JP3371847B2 - インピーダンス/電圧変換装置及びその変換方法 - Google Patents

インピーダンス/電圧変換装置及びその変換方法

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JP3371847B2 JP11002199A JP11002199A JP3371847B2 JP 3371847 B2 JP3371847 B2 JP 3371847B2 JP 11002199 A JP11002199 A JP 11002199A JP 11002199 A JP11002199 A JP 11002199A JP 3371847 B2 JP3371847 B2 JP 3371847B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、演算増幅器を用いてイン
ピーダンスを対応する電圧に変換するインピーダンス/
電圧(Z/V)変換装置に関し、特に、温度変化等の環
境変化及び装置自身の発熱等による出力電圧のドリフト
を防止することができるZ/V変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、特開昭61−14578号公報
に開示された静電容量−電圧(C/V)変換装置の構成
を示す概略図である。この従来例の装置は、未知の静電
容量CxをC/V変換装置に接続するための信号線に浮
遊容量が重畳されること、及び、該信号線の移動や折り
曲げ等により浮遊容量が変化すること等によって、正確
なC/V変換ができないというという課題を解決するた
めに提案されたものであり、図示のように、交流信号発
生器OSと演算増幅器OPとの間に、信号線L1及びL
2を介して未知の容量Cxを接続し、これらの信号線L
1及びL2をシールド手段s1及びs2でシールドする
ことにより、浮遊容量Cs1、Cs2、Cs3の影響を
低減しようとするものである。なお、演算増幅器OPの
出力端子と反転入力端子との間には、抵抗Rfとコンデ
ンサCfとの並列回路からなる帰還回路が接続され、反
転増幅器の非反転入力端子、交流信号発生器OSの他
端、及びシールドs1及びs2は、接地されている。
【0003】このような構成を有する図6のC/V変換
装置においては、負帰還回路を備えた演算増幅器の性質
上、演算増幅器OPの2つの入力端子はイマジナル・シ
ョート状態であり、これにより、2つの入力端子はほぼ
同一の電位(接地電位)となって浮遊容量Cs2は充電
されない。また、浮遊容量Cs3は、2つのシールド手
段s1及びs2の結合容量と考えられるが、該シールド
手段は共に接地されているので、これもまた充電される
ことがない。したがって、未知の静電容量Cxを接続す
るケーブルの浮遊容量による影響は低減されるので、静
電容量Cxに誘導される電荷と等しい電荷が帰還回路の
コンデンサCfに誘導され、結局、静電容量Cxに比例
する電圧 Vo=−(Cx/Cf)Vi [ただし、Viは交流信号発生器OSの出力電圧]が得
られる。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6
のC/V変換装置においては、未知の静電容量Cxが小
さくなると、浮遊容量の影響が顕在化し、正確なC/V
変換ができないという問題がある。また、静電容量Cx
の一方の電極がある電位にバイアスされているときに
は、該静電容量に交流を印加することができないため、
C/V変換が不可能であるという問題もある。さらに、
温度変化等の環境変化または装置の経年変化等によって
出力電圧Voがドリフトしてしまう恐れもある。例え
ば、未知の静電容量Cxが変化していないにも拘わら
ず、測定環境が高温時と低温時とで出力電圧Voのレベ
ルが相違してしまい、結局、未知の静電容量に正確に対
応する出力電圧を得ることができない場合がある。本発
明は、このような問題点を解決するために提案されたも
のであり、その目的は、Z/V変換装置おいて、被測定
インピーダンスを接続するための線上の浮遊容量による
影響を低減するとともに、周囲環境等によって生じる出
力電圧のドリフトを効果的に低減して、被測定インピー
ダンスに高精度に対応する出力電圧を得ることができる
ようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明のインピーダンス/電圧(Z/V)変換
装置は、演算増幅器と、演算増幅器の反転入力端子に接
続された既知の値のインピーダンスと、第1の信号線に
よって演算増幅器の反転入力端子と接続されるスイッチ
回路と、スイッチ回路を介して、演算増幅器の反転入力
端子と出力端子との間に選択的に接続される被測定イン
ピーダンス及び既知の値のダミー・インピーダンスと、
第1の信号線の少なくとも一部をシールドし、かつ演算
増幅器の非反転入力端子に接続された第1のシールド
と、演算増幅器の非反転入力端子と第1のシールドとに
接続された発振器とを含んでいることを特徴としてい
る。
【0006】本発明の好適な実施例においては、インピ
ーダンス/電圧変換装置は、スイッチ回路と被測定イン
ピーダンスとを接続する信号線の少なくとも一部をシー
ルドする第2のシールドと、スイッチ回路とダミー・イ
ンピーダンスとを接続する信号線の少なくとも一部をシ
ールドする第3のシールドと、既知の値のインピーダン
スと演算増幅器の反転入力端子とを接続する信号線の少
なくとも一部をシールドする第4のシールドとを含み、
第2〜第4のシールドの内、少なくとも1つのシールド
が演算増幅器の非反転入力端子に接続されていることが
好ましい。また、被測定インピーダンス及びダミー・イ
ンピーダンスが共に同一特性であり、かつ同一の条件下
にさらされていることが好ましい。
【0007】さらに、本発明の好適な実施例において
は、インピーダンス/電圧変換装置はさらに、演算増幅
器の出力に接続される交流/直流変換回路と、交流/直
流変換回路の出力に接続されるサンプルホールド回路
と、交流/直流変換回路の出力とサンプルホールド回路
の出力とに接続される減算回路と、スイッチ回路、サン
プルホールド回路、及び減算回路を制御する制御回路と
を備えることが好ましい。これにより、ドリフト成分が
除去された出力を得ることができる。なお、サンプリン
グホールド回路の代わりに、交流/直流変換回路の出力
と絶対値が等しく極性が反対のバイアス電圧を出力する
バイアス電圧発生回路を用い、減算回路の代わりに加算
回路を用いても良い。
【0008】上記した目的を達成するために、本発明の
被測定インピーダンス値を電圧に変換するインピーダン
ス/電圧変換方法においては、反転入力端子に既知の値
のインピーダンスが接続されかつ非反転入力端子に発振
器が接続された演算増幅器の反転入力端子と出力端子と
の間に、ダミー・インピーダンスを接続し、ダミー・イ
ンピーダンス接続時の演算増幅器の出力を交流/直流変
換して、ダミー・インピーダンスに対応する直流電圧を
得、ダミー・インピーダンスに対応する直流電圧をサン
プルホールドし、演算増幅器の反転入力端子と出力端子
との間に被測定インピーダンスを接続し、被測定インピ
ーダンス接続時の演算増幅器の出力を交流/直流変換し
て、被測定インピーダンスに対応する直流電圧を得、被
測定インピーダンスに対応する直流電圧からサンプルホ
ールドされたダミー・インピーダンスに対応する電圧を
減算することからなり、ドリフト成分が除去された出力
を得ることができるようにしたことを特徴としている。
なお、ダミー・インピーダンスに対応する直流電圧をサ
ンプルホールドする代わりに、該直流電圧に絶対値が等
しく極性が反対のバイアス電圧を発生し、かつ、被測定
インピーダンスに対応する直流電圧からサンプルホール
ドされたダミー・インピーダンスに対応する電圧を減算
する代わりに、被測定インピーダンスに対応する直流電
圧と発生されたバイアス電圧とを加算してもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のZ/V変換装置
の原理構成を示している。このZ/V変換装置において
は、インピーダンス値Zxを測定すべき対象物である被
測定インピーダンス6が、シールド7が施された信号線
5を介して演算増幅器1の反転入力端子(−)に接続さ
れ、該演算増幅器1の出力端子と反転入力端子との間に
既知のインピーダンス値Zfの帰還インピーダンス3が
接続され、非反転入力端子(+)に発振器4及びシール
ド7が接続されている。また、演算増幅器1の出力端子
には、整流平滑回路等からなる交流/直流変換回路(A
C/DC)2が接続されている。図1に示したZ/V変
換装置においては、負帰還回路を有する演算増幅器の性
質上、演算増幅器1の反転及び非反転入力端子はイマジ
ナル・ショート状態であるため、これらは実質的に同電
位となる。したがって、信号線5とシールド7とが同電
位となるから、これらの間に生じる浮遊容量が充電され
ることがなく、演算増幅器1の入力端子には浮遊容量に
よる影響が生じることがない。これは、信号線5の長さ
に無関係に成立し、また、信号線5の移動、折り曲げ等
に関係なく成立する。
【0010】更に詳細に説明すると、図1に示したZ/
V変換回路において、演算増幅器1の2つの入力端子が
イマジナル・ショート状態であるため、その反転入力端
子の電圧Vmは、発振器4の発振出力電圧Viと等しく
なる。そして、被測定インピーダンス6に流れる電流i
1及び帰還インピーダンス3に流れる電流i2は、演算増
幅器1から出力される交流電圧をVoとすると、以下の
ように表される。 i1=−Vm/Zx=−Vi/Zx i2=(Vm−Vo)/Zf=(Vi−Vo)/Zf ここで、演算増幅器がその性質上、高入力インピーダン
ス特性を有しているから、i1=i2であり、よって Vo=Vi(1+Zf/Zx) (1) が得られる。
【0011】したがって、図1のZ/V変換装置によれ
ば、被測定インピーダンスZxに依存して変化する交流
電圧Voを演算増幅器1から出力することができ、しか
も、演算増幅器1の2つの入力端子のイマジナル・ショ
ート状態により、信号線5に生じる浮遊容量が該入力端
子の間に現れることがないので、被測定インピーダンス
Zxの値に正確に対応した交流電圧Voを出力すること
ができる。よって、図6に示した従来例のC/V変換装
置に比べて、より正確に被測定インピーダンスZxに対
応する交流電圧Voを出力することができる。そして、
演算増幅器1からの交流電圧Voを整流平滑回路等の交
流/直流(AC/DC)変換回路2を介することによ
り、該交流電圧Voの振幅に対応した直流電圧Voutが
出力される。この直流出力電圧Voutのレベルの変化に
より、被測定インピーダンスZxの変化の状態を検出す
ることができ、更には、必要に応じて適宜の演算手段を
付加することにより、被測定インピーダンスZxの値を
逆算することができる。
【0012】ところで、演算増幅器1の帰還回路に挿入
されたインピーダンス3を被測定インピーダンス(Z
x)とし、反転入力端子とグランドとの間に接続された
インピーダンス6を既知のインピーダンス(Zf)とし
た場合、演算増幅器1の出力Voは、式(1)から、 Vo=Vi(1+Zx/Zf) (2) と表される。式(2)から明らかなように、被測定イン
ピーダンスと既知のインピーダンスとの接続位置を取り
替えても、被測定インピーダンス値Zxに対応する交流
電圧Vo及び直流電圧Voutを得ることができる。
【0013】図2は、本発明のZ/V変換装置の第1の
実施例を示す概略図である。この実施例は、図1に原理
構成を示したZ/V変換装置に基づいて構成されたもの
であるが、さらに、環境変化や装置自身の発熱による出
力電圧のドリフトを防止することができるよう構成され
ている。図2においては、図1と同一又は同様の構成要
素には、同一の参照符号を付している。図2に示した第
1の実施例においては、図1のZ/V変換装置におい
て、値Zxの被測定インピーダンス6と既知の値Zfの
インピーダンス3との接続位置を変更するとともに、既
知の値Zdのダミー・インピーダンス8と、被測定イン
ピーダンス6及びダミー・インピーダンス8を選択的に
演算増幅器1の反転入力端子及び出力端子の間に接続す
るためのスイッチ回路9と、交流/直流変換回路2の出
力をサンプリングしてホールドするサンプルホールド回
路10と、該サンプルホールド回路の出力並びに交流/
直流変換回路2の出力Voutが入力される減算回路11
と、スイッチ回路9、サンプルホールド回路(SH)1
0及び減算回路11の動作を制御する制御回路12とを
付加したことを特徴としている。
【0014】図2においては、スイッチ回路9は被測定
インピーダンス6と演算増幅器1とを接続する信号線に
挿入されており、スイッチ回路9の両側の信号線51
2にシールド71、72を施し、かつこれら信号線とシ
ールドとの間の浮遊容量による影響を低減するために、
シールド71及び72を発振器4に接続された演算増幅器
1の非反転入力端子に接続している。そして、ダミー・
インピーダンス8を被測定インピーダンス6と同一環境
に置くことが好ましいため、スイッチ回路9とダミー・
インピーダンス8とを接続する線5dを、信号線51と同
一長とするとともに演算増幅器1の非反転入力端子(及
び発振器4)に接続したシールド7dでシールドしてい
る。なお、ダミー・インピーダンス8及び被測定インピ
ーダンス6とは、互いに抵抗同士か又は容量同士である
等の同一特性であることが好ましい。また、スイッチ回
路9を、演算増幅器1の反転入力端子の間近、または被
測定インピーダンス6及びダミー・インピーダンス8の
間近に配置することもできる。前者の場合は、信号線5
1及びシールド71が不要となり、後者の場合は、信号線
2、5d及びシールド72、7dが不要となる。
【0015】図3は、図2に示したZ/V変換装置の制
御回路12から出力される制御信号S9、S10、S11
出力タイミングを示している。制御信号S9は、スイッ
チ回路9に供給され、高レベルの場合にダミー・インピ
ーダンス8側に、低レベルの場合に被測定インピーダン
ス6側に、演算増幅器1の反転入力端子が接続されるよ
う、スイッチ回路を制御する。制御信号S10は、サンプ
ルホールド回路10に供給され、高レベルの場合にサン
プルホールド回路を動作させて、交流/直流変換回路2
の出力Voutのサンプリング・ホールドを行う。制御信
号S11は、減算回路11に供給され、高レベルの場合に
減算動作を実行するよう、減算回路11を制御する。
【0016】図2及び図3を参照して、本発明の第1の
実施例の動作を説明する。まず、測定動作を時点t0
開始すると、制御回路12は、制御信号S9を高レベル
にして、スイッチ回路9をダミー・インピーダンス8側
(点線の位置)に切り替えるとともに、時点t1におい
て制御信号S10を高レベルにして、サンプルホールド回
路10中のゲートをオンにしてサンプリング及びホール
ド動作を実行させる。これにより、ダミー・インピーダ
ンスZdに対応する直流電圧Vout(=Vout-d(t))が
交流/直流変換回路2から出力されて、サンプルホール
ド回路10のコンデンサに蓄積すなわちホールドされ
る。次に、時点t2において、制御信号S9を低レベルに
戻してスイッチ回路9を被測定インピーダンス6側に接
続し、これにより、交流/直流変換回路2から被測定イ
ンピーダンスZxに対応する直流電圧Vout(=Vout-x
(t))が出力される。このとき、制御信号S10が低レベル
を保持しているので、サンプルホールド回路10のゲー
トはオフ状態を保持し、したがってホールド電圧はダミ
ー・インピーダンスZdに対応する電圧Vout-d(t)を保
持する。
【0017】そして、制御回路12は、時点t3におい
て、制御信号S11を高レベルとし、これにより、減算回
路11が、被測定インピーダンスZxに対応する直流電
圧Vout-x(t)からサンプルホールド回路10にホールド
された電圧Vout-d(t)を差し引いて、差の電圧V V=Vout-x(t)−Vout-d(t) (3) を出力する。なお、時点t0とt1とのタイムラグ及び時
点t2とt3とのタイムラグは、スイッチ回路9を切り替
えてから交流/直流変換回路2の出力電圧が安定するま
でに時間を要するために、設けたものである。
【0018】ところで、式(3)におけるVout-x(t)及
びVout-d(t)には、環境温度の変化や装置自身の発熱等
によって生じるドリフト成分が含まれているが、該ドリ
フト成分は、Vout-x(t)及びVout-d(t)共に同一の値Δ
V(t)である。すなわち、 Vout-x(t)=Vout-x+ΔV(t) Vout-d(t)=Vout-d+ΔV(t) ∴V=Vout-x−Vout-d (4) ただし、Vout-x及びVout-dは、出力電圧Voutにドリ
フト成分が含まない場合の真の被測定インピーダンスZ
x及びZdに対応する出力電圧を表すものとする。これ
は、被測定インピーダンスZx(及びダミー・インピー
ダンスZd)の値に拘わらず成り立つことである。した
がって、Vout-x及びVout-dの差で表される電圧V(式
(4))には環境変化等によって生じるドリフト成分が
含まれないので、減算回路11から、被測定インピーダ
ンスZxの変化に追随して変化する出力電圧Vを得るこ
とができる。なお、被測定インピーダンスZxの変化を
継続的に監視する必要がある場合は、サンプルホールド
回路10のホールド電圧Vout-d(t)が自然放電等により
低下することを考慮して、時点t4でスイッチ回路9を
ダミー・インピーダンスZd側に再度接続して、上記し
た動作を適宜の周期で繰り返せばよい。これにより、ホ
ールド電圧Vout-d(t)がダミー・インピーダンスZdに
常に正確に対応したものとなる。
【0019】図2に示した第1の実施例のZ/V変換装
置において、ダミー・インピーダンスZdに対応し、か
つドリフト成分を含まない出力電圧Vout-dは、該装置
を基準温度(例えば、25℃)等の環境で用いることに
より予め得ることができる。したがって、式(4)より Vout-x=V−Vout-d (5) が得られ、式(5)から、被測定インピーダンスZxに
対応し、かつドリフト成分を含まない電圧Vout-xを得
ることができる。なお、被測定インピーダンスZxの変
化の状態のみを監視すればよい場合は、式(5)で表さ
れる処理を必要とせずに出力Vを監視すればよいこと
は、言うまでもない。
【0020】図4は、本発明の第2の実施例のZ/V変
換装置を示している。第2の実施例においては、図2に
示した第1の実施例と相違する点は、サンプルホールド
回路10及び減算回路11の替わりにバイアス電圧発生
回路13及び加算回路14を用いたことである。バイア
ス電圧発生回路13は、制御回路12からの制御信号S
13が高レベルとなったときに、そのときの交流/直流変
換回路2の出力と絶対値が等しく極性が反対の電圧をバ
イアス電圧として発生するためのものである。制御信号
13は、制御信号S10(図3)と同一のタイミングで発
生され、制御信号S9が高レベルの状態で高レベルとな
るよう制御されるため、ダミー・インピーダンスZdに
対応する出力電圧Vout-d(t)と絶対値が同一で符号が反
対の電圧が、バイアス電圧−Vout-d(t)として設定され
る。加算回路14は、制御信号S11(図3)と同一のタ
イミングで発生され、制御信号S14が高レベルのときに
加算動作を実行して、被測定インピーダンスZxに対応
する電圧Vout-x(t)にバイアス電圧−Vout-d(t)を加算
する。
【0021】すなわち、測定開始時に、制御信号S9
より信号線5dが接地されるようスイッチ回路9を切り
替え、対応する出力電圧Vout-d(t)を交流/直流変換回
路2から出力する。出力電圧Vout-d(t)が安定した後
に、制御信号S13によりバイアス電圧発生回路13に−
Vout-d(t)がバイアス電圧として設定される。その後、
スイッチ回路9を被測定インピーダンス6側に切り替
え、交流/直流変換回路2から電圧Vout-x(t)を出力
し、加算回路14において、以下の加算が実行される。 V=Vout-x(t)+(−Vout-d(t)) ∴V=Vout-x+ΔV(t)−(Vout-d+ΔV(t)) =Vout-x−Vout-d これにより、被測定インピーダンスZxに対応し、ドリ
フト成分を含まない電圧Vを得ることができる。
【0022】図5は、図2に示した本発明の第1の実施
例のZ/V変換装置及び図1に示したZ/V変換装置を
用い、被測定インピーダンスZxを同一固定値の静電容
量として測定した場合の測定結果を示している。図5の
グラフにおいて、横軸は、図3の期間t0〜t4を一測定
サイクルとしてその反復回数Nを表しており、縦軸は被
測定インピーダンスZxである静電容量Cx(fF)の
変化量を表している。また、(A)は図2に示した本発
明の装置によるテスト結果を、(B)は図1の装置によ
るテスト結果を示している。図5から明らかなように、
本発明によれば、測定サイクルの反復回数Nが増大して
もほぼ一定の測定値を得ることができ、ドリフト補償機
能を有していない場合と対比して、ドリフトが低減され
た出力を得ることができる。
【0023】本発明は、上記したように構成されている
ので、Z/V変換装置において、測定環境の変化や装置
自身の発熱等による出力ドリフトを補償することがで
き、また、被測定インピーダンスZxを接続するための
信号線上の浮遊容量等による影響を低減することができ
るので、極めて高精度のZ/V変換が可能となり、実用
性が極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のZ/V変換装置の原理構成を示す回路
図である。
【図2】本発明の第1の実施例のZ/V変換装置の構成
を示す回路図である。
【図3】図2に示したZ/V変換装置における制御信号
の発生タイミングを示すタイミング図である。
【図4】本発明の第2の実施例のZ/V変換装置の構成
を示す回路図である。
【図5】図2に示した本発明のドリフト補償手段を備え
たZ/V変換装置と図1に示したZ/V変換装置とをC
/V変換装置として構成して、それぞれについて実機テ
ストした結果を示すグラフである。
【図6】従来例のC/V変換装置の構成を示す回路図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01D 5/24 K (56)参考文献 特開 平9−280806(JP,A) 特開 平2−302628(JP,A) 特開 昭61−82103(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 27/02 G01R 27/26 G01R 35/00 G01D 5/24

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定インピーダンス値を電圧に変換す
    るインピーダンス/電圧変換装置において、 演算増幅器と、 演算増幅器の反転入力端子に接続された既知の値のイン
    ピーダンスと、 第1の信号線によって演算増幅器の反転入力端子と接続
    されるスイッチ回路と、 スイッチ回路を介して、演算増幅器の反転入力端子と出
    力端子との間に選択的に接続される被測定インピーダン
    ス及び既知の値のダミー・インピーダンスと、 第1の信号線の少なくとも一部をシールドし、かつ演算
    増幅器の非反転入力端子に接続された第1のシールド
    と、 演算増幅器の非反転入力端子と第1のシールドとに接続
    された発振器とを含んでいることを特徴とするインピー
    ダンス/電圧変換装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインピーダンス/電圧変
    換装置において、該装置はさらに、 スイッチ回路と被測定インピーダンスとを接続する信号
    線の少なくとも一部をシールドする第2のシールドと、 スイッチ回路とダミー・インピーダンスとを接続する信
    号線の少なくとも一部をシールドする第3のシールド
    と、 既知の値のインピーダンスと演算増幅器の反転入力端子
    とを接続する信号線の少なくとも一部をシールドする第
    4のシールドとを含み、第2〜第4のシールドの内、少
    なくとも1つのシールドが演算増幅器の非反転入力端子
    に接続されていることを特徴とするインピーダンス/電
    圧変換装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のインピーダンス/
    電圧変換装置において、被測定インピーダンス及びダミ
    ー・インピーダンスが共に同一特性であることを特徴と
    するインピーダンス/電圧変換装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載のインピー
    ダンス/電圧変換装置において、被測定インピーダンス
    及びダミー・インピーダンスが共に同一の条件下にさら
    されていることを特徴とするインピーダンス/電圧変換
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載のインピー
    ダンス/電圧変換装置において、該装置はさらに、 演算増幅器の出力に接続される交流/直流変換回路と、 交流/直流変換回路の出力に接続されるサンプルホール
    ド回路と、 交流/直流変換回路の出力とサンプルホールド回路の出
    力とに接続される減算回路と、 スイッチ回路、サンプルホールド回路、及び減算回路を
    制御する制御回路とを備えていることを特徴とするイン
    ピーダンス/電圧変換装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4いずれかに記載のインピー
    ダンス/電圧変換装置において、該装置はさらに、 演算増幅器の出力に接続される交流/直流変換回路と、 交流/直流変換回路の出力に接続され、交流/直流変換
    回路の出力電圧と極性が反対で絶対値が等しいバイアス
    電圧を出力するバイアス電圧発生回路と、 交流/直流変換回路の出力とバイアス電圧発生回路の出
    力とに接続される加算回路と、 スイッチ回路、バイアス電圧発生回路、及び加算回路を
    制御する制御回路とを備えていることを特徴とするイン
    ピーダンス/電圧変換装置。
  7. 【請求項7】 被測定インピーダンス値を電圧に変換す
    るインピーダンス/電圧変換方法において、 反転入力端子に既知の値のインピーダンスが接続されか
    つ非反転入力端子に発振器が接続された演算増幅器の反
    転入力端子と出力端子との間に、ダミー・インピーダン
    スを接続し、 ダミー・インピーダンス接続時の演算増幅器の出力を交
    流/直流変換して、ダミー・インピーダンスに対応する
    直流電圧を得、 ダミー・インピーダンスに対応する直流電圧をサンプル
    ホールドし、 演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に被測定イ
    ンピーダンスを接続し、 被測定インピーダンス接続時の演算増幅器の出力を交流
    /直流変換して、被測定インピーダンスに対応する直流
    電圧を得、 被測定インピーダンスに対応する直流電圧からサンプル
    ホールドされたダミー・インピーダンスに対応する電圧
    を減算することからなり、ドリフト成分が除去された出
    力を得ることができるようにしたことを特徴とするイン
    ピーダンス/電圧変換方法。
  8. 【請求項8】 被測定インピーダンス値を電圧に変換す
    るインピーダンス/電圧変換方法において、 反転入力端子に既知の値のインピーダンスが接続されか
    つ非反転入力端子に発振器が接続された演算増幅器の反
    転入力端子と出力端子との間に、ダミー・インピーダン
    スを接続し、 ダミー・インピーダンス接続時の演算増幅器の出力を交
    流/直流変換して、ダミー・インピーダンスに対応する
    直流電圧を得、 ダミー・インピーダンスに対応する直流電圧に絶対値が
    等しく極性が反対のバイアス電圧を発生し、 演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に被測定イ
    ンピーダンスを接続し、 被測定インピーダンス接続時の演算増幅器の出力を交流
    /直流変換して、被測定インピーダンスに対応する直流
    電圧を得、 被測定インピーダンスに対応する直流電圧と発生された
    バイアス電圧とを加算することからなり、ドリフト成分
    が除去された出力を得ることができるようにしたことを
    特徴とするインピーダンス/電圧変換方法。
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