JP3379177B2 - 副室式ガスエンジン - Google Patents

副室式ガスエンジン

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JP3379177B2 JP29252493A JP29252493A JP3379177B2 JP 3379177 B2 JP3379177 B2 JP 3379177B2 JP 29252493 A JP29252493 A JP 29252493A JP 29252493 A JP29252493 A JP 29252493A JP 3379177 B2 JP3379177 B2 JP 3379177B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、天然ガスを副室に供
給すると共に、副室内に若干の燃焼ガスを残留させてE
GRを行うことができる副室式ガスエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、天然ガスを主燃料とするエンジン
は、コジェネレーション型エンジンとして、政府、官公
庁研究機関或いは民間会社で開発が進められている。こ
のコジェネレーション型エンジンは、動力を発電機で電
気エネルギーとして取り出し、排気ガスエネルギーが有
する熱を熱交換器で水を加熱して温水にして給湯用とし
て利用している。そして、このコジェネレーション型エ
ンジンは、都市内電気供給システムとして利用されるこ
とが期待されている。天然ガスを燃料とするエンジンと
して、例えば、特開昭54−156911号公報、特開
昭63−6358号公報、特開平1−232119号公
報、実公平3−41068号公報に開示されたものがあ
る。
【0003】また、特開平4−295129号公報に開
示された副燃焼室式ディーゼルエンジンは、全運転領域
において排気ガス中のNOX 量を低減せんとするもので
あり、主燃焼室と副燃焼室とを連通する噴孔に開閉バル
ブを取り付け、エンジンの運転状態に応じ、燃料の流量
センサーからの信号に基づいて燃料の爆発時のピストン
上死点の前後の所定範囲にわたり、開閉バルブの開閉作
動の選択制御を行って副燃焼室にて排気ガス再循環を実
行してNOX 量を低減するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ナチュ
ラルガスを燃料とするガスエンジンは、燃料がガス体で
あるので、ガソリンと同じように燃料ガスを吸気バルブ
から吸入し、圧縮、着火されているので、圧縮比を大き
くすることができず、理論熱効率は必ずしも高くない。
通常使用されているガスエンジンは、圧縮比が12〜1
3程度であり、理論熱効率は48%に過ぎないものであ
り、ガスエンジンの動力を電気エネルギーにした場合に
は、熱効率は34〜35%で、場合によっては30%を
割るような効率である。そこで、ガスエンジンから電気
エネルギーとして取り出す場合に、熱効率を向上させる
ことが望まれているのが現状である。ガスエンジンは、
ナチュラルガス即ち天然ガスを燃料とするものであり、
燃料が気体である。そこで、吸入行程でガスを吸入し、
次いで圧縮すると、高圧縮となり温度が高くなり、自己
着火の現象即ちノッキングが発生する。しかるに、天然
ガスのガス燃料は圧縮比が12以下でないと、自己着火
するものである。また、エンジンの熱効率については、
圧縮比が小さいと熱効率が小さくなるという現象があ
る。従って、ガスエンジンでは、ガス燃料の自己着火を
避けて、圧縮比を如何に高くするかの課題があると共
に、NOX の発生を抑制するという課題がある。
【0005】また、前掲特開平4−295129号公報
に開示された副燃焼室式ディーゼルエンジンは、副燃焼
室に残留させたEGRガスに予め軽油を混合するもので
はなく、燃料の噴射で着火燃焼を起こすものである。例
えば、副燃焼室に残留させたEGRガスに予め軽油を混
合して予混合気を生成させようとすると、低圧高温ガス
に軽油を噴射することになり、軽油は蒸し焼きになって
黒焦げになり、すす等の大量発生を起こすものである。
【0006】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、副室に天然ガスを導入し、主室で
吸入空気のみを圧縮して圧縮比を高圧縮比にし、主室内
の空気を高温に上昇させた状態で連絡孔の連絡孔弁を開
放して主室の高圧縮空気を副室に流入させ、副室内の天
然ガスと高圧縮空気とを一気に混合させることで短期間
に着火燃焼させ、特に、副室内に燃焼ガスを残留させ、
その状態で副室内にガス燃料を供給して予混合気を生成
し、EGRによってNOX の発生を抑制し、更に火炎を
副室から主室に一気に吹き出させることで二次燃焼を出
来るだけ均一な混合気で短時間で燃焼を完結させ、NO
X 、HC等の発生を低減し、熱効率を高め、ガス燃料の
自己着火を防止してノッキングの発生を防止する副室式
ガスエンジンを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するため、次のように構成されている。即ち、こ
の発明は、シリンダヘッドに形成した副室と吸排気ポー
ト、シリンダ側に形成した主室、前記副室と前記主室と
を連通する連絡孔、前記副室にガス燃料を供給するガス
燃料供給手段、前記吸排気ポートに配置した吸排気弁、
及び前記連絡孔を開閉する連絡孔弁を有し、前記連絡孔
弁によって前記連絡孔を前記副室内にEGRガスが残留
するタイミングで閉鎖し、前記副室にガス燃料を供給し
た後の圧縮行程で僅かに開放し、次いで圧縮行程上死点
近傍で全開することを特徴とする副室式ガスエンジンに
関する。
【0008】また、この副室式ガスエンジンにおいて、
前記ガス燃料供給手段は前記副室に配置されたガス燃料
噴射ノズルであり、該ガス燃料噴射ノズルは圧縮行程上
死点前で前記副室へのガス燃料の噴射を完了するもので
ある。
【0009】また、この副室式ガスエンジンにおいて、
前記ガス燃料供給手段は前記副室にガス燃料供給口を開
口するガス燃料供給路、及び該ガス燃料供給口に配置さ
れたガス燃料弁から構成されており、該ガス燃料弁は圧
縮行程上死点前で閉鎖されて前記副室へのガス燃料の供
給が完了するものである。
【0010】また、この副室式ガスエンジンにおいて、
吸気にガス燃料を供給して吸気が自己着火しない程度の
リーンな混合気にするため前記吸気ポートにガス燃料供
給路が開口しているものである。
【0011】
【作用】この発明による副室式ガスエンジンは、上記の
ように構成されており、次のように作用する。即ち、こ
の副室式ガスエンジンは、シリンダヘッドに形成した副
室と吸排気ポート、シリンダ側に形成した主室、前記副
室と前記主室とを連通する連絡孔、前記副室にガス燃料
を供給するガス燃料供給手段、前記吸排気ポートに配置
した吸排気弁及び前記連絡孔を開閉する連絡孔弁を有し
ており、前記連絡孔弁によって前記連絡孔をEGRガス
が前記副室に残留するタイミング、例えば、膨脹行程下
死点前で閉鎖することによって前記副室内に燃焼ガスを
EGRガスとして残留させることができ、前記副室にガ
ス燃料を供給した後の圧縮行程で前記連絡孔を僅かに開
口することによって、前記主室から前記副室へガス燃料
が着火しない程度の空気を供給することができ、また、
圧縮行程上死点近傍で全開することによって前記主室か
ら前記副室へ高温空気を供給して着火燃焼させることが
できる。
【0012】従って、この副室式ガスエンジンは、前記
副室には燃焼ガスが残存してEGRを行うことができ、
吸入空気が主室内で高圧縮比になっても、前記主室内に
はガス燃料が自己着火する程には存在しないので、ガス
燃料が自己着火することなく、ノッキングが発生するこ
とがなく、EGRで燃焼ガスが存在する状態で前記副室
でガス燃料を燃焼させることによってNOX の発生を低
減できる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による副室
式ガスエンジンの実施例を説明する。図1はこの発明に
よる副室式ガスエンジンの一実施例を示す断面図、及び
図2は図1の副室式ガスエンジンにおける吸排気弁、連
絡孔弁及びガス燃料噴射ノズルのタイミングを示す説明
図である。
【0014】この副室式ガスエンジンは、シリンダブロ
ック14、シリンダブロック14にガスケット21を介
在させて固定されたシリンダヘッド7、シリンダヘッド
7に形成された吸気ポート15、吸気ポート15に配置
された吸気弁8、シリンダヘッド7に形成された排気ポ
ート16、排気ポート16に配置された排気弁9、シリ
ンダヘッド7に形成されたキャビティ18に配置した副
室壁体3で形成した副室2、シリンダブロック14に形
成した孔部19に嵌合したシリンダライナ13、該シリ
ンダライナ13に形成したシリンダ20内を往復運動す
るピストン4、シリンダ20側に形成された主室1、及
び主室1と副室2とを連通する壁体3に形成した連絡孔
12を有している。
【0015】この副室式ガスエンジンにおいて、副室壁
体3に形成されている主室1と副室2とを連通する連絡
孔12には、連絡孔12を開閉するための連絡孔弁5が
配置されている。連絡孔弁5は、連絡孔12を副室2に
EGRガスが残留するタイミングで閉鎖し、例えば、図
2に示すように、連絡孔12を膨脹行程下死点前で閉鎖
することで確実に副室2内にEGRガスが残留させるこ
とができ、次いで、副室2にガス燃料を供給した後の圧
縮行程で僅かに開放し、次いで圧縮行程上死点近傍で全
開するようにバルブタイミングが設定されている。ま
た、シリンダヘッド7には、副室2にガス燃料を供給す
るガス燃料供給手段として、ガス燃料噴射ノズル6が設
けられている。ガス燃料噴射ノズル6は、図2に示すよ
うに、その多噴孔17が圧縮行程下死点近傍で開口して
副室2内にガス燃料を噴射し、圧縮行程上死点前で閉鎖
して副室2へのガス燃料の噴射を完了するように、燃料
噴射タイミングが設定されている。
【0016】この副室式ガスエンジンは、連絡孔弁5と
ガス燃料噴射ノズル6のタイミングが上記のように設定
されることによって、副室2内に燃焼ガスが残留され、
その残留ガスがEGRガスとして機能する。この時、ガ
ス燃料噴射ノズル6からEGRガス中に噴射されるガス
燃料はEGRガスの圧力より高圧である必要があるが、
そのガス燃料の圧力は5〜20kg/cm2 程度であ
る。この副室式ガスエンジンでは、特に、連絡孔弁5を
副室2にガス燃料を供給した後の圧縮行程で僅かに開放
し、主室1から副室2へ空気を導入する期間を設けたこ
とである。この期間に副室2に導入された空気は、副室
2内でEGRガス及びガス燃料と良好に混合され、三者
の混合気が生成されるが、ここでは混合気が自己着火し
ない温度に保持されている。次いで、連絡孔弁5は、圧
縮行程上死点付近で大きく開放され、主室1から副室2
へ空気が大量に供給される。この時には、圧縮行程上死
点近傍であって主室1での圧縮空気の温度は高温になっ
ているので、副室2内の混合気に高温空気が噴き込まれ
ると、着火温度以上の温度であるので、混合気の着火燃
焼が起こることになる。しかしながら、副室2内にはE
GRガスが残留しているため、NOX の発生は抑制され
ることになる。
【0017】この副室式ガスエンジンでは、上記のよう
に構成において、特に、副室2にEGRガスとガス燃料
とで着火燃焼前に予め予混合気として副室2で生成して
おき、次いで、連絡孔弁5を圧縮行程上死点近傍で開放
して副室2に高温空気を導入して着火燃焼させている。
これに対して、ディーゼルエンジンでは、副室2で予混
合気を生成させるため、低圧のガス中に軽油を噴射する
と、軽油は蒸し焼きになってすす等が発生してしまい予
混合気の生成がきわめて困難なことである。従って、こ
の副室式ガスエンジンでは、副室2で予め予混合気を生
成させて活性化できるが、軽油を使用するディーゼルエ
ンジンではこの作用を得ることはできないものである。
【0018】また、連絡孔12の領域では、燃焼ガスで
高温になるため、連絡孔12に配置した連絡孔弁5は高
温強度を有する耐熱性に優れた窒化ケイ素、炭化ケイ素
等のセラミックスから製作することが好ましいものであ
る。また、ピストン4は、例えば、耐熱性に優れた窒化
ケイ素等のセラミックスから成るピストンヘッドと、ピ
ストンヘッドにメタルフローによって固定したピストン
スカートから構成することができるものである。
【0019】この副室式ガスエンジンは、上記のように
構成されており、次のように作動する。この副室式ガス
エンジンは、吸入行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行
程の4つの行程を順次繰り返すことによって作動される
ものである。この副室式ガスエンジンでは、通常どおり
に吸気行程で吸気弁8が開放し、排気行程で排気弁9が
開放するものである。まず、吸気行程で吸気弁8が開放
すると、吸気ポート15から吸入空気が主室1内の導入
される。一方、連絡孔弁5は連絡孔12を閉鎖してお
り、吸気行程から圧縮行程下死点近傍で、ガス燃料噴射
ノズル6の多噴孔17から副室2内に天然ガスのガス燃
料を噴射し、圧縮行程中間で副室2へのガス燃料の噴射
を完了する。次いで、圧縮行程で副室2へのガス燃料の
噴射を完了すると、連絡孔12が連絡孔弁5によって僅
かに開放され、連絡孔12を通じて主室1から副室2へ
空気が導入される。この時の空気はガス燃料の着火温度
以下であり、副室2に空気が導入されても、ガス燃料は
自己着火することがなく、副室2には、燃焼後の燃焼ガ
スが残留してEGRガスとして存在しているので、ガス
燃料噴射ノズル6からのガス燃料と導入された空気とは
予め混合して三者の混合気を生成される。
【0020】次に、圧縮行程上死点近傍で連絡孔弁5が
連絡孔12を開放し、連絡孔12を通じて高圧縮で高温
化した圧縮空気を主室1から副室2へ流入し、該吸入空
気は活性化した三者の混合気と混合を促進して着火燃焼
し、燃焼が急速に進展してEGRガスの存在でNOX
低減した状態で燃焼し、次いで、副室2の火炎が主室1
へ噴出し、膨張行程へ移行し、主室1に存在する新気と
混合を促進して短期間に二次燃焼を完結する。この膨張
行程では、連絡孔5の開放状態を維持して副室2から主
室1へ火炎を噴出させて仕事をさせ、排気行程中盤付近
で連絡孔12を連絡孔弁5を作動して閉鎖し、副室2内
に燃焼ガスをEGRガスとして残存させる。
【0021】次に、この発明による副室式ガスエンジン
の別の実施例を、図3及び図4を参照して説明する。図
3はこの発明による副室式ガスエンジンの別の実施例を
示す断面図、及び図4は図3の副室式ガスエンジンにお
ける吸排気弁、連絡孔弁及びガス燃料の供給のタイミン
グを示す説明図である。この実施例は、上記実施例と比
較して、ガス燃料供給手段が相違する以外は、同一の構
成を有しているので、同一の部品には同一の符号を付
し、重複する説明は省略する。
【0022】この副室式ガスエンジンにおいて、ガス燃
料供給手段は、副室2にガス燃料供給口22を開口する
ガス燃料供給路10、及び該ガス燃料供給口22に配置
されたガス燃料弁23から構成されており、該ガス燃料
弁23は圧縮行程上死点前で閉鎖されて副室2へのガス
燃料の供給が完了するように構成されている。この実施
例では、上記実施例がガス燃料供給手段としてガス燃料
噴射ノズルを用いたのに対して、ガス燃料供給路10の
ガス燃料供給口22にガス燃料弁23を配置しているの
で、副室2へのガス燃料の供給状態が若干異なるが、実
質的には副室2内に供給されるガス燃料の供給タイミン
グは同様なものである。そして、燃料タンクからの天然
ガスは、例えば、蓄圧室で蓄圧され、該蓄圧室の天然ガ
スをガス燃料供給路10を通じてガス燃料供給口22か
ら副室2に供給するものである。また、連絡孔弁5は、
上記実施例では、副室2内にEGRガスを残留させるよ
うに膨脹行程下死点前で閉鎖しているが、膨脹行程下死
点前より遅れて排気行程の中頃で閉鎖されてもよく、副
室2内に所定量のEGRガスが残留すればよいものであ
る。副室2でのEGRガスが少なければ、副室2内の燃
焼ガスは膨張して温度が低下し、副室2内にガス燃料が
供給された時に、ガス燃料の自己着火温度以下になって
いるので、ノッキングの発生はなくなるものである。
【0023】更に、この副室式ガスエンジンでは、ガス
燃料供給手段として、吸気にガス燃料を供給して吸気が
自己着火しない程度のリーンな混合気にするため、吸気
ポート15にガス燃料供給路11が開口しているもので
ある。ガス燃料供給路11は、例えば、燃料としての天
然ガスを収容した燃料タンクに連通しているものであ
る。
【0024】この実施例では、上記実施例における副室
2内にEGRガスを残留させることに加えて、吸気行程
で吸気にリーンなガス燃料を混合し、吸気の高圧縮比で
も自己着火しない濃度にコントロールしているものであ
る。そして、副室2内にEGRガスを所定量残留させる
ことができれば、膨張行程下死点よりも遅れて排気行程
途中で連絡孔弁5を作動して連絡孔12を閉鎖してもよ
いものである。従って、主室1に存在する新気には、リ
ーンな燃料ガスが満たされているため、副室2から連絡
孔12を通じて主室1へ噴出する火炎、未燃混合気等の
ガスを火種として主室1内での混合気の着火燃焼が急速
に起こり、短時間に燃焼するため、主室1内の新気を有
効に利用することができ、しかも、連絡孔12に設けた
連絡孔弁5によって副室2内にガス燃料を封入した状態
で主室1内の吸入空気を高圧縮することができ、ガス燃
料が自己着火してノッキングが発生することがなく、高
熱効率のエンジンを提供でき、副室2での燃焼はEGR
ガスの存在でおこなわれるので、NOX の発生を低減で
きる。
【0025】
【発明の効果】この発明による副室式ガスエンジンは、
上記のように構成されており、次のような効果を有す
る。即ち、この副室式ガスエンジンは、シリンダヘッド
に副室と吸排気ポートを形成し、シリンダ側に形成した
主室と前記副室とを連絡孔で連通し、前記副室にガス燃
料供給手段でガス燃料を供給し、前記連絡孔を連絡孔弁
で開閉したので、前記連絡孔弁が、例えば、膨脹行程下
死点前で閉鎖することによって前記副室内に燃焼ガス即
ちEGRガスを確実に残留させることができ、前記副室
にガス燃料を供給した後の圧縮行程で前記連絡孔を僅か
に開口することによって、前記主室から前記副室へガス
燃料が着火しない程度の空気を供給でき、また、圧縮行
程上死点近傍で全開することによって前記主室から前記
副室へ高温空気を供給して着火燃焼させることができ
る。
【0026】従って、この副室式ガスエンジンは、前記
副室には燃焼ガスが残存してEGRを行うことができ、
吸入空気が主室内で高圧縮比になっても、前記主室内に
はガス燃料が自己着火する程には存在しないので、ガス
燃料が自己着火することなく、ノッキングが発生するこ
とがなく、EGRで燃焼ガスが存在する状態で前記副室
でガス燃料を燃焼させることによってNOX の発生を低
減できる。また、前記副室内にはガス燃料が自己着火す
るほどの空気が存在しないので、ガス燃料の質量を大き
くして所定量のガス燃料を供給することができる。ま
た、前記副室には燃焼後の燃焼ガスがEGRガスとして
残留しているので、ガス燃料が導入されると、ガス燃料
は受熱して前記副室内で活性化する。しかも、前記連絡
孔弁は前記連絡孔を圧縮行程前半で僅かに開放してガス
燃料が自己着火しない程度の空気を前記副室内に導入
し、その空気と、EGRガス及びガス燃料とによって予
混合気が形成されるので、圧縮行程上死点近傍で前記連
絡孔弁が前記連絡孔を大きく開放した時に、前記主室で
圧縮された高温空気が前記連絡孔を通じて前記副室に噴
き込まれると、一気に着火燃焼が起こり、EGRガスの
存在での燃焼であるのでNOX の発生を抑制して前記副
室内の圧力が上昇する。
【0027】そして、前記副室内は燃焼により一気に圧
力が上昇し、燃焼が促進され、それと同時に、前記連絡
孔を通じて前記副室から前記主室へその火炎が一気に噴
出し、該火炎は前記主室で新気と混合し、予混合燃焼を
促進して燃焼スピードを上昇して理想的な二次燃焼を完
結する。従って、この副室式ガスエンジンは、NOX
HC等の発生を大幅に低減でき、高効率のエンジンを提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による副室式ガスエンジンの一実施例
を示す断面図である。
【図2】図1の副室式ガスエンジンにおける吸排気弁、
連絡孔弁及び燃料噴射の各タイミングを示す説明図であ
る。
【図3】この発明による副室式ガスエンジンの別の実施
例を示す断面図である。
【図4】図3の副室式ガスエンジンにおける吸排気弁、
連絡孔弁及び燃料噴射の各タイミングを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 主室 2 副室 3 副室壁体 4 ピストン 5 連絡孔弁 6 ガス燃料噴射ノズル(ガス燃料供給手段) 7 シリンダヘッド 8 吸気弁 9 排気弁 10,11 ガス燃料供給路(ガス燃料供給手段) 12 連絡孔 15 吸気ポート 16 排気ポート 17 多噴孔 18 キャビティ 20 シリンダ 22 ガス燃料供給口(ガス燃料供給手段) 23 ガス燃料弁(ガス燃料供給手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 21/08 311 F02D 21/08 311Z F02M 21/02 F02M 21/02 L 25/07 510 25/07 510B 580 580C (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 1/00 - 23/10 F02D 13/00 F02M 21/02 F02M 25/07

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドに形成した副室と吸排気
    ポート、シリンダ側に形成した主室、前記副室と前記主
    室とを連通する連絡孔、前記副室にガス燃料を供給する
    ガス燃料供給手段、前記吸排気ポートに配置した吸排気
    弁、及び前記連絡孔を開閉する連絡孔弁を有し、前記連
    絡孔弁によって前記連絡孔を前記副室内にEGRガスが
    残留するタイミングで閉鎖し、前記副室にガス燃料を供
    給した後の圧縮行程で僅かに開放し、次いで圧縮行程上
    死点近傍で全開することを特徴とする副室式ガスエンジ
    ン。
  2. 【請求項2】 前記ガス燃料供給手段は前記副室に配置
    されたガス燃料噴射ノズルであり、該ガス燃料噴射ノズ
    ルは圧縮行程上死点前で前記副室へのガス燃料の噴射を
    完了することを特徴とする請求項1に記載の副室式ガス
    エンジン。
  3. 【請求項3】 前記ガス燃料供給手段は前記副室にガス
    燃料供給口を開口するガス燃料供給路、及び該ガス燃料
    供給口に配置されたガス燃料弁から構成されており、該
    ガス燃料弁は圧縮行程上死点前で閉鎖されて前記副室へ
    のガス燃料の供給が完了することを特徴とする請求項1
    に記載の副室式ガスエンジン。
  4. 【請求項4】 吸気にガス燃料を供給して吸気が自己着
    火しない程度のリーンな混合気にするため前記吸気ポー
    トにガス燃料供給路が開口していることを特徴とする請
    求項1に記載の副室式ガスエンジン。
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