JP3374575B2 - トルクコンバータのスリップ制御装置 - Google Patents

トルクコンバータのスリップ制御装置

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JP3374575B2
JP3374575B2 JP03808595A JP3808595A JP3374575B2 JP 3374575 B2 JP3374575 B2 JP 3374575B2 JP 03808595 A JP03808595 A JP 03808595A JP 3808595 A JP3808595 A JP 3808595A JP 3374575 B2 JP3374575 B2 JP 3374575B2
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tvo
slice level
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の伝動系に
おけるトルクコンバータのスリップ制御装置、特に、ア
クセルペダルを釈放状態、若しくはこれに近い状態から
踏み込んだ結果、トルクコンバータがロックアップ状態
からスリップ制御状態へ移行する時におけるスリップ制
御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータは、入出力要素間での
動力伝達を内部作動流体を介して行うため、トルク変動
吸収機能による滑らかな動力伝達が可能である上、トル
ク増大機能も得られ、大抵の自動変速機には、伝動系に
トルクコンバータが用いられている。
【0003】しかしてトルクコンバータは、入出力要素
間の相対回転、つまりスリップを避けられず、伝動効率
が悪く、エンジンの燃費を悪くする。よって、トルク変
動吸収機能およびトルク増大機能が不要な比較的高車速
域で、入出力要素間をロックアップクラッチにより直結
して、トルクコンバータを通常のコンバータ状態から入
出力要素間が直結されたロックアップ状態にし得るロッ
クアップ式のトルクコンバータが多用されている。
【0004】ここで、エンジンの燃費を十分に向上させ
るためには、トルクコンバータ入出力要素間を直結する
ロックアップ領域を低車速域まで拡大する必要がある
が、この場合拡大したロックアップ領域で当然にエンジ
ンのトルク変動によるエンジン振動が車体へ伝わり易く
なって、乗り心地の悪化を生ずる。この問題解決のため
に、ロックアップ状態ではエンジン振動が車体へ伝わり
易くなる領域を、スリップ制御し、振動の問題を解消し
つつ、燃費の向上を実現する技術も提案されている。
【0005】従って、通常なら回転振動が車体へ伝わる
ことのない領域をロックアップ領域と定めることから、
当該領域では普通、トルクコンバータをロックアップ状
態にしていても、振動の問題を発生することはないが、
エンジンのアクセルペダルを釈放状態、若しくはこれに
近い状態から急激に踏み込む場合等のように運転状態が
急変した時は、当該領域と雖もロックアップ状態にして
いると、振動の問題を発生する。
【0006】このような場合の振動問題に対する対策と
して従来、例えば特開平1−188756号公報に記載
のように、領域判定結果に応じたロックアップ制御およ
びスリップ制御を行う一方、ロックアップ領域において
アクセルペダルの踏み込み速度が設定速度以上である時
は、トルクコンバータをスリップ制御して、常時確実に
車体振動の発生を防止することを狙った技術も提案され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来の
スリップ制御技術では、アクセルペダルの踏み込み速度
のみに応じてスリップ制御を実行すべきか否かを決定す
るため、以下の問題が生ずることを確かめた。
【0008】つまり、上記従来のスリップ制御技術を用
いた場合、アクセルペダルを釈放状態、若しくはこれに
近い状態から急激に踏み込むと、トルクコンバータがロ
ックアップ状態から無条件にスリップ制御がなされるこ
とになる。
【0009】一方、今日のエンジンは同じく燃費の向上
を狙って、アクセルペダルを釈放したコースト走行中、
エンジン出力が不要であることから燃料噴射を中止し
(フューエルカットし)、アクセルペダルの踏み込み時
に燃料噴射を再開(フューエルリカバー)するようにし
た、フューエルカット装置付のものが多くなっている。
しかして、アクセルペダルの踏み込みによるフューエル
リカバーによってもエンジンは、必ずしもコースト状態
から加速状態になるとは限らず、走行条件ごとに異なる
がアクセルペダルの踏み込み量が所謂スライスレベルに
達した時に始めてエンジンはコースト状態から加速状態
に切り換わる。
【0010】それにもかかわらず上記従来装置のよう
に、アクセルペダルを釈放状態、若しくはこれに近い状
態から急激に踏み込むと、トルクコンバータをロックア
ップ状態から無条件にスリップ制御状態にするというの
では、エンジンが加速状態に切り換わらないのに、つま
り上記振動の問題を生じないのに、無駄なスリップ制御
がなされることとなり、燃費向上効果が低下する。逆に
アクセルペダルをゆっくり踏み込む場合、このアクセル
ペダル操作でエンジンが加速状態に切り換わって上記振
動の問題を生ずることになったとしても、上記従来装置
を用いるとスリップ制御が実行されないことになり、振
動の問題を解消できない。
【0011】本発明は、アクセルペダルの上記踏み込み
によりエンジンがコースト状態から加速状態に切り換わ
るとの確認の基に、そしてこの切り換わりがアクセルペ
ダルの踏み込みから設定時間内に行われれた場合に、上
記スリップ制御を実行させるようにすることで、無駄な
スリップ制御がなされたり、必要なスリップ制御が行わ
れないといった上述の問題を解消することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
によるトルクコンバータのスリップ制御装置は、図1に
概念を示すごとく、フューエルカット装置付エンジンの
アクセルペダルを釈放したコースト走行中、トルクコン
バータを入出力要素間が直結されたロックアップ状態に
し、アクセルペダルの踏み込み時、トルクコンバータ入
出力要素間をスリップ制御状態にするようにしたスリッ
プ制御装置を有する自動変速機において、前記コースト
ロックアップ状態からのアクセルペダルの踏み込みに応
答して前記エンジンが、フューエルリカバーにより加速
状態へ移行するのに必要なアクセルペダル踏み込み量の
スライスレベルを演算するアクセル踏み込み量スライス
レベル演算手段と、前記コーストロックアップ状態から
のアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル踏み
込み量検出手段と、該アクセルペダルの踏み込みが行わ
れている時間を計測するアクセル踏み込み時間計測手段
と、これら手段からの信号に応答し、コーストロックア
ップ状態からのアクセルペダルの踏み込み量が、設定時
間中に前記スライスレベルに達した時に、前記スリップ
制御装置による制御を実行させるスリップ制御許可手段
とを設けたものである。
【0013】また第2発明によるトルクコンバータのス
リップ制御装置は、トルクコンバータ入出力要素間を直
結したロックアップ状態で、前記アクセルペダルが前記
設定時間内に前記スライスレベルを越えて踏み込み操作
されたのを検知して、前記スリップ制御装置による制御
を実行させる第2のスリップ制御許可手段を付加したこ
とを特徴とするものである。
【0014】第3発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、エンジン回転数を検出するエンジン回転
数検出手段と、この検出したエンジン回転数が高いほど
前記設定時間を短くする設定時間変更手段とを付加した
ことを特徴とするものである。
【0015】第4発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、自動変速機の選択変速段を検知する変速
段検知手段と、この検知した変速段が高速段であるほど
前記設定時間を短くする設定時間変更手段とを付加した
ことを特徴とするものである。
【0016】第5発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、前記エンジンの冷却水温を検出するエン
ジン冷却水温検出手段と、この検出したエンジン冷却水
温が高いほど前記設定時間を短くする設定時間変更手段
とを付加したことを特徴とするものである。
【0017】第6発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、外気温を検出する外気温検出手段と、こ
の検出した外気温が高いほど前記設定時間を短くする設
定時間変更手段とを付加したことを特徴とするものであ
る。
【0018】第7発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置において、前記アクセル踏み込み量スライス
レベル演算手段は、前記検出したエンジン回転数に応じ
て前記スライスレベルを求めるよう構成したことを特徴
とするものである。
【0019】第8発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置において、前記アクセル踏み込み量スライス
レベル演算手段は、前記検出したエンジン冷却水温に応
じて前記スライスレベルを求めるよう構成したことを特
徴とするものである。
【0020】第9発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置において、前記アクセル踏み込み量スライス
レベル演算手段は、前記検出した外気温に応じて前記ス
ライスレベルを求めるよう構成したことを特徴とするも
のである。
【0021】
【作用】第1発明においてスリップ制御装置は、フュー
エルカット装置付エンジンのアクセルペダルを釈放した
コースト走行中、自動変速機におけるトルクコンバータ
を入出力要素間が直結されたロックアップ状態にし、ア
クセルペダルの踏み込み時、トルクコンバータ入出力要
素間をスリップ制御状態にする。
【0022】ここでアクセル踏み込み量スライスレベル
演算手段は、上記コーストロックアップ状態からのアク
セルペダルの踏み込みに応答して上記エンジンが、フュ
ーエルリカバーにより加速状態へ移行するのに必要なア
クセルペダル踏み込み量のスライスレベルを演算する。
一方、アクセル踏み込み量検出手段は上記コーストロッ
クアップ状態からのアクセルペダルの踏み込み量を検出
し、アクセル踏み込み時間計測手段は該アクセルペダル
の踏み込みが行われている時間を計測する。そしてスリ
ップ制御許可手段は、これら手段からの信号に応答し、
コーストロックアップ状態からのアクセルペダルの踏み
込み量が、設定時間中に上記スライスレベルに達した時
に、前記スリップ制御装置による制御を実行させる。
【0023】よって、コーストロックアップ状態からア
クセルペダルの踏み込みがある時、アクセルペダルの上
記踏み込みによりエンジンがコースト状態から加速状態
に切り換わることを確認し、更にこの切り換わりがアク
セルペダルの踏み込みから設定時間内に行われれた時
に、つまり本当に振動の問題を生ずる状態の時に限っ
て、上記のスリップ制御を実行させることとなり、無駄
なスリップ制御がなされて燃費の向上効果を十分に達成
されなかったり、必要なスリップ制御が行われずに振動
の防止がされ得ないといった、前記従来装置の問題を解
消することができる。
【0024】第2発明においては、トルクコンバータの
ロックアップ状態でアクセルペダルが前記設定時間内に
前記スライスレベルを越えて踏み込み操作されたのを検
知して第2のスリップ制御許可手段は前記のスリップ制
御を実行させる。この場合、第1発明におけるコースト
ロックアップ状態からのアクセルペダルの踏み込み時の
他に、アクセルペダルをロックアップ領域において既に
踏み込んでいる状態から更に踏み込む場合も、振動の問
題を生ずるような条件のもとではスリップ制御を実行す
ることとなり、後者のアクセルペダル踏み込み操作時
も、無駄なスリップ制御で燃費の向上効果を十分に達成
されなかったり、必要なスリップ制御が行われずに振動
の防止がされないといった、前記従来装置の問題を確実
に解消することができる。
【0025】第3発明においては設定時間変更手段が、
エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転
数が高いほど前記設定時間を短くする。この場合、高い
エンジン回転数の時ほど速いアクセルペダル踏み込み操
作でないと振動の問題を生ずるようなことにならない事
実にマッチして、上記第1発明および第2発明の作用効
果を確実に達成することができる。
【0026】第4発明においては設定時間変更手段が、
変速段検知手段により検出された自動変速機の選択変速
段が高速段であるほど前記設定時間を短くする。この場
合、選択変速段が高速段である時ほど速いアクセルペダ
ル踏み込み操作でないと振動の問題を生ずるようなこと
にならない事実にマッチして、上記第1発明および第2
発明の作用効果を確実に達成することができる。
【0027】第5発明においては設定時間変更手段が、
エンジン冷却水温検出手段により検出されたエンジンの
冷却水温が高いほど前記設定時間を短くする。この場
合、エンジンの冷却水温が高い時ほど速いアクセルペダ
ル踏み込み操作でないと振動の問題を生ずるようなこと
にならない事実にマッチして、上記第1発明および第2
発明の作用効果を確実に達成することができる。
【0028】第6発明においては設定時間変更手段が、
外気温検出手段により検出された外気温が高いほど前記
設定時間を短くする。この場合、外気温が高い時ほど速
いアクセルペダル踏み込み操作でないと振動の問題を生
ずるようなことにならない事実にマッチして、上記第1
発明および第2発明の作用効果を確実に達成することが
できる。
【0029】第7発明においては、前記アクセル踏み込
み量スライスレベル演算手段が、前記検出したエンジン
回転数に応じて前記スライスレベルを求める。よって、
エンジン回転数が高い時ほどアクセルペダルを大きく踏
み込まないと振動の問題を生ずるようなことにならない
というように、エンジンが当該振動の問題を生ずる加速
状態に移行するためのアクセルペダル踏み込み量がエン
ジン回転数に応じて変化するという事実に符合して、ア
クセルペダル踏み込み量のスライスレベルが一層実情に
マッチしたものとなり、上記第1発明、第2発明および
第3発明の作用効果を一層確実なものにすることができ
る。
【0030】第8発明においては、前記アクセル踏み込
み量スライスレベル演算手段が、前記検出したエンジン
冷却水温に応じて前記スライスレベルを求める。よっ
て、エンジン冷却水温が高い時ほどアクセルペダルを大
きく踏み込まないと振動の問題を生ずるようなことにな
らないというように、エンジンが当該振動の問題を生ず
る加速状態に移行するためのアクセルペダル踏み込み量
がエンジン冷却水温に応じて変化するという事実に符合
して、アクセルペダル踏み込み量のスライスレベルが一
層実情にマッチしたものとなり、上記第1発明、第2発
明および第5発明の作用効果を一層確実なものにするこ
とができる。
【0031】第9発明においては、前記アクセル踏み込
み量スライスレベル演算手段が、前記検出した外気温に
応じて前記スライスレベルを求める。よって、外気温が
高い時ほどアクセルペダルを大きく踏み込まないと振動
の問題を生ずるようなことにならないというように、エ
ンジンが当該振動の問題を生ずる加速状態に移行するた
めのアクセルペダル踏み込み量が外気温に応じて変化す
るという事実に符合して、アクセルペダル踏み込み量の
スライスレベルが一層実情にマッチしたものとなり、上
記第1発明、第2発明および第6発明の作用効果を一層
確実なものにすることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図2は、本発明によるスリップ制御装置の一
実施例を示し、1は同装置によりスリップ制御すべきロ
ックアップ式トルクコンバータである。このトルクコン
バータ1は、図示せざるフューエルカット装置付エンジ
ンおよび自動変速機間に挿入して用い、これら両者間で
トルクの受渡しを行うものとする。トルクコンバータ1
は通常、内部作動流体を介し入出力要素1a,1b間で
の動力伝達を行い(コンバータ状態)、ロックアップク
ラッチ1cが図中左行して締結される時、入出力要素1
a,1b間を直結されたロックアップ状態で動力伝達を
行う一般的な構成とする。
【0033】ここで、トルクコンバータ1はロックアッ
プクラッチ1cの両側にコンバータ室1dおよびロック
アップ室1eを有し、作動流体を通流させるに際し、作
動流体をロックアップ室1eに流入させ、コンバータ室
1dから排除する場合、ロックアップクラッチ1cが解
放されてトルクコンバータ1がコンバータ状態になり、
作動流体を逆にコンバータ室1dに流入させ、ロックア
ップ室1eから排除する場合、ロックアップクラッチ1
cが締結されてトルクコンバータ1がロックアップ状態
になるものとする。なお、後者の通流状態でコンバータ
室1dおよびロックアップ室1e間における差圧を低減
させると、この低減度合に応じてトルクコンバータ1を
スリップ制御することができる。
【0034】トルクコンバータ1のロックアップ制御お
よびスリップ制御を行うシステムを次に説明する。この
システムはロックアップ制御弁10を主たる構成要素と
し、、このロックアップ制御弁10は回路21,22を
介しコンバータ室1dおよびロックアップ室1eに接続
して設ける。ロックアップ制御弁10はプラグ11およ
びスプール12を同軸突き合わせ関係に具え、両者をス
プール12の側に作用させた共通なばね13により図示
位置に弾支して構成する。
【0035】この弾支位置でプラグ11は、ロックアッ
プ室1eへの回路22をドレンポート14から遮断して
ポート15に通じ、スプール12は、コンバータ室1d
への回路21をポート16から遮断してクーラ回路17
に通じるものとする。プラグ11は両端ランド間の受圧
面積差に回路22へのロックアップ制御圧PL を受けて
図中左方へ付勢される他、室18へのデューティ制御圧
D により同じ図中左方へ付勢されるものとする。スプ
ール12は回路21に係わる2個のランド間に受圧面積
差を設定されており、この受圧面積差に同回路21への
コンバータ制御圧PC を受けて図中右方へ付勢されるも
のとする。
【0036】圧力源としては、オイルポンプ23を有
し、これからの作動油を回路24に吐出する。回路24
への作動油は、周知のプレッシャーレギュレータ弁30
により所定のライン圧に調圧され、この調圧に際しプレ
ッシャーレギュレータ弁30から漏れる作動油を同じく
周知のトルクコンバータレギュレータ弁31により一定
圧にしてトルクコンバータ作動圧回路32に供給するも
のとする。このトルクコンバータ作動圧回路32は、一
方でロックアップ制御弁10のポート15,16に接続
し、他方でオリフィス33を経てクーラ回路17に接続
する。
【0037】ライン圧回路24には更に、周知のパイロ
ット弁41を接続して設け、このパイロット弁41は回
路24のライン圧を一定のパイロット圧Pp にして回路
42へ出力するものとする。デューティソレノイド43
は、回路42のパイロット圧Pp をデューティDに応じ
たデューティ制御圧PD にして回路44に出力し、この
デューティ制御圧PD をロックアップ制御弁10の室1
8へ供給するものとする。ここでデューティソレノイド
43は、デューティDが0%の時デューティ制御圧PD
を消失させ、デューティDの増大につれてデューティ制
御圧PD を上昇させ、遂にはパイロット圧Pp と同じ最
高値にするものである。
【0038】上記油圧制御システムの作用を次に説明す
る。トルクコンバータ1をコンバータ状態にする場合、
デューティDを0%にしてデューティ制御圧PD を消失
させる。この時ロックアップ制御弁10は、室18内に
圧力が供給されないことから、図示状態にされ、回路3
2のトルクコンバータ作動圧がポート15、回路22を
経てロックアップ室1eに流入し、その後コンバータ室
1dから回路21およびクーラ回路17を経て排除され
る。よってトルクコンバータ1は、コンバータ状態で動
力伝達を行うことができる。
【0039】トルクコンバータ1をロックアップ状態に
する場合、デューティDを100%にしてデューティ制
御圧PD を最高値にする。この時ロックアップ制御弁1
0は、室18内への最高圧によりプラグ11およびスプ
ール12を図示とは逆の限界位置に押動された状態にさ
れる。ここで回路32のトルクコンバータ作動圧はポー
ト16、回路21を経てコンバータ室1dに流入し、そ
の後ロックアップ室1eから回路22およびドレンポー
ト14を経て排除される。よってトルクコンバータ1
は、ロックアップ状態で動力伝達を行うことができる。
【0040】上記のロックアップ状態からデューティD
の減少によりソレノイド43から室18へのデューティ
制御圧PD を低下させると、これによりプラグ11を図
中左行させようとする力が低下し、この力および回路2
2のロックアップ制御圧PLがプラグ11のランド間受
圧面積差に作用して生ずる力に抗し、プラグ11および
スプール12がばね13のばね力および回路21のコン
バータ圧PC がスプール12のランド間受圧面積差に作
用して生ずる力により図中右方に押し戻される。これに
より、プラグ11が回路22をドレンポート14から遮
断すると共にポート15に通じてロックアップ制御圧P
L を上昇させる一方、スプール12が回路21をポート
16から遮断すると共にクーラ回路17に通じてコンバ
ータ圧P C を低下させる。
【0041】これによりロックアップ制御圧PL および
コンバータ圧PC 間の差圧が減少し、トルクコンバータ
1をロックアップ状態からスリップ状態にすることがで
きる。そして、ロックアップ制御圧PL およびコンバー
タ圧PC が上記の圧力変化でデューティ制御圧PD の低
下に対応した値になったところで、プラグ11およびス
プール12は回路21,22を全てのポートから遮断し
てロックアップ制御圧PL およびコンバータ圧PC の上
記圧力変化を終了させるバランス位置となり、トルクコ
ンバータ1をデューティ制御圧PD の低下に対応したス
リップ制御状態に維持することができる。かくして、デ
ューティDの加減によりデューティ制御圧PD を制御す
ることで、トルクコンバータ1を任意のスリップ状態に
制御することが可能である。
【0042】ソレノイド43の駆動デューティDは、コ
ントローラ51によりこれを制御する。これがためコン
トローラ51には、エンジン回転数Ne を検出するエン
ジン回転センサ52からの信号、自動変速機の選択変速
段を検知する変速段センサ53からの信号、車速VSP
を検出する車速センサ54からの信号、エンジンのスロ
ットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ55
からの信号、エンジン冷却水温TW を検出するエンジン
冷却水温センサ56からの信号、および外気温TA を検
出する外気温センサ57からの信号をそれぞれ入力す
る。
【0043】コントローラ51はこれら入力情報を基
に、コンバータ領域か、ロックアップ領域か、スリップ
制御領域かを判定し、コンバータ領域ならデューティD
を0%にしてデューティ制御圧PD を消失させ、要求通
りにトルクコンバータ1をコンバータ状態にし、ロック
アップ領域ならデューティDを100%にしてデューテ
ィ制御圧PD を最高値となし、要求通りにトルクコンバ
ータ1をロックアップ状態にし、スリップ制御領域なら
目標スリップ量を求めてこれに対応するデューティDの
出力によりトルクコンバータ1を要求通りのスリップ制
御状態にする。
【0044】但しコントローラ51は、アクセルペダル
を釈放したコーストロックアップ状態からアクセルペダ
ルを踏み込む時のスリップ制御に当たっては特に、前記
本発明の目的に照らして図3乃至図5の制御プログラム
を実行して、以下のごとくに当該スリップ制御を行うも
のとする。つまり、先ずステップS1でエンジン回転数
e 、選択変速段Gp 、車速VSP、スロットル開度T
VO、エンジン冷却水温TW 、および外気温TA をそれ
ぞれ読み込み、ステップS2 でこれら読み込み情報か
ら、現在の運転状態がコーストロックアップ領域か否か
を判定し、コーストロックアップ領域になるまで上記の
ステップS1を継続して実行する。
【0045】コーストロックアップ領域になっところ
で、ステップS3において、エンジン冷却水温TW が設
定温度TWSより高いか否かを判定し、高い時はステップ
S4で、また低い時はステップS25で夫々、外気温T
A が設定温度TASより高いか否かを判定する。ここでエ
ンジン冷却水温設定値TWSについては、例えば5℃刻み
で温度領域を細分するよう定めてもよいし、暖機温度を
境に温度領域を2分するよう定めてもよい。また、外気
温設定値TASについても同様に、例えば5℃刻みで温度
領域を細分するよう定めてもよいし、例えば20℃を境
に温度領域を2分するよう定めてもよい。
【0046】ステップS4で外気温TA が設定温度TAS
より高いと判別する場合、ステップS5で選択変速段G
p が設定変速段GpSより大きな高速段か否かを判別し、
設定変速段GpSについては、例えば各変速段刻みでGpS
の領域を設定するような方式でも良いし、例えば第3速
を境にするといった方式でも良い。ステップS5で選択
変速段Gp が設定変速段GpSより高速段であると判別す
る場合、ステップS6で、エンジン回転数Ne が設定回
転数NeSより高回転か否かを判別する。設定エンジン回
転数NeSについては、実験的に各変速段Gp およびエン
ジン回転数Neにおいてエンジン振動の自動変速機側へ
の伝達状態を確認することにより決定するのが良い。
【0047】ステップS6でエンジン回転数Ne が設定
回転数NeSより高回転であると判別する場合、ステップ
S7において、ステップS3〜S6の判別結果(走行条
件や走行環境)に対応したアクセルペダル踏み込み量の
スライスレベルTVO0 および設定時間TSet0を演算
し、TVO0 をTVOS として、またTSet0をTSet
してそれぞれメモリする。ここでアクセルペダル踏み込
み量のスライスレベルTVO0 は、当該走行条件や走行
環境のもとでのコーストロックアップ状態からアクセル
ペダルの踏み込みに応答してエンジンがフューエルリカ
バーにより加速状態へ切り換わるのに必要なアクセルペ
ダル踏み込み量を表す。また設定時間TSe t0は、当該走
行条件や走行環境のもとでアクセルペダルを釈放状態か
らどのくらいの時間のうちにスライスレベルTVO0
で踏み込む時に、前記振動に関する問題を生ずるエンジ
ンの加速状態への切換えが生ずるかを判断するための基
準時間を表す。
【0048】ステップS6でエンジン回転数Ne が設定
回転数NeSより低回転であると判別する場合、ステップ
S14において、ステップS3〜S6の判別結果(走行
条件や走行環境)に対応したアクセルペダル踏み込み量
のスライスレベルTVO1 および設定時間TSet1を演算
し、TVO1 をTVOS として、またTSet1をTSet
してそれぞれメモリする。
【0049】ここで、ステップS7における高エンジン
回転数用のスライスレベルTVO0と、ステップS14
における低エンジン回転数用のスライスレベルTVO1
とを比較するに、エンジン回転数Ne が高い時ほどアク
セルペダルを大きく踏み込まないと加速状態に切り換わ
らない、つまり前記振動の問題を生ずることがないこと
から、従ってスライスレベルTVOS がエンジン回転数
e に対して例えば図6に示すような関係にあることか
ら、高エンジン回転数用のスライスレベルTVO0 を低
エンジン回転数用のスライスレベルTVO1 よりも高く
する。次に、ステップS7における高エンジン回転数用
の設定時間TSet0と、ステップS14における低エンジ
ン回転数用の設定時間TSet1とを比較するに、エンジン
回転数N e が高い時ほど速いアクセルペダル踏み込み操
作でないと加速状態への切換えによっても振動の問題を
生ずるようなことにならないことから、従って設定時間
Set がエンジン回転数Ne に対して例えば図7に示す
ような関係にあることから、高エンジン回転数用の設定
時間TSet0を低エンジン回転数用の設定時間TSet1より
も短くする。
【0050】ステップS5で選択変速段Gp が設定変速
段GpSより低速段であると判別する場合も、ステップS
15で、エンジン回転数Ne が設定回転数NeSより高回
転と判別したか、低回転であると判別したかに応じて、
以下のごとき処理を行う。つまり、ステップS15でエ
ンジン回転数Ne が設定回転数NeSより高回転であると
判別する場合、ステップS16において、ステップS3
〜S5およびステップ15の判別結果(走行条件や走行
環境)に対応したアクセルペダル踏み込み量のスライス
レベルTVO2 および設定時間TSet2を演算し、TVO
2 をTVOS として、またTSet2をTSet としてそれぞ
れメモリする。
【0051】ステップS15でエンジン回転数Ne が設
定回転数NeSより低回転であると判別する場合、ステッ
プS17において、ステップS3〜S5およびステップ
15の判別結果(走行条件や走行環境)に対応したアク
セルペダル踏み込み量のスライスレベルTVO3 および
設定時間TSet3を演算し、TVO3 をTVOS として、
またTSet3をTSet としてそれぞれメモリする。
【0052】ここで、ステップS16における高エンジ
ン回転数用のスライスレベルTVO 2 と、ステップS1
7における低エンジン回転数用のスライスレベルTVO
3 との間の大小関係についても、ステップS7における
高エンジン回転数用のスライスレベルTVO0 と、ステ
ップS14における低エンジン回転数用のスライスレベ
ルTVO1 との間の大小関係に同じとし、高エンジン回
転数用のスライスレベルTVO2 を低エンジン回転数用
のスライスレベルTVO3 よりも大きくする。また、ス
テップS16における高エンジン回転数用の設定時間T
Set2と、ステップS17における低エンジン回転数用の
設定時間TSet3との間の大小関係についても、ステップ
S7における高エンジン回転数用の設定時間TSet0と、
ステップS14における低エンジン回転数用の設定時間
Set1との間の大小関係に同じとし、高エンジン回転数
用の設定時間TSet2を低エンジン回転数用の設定時間T
Se t3よりも短くする。
【0053】なお、ステップ5で選択変速段Gp が設定
変速段GpSより高速段であると判別するか、低速段であ
ると判別するかによって異なる、高速段用の設定時間T
Set0およびTSet1と、低速段用の設定時間TSet2および
Set3との大小関係については、選択変速段Gp が高速
段であるほど速いアクセルペダル踏み込み操作でない
と、加速状態への切り換わりによっても振動の問題を生
ずるようなことがないことから、従って設定時間TSet0
が選択変速段Gp に対して例えば図8に示すような関係
にあることから、高速段用の設定時間TSet0およびT
Set1をそれぞれ対応する低速段用の設定時間TSet2およ
びTSet3よりも短くして、TSet0<TSet2およびTSet1
<TSet3と定める。
【0054】但し、アクセルペダル踏み込み量のスライ
スレベルは選択変速段Gp に応じて異ならせる必要がな
く、従ってTVO0 =TVO2 、TVO1 =TVO3
定める。
【0055】ステップS4で外気温TA が設定温度TAS
より低いと判別する場合は、制御をステップ18のブロ
ックに進めて、以下のごとくにアクセルペダル踏み込み
量のスライスレベルTVOS および設定時間TSet を決
定する。ステップS18では選択変速段Gp が設定変速
段GpSより大きな高速段か否かを判別し、高速段である
と判別する場合、ステップS19で、エンジン回転数N
e が設定回転数NeSより高回転か否かを判別し、低速段
であると判別する場合、ステップS22で、エンジン回
転数Ne が設定回転数NeSより高回転か否かを判別す
る。ステップS19でエンジン回転数Ne が設定回転数
eSより高回転であると判別する場合、ステップS20
において、ステップS3,S4およびステップS18,
S19の判別結果(走行条件や走行環境)に対応したア
クセルペダル踏み込み量のスライスレベルTVO4 およ
び設定時間TSet4を演算し、TVO4 をTVOS とし
て、またTSet4をTSet としてそれぞれメモリする。ス
テップS19でエンジン回転数Ne が設定回転数NeS
り低回転であると判別する場合、ステップS21におい
て、ステップS3,S4およびステップS18,S19
の判別結果(走行条件や走行環境)に対応したアクセル
ペダル踏み込み量のスライスレベルTVO5 および設定
時間TSet5を演算し、TVO5 をTVOS として、また
Set5をTSet としてそれぞれメモリする。
【0056】ステップS22でエンジン回転数Ne が設
定回転数NeSより高回転であると判別する場合、ステッ
プS23において、ステップS3,S4およびステップ
S18,S22の判別結果(走行条件や走行環境)に対
応したアクセルペダル踏み込み量のスライスレベルTV
6 および設定時間TSet6を演算し、TVO6 をTVO
S として、またTSet6をTSet としてそれぞれメモリす
る。ステップS22でエンジン回転数Ne が設定回転数
eSより低回転であると判別する場合、ステップS24
において、ステップS3,S4およびステップS18,
S22の判別結果(走行条件や走行環境)に対応したア
クセルペダル踏み込み量のスライスレベルTVO7 およ
び設定時間TSet7を演算し、TVO7 をTVOS とし
て、またT Set7をTSet としてそれぞれメモリする。
【0057】ここで、ステップS20における高エンジ
ン回転数用のスライスレベルTVO 4 と、ステップS2
1における低エンジン回転数用のスライスレベルTVO
5 との間の大小関係、およびステップS23における高
エンジン回転数用のスライスレベルTVO6 と、ステッ
プS24における低エンジン回転数用のスライスレベル
TVO7 との間の大小関係についても、ステップS7に
おける高エンジン回転数用のスライスレベルTVO
0 と、ステップS14における低エンジン回転数用のス
ライスレベルTVO1 との間の大小関係に同じとし、高
エンジン回転数用のスライスレベルTVO4 およびTV
6 を低エンジン回転数用の対応するスライスレベルT
VO5 およびTVO7 よりも大きくする。また、ステッ
プS20における高エンジン回転数用の設定時間TSet4
と、ステップS21における低エンジン回転数用の設定
時間TSet5との間の大小関係、およびステップS23に
おける高エンジン回転数用の設定時間TSet6と、ステッ
プS24における低エンジン回転数用の設定時間TSet7
との間の大小関係についても、ステップS7における高
エンジン回転数用の設定時間TSet0と、ステップS14
における低エンジン回転数用の設定時間TSet1との間の
大小関係に同じとし、高エンジン回転数用の設定時間T
Set4およびTSet6を低エンジン回転数用の対応する設定
時間TSet5およびTSet7よりも短くする。
【0058】なお、ステップ18で選択変速段Gp が設
定変速段GpSより高速段であると判別するか、低速段で
あると判別するかによって異なる、高速段用の設定時間
Se t4およびTSet5と、低速段用の設定時間TSet6およ
びTSet7との大小関係については、高速段用の設定時間
Set0およびTSet1と、低速段用の設定時間TSet2およ
びTSet3との大小関係に同じとし、高速段用の設定時間
Set4およびTSet5をそれぞれ対応する低速段用の設定
時間TSet6およびTSet7よりも短くして、TSe t4<T
Set6およびTSet5<TSet7と定める。
【0059】但し、アクセルペダル踏み込み量のスライ
スレベルは選択変速段Gp に応じて異ならせる必要がな
く、従ってTVO4 =TVO6 、TVO5 =TVO7
定める。
【0060】次に、ステップS4で判別する外気温TA
に応じて異なる、高外気温用のアクセルペダル踏み込み
量スライスレベルTVO0 〜TVO3 と、低外気温用の
アクセルペダル踏み込み量スライスレベルTVO4 〜T
VO7 との大小関係、および高外気温用の設定時間T
Set0〜TSet3と、低外気温用の設定時間TSet4〜TSet7
との間の長短関係について説明する。
【0061】外気温TA が高い時ほどアクセルペダルを
大きく踏み込まないと加速状態に切り換わらない、つま
り前記振動の問題を生ずることがないことから、従って
スライスレベルTVOS が外気温TA に対して例えば図
9に示すような関係にあることから、高外気温用のスラ
イスレベルTVO0 〜TVO3 を低外気温用の対応する
スライスレベルTVO4 〜TVO7 よりも大きくし、T
VO0 >TVO4 、TVO1 >TVO5 、TVO2 >T
VO6 、TVO3 >TVO7 とする。
【0062】また外気温TA が高い時ほど速いアクセル
ペダル踏み込み操作でないと加速状態への切換えによっ
ても振動の問題を生ずるようなことにならないことか
ら、従って設定時間TSet が外気温TA に対して例えば
図10に示すような関係にあることから、高外気温用の
設定時間TSet0〜TSet3を低外気温用の対応する設定時
間TSet4〜TSet7よりも短くし、TSet0<TSet4、T
Set1<TSet5、TSet2<T Set6、TSet3<TSet7とす
る。
【0063】ステップS3でエンジン冷却水温TW が設
定温度TWSより低いと判定する場合、制御をステップS
25のブロックに進めて、以下のごとくにアクセルペダ
ル踏み込み量のスライスレベルTVOS および設定時間
Set を決定する。ステップS25においては、外気温
A が設定温度TASよりも高いか否かを判別し、高いと
判別する場合はステップS26で、また低いと判別する
場合はステップS33でそれぞれ、選択変速段Gp が設
定変速段GpSより大きな高速段か否かを判別する。
【0064】ステップS26において高速段であると判
別する場合、ステップS27で、エンジン回転数Ne
設定回転数NeSより高回転か否かを判別し、ステップS
26において低速段であると判別する場合、ステップS
30で、エンジン回転数Neが設定回転数NeSより高回
転か否かを判別する。ステップS27でエンジン回転数
e が設定回転数NeSより高回転であると判別する場
合、ステップS28において、ステップS3,S25〜
S27の判別結果(走行条件や走行環境)に対応したア
クセルペダル踏み込み量のスライスレベルTVO8 およ
び設定時間TSet8を演算し、TVO8 をTVOS とし
て、またTSet8をTSet としてそれぞれメモリする。ス
テップS27でエンジン回転数Ne が設定回転数NeS
り低回転であると判別する場合、ステップS29におい
て、ステップS3,S25〜S27の判別結果(走行条
件や走行環境)に対応したアクセルペダル踏み込み量の
スライスレベルTVO9 および設定時間TSet9を演算
し、TVO9 をTVOS として、またTSet9をTSet
してそれぞれメモリする。
【0065】ステップS30でエンジン回転数Ne が設
定回転数NeSより高回転であると判別する場合、ステッ
プS31において、ステップS3,S25,S26およ
びS30の判別結果(走行条件や走行環境)に対応した
アクセルペダル踏み込み量のスライスレベルTVO10
よび設定時間TSet10 を演算し、TVO10をTVOS
して、またTSet10 をTSet としてそれぞれメモリす
る。ステップS30でエンジン回転数Ne が設定回転数
eSより低回転であると判別する場合、ステップS32
において、ステップS3,S25,S26およびS30
の判別結果(走行条件や走行環境)に対応したアクセル
ペダル踏み込み量のスライスレベルTVO 11および設定
時間TSet11 を演算し、TVO11をTVOS として、ま
たTSet11をTSet としてそれぞれメモリする。
【0066】ここで、ステップS28における高エンジ
ン回転数用のスライスレベルTVO 8 と、ステップS2
9における低エンジン回転数用のスライスレベルTVO
9 との間の大小関係、およびステップS31における高
エンジン回転数用のスライスレベルTVO10と、ステッ
プS32における低エンジン回転数用のスライスレベル
TVO11との間の大小関係についても、ステップS7に
おける高エンジン回転数用のスライスレベルTVO
0 と、ステップS14における低エンジン回転数用のス
ライスレベルTVO1 との間の大小関係に同じとし、高
エンジン回転数用のスライスレベルTVO8 およびTV
10を低エンジン回転数用の対応するスライスレベルT
VO9 およびTVO11よりも大きくする。また、ステッ
プS28における高エンジン回転数用の設定時間TSet8
と、ステップS29における低エンジン回転数用の設定
時間TSet9との間の大小関係、およびステップS31に
おける高エンジン回転数用の設定時間TSet10 と、ステ
ップS32における低エンジン回転数用の設定時間T
Set11 との間の大小関係についても、ステップS7にお
ける高エンジン回転数用の設定時間TSet0と、ステップ
S14における低エンジン回転数用の設定時間TSet1
の間の大小関係に同じとし、高エンジン回転数用の設定
時間TSet8およびTSet10 を低エンジン回転数用の対応
する設定時間TSet9およびTSet11 よりも短くする。
【0067】なお、ステップ26で選択変速段Gp が設
定変速段GpSより高速段であると判別するか、低速段で
あると判別するかによって異なる、高速段用の設定時間
Se t8およびTSet9と、低速段用の設定時間TSet10
よびTSet11 との大小関係については、高速段用の設定
時間TSet0およびTSet1と、低速段用の設定時間TSe t2
およびTSet3との大小関係に同じとし、高速段用の設定
時間TSet8およびTSe t9をそれぞれ対応する低速段用の
設定時間TSet10 およびTSet11 よりも短くして、T
Set8<TSet10 およびTSet9<TSet11 と定める。
【0068】但し、アクセルペダル踏み込み量のスライ
スレベルは選択変速段Gp に応じて異ならせる必要がな
く、従ってTVO8 =TVO10、TVO9 =TVO11
定める。
【0069】ステップS25において外気温TA が設定
温度TASよりも低いと判別されてステップS33が選択
され、このステップで、選択変速段Gp が設定変速段G
pSより大きな高速段であると判別する場合、ステップS
34で、エンジン回転数Neが設定回転数NeSより高回
転か否かを判別し、ステップS33において低速段であ
ると判別する場合、ステップS37で、エンジン回転数
e が設定回転数NeSより高回転か否かを判別する。ス
テップS34でエンジン回転数Ne が設定回転数NeS
り高回転であると判別する場合、ステップS35におい
て、ステップS3,S25,S33,S34の判別結果
(走行条件や走行環境)に対応したアクセルペダル踏み
込み量のスライスレベルTVO12および設定時間T
Set12 を演算し、TVO12をTVOS として、またT
Set12 をTSet としてそれぞれメモリする。ステップS
34でエンジン回転数Ne が設定回転数NeSより低回転
であると判別する場合、ステップS36において、ステ
ップS3,S25,S33,S34の判別結果(走行条
件や走行環境)に対応したアクセルペダル踏み込み量の
スライスレベルTVO13および設定時間TSet13 を演算
し、TVO13をTVOS として、またTSet13 をTSet
としてそれぞれメモリする。
【0070】ステップS37でエンジン回転数Ne が設
定回転数NeSより高回転であると判別する場合、ステッ
プS38において、ステップS3,S25,S33およ
びS37の判別結果(走行条件や走行環境)に対応した
アクセルペダル踏み込み量のスライスレベルTVO14
よび設定時間TSet14 を演算し、TVO14をTVOS
して、またTSet14 をTSet としてそれぞれメモリす
る。ステップS37でエンジン回転数Ne が設定回転数
eSより低回転であると判別する場合、ステップS39
において、ステップS3,S25,S33およびS37
の判別結果(走行条件や走行環境)に対応したアクセル
ペダル踏み込み量のスライスレベルTVO 15および設定
時間TSet15 を演算し、TVO15をTVOS として、ま
たTSet15をTSet としてそれぞれメモリする。
【0071】ここで、ステップS35における高エンジ
ン回転数用のスライスレベルTVO 12と、ステップS3
6における低エンジン回転数用のスライスレベルTVO
13との間の大小関係、およびステップS38における高
エンジン回転数用のスライスレベルTVO14と、ステッ
プS39における低エンジン回転数用のスライスレベル
TVO15との間の大小関係についても、ステップS7に
おける高エンジン回転数用のスライスレベルTVO
0 と、ステップS14における低エンジン回転数用のス
ライスレベルTVO1 との間の大小関係に同じとし、高
エンジン回転数用のスライスレベルTVO12およびTV
14を低エンジン回転数用の対応するスライスレベルT
VO13およびTVO15よりも大きくする。また、ステッ
プS35における高エンジン回転数用の設定時間T
Set12 と、ステップS36における低エンジン回転数用
の設定時間TSet13 との間の大小関係、およびステップ
S38における高エンジン回転数用の設定時間TSet14
と、ステップS39における低エンジン回転数用の設定
時間TSet15 との間の大小関係についても、ステップS
7における高エンジン回転数用の設定時間TSet0と、ス
テップS14における低エンジン回転数用の設定時間T
Set1との間の大小関係に同じとし、高エンジン回転数用
の設定時間TSet12 およびTSet14 を低エンジン回転数
用の対応する設定時間TSet13 およびTSet15 よりも短
くする。
【0072】なお、ステップ33で選択変速段Gp が設
定変速段GpSより高速段であると判別するか、低速段で
あると判別するかによって異なる、高速段用の設定時間
Se t12 およびTSet13 と、低速段用の設定時間T
Set14 およびTSet15 との大小関係については、高速段
用の設定時間TSet0およびTSet1と、低速段用の設定時
間TSet2およびTSet3との大小関係に同じとし、高速段
用の設定時間TSet12 およびTSet13 をそれぞれ対応す
る低速段用の設定時間TSet14 およびTSet15 よりも短
くして、TSet12 <TSet14 およびTSet13 <TSet15
と定める。
【0073】但し、アクセルペダル踏み込み量のスライ
スレベルは選択変速段Gp に応じて異ならせる必要がな
く、従ってTVO12=TVO14、TVO13=TVO15
定める。
【0074】また、ステップS25で判別する外気温T
A に応じて異なる、高外気温用のアクセルペダル踏み込
み量スライスレベルTVO8 〜TVO11と、低外気温用
のアクセルペダル踏み込み量スライスレベルTVO12
TVO15との大小関係、および高外気温用の設定時間T
Set8〜TSet11 と、低外気温用の設定時間TSet12 〜T
Set15 との間の長短関係は、高外気温用のアクセルペダ
ル踏み込み量スライスレベルTVO0 〜TVO3 と、低
外気温用のアクセルペダル踏み込み量スライスレベルT
VO4 〜TVO7 との大小関係、および高外気温用の設
定時間TSet0〜TSet3と、低外気温用の設定時間TSet4
〜TSet7との間の長短関係に同じとし、TVO8 >TV
12、TVO9 >TVO13、TVO10>TVO14、TV
10>TVO15と定め、TSet8<TSet12 、TSet9<T
Set13 、TSet10 <TSet14 、TSet10 <TSe t15 と定
める。
【0075】次に、ステップS3でエンジン冷却水温T
W が設定温度TWSより低いと判定するか、高い判定する
かによって異なる、高エンジン冷却水温用のアクセルペ
ダル踏み込み量スライスレベルTVO0 〜TVO7 と、
低エンジン冷却水温用のアクセルペダル踏み込み量スラ
イスレベルTVO8 〜TVO15との大小関係、および高
エンジン冷却水温用の設定時間TSet0〜TSet7と、低エ
ンジン冷却水温用の設定時間TSet8〜TSet15 との間の
長短関係について説明する。
【0076】まず、高エンジン冷却水温用のアクセルペ
ダル踏み込み量スライスレベルTVO0 〜TVO7 と、
低エンジン冷却水温用のアクセルペダル踏み込み量スラ
イスレベルTVO8 〜TVO15との大小関係について説
明するに、エンジン冷却水温TW が高い時ほどアクセル
ペダルを大きく踏み込まないと加速状態に切り換わらな
い、つまり前記振動の問題を生ずることがないことか
ら、従ってスライスレベルTVOS がエンジン冷却水温
W に対して例えば図11に示すような関係にあること
から、高エンジン冷却水温用のアクセルペダル踏み込み
量スライスレベルTVO0 〜TVO7 をそれぞれ、同じ
条件での対応する低エンジン冷却水温用のアクセルペダ
ル踏み込み量スライスレベルTVO8 〜TVO15よりも
高くする。
【0077】次に高エンジン冷却水温用の設定時間T
Set0〜TSet7と、低エンジン冷却水温用の設定時間T
Set8〜TSet15 との間の長短関係について説明するに、
エンジン冷却水温TW が高い時ほど速いアクセルペダル
踏み込み操作でないと加速状態への切換えによっても振
動の問題を生ずるようなことにならないことから、従っ
て設定時間TSet がエンジン冷却水温TW に対して例え
ば図12に示すような関係にあることから、高エンジン
冷却水温用の設定時間TSet0〜TSet7をそれぞれ、同じ
条件での対応する低エンジン冷却水温用の設定時間T
Set8〜TSet15 よりも短くする。
【0078】なお上述の例では、ステップS3でエンジ
ン冷却水温TW が設定温度TWSより高いと判別するか、
低いと判別するかに応じて、またステップS4,S25
で外気温TA が設定温度TASより高いと判別するか、低
いと判別するかに応じて、更にステップS5,S18,
S26,S33で変速段Gp が設定変速段GpSより高速
段と判別するか、低速段と判別するかに応じて、またス
テップS6,S15,S19,S22,S27,S3
0,S34,S37でエンジン回転数Ne が設定回転数
eSより高回転と判別するか、低回転と判別するかに応
じて、スライスレベルTVO0 〜TVO15および設定時
間TSet0〜TSet15 を決定したが、これらは図6〜図1
2に対応したマップから連続的に決定するのが、精度を
高める意味合いにおいて好ましいことは言うまでもな
い。
【0079】ステップS8において、アクセルペダルの
踏み込みがなされたと判別する場合、つまりコーストロ
ックアップ状態からアクセルペダルの踏み込みがなされ
たと判別する場合、制御をステップS9に進め、上述の
ようにして定めたスライスレベルTVOS (TVO0
TVO15)および設定時間TSet (TSet0〜TSet15
に基づき、以下のごとくにコーストロックアップ状態か
らアクセルペダルの踏込みにともなうトルクコンバータ
のスリップ制御を行う。
【0080】ステップS9では、当該踏み込みからのア
クセルペダル踏み込み量(スロットル開度TVOの増大
量)ΔTVOを求めると共に、当該踏み込みの継続時間
Δtを計測する。次いでステップS10,S11におい
て、踏み込み継続時間Δtが上記設定時間TSet 未満か
否かを判定すると共に、踏み込み量ΔTVOが上記スラ
イスレベルTVOS を越えたか否かを判定する。図13
にaで示すように、踏み込み瞬時t0 から設定時間T
Set 以内に踏み込み量ΔTVOがスライスレベルTVO
S を越えるようなアクセルペダル操作を行った時は、エ
ンジンがコースト状態から加速状態へ移行し、且つこの
移行時に前記振動の問題を生ずることから、ステップS
12で当該振動が発生しなくなるようなトルクコンバー
タのスリップ制御を実行すべく、ステップS13で、対
応したデューティDをソレノイド43に出力する。しか
して、図13にbで示すように、踏み込み瞬時t0 から
設定時間TSet 以内に踏み込み量ΔTVOがスライスレ
ベルTVOS を越えないアクセルペダル操作を行った時
は、エンジンがコースト状態から加速状態へ移行しない
か、若しくはこの移行によっても振動の問題を生ずるこ
とがないから、ステップS40を選択し、トルクコンバ
ータの上記スリップ制御を実行させずに、トルクコンバ
ータを前記領域に応じた通常の制御にまかせる。
【0081】なお図示例では、アクセルペダルを釈放し
たコーストロックアップ状態からアクセルペダルを踏み
込んだ場合における振動防止用のスリップ制御について
説明したが、アクセルペダルをスライスレベルTVOS
相当値未満であるが、ある程度既に踏み込んだ状態か
ら、更に踏み込んでスライスレベルTVOS を越えるよ
うなアクセルペダル操作をロックアップ領域において行
う場合も、前記したと同様な考え方によりスライスレベ
ルTVOS および設定時間TSet を決定し、これらに基
づくトルクコンバータのスリップ制御で、当該アクセル
ペダル操作に起因する車体振動の問題を解消することが
できること勿論である。
【0082】
【発明の効果】かくして第1発明によるトルクコンバー
タのスリップ制御装置は、請求項1に記載のごとく、コ
ーストロックアップ状態からのアクセルペダルの踏み込
みに応答してエンジンが、フューエルリカバーにより加
速状態へ移行するのに必要なアクセルペダル踏み込み量
のスライスレベルを演算し、コーストロックアップ状態
からのアクセルペダルの踏み込み量が、設定時間中に上
記スライスレベルに達した時に、振動防止用にトルクコ
ンバータをスリップ制御する構成にしたから、コースト
ロックアップ状態からアクセルペダルの踏み込みがある
時、アクセルペダルの上記踏み込みによりエンジンがコ
ースト状態から加速状態に切り換わることを確認し、更
にこの切り換わりがアクセルペダルの踏み込みから設定
時間内に行われれた時に、つまり本当に振動の問題を生
ずる状態の時に限って、上記のスリップ制御を実行させ
ることとなり、無駄なスリップ制御がなされて燃費の向
上効果を十分に達成されなかったり、必要なスリップ制
御が行われずに振動の防止がされ得ないといった、前記
従来装置の問題を解消することができる。
【0083】第2発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、請求項2に記載のごとく、トルクコンバ
ータのロックアップ状態でアクセルペダルが上記設定時
間内に上記スライスレベルを越えて踏み込み操作された
時も、上記のスリップ制御を実行させる構成にしたか
ら、第1発明におけるコーストロックアップ状態からの
アクセルペダルの踏み込み時の他に、アクセルペダルを
ロックアップ領域において既に踏み込んでいる状態から
更に踏み込む場合も、振動の問題を生ずるような条件の
もとではスリップ制御を実行することとなり、後者のア
クセルペダル踏み込み操作時も、無駄なスリップ制御で
燃費の向上効果を十分に達成されなかったり、必要なス
リップ制御が行われずに振動の防止がされないといっ
た、前記従来装置の問題を確実に解消することができ
る。
【0084】第3発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、請求項3に記載のごとく、エンジン回転
数が高いほど前記設定時間を短くする構成にしたから、
高いエンジン回転数の時ほど速いアクセルペダル踏み込
み操作でないと振動の問題を生ずるようなことにならな
い事実にマッチして、上記第1発明および第2発明の作
用効果を確実に達成することができる。
【0085】第4発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、請求項4に記載のごとく、自動変速機の
選択変速段が高速段であるほど前記設定時間を短くする
構成にしたから、選択変速段が高速段である時ほど速い
アクセルペダル踏み込み操作でないと振動の問題を生ず
るようなことにならない事実にマッチして、上記第1発
明および第2発明の作用効果を確実に達成することがで
きる。
【0086】第5発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、請求項5に記載のごとく、エンジンの冷
却水温が高いほど前記設定時間を短くする構成にしたか
ら、エンジンの冷却水温が高い時ほど速いアクセルペダ
ル踏み込み操作でないと振動の問題を生ずるようなこと
にならない事実にマッチして、上記第1発明および第2
発明の作用効果を確実に達成することができる。
【0087】第6発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、請求項6に記載のごとく、外気温が高い
ほど前記設定時間を短くする構成にしたから、外気温が
高い時ほど速いアクセルペダル踏み込み操作でないと振
動の問題を生ずるようなことにならない事実にマッチし
て、上記第1発明および第2発明の作用効果を確実に達
成することができる。
【0088】第7発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、請求項7に記載のごとく、エンジン回転
数に応じて前記スライスレベルを求める構成にしたか
ら、エンジン回転数が高い時ほどアクセルペダルを大き
く踏み込まないと振動の問題を生ずるようなことになら
ないというように、エンジンが当該振動の問題を生ずる
加速状態に移行するためのアクセルペダル踏み込み量が
エンジン回転数に応じて変化するという事実に符合し
て、アクセルペダル踏み込み量のスライスレベルが一層
実情にマッチしたものとなり、上記第1発明、第2発明
および第3発明の作用効果を一層確実なものにすること
ができる。
【0089】第8発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、請求項8に記載のごとく、エンジン冷却
水温に応じて前記スライスレベルを求める構成にしたか
ら、エンジン冷却水温が高い時ほどアクセルペダルを大
きく踏み込まないと振動の問題を生ずるようなことにな
らないというように、エンジンが当該振動の問題を生ず
る加速状態に移行するためのアクセルペダル踏み込み量
がエンジン冷却水温に応じて変化するという事実に符合
して、アクセルペダル踏み込み量のスライスレベルが一
層実情にマッチしたものとなり、上記第1発明、第2発
明および第5発明の作用効果を一層確実なものにするこ
とができる。
【0090】第9発明によるトルクコンバータのスリッ
プ制御装置は、請求項9に記載のごとく、外気温に応じ
て前記スライスレベルを求める構成にしたから、外気温
が高い時ほどアクセルペダルを大きく踏み込まないと振
動の問題を生ずるようなことにならないというように、
エンジンが当該振動の問題を生ずる加速状態に移行する
ためのアクセルペダル踏み込み量が外気温に応じて変化
するという事実に符合して、アクセルペダル踏み込み量
のスライスレベルが一層実情にマッチしたものとなり、
上記第1発明、第2発明および第6発明の作用効果を一
層確実なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトルクコンバータのスリップ制御
装置を示す概念図である。
【図2】本発明スリップ制御装置の一実施例を示すトル
クコンバータのロックアップ制御システム図である。
【図3】同例においてコントローラが、コーストロック
アップ状態からアクセルペダルの踏み込みに呼応して実
行すべきトルクコンバータのスリップ制御を示す一部フ
ローチャートである。
【図4】同スリップ制御プログラムの残りの一部を示す
フローチャートである。
【図5】同スリップ制御プログラムの残部を示すフロー
チャートである。
【図6】エンジン回転数に対するアクセルペダル踏み込
み量のスライスレベルを示す関係線図である。
【図7】エンジン回転数に対するアクセルペダル踏み込
み時間の設定時間を示す関係線図である。
【図8】選択変速段に対するアクセルペダル踏み込み時
間の設定時間を示す関係線図である。
【図9】外気温に対するアクセルペダル踏み込み量のス
ライスレベルを示す関係線図である。
【図10】外気温に対するアクセルペダル踏み込み時間
の設定時間を示す関係線図である。
【図11】エンジン冷却水温に対するアクセルペダル踏
み込み量のスライスレベルを示す関係線図である。
【図12】エンジン冷却水温に対するアクセルペダル踏
み込み時間の設定時間を示す関係線図である。
【図13】コーストロックアップ状態からのアクセルペ
ダルの踏み込み操作と、アクセルペダル踏み込み量のス
ライスレベルおよび設定時間との関係を示すタイムチャ
ートでる。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ 10 ロックアップ制御弁 23 オイルポンプ 30 プレッシャーレギュレータ弁 31 トルクコンバータレギュレータ弁 41 パイロット弁 43 デューティソレノイド 51 コントローラ 52 エンジン回転センサ 53 変速段センサ 54 車速センサ 55 スロットル開度センサ 56 エンジン冷却水温センサ 57 外気温センサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 59:64 F16H 59:64 59:70 59:70 59:78 59:78 (56)参考文献 特開 平5−99328(JP,A) 特開 平5−99327(JP,A) 特開 平6−185607(JP,A) 特開 平8−42684(JP,A) 特開 平8−170724(JP,A) 特開 平2−309051(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/14 601

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フューエルカット装置付エンジンのアク
    セルペダルを釈放したコースト走行中、トルクコンバー
    タを入出力要素間が直結されたロックアップ状態にし、
    アクセルペダルの踏み込み時、トルクコンバータ入出力
    要素間をスリップ制御状態にするようにしたスリップ制
    御装置を有する自動変速機において、 前記コーストロックアップ状態からのアクセルペダルの
    踏み込みに応答して前記エンジンが、フューエルリカバ
    ーにより加速状態へ移行するのに必要なアクセルペダル
    踏み込み量のスライスレベルを演算するアクセル踏み込
    み量スライスレベル演算手段と、 前記コーストロックアップ状態からのアクセルペダルの
    踏み込み量を検出するアクセル踏み込み量検出手段と、 該アクセルペダルの踏み込みが行われている時間を計測
    するアクセル踏み込み時間計測手段と、 これら手段からの信号に応答し、コーストロックアップ
    状態からのアクセルペダルの踏み込み量が、設定時間中
    に前記スライスレベルに達した時に、前記スリップ制御
    装置による制御を実行させるスリップ制御許可手段とを
    具備することを特徴とするトルクコンバータのスリップ
    制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、トルクコンバータ入
    出力要素間を直結したロックアップ状態で、前記アクセ
    ルペダルが前記設定時間内に前記スライスレベルを越え
    て踏み込み操作されたのを検知して、前記スリップ制御
    装置による制御を実行させる第2のスリップ制御許可手
    段を付加したことを特徴とするトルクコンバータのスリ
    ップ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、エンジン回
    転数を検出するエンジン回転数検出手段と、この検出し
    たエンジン回転数が高いほど前記設定時間を短くする設
    定時間変更手段とを付加したことを特徴とするトルクコ
    ンバータのスリップ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、自動変速機
    の選択変速段を検知する変速段検知手段と、この検知し
    た変速段が高速段であるほど前記設定時間を短くする設
    定時間変更手段とを付加したことを特徴とするトルクコ
    ンバータのスリップ制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2において、前記エンジ
    ンの冷却水温を検出するエンジン冷却水温検出手段と、
    この検出したエンジン冷却水温が高いほど前記設定時間
    を短くする設定時間変更手段とを付加したことを特徴と
    するトルクコンバータのスリップ制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2において、外気温を検
    出する外気温検出手段と、この検出した外気温が高いほ
    ど前記設定時間を短くする設定時間変更手段とを付加し
    たことを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項3において、前記アクセル踏み込
    み量スライスレベル演算手段は、前記検出したエンジン
    回転数に応じて前記スライスレベルを求めるよう構成し
    たことを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項5において、前記アクセル踏み込
    み量スライスレベル演算手段は、前記検出したエンジン
    冷却水温に応じて前記スライスレベルを求めるよう構成
    したことを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項6において、前記アクセル踏み込
    み量スライスレベル演算手段は、前記検出した外気温に
    応じて前記スライスレベルを求めるよう構成したことを
    特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装置。
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