JP3379936B2

JP3379936B2 - 車両用シート

Info

Publication number: JP3379936B2
Application number: JP2000133994A
Authority: JP
Inventors: ハラルド・デッカー; ヴァジリオス・オリサリス; カール・ファラー
Original assignee: Daimler AG
Current assignee: Mercedes Benz Group AG
Priority date: 1999-05-03
Filing date: 2000-05-02
Publication date: 2003-02-24
Anticipated expiration: 2020-05-02
Also published as: JP2000333782A; EP1050429A2; DE19920062A1; EP1050429A3; DE19920062C2; EP1050429B1

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両用シートに関
するものであり、また特に、請求項１の前文部分に記載
したように、着座部と背もたれ部との少なくとも一方に
装備したクッションと、少なくとも１個の通風ユニット
とを備えた車両用シートであって、前記クッションがク
ッション支持部材に支持されており、前記クッション
が、非通気性クッション層と、該非通気性クッション層
の略々全面を覆うように配設されその内部に空気を流通
させることのできる通風層と、座席に着座した乗員に接
する側のクッション表面を覆って延在する通気性クッシ
ョンカバーとを備えており、前記少なくとも１個の通風
ユニットが、前記非通気性クッション層の中を延在して
いる少なくとも１本のエアダクトを介して前記通風層へ
空気を吹き込むようにしてある車両用シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の通風装置付きの車両用シートに
は、駐車中に長時間にわたって直射日光を浴びたために
車両が高温となった場合に、その車両に乗り込んで座席
に身体が触れたときに感じる不快感を軽減する効果もあ
り、また、長時間にわたって車両を走行させている間
に、座席に触れている身体に感じる不快感を軽減する効
果もある。

【０００３】この種の車両用シートの一例としては、ド
イツ特許公告公報ＤＥ１９６２８６９８Ｃ１（特開平１
０−１５１０３７号公報）に開示されているものがあ
る。同公報の車両用シートでは、クッション支持部材を
例えばスプリング構造体等で構成し、そのクッション支
持部材に、クッションパッドを載置している。クッショ
ンパッドは、ゴム系材料を添加した獣毛材料や発泡材料
で形成するようにしており、そのクッションパッドの略
々全面を、目の粗い編地で形成した空気の流通が可能な
クッション層（いわゆる通風層）で覆っている。更に、
そのクッション層（通風層）の、クッションパッドとは
反対側の面である上面ないし前面を、目の粗い編地、不
織布、または連続気泡形の発泡材料等で形成した通気性
を有する圧力分散層で覆っている。また更に、その圧力
分散層の上を、クッションカバーで覆い、そのクッショ
ンカバーと圧力分散層との間にカバー充填材を充填して
いる。通風層に空気を流通させるために、小型電動ファ
ンから成る通風ユニットを複数装備しており、それら通
風ユニットは、クッションパッドに形成された夫々のエ
アダクトの中に収容されて、クッションに直接取付けら
れている。これらのエアダクトは、クッション面にわた
り分布されている。また、通風層の、エアダクトの空気
吹出し口とは反対側の面である上面の、エアダクトの空
気吹き出し口の近傍領域に、非通気性の中間層が配設さ
れている。この中間層は、例えばシート状材料で形成す
るようにしており、エアダクトから通風層へ吹き込まれ
た空気が、その吹き込まれた領域からすぐに圧力分散層
及びクッションカバーを通過して通風層の外へ吹き出し
てしまうのを防止し、その空気の流れの方向を曲げて通
風層の中を流れるようにするものである。小型ファン
は、車室内の車両用シートの下方の領域から空気を吸入
して、その吸入した空気を通風層の中へ吹き込んでい
る。通風層の内部では、空気の流れはあらゆる方向へ分
散して流れることができ、座席に乗員が座乗していない
ときには、圧力分散層及びクッションカバーを通過し
て、座席表面の上方の空間へ空気が流出し、それによっ
て、例えば直射日光を浴びて高温になった座席の表面が
速やかに冷却される。座席に乗員が着座しているときに
は、空気は、通風層に沿って流れ、通風層の端部から座
席の外へ流出する。この場合には、その空気の流れによ
って、温度勾配及び湿度勾配が発生し、それによって、
座席に着座した乗員の身体が発する湿気が運び去られ
る。

【０００４】クッションの構成が上記のようであると、
座席の強制通風のための構造が複雑になり、その製作が
容易でないことから、上記車両用シートは、ＤＥ１９６
２８６９８Ｃ１（特開平１０−１５１０３７号公報）の
クッション構成のような高級車にしか採用されていなか
った。これに対して、単純にそのクッション構成を簡易
化した車両の場合には、座席に荷重が加わったときに、
エアダクトの中に収容されており、クッションに直接取
り付けられた通風ユニットに剪断力が加わり、そのた
め、乗員がクッションに着座したときに、通風ユニット
のファン等の羽根車がファンのハウジングに接触して、
ノイズを発するという不都合が生じるおそれがあった。
また、ファンの着脱が容易でないことから、ファンが故
障した場合には、クッション全体を交換しなければなら
ないという不都合もあった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、冒頭
に記載した種類の車両用シートにおいて、その座席通風
機能をよりコスト的に有利な方式で達成し得るようにす
ることにあり、即ち、座席通風機能をより低コストで組
み込めるようにすると共に、クッションの構造を簡易化
しても、座席に荷重が加わった際にノイズが増大すると
いうことがなく、更に、いかなる状況においても、また
長期間にわたって使用しても、そのような事態が発生し
ないようにすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、請求項１の特徴部分に記載した特徴要件によって
達成されており、即ち、前記非通気性クッション層が、
高剛性板状部材に支持されており、該高剛性板状部材に
は、前記少なくとも１本のエアダクトが接続する貫通孔
が形成されており、前記少なくとも１個の通風ユニット
は、前記貫通孔に対して略々同軸的に配置され、大きな
外力が加わらないようにして、前記高剛性板状部材に取
付けられており、前記少なくとも１本のエアダクトが、
前記クッションの構成材料から前記通風ユニットへ圧縮
力及び剪断力が伝達しないような十分な大きさであるこ
とによって達成されている。

【０００７】本発明にかかる車両用シートによって得ら
れる利点としては、ファン等で構成される前記少なくと
も１個の通風ユニットが、大きな外力が加わらないよう
にして高剛性板状部材に取付けられる構造であるため、
座席に荷重が加わった場合でも、通風ユニットの取付位
置が安定しているということがある。また、乗員が座乗
したクッションからその通風ユニットへ力が伝達するこ
とがないため、通風ユニットのハウジングが変形すると
いうことがなく、従って、回転する通風ユニットの羽根
車がハウジングに接触して擦れるおそれが払拭されてい
る。更に、通風ユニットの着脱が容易であるため、通風
ユニットが故障したときには、その通風ユニットだけを
交換すればよく、修理コストが低廉で済み、クッション
を傷めることはないという利点も得られる。

【０００８】請求項１に従属するその他の従属項は、本
発明にかかる車両用シートの有利な実施の形態、並びに
本発明を実施する上で好適な具体的構造及び細部構造を
記載したものである。即ち、請求項２記載の発明は、請
求項１記載の前記高剛性板状部材がシートシェルとして
構成されており、該シートシェルが、前記着座部に装備
された前記クッション支持部材として、前記クッション
層を直接支持していることを特徴とする。また、請求項
３記載の発明は、請求項２記載の前記シートシェルの、
前記クッション層に面する上面に、前記通風ユニットが
取付けられており、前記少なくとも１本のエアダクトの
内径を、該エアダクトの中に収容される前記通風ユニッ
トの外径より十分に大きくしたことを特徴とする。ま
た、請求項４記載の発明は、請求項３記載の前記エアダ
クトの内径を、前記着座部に乗員が着座した状態で前記
クッション層が前記通風ユニットに決して接触しない大
きさにしたことを特徴とする。また、請求項５記載の発
明は、請求項１乃至４の何れか１項記載の前記背もたれ
部の、前記クッションカバーとは反対側の面である背面
が、背もたれ部カバーで覆われており、前記クッション
支持部材と前記背もたれ部カバーとの間に空間が形成さ
れており、該空間は空気流入口を備えており、前記クッ
ション支持部材と前記クッションとの間に前記高剛性板
状部材が配設されており、前記クッション支持部材は好
ましくはスプリング構造体として構成されており、前記
高剛性板状部材の、前記クッションとは反対側の面であ
る背面に、前記少なくとも１個の通風ユニットが、好ま
しくはプラスチック製のネジによって取付けられている
ことを特徴とする。請求項６記載の発明は、請求項５記
載の前記高剛性板状部材が、補強板を構成しており、該
補強板は、前記クッションのクッション面の所定領域に
おいて、複数のエアポケットを画成しているエアポケッ
ト画成体を支持しており、該補強板の前記貫通孔が、前
記所定領域の領域外に形成されていることを特徴とす
る。請求項７記載の発明は、請求項１乃至６の何れか１
項記載の前記非通気性クッション層が、圧力分散層とし
て構成されており、該圧力分散層が、硬質発泡材料、ゴ
ム系材料を添加した稠密な獣毛材料、ないしは稠密な不
織布で形成されていることを特徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】これより本発明を、添付図面に示
した具体的な実施の形態に即して、更に詳細に説明して
行く。実施の形態にかかる車両用シートは、公知の車両
用シートの多くがそうであるように、車両の床に位置調
節可能に取付けられる着座部１１と、枢動ラッチ機構を
介してこの着座部１１に傾斜角調節可能に連結される背
もたれ部１２とを備えるものである。図１に縦断面図で
模式的に示した着座部１１と、図２に縦断面図で模式的
に示した背もたれ部１２とは、いずれもクッション１３
を備えており、それらクッション１３は、夫々にクッシ
ョン支持部材１４に取付けられている。着座部１１のク
ッション支持部材１４は、シートシェル（着座部外殻部
材）３２として構成されており、一方、背もたれ部１２
のクッション支持部材１４は、スプリング構造体（スプ
リングコア）として構成されている。また、そのスプリ
ング構造体は、枠体（不図示）に取付けられたスプリン
グワイヤで構成されている。クッション１３は、着座部
１１のものも、また背もたれ部１２のものも、その基本
的構造は同一である。即ち、クッション１３は、その内
部に空気を流通させることのできる通風層１６を備えて
おり、この通風層１６は、例えばゴム系材料を添加した
獣毛材料等から成る目の粗い不織体や、目の粗い編地等
で形成することができる。クッション１３は更に、非通
気性のクッション層を備えている。図示の実施の形態に
おいては、この非通気性のクッション層は、圧力分散層
１７として構成されており、クッション支持部材１４に
支持されている。この非通気性クッション層（圧力分散
層）１７は、着座部１１に関しては、通風層１６の下面
を完全に覆っており、背もたれ部１２に関しては、通風
層１６の背面を完全に覆っている。クッション１３の、
圧力分散層１７とは反対側の面である上面ないし前面
は、通気性のクッションカバー１８で覆われており、こ
のクッションカバー１８は、布地や、或いは、細孔を有
するレザーないし合成樹脂材料等で形成することができ
る。更に、通風層１６とクッションカバー１８との間に
は、カバー充填材１９が充填されており、このカバー充
填材１９は、詰め綿、ウールの不織布、連続気泡形の、
または少なくとも部分的に細孔を設けた発泡材料、或い
は、詰め綿と発泡材料の組合せ等によって形成すること
ができる。尚、ここでは詳細に説明しないが、電熱式座
席ヒータを組込む場合には、このカバー充填材１９に電
熱線を組込むようにすればよい。

【００１０】通風層１６へ空気を吹き込むためには、電
動ファン等の通風ユニット２０を使用すればよい。通風
層１６には、空気流路の流動抵抗を小さくするために、
空気流入口２１と空気流出口２２とを設けてある。空気
流入口２１と空気流出口２２との間は、着座部１１と背
もたれ部１２のいずれにおいても、図示の如く、長手方
向になるべく離隔させるようにしている。また、通風層
１６の、圧力分散層１７とは反対側の面である上面の、
空気流入口２１の近傍領域を、非通気性の吹抜け防止層
２３で覆うようにしている。この吹抜け防止層２３は、
例えばシート状材料で形成することができる。この吹抜
け防止層２３は、空気流入口２１から流入した空気がそ
の吹き込まれた領域からすぐに通気性クッションカバー
１８を通過して通風層１６の外へ吹き出してしまうのを
防止し、その空気の流れの方向を曲げて通風層１６の中
を長手方向に流れるようにするものである。尚、図示は
しないが、吹抜け防止層２３を、空気流入口２１の近傍
領域だけでなく、更にその外側の領域をも覆って延在す
るように形成し、その吹抜け防止層２３にクッションの
夫々領域ごとに適宜細孔を設けることによって、それら
領域ごとに異なった強度の通風効果が得られるようにし
てもよい。

【００１１】図１に示したこの車両用シートの着座部１
１では、既述の如く、そのクッション支持部材１４が、
シートシェル３２として構成されており、また、その非
通気性の圧力分散層１７が、シートシェル３２に直接支
持された稠密な発泡クッション３３として構成されてい
る。シートシェル３２には開口３４が形成されており、
発泡クッション３３には、シートシェル３２の開口３４
から通風層１６の空気流入口２１まで延在するエアダク
ト３５が形成されている。前述の通風ユニット２０は、
このエアダクト３５の中に収容されており、シートシェ
ル３２の、発泡クッション３３に面する内面に取付けら
れている。また、エアダクト３５の内径寸法を、通風ユ
ニット２０の外径より十分に大きくしてあり、それによ
って、乗員が着座部１１に着座した状態でも、発泡クッ
ション３３が通風ユニット２０に決して接触しないよう
にしてあり、従って、発泡クッション３３から通風ユニ
ット２０へ圧縮力や剪断力が伝達しないようにしてあ
る。通風ユニット２０をシートシェル３２の内面に取付
けるための取付構造は、振動を緩衝することのできる取
付構造としている。例えば、その取付としては、ドイツ
特許公告公報ＤＥ１９６４３７６０Ｃ１（特開平１０−
１３１８９８号公報）に記載した保持装置を用いること
ができ、シートシェル３２に通風ユニット２０を包囲す
る保持環を設けて、該保持環に縦スリットを設け、該縦
スリットの横方向にピンを設け、これらのピン上に環状
帯を保持環に接触することなく掛けて、該環状帯で弾性
ユニットを弾性的に懸架することにより通風ユニット２
０を固定することができる。勿論これ以外の公知の任意
の方法により通風ユニット２０をシートシェル３２に固
定することができる。以上に説明した構成によれば、通
風ユニット２０に大きな外力が加わることがないように
して、通風ユニット２０をシートシェル３２上の安定し
た位置に保持することができる。また通風ユニット２０
の着脱を、容易に、低コストで行うことができる。

【００１２】図２に示した実施の形態にかかる背もたれ
部１２では、その空気流入口２１がクッション１３の上
部領域に設けられ、空気流出口２２がクッション１３の
下部領域に設けられているため、空気は通風層１６の中
を上方から下方へ向かって流れる。この実施の形態で
は、一般的に広く行われているように、背もたれ部１２
の、クッションカバー１８とは反対側の面である背面
が、背もたれ部カバー２４で覆われており、クッション
支持部材１４と背面の背もたれ部カバー２４との間に空
間２５が形成されている。また、クッションカバー１８
が、背もたれ部１２の上端を回り込んで、背もたれ部１
２の背面の上部まで達しており、その位置において、テ
ンションの張られた状態で背もたれ部カバー２４に止着
されている。また、背もたれ部カバー２４は、背もたれ
部１２の下端において背もたれ部フレームに固定されて
いる。背もたれ部カバー２４には空気流入口２６が形成
されており、この空気流入口２６は、背もたれ部１２の
下端近傍に位置している。背もたれ部１２のクッション
支持部材１４は、既述の如く、スプリング構造体として
構成されており、このスプリング構造体はスプリングワ
イヤで形成されている。このクッション支持部材１４
と、クッション１３との間に、補強板３６が配設されて
おり、この補強板３６は、クッション１３のクッション
面の所定領域において、複数輪郭のエアポケットを画成
しているエアポケット画成体３７を支持しており、それ
ら複数輪郭のエアポケットは、乗員の背中及び腰を好適
に支持するように画成されている。補強板３６には、エ
アポケット画成体３７を支持している前記所定領域の領
域外に、クッション１３に形成されている空気流入開口
２１に接続するファン開口３８が形成されており、この
ファン開口３８に通風ユニット２０が配設されている。
また、この実施の形態では、通風ユニット２０は、プラ
スチック製のネジによって、補強板３６の、クッション
１３とは反対側の面である背面に取付けられている。こ
の補強板３６に直接当接している圧力分散層１７は、例
えば、稠密な不織布や、ゴム系材料を添加した稠密な獣
毛材料等で形成することができ、この圧力分散層１７の
中に、ファン開口３８から通風層１６まで延在するエア
ダクト３９が形成されている。このエアダクト３９の大
きさは、この車両用シートに乗員が着座した状態におい
て、クッションの構成材料から通風ユニット２０へ圧縮
力や剪断力が伝達することがないような十分な大きさに
してある。また、プラスチック製のネジで通風ユニット
２０を取り付ける代わりに、前記のドイツ特許公告公報
ＤＥ１９６４３７６０Ｃ１（特開平１０−１３１８９８
号公報）に記載した保持装置を用いることも可能であ
る。

【００１３】通風ユニット２０によって空気流入口２６
から空間２５の中へ吸入された空気は、ファン開口３
８、エアダクト３９、及び空気流入口２１を通過して、
通風層１６へ流入し、この通風層１６の中を上方から下
方へ流れて、空気流出口２２から車室内へ還流する。通
風層１６の中を流れるとき、空気は、クッションカバー
１８の下に沿って、背もたれ部１２の前面に平行に流れ
る。これは、着座部１１の中を流れる空気が、その着座
面に沿って流れるのと同じであり、この空気の流れによ
って湿度勾配が発生して、この車両用シートに着座した
乗員の発汗による湿気が運び去られる。一方、この車両
用シートに乗員が着座していないときには、通風層１６
の中を流れる空気の一部が、クッションカバー１８を通
過して、背もたれ部１２の前方及び着座部１１の上方の
空間へ流出し、それによって、例えば直射日光等によっ
て高熱となった車両用シートが速やかに冷却される。こ
の効果を更に有効に活用するには、リモコンドアロック
装置の操作に反応して車両のドアをアンロックする動作
と、着座部１１及び背もたれ部１２に装備した２個の通
風ユニット２０のスイッチをオンにする動作とを連動さ
せて、乗員が車両に搭乗するときには既に、この車両用
シートの冷却が開始されているようにするのがよい。
尚、車両用シートの下方の領域から空気を吸入するよう
にしているために、冷却効果が一段と高められており、
なぜならば、駐車中に高温となった車両の車室内では、
車両用シートの下方の領域における温度が最も低いから
である。

【００１４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、座席に荷重が加わった場合でも、通風ユニッ
トの取付位置が安定しており、また、乗員が座乗したク
ッションからその通風ユニットへ力が伝達することがな
いため、通風ユニットのハウジングが変形するというこ
とがなく、従って、回転する通風ユニットの羽根車がハ
ウジングに接触して擦れるおそれやノイズの発生のおそ
れが払拭されている。更に、通風ユニットの着脱が容易
であるため、通風ユニットが故障したときには、その通
風ユニットだけを交換すればよく、修理コストが低廉で
済むという利点も得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】車両用シートの着座部の縦断面図である。

【図２】車両用シートの背もたれ部の縦断面図である。

【符号の説明】

１１着座部１２背もたれ部１３クッション１４クッション支持部材１６通風層１７非通気性クッション層１８通気性クッションカバー２０通風ユニット２４背もたれ部カバー２５空間２６空気流入口３４、３８貫通孔３５、３９エアダクト３６補強板３７エアポケット画成体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者カール・ファラードイツ連邦共和国 70180 シュトゥットガルト，ミュルアイン 22 (56)参考文献特開平10−151037（ＪＰ，Ａ) 特開平８−24083（ＪＰ，Ａ) 実開平２−61246（ＪＰ，Ｕ) 特公平６−98065（ＪＰ，Ｂ２) ***国特許出願公開19804284（ＤＥ, Ａ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47C 7/74 B60N 2/44

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】着座部（１１）と背もたれ部（１２）と
の少なくとも一方に装備したクッション（１３）と、少
なくとも１個の通風ユニット（２０）とを備えた車両用
シートであって、前記クッション（１３）がクッション
支持部材（１４）に支持されており、前記クッション
（１３）が、非通気性クッション層（１７）と、該非通
気性クッション層（１７）の略々全面を覆うように配設
されその内部に空気を流通させることのできる通風層
（１６）と、座席に着座した乗員に接する側のクッショ
ン表面を覆って延在する通気性クッションカバー（１
８）とを備えており、前記少なくとも１個の通風ユニッ
ト（２０）が、前記非通気性クッション層（１７）の中
を延在している少なくとも１本のエアダクト（３５、３
９）を介して前記通風層（１６）へ空気を吹き込む車両
用シートにおいて、前記非通気性クッション層（１７）が、高剛性板状部材
に支持されており、該高剛性板状部材には、前記少なく
とも１本のエアダクト（３５、３９）が接続する貫通孔
（３４、３８）が形成されており、前記少なくとも１個
の通風ユニット（２０）は、前記貫通孔（３４、３８）
に対して略々同軸的に配置され、大きな外力が加わらな
いようにして、前記高剛性板状部材に取付けられてお
り、前記少なくとも１本のエアダクト（３５、３９）
が、前記クッションの構成材料から前記通風ユニット
（２０）へ圧縮力及び剪断力が伝達しないような十分な
大きさであることを特徴とする車両用シート。
【請求項２】前記高剛性板状部材がシートシェル（３
２）として構成されており、該シートシェル（３２）
が、前記着座部（１１）に装備された前記クッション支
持部材（１４）として、前記クッション層（１７）を直
接支持していることを特徴とする請求項１記載の車両用
シート。
【請求項３】前記シートシェル（３２）の、前記クッ
ション層（１７）に面する上面に、前記通風ユニット
（２０）が取付けられており、前記少なくとも１本のエ
アダクト（３５）の内径を、該エアダクト（３５）の中
に収容される前記通風ユニット（２０）の外径より十分
に大きくしたことを特徴とする請求項２記載の車両用シ
ート。
【請求項４】前記エアダクト（３５）の内径を、前記
着座部（１１）に乗員が着座した状態で前記クッション
層（１７）が前記通風ユニット（２０）に決して接触し
ない大きさにしたことを特徴とする請求項３記載の車両
用シート。
【請求項５】前記背もたれ部（１２）の、前記クッシ
ョンカバー（１８）とは反対側の面である背面が、背も
たれ部カバー（２４）で覆われており、前記クッション
支持部材（１４）と前記背もたれ部カバー（２４）との
間に空間（２５）が形成されており、該空間（２５）は
空気流入口（２６）を備えており、前記クッション支持
部材（１４）と前記クッション（１３）との間に前記高
剛性板状部材が配設されており、前記高剛性板状部材
の、前記クッション（１３）とは反対側の面である背面
に、前記少なくとも１個の通風ユニット（２０）が、プ
ラスチック製のネジによって取付けられていることを特
徴とする請求項１乃至４の何れか１項記載の車両用シー
ト。
【請求項６】前記高剛性板状部材が、補強板（３６）
を構成しており、該補強板は、前記クッション（１３）
のクッション面の所定領域において、複数のエアポケッ
トを画成しているエアポケット画成体（３７）を支持し
ており、該補強板（３６）の前記貫通孔（３８）が、前
記所定領域の領域外に形成されていることを特徴とする
請求項５記載の車両用シート。
【請求項７】前記非通気性クッション層が、圧力分散
層（１７）として構成されており、該圧力分散層（１
７）が、硬質発泡材料、ゴム系材料を添加した稠密な獣
毛材料、ないしは稠密な不織布で形成されていることを
特徴とする請求項１乃至６の何れか１項記載の車両用シ
ート。