JP3382135B2 - 頭髪用外用剤 - Google Patents

頭髪用外用剤

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JP3382135B2 JP26793797A JP26793797A JP3382135B2 JP 3382135 B2 JP3382135 B2 JP 3382135B2 JP 26793797 A JP26793797 A JP 26793797A JP 26793797 A JP26793797 A JP 26793797A JP 3382135 B2 JP3382135 B2 JP 3382135B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、頭髪用外用剤に関す
るものであり、更に詳しくは、アガリクス茸(Agaricus
blazei Murill)子実体の抽出物を有効成分とする、脱毛
防止作用,発毛効果などの育毛作用に優れる頭髪用外用
剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】脱毛症は、栄養摂取不良、フケの過剰発
生による頭皮生理機能の低下、頭皮皮下組織,末梢血管
の血流量減少に起因する毛包,毛球部の新陳代謝機能の
低下、及び精神的ストレス等、様々な原因により発生す
る。
【0003】かかる脱毛症を治療,改善するために、エ
ストロン,エストラジオール,エチニルエストラジオー
ル等の卵胞ホルモン、ビタミンE及びその誘導体,セン
ブリ抽出物,ニンニク抽出物,ニンジン抽出物,アロエ
抽出物,セファランチン,塩化カルプロニウム,ミノキ
シジル等の末梢血管血流促進剤、トウガラシチンキ,カ
ンタリスチンキ,ショウキョウチンキ,ハッカ油,l−
メントール,カンフル等の局所刺激剤、レゾルシン,サ
リチル酸,乳酸等の角質溶解剤、ピリドキシン及びその
誘導体等の抗脂漏剤、ジンクピリチオン,塩化ベンザル
コニウム,塩化ベンゼトニウム,クロルヘキシジン,ヒ
ノキチオール等の殺菌剤、パントテン酸及びその誘導
体,胎盤抽出物,ビオチン,ペンタデカン酸グリセリド
等の毛根賦活剤、グリチルリチン酸及びその誘導体,β
−グリチルレチン酸,アラントイン,アズレン,ε−ア
ミノカプロン酸,ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタ
ミンA,B2,B12,D等のビタミン剤、システイン,セ
リン,メチオニン,ロイシン,トリプトファン等のアミ
ノ酸類等、多くの育毛,養毛成分が使用されてきた。
【0004】さらに、主として男性型脱毛症の治療,改
善を目的として、テストステロンから活性型のジヒドロ
テストステロンへの変換を触媒するテストステロン−5
αリダクターゼの活性を阻害するものが、多くスクリー
ニングされてきた。前記酵素の阻害剤としては、プロゲ
ステロン,デオキシコルチコステロン等のステロイド物
質の他、多種の植物の抽出物が知られている。また、オ
キセンドロン,スピロノラクトン,酢酸シプロテロン等
はジヒドロテストステロンがその受容体に結合するのを
阻害するといわれている。
【0005】しかしながら、従来用いられている上記の
育毛,養毛成分やテストステロン−5αリダクター阻害
剤の中には、副作用があるため配合可能な量が制限され
たり、効果が不十分であったり、頭髪用外用剤製剤中で
の安定性が悪かったり、或いは一定の品質のものを得る
のが困難であるといった問題を有するものが少なくなか
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、頭皮に適
用することにより、毛根を活性化して脱毛を予防し、発
毛・育毛を促進することができ、頭皮に対し安全性の高
い、頭髪用外用剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべく
種々検討を行ったところ、アガリクス茸(Agaricus blaz
ei Murill)子実体の抽出物が毛根を賦活化し、脱毛防
止、発毛・育毛促進作用を発揮することを見いだした。
このアガリクス茸(Agaricus blazei Murill)子実体の抽
出物においては、皮膚刺激性,接触感作性といった皮膚
への悪影響もなく、品質も安定していた。
【0008】アガリクス茸(Agaricus blazei Murill)
は、担子菌類ハラタケ目ハラタケ科ハラタケ属の一種
で、カワリハラタケやヒメマツタケとも呼ばれる。アガ
リクス茸は北米の南東部及び南米に分布し、ブラジル東
南部においては昔から住民が食用としていた茸の一種で
ある。このアガリクス茸の有効性については特にその抗
腫瘍活性について多くの報告がなされている。例えば、
アガリクス茸の子実体或いは菌糸体を水性溶媒で抽出す
ることにより抗腫瘍作用を有する多糖類が得られること
(特開昭55−74797号公報,特開昭55−108
292号公報,特開昭64−67194号公報,特開平
1−67195号公報,特開平6−128164号公報
等)、アガリクス茸の子実体から抗腫瘍作用を有する核
酸成分が得られること(特開平1−66127号公
報)、アガリクス茸の熱水抽出残さから抗腫瘍活性を有
する蛋白多糖体が単離されること(特開平2−7863
0号公報)、アガリクス茸の85%エタノール抽出残さ
から抗腫瘍活性を有する糖蛋白質が得られること(特開
平6−9423号公報)、アガリクス茸子実体中に存在
する抗腫瘍活性を有するエルゴステロール誘導体(特開
平1−246299号公報)等が開示されている。また
アガリクス茸の生理活性として、アガリクス茸子実体抽
出物を有効成分とする肝機能改善剤(特開平2−124
829号公報)、アガリクス茸菌糸体培養抽出物の抗ア
レルギー作用(特開平1−228480号公報)、アガ
リクス茸子実体抽出物の免疫能低下改善作用(特開平7
−258107)等が報告されている。今回本発明者等
は、アガリクス茸子実体の溶媒抽出物において、顕著な
毛根賦活作用を新たに発見し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
【0010】本発明で用いられるアガリクス茸(Agaricu
s blazei Murill)は、すでに広く知られており、工業技
術院生命工学工業技術研究所に寄託番号、生命研菌寄第
4731号として寄託されている。
【0011】アガリクス茸の子実体から抽出物を得る場
合、子実体は、生の子実体或いは乾燥した子実体のいず
れを用いても良い。またアガリクス茸子実体の抽出物を
得る抽出溶媒としては、水、エタノール,メタノール,
イソプロパノール,イソブタノール,n-ヘキサノール,
メチルアミルアルコール,2-エチルブタノール,n-オク
チルアルコールなどのアルコール類、グリセリン,エチ
レングリコール,エチレングリコールモノメチルエーテ
ル,エチレングリコールモノエチルエーテル,プロピレ
ングリコール,プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル,プロピレングリコールモノエチルエーテル,トリエ
チレングリコール,1,3-ブチレングリコール,ヘキシレ
ングリコール等の多価アルコール又はその誘導体、アセ
トン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,
メチル-n-プロピルケトンなどのケトン類、酢酸エチ
ル,酢酸イソプロピルなどのエステル類、エチルエーテ
ル,イソプロピルエーテル,n-ブチルエーテル等のエー
テル類などの極性溶媒から選択される1種又は2種以上
の混合溶媒が好適に使用できる。また、リン酸緩衝生理
食塩水等の無機塩類を添加した極性溶媒、界面活性剤を
添加した極性溶媒を用いることもでき、特に限定はされ
ない。上記の抽出溶媒の中でも、エタノール,メタノー
ル,1,3-ブチレングリコール,水から選択される1種の
溶媒又は2種以上の混合溶媒、及びこれらの溶媒に無機
塩,界面活性剤を添加した溶媒が好ましく用いられる。
【0012】さらに、抽出方法としては、室温,冷却又
は加温した状態で含浸させて抽出する方法、水蒸気蒸留
等の蒸留法を用いて抽出する方法、生のアガリクス茸を
直接圧搾して抽出物を得る圧搾法等が例示され、これら
の方法を単独で又は2種以上を組み合わせて抽出を行
う。
【0013】抽出の際のアガリクス茸子実体と溶媒との
比率は特に限定されるものではないが、アガリクス茸子
実体1に対して溶媒0.5〜1000重量倍、特に抽出
操作、効率の点で0.5〜100重量倍が好ましい。ま
た、抽出温度は、常圧下で室温から溶剤の沸点以下の範
囲とするのが便利であり、抽出時間は抽出温度などによ
って異なるが、2時間〜2週間の範囲とするのが好まし
い。
【0014】また、このようにして得られたアガリクス
茸子実体抽出物は、抽出物をそのまま用いることもでき
るが、毛母細胞賦活作用を失わない範囲内で脱臭,脱
色,濃縮等の精製操作を加えたり、さらにはカラムクロ
マトグラフィー等を用いて分画物として用いてもよい。
これらの抽出物や精製物、分画物は、これらから溶媒を
除去することによって乾固物とすることもでき、さらに
アルコールなどの溶媒に可溶化した形態、或いは乳剤の
形態で頭髪用外用剤に添加することができる。
【0015】これらのアガリクス茸子実体抽出物の頭髪
用外用剤への配合量は、その効果や添加した際の臭い,
色調の点から考え、0.001〜20重量%の濃度範囲
とすることが望ましい。配合量が0.001重量%未満
であると、十分な毛根賦活作用が得られないが、あまり
多量に配合する必要もなく、20重量%を超えると頭髪
用外用剤の安定性等に影響を及ぼすこともある。
【0016】本発明に係る頭髪用外用剤においては、有
効成分であるアガリクス茸子実体抽出物の他に、さらに
発毛、養毛促進効果を高めるため、エストロン,エスト
ラジオール,エチニルエストラジオール等の卵胞ホルモ
ン、ビタミンE及びその誘導体,センブリ抽出物,ニン
ニク抽出物,ニンジン抽出物,アロエ抽出物,セファラ
ンチン,塩化カルプロニウム,ミノキシジル等の末梢血
管血流促進剤、トウガラシチンキ,カンタリスチンキ,
ショウキョウチンキ,ハッカ油,l−メントール,カン
フル等の局所刺激剤、レゾルシン,サリチル酸,乳酸等
の角質溶解剤、ピリドキシン及びその誘導体等の抗脂漏
剤、ジンクピリチオン,塩化ベンザルコニウム,塩化ベ
ンゼトニウム,クロルヘキシジン,ヒノキチオール等の
殺菌剤、パントテン酸及びその誘導体,胎盤抽出物,ビ
オチン,ペンタデカン酸グリセリド等の毛根賦活剤、グ
リチルリチン酸及びその誘導体,β−グリチルレチン
酸,アラントイン,アズレン,ε−アミノカプロン酸,
ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B12,
D等のビタミン剤、システイン,セリン,メチオニン,
ロイシン,トリプトファン等のアミノ酸類等を同時に配
合することができる。さらにプロゲステロン,デオキシ
コルチコステロン等のステロイド物質、ビシクロヘプテ
ノン誘導体,フェノキシブタン酸誘導体,トコフェリル
キノン,トロポロン誘導体,ブロム酸カリウム,ペンチ
ル基又はネオペンチル基を含有する桂皮酸アミド誘導
体,ユビキノン等のテストステロン5α−リダクターゼ
阻害剤、不飽和脂肪酸,ランジック酸などのシクロオキ
シゲナーゼ阻害剤、ウツボグサ,ケイガイ,セイヨウハ
ッカ,セージ,タイム,シソ,ハッカ,マンネンロウ,
アルニカ,カワラヨモギ,カッコウアザミ,ホップ等の
テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用を有する植
物抽出物等を同時に配合することもできる。
【0017】さらに本発明の効果を損なわない範囲内
で、頭髪用外用剤として一般的に使用される各種成分、
例えば、アボカド油,パーム油,ピーナッツ油,コメヌ
カ油,ホホバ油,オレンジラフィー油,マカデミアナッ
ツ油,スクワラン,月見草油,セサミ油,サンフラワー
油,サフラワー油,キャローラ油,カルナウバワック
ス,パラフィンワックス,ラノリン,リンゴ酸ジイソス
テアリル,イソステアリルアルコール,流動パラフィン
等の油分、グリセリン,ジグリセリン,ポリグリセリ
ン,ソルビット,ポリエチレングリコール,1,3-ブチレ
ングリコール,コラーゲン,ヒアルロン酸等の保湿剤、
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン,2-ヒドロキ
シ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸,2-ヒドロ
キシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸ナトリウ
ム等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸,パ
ラアミノ安息香酸エチル,パラジメチルアミノ安息香酸
オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ
桂皮酸-2-エチルヘキシル,ジパラメトキシ桂皮酸モノ-
2-エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシ桂皮酸誘導
体類、サリチル酸オクチル,サリチル酸ミリスチル等の
サリチル酸誘導体、ウロカニン酸、4-tert-ブチル-4'-メ
トキシジベンゾイルメタン,2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤、グ
アガム,ローカストビーンガム,カラギーナン,クイン
スシード,ペクチン,マンナン,キサンタンガム,デキ
ストラン,カードラン,ヒアルロン酸等の天然多糖類、
ゼラチン,カゼイン,アルブミン,コラーゲン等の動物
系高分子、メチルセルロース,エチルセルロース,ヒド
ロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロー
ス,カルボキシメチルセルロース等のセルロース系半合
成高分子、可溶性デンプン,カルボキシメチルデンプ
ン,メチルデンプン等のデンプン系半合成高分子、アル
ギン酸プロピレングリコールエステル,アルギン酸塩等
のアルギン酸系半合成高分子、ポリビニルアルコール,
ポリビニルピロリドン,カルボキシビニルポリマー,ポ
リアクリル酸ナトリウム,ポリエチレンオキサイド等の
合成高分子、ベントナイト,ラポナイト,コロイダルア
ルミナ等の無機物系高分子等の水溶性高分子、ジブチル
ヒドロキシトルエン,ブチルヒドロキシアニソール,没
食子酸エステル等の酸化防止剤、高級脂肪酸石鹸,アル
キル硫酸エステル塩,ポリオキシエチレンアルキルエー
テル硫酸塩,アシルメチルタウリン塩,アルキルエーテ
ルリン酸エステル塩,アシルアミノ酸塩等のアニオン界
面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム,塩化
ジアルキルジメチルアンモニウム,塩化ベンザルコニウ
ム等のカチオン界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢
酸ベタイン,アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン,2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチ
ルイミダゾリニウムベタインなどの両性界面活性剤、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレングリコール,ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンアルキルエーテル,ポリオキシアルキ
レン脂肪酸グリセリンエステル,ポリオキシアルキレン
ソルビタンエステル,ソルビット系オリゴマー型テトラ
エステル,ソルビット系オリゴマー型ヘキサエステル,ポ
リエチレングリコールエステル,ポリオキシアルキレン
グリセリン脂肪酸エステル,ポリオキシアルキレンソル
ビタン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル,アルキロ
ールアミド,脂肪酸アミド等のノニオン界面活性剤、エ
チレンジアミン四酢酸ナトリウム塩,ポリリン酸ナトリ
ウム,クエン酸,メタリン酸ナトリウム,コハク酸,グ
ルコン酸等の金属イオン封鎖剤、酸化亜鉛,アラントイ
ンヒドロキシアルミニウム,塩化アルミニウム,タンニ
ン酸,クエン酸,乳酸等の収れん剤、メントール,カン
フル等の清涼化剤、塩酸ジフェンヒドラミン,マレイン
酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤、サリチル
酸,レゾルシン等の角質剥離・溶解剤、α−ヒドロキシ
酸類等を配合することができる。
【0018】本発明は、ローション剤,乳剤,ゲル剤,
クリーム,軟膏等の形態で提供することができる。ま
た、ヘアーローション,ヘアートニック,ヘアーミル
ク,ヘアージェル,ヘアークリーム,ヘアーパック,ヘ
アートリートメント,ヘアーシャンプー,ヘアーリンス
といった形態の頭髪用化粧料としても提供される。
【0019】
【実施例】本発明の実施例に使用したアガリクス茸子実
体抽出物の製造例を、まず示す。
【0020】[製造例1〜4]表1に示した抽出溶媒を
用いて、アガリクス茸子実体抽出物を調製した。乾燥し
たアガリクス茸子実体を粉砕し、その10重量倍の溶媒
を添加して、室温で3日間浸漬した後濾過して得たろ液
を、アガリクス茸子実体抽出物とした。
【0021】
【表1】
【0022】アガリクス茸子実体抽出物の毛包細胞増殖
促進作用を、培養マウス毛包細胞を用いて検討した。新
生児マウスより分離した毛包細胞を、10容量%牛胎児
血清含有ダルベッコ培地を用いて、細胞濃度1×104
個/穴で96穴マイクロプレートに播種した。37℃で
24時間培養した後、アガリクス茸子実体抽出物を添加
したMCDB培地に交換した。4日間培養後、MTT還
元法により細胞活性を測定した。アガリクス茸子実体抽
出物を添加しない系を対照とし、その値を100として
細胞活性を表した。
【0023】MTT還元法は、細胞のミトコンドリア内
に存在する脱水素酵素が基質に作用して生じるNADH
により、系に添加したMTT(2-(4,5-ジメチル-2-チア
ゾリル)-3,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)のテ
トラゾリウム環が開環することを利用する測定法であ
り、テトラゾリウム環の開環により生成する青色のファ
ルマザンを560nmにおける吸光度により測定して、細
胞活性を求めるものである。
【0024】
【表2】
【0025】表2より明らかなように、製造例1〜製造
例4に示したアガリクス茸子実体抽出物は、マウス由来
培養毛包細胞の細胞活性を著しく高めることが示され
た。
【0026】さらに、アガリクス茸子実体抽出物の発毛
促進作用を、C57/Blackマウスを用いて検討し
た。C57/Blackマウス背部をバリカンで約2×
4cmの大きさに毛刈りし、脱毛フォームで処理して完全
に除毛し、24時間経過後より、製造例1〜製造例4に
示したアガリクス茸子実体抽出物の5%エタノール溶液
を1日1回0.1mlずつ20日間連続塗布した。試験最
終日に発毛した毛を全て抜き取り、その総重量を測定し
た。試験は一群10匹で行い、平均値を表3に示した。
その際、溶媒のエタノールのみを塗布した群を対照とし
た。
【0027】
【表3】
【0028】表3より明らかなように、製造例1〜製造
例4に示したアガリクス茸子実体抽出物は、対照と比較
して優れた発毛促進効果を有することが示された。
【0029】[実施例1〜実施例4]頭髪用ローション 表4に示したアガリクス茸子実体抽出物を用いて、下記
の処方により頭髪用ローションを調製した。 (処方) (1)エタノール 30.0(重量%) (2)ヒドロキシエチルセルロース 1.0 (3)アガリクス茸子実体抽出物 0.5 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (5)精製水 68.4 製法:(1)〜(5)を混合し均一とする。
【0030】
【表4】
【0031】実施例1〜4について、養毛効果の試験を
行った。その際、前記実施例中のアガリクス茸抽出物を
精製水に代替した頭髪用ローションを調製し、比較例1
として同様に試験を行った。使用試験は、薄毛の気にな
る男女パネラー20名を1群とし、1日2回、6ヶ月間
連続して使用させ、薄毛の改善状況,使用時の刺激感の
有無について官能評価させて行った。官能評価結果は、
薄毛の改善状況については、「改善された;5点」,
「やや改善された;4点」,「変化無し;3点」,「や
や悪化した;2点」,「悪化した;1点」、使用時の刺
激感としては「ない;5点」,「ややない;4点」,
「どちらともいえない;3点」,「ややある;2点」,
「ある;1点」として点数化し、20名の平均値を求め
た。結果は表5に示した。
【0032】
【表5】
【0033】表5において明らかなように、本発明の実
施例使用群では、明らかな薄毛改善傾向が認められてい
た。これに対し、アガリクス茸子実体抽出物を配合して
いない比較例1においては、薄毛の改善された使用者は
一人もいなかった。また、使用時の刺激感についても、
本発明の実施例1から実施例4及び比較例1はともに、
特に問題となる刺激感及び不快感は認められなかった。
【0034】なお、上記使用期間中において、実施例1
〜実施例4のいずれにおいても製剤の変質や状態の悪化
は見られず、各実施例を使用したパネラーにおいても、
紅斑や浮腫の発生といった皮膚刺激性反応や、皮膚感作
性反応は全く認められなかった。
【0035】 [実施例5]頭髪用クリーム (1)流動パラフィン 15.0(重量%) (2)ワセリン 15.0 (3)ミツロウ 2.0 (4)ポリオキシエチレン(50EO)硬化ヒマシ油 3.0 (5)グリセリン 5.0 (6)カルボキシビニルポリマー 0.1 (7)キサンタンガム 0.1 (8)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.1 (9)精製水 57.7 (10)水酸化ナトリウム 0.5 (11)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.5 (12)エタノール 1.0 製法;(1)〜(3)の油相を加熱溶解し、80℃とする。
一方(4)〜(9)の水相成分を混合,加熱溶解し、80℃
とする。水相に油相を攪拌しながら加え、ホモジナイザ
ーにより均一に乳化し、(10)を添加する。冷却後30℃
にて(11)を(12)に溶解して添加する。
【0036】 [実施例6]頭髪用ゲル剤 (1)カルボキシビニルポリマー 0.7(重量%) (2)ポリビニルピロリドン 2.0 (3)グリセリン 5.0 (4)水酸化ナトリウム 0.2 (5)エタノール 10.0 (6)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.1 (7)精製水 78.7 (8)アガリクス茸子実体抽出物(製造例2) 0.3 (9)エタノール 3.0 製法:(1)を(3)と(7)の一部に分散する。これに
(2),(4)〜(6)を(7)の残部に溶解して加え、更に
(8)及び(9)を添加する。
【0037】 [実施例7]セットローション (1)ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体 5.0(重量%) (2)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (3)香料 0.2 (4)アガリクス茸子実体抽出物(製造例3) 0.4 (5)エタノール 30.0 (6)ポリオキシエチレン変性シリコーン 0.5 (7)グリセリン 2.0 (8)精製水 61.8 製法:(1)〜(4)を(5)に順次添加して溶解する。一方
(6)〜(8)の水相を混合,溶解し、前記溶液に加えて混
合して均一とする。
【0038】 [実施例8]ヘアリキッド (1)エタノール 50.0(重量%) (2)ポリオキシプロピレン(40PO)ブチルエーテル 20.0 (3)ポリオキシエチレン(50EO)硬化ヒマシ油 1.0 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.15 (5)アガリクス茸子実体抽出物(製造例4) 0.5 (6)香料 0.1 (7)青色1号(1%水溶液) 0.1 (8)精製水 28.15 製法:(1)に(2)〜(8)の成分を順次添加して溶解し、
均一化する。
【0039】 [実施例9]ウォーターグリース (1)カルボキシビニルポリマー 0.5(重量%) (2)グリセリン 50.0 (3)精製水 38.6 (4)ポリオキシエチレン(20EO) 0.2 オクチルドデシルエーテル (5)水酸化ナトリウム 0.1 (6)エタノール 10.0 (7)香料 0.2 (8)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.2 (9)アガリクス茸子実体抽出物(製造例3) 0.2 製法:(1)を(2)に分散させ、(4)を溶解した(3)に添
加して加熱溶解して均一化する。冷却後(5)の成分で中
和し、(7)〜(9)を(6)に溶解して添加する。
【0040】 [実施例10]ヘアーフォーム (原液処方) (1)シリコーン油 5.0(重量%) (2)ポリオキシエチレン(50EO)硬化ヒマシ油 1.0 (3)ジプロピレングリコール 7.0 (4)カチオン化セルロース 3.0 (5)精製水 68.35 (6)エタノール 15.0 (7)パラオキシ安息香酸メチル 0.15 (8)アガリクス茸子実体抽出物(製造例2) 0.5 (充填処方) 原液 90.0 液化石油ガス 10.0 製法:(1)を(2)と(3)の溶解物に添加し、ホモジナイ
ザーで均一に乳化する。これを(4)を(5)に溶解した中
に添加した後、(7)及び(8)を(6)に溶解して添加,混
合し、これを原液とする。充填は缶に原液を充填し、バ
ルブ装着後、液化石油ガスを充填する。
【0041】 [実施例11]ヘアーシャンプー (1)ポリオキシエチレン(3EO)ラウリル硫酸 30.0(重量%) エステルナトリウム塩(30重量%水溶液) (2)ラウリル硫酸エステルナトリウム塩 10.0 (30重量%水溶液) (3)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0 (4)グリセリン 1.0 (5)パラオキシ安息香酸メチル 0.2 (6)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.25 (7)精製水 52.85 (8)エタノール 1.0 (9)香料 0.2 (10)アガリクス茸子実体抽出物(製造例4) 0.5 製法:(7)を70℃に加熱し、(1)〜(6)を加え均一に
溶解した後冷却し、(9)及び(10)を(8)に溶解して添加
する。
【0042】 [実施例12]ヘアリンス (1)シリコーン油 3.0(重量%) (2)流動パラフィン 1.0 (3)セタノール 1.5 (4)ステアリルアルコール 1.0 (5)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7 (6)グリセリン 3.0 (7)パラオキシ安息香酸メチル 0.2 (8)精製水 87.2 (9)エタノール 2.0 (10)アガリクス茸子実体抽出物(製造例2) 0.3 (11)香料 0.1 製法:(1)〜(4)の油相成分及び(5)〜(8)の水相成分
をそれぞれ混合,溶解して70℃に加熱する。水相に油
相を添加して乳化し、冷却後(10)及び(11)を(9)に溶解
して添加する。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、アガリクス茸(Aga
ricus blazei Murill)子実体の抽出物を含有する頭髪用
外用剤は、脱毛防止作用,発毛効果などの育毛作用に優
れると共に、安定性,安全性も良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−345726(JP,A) 特開 平7−316026(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 JICSTファイル(JOIS) CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アガリクス茸(Agaricus blazei Murill)
    子実体の抽出物を含有して成る、頭髪用外用剤。
  2. 【請求項2】 アガリクス茸(Agaricus blazei Murill)
    子実体の極性溶媒抽出物を含有して成る、頭髪用外用
    剤。
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