジィ推論部４３、このファジィ
推論部４３で制御量を演算するために必要なルールを記
憶している演算知識部４４、ファジィ推論部４３で演算
した制御量を具体的操作量に変換する制御量変換部４
５、この制御量変換部４５で具体的操作量に変換するた
めに必要な知識を記憶した制御量変換知識部４６、それ
ぞれ変換された操作量が与えられる第１アクチュエータ
４７及び第２アクチュエータ４８、これらアクチュエー
タ４７及び４８が制御されたときの流量データの差の混
合精度からその微分値を演算する混合精度変化計算部４
９からなり、この混合精度変化計算部４９の演算出力が
ファジィ変換部４１のデータとして再入力される。 【００１１】上記ファジィ変換部４１に入力されるデー
タは、それぞれ第１及び第２流量センサ１５，２５から
得られるパルス周波数で示される流速データＱ（Ｈ
ｚ）、流量センサ１５，２５から得られる流速データか
ら計算した混合精度の誤差（精度）データＳ（％）、サ
ンプリング毎の混合精度の誤差変化分ｄＳ（％）という
具体的なデジタル数値である。ファジィ変換部４１は、
これらのデータをファジィ集合知識部４２に記録された
知識をもとに曖昧量に変換する。 【００１２】上記ファジィ集合知識部４２は、データを
曖昧量に変換する集合であり、メンバシップ関数という
関数表現で集合境界を表したものである。図３は本発明
実施例のファジィ集合知識例のメンバシップ関数を説明
する図である。 【００１３】同図において、入力前件部となる流量Ｑ、
混合精度誤差Ｓ、混合精度誤差の変化分ｄＳ、及び出力
後件部となる第１バルブ１４のアクチュエータ操作量Δ
Ｐ１（パルス）、第２バルブ２４のアクチュエータ操作
量ΔＰ２（パルス）に関するファジィ集合知識の一例を
示している。すなわち、流量Ｑでは０〜３３（Ｈｚ）の
間を、非常に遅い（ＮＢ）、少し遅い（ＮＳ）、普通
（ＺＲ）、少し速い（ＰＳ）、非常に速い（ＰＢ）と
し、三角形で囲まれた領域がそれぞれのファジィ集合と
なる。同様に、混合精度誤差Ｓでは誤差が負に大きい
（ＮＢ）から正に大きい（ＰＢ）までを−５〜＋５
（％）の範囲で定義し、混合精度の誤差の変化分ｄＳで
は変化分が負に大きい（ＮＢ）から正に大きい（ＰＢ）
までを−１．５〜＋１．５（％）の範囲で定義し、第１
及び第２アクチュエータ操作量ΔＰ１及びΔＰ２では操
作量が負に大きい（ＮＢ）から正に大きい（ＰＢ）まで
を−６〜＋６（パルス）の範囲で定義し、三角形で囲ま
れた領域がそれぞれのファジィ集合となる。これらのフ
ァジィ集合に、それぞれの値を入力し、斜線との交点か
らそれぞれの値がファジィ集合に対してどの程度適合し
ているかを、０から１の数値に表現される。例えば、Ｑ
は、非常に遅いという曖昧集合（ＮＢ）に０．７の適合
度を持ち、同時に少し遅いという曖昧集合（ＮＳ）に
０．４の適合度を持つ。これにより曖昧量による表現が
可能になる。 【００１４】上記ファジィ推論部４３は、ファジィ変換
部４１で変換した流量Ｑ、混合精度誤差Ｓ、混合精度誤
差の変化分ｄＳの曖昧データを入力として、演算知識部
４４に格納されている制御量を推論するためのルールを
用いて制御量を推論する部分である。この演算知識部４
４に格納されているルールは、例えば、以下の通りであ
る。 【００１５】例（１）「 if Q is NS and S is NS and dS is NS then ΔP1 is
ZR and ΔP2 is PB」 【００１６】例（２）「 if Q is PB and S is NS and dS is NS then ΔP1 is
ZR and ΔP2 is PS」 【００１７】これらのルールの言語的表現は、例（１）
の場合は、「もし流速Ｑが少し遅く、混合制度誤差Ｓが
少しマイナスになっており、混合精度誤差の変化分ｄＳ
が少しマイナスに変化しているときには、第１バルブの
アクチュエータパルスは変化せず、第２バルブのアクチ
ュエータパルスは大きく開く方向に加算する。」、また
例（２）の場合は、「もし流速Ｑがかなり速く、混合制
度誤差Ｓが少しマイナスになっており、混合精度誤差の
変化分ｄＳが少しマイナスに変化しているときには、第
１バルブのアクチュエータパルスは変化せず、第２バル
ブのアクチュエータパルスは少し開く方向に加算す
る。」となる。 【００１８】そして、ファジィ推論部４３は、流量Ｑ、
混合精度誤差Ｓ、混合精度誤差の変化分ｄＳが曖昧集合
で入力されるため、適合されるすべてのルールの最大値
を採択し、制御出力の曖昧量を集合として出力する。 【００１９】図４は本発明実施例の入力される曖昧集合
データと制御出力の曖昧集合データを説明する図であ
り、流量Ｑ、混合精度誤差Ｓ、混合精度誤差の変化分ｄ
Ｓが曖昧集合から第１バルブ及び第２バルブの操作量が
曖昧集合として出力される。 【００２０】上記制御量変換部４５は、ファジィ推論部
４３で出力された曖昧量データを、実際の制御量に変換
する部分である。この曖昧量データは、全てファジィ集
合として出力されていると考え、適応したルールの全て
について、集合の合成演算を実施する。この合成演算結
果は、制御操作量のファジィ集合となる。このファジィ
集合の面積の重心を具体的な出力操作量とする。すなわ
ち、図５に示すように、第１バルブ及び第２バルブの操
作量のファジィ集合の面積の重心（同図において矢印で
示す位置）を求めることで、具体的操作量が得られる。
例えば、何度バルブを開ける（または閉じる）、あるい
は何パルス分バルブを操作する等のような具体的操作量
になる。 【００２１】上記混合精度変化計算部４９は、第１及び
第２アクチュエータで制御された流量データから得られ
る混合精度から、その変化分が計算され、再び混合精度
誤差の変化分ｄＳとしてファジィ変換部４１に入力され
る。 【００２２】上記構成によれば、ブレンダ計量機の運転
中に流量センサ１５，２５で計測される流速をファジィ
集合知識部４２の知識にもとづいてファジィ変換部４１
で極めて低速から高速までをファジィ集合で定義すると
ともに、混合精度誤差とその誤差の変化分を正または負
の大小でファジィ集合で表現し、演算知識部４４のルー
ルに基づいてファジィ推論部４３で制御入力条件とし
て、第１及び第２バルブ１４，２４の制御量をファジィ
推論し、この推論結果を制御量変換知識部４６の知識に
基づいて制御量変換部４５で具体的操作量に変換してい
る。従って、状態流速を監視してバルブ制御量を決定す
ることにより、低流速時の精度の安定性が確保され、ま
た誤差の変化分を監視することにより、より短時間に安
定な混合精度に近付けることができる。 【００２３】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ブ
レンダ計量機を運転中の流速を極めて低速から高速まで
ファジィ集合で定義し、混合精度の誤差と誤差の変化分
を正または負の大小でファジィ表現し、ブレンダバルブ
を制御するための入力条件として、各々のブレンダバル
ブの制御量をファジィ推論し制御しているため、低速流
においても誤差を最小限とし混合精度を向上できる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明実施例の電子制御部の構成を説明するブ
ロック図である。 【図２】本発明実施例のファジィ制御によるブレンダ計
量機の機器構成を説明する図である。 【図３】本発明実施例のファジィ集合知識部に記録され
るメンバシップ関数例を説明する図である。 【図４】本発明実施例の入力される曖昧集合データと制
御出力の曖昧集合データを説明する図である。 【図５】本発明実施例の制御量のファジィ集合の面積重
心により具体的な出力操作量を求める方法を説明する図
である。 【符号の説明】 １０，２０ 第１及び第２給油機構 １１，２１ 第１及び第２タンク １２，２２ 第１及び第２ポンプ １３，２３ 第１及び第２メータ １４，２４ 第１及び第２流量センサ １５，２５ 第１及び第２バルブ ３０ 電子制御部 ３１ 給油ノズル ４１ ファジィ変換部 ４２ ファジィ集合知識部 ４３ ファジィ推論部 ４４ 演算知識部 ４５ 制御量変換部 ４６ 制御量変換知識部 ４７，４８ 第１及び第２アクチュエータ ４９ 混合精度変化計算部
ロック図である。 【図２】本発明実施例のファジィ制御によるブレンダ計
量機の機器構成を説明する図である。 【図３】本発明実施例のファジィ集合知識部に記録され
るメンバシップ関数例を説明する図である。 【図４】本発明実施例の入力される曖昧集合データと制
御出力の曖昧集合データを説明する図である。 【図５】本発明実施例の制御量のファジィ集合の面積重
心により具体的な出力操作量を求める方法を説明する図
である。 【符号の説明】 １０，２０ 第１及び第２給油機構 １１，２１ 第１及び第２タンク １２，２２ 第１及び第２ポンプ １３，２３ 第１及び第２メータ １４，２４ 第１及び第２流量センサ １５，２５ 第１及び第２バルブ ３０ 電子制御部 ３１ 給油ノズル ４１ ファジィ変換部 ４２ ファジィ集合知識部 ４３ ファジィ推論部 ４４ 演算知識部 ４５ 制御量変換部 ４６ 制御量変換知識部 ４７，４８ 第１及び第２アクチュエータ ４９ 混合精度変化計算部
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(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B67D 5/56
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 異なる種類の油液を備蓄したタンクのそ
れぞれからポンプ、流量センサを設けたメータを通って
バルブで流量を制御する２系統の給油機構を有し、前記
それぞれの流量センサで計測した計量データに基づいて
電子制御部がそれぞれのバルブを制御して混合した油液
の給油を行うブレンダ計量機において、前記電子制御部
は、前記流量センサで計測される流速、混合精度誤差、
混合精度誤差の変化分に関する各データをファジィ集合
知識部に記憶した知識に基づいて曖昧量データ集合に変
換するファジィ変換部と、このファジィ変換部で変換し
た曖昧量データ集合を入力として、演算知識部に記憶し
た推論ルールに基づいて前記ブレンダバルブの制御量を
曖昧量データ集合で出力するファジィ推論部と、このフ
ァジィ推論部から出力される制御量の曖昧量データ集合
を制御量変換知識部に記憶された知識に基づいて具体的
制御量に変換する制御量変換部とを備えたことを特徴と
するファジィ制御によるブレンダ計量機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31079692A JP3384461B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | ファジィ制御によるブレンダ計量機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31079692A JP3384461B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | ファジィ制御によるブレンダ計量機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06135500A JPH06135500A (ja) | 1994-05-17 |
| JP3384461B2 true JP3384461B2 (ja) | 2003-03-10 |
Family
ID=18009551
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31079692A Expired - Fee Related JP3384461B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | ファジィ制御によるブレンダ計量機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3384461B2 (ja) |
-
1992
- 1992-10-27 JP JP31079692A patent/JP3384461B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06135500A (ja) | 1994-05-17 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
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