JP3370430B2 - すべり止めニス - Google Patents

すべり止めニス

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JP3370430B2
JP3370430B2 JP11521194A JP11521194A JP3370430B2 JP 3370430 B2 JP3370430 B2 JP 3370430B2 JP 11521194 A JP11521194 A JP 11521194A JP 11521194 A JP11521194 A JP 11521194A JP 3370430 B2 JP3370430 B2 JP 3370430B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、段ボール、カートンな
どの紙器および種々の紙袋に使用する荷崩れを防止する
ためのすべり止めニスに関する。
【0002】
【従来の技術】農産物、水産物、その他の種々の食品、
各種工業品などは、段ボール、カートンなどの紙器、あ
るいは種々の紙袋でもって包装され輸送されている。
【0003】近年、これらの包装、輸送においても各種
包装ラインの自動化、輸送ラインのパレット化などによ
る物流の効率化が進んでいるが、段ボールケースなどの
滑りによる荷崩れが大きな問題となってきている。
【0004】そこで、このような問題を解決するため
に、主に粘着タイプのすべり止めニスが、例えば段ボー
ルケースに水性印刷インキで図柄印刷した後、全面ある
いは積層面となる天面および/または地面に部分的に塗
工されていた。
【0005】前記粘着タイプのすべり止めニスとして
は、粘着性を有するアクリル共重合体、エチレン/酢酸
ビニル共重合体などのエマルジョンをもっぱら使用し、
適当な印刷もしくはコーティング手段で印刷・塗工する
もの、または、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの固
形樹脂を、特別なホットメルトコーティング装置でもっ
て加熱溶融により塗工するものなどがある。
【0006】しかしながら、粘着性を有するエマルジョ
ンを使用するすべり止めニスは、より高いすべり止め効
果を目的として、粘着性を高くするとブロッキングが起
こり、紙器などの表面を損傷せしめたり、あるいは輸送
中にゴミ、ホコリなどが付着するなど、紙器の商品価値
を著しく低下させるものであった。
【0007】また、固形樹脂を使用する場合は、加熱溶
融して塗工する特別な装置を必要とするため、紙器、紙
袋の印刷機をそのまま使用できず、作業効率が低下する
という問題があった。
【0008】さらに、これらの問題を解決するために、
特開平2−34671号公報には、コア/シェル構造の
アクリル系エマルジョンから構成されるスベリ止めニ
ス、特開平2−245086号公報には、ゴムラテック
ス、水性樹脂、水溶性金属錯塩から主として構成される
すべり止めニスが提案されている。
【0009】しかし、コア/シェル構造のアクリル系エ
マルジョンを使用したすべり止めニスは、コア部分が多
くなると造膜性が低下して、耐摩擦性が低下し、逆にシ
ェル部分が多くなると耐ブロッキング性が低下するとい
う問題があり、また、ゴムラテックスを使用したすべり
止めニスは、長期間使用するとゴムが紫外線などにより
老化し、耐摩擦性、耐水性、すべり止め効果が低下する
という問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術の課題を解決するためになされたものであり、特
に、高温、高湿度の環境下において、優れた耐ブロッキ
ング性を有し、長期間にわたって使用しても、すべり止
め効果、耐水性、耐摩擦性の低下のないすべり止めニス
を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、水性
樹脂エマルジョン、カルボキシル基と反応する架橋剤、
アルカリ化合物および水から主として構成され、つぎの
条件1、2を満足することを特徴とするすべり止めニス
を提供する。
【0012】条件1.前記水性樹脂エマルジョンが、つ
ぎのa1の存在下、a2を乳化重合してえられ、かつ、重量
比率としてa1/a2=10/90〜40/60である水性
樹脂エマルジョンである。
【0013】a1.分子内にカルボキシル基を有する酸価
200〜350、ガラス転移温度が60℃以上のアルカ
リ可溶型樹脂からなる高分子乳化剤。
【0014】a2.重合体のガラス転移温度が−50〜1
0℃となる範囲で選択されたラジカル重合性単量体。
【0015】条件2.前記架橋剤の使用量が、すべり止
めニス中に存在する全カルボキシル基に対して0.2〜
2.0当量である。
【0016】本発明は、より好ましい態様として、前記
高分子乳化剤が、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹
脂、スチレン−マレイン酸樹脂およびスチレン−アクリ
ル−マレイン酸樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも
1種であることを特徴とするすべり止めニスを提供す
る。
【0017】本発明は、より好ましい態様として、前記
ラジカル重合性単量体が、主として、メタクリル酸メチ
ルとアクリル酸2−エチルヘキシルの混合物からなるこ
とを特徴とするすべり止めニスを提供する。
【0018】本発明はより好ましい態様として、前記架
橋剤が水溶性金属錯塩であることを特徴とするすべり止
めニスを提供する。
【0019】
【作用および実施例】すべり止めニス皮膜に、防滑性を
付与する粘着性樹脂部分と耐ブロッキング性を付与する
非粘着性樹脂部分とを選択的に設けることにより、すべ
り止め効果と耐ブロッキング性という相反する性能を同
時に向上させる方法が試みられている。
【0020】例えば、バインダー樹脂として、ガラス転
移温度の低い水性樹脂エマルジョンとガラス転移温度の
高い水溶性樹脂との併用などはその最も簡単な方法であ
るが、両者がきわめてよく混合された状態でなければ充
分な効果が得られず、多くの場合、高いすべり止め効果
と優れた耐ブロッキング性をともに有するすべり止めニ
スを得ることはできなかった。
【0021】さらに、粘着性樹脂部分と非粘着性樹脂部
分を同一系内で別々に重合した、いわゆるコア/シェル
タイプの水性樹脂エマルジョンが利用されている。しか
し、非粘着性樹脂部分は全く皮膜形成能力がないため、
高い皮膜形成能力を有するためには粘着樹脂部分を多く
必要とし、皮膜強度が高く、しかも優れた耐ブロッキン
グ性を有するすべり止めニスをうることが困難であっ
た。
【0022】それに対して、本発明の水性樹脂エマルジ
ョンは、高分子乳化剤として使用するアルカリ可溶性樹
脂が非粘着性でありながら成膜性を有すること、また非
粘着性の高分子乳化剤と、乳化重合によって得られた粘
着成分とがよく混合されたのと同じ状態で存在すること
より、前記問題をすべて解決することができる。
【0023】さらに、本発明の高分子乳化剤は、架橋剤
によって架橋されることを特徴としているが、それは次
の様な理由からである。
【0024】特に夏場において、すべり止めニスが塗工
される間、また、内容物が詰められて倉庫で貯蔵される
間、高温高湿の状態にある。このような環境条件では、
従来の非架橋性アルカリ可溶性樹脂は吸湿して可塑化
し、耐ブロッキング性が著しく低くなるのに対して、本
発明に従って樹脂を架橋することにより、吸湿を防止
し、長期間にわたって耐ブロッキング性の低下のないす
べり止めニスを得ることができるものである。
【0025】以下、本発明のすべり止めニスについて具
体的に説明する。
【0026】まず、本発明に使用する水性樹脂エマルジ
ョンとしては、アルカリ可溶型樹脂を高分子乳化剤とし
て、ラジカル重合性単量体を乳化重合して得ることがで
きる。
【0027】前記高分子乳化剤として使用するアルカリ
可溶型樹脂としては、酸価が200〜350となるよう
に分子内にカルボキシル基を有する、アクリル樹脂、ス
チレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、ス
チレン−アクリル−マレイン酸樹脂などが使用できる。
【0028】ここで、アクリル樹脂、スチレン−アクリ
ル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂およびスチレン−ア
クリル−マレイン酸樹脂とは、それぞれアクリル系単量
体の共重合体樹脂、スチレン系単量体とアクリル系単量
体との共重合体樹脂、スチレン系単量体とマレイン酸系
単量体との共重合体樹脂、および、スチレン系単量体、
アクリル系単量体、マレイン酸系単量体の三者の共重合
体樹脂である。
【0029】さらに、アクリル系単量体、スチレン系単
量体およびマレイン酸系単量体とは、以下に示す単量体
成分である。
【0030】・アクリル系単量体:(メタ)アクリル
酸、およびそのアルキルエステル(アルキル基の炭素数
1〜18)、そのモノまたはジアルキルアミド(アルキ
ル基の炭素数1〜18)、そのヒドロキシアルキルエス
テル(ヒドロキシアルキル基の炭素数2〜4)などであ
り、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アク
リレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリルアミ
ド、エチル(メタ)アクリルアミド、ブチル(メタ)ア
クリルアミド、ヘキシル(メタ)アクリルアミド、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを挙げるこ
とができる。
【0031】・スチレン系単量体:スチレンおよびその
誘導体であり、該誘導体としては具体的には、α−メチ
ルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエンなどをあ
げることができる。
【0032】・マレイン酸系単量体:(無水)マレイン
酸、およびそのモノまたはジアルキルエステル(アルキ
ル基の炭素数1〜18)、そのモノ−またはビス−(モ
ノまたはジアルキル)アミド(アルキル基の炭素数1〜
18)、そのモノまたはジ(ヒドロキシアルキル)エス
テル(ヒドロキシアルキル基の炭素数2〜4)などであ
り、具体的には、モノメチルマレート、ジメチルマレー
ト、モノエチルマレート、ジエチルマレート、モノブチ
ルマレート、モノオクチルマレート、モノメチルマレイ
ン酸アミド、モノジメチルマレイン酸アミド、モノエチ
ルマレイン酸アミド、モノブチルマレイン酸アミド、モ
ノ−2−ヒドロキシエチルマレートなどをあげることが
できる。
【0033】以上の単量体を共重合して得られ、高分子
乳化剤として使用するアルカリ可溶型樹脂は、酸価20
0〜350、好ましくは、酸価250〜350、ガラス
転移温度60℃以上のものである。アルカリ可溶型樹脂
の酸価が前記範囲より小さいか、あるいはガラス転移温
度が前記範囲より低くなると、えられるすべり止めニス
の耐ブロッキング性が低下し、一方酸価が前記範囲を超
えると、えられるすべり止めニスのすべり止め効果が低
下する。
【0034】さらに、これらのアルカリ可溶型樹脂を中
和するためのアルカリ化合物としては、アンモニア、ジ
メチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、
トリエチルアミン、トリブチルアミン、モルホリン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミンなどを例示す
ることができるが、すべり止めニスの耐水性の面から
は、アンモニアまたは揮発性アミンを用いることが好ま
しい。
【0035】一方、前記の高分子乳化剤の存在下で、乳
化重合に供されるラジカル重合性単量体としては、前記
(メタ)アクリル酸のアルキルエステル(アルキル基の
炭素数1〜18)、スチレン系単量体などが例示でき、
得られる重合体のガラス転移温度が−50〜10℃、好
ましくは−30〜0℃となる範囲で単独または混合して
使用できる。
【0036】その中でもより好ましくは、アクリル酸2
−エチルヘキシルとメタクリル酸メチルとの混合物を主
体とするものである。
【0037】なお、得られる重合体のガラス転移温度が
−50℃より低くなると、すべり止めニスの耐ブロッキ
ング性が低下し、10℃より高いとすべり止めニスのす
べり止め効果が低下する。
【0038】これらの高分子乳化剤、アルカリ化合物、
および乳化重合に供されるラジカル重合性単量体を使用
して、水性樹脂エマルジョンを製造する方法としては、
まず、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル
系、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系、低
級アルコール系、グリコールまたはその誘導体などの有
機溶剤中で、重合開始剤の存在下、アルカリ可溶型樹脂
の単量体成分を重合した後、有機溶剤を留去して固形樹
脂を得る。続いて、アルカリ化合物の存在下、前記固形
樹脂を水中に溶解させて高分子乳化剤とし、乳化重合に
供される単量体と重合開始剤との混合物を徐々に加え、
重合させて水性樹脂エマルジョンを得る方法が利用でき
る。
【0039】ここで、重合開始剤としては、例えば、過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム
などの過硫酸塩類、ベンゾイルハイドロパーオキサイド
などの有機過酸化物類、アゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ化合物類が利用でき、また、必要に応じて還元剤
と組み合わせてレドックス系開始剤として使用すること
もできる。
【0040】高分子乳化剤として使用するアルカリ可溶
型樹脂と乳化重合に供されるラジカル重合性単量体との
重量比率は、アルカリ可溶型樹脂/ラジカル重合性単量
体=10/90〜40/60、好ましくは20/80〜
35/75の範囲である。アルカリ可溶型樹脂の重量比
率が前記の範囲より小さくなると、得られる水性樹脂エ
マルジョンの安定性およびすべり止めニスの耐ブロッキ
ング性が低下し、一方、前記の範囲をこえると、すべり
止めニスのすべり止め効果が低下する。
【0041】本発明においては、本発明の効果を低下さ
せない範囲で他の水性バインダー樹脂を添加することが
できる。このような他の水性バインダー樹脂として、例
えばシェラック、カゼイン、ロジンマレイン酸樹脂、水
性ポリエステル樹脂、水溶性セルロース、アクリル樹
脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹
脂、スチレン−アクリル−マレイン酸樹脂などが使用で
きる。
【0042】次に本発明で使用する架橋剤としては、カ
ルボキシル基と反応する水溶性金属錯塩などをあげるこ
とができる。
【0043】水溶性金属錯塩とは、Zn、Zr、Sn、
Tiなどの多価金属を、炭酸、リン酸などの無機酸、も
しくはタンニン、没食子酸、フミン酸、サリチル酸、安
息香酸、パラオキシ安息香酸などの有機酸と反応させて
金属錯塩とし、さらにアンモニア、エチレンジアミン、
メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジメチルエタノールアミンなどの第1級また
は第2級アミン類で中和して水溶化したものである。
【0044】具体例としては、炭酸亜鉛アンモン、リン
酸亜鉛アンモン、没食子酸亜鉛アンモン、フミン酸亜鉛
アンモン、安息香酸亜鉛アンモン、あるいはスズ、ジル
コニウム、チタンの同様の金属錯塩などが例示できる。
【0045】これら水溶性金属錯塩の製造法としては、
先ず多価金属の水酸化物、酸化物などにアンモニア水ま
たはアミン類水溶液を加えてスラリーを調製し、これに
前記の酸もしくはそのアンモニウム塩またはアミン塩を
添加し、金属化合物を水溶化させることによって得るこ
とができる。
【0046】これら水溶性金属錯塩の使用量は、すべり
止めニス中に存在する、高分子乳化剤として使用するア
ルカリ可溶型樹脂、およびその他の水性バインダー樹脂
の全カルボキシル基に対して、0.2〜2.0当量、好
ましくは、0.5〜1.5当量の範囲である。
【0047】水溶性金属錯塩の使用量が前記の範囲より
少なくなると、高温高湿下での耐ブロッキング性が不良
となり、一方、多くなるとすべり止めニスの臭気が強く
なり、また塗工機上での安定性が低下する。
【0048】さらに、より高いすべり止め効果が要求さ
れる場合は、すべり止めニスの固形分に対して、無機微
粒子充填剤を10重量%程度、または有機微粒子充填剤
を20重量%程度まで添加することができる。
【0049】無機微粒子充填剤の具体例としては、シリ
カ粉末、シリカゲル、ガラス粉末、タルク、クレー、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、亜鉛華、硫酸バリウ
ムなどが例示でき、有機微粒子充填剤の具体例として
は、アクリル、ポリスチレン、スチレン/アクリル、ナ
イロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、塩化ビニル、アクリロニトリル、フェノール、エポ
キシ、ポリアミド、シリコーン、ポリウレタンなどの樹
脂から得られる微粒粉末が例示できる。
【0050】なお、これら無機および有機微粒子充填剤
の添加量が前記の範囲を超えると、すべり止めニスの流
動性の低下および印刷物の白化などが生じ好ましくな
い。さらに、同じ理由から無機または有機微粒子充填剤
の粒径としては、平均粒子径20μm以下のものがより
好適に使用できる。
【0051】また、本発明のすべり止めニスには、消泡
剤、粘度調整剤、乾燥性の調整のための水混和性溶剤、
印刷適性向上のための流動性調整剤(例えば、体質顔料
など)を添加することができる。
【0052】以上の材料を使用して、すべり止めニスを
製造する方法としては、高速ミキサーなどの撹拌機を利
用して、本発明で特定される組成となる量の各材料を添
加、攪拌する方法が利用できる。
【0053】本発明のすべり止めニスは、紙器、紙袋の
印刷前、印刷工程内、印刷後、製函あるいは製袋後に、
ローラーコーティングあるいはスプレーなどによって塗
工する方法が利用できるが、作業の効率化の面から印刷
工程内で塗工することが好ましい。
【0054】このすべり止め加工方法から得られたすべ
り止め加工物は、高温高湿の環境下において、高いすべ
り角、良好な耐ブロッキング性を有し、かつ、長期間に
わたって使用しても、すべり角度、耐水性、耐摩擦性の
低下がない。
【0055】以下、実施例でもって本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれに何等限定されるものでは
ない。なお、特にことわりのない限り、「部」および
「%」は「重量部」および「重量%」を表し、比は重量
比である。
【0056】最初にすべり止めニスの成分(水性樹脂エ
マルジョン、アルカリ可溶型樹脂、架橋剤、充填剤)に
ついてそれぞれ説明する。
【0057】<高分子乳化剤として使用するアルカリ可
溶型樹脂の製造例>攪拌機、温度計、冷却管、窒素ガス
導入管を備えた四つ口フラスコに、酢酸エチル60部を
仕込み、75〜85℃に加熱した後、窒素ガスを導入し
ながら、表1の単量体成分40部および反応開始剤とし
てジターシャリーブチルパーオキサイド0.4部の混合
物を2時間かけて滴下した。さらに同温度に保ちなが
ら、2時間重合させた後、溶剤を減圧下に蒸発させて共
重合体を得た。
【0058】この共重合体40部を粉砕した後、当量の
アンモニアを溶解させた水60部中に攪拌混合し、80
℃で加熱溶解させて、高分子乳化剤として使用する固形
分40%のアルカリ可溶型樹脂水溶液1〜7を得た。
【0059】
【表1】
【0060】<高分子乳化剤を使用した水性樹脂エマル
ジョンの製造例>高分子乳化剤の製造例と同じ装置に、
表2の配合にしたがい高分子乳化剤、水を仕込み、窒素
ガスを導入しながら、80〜85℃に保ち、表2の配合
にしたがい単量体およびジターシャリーブチルパーオキ
サイド0.3部の混合物を2時間かけて滴下したのち、
さらに2時間反応させて乳化重合を行い水性樹脂エマル
ジョン1〜16を得た。
【0061】
【表2】
【0062】<界面活性剤を使用した水性樹脂エマルジ
ョンの製造例>ブチルアクリレート、スチレン、メタク
リル酸(ブチルアクリレート/スチレン/メタクリル酸
の割合は、71.4/12.6/16.0)を使用し、
触媒として過硫酸アンモニウムを、乳化剤としてポリオ
キシエチレン系界面活性剤を使用し、通常の乳化重合法
に従い、固形分50%、ガラス転移温度−22.7℃、
酸価100の水性樹脂エマルジョン17を得た。
【0063】<アルカリ可溶型樹脂溶液(水性樹脂1)
の製造例>メタクリル酸メチル52.4%、アクリル酸
21.8%、スチレン11.8%、アクリル酸ブチル1
4.0%を常法で共重合して、固形分35%、ガラス転
移温度70℃のアルカリ可溶型樹脂アンモニア水溶液
(水性樹脂1)を得た。
【0064】<架橋剤>酸化亜鉛15.0部、25%ア
ンモニア水26.0部、炭酸アンモニウム17.0部、
水42.0部を混合し、水溶性亜鉛錯塩を調製した。
【0065】<充填剤> 充填剤A:ポリスチレン、平均粒子径6μm(軟化点2
00℃) 充填剤B:シリカ、平均粒子径5μm(サイロイド16
1、富士デヴィソン化学株式会社) <すべり止めニスの実施例および比較例>表3、表4の
配合にしたがって、実施例1〜14および比較例1〜9
のすべり止めニスを調製した。
【0066】<実施例および比較例の評価>段ボール用
Kライナーに、実施例1〜14および比較例1〜9で得
たすべり止めニスを直径0.2mmのメーヤバーで塗工
した後、滑り角度、耐ブロッキング性を評価した。ま
た、段ボール用Kライナーに、水性印刷インキを直径
0.2mmのメーヤバーで塗工した後、さらに実施例1
〜14および比較例1〜9で得たすべり止めニスを直径
0.2mmのメーヤバーで塗工して、耐摩擦性、耐水性
を評価した。各々の結果を表3、4に示した。なお、評
価がA、Bのものは実用範囲で、C、Dのものは実用性
がない。
【0067】<評価試験方法および評価基準> ・滑り角度 雰囲気温度20℃、相対湿度60%の環境条件下、TA
PPIに記載されている傾斜法試験に従い滑り角度を測
定した。
【0068】(評価基準) A:すべり角度が40°以上のもの。 B:すべり角度が35〜40°のもの。 C:すべり角度が30〜35°のもの。 D:すべり角度が30°未満のもの。
【0069】・耐ブロッキング性 雰囲気温度50℃、相対湿度90%の環境条件下、ニス
塗工面同士を接触させ、5kg/25cm2 の荷重をか
けて24時間放置したのち、両者を剥離し、剥離状況を
観察した。
【0070】(評価基準) A:全く抵抗なく剥離する。 B:ライナーを湾曲させる程度の応力で簡単に剥離す
る。 C:接触面を強く引っ張ることにより剥離する。 D:接触面が剥離の際に破損する。
【0071】・耐摩擦性 学振型耐摩擦試験機を使用し、500gの荷重で、50
0回摩擦したときの、塗工面の損傷の有無から耐摩擦性
を評価した。
【0072】(評価基準) A:塗工面の損傷がない。 B:塗工面に筋状の損傷がある。 C:塗工面全面が損傷する。
【0073】・耐水性 学振型耐摩擦試験機を使用し、500gの荷重であて布
に水を含ませて2回摩擦したときの、塗工面の損傷の有
無から耐水性を評価した。
【0074】(評価基準) A:塗工面の損傷がない。 B:塗工面に筋状の損傷がある。 C:塗工面全面が損傷する。
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【発明の効果】以上、実施例を用いて具体的に説明した
ように、本発明のすべり止めニスは、高温、高湿度の環
境下における、耐ブロッキング性が良好で、かつ、長期
間にわたって、すべり止め効果、耐摩擦性、耐水性、耐
ブロッキング性が低下することがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 133/06 C09D 133/06 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 13/00 C09D 101/00 - 201/10 B29D 9/00 B32B 1/00 - 35/00 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16 C08C 19/00 - 19/44 C08F 6/00 - 246/00 C09J 1/00 - 5/10 C09J 9/00 - 201/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性樹脂エマルジョン、カルボキシル基
    と反応する架橋剤、アルカリ化合物および水から主とし
    て構成され、つぎの条件1、2を満足することを特徴と
    するすべり止めニス。 条件1.前記水性樹脂エマルジョンが、つぎのa1の存在
    下、a2を乳化重合してえられ、かつ、重量比率としてa1
    /a2=10/90〜40/60である水性樹脂エマルジ
    ョンである。 a1.分子内にカルボキシル基を有する酸価200〜35
    0、ガラス転移温度が60℃以上のアルカリ可溶型樹脂
    からなる高分子乳化剤。 a2.重合体のガラス転移温度が−50〜10℃となる範
    囲で選択されたラジカル重合性単量体。 条件2.前記架橋剤の使用量が、すべり止めニス中に存
    在する全カルボキシル基に対して0.2〜2.0当量で
    ある。
  2. 【請求項2】 前記高分子乳化剤が、アクリル樹脂、ス
    チレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂およ
    びスチレン−アクリル−マレイン酸樹脂よりなる群から
    選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    1記載のすべり止めニス。
  3. 【請求項3】 前記ラジカル重合性単量体が、主とし
    て、メタクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシ
    ルの混合物からなることを特徴とする請求項1または2
    記載のすべり止めニス。
  4. 【請求項4】 前記架橋剤が、水溶性金属錯塩であるこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載のすべり止め
    ニス。
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