JP3383543B2 - 切削インサート - Google Patents
切削インサートInfo
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- JP3383543B2 JP3383543B2 JP01934797A JP1934797A JP3383543B2 JP 3383543 B2 JP3383543 B2 JP 3383543B2 JP 01934797 A JP01934797 A JP 01934797A JP 1934797 A JP1934797 A JP 1934797A JP 3383543 B2 JP3383543 B2 JP 3383543B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具本体に着取自
在に装着して金属材料などの切削加工に用いる切削イン
サートに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、STKM13A,SCM41
5,S15CK,SS400などの切屑処理が難しいね
ばい材質の加工については、ノーズ部にブレーカー***
部を形成した切削インサートが用いられてきた。 【0003】図7は、そのような従来の切削インサート
20のノーズ部21の形状を示し、同図に示すように、
先端切刃22とブレーカー***部23との距離Aを小さ
くし、他方、ブレーカー***部23と横切刃24との距
離Bは、先端切刃22から離れるにしたがい漸次大きく
なるようにしたものであった。この切削インサート20
は、先端切刃22とブレーカー***部23との距離Aを
小さくして低切込みの仕上げ領域の切屑処理に対処する
ことを主眼としていた。 【0004】また、図8は、従来の他の切削インサート
30のノーズ部31の形状を示し、同図に示すように、
先端切刃32とブレーカー***部33との距離A′を比
較的大きくとるとともに、他方、ブレーカー***部33
と横切刃34の距離B′を小さめとしたものであった。
この切削インサート30は、ブレーカー***部33と横
切刃34との距離B′を小さくして中高送りの中荒加工
領域の切屑処理に対処することを主眼としていた。 【0005】 【従来技術の課題】しかしながら、上記図7の切削イン
サート20では、先端切刃22とブレーカー***部23
との距離Aが小さいので中荒加工で切屑が伸び、ブレー
カー***部23と横切刃24との距離Bが先端切刃22
から離れるにしたがい漸次大きくなるようにしていたけ
れども、中荒加工での切屑処理が優れているとは言いが
たかった。 【0006】また上記図8の切削インサート30では、
先端切刃32とブレーカー***部33との距離A′を大
きくとったので中荒加工で切屑がブレーカー***部33
の先端に確実に引っ掛かり、しかして横切刃34に近め
に配置したブレーカー***部33の横壁で切屑をカール
半径小さくカールさせ、折れ易くしたものであったが、
仕上げ領域の切屑処理では、切屑のカール半径が大きく
なりすぎ折れにくいという問題点があった。 【0007】さらに、これら切削インサート20,30
はいずれもブレーカー***部23,33の先端正面が上
面から見て円弧状となっているので、仕上げ加工時には
ブレーカー***部23,33と切屑が点または線接触状
態となり、切屑の排出方向が安定せず、折れにくくなる
場合があった。 【0008】 【発明の目的】上記従来技術の課題に鑑み、本発明は、
仕上げ加工のみでなく中荒加工においても切屑処理能が
優れ、工具寿命が長い切削インサートを提供することを
目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の切削インサートは、すくい面と逃げ面の間
の稜辺に切刃が形成され、ノーズ部先端に先端切刃と該
先端切刃に連続する横切刃を備えた切削インサートであ
って、上記すくい面に上記先端切刃に臨むブレーカー隆
起部と、上記横切刃から内陸部にいたる前記ノーズ部先
端に凹状円弧をなす上壁を備えた2段状ブレーカー壁と
を形成するとともに、上記ブレーカー***部には、その
先端正面に横幅0.02〜0.08mmのフラット面
と、上記2段状ブレーカー壁の上記ノーズ部先端側端に
隣接する部分に上記横切刃に臨む別のフラット面とを形
成したことを特徴とする。 【0010】 【作用】本発明のインサートは、低切込み切削時にねば
い材料でも、横幅0.02〜0.08mmのフラット面
となした先端切刃に臨むブレーカー***部の先端正面に
切屑が面接触することにより、排出方向が安定し、切屑
が折れ易い。 【0011】また、中荒加工時送りが小さい時には、横
切刃に沿って形成された2段状のブレーカー壁の下壁に
切屑が当たってカールし、また送りが大きい時には、上
記2段状のブレーカー壁の下壁で一旦減速された切屑が
上壁に当たってカールする。 【0012】また、ノーズ部先端に形成された凹状円弧
をなす上壁を備えた2段状ブレーカー壁によれば、切屑
が幅方向にも湾曲するので切屑が折れ易くなり、ブレー
カー***部における2段状ブレーカー壁に隣接する部分
に横切刃に臨む別のフラット面を形成したことにより、
低中送り加工時の排出方向を安定させ、切屑を折れやす
くする。 【0013】したがって、本発明のインサートによれ
ば、一つのインサートにより低切込みの仕上げ加工も、
中、高切込みの中荒加工も、切屑が安定的に処理される
ので工具寿命が長く、かつ、インサートの取り替えなし
に広い切削条件下での切削加工が可能である。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。図1乃至図4に本実施形態の切削イン
サート1を示し、この切削インサート1の全体形状は図
1に示す如く、すくい面2と逃げ面3の間の稜辺に切刃
4が形成された菱形板状をなし、また、対称位置に配置
された一対のノーズ部5,5それぞれの先端には円弧状
の先端切刃6が、そして該先端切刃6の両側には先端切
刃6に連なる横切刃7がそれぞれ形成されている。 【0015】上記ノーズ部5には、図2の部分拡大図に
示すように前記先端切刃6に臨み且つそのすくい面8か
ら***したブレーカー***部10が形成されるととも
に、このブレーカー***部10の先端正面にフラット面
14が形成されている。また、横切刃領域から内陸部1
7にいたる間に2段状ブレーカー壁11が形成されてい
る。 【0016】さらに、図3の垂直断面図に示す上記先端
切刃6のすくい面8のすくい角α°は15°〜20°と
大きく、他方、図4の垂直断面図に示す上記横切刃7の
すくい面9のすくい角β°は最小値が10°以下と小さ
い。なお、横切刃7のすくい面9のすくい角β°は先端
切刃6から離れるにしたがって漸次小さくなっており横
切刃7の刃先強度が大きくなるよう構成されている。 【0017】このように構成される上記切削インサート
1において、先端切刃6のすくい面8のすくい角α°を
15°〜20°と大きくしたのは、低切込みの切削時に
ねばい材料でも切屑を確実にカールさせるためで、ま
た、先端切刃6に臨むブレーカー***部10の先端正面
をフラット面14としたのは、切屑との接触面積を大き
くし排出方向を安定させることによって切屑が絡んだり
するのを防止し、切屑を折れ易くするためである。した
がって、上記切削インサート1によれば、低切込みの切
削時にねばい材料でも切屑を確実にカールさせ、しか
も、切屑処理方向を安定させ切屑を折れやすくするの
で、良好な切屑処理が可能である。 【0018】なお、このすくい角α°が15°未満であ
る場合、切屑のカール半径が大きくなり折れ難くなる恐
れがあり、他方、20°超過の場合には、刃先強度を低
下せしめてしまう恐れがある。また、上記フラット面1
4の横幅wとしては、0.02〜0.08mmであるこ
とが好ましい。この横幅wが0.02mm未満の場合、
切屑の排出方向が安定させる効果が小さく、他方、0.
08mm超過の場合、切屑の接触面積が必要以上に大き
くなり切削抵抗が過大となってしまう恐れがある。 【0019】次に、横切刃7に沿って2段状ブレーカー
壁11を形成したのは、中荒加工で送りが小さい時には
比較的切屑がカールし易いので、主として2段状ブレー
カー壁11の背の低い下壁12で切屑をカールさせ、こ
れにより切削抵抗を小さく抑え、他方、送りが大きい時
には比較的切屑がカールし難いので、上記下壁12で減
速させた切屑を上壁13で確実にカールするようにする
ためであり、これにより、広い加工可能領域を実現す
る。また、横切刃7のすくい面9についてそのすくい角
β°の最小値を10°以下としたのは、横切刃7の強度
を大きく保ち且つ切屑のカール半径が過大とならないよ
うにするためであり、上記すくい角β°の最小値が10
°より大きくなると横切刃7が強度不足となってしまう
恐れがある。 【0020】なお、この2段状ブレーカー壁11の下壁
12、上壁13のうち下壁12の高さhとしては、0.
1〜0.5mmの範囲であることが好ましい。この高さ
hが0.5mmを超える場合、切削抵抗が大きくなり過
ぎる恐れがあり、他方、0.1mm未満では切屑が下壁
12に引っ掛からずに切屑のカール半径が過大となって
しまう恐れがある。また、上記2段状ブレーカー壁11
の上壁13としては図2に示すように横切刃7に対して
中央が凹状の円弧状となったものであっても良い。この
ような2段状ブレーカー壁11によれば切屑の排出方向
が安定するとともに、切屑が幅方向にも湾曲するので切
屑が折れ易くなる。 【0021】ちなみに、図2に示す実施形態において、
前記ブレーカー***部10には先端前面のフラット面1
4の他に2段状ブレーカー壁11に隣接する部分にもフ
ラット面15を形成しているが、これは低〜中送りの加
工時の排出方向を安定させ、切屑を折れやすくする作用
を有している。また、横切刃7のすくい面9のすくい角
β°としては、先端切刃6から離れるにしたがって漸次
小さくなる形態に限らず、先端切刃6からその近傍に向
けて一旦β=10°程度まで小さくなり、さらに若干遠
ざかった位置でβ=13°と再び大きくなり、その先は
漸次小さくなるというように、波形のアンギュレーショ
ンを形成したものであってもよく、そのようにすること
によって、切屑の排出方向が安定するとともに、切屑が
幅方向にも湾曲するので切屑が折れ易くなるという作用
がある。 【0022】以上、本発明の一実施形態を説明したが、
本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、発明の
目的を逸脱しない限り任意の形態とすることができるこ
とは言うまでもない。 【0023】次に、本発明の切削インサート1を用いた
実験例を説明する。実験例1 インサートの材質として京セラ(株)製TN60サーメ
ット材を用いた上記切削インサート1を用いて以下の条
件で切屑処理テストを行った。(すくい角α°=15
°、すくい角β°=15°〜5°、下壁12の高さh=
0.2mm、フラット面14の幅w=0.05mm) 切削条件 被削材:SCM415(内径φ30〜50) 周速V=200m/min 送りf=0.05,0.1,0.15,0.2mm/r
ev 切込みd=0.5,0.7,1.0,2.0mm 湿式 ホルダー:SCLPL2520B−09正バイト この切屑処理テストの結果とその判定基準を表1に示
す。 【0024】 【表1】 【0025】図1から明らかなように本発明のインサー
トは、送りf=0.05mmの領域で若干の不具合があ
ったが、全体として非常に優れた切屑処理性能を示し
た。 【0026】なお、比較例として図7に示す従来技術の
インサート[CPMT090304SQ(UP35
N)]による同様のテスト結果と、図8に示す従来技術
のインサート[CCMT09T304−UF(GC40
25)]による同様のテスト結果を、それぞれ表2と表
3に示す。 【0027】 【表2】 【0028】 【表3】 【0029】これらの結果と上記表1に示す本発明品の
結果を比べると、明らかに本発明品の切屑処理性能が格
段に優れていることが看取される。 【0030】実験例2 上記実験例1の切削条件において被削材をSCM415
(内径φ50通し穴)に変え、同様の試験を行った。そ
の結果を表4に示す。 【0031】 【表4】 【0032】表4から明らかなように本発明のインサー
トは、送りf=0.15、0.1mmの領域の一部で若
干の不具合があったが、全体として非常に優れた切屑処
理能を示した。 【0033】なお、比較例として図7に示す従来技術の
インサート[CPMT090304SQ(UP35
N)]による同様のテスト結果を表5に示す。 【0034】 【表5】【0035】この結果と上記表4に示す本発明品の結果
を比べると、明らかに本発明品の切屑処理性能が格段に
優れていることが看取される。 【0036】実験例3 インサートの材質として京セラ(株)製TN60サーメ
ット材を用いた上記切削インサートを用いて以下の条件
で切屑処理テストを行った。このテストでは、切屑処理
が難しいL型ローター(SPHE材)を被削材として用
いた。 【0037】切削条件 被削材:L型ローター(SPHE材) 周速V=250m/min 送りf=0.1,0.15,0.2mm/rev 切込みd=0.5,0.7,1.0mm 湿式 ホルダー:SCLPL2520B この切屑処理テストの結果を表6に、また、切屑マップ
を図5に示す。 【0038】 【表6】 【0039】表6と図5から明らかなように本発明のイ
ンサートは、送りf=0.1mmの領域で若干の不具合
があったが、全体として非常に優れた切屑処理性能を示
した。 【0040】なお、比較例として図7に示す従来技術の
インサート[CPMT090304SQ(UP35
N)]による同様のテスト結果を表7に、また、切屑マ
ップを図6に示す。 【0041】 【表7】 【0042】表7と図6から明らかなように上記従来技
術の切削インサートは、SPHE材の加工には適してい
なかった。これに対して、本発明品は前述のようにSP
HE材に対しても優れた切屑処理性能を示した。 【0043】 【発明の効果】以上のように、本発明の切削インサート
は、低切込み切削時にねばい材料でも、横幅0.02〜
0.08mmのフラット面となした先端切刃に臨むブレ
ーカー***部の先端正面に切屑が面接触することによ
り、排出方向が安定し、切屑が折れ易い。 【0044】中荒加工時、送りが小さい時には、横切刃
に沿って形成された2段状のブレーカー壁の下壁に切屑
が当たってカールし、また送りが大きい時には、前記2
段状のブレーカー壁の下壁で一端減速された切屑が上壁
に当たってカールする。ノーズ部先端に形成した凹状円
弧をなす上壁を備えた2段状ブレーカー壁によれば、切
屑が幅方向にも湾曲するので切屑が折れ易くなり、そし
て、ブレーカー***部における2段状ブレーカー壁のノ
ーズ先端側端に隣接する部分に横切刃に臨む別のフラッ
ト面とを形成したことにより、低中送り加工時の排出方
向を安定させ、切屑を折れやすくする。 【0045】したがって、一つのインサートにより低切
込みの仕上げ加工も、中、高切込みの中荒加工も、切屑
が安定的に処理されるので工具寿命が長く、かつ、イン
サートの取り替えなしに広い切削条件下での切削加工が
可能である。
在に装着して金属材料などの切削加工に用いる切削イン
サートに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、STKM13A,SCM41
5,S15CK,SS400などの切屑処理が難しいね
ばい材質の加工については、ノーズ部にブレーカー***
部を形成した切削インサートが用いられてきた。 【0003】図7は、そのような従来の切削インサート
20のノーズ部21の形状を示し、同図に示すように、
先端切刃22とブレーカー***部23との距離Aを小さ
くし、他方、ブレーカー***部23と横切刃24との距
離Bは、先端切刃22から離れるにしたがい漸次大きく
なるようにしたものであった。この切削インサート20
は、先端切刃22とブレーカー***部23との距離Aを
小さくして低切込みの仕上げ領域の切屑処理に対処する
ことを主眼としていた。 【0004】また、図8は、従来の他の切削インサート
30のノーズ部31の形状を示し、同図に示すように、
先端切刃32とブレーカー***部33との距離A′を比
較的大きくとるとともに、他方、ブレーカー***部33
と横切刃34の距離B′を小さめとしたものであった。
この切削インサート30は、ブレーカー***部33と横
切刃34との距離B′を小さくして中高送りの中荒加工
領域の切屑処理に対処することを主眼としていた。 【0005】 【従来技術の課題】しかしながら、上記図7の切削イン
サート20では、先端切刃22とブレーカー***部23
との距離Aが小さいので中荒加工で切屑が伸び、ブレー
カー***部23と横切刃24との距離Bが先端切刃22
から離れるにしたがい漸次大きくなるようにしていたけ
れども、中荒加工での切屑処理が優れているとは言いが
たかった。 【0006】また上記図8の切削インサート30では、
先端切刃32とブレーカー***部33との距離A′を大
きくとったので中荒加工で切屑がブレーカー***部33
の先端に確実に引っ掛かり、しかして横切刃34に近め
に配置したブレーカー***部33の横壁で切屑をカール
半径小さくカールさせ、折れ易くしたものであったが、
仕上げ領域の切屑処理では、切屑のカール半径が大きく
なりすぎ折れにくいという問題点があった。 【0007】さらに、これら切削インサート20,30
はいずれもブレーカー***部23,33の先端正面が上
面から見て円弧状となっているので、仕上げ加工時には
ブレーカー***部23,33と切屑が点または線接触状
態となり、切屑の排出方向が安定せず、折れにくくなる
場合があった。 【0008】 【発明の目的】上記従来技術の課題に鑑み、本発明は、
仕上げ加工のみでなく中荒加工においても切屑処理能が
優れ、工具寿命が長い切削インサートを提供することを
目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の切削インサートは、すくい面と逃げ面の間
の稜辺に切刃が形成され、ノーズ部先端に先端切刃と該
先端切刃に連続する横切刃を備えた切削インサートであ
って、上記すくい面に上記先端切刃に臨むブレーカー隆
起部と、上記横切刃から内陸部にいたる前記ノーズ部先
端に凹状円弧をなす上壁を備えた2段状ブレーカー壁と
を形成するとともに、上記ブレーカー***部には、その
先端正面に横幅0.02〜0.08mmのフラット面
と、上記2段状ブレーカー壁の上記ノーズ部先端側端に
隣接する部分に上記横切刃に臨む別のフラット面とを形
成したことを特徴とする。 【0010】 【作用】本発明のインサートは、低切込み切削時にねば
い材料でも、横幅0.02〜0.08mmのフラット面
となした先端切刃に臨むブレーカー***部の先端正面に
切屑が面接触することにより、排出方向が安定し、切屑
が折れ易い。 【0011】また、中荒加工時送りが小さい時には、横
切刃に沿って形成された2段状のブレーカー壁の下壁に
切屑が当たってカールし、また送りが大きい時には、上
記2段状のブレーカー壁の下壁で一旦減速された切屑が
上壁に当たってカールする。 【0012】また、ノーズ部先端に形成された凹状円弧
をなす上壁を備えた2段状ブレーカー壁によれば、切屑
が幅方向にも湾曲するので切屑が折れ易くなり、ブレー
カー***部における2段状ブレーカー壁に隣接する部分
に横切刃に臨む別のフラット面を形成したことにより、
低中送り加工時の排出方向を安定させ、切屑を折れやす
くする。 【0013】したがって、本発明のインサートによれ
ば、一つのインサートにより低切込みの仕上げ加工も、
中、高切込みの中荒加工も、切屑が安定的に処理される
ので工具寿命が長く、かつ、インサートの取り替えなし
に広い切削条件下での切削加工が可能である。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。図1乃至図4に本実施形態の切削イン
サート1を示し、この切削インサート1の全体形状は図
1に示す如く、すくい面2と逃げ面3の間の稜辺に切刃
4が形成された菱形板状をなし、また、対称位置に配置
された一対のノーズ部5,5それぞれの先端には円弧状
の先端切刃6が、そして該先端切刃6の両側には先端切
刃6に連なる横切刃7がそれぞれ形成されている。 【0015】上記ノーズ部5には、図2の部分拡大図に
示すように前記先端切刃6に臨み且つそのすくい面8か
ら***したブレーカー***部10が形成されるととも
に、このブレーカー***部10の先端正面にフラット面
14が形成されている。また、横切刃領域から内陸部1
7にいたる間に2段状ブレーカー壁11が形成されてい
る。 【0016】さらに、図3の垂直断面図に示す上記先端
切刃6のすくい面8のすくい角α°は15°〜20°と
大きく、他方、図4の垂直断面図に示す上記横切刃7の
すくい面9のすくい角β°は最小値が10°以下と小さ
い。なお、横切刃7のすくい面9のすくい角β°は先端
切刃6から離れるにしたがって漸次小さくなっており横
切刃7の刃先強度が大きくなるよう構成されている。 【0017】このように構成される上記切削インサート
1において、先端切刃6のすくい面8のすくい角α°を
15°〜20°と大きくしたのは、低切込みの切削時に
ねばい材料でも切屑を確実にカールさせるためで、ま
た、先端切刃6に臨むブレーカー***部10の先端正面
をフラット面14としたのは、切屑との接触面積を大き
くし排出方向を安定させることによって切屑が絡んだり
するのを防止し、切屑を折れ易くするためである。した
がって、上記切削インサート1によれば、低切込みの切
削時にねばい材料でも切屑を確実にカールさせ、しか
も、切屑処理方向を安定させ切屑を折れやすくするの
で、良好な切屑処理が可能である。 【0018】なお、このすくい角α°が15°未満であ
る場合、切屑のカール半径が大きくなり折れ難くなる恐
れがあり、他方、20°超過の場合には、刃先強度を低
下せしめてしまう恐れがある。また、上記フラット面1
4の横幅wとしては、0.02〜0.08mmであるこ
とが好ましい。この横幅wが0.02mm未満の場合、
切屑の排出方向が安定させる効果が小さく、他方、0.
08mm超過の場合、切屑の接触面積が必要以上に大き
くなり切削抵抗が過大となってしまう恐れがある。 【0019】次に、横切刃7に沿って2段状ブレーカー
壁11を形成したのは、中荒加工で送りが小さい時には
比較的切屑がカールし易いので、主として2段状ブレー
カー壁11の背の低い下壁12で切屑をカールさせ、こ
れにより切削抵抗を小さく抑え、他方、送りが大きい時
には比較的切屑がカールし難いので、上記下壁12で減
速させた切屑を上壁13で確実にカールするようにする
ためであり、これにより、広い加工可能領域を実現す
る。また、横切刃7のすくい面9についてそのすくい角
β°の最小値を10°以下としたのは、横切刃7の強度
を大きく保ち且つ切屑のカール半径が過大とならないよ
うにするためであり、上記すくい角β°の最小値が10
°より大きくなると横切刃7が強度不足となってしまう
恐れがある。 【0020】なお、この2段状ブレーカー壁11の下壁
12、上壁13のうち下壁12の高さhとしては、0.
1〜0.5mmの範囲であることが好ましい。この高さ
hが0.5mmを超える場合、切削抵抗が大きくなり過
ぎる恐れがあり、他方、0.1mm未満では切屑が下壁
12に引っ掛からずに切屑のカール半径が過大となって
しまう恐れがある。また、上記2段状ブレーカー壁11
の上壁13としては図2に示すように横切刃7に対して
中央が凹状の円弧状となったものであっても良い。この
ような2段状ブレーカー壁11によれば切屑の排出方向
が安定するとともに、切屑が幅方向にも湾曲するので切
屑が折れ易くなる。 【0021】ちなみに、図2に示す実施形態において、
前記ブレーカー***部10には先端前面のフラット面1
4の他に2段状ブレーカー壁11に隣接する部分にもフ
ラット面15を形成しているが、これは低〜中送りの加
工時の排出方向を安定させ、切屑を折れやすくする作用
を有している。また、横切刃7のすくい面9のすくい角
β°としては、先端切刃6から離れるにしたがって漸次
小さくなる形態に限らず、先端切刃6からその近傍に向
けて一旦β=10°程度まで小さくなり、さらに若干遠
ざかった位置でβ=13°と再び大きくなり、その先は
漸次小さくなるというように、波形のアンギュレーショ
ンを形成したものであってもよく、そのようにすること
によって、切屑の排出方向が安定するとともに、切屑が
幅方向にも湾曲するので切屑が折れ易くなるという作用
がある。 【0022】以上、本発明の一実施形態を説明したが、
本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、発明の
目的を逸脱しない限り任意の形態とすることができるこ
とは言うまでもない。 【0023】次に、本発明の切削インサート1を用いた
実験例を説明する。実験例1 インサートの材質として京セラ(株)製TN60サーメ
ット材を用いた上記切削インサート1を用いて以下の条
件で切屑処理テストを行った。(すくい角α°=15
°、すくい角β°=15°〜5°、下壁12の高さh=
0.2mm、フラット面14の幅w=0.05mm) 切削条件 被削材:SCM415(内径φ30〜50) 周速V=200m/min 送りf=0.05,0.1,0.15,0.2mm/r
ev 切込みd=0.5,0.7,1.0,2.0mm 湿式 ホルダー:SCLPL2520B−09正バイト この切屑処理テストの結果とその判定基準を表1に示
す。 【0024】 【表1】 【0025】図1から明らかなように本発明のインサー
トは、送りf=0.05mmの領域で若干の不具合があ
ったが、全体として非常に優れた切屑処理性能を示し
た。 【0026】なお、比較例として図7に示す従来技術の
インサート[CPMT090304SQ(UP35
N)]による同様のテスト結果と、図8に示す従来技術
のインサート[CCMT09T304−UF(GC40
25)]による同様のテスト結果を、それぞれ表2と表
3に示す。 【0027】 【表2】 【0028】 【表3】 【0029】これらの結果と上記表1に示す本発明品の
結果を比べると、明らかに本発明品の切屑処理性能が格
段に優れていることが看取される。 【0030】実験例2 上記実験例1の切削条件において被削材をSCM415
(内径φ50通し穴)に変え、同様の試験を行った。そ
の結果を表4に示す。 【0031】 【表4】 【0032】表4から明らかなように本発明のインサー
トは、送りf=0.15、0.1mmの領域の一部で若
干の不具合があったが、全体として非常に優れた切屑処
理能を示した。 【0033】なお、比較例として図7に示す従来技術の
インサート[CPMT090304SQ(UP35
N)]による同様のテスト結果を表5に示す。 【0034】 【表5】【0035】この結果と上記表4に示す本発明品の結果
を比べると、明らかに本発明品の切屑処理性能が格段に
優れていることが看取される。 【0036】実験例3 インサートの材質として京セラ(株)製TN60サーメ
ット材を用いた上記切削インサートを用いて以下の条件
で切屑処理テストを行った。このテストでは、切屑処理
が難しいL型ローター(SPHE材)を被削材として用
いた。 【0037】切削条件 被削材:L型ローター(SPHE材) 周速V=250m/min 送りf=0.1,0.15,0.2mm/rev 切込みd=0.5,0.7,1.0mm 湿式 ホルダー:SCLPL2520B この切屑処理テストの結果を表6に、また、切屑マップ
を図5に示す。 【0038】 【表6】 【0039】表6と図5から明らかなように本発明のイ
ンサートは、送りf=0.1mmの領域で若干の不具合
があったが、全体として非常に優れた切屑処理性能を示
した。 【0040】なお、比較例として図7に示す従来技術の
インサート[CPMT090304SQ(UP35
N)]による同様のテスト結果を表7に、また、切屑マ
ップを図6に示す。 【0041】 【表7】 【0042】表7と図6から明らかなように上記従来技
術の切削インサートは、SPHE材の加工には適してい
なかった。これに対して、本発明品は前述のようにSP
HE材に対しても優れた切屑処理性能を示した。 【0043】 【発明の効果】以上のように、本発明の切削インサート
は、低切込み切削時にねばい材料でも、横幅0.02〜
0.08mmのフラット面となした先端切刃に臨むブレ
ーカー***部の先端正面に切屑が面接触することによ
り、排出方向が安定し、切屑が折れ易い。 【0044】中荒加工時、送りが小さい時には、横切刃
に沿って形成された2段状のブレーカー壁の下壁に切屑
が当たってカールし、また送りが大きい時には、前記2
段状のブレーカー壁の下壁で一端減速された切屑が上壁
に当たってカールする。ノーズ部先端に形成した凹状円
弧をなす上壁を備えた2段状ブレーカー壁によれば、切
屑が幅方向にも湾曲するので切屑が折れ易くなり、そし
て、ブレーカー***部における2段状ブレーカー壁のノ
ーズ先端側端に隣接する部分に横切刃に臨む別のフラッ
ト面とを形成したことにより、低中送り加工時の排出方
向を安定させ、切屑を折れやすくする。 【0045】したがって、一つのインサートにより低切
込みの仕上げ加工も、中、高切込みの中荒加工も、切屑
が安定的に処理されるので工具寿命が長く、かつ、イン
サートの取り替えなしに広い切削条件下での切削加工が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の切削インサートの斜視図である。
【図2】図1の領域Lの拡大図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【図4】図2のY−Y線断面図である。
【図5】実験例3の結果を示す切屑マップである。
【図6】実験例3に対する比較例の結果を示す切屑マッ
プである。 【図7】従来の切削インサートの切削ノーズ部の平面図
であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。 【図8】従来の他切削インサートの切削ノーズ部の平面
図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。 【符号の説明】 1 切削インサート 2 すくい面 3 逃げ面 4 切刃 5 ノーズ部 6 先端切刃 7 横切刃 8,9 すくい面 α,β すくい角 10 ブレーカー***部 14、15 フラット面 16 横切刃領域 17 内陸部 11 2段状ブレーカー壁 12 下壁 13 上壁 h 高さ w 横幅
プである。 【図7】従来の切削インサートの切削ノーズ部の平面図
であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。 【図8】従来の他切削インサートの切削ノーズ部の平面
図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。 【符号の説明】 1 切削インサート 2 すくい面 3 逃げ面 4 切刃 5 ノーズ部 6 先端切刃 7 横切刃 8,9 すくい面 α,β すくい角 10 ブレーカー***部 14、15 フラット面 16 横切刃領域 17 内陸部 11 2段状ブレーカー壁 12 下壁 13 上壁 h 高さ w 横幅
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】すくい面と逃げ面の間の稜辺に切刃が形成
され、ノーズ部先端に先端切刃と該先端切刃に連続する
横切刃を備えた切削インサートであって、上記すくい面
に上記先端切刃に臨むブレーカー***部と、上記横切刃
から内陸部にいたる前記ノーズ部先端に凹状円弧をなす
上壁を備えた2段状ブレーカー壁とを形成するととも
に、上記ブレーカー***部には、その先端正面に横幅
0.02〜0.08mmのフラット面と、上記2段状ブ
レーカー壁の上記ノーズ部先端側端に隣接する部分に上
記横切刃に臨む別のフラット面とを形成したことを特徴
とする切削インサート。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP01934797A JP3383543B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 切削インサート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01934797A JP3383543B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 切削インサート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10217008A JPH10217008A (ja) | 1998-08-18 |
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Family
ID=11996869
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP01934797A Expired - Fee Related JP3383543B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 切削インサート |
Country Status (1)
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---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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BR112012008834B1 (pt) | 2009-10-15 | 2021-04-13 | Tungaloy Corporation | Inserto de corte |
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WO2019004030A1 (ja) * | 2017-06-29 | 2019-01-03 | 京セラ株式会社 | 切削インサート、切削工具及び切削加工物の製造方法 |
WO2020049678A1 (ja) * | 2018-09-06 | 2020-03-12 | 住友電工ハードメタル株式会社 | 切削インサート |
CN118159375A (zh) * | 2021-11-09 | 2024-06-07 | 京瓷株式会社 | 切削刀片、切削刀具及切削加工物的制造方法 |
JP7223305B1 (ja) * | 2022-09-26 | 2023-02-16 | 株式会社タンガロイ | 切削インサート |
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-
1997
- 1997-01-31 JP JP01934797A patent/JP3383543B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101730601B (zh) * | 2007-07-05 | 2011-10-12 | 特固克有限会社 | 具有角部凹进部的切削刀片 |
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---|---|
JPH10217008A (ja) | 1998-08-18 |
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