JP3373939B2 - 光学異方素子、およびそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

光学異方素子、およびそれを用いた液晶表示素子

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JP3373939B2 JP12960494A JP12960494A JP3373939B2 JP 3373939 B2 JP3373939 B2 JP 3373939B2 JP 12960494 A JP12960494 A JP 12960494A JP 12960494 A JP12960494 A JP 12960494A JP 3373939 B2 JP3373939 B2 JP 3373939B2
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    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F2413/00Indexing scheme related to G02F1/13363, i.e. to birefringent elements, e.g. for optical compensation, characterised by the number, position, orientation or value of the compensation plates
    • G02F2413/10Indexing scheme related to G02F1/13363, i.e. to birefringent elements, e.g. for optical compensation, characterised by the number, position, orientation or value of the compensation plates with refractive index ellipsoid inclined, or tilted, relative to the LC-layer surface O plate

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  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学異方素子、および
それを用いた液晶表示素子に関し、特に表示コントラス
ト及び表示色の視覚特性を改善するために有用な光学異
方素子、およびそれを用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】日本語ワードプロセッサやディスクトッ
プパソコンなどのオフィスオートメションを代表する機
器の表示装置としては、従来よりCRTが用いられてい
る。しかし、CRTは大型で、かつ重いこと、そして消
費電力が多いことなどから、最近では液晶表示素子に注
目が集まり、さまざまな研究、開発、そして商品化が行
なわれている。そして、現在一般的に用いられている液
晶表示素子(以下、LCDともいう)は、ねじれ(ツイ
ステッド)ネマティック液晶を用いており、その主流と
なっている表示方式は大別して、STN(スーパーツイ
ステッドネマティック)液晶を用いる複屈折モードとT
N(ツイステッドネマティック)液晶を用い、能動素子
を用いるTFT−LCDやMIM−LCDなどと呼ばれ
る旋光モードとに分けることができる。
【0003】複屈折モードに基づくLCDは、液晶分子
配列のねじれ角度が90度以上のSTN液晶を用いるも
ので、急峻な電気特性を持つため、薄膜トランジスタや
ダイオードなどのような能動素子を用いる必要がなく、
単純なマトリックス状の電極構造でも時分割駆動により
大容量の表示が実現するとの利点がある。しかしなが
ら、応答速度が遅い点(およそ数百ミリ秒)、そして階
調表示が困難である点などが欠点とされている。TFT
−LCDやMIM−LCDなどの旋光モードに基づくL
CDでは、液晶分子の配列状態が90度ねじれるTN液
晶を用いており、この表示方式では、応答速度が速く
(およそ数十ミリ秒)、容易に白黒表示が得られ、また
高い表示コントラストを示す等の利点があり、他の方式
のLCDに比較して最も有力な方式であるといわれてい
る。しかし、ねじれネマティック液晶を用いているた
め、表示方式の原理上、視野角が狭く、見る方向によっ
て表示色や表示コントラストが変化するといった好まし
くない視覚特性があり、その改良が試みられている。
【0004】すなわち、液晶分子は液晶分子の長軸方向
と短軸方向とに異なる屈折率を有しており、このような
屈折率の異方性を示す液晶分子に、ある偏光が入射する
と、その偏光は液晶分子の角度に依存して偏光状態を変
化させる。ねじれネマティック液晶の液晶セルの分子配
列は、液晶セルの厚み方向に液晶分子の配列がねじれた
構造を有しているが、液晶セルを通過する光は、このね
じれた配列の液晶分子の個々の液晶分子の向きによって
逐次偏光して伝播する。従って、液晶セルに対して光が
垂直に入射した場合と、斜めに入射した場合とでは、液
晶セル中に伝播する光の偏光状態は互いに異なり、その
結果、見る方向、角度によって表示のパターンが全く見
えなくなったりすることがあり、表示装置としては実用
上において好ましくない。
【0005】上記のような好ましくない視覚特性を改良
する方法としては、たとえば、特開平4−229828
号公報や特開平4−258923号公報などに開示され
ている位相差フィルムを用いる方法がある。すなわち、
液晶表示素子は通常、二枚の電極基板の間にTN型液晶
を挟持してなる液晶セル、そして液晶セルの両側に配置
された二枚の偏光素子からなるが、その液晶セルと偏光
素子との間に位相差を調整するフィルム(位相差フィル
ム)を配置する方法である。そして、上記の公開公報で
提案されている位相差フィルムは、液晶セルの表面に対
して垂直な方向の位相差をほぼゼロとしたものであっ
て、真正面からの光にはなんら光学的な作用を及ぼすこ
となく、一方、傾いた光が入射したときに位相差を発現
させ、液晶セルで発生する位相差を補償しようとするも
のである。しかし、この方法による位相差の補償では、
達成されるLCDの視野角の改良は充分とはいえない。
特に、自動車などの車両に搭載する場合、あるいはCR
Tの代替表示装置として用いる場合には、高度の視野角
の改良が必要となり、上記の方法では充分であるといえ
ない。
【0006】また、特開平4−366808号公報や特
開平4−366809号公報に記載の発明では、光学軸
が傾いたカイラルネマチック液晶層を位相差フィルムと
して用いることによって視野角の改良を図っているが、
この方式では二層液晶方式となり、コストが極めて高く
なり、また表示装置全体の重量が顕著に増加するなどの
欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、コストの上
昇が少なく、かつ軽量でありながら、特に斜方入射にお
ける表示コントラストの低下を有効に防止し、表示色の
視覚特性を顕著に改善することのできる光学異方素子、
およびそれを用いた液晶表示素子を提供することを目的
とする。また、本発明は、特にTN型液晶を用いる液晶
表示素子の位相差フィルムとして有用な光学異方素子を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の光学異
方層(a)及び光学異方層(b)の積層体からなり、光
学軸が該積層体表面に対する法線方向から10〜40度
(好ましくは20〜30度)の範囲で傾いている光学異
方素子にある。 (a)ネマチック液晶を含むか、あるいは周速の異なる
二本の圧延ロールの間を通過させて得られる熱可塑性樹
脂フィルムからなる、正の一軸性を示し、その光学軸が
積層体表面に対する法線方向から傾いている光学異方
層; (b)正の一軸性を示し、その光学軸が積層体表面に平
行な面内にある光学異方性層。本発明はまた、二枚の電
極基板の間にTN型液晶を挟持してなる液晶セル、その
液晶セルの両側に配置された二枚の偏光素子、そして液
晶セルと偏光素子との間に配置された上記の光学異方素
子からなる液晶表示素子にもある。
【0009】本発明の好ましい態様を次に挙げる。 1)光学異方層(a)がネマチック液晶を含む層である
上記の光学異方素子。 2)光学異方層(a)が、周速の異なる二本の圧延ロー
ルの間を通過させて得られる熱可塑性樹脂からなる上記
の光学異方素子。 3)光学異方層(b)が、正の固有複屈折値を有する熱
可塑性樹脂を一軸延伸したものである上記の光学異方素
子。 4)主屈折率の方向が互いに直交(略直交をも含む)す
るように、光学異方層(a)と光学異方層(b)とを積
層した上記の光学異方素子。 5)二枚の電極基板の間にTN型液晶を挟持してなる液
晶セル、その液晶セルの両側に配置された二枚の偏光素
子、そして液晶セルと偏光素子との間に配置された上記
1)〜4)のうちのいずれかに記載された光学異方素子
からなる液晶表示素子。
【0010】本発明の光学異方素子は上記の構成により
負の一軸性を示し、これを液晶表示装置に用いると、液
晶セルに光が斜め方向より入射して、楕円偏光として取
り出されても、その楕円偏光が光学異方素子を通過する
ことによって元の直線偏光に変調される。このため、本
発明の光学異方素子を使用することにより、液晶表示素
子(装置)全体としては、種々の斜方入射に対して同一
な透過率を示し、視角依存性が顕著に改良された(すな
わち、視野角が大幅に増大した)表示素子となる。
【0011】本発明の光学異方素子が視野角の大幅な増
大を実現することができることについては、次のような
理由が推定される。TN−LCDを用いる液晶表示装置
では、一般にノーマリーホワイトモードが採用されてい
る。このモードにおける視角特性によると、視野角を大
きくすることに伴なって黒表示部からの光の透過率が著
しく増大する結果となり、このためコントラストの急激
な低下が発生する。この黒表示は電圧印加時の状態に対
応するが、この時にはTN型液晶セルは、光学軸が液晶
セルの表面に対する法線方向から若干傾いた正の一軸性
光学異方体となる。また、中間階調を表示する場合に
は、光学軸は更に液晶セルの法線方向から傾くことにな
る。液晶セルの光学軸が液晶セルの表面に対する法線方
向から傾いている場合、光学軸が法線方向にある位相差
フィルムでは、その補償が不充分となる。これに対し
て、本発明の光学異方素子は、(a)正の一軸性を示
し、その光学軸が積層体表面に対する法線方向から傾い
ている光学異方層と、(b)正の一軸性を示し、その光
学軸が積層体表面に平行な面内にある光学異方層とを組
合せて積層体とすることにより、負の一軸性をとり、そ
の積層体の光学軸を該積層体表面に対する法線方向から
10〜40度の範囲で傾くように調整しているため、液
晶セルに斜め方向より入射した光に発生する位相差を充
分に補償することが可能となり、大幅な視野角の拡大が
実現されるものと考えられる。
【0012】本発明の光学異方素子を構成する光学異方
層(a)と光学異方層(b)は、共に正の固有複屈折値
を有する熱可塑性樹脂、あるいは正の固有複屈折値を有
する低分子化合物と配向固定化のための化合物との組合
せを用いて製造することができる。
【0013】正の固有複屈折値を有する熱可塑性樹脂の
例としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
イミド系樹脂、およびポリスルフォン系樹脂を挙げるこ
とができ、特に、ポリカーボネート、ポリアリレート、
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリスルフォン、そしてポリエーテルスルフォンが
好ましい。いずれにしても、固有複屈折値が大きく、溶
液製膜法あるいは溶融押出法などによって、容易に均質
な表面状態を有するフィルムを形成できる樹脂材料が好
ましい。なお、上記のポリマーは、ホモポリマーに限定
されるものではなく、コポリマー、ホモポリマーやコポ
リマーの誘導体、あるいはそれらの混合物であってもよ
いことは勿論である。正の固有複屈折値を有する熱可塑
性樹脂を、固有複屈折値を有する官能基の位置から分類
すると、主鎖型と側鎖型とに分けることができる。ま
た、その官能基としては、通常の液晶の官能基であるメ
ソゲン基が好ましい。そして、配向性を考慮すると、側
鎖型であることが好ましい。なお、側鎖型の樹脂(側鎖
型高分子化合物)の骨格は、ビニル型ポリマー、ポリシ
ロキサン、ポリペプチド、ポリホスファゼン、ポリエチ
レンイミン、そしてセルロースのうちのいずれかである
ことが好ましい。
【0014】正の固有複屈折値を有する低分子化合物は
メソゲン基を有するものであることが好ましく、その例
としては、シッフ系液晶、アゾキシ系液晶、シアノビフ
ェニル系液晶、シアノフェニルシクロヘキサン系液晶、
シアノフェニルエステル系液晶、安息香酸フェニルエス
テル系液晶、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステ
ル系液晶、フェニルピリミジン系液晶、そしてフェニル
ジオキサン系液晶などの低分子液晶を挙げることができ
る。光学異方層の中に正の固有複屈折値を有する低分子
化合物を含有させる場合には、低分子化合物同志、ある
いは配向固定化のために共存させる高分子マトリクスと
低分子化合物との架橋のために、上述の低分子化合物
に、不飽和結合を有する置換基あるいは活性水素を有す
る置換基などの反応性の置換基を導入することが好まし
い。そのような置換基の例としては、ビニル基、アリー
ル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、ヒド
ロキシル基、エポキシ基などを挙げることができる。
【0015】また、正の固有複屈折値を有する低分子化
合物の配向を固定するために、高分子化合物で形成した
マトリクスを用いることもできる。このマトリクスを形
成させる高分子化合物については特に制限はないが、上
記低分子化合物を含んだ状態で光の透過率が60%以上
で、実質的に透明、無色の層となるものであることが好
ましい。すなわち、光学異方層中では、高分子マトリク
スと正の固有複屈折値を有する低分子化合物とは互いに
相溶しているか、あるいは高分子マトリクス中に低分子
化合物が粒径0.08μm以下の粒子(あるいは油滴)
として分散されていることが好ましい。この高分子マト
リクス中の低分子化合物の分散には、界面活性剤、相溶
性を増加させる高分子化合物などを分散助剤として用い
ることもできる。上記の目的で用いる高分子マトリクス
の材料の例としては、ゼラチン、アガロース、ペクチ
ン、カラギナンなどの天然高分子化合物、そしてポリビ
ニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビ
ニルエーテル、ポリヒドロキシアクリレート、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
メチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアクリレー
ト、ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリエーテルスルフォン、ポ
リフェニレンスルフイド、ポリフェニレンオキシド、ポ
リアリルスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオ
レフィン、ポリ塩化ビニル、セルロース系誘導体、ポリ
アクリロニトリル、ポリスチレンなどの合成高分子化合
物を挙げることあできる。また、その他の二元系、三元
系の各種共重合体、グラフト共重合体、各種の重合体の
混合物などを利用することもできる。
【0016】光学異方層(a)は、たとえば、上記の正
の固有複屈折値を有する熱可塑性樹脂を、溶融押出法、
溶液流延法、あるいはカレンダ法などを利用してフィル
ムの形状とし、このフィルムを周速の異なる一対のロー
ラ間を通過させて、フィルムの両面間に剪断力差を与
え、これによりフィルム中の高分子化合物分子の角度を
配向させるて得ることができる。この方法についての詳
しい記載は、特願平4−324116号明細書にある。
なお、このようにして配向させた正の固有複屈折値を有
する熱可塑性樹脂からなるフィルムは配向緩和が起こり
にくいため、通常は、特別な配向固定処理を施す必要は
ない。ただし、必要に応じて、後記する正の固有複屈折
値を有する低分子化合物を用いて配向させた場合に利用
される配向固定処理を施してもよい。光学異方層(a)
は、あるいは、支持体上に塗布した正の固有複屈折値を
有する低分子化合物に磁場、電場、偏光などを作用させ
て、その低分子化合物を配向させたのち、この配向を固
定する方法によっても製造することができる。また、液
晶セルの製造時に液晶の配向のために用いる配向膜と同
様な材料を利用し、その上に正の固有複屈折値を有する
液晶性低分子化合物を塗布して配向させ、これを固定す
る方法などによっても光学異方層(a)を製造すること
ができる。
【0017】正の固有複屈折値を有する低分子化合物の
配向を固定する方法としては、たとえば、その低分子化
合物と固定化剤(不飽和結合を有するモノマーなど)、
そして光重合開始剤、あるいは熱重合開始剤からなる反
応性組成物を調製し、これを製膜配向すると同時に、ま
たは直後に光あるいは熱を付与して重合反応を起こさせ
て樹脂膜とする方法が利用される。あるいは、正の固有
複屈折値を有する低分子化合物として反応性基を有する
化合物を選び、これと高分子マトリクスを形成する材料
とを混合して膜形成用組成物を調製し、これを製膜配向
すると同時に、あるいは直後に熱の付与、光の付与、ま
たはpHの変化などの方法を利用して上記低分子化合物
と高分子マトリクス材料とを反応させ配向が固定したフ
ィルムとすることができる。また、正の固有複屈折値を
有する低分子化合物として反応性基を有する化合物のみ
を用い、これを製膜配向すると同時に、または直後に熱
の付与や光の付与などの方法により架橋重合させ、配向
の固定したフィルムを得ることもできる。また、その他
の各種の公知の配向固定方法を利用することも可能であ
る。
【0018】なお、上記の目的で用いる熱重合開始剤の
例としては、アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化
物、スルフィン酸類などを挙げることができる。これら
の化合物の詳細については、高分子学会、高分子実験学
編集委員会編「付加重合・開環重合」の6〜18頁に記
載がある。光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン
類、アセトフェノン類、ベンゾイン類、チオキサントン
類などを挙げることができる。これらの詳細について
は、「紫外線硬化システム」(1989年、総合技術セ
ンター発行)の63〜147頁に記載がある。
【0019】光学異方層(b)は、例えば、正の固有複
屈折値を有する熱可塑性樹脂から製造したフィルムを延
伸(一軸延伸あるいは二軸延伸)するような方法で、面
方向の配向を与えて製造することができる。
【0020】なお、本発明の光学異方層(a)と光学異
方層(b)とからなる光学異方素子は単独(一枚)でも
位相差フィルムとして用いることができるが、所望によ
り二枚以上組合せて(積層など)用いることもできる。
【0021】
【実施例】
[実施例1]光学異方素子(KI−1)の作製 一軸延伸ポリカーボネートフィルムの上に、光重合性オ
リゴマー(UN900PEP、根上工業株式会社製)1
重量部、テトラヒドロフラン19重量部、そして少量の
ベンゾフェノンからなる塗布液を塗布し、60℃で30
分間乾燥したのち、その上にネマチック液晶(ZL14
788−100、メルク・ジャパン株式会社製)を塗設
し、5kGの磁場を、塗膜面の法線方向からフィルム面
内の延伸軸と垂直な方向へ70度傾いた角度で印加しな
がら紫外線ランプより紫外線を照射して、ネマチック液
晶の配向と固定を行なった。そののち、トリ酢酸セルロ
ースフィルムで被覆して、本発明に従う光学異方素子
(KI−1)を得た。
【0022】[実施例2]光学異方素子(KI−2)の
作製 周速の異なる二本の加熱ローラーの間(クリアランス:
100μm、加熱温度:145℃)に、厚さ115μm
のポリカーボネートフィルム(ユーピロン、三菱ガス化
学株式会社製)を通し、傾斜型ポリカーボネートフィル
ム(KS−1)を作製した。なお、上記加熱ローラーの
周速比は7:8であり、周速の遅い方のローラーの周速
は1.9m/分であった。別に、ポリカーボネートフィ
ルムを一軸延伸することによって、厚みが100μm
で、レターデーション値が300nmの光学異方性フィ
ルム(CO−1)を作製した。次いで、上記の傾斜型ポ
リカーボネートフィルム(KS−1)と光学異方性フィ
ルム(CO−1)とを直交積層することによって、本発
明に従う光学異方素子(KI−2)を得た。
【0023】[実施例3]光学異方素子(KI−3)の
作製 平面仮支持体上に、ポリスルホン(ユーデルP−350
0、アモコジャパン株式会社製)の31%塩化メチレン
溶液を流延して流延膜を形成させ、これを乾燥すること
によってポリスルホンフィルムを製造した。次いで、こ
のポリスルホンフィルムを200℃にて14%延伸処理
し、厚みが100μmで、レターデション値が300n
mの光学異方性フィルム(FO−1)を作製した。この
光学異方性フィルム(FO−1)と、実施例2で作製し
た傾斜型ポリカーボネートフィルム(KS−1)とを直
交積層することによって、本発明に従う光学異方素子
(KI−3)を得た。
【0024】[実施例4]光学異方素子(KI−4)の
作製 一軸延伸ポリカーボネートフィルムの上に、SiOを蒸
着物質として、蒸着角度70度で斜め蒸着を行なった。
この蒸着膜上に、ネマチック液晶(MBBA、メルク・
ジャパン株式会社製)の塩化メチレン溶液(濃度:1重
量%)を塗布して、乾燥させたのち、70℃に加熱し、
冷却することにより0.5μm厚の固定化ネマチック層
を形成した。こののち、トリ酢酸セルロースフィルムで
被覆し、本発明に従う光学異方素子(KI−4)を得
た。
【0025】実施例1〜4で得られた光学異方素子(K
I−1〜KI−4)の光学的特性を表1に示す。
【0026】 表1 ──────────────────────────────────── 光学異方 光 学 軸 の 傾 き 角 度 素子 光学異方層(a) 光学異方層(b) 光学異方素子 ──────────────────────────────────── KI−1 70度(液晶層) 0度(延伸フィルム) 20度 KI−2 60度(異周速圧延) 0度(延伸フィルム) 20度 KI−3 60度 (同上) 0度(延伸フィルム) 30度 KI−4 70度(液晶層) 0度(延伸フィルム) 20度 ────────────────────────────────────
【0027】なお、光学軸の傾きの測定に際しては、株
式会社島津製作所製のエリプソメータAEP−100を
透過モードで使用し、測定対象のフィルムは、AEP−
1000のλ/4板と検光子との間に置かれたゴニオメ
ータに装着し、該フィルムを回転して、常光屈折率と異
常光屈折率との値が等しくなる方向をもって光学軸とし
た。
【0028】[実施例5]光学異方素子(KI−5)の
作製 実施例1で得た光学異方素子(KI−1)を二枚用意
し、それらを、それぞれの主屈折率の方向が90度相違
するように(すなわち直交するように)させた状態で積
層して、本発明に従う光学異方素子(KI−5)を得
た。
【0029】[実施例6]光学異方素子(KI−5)の
作製 実施例1で得た光学異方素子(KI−1)を三枚用意
し、それらを互いに、それぞれの主屈折率の方向が45
度相違するようにさせて順次積層して、本発明に従う光
学異方素子(KI−6)を得た。
【0030】二枚の電極基板の間にTN型液晶を挟持し
た液晶セルと液晶セルの両側に配置された二枚の偏光素
子からなる通常の液晶表示装置(大塚電子株式会社製L
CD−5000)を用意し、その液晶セルと偏光素子と
の間に実施例1〜6の光学異方素子をそれぞれ配置し
て、0V/5Vのコントラストの視角特性を測定した。
コントラスト10基準の上下左右の視角特性の測定値を
表2に示す。
【0031】 表2 ──────────────────────────────────── 光学異方 視 角 特 性 素子 上 〜 下 左 〜 右 ──────────────────────────────────── KI−1 48度 〜 46度 45度 〜 46度 KI−2 40度 〜 38度 42度 〜 40度 KI−3 42度 〜 40度 44度 〜 40度 KI−4 48度 〜 46度 45度 〜 46度 KI−5 51度 〜 52度 50度 〜 49度 KI−6 53度 〜 54度 55度 〜 54度 ──────────────────────────────────── 無(比較例) 29度 〜 18度 33度 〜 36度 ────────────────────────────────────
【0032】以上の結果から、本発明の光学異方素子の
付設により、視野角の大幅な増大が実現することが明ら
かである。
【0033】
【発明の効果】本発明の光学異方素子を用いることによ
り、液晶表示素子(特にTN型液晶を用いた液晶表示素
子)の視角特性が大幅に改善され、視認性の優れる高品
位表示の液晶表示素子を得ることができる。そして、本
発明の光学異方素子は、TFTやMIMタイプの三端
子、二端子の能動素子を用いたアクティブマトリクス液
晶表示素子に応用した場合に特に有用である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の光学異方層(a)及び光学異方層
    (b)の積層体からなり、光学軸が該積層体表面に対す
    る法線方向から10〜40度の範囲で傾いている光学異
    方素子: (a)ネマチック液晶を含むか、あるいは周速の異なる
    二本の圧延ロールの間を通過させて得られる熱可塑性樹
    脂フィルムからなる、正の一軸性を示し、その光学軸が
    積層体表面に対する法線方向から傾いている光学異方
    層; (b)正の一軸性を示し、その光学軸が積層体表面に平
    行な面内にある光学異方性層。
  2. 【請求項2】 主屈折率の方向が互いに直交するよう
    に、光学異方層(a)と光学異方層(b)とを積層した
    請求項1に記載の光学異方素子。
  3. 【請求項3】 二枚の電極基板の間にTN型液晶を挟持
    してなる液晶セル、その液晶セルの両側に配置された二
    枚の偏光素子、そして液晶セルと偏光素子との間に配置
    された請求項1もしくは2に記載された光学異方素子か
    らなる液晶表示素子
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