JP3381539B2 - 電動式パワーステアリングの制御装置 - Google Patents

電動式パワーステアリングの制御装置

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JP3381539B2
JP3381539B2 JP2518897A JP2518897A JP3381539B2 JP 3381539 B2 JP3381539 B2 JP 3381539B2 JP 2518897 A JP2518897 A JP 2518897A JP 2518897 A JP2518897 A JP 2518897A JP 3381539 B2 JP3381539 B2 JP 3381539B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操舵系に加えられ
る操舵トルクを操舵トルク検出手段で検出し、その検出
値に応じて電動機で発生する操舵補助力を制御すること
により、軽い操舵を行うようにした電動式パワーステア
リングの制御装置に関し、特に電源系統の異常時発生時
に運転者に違和感を与えないようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電動式パワーステアリングの制御
装置としては、例えば特開平5−77749号公報(以
下、単に従来例と称す)に記載されているものがある。
【0003】この従来例には、イグニッションスイッチ
をオンにしてエンジンを回転させると、その状況がエン
ジン回転センサからCPUに伝達され、これによって操
舵アシスト力を発生する電動モータに操舵トルクを検出
するトルクセンサのトルク検出値に応じたモータ電流の
供給を開始すると共に、リレーをオンとして電動モータ
のドライバーに電力を供給して電動モータの制御を開始
し、エンジンの回転が継続している間モータ電流の制御
が継続されるが、走行中にエンジンが停止したときに
は、車速センサの車速検出値が設定速度である3km/h以
上であるときはモータ電流の出力とリレーのオンを継続
し、車速検出値が設定速度未満となるとモータ電流の出
力が停止されると共に、リレーがオフとなってドライバ
ーに対する電力の供給が遮断されるようにした電動パワ
ーステアリング装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電動式パワーステアリングの制御装置にあっては、
イグニッションスイッチがオンとなってエンジンが回転
しているときには、バッテリの電力がイグニッションス
イッチを介してCPUに供給されることにより、このC
PUが作動状態となって、電動モータへのモータ電流を
制御することにより、操舵系に対して電動モータによる
操舵補助力を作用させるようにしているので、イグニッ
ションスイッチを含む電源系統のハーネスが断線しかか
りとなったり、接触不良が生じることにより、CPUに
対する電力の供給がオン・オフ状態を繰り返す状態とな
ると、CPUが作動状態・非作動状態を繰り返すことに
なり、これによってモータ電流の出力が断続的に行われ
て、操舵系に対する操舵補助力の付与が断続的に行われ
ることになり、運転者に違和感を与えるという未解決の
課題がある。
【0005】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、制御手段に供給さ
れるイグニッションスイッチ、キースイッチ等を含む電
源系統に異常が発生したときでも操舵系に対する操舵補
助力の付与を継続して、運転者に違和感を与えることを
確実に阻止することができる電動式パワーステアリング
の制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る電動式パワーステアリング装置の制
御装置は、操舵系に加えられる操舵トルクを検出する操
舵トルク検出手段と、前記操舵系に対して操舵補助力を
付加する電動機と、前記操舵トルク検出手段の操舵トル
ク検出値に基づいて前記電動機を制御する制御手段とを
有する電動式パワーステアリングの制御装置において、
前記制御手段に駆動用電力を通電する電源回路と、前記
制御手段への前記電源回路から駆動用電力が通電状態で
あるか非通電状態であるかを検出する通電状態検出手段
と、車両を駆動する駆動源が駆動状態であるか停止状態
であるかを検出する駆動源駆動状態検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記通電状態検出手段で通電状態を検
出し且つ駆動源駆動状態検出手段で駆動源の駆動状態を
検出したときに前記電動機の制御を開始し、前記通電状
態検出手段で非通電状態を検出し且つ前記駆動源駆動状
態検出手段で駆動源の停止状態を検出したときに前記電
動機の制御を停止するように構成されていることを特徴
としている。
【0007】また、請求項2に係る電動式パワーステア
リング装置の制御装置は、操舵系に加えられる操舵トル
クを検出する操舵トルク検出手段と、前記操舵系に対し
て操舵補助力を付加する電動機と、前記操舵トルク検出
手段の操舵トルク検出値に基づいて前記電動機を制御す
る制御手段とを有する電動式パワーステアリングの制御
装置において、前記制御手段に駆動用電力を通電する電
源回路と、前記制御手段への前記電源回路から駆動用電
力が通電状態であるか非通電状態であるかを検出する通
電状態検出手段と、車両を駆動する駆動源が駆動状態で
あるか停止状態であるかを検出する駆動源駆動状態検出
手段と、車速を検出する車速検出手段とを備え、前記制
御手段は、前記通電状態検出手段で通電状態を検出し且
つ駆動源駆動状態検出手段で駆動源の駆動状態を検出し
たときに前記電動機の制御を開始し、前記通電状態検出
手段で非通電状態を検出し且つ前記駆動源駆動状態検出
手段で駆動源の停止状態を検出し、さらに前記車速検出
手段の車速検出値が予め設定された設定値未満であると
きに前記電動機の制御を停止するように構成されている
ことを特徴としている。
【0008】さらに、請求項3に係る電動式パワーステ
アリング装置の制御装置は、操舵系に加えられる操舵ト
ルクを検出する操舵トルク検出手段と、前記操舵系に対
して操舵補助力を付加する電動機と、前記操舵トルク検
出手段の操舵トルク検出値に基づいて前記電動機を制御
する制御手段とを有する電動式パワーステアリングの制
御装置において、前記制御手段に駆動用電力を通電する
電源回路と、前記制御手段への前記電源回路から駆動用
電力が通電状態であるか非通電状態であるかを検出する
通電状態検出手段と、車両を駆動する駆動源がが駆動状
態であるか停止状態であるかを検出する駆動源駆動状態
検出手段とを備え、前記制御手段は、前記通電状態検出
手段で通電状態を検出し且つ駆動源駆動状態検出手段で
駆動源の駆動状態を検出したときに前記電動機の制御を
開始し、前記通電状態検出手段で非通電状態を検出し且
つ前記駆動源駆動状態検出手段で駆動源の停止状態を検
出し、さらに前記操舵トルク検出手段の操舵トルク検出
値が予め設定された設定値未満であるときに前記電動機
の制御を停止するように構成されていることを特徴とし
ている。
【0009】さらにまた、請求項4に係る電動式パワー
ステアリング装置の制御装置は、請求項1乃至3の発明
において、前記電源回路は、キースイッチが介挿された
第1の電源系統と、該第1の電源系統と並列な第2の電
源系統と、前記第1の電源系統及び第2の電源系統の何
れかを選択する選択回路とを有し、前記通電状態検出手
段は前記第1の電源系統が通電状態であるか非通電状態
であるかを検出し、前記選択回路は、常時は第1の電源
系統を選択し、前記通電状態検出手段で非通電状態を検
出したときに第2の電源系統を選択するように構成され
ていることを特徴としている。
【0010】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、制御手段
への通電が開始され且つエンジン等の駆動源が回転駆動
状態となったときに、電動機に対する操舵補助力制御を
開始する一方、制御手段への通電が停止され且つ駆動源
が停止したときに電動機に対する操舵補助力制御を停止
するようにしたので、制御手段への電源系統を構成する
ハーネス等が断線しかかり状態となったり、接触不良が
発生して、電源回路から制御手段に対する電力供給状態
が、通電状態と非通電状態を繰り返す場合でも駆動源が
停止しない限り電動機に対する操舵補助力制御が継続さ
れて、電動機の駆動が断続されることを確実に防止する
ことができ、運転者に違和感を与えることを確実に阻止
することができるという効果が得られる。
【0011】また、請求項2に係る発明によれば、上記
請求項1に係る発明の構成に加えて、電動機に対する操
舵補助力制御の停止条件が制御手段への通電が停止され
且つ駆動源が停止し、さらに車速検出値が設定値未満と
なったときに設定されているので、車両が設定車速以上
で走行しているときには電動機に対する操舵補助力制御
が継続されて、電動機の駆動が断続されることを確実に
防止することができ、運転者に違和感を与えることを確
実に阻止することができるという効果が得られる。
【0012】さらに、請求項3に係る発明によれば、上
記請求項1に係る発明の構成に加えて、電動機に対する
操舵補助力制御の停止条件が制御手段への通電が停止さ
れ且つ駆動源が停止し、さらに操舵トルク検出値が設定
値未満となったときに設定されているので、車両の操舵
トルク検出値が設定値以上であるときには操舵補助力制
御が継続されて、電動機の駆動が断続されることを確実
に防止することができ、運転者に違和感を与えることを
確実に阻止することができるという効果が得られる。
【0013】さらにまた、請求項4に係る発明によれ
ば、請求項1乃至3の何れかに係る発明において、制御
手段に駆動電源を供給する電源回路がキースイッチが介
挿された第1の電源系統と、これと並列な第2の電源系
統と、これらを選択する選択回路とで構成されているこ
とにより、選択回路で通電状態検出手段で第1の電源系
統が通電状態であることを検出しているときには、この
第1の電源系統を選択するが、この第1の電源系統が非
通電状態となると第2の電源系統を選択することによ
り、制御手段への駆動電源の供給を確実に継続して、電
動機の制御状態を維持することができるという効果が得
られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す
概略構成図であり、ステアリングホイール1は、ステア
リングシャフト2の上端部に連結され、このステアリン
グシャフト2は固定部に支持されて下方に延長され、そ
の下端部にピニオン3が装着されている。
【0015】このピニオン3は、車両幅方向に水平に延
長するラック4に噛合して、ステアリングギヤを構成
し、ステアリングホイール1からステアリングシャフト
2回りの回転運動がラック4の直進運動(並進運動)に
変換される。
【0016】そして、水平に延在するラック4の両端部
は、夫々タイロッド5を介してナックル及び転舵輪6に
接続され、ラック4が水平方向移動(並進運動)するこ
とで左右の転舵輪6が転舵される。
【0017】また、ステアリングシャフト2におけるピ
ニオン3の上部には、減速機を構成するリングギヤ11
が同軸に固定され、このリングギヤ11に操舵補助モー
タ8の駆動軸9に連結されたリングギヤ10が噛合さ
れ、操舵補助モータ8が後述するコントロールユニット
7から出力されるデューティ制御されたパルス電流によ
って操舵トルクに応じた操舵補助力を発生するように制
御される。
【0018】さらに、ステアリングシャフト2における
リングギヤ11の上部にトルク検出機構12が設けられ
ている。このトルク検出機構12は、ステアリングシャ
フト2の下端部とピニオン3の上端部を連結する図示さ
れないトーションバーと、その外周に配置された操舵ト
ルクセンサ13とで構成されている。
【0019】この操舵トルクセンサ13は、上記トーシ
ョンバーの捩じれ量から操舵トルクを検出し、その操舵
トルクの大きさに応じた且つステアリングホイール1の
右切り(ピニオン3からの入力に対しては左回り)で正
値、ステアリングホイール1の左切り(ピニオン3から
の入力に対しては右回り)で負値の電圧信号でなるトル
ク検出値TM及びTSを、後述するコントロールユニッ
ト7に供給する。
【0020】また、操舵補助モータ8には電流検出手段
を構成する電流検出器14が取付けられており、この電
流検出器14で操舵補助モータ8に流れる実電流が検出
され、その大きさに応じた電流信号からなる実電流検出
値iが、コントロールユニット7に供給される。
【0021】さらに、車両を走行駆動する駆動源として
のエンジンの回転数に応じたアナログ電圧でなるエンジ
ン回転数信号ENを出力する駆動源駆動状態検出手段と
してのエンジン回転数センサ15が設けられ、このエン
ジン回転数センサ15から出力されるエンジン回転数信
号ENが、コントロールユニット7に供給される。
【0022】さらにまた、車両には車速を検出する車速
センサ16が搭載されており、この車速センサ16によ
って車両前後方向車速が検出され、この車速の大きさに
応じた電圧信号でなる車速検出値VSPがコントロールユ
ニット7に供給される。
【0023】コントロールユニット7は、図2に示すよ
うに、バッテリ20の例えば12Vの電圧を5Vに調整
した制御電力CWを出力する電源回路21と、この電源
回路21から供給される制御電力CWで作動し、操舵ト
ルクセンサ13から出力される操舵トルク検出値T、電
流検出器14から出力される実電流検出値i、エンジン
回転数センサ15から出力されるエンジン回転数信号E
N及び車速センサ16から出力される車速検出値VSP
入力し、これらに基づいて操舵補助モータ8の回転方向
と回転速度とを制御するための操舵補助モータ8への駆
動電流をデューティ制御するデューティ制御用信号を出
力するマイクロコンピュータ22と、このマイクロコン
ピュータ22から出力されるデューティ制御用電流パル
スが供給され、これに基づいて操舵補助モータ8の回転
方向と回転速度とを制御するモータ駆動回路23とを備
えている。
【0024】電源回路21は、負極側を接地したバッテ
リ20の正極側に一端が接続されてキースイッチ25を
介挿した第1の電源系統となる第1の電源ラインL
1 と、一端がバッテリ20の正極側に接続されて電源ラ
インL1 と並列な第2の電源系統となる第2の電源ライ
ンL2 と、これら電源ラインL1 及びL2 の他端が個別
の入力側に接続された選択回路としてのアナログスイッ
チ26と、このアナログスイッチ26の出力側に接続さ
れた直流12Vを直流5Vに変換し、これを前記マイク
ロコンピュータ22に制御電力CWとして供給する定電
圧回路27と、この定電圧回路27の出力側に接続され
た充電用コンデンサ28とを備えている。
【0025】ここで、アナログスイッチ26は、マイク
ロコンピュータ22から出力されるセレクト信号SLが
入力され、このセレクト信号SLが論理値“0”である
ときに第1の電源ラインL1 を選択し、論理値“1”で
あるときに第2の電源ラインL2 を選択するように構成
されている。
【0026】マイクロコンピュータ22は、電源回路2
1からの制御電力CWが入力されることにより後述する
図3及び図4の演算処理を実行開始し、A/D変換機能
を備えた入力側インタフェース回路22a、マイクロプ
ロセッサユニット等からなる演算処理装置(CPU)2
2b及びRAM,ROM等からなる記憶装置22c及び
出力側インタフェース回路22dを有する。
【0027】そして、入力インタフェース回路22aに
は、前記操舵トルクセンサ13の操舵トルク検出値T、
電流検出器14からの実電流検出値i、エンジン回転数
センサ15のエンジン回転数信号EN、車速センサ16
の車速検出値VSP及び第1の電源ラインL1 の電圧が入
力され、出力インタフェース回路22dからは操舵補助
力発生方向を表す左切り方向信号LD及び右切り方向信
号RDと、操舵補助モータ8に供給する電流をデューテ
ィ制御する左切りデューティ制御用電流パルスLP及び
右切りデューティ制御用電流パルスRPと、モータ駆動
回路23の通電を制御する通電制御信号CSとをモータ
駆動回路23に出力し、さらにセレクト信号SLをアナ
ログスイッチ26に出力すると共に、異常時等に操舵補
助制御を停止したときに論理値“1”となる警告信号A
Lを運転席近傍に配設されたワーニングランプ29を駆
動する例えばNPNトランジスタでなるスイッチング素
子30に出力する。
【0028】また、演算処理装置22bは、後述する図
3の演算処理を行って、第1の電源ラインL1 が通電状
態であることを検出し且つエンジン回転数センサ15の
エンジン回転数信号ENに基づいてエンジン回転状態を
検出したときに、操舵トルク検検出値T及び車速検出値
SPに応じたデューティ比Dを演算すると共に、操舵方
向に応じてデューティ比Dに応じたパルス信号LP及び
RPの何れかと操舵方向信号LD及びRDの何れかとを
モータ駆動回路23に出力する操舵補助制御を開始し、
第1の電源ラインL1 が非通電状態となると、論理値
“1”のセレクト信号SLをアナログスイッチ26に出
力して、このアナログスイッチ26を第2の電源ライン
2 側に切換え、この第1の電源ラインL1 の非通電状
態で、エンジンが停止状態となったときに操舵補助制御
を停止させると共に、論理値“0”のセレクト信号SL
をアナログスイッチ26に出力して、これを第1の電源
ラインL1 を選択する状態に復帰させる。
【0029】さらに、記憶装置22cには、予め演算処
理装置15bの演算処理に必要な制御マップや演算式、
プログラム等が格納されていると共に、演算処理装置1
5bの演算過程で必要な演算結果を逐次記憶する。
【0030】一方、モータ駆動回路23は、4個のMO
SFET等のスイッチング素子Q1〜Q4 を2個づつ直
列に接続して2組の直列回路を構成し、これら直列回路
のスイッチング素子Q1 及びQ2 間とQ3 及びQ4 間と
の間に操舵補助モータ8を接続し、且つスイッチング素
子Q1 及びQ3 の入力側が互いに接続されてモータリレ
ー40を介してバッテリ20の正極側に接続され、スイ
ッチング素子Q2 及びQ4 の出力側が互いに接続されて
電流検出用抵抗でなる電流検出器14を介して接地され
て、所謂Hブリッジ回路に構成されている。
【0031】そして、スイッチング素子Q1 及びQ3
夫々マイクロコンピュータ22の出力側インタフェース
回路22dから出力される左切り方向信号LD及び右切
り方向信号RDが、スイッチング素子Q4 及びQ2 に夫
々マイクロコンピュータ22の出力側インタフェース回
路22dから出力される左切りデューティ制御用電流パ
ルスLP及び右切りデューティ制御用電流パルスRPが
夫々供給され、モータリレー40のリレーコイルの一端
がスイッチング素子としてのNPNトランジスタ41を
介してバッテリ20の正極側に接続されていると共に、
他端が接地され、このトランジスタ41にマイクロコン
ピュータ22の出力側インタフェース回路22dから出
力される通電制御信号CSが供給され、さらに電流検出
器14を構成する電流検出用抵抗の上流側がマイクロコ
ンピュータ22の入力側インタフェース回路22aに接
続されている。
【0032】次に、上記実施形態の動作をマイクロコン
ピュータ22における演算処理装置22bで実行される
制御処理手順を示す図3及び図4を伴って説明する。図
3の制御処理は、メインプログラムとしてマイクロコン
ピュータ22に電源回路21から制御電力CWが供給さ
れたときに実行開始され、先ず、ステップS1でエンジ
ン回転数センサ15のエンジン回転数信号ENを読込
み、次いで、ステップS2に移行して、エンジンが回転
中であるか否かを判定する。この判定は、エンジン回転
数ENが回転状態と見做せる予め設定された設定回転数
S 以上であるか否かによって行い、EN<NS である
ときには、エンジン停止中であると判断して前記ステッ
プS1に戻り、EN≧NS となるとエンジン回転中であ
ると判断してステップS3に移行する。
【0033】このステップS3では、モータ駆動回路2
3に通電を開始するモータリレー40をオン状態とする
通電制御信号CSをオン状態とし、次いでステップS4
に移行して操舵トルクセンサ13の操舵トルク検出値T
と操舵方向とに基づいてモータ駆動回路23に対する左
切り操舵補助用信号LD,LP又は右切り操舵補助用信
号RD,RPを出力する補助操舵制御処理を実行する。
【0034】次いで、ステップS5に移行して、第1の
電源ラインL1 の電圧VL1を読込み、次いでステップS
6に移行して、読込んだ電圧VL1が予め設定した設定電
圧V S (例えば9V)以上であるか否かを判定する。こ
の判定は、第1の電源ラインL1 即ちキースイッチ25
を含む電源系統に接触不良や断線しかかりによって電圧
が低下して非通電状態となっているか否かを判断するも
のであり、VL1≧VSであるときには、通電状態である
と判断して前記ステップS4に戻り、VL1<V S である
ときには、非通電状態であると判断してステップS7に
移行する。
【0035】このステップS7では、論理値“1”のセ
レクト信号SLをアナログスイッチ26に出力し、次い
でステップS8に移行して、再度ステップS1と同様に
エンジン回転数センサ15のエンジン回転数信号ENを
読込み、次いでステップS9に移行して、前記ステップ
S2と同様にエンジン回転数信号ENが設定回転数N S
以上であるか否かによってエンジン回転中であるかエン
ジン停止中であるかを判定し、その判定結果がエンジン
回転中であるときには前記ステップS4に戻り、エンジ
ン停止中であるときには、ステップS10に移行して、
モータ駆動回路23に対してする各信号LD,LP,R
D,RPの出力を停止すると共に、通電制御信号CSを
オフ状態として操舵補助制御を停止する。
【0036】次いで、ステップS11に移行して、論理
値“0”のセレクト信号SLをアナログスイッチ26に
出力して、これを第1の電源ラインL1 側に切換えてか
ら処理を終了する。
【0037】そして、前記ステップS4の操舵補助力制
御処理の具体例は、図4に示すように、先ずステップS
41で、操舵トルクセンサ13の操舵トルク検出値Tを
読込み、次いでステップS42に移行して車速センサ1
6の車速検出値VSPを読込んでからステップS43に移
行する。
【0038】このステップS43では、読込んだ車速検
出値Vに基づいて図5に示す車速をパラメータとして操
舵トルク検出値Tとモータ目標駆動電流i* との関係を
表す制御マップの何れかを選定する制御マップ選定処理
を行ってからステップS44に移行する。
【0039】このステップS44では、ステップS41
で読込んだ操舵トルク検出値TをもとにステップS43
で選定され制御マップを参照して、操舵補助モータの目
標駆動電流i* を算出し、次いでステップS45に移行
して、電流検出器14の実電流検出値iを読込み、次い
でステップS46に移行して、下記(1)式の演算を行
って、デューティ比Dを算出する。
【0040】 D=K(i* −i) …………(1) ここに、Kは制御ゲインであって、目標駆動電流i*
実電流検出値iとの許容誤差範囲例えば数A程度を見込
んで十数〜数十程度の値に設定される。
【0041】次いで、ステップS47に移行して、前記
ステップS41で読込んだ操舵トルク検出値Tが零を含
む正であるか否かを判定し、T≧0であるときには左切
り状態であると判断してステップS48に移行し、左切
り方向信号LDをオン状態とし、且つ右切り方向信号R
Dをオフ状態とすると共に、ステップS46で算出され
たデューティ比Dの左切りデューティ制御用電流パルス
LPを出力し、且つオフ状態の右切りデューティ制御用
電流パルスRPを出力してから前述した図3のステップ
S5に移行し、T<0であるときには右切り状態である
と判断してステップS49に移行し、右切り方向信号R
Dをオン状態とし、且つ左切り方向信号LDをオフ状態
とすると共に、ステップS46で算出されたデューティ
比Dの右切りデューティ制御用電流パルスRPを出力
し、且つオフ状態の左切りデューティ制御用電流パルス
LPを出力してから前述した図3のステップS5に移行
する。
【0042】なお、図3及び図4の処理が制御手段に対
応し、このうちステップS1,S2,S8,S9の処理
が駆動源駆動状態検出手段に対応し、ステップS5,S
6の処理が通電状態検出手段に対応している。
【0043】したがって、今、図6のタイムチャートに
示すように、時点t1 で図6(a)に示すように車両が
停止状態であり且つキースイッチ25が図6(b)に示
すようにオフ状態であると共に、エンジンも図6(d)
に示すように停止しているものとする。
【0044】この停止状態では、電源回路21のアナロ
グスイッチ26に供給されているセレクト信号SLが論
理値“0”であって、アナログスイッチ26がキースイ
ッチ25を介挿した第1の電源ラインL1 側に切換えら
れており、キースイッチ25がオフ状態であるので、ア
ナログスイッチ26の入力側での第1の電源ラインL 1
の電圧VL1は図6(c)に示すように零となっており、
このアナログスイッチ26の出力側に接続された定電圧
回路27から出力される制御電力CWも零となってマイ
クロコンピュータ22への制御電力が遮断状態にあり、
モータ駆動回路23のモータリレー40もオフ状態とな
って、電動モータ8への通電が遮断状態となっており、
この電動モータ8による補助操舵は図6(e)に示すよ
うに停止されている。
【0045】この停止状態で、時点t2 でキースイッチ
25をオン状態とすると、バッテリ20の駆動電力がキ
ースイッチ25を介してアナログスイッチ26に供給さ
れるので、その入力側における第1の電源ライン6の電
圧VL1が図6(c)に示すように所定電圧まで上昇し、
これがアナログスイッチ26を介して定電圧回路27に
供給されることになり、この定電圧回路27から例えば
5Vの制御電力CWが出力され、これがマイクロコンピ
ュータ22に通電される。
【0046】このように、マイクロコンピュータ22へ
の通電が開始されると、演算処理装置22bで図3及び
図4の制御処理が実行開始されるが、この時点t2 では
エンジンが始動されていないので、ステップS1で読込
んだエンジン回転数センサ15のエンジン回転数信号E
Nは零となっており、EN<NS となることからステッ
プS1及びステップS2を繰り返すことになり、モータ
駆動回路23に対して制御信号LD,LP,RD,RP
が出力されないと共に、通電制御信号CSもオフ状態で
あるので、モータ駆動回路23が非作動状態を維持し、
電動モータ8による補助操舵は図6(e)に停止された
状態を継続する。
【0047】この状態で、時点t3 でイグニッションス
イッチ(図示せず)をオン状態としてエンジンを始動さ
せると、これに応じてエンジン回転数センサ15のエン
ジン回転数信号ENが増加して設定回転数NS 以上とな
ることにより、図3の制御処理において、ステップS2
からステップS3に移行して、オン状態の通電制御信号
CSをモータ駆動回路23のトランジスタ41に出力す
る。このため、トランジスタ41がオン状態となって、
モータリレー40がオン状態となり、バッテリ20から
の直流電力がHブリッジ回路に供給開始され、図6
(e)に示すように操舵補助制御状態に移行する。
【0048】このとき、ステアリングホイール1を操舵
していない状態では、操舵トルクセンサ13の操舵トル
ク検出値Tは略“0”となっており、車速検出値VSP
零であるので、ステップS43で図5に示す特性線の内
傾斜が一番大きい特性線L1に対応する制御マップが選
択されるが、操舵トルク検出値Tが“0”であるので、
ステップS44で算出されるモータ目標駆動電流値i*
も“0”となる。
【0049】一方、電動モータ8も停止しているので、
電流検出器14で検出される実電流検出値iも“0”で
あるので、ステップS46で算出されるデューティ比D
も“0”となり、ステップS48で左方向信号LDをオ
ン状態、右方向信号RDをオフ状態とし、左切りデュー
ティ制御用電流パルスLPをデューティ比“0”即ちオ
フ状態を維持し、さらに右切りデューティ制御用電流パ
ルスRPをオフ状態に維持する。
【0050】このため、モータ駆動回路23では、スイ
ッチング素子Q1 のみがオン状態となり、他のスイッチ
ング素子Q2 〜Q4 がオフ状態となるので、H型ブリッ
ジ回路には電流が流れず、電動モータ8は非通電状態に
維持され、この電動モータ8で発生する操舵補助トルク
は“0”を維持し、非操舵状態が継続される。
【0051】その後、ステップS5に移行して、第1の
電源ラインL1 の電圧VL1を読込み、ハーネスに断線し
かかりやキースイッチ26の接触不良等が発生していな
い正常状態では、電圧VL1が設定電圧VS より高い電圧
となっているので、前記ステップS4に戻り操舵補助制
御状態を継続する。
【0052】この停車状態で、ステアリングホイール1
を左切りする所謂据え切りを行うと、これに応じて操舵
トルクセンサ13で検出される操舵トルク検出値Tが負
方向に増加する。
【0053】そして、操舵トルク検出値Tが不感帯を越
えて負方向に増加する状態となると、ステップS44で
算出されるモータ目標駆動電流値i* が増加し、これと
電流検出器14で検出された実電流検出値iとの差値に
基づいてデューティ比Dが算出される(ステップS4
6)。そして、操舵トルク検出値Tが負であるので、ス
テップS47からステップS48に移行して、左方向信
号LDをオン状態、右方向信号RDをオフ状態とし、左
切りデューティ制御用電流パルスLPを算出されたデュ
ーティ比Dに応じたオン・オフ比とし、右切りデューテ
ィ制御用電流パルスRPをオフ状態に維持させる。
【0054】このため、モータ駆動回路23のスイッチ
ング素子Q1 がオン状態を継続し、これに加えてスイッ
チング素子Q4 がデューティ比Dでオン・オフするの
で、電動モータ8にデューティ比Dに応じた左切り用の
駆動電流iが流れることになり、電動モータ8が回転駆
動されて操舵トルク検出値Tに応じた左切り用操舵補助
トルクを発生することになり、軽い操舵を行うことがで
きる。
【0055】その後、据え切りを終了すると、操舵トル
ク検出値Tが略“0”の初期状態に戻る。この状態か
ら、車両を時点t4 で走行開始させると、そのときの車
速検出値V SPに応じた制御マップが選択され、そのとき
の操舵トルク検出値Tをもとに選択された制御マップを
参照してモータ目標駆動電流値i* が算出され、これと
実電流検出値iとに基づいてデューティ比Dが算出され
て、操舵方向に応じて左方向信号LD(又は右方向信号
RD)をオン状態、左切りデューティ制御用電流パルス
LP(又は右切りデューティ制御用電流パルスRP)を
算出されたデューティ比Dに応じたオン・オフ比とする
ことにより、走行状態に最適な操舵補助制御を行うこと
ができる。
【0056】その後、車両が走行を継続している状態
で、時点t5 で運転者の操作ミス等によってエンジンが
図6(d)に示すように停止すると、図3の制御処理に
おいては、第1の電源ラインL1 の電圧VL1が図6
(c)に示すように正常値を維持しているので、ステッ
プS4〜ステップS6の処理を繰り返すことになり、エ
ンジン停止にもかかわらず、操舵補助制御が継続され、
運転者に操舵が重くなるという違和感を与えることな
く、良好な操舵補助制御を継続することができる。
【0057】その後、時点t6 でエンジンが図6(d)
に示すように再始動されたときにも、上記ステップS4
〜ステップS6の処理による操舵補助制御状態が継続さ
れる。
【0058】一方、時点t7 で第1の電源ラインL1
ハーネスが断線しかかるか又はキースイッチ26の接触
不良が発生して、この第1の電源ラインL1 の電圧VL1
が急激に低下することにより、非通電状態となると、図
3の制御処理におけるステップS6からステップS7に
移行して、論理値“1”のセレクト信号SLがアナログ
スイッチ26に出力され、これに応じてアナログスイッ
チ26がバッテリ20に直結した第2の電源ラインL2
側に切換えられる。
【0059】このアナログスイッチ26の切換えによっ
て定電源回路27へはバッテリ20からの駆動電力の供
給が継続されることになるが、その切換時に瞬間的に定
電圧回路27から出力される制御電力CWが零となる
が、このときには充電用コンデンサ28に蓄電されてい
る電荷を放電することにより、マイクロコンピュータ2
2に供給される制御電力CWは低下することなく、マイ
クロコンピュータ22での演算処理に影響を与えること
はない。
【0060】次いで、ステップS8に移行して、エンジ
ン回転数センサ15のエンジン回転信号ENを読込み、
この時点t7 ではエンジンが回転しているので、ステッ
プS9でEN≧NS と判断されることからステップS4
に戻り、操舵トルク検出値T及び車速検出値VSPに基づ
く操舵補助制御が継続される。
【0061】しかしながら、この第1の電源ラインL1
が異常な状態で走行している状態で、時点t8 でエンジ
ンが停止したときには、エンジン回転数センサ15のエ
ンジン回転信号ENが零となることにより、ステップS
9からステップS10に移行し、モータ駆動回路23へ
の各制御信号LD,LP,RD,RPの出力が停止され
ると共に、通電制御信号CSがオフ状態に制御されるの
で、モータ駆動回路23のトランジスタ41がオフ状態
となり、これに応じてモータリレー40がオフ状態とな
るので、バッテリ20とH型ブリッジ回路との間の通電
路が遮断され、電動モータ8への通電が停止されて、こ
の電動モータ8による操舵補助トルクの発生が停止さ
れ、図6(e)に示すように、操舵補助制御が終了され
る。
【0062】次いで、ステップS11に移行して、論理
値“0”のセレクト信号SLがアナログスイッチ26に
出力されることにより、このアナログスイッチ26を第
1の電源ラインL1 側に復帰させてから図3の制御処理
が終了される。
【0063】この状態では、第1の電源ラインL1 の電
圧VL1が低下した状態を継続することから、マイクロコ
ンピュータ22への通電が遮断された状態を継続し、図
3の処理は実行されることはなく、操舵補助制御の停止
状態を維持する。その後、第1の電源ラインL1 が非通
電状態を継続していて時点t9 でエンジンを図6(d)
に示すように再始動すると、これに応じてエンジン回転
数センサ15のエンジン回転信号ENが増加するが、こ
の時点t9 では第1の電源ラインL1 が図6(c)に示
すように非通電状態にあり、アナログスイッチ26で第
1の電源ラインL1 側が選択されていることにより、定
電圧回路27から制御電力CWが出力されず、マイクロ
コンピュータ22は非作動状態を維持する。
【0064】その後、時点t10で第1の電源ラインL1
の断線しかかり又は接触不良が解消されると、この第1
の電源ラインL1 の電圧VL1がバッテリ電圧に急増する
ことにより、定電圧回路27から制御電力CWがマイク
ロコンピュータ22に供給される。
【0065】このため、マイクロコンピュータ22の演
算処理装置22bで図3及び図4の処理が実行開始さ
れ、時点t3 と同様に操舵トルク検出値T及び車速検出
値VSPに基づいてモータ目標駆動電流i* が算出され、
これと実電流検出値iとに基づいてデューティ比Dが算
出されることにより、操舵方向に応じて左方向信号LD
(又は右方向信号RD)をオン状態、左切りデューティ
制御用電流パルスLP(又は右切りデューティ制御用電
流パルスRP)を算出されたデューティ比Dに応じたオ
ン・オフ比として、走行状態に最適な操舵補助制御を再
開する。
【0066】その後、時点t11で減速状態として時点t
12で車両を停止させ、その後時点t 13でキースイッチ2
5をオフ状態とすると、第1の電源ラインL1 の電圧V
L1が零となるが、暫くは充電用コンデンサ28の放電に
よるマイクロコンピュータ22への通電状態が維持され
ることにより、図3の制御処理でステップS6からステ
ップS7に移行して、論理値“1”のセレクト信号SL
がアナログスイッチ26に出力されることにより、これ
が第2の電源ラインL2 側に切換えられて、マイクロコ
ンピュータ22への通電が確保される。
【0067】このとき、エンジンが停止することによ
り、ステップS9からステップS10に移行して、モー
タ駆動回路23への各制御信号LD,LP,RD,RP
の出力が停止されると共に、通電制御信号CSがオフ状
態となってバッテリ20からモータ駆動回路23への通
電が遮断され、さらにステップS11で論理値“0”の
セレクト信号SLが出力されることにより、アナログス
イッチ26を第1の電源ラインL1 側に復帰させてから
処理を終了する。
【0068】このように、上記第1の実施形態による
と、操舵補助制御を終了させる条件として、キースイッ
チ25を含む第1の電源ラインL1 が非通電状態とな
り、且つエンジンが停止したことを操舵補助制御を終了
させる条件としたので、車両が走行中或いは停車中で、
操舵を行っているときに、第1の電源ラインL1 で断線
しかかり又は接触不良が発生して、これが非導通状態と
なった場合でも、エンジンが回転している間は操舵補助
制御が継続されることになり、操舵補助制御が断続され
て運転者に違和感を与えることを確実に防止することが
できる。
【0069】また、走行中や停車中の走行状態にかかわ
らず、第1の電源ラインL1 が非導通状態となり、且つ
エンジンが停止したときには、操舵補助制御を停止する
ので、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0070】さらに、電源回路21をキースイッチ25
を含む第1の電源ラインL1 及びバッテリ20に直結す
る第2の電源ラインL2 と、これらを選択するアナログ
スイッチ26と、その出力側に接続された定電圧回路2
7とで構成するようにしたので、第1の電源ラインL1
に断線しかかりや接触不良が発生して、マイクロコンピ
ュータ22への通電が遮断される状態が発生しても、直
ちに第2の電源ラインL2 に切換えてマイクロコンピュ
ータ22への通電を継続させることができ、操舵補助制
御を確実に継続させることができる。
【0071】次に、本発明の第2の実施形態を図7につ
いて説明する。この第2の実施形態は、前述した第1の
実施形態における操舵補助制御を停止する条件にさらに
車速検出値VSPが零であることを付加して、車両の走行
中に操舵補助制御が停止されることを防止するようにし
たものである。
【0072】この第2の実施形態では、構成的には前述
した第1の実施形態における図2と同様の構成を有する
が、マイクロコンピュータ22の演算処理装置22bで
の制御処理が、図7に示すように、図3のステップS9
とステップS10との間に車速検出値VSPを読込むステ
ップS21と、読込んだ車速検出値VSPが予め設定され
た停止近傍の零に近い設定車速VS0以上であるか否かを
判定するステップS22とが介挿され、ステップS22
の判定結果がVSP≧VS0であるときには走行中であると
判断して前記ステップS4に戻り、VSP<VS0であると
きには停止状態であると判断してステップS10に移行
することを除いては図3の処理と同様の処理を行い、図
3の処理と対応する処理には同一ステップ番号を付して
その詳細説明はこれを省略する。
【0073】この第2の実施形態によると、操舵補助制
御を停止する条件として、第1の電源ラインL1 が非通
電状態となり、且つエンジンが停止することに加えて、
車速検出値VSPが設定車速VS0未満となる停止状態であ
ることが追加されているので、図6(f)に示すよう
に、車両の走行中は第1の電源ラインL1 の非通電状態
及びエンジンの停止が同時に発生しても、ステップS4
〜S9,S21,S22を繰り返すことになり、論理値
“1”のセレクト信号SLによってアナログスイッチ2
6を第2の電源ラインL2 に切換えることにより、マイ
クロコンピュータ22への通電路を確保することがで
き、操舵補助制御が継続されることになり、走行中に運
転者に違和感を与えることを確実に防止することができ
る。
【0074】そして、車両を停止させてからキースイッ
チ25をオフ状態として、エンジンを停止させることに
より、始めてステップS22からステップS10に移行
して、モータ駆動回路23への信号LD,LP,RD,
RPの出力を停止すると共に、通電制御信号CSをオフ
状態としてモータ駆動回路23を非作動状態とし、操舵
補助制御を停止させる。
【0075】なお、上記第2の実施形態においては、ス
テップS22で車速検出値VSPが停車状態に近い設定車
速VS0未満となったときに車両が停止状態であると判断
した場合について説明したが、これに限定されるもので
はなく、設定車速VS0を“0”に設定して、完全に車両
が停止したときを操舵補助制御の終了条件とすることも
できる。
【0076】次に、本発明の第3の実施形態を図8につ
いて説明する。この第3の実施形態は、前述した第1の
実施形態における操舵補助制御を停止する条件にさらに
操舵トルク検出値Tが零であることを付加して、車両の
転舵中に操舵補助制御が停止されることを防止するよう
にしたものである。
【0077】この第3の実施形態でも、構成的には前述
した第1の実施形態における図2と同様の構成を有する
が、マイクロコンピュータ22の演算処理装置22bで
の制御処理が、図8に示すように、図3のステップS9
とステップS10との間に操舵トルクセンサ13の操舵
トルク検出値Tを読込むステップS31と、読込んだ操
舵トルク検出値Tが予め設定された非操舵状態である零
に近い設定操舵トルクTS0以上であるか否かを判定する
ステップS32とが介挿され、ステップS32の判定結
果がT≧TS0であるときには操舵中であると判断して前
記ステップS4に戻り、T<TS0であるときには非操舵
状態であると判断してステップS10に移行することを
除いては図3の処理と同様の処理を行い、図3の処理と
対応する処理には同一ステップ番号を付してその詳細説
明はこれを省略する。
【0078】この第3の実施形態によると、操舵補助制
御を停止する条件として、第1の電源ラインL1 が非通
電状態となり、且つエンジンが停止することに加えて、
操舵トルク検出値Tが設定操舵トルクTS0未満となる非
操舵状態であることが追加されているので、図6(f)
に示すように、車両の走行中に第1の電源ラインL1
非通電状態及びエンジンの停止が同時に発生しても、こ
の間の操舵トル検出値Tが設定操舵トルクTS0以上であ
る操舵中であるときにはステップS4〜S9,S31,
S32を繰り返すことになり、論理値“1”のセレクト
信号SLによってアナログスイッチ26を第2の電源ラ
インL2 に切換えることにより、マイクロコンピュータ
22への通電路を確保することができ、操舵補助制御が
継続されることになり、操舵中に運転者に違和感を与え
ることを確実に防止することができる。
【0079】そして、車両を停止させてからキースイッ
チ25をオフ状態として、エンジンを停止させると共
に、ステアリングホイール1から手を放すことにより、
始めてステップS32からステップS10に移行して、
モータ駆動回路23への信号LD,LP,RD,RPの
出力を停止すると共に、通電制御信号CSをオフ状態と
してモータ駆動回路23を非作動状態とし、操舵補助制
御を停止させる。
【0080】なお、上記第2の実施形態においても、ス
テップS32で操舵トルク検出値Tが非操舵状態に近い
設定操舵トルクTS0未満となったときに車両が停止状態
であると判断した場合について説明したが、これに限定
されるものではなく、設定操舵トルクTS0を“0”に設
定して、完全に車両の操舵を停止したときを操舵補助制
御の終了条件とすることもできる。
【0081】また、上記第1〜第3の実施形態において
は、ステップS6で第1の電源ラインL1 の電圧VL1
設定電圧VS 未満であるときに非通電状態であると判断
するようにした場合について説明したが、これに限らず
設定電圧VS を“0”に設定して、完全な非通電状態で
あるか否かを判断するようにしてもよい。
【0082】同様に、ステップS9でのエンジン回転数
ENが設定回転数NS 未満でなるときにエンジン停止状
態と判断するようにした場合について説明したが、これ
も設定回転数NS を“0”に設定して、完全なエンジン
停止状態であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0083】さらに、上記各実施形態においては、コン
トロールユニット7をマイクロコンピュータ22を使用
して構成した場合について説明したが、これに限らず、
関数発生器、減算器、乗算器、パルス幅変調回路等を電
子回路を組み合わせて構成することもでき、さらには、
マイクロコンピュータ22の演算処理装置22bでデュ
ーティ制御用電流パルスLP,RPを形成することを省
略して、外部にパルス幅変調回路を設けるようにしても
よい。
【0084】さらにまた、モータ駆動回路23も上記構
成に限定されるものではなく、H型ブリッジ回路を構成
するスイッチング素子はトランジスタやリレー等の他の
任意のスイッチング素子を適用することができる。
【0085】なおさらに、上記各実施形態においては、
駆動源としてエンジンを適用した場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、電動モータや他の
形式の駆動源を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図2】図1のコントロールユニットの具体例を示すブ
ロック図である。
【図3】コントロールユニットにおけるマイクロコンピ
ュータの制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】図3における操舵補助制御処理の具体例を示す
フローチャートである。
【図5】車速をパラメータとした操舵トルク検出値とモ
ータ目標駆動電流との関係を表す制御マップを示す特性
線図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の動作の説明に供する
タイムチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態を示すコントロールユ
ニットにおけるマイクロコンピュータの制御処理の一例
を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態を示すコントロールユ
ニットにおけるマイクロコンピュータの制御処理の一例
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト 7 コントロールユニット 8 電動モータ 13 操舵トルクセンサ 14 電流検出器 15 エンジン回転数センサ 16 車速センサ 21 電源回路 22 マイクロコンピュータ 23 モータ駆動回路 25 キースイッチ 26 アナログスイッチ 27 定電圧回路 28 充電用コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 5/04 B62D 6/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵系に加えられる操舵トルクを検出す
    る操舵トルク検出手段と、前記操舵系に対して操舵補助
    力を付加する電動機と、前記操舵トルク検出手段の操舵
    トルク検出値に基づいて前記電動機を制御する制御手段
    とを有する電動式パワーステアリングの制御装置におい
    て、前記制御手段に駆動用電力を通電する電源回路と、
    前記制御手段への前記電源回路から駆動用電力が通電状
    態であるか非通電状態であるかを検出する通電状態検出
    手段と、車両を駆動する駆動源が駆動状態であるか停止
    状態であるかを検出する駆動源駆動状態検出手段とを備
    え、前記制御手段は、前記通電状態検出手段で通電状態
    を検出し且つ駆動源駆動状態検出手段で駆動源の駆動状
    態を検出したときに前記電動機の制御を開始し、前記通
    電状態検出手段で非通電状態を検出し且つ前記駆動源駆
    動状態検出手段で駆動源の停止状態を検出したときに前
    記電動機の制御を停止するように構成されていることを
    特徴とする電動式パワーステアリングの制御装置。
  2. 【請求項2】 操舵系に加えられる操舵トルクを検出す
    る操舵トルク検出手段と、前記操舵系に対して操舵補助
    力を付加する電動機と、前記操舵トルク検出手段の操舵
    トルク検出値に基づいて前記電動機を制御する制御手段
    とを有する電動式パワーステアリングの制御装置におい
    て、前記制御手段に駆動用電力を通電する電源回路と、
    前記制御手段への前記電源回路から駆動用電力が通電状
    態であるか非通電状態であるかを検出する通電状態検出
    手段と、車両を駆動する駆動源が駆動状態であるか停止
    状態であるかを検出する駆動源駆動状態検出手段と、車
    速を検出する車速検出手段とを備え、前記制御手段は、
    前記通電状態検出手段で通電状態を検出し且つ駆動源駆
    動状態検出手段で駆動源の駆動状態を検出したときに前
    記電動機の制御を開始し、前記通電状態検出手段で非通
    電状態を検出し且つ前記駆動源駆動状態検出手段で駆動
    源の停止状態を検出し、さらに前記車速検出手段の車速
    検出値が予め設定された設定値未満であるときに前記電
    動機の制御を停止するように構成されていることを特徴
    とする電動式パワーステアリングの制御装置。
  3. 【請求項3】 操舵系に加えられる操舵トルクを検出す
    る操舵トルク検出手段と、前記操舵系に対して操舵補助
    力を付加する電動機と、前記操舵トルク検出手段の操舵
    トルク検出値に基づいて前記電動機を制御する制御手段
    とを有する電動式パワーステアリングの制御装置におい
    て、前記制御手段に駆動用電力を通電する電源回路と、
    前記制御手段への前記電源回路から駆動用電力が通電状
    態であるか非通電状態であるかを検出する通電状態検出
    手段と、車両を駆動する駆動源がが駆動状態であるか停
    止状態であるかを検出する駆動源駆動状態検出手段とを
    備え、前記制御手段は、前記通電状態検出手段で通電状
    態を検出し且つ駆動源駆動状態検出手段で駆動源の駆動
    状態を検出したときに前記電動機の制御を開始し、前記
    通電状態検出手段で非通電状態を検出し且つ前記駆動源
    駆動状態検出手段で駆動源の停止状態を検出し、さらに
    前記操舵トルク検出手段の操舵トルク検出値が予め設定
    された設定値未満であるときに前記電動機の制御を停止
    するように構成されていることを特徴とする電動式パワ
    ーステアリングの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記電源回路は、キースイッチが介挿さ
    れた第1の電源系統と、該第1の電源系統と並列な第2
    の電源系統と、前記第1の電源系統及び第2の電源系統
    の何れかを選択する選択回路とを有し、前記通電状態検
    出手段は前記第1の電源系統が通電状態であるか非通電
    状態であるかを検出し、前記選択回路は、常時は第1の
    電源系統を選択し、前記通電状態検出手段で非通電状態
    を検出したときに第2の電源系統を選択するように構成
    されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに
    記載の電動式パワーステアリングの制御装置。
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