JP3366610B2 - 廃棄物処理方法及び装置 - Google Patents

廃棄物処理方法及び装置

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JP3366610B2
JP3366610B2 JP2000011173A JP2000011173A JP3366610B2 JP 3366610 B2 JP3366610 B2 JP 3366610B2 JP 2000011173 A JP2000011173 A JP 2000011173A JP 2000011173 A JP2000011173 A JP 2000011173A JP 3366610 B2 JP3366610 B2 JP 3366610B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイオキシン類及
び水銀を含む汚泥、灰などの廃棄物の処理方法及び装
置、詳しくは、ごみなどの廃棄物の焼却施設の湿式洗煙
装置の洗煙排水処理により発生する洗煙排水汚泥、廃棄
物焼却灰又は/及び集塵装置捕集飛灰を無害化処理する
方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】廃棄物焼却施設、例えば、ごみ焼却施設
において、排ガス処理として湿式洗煙法を用いた場合、
排ガス中のダイオキシン類や水銀などの有害成分は洗煙
排水中に移行する。さらに、この洗煙排水は、凝集沈
殿、ろ過、キレート剤添加などの処理を経て下水に放流
される。この際に発生する汚泥中には、元々、排ガス中
に含まれていたダイオキシン類や水銀などの有害成分が
移行しており、従来は埋立処分されていた。
【0003】汚泥中のダイオキシン類の除去方法とし
て、特開平11−309497号公報には、汚泥中のダ
イオキシン類を超音波照射によって有機溶媒中に抽出
し、この有機溶媒を汚泥より分離して再使用し、ダイオ
キシン類が除去された汚泥を回収する方法が開示されて
いる。また、特開平11−290824号公報には、焼
却灰、煤塵、汚泥などの固体状廃棄物に、亜リン酸類及
び/又は次亜リン酸類を含有する固体状廃棄物処理剤を
添加し、100〜1000℃に加熱して固体状廃棄物を
無害化する処理方法が記載されている。なお、これらの
公報には、汚泥などに含まれる水銀を揮散させることに
ついても、何も記載されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の湿式洗煙排水汚
泥中のダイオキシン類の処理方法として、排水処理汚泥
を再度、焼却炉に投入し、高温によりダイオキシン類を
分解する方式を用いた場合は、同時に水銀は再揮散し系
内で高濃度に濃縮されることが予想され、炉内で汚泥を
焼却処分することはできない。また、加熱脱塩素化法や
超臨界水による分解などの適用が検討されているが、い
ずれも同時に水銀の処理ができるものではなく、また装
置的にも大規模なものとなる。
【0005】ごみ焼却施設において、排ガス処理工程か
ら出てくる廃棄物焼却灰や、バグフィルタ又は電気集塵
機の捕集飛灰についても、元々、排ガス中に含まれてい
たダイオキシン類や水銀などの有害成分が移行してお
り、上記の汚泥と同様、水銀及びダイオキシン類の処理
が課題となっている。
【0006】上記の点を解決するために、本発明者は種
々の研究を重ね、湿式洗煙排水汚泥中の水銀は120〜
250℃、望ましくは150〜250℃程度でその大部
分が揮散することを見出した。塩化水銀の沸点は304
℃、水銀の沸点は357℃であり、それ以外の水銀化合
物では、さらに高温でないと分解、脱離が起こらない。
汚泥中では、水銀と液体キレート剤とがキレート結合し
て存在しているが、このキレート結合が切れるため、1
20〜250℃、望ましくは150〜250℃程度の低
温域で汚泥から水銀が揮散すると考えられる。また、汚
泥中のダイオキシン類はその蒸気圧から120〜250
℃、望ましくは150〜250℃では揮散しないことが
明らかであり、この温度域では汚泥中から水銀のみを除
去することが可能である。
【0007】また、本発明者は、廃棄物焼却灰や、バグ
フィルタ又は電気集塵機の捕集飛灰中の水銀は、湿式洗
煙排水汚泥中の水銀よりも揮散温度が50℃程度高温化
するが(キレート剤が添加されていないためと考えられ
る)、ダイオキシン類の揮散温度よりも低温側で揮散す
ることを見出した。
【0008】本発明は上記のように、湿式洗煙排水汚
泥、廃棄物焼却灰、及びバグフィルタ又は電気集塵機の
捕集飛灰を低温で加熱処理することにより、水銀のみが
除去されることに着目してなされたものであり、本発明
の目的は、ダイオキシン類、水銀などの有害成分を含む
湿式洗煙排水汚泥を120〜250℃の範囲の低温で加
熱することにより、水銀のみを揮散させ、乾式水銀捕集
剤によりこの揮散した水銀を捕集し、さらに、乾燥汚泥
を再度、焼却炉に投入することにより、系内での水銀の
濃縮の問題が生じることなく、ダイオキシン類を完全に
分解することが可能な廃棄物処理方法及び装置を提供す
ることにある。
【0009】また、本発明の目的は、ダイオキシン類、
水銀などの有害成分を含む廃棄物焼却灰及び/又はバグ
フィルタや電気集塵機の捕集飛灰を120〜300℃の
範囲の低温で加熱することにより、水銀のみを揮散さ
せ、乾式水銀捕集剤によりこの揮散した水銀を捕集し、
水銀除去後の廃棄物焼却灰及び/又は捕集飛灰を高温で
加熱処理してダイオキシン類を完全に分解することが可
能な廃棄物処理方法及び装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の廃棄物処理方法は、廃棄物焼却施設の湿
式洗煙装置の洗煙排水処理により発生する、ダイオキシ
ン類や水銀などの有害成分を含む洗煙排水汚泥を、12
0〜250℃の範囲、望ましくは150〜250℃の範
囲で加熱処理し汚泥から水銀を揮散させ、揮散した水銀
を乾式水銀捕集剤により吸着・捕集し、加熱処理後の乾
燥汚泥を焼却炉に戻して汚泥に含まれるダイオキシン類
を分解するように構成されている(図1参照)。
【0011】また、本発明の廃棄物処理方法は、廃棄物
焼却施設で発生するダイオキシン類や水銀などの有害成
分を含む廃棄物焼却灰、及び/又はダイオキシン類や水
銀などの有害成分を含む集塵装置捕集飛灰を、120〜
300℃の範囲、望ましくは200〜300℃の範囲で
加熱処理し灰から水銀を揮散させ、揮散した水銀を乾式
水銀捕集剤により吸着・捕集し、加熱処理後の灰を加熱
脱塩素化装置へ投入し300〜550℃の範囲、望まし
くは325〜500℃の範囲、さらに望ましくは350
〜400℃の範囲で加熱処理して灰に含まれるダイオキ
シン類を分解することを特徴としている(図2参照)。
【0012】加熱脱塩素化装置としては、現在、焼却灰
中のダイオキシン類分解技術として実用性の高い加熱脱
塩素化装置が用いられ、この装置において、その熱分解
温度は300〜550℃、望ましくは325〜500
℃、さらに望ましくは350〜400℃であるが、この
熱分解段階の前段に低温の水銀揮散段階を設け、水銀の
みを揮散させ、乾式水銀捕集剤により水銀を捕集するこ
とにより、捕集飛灰の処理用、又は湿式洗煙排水汚泥の
処理用としても利用することができる。
【0013】さらに、本発明の廃棄物処理方法は、廃棄
物焼却施設の湿式洗煙装置の洗煙排水処理により発生す
る、ダイオキシン類や水銀などの有害成分を含む洗煙排
水汚泥、並びに廃棄物焼却施設で発生するダイオキシン
類や水銀などの有害成分を含む廃棄物焼却灰及び/又は
ダイオキシン類や水銀などの有害成分を含む集塵装置捕
集飛灰を、120〜300℃の範囲、望ましくは200
〜300℃の範囲で加熱処理し汚泥及び灰から水銀を揮
散させ、揮散した水銀を乾式水銀捕集剤により吸着・捕
集し、加熱処理後の汚泥及び灰を加熱脱塩素化装置へ投
入し300〜550℃の範囲、望ましくは325〜50
0℃の範囲、さらに望ましくは350〜400℃の範囲
で加熱処理して汚泥及び灰に含まれるダイオキシン類を
分解することを特徴としている(図3参照)。
【0014】上記の廃棄物処理方法において、水銀除去
後の汚泥を焼却炉へ投入する代りに、水銀除去後の汚泥
を溶融炉又は/及び加熱脱塩素化装置へ投入して処理す
ることも可能である。また、揮散した水銀の捕集方法と
して、乾式水銀捕集剤により吸着・捕集する方法を採用
することが好ましい。この場合、乾式水銀捕集剤とし
て、活性炭、イオウ含浸活性炭、よう化カリウム含浸活
性炭、よう化カリウム・イオウ含浸活性炭、硫化銅、硫
化銀、硫化鉄などの金属硫化物のペレット又はハニカム
成形体の少なくともいずれかを用いることが好ましい。
活性炭、イオウ含浸活性炭、よう化カリウム含浸活性
炭、よう化カリウム・イオウ含浸活性炭(よう化カリウ
ム及びイオウを含浸させた活性炭)は通常、粒状のもの
が用いられ、硫化銅、硫化銀、硫化鉄などの金属硫化物
はペレット又はハニカム成形体が用いられる。よう化カ
リウム・イオウ含浸活性炭の各成分の含有割合は、イオ
ウ、よう化カリウムとも1.0〜30wt%程度、望まし
くは5〜20wt%程度である。
【0015】また、揮散した水銀を乾式水銀捕集剤によ
り吸着・捕集する代りに、揮散した水銀を含む排ガスを
冷却ドレン化させる方法、又は/及び揮散した水銀を含
む排ガスを別系統の排ガス処理装置へ移送して処理する
方法を用いることも可能である。
【0016】本発明の廃棄物処理装置は、廃棄物を焼却
処理する焼却炉と、この焼却炉からの排ガスの熱を回収
し排ガスを冷却するガス冷却設備と、このガス冷却設備
からの排ガス中のダストを除去する集塵装置と、この集
塵装置からの排ガスを導入し洗浄液と接触させて排ガス
中のHCl、SOxなどの有害成分を除去する湿式洗煙
装置とを備えた廃棄物処理装置において、湿式洗煙装置
からの汚泥を含む排水にキレート剤を添加して水銀と反
応させるとともに凝集・沈殿させるための反応・凝集・
沈殿槽と、この沈殿槽から抜き出した汚泥を加熱処理し
て汚泥中の水銀を揮散させるための加熱装置と、この加
熱装置からの汚泥を焼却炉に戻すための汚泥返送手段
と、加熱装置からの揮散した水銀を含む排ガスを導入し
水銀を吸着・捕集するための乾式水銀捕集装置とを設け
たことを特徴としている(図1参照)。キレート剤とし
ては、ジチオカルバミン酸型キレート剤、チオ尿素酸型
キレート剤、ポリアミン型キレート剤、イミノ2酢酸型
キレート剤、ピロリジン型キレート剤、イミン型キレー
ト剤などの液体キレート剤が用いられる。なお、固体キ
レート剤を用いることも可能である。
【0017】また、本発明の廃棄物処理装置は、廃棄物
を焼却処理する焼却炉と、この焼却炉からの排ガスの熱
を回収し排ガスを冷却するガス冷却設備と、このガス冷
却設備からの排ガス中のダストを除去する集塵装置と、
この集塵装置からの排ガスを導入し洗浄液と接触させて
排ガス中のHCl、SOxなどの有害成分を除去する湿
式洗煙装置とを備えた廃棄物処理装置において、焼却炉
からの廃棄物焼却灰及び/又は集塵装置からの捕集飛灰
を加熱処理して灰中の水銀を揮散させるための加熱装置
と、この加熱装置からの灰を加熱して灰中のダイオキシ
ン類を分解するための加熱脱塩素化装置と、加熱装置か
らの揮散した水銀を含む排ガスを導入し水銀を吸着・捕
集するための乾式水銀捕集装置とを設けたことを特徴と
している(図2参照)。
【0018】さらに、本発明の廃棄物処理装置は、廃棄
物を焼却処理する焼却炉と、この焼却炉からの排ガスの
熱を回収し排ガスを冷却するガス冷却設備と、このガス
冷却設備からの排ガス中のダストを除去する集塵装置
と、この集塵装置からの排ガスを導入し洗浄液と接触さ
せて排ガス中のHCl、SOxなどの有害成分を除去す
る湿式洗煙装置とを備えた廃棄物処理装置において、湿
式洗煙装置からの汚泥を含む排水にキレート剤を添加し
て水銀と反応させるとともに凝集・沈殿させるための反
応・凝集・沈殿槽と、この沈殿槽から抜き出した汚泥、
並びに焼却炉からの廃棄物焼却灰及び/又は集塵装置か
らの捕集飛灰を加熱処理して汚泥及び灰中の水銀を揮散
させるための加熱装置と、この加熱装置からの汚泥及び
灰を加熱して汚泥及び灰中のダイオキシン類を分解する
ための加熱脱塩素化装置と、加熱装置からの揮散した水
銀を含む排ガスを導入し水銀を吸着・捕集するための乾
式水銀捕集装置とを設けたことを特徴としている(図3
参照)。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、適宜変更して実施することができる
ものである。図1は本発明の実施の第1形態による廃棄
物処理装置を示している。都市ごみなどの廃棄物が廃棄
物焼却炉10に投入されて焼却される。焼却炉10とし
ては流動床式、ストーカ式の炉が用いられる。焼却炉1
0からの排ガスは、例えば、ボイラ及び減温塔からなる
ガス冷却設備12に導入され、ボイラで排ガスの顕熱が
回収され蒸気(スチーム)を発生させて排ガスが冷却さ
れた後、さらに減温塔で水スプレーなどにより減温され
る。集塵装置上流では消石灰、活性炭が添加される。
【0020】ガス冷却設備12からの排ガスは、バグフ
ィルタ、電気集塵機などの集塵装置14に導入され、こ
こで飛灰、反応生成物、未反応消石灰、未反応活性炭な
どのダスト(以下、単に飛灰と記す)が捕集される。集
塵装置14からの排ガスは湿式洗煙装置16に導入さ
れ、ここで、洗浄液、例えば苛性ソーダ水溶液と接触し
て、排ガス中のHCl、SOx及び水銀が除去される。
湿式洗煙装置16からの排ガスにアンモニアが添加さ
れ、触媒反応器(図示略)に導入されて、排ガス中のN
Oxが除去された後、煙突(図示略)から排出される。
【0021】湿式洗煙装置16で分離された汚泥(スラ
ッジ)を含む排水は、排水受槽18に一旦貯留された
後、反応凝集槽20に送られ、液体キレート剤が添加さ
れて水銀と反応し、汚泥及び反応物が凝集する。反応凝
集槽20からの液は沈殿槽22に送られ、ここで汚泥及
び反応物(以下、単に汚泥と記す)が沈殿する。沈殿槽
22の上澄水はろ過器24でろ過された後、キレート樹
脂塔26で微量の水銀が除去された後、放流される。
【0022】沈殿槽22で分離されたダイオキシン類及
び水銀を含む汚泥は、汚泥貯槽28に一旦貯留された
後、加熱装置30に導入され、ここで、120〜250
℃の範囲、望ましくは150〜250℃の範囲で加熱処
理される。液体キレートの分解温度は200℃程度の低
温であり、上記の低温域で汚泥から水銀が揮散する。加
熱装置30からの揮散した水銀を含む排ガスは乾式水銀
捕集装置32に導入され、乾式水銀捕集剤に吸着・捕集
され、清浄な排ガスが排出される。加熱装置30からの
汚泥は汚泥ホッパ34に一旦貯留された後、汚泥返送手
段36により焼却炉10に投入され、ここでダイオキシ
ン類が分解される。本実施形態では、反応・凝集・沈殿
槽として、反応凝集槽20と沈殿槽22とを分離して設
ける場合について説明したが、二つの槽を一つに結合さ
せて、一つの反応・凝集・沈殿槽とすることも可能であ
る。なお、図1において、鎖線で囲まれた部分は本実施
形態の要部を示している。
【0023】図2は本発明の実施の第2形態による廃棄
物処理装置を示している。10は廃棄物焼却炉、12は
ガス冷却設備、14は集塵装置、16は湿式洗煙装置
で、実施の第1形態(図1)と同じ構成である。焼却炉
10からの廃棄物焼却灰及び/又は集塵装置14からの
捕集飛灰は、灰ホッパ38に一旦貯留された後、加熱装
置30aに導入され、ここで、120〜300℃の範
囲、望ましくは200〜300℃の範囲で加熱処理され
る。この時、灰から水銀が揮散する。加熱装置30aか
らの揮散した水銀を含む排ガスは乾式水銀捕集装置32
に導入され、乾式水銀捕集剤に吸着されて除去され、清
浄な排ガスが排出される。加熱装置30aからの灰は加
熱脱塩素化装置40に投入され、300〜550℃の範
囲、望ましくは325〜500℃の範囲、さらに望まし
くは350〜400℃の範囲で加熱処理されてダイオキ
シン類が分解される。加熱脱塩素化装置40からの灰は
廃棄処分される。なお、図2において、鎖線で囲まれた
部分は本実施形態の要部を示している。他の構成及び作
用は実施の第1形態の場合と同様である。
【0024】図3は本発明の実施の第3形態による廃棄
物処理装置を示している。10は廃棄物焼却炉、12は
ガス冷却設備、14は集塵装置、16は湿式洗煙装置、
18は排水受槽、20は反応凝集槽、22は沈殿槽、2
4はろ過器、26はキレート樹脂塔、28は汚泥貯槽
で、実施の第1形態(図1)と同じ構成である。また、
38は灰ホッパ、30aは加熱装置、32は乾式水銀捕
集装置、40は加熱脱塩素化装置で、実施の第2形態
(図2)と同じ構成である。
【0025】汚泥貯槽28からの汚泥、及び灰ホッパ3
8からの灰が加熱装置30aに導入され、ここで、12
0〜300℃の範囲、望ましくは200〜300℃の範
囲で加熱処理される。この時、汚泥及び灰から水銀が揮
散する。加熱装置30aからの揮散した水銀を含む排ガ
スは乾式水銀捕集装置32に導入され、乾式水銀捕集剤
に吸着されて除去され、清浄な排ガスが排出される。加
熱装置30aからの汚泥及び灰は加熱脱塩素化装置40
に投入され、300〜550℃の範囲、望ましくは32
5〜500℃の範囲、さらに望ましくは350〜400
℃の範囲で加熱処理されてダイオキシン類が分解され
る。加熱脱塩素化装置40からの固形物は廃棄処分され
る。なお、図3において、鎖線で囲まれた部分は本実施
形態の要部を示している。他の構成及び作用は実施の第
1、2形態の場合と同様である。
【0026】つぎに試験例について説明する。ごみ焼却
施設における洗煙排水汚泥の加熱過程における水銀の挙
動を調べた。すなわち、図1に示すフローに従い、湿式
洗煙装置からの排水に液体キレート剤としてジチオカル
バミン酸型キレート剤(商品名:エポフロックレー1)
を約20mg/l 添加し、反応・凝集・沈殿させた汚泥を
加熱し、各加熱温度での揮散水銀濃度を測定した。結果
は図4の如くであった。また、表1に示す洗煙排水汚泥
処理条件下及び水銀捕集条件下で、上記の洗煙排水汚泥
を加熱処理した際に揮散する水銀を、各種の乾式水銀捕
集剤にて吸着・捕集した。各水銀捕集剤による水銀捕集
性能を図5に示す。なお、よう化カリウム・イオウ含浸
活性炭中のよう化カリウム含有量は10wt%、イオウ含
有量は11wt%であった。
【0027】
【表1】
【0028】この結果、洗煙排水汚泥から優先的に大部
分の水銀を揮散させ、乾燥後の汚泥は焼却炉に戻すこと
によりダイオキシン類を分解し処理することができ、さ
らに、揮散した水銀に対しては、乾式捕集剤としてよう
化カリウム・イオウ含浸活性炭を用いた場合は99wt%
以上、一般気体用活性炭及び硫化銅を用いた場合は50
〜70wt%の効率で水銀を捕集できることが明らかであ
った。
【0029】図6は捕集飛灰中の水銀揮散について試験
した結果を示している。すなわち、図2に示すフローに
従い、集塵装置捕集飛灰を加熱し、各加熱温度での揮散
水銀濃度を測定した。捕集飛灰はキレート剤を含んでい
ないので、水銀の揮散温度が、洗煙排水汚泥の場合に比
べて約50℃高くなっていることがわかる。
【0030】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) ダイオキシン類、水銀などの有害成分を含む湿
式洗煙排水汚泥を200℃前後の低温で加熱することに
より、水銀を揮散させ、乾式水銀捕集剤によりこの揮散
した水銀を回収し、さらに乾燥汚泥を焼却炉に投入する
ことにより、炉内への水銀の濃縮の問題が生じることな
く、ダイオキシン類を完全に分解し、水銀とダイオキシ
ン類を含む汚泥をプラント外に搬出することなくプラン
ト内で処理することができる。 (2) ダイオキシン類、水銀などの有害成分を含む廃
棄物焼却灰及び/又は集塵装置捕集飛灰を250℃前後
の低温で加熱することにより、水銀のみを揮散させ、乾
式水銀捕集剤によりこの揮散した水銀を回収し、水銀除
去後の灰を高温で加熱処理してダイオキシン類を完全に
分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による廃棄物処理装置
の系統的概略構成図である。
【図2】本発明の実施の第2形態による廃棄物処理装置
の系統的概略構成図である。
【図3】本発明の実施の第3形態による廃棄物処理装置
の系統的概略構成図である。
【図4】湿式洗煙排水汚泥の温度に対する水銀揮散状態
を示すグラフである。
【図5】各種乾式水銀捕集剤の水銀捕集性能を示すグラ
フである。
【図6】集塵装置捕集飛灰の温度に対する水銀揮散状態
を示すグラフである。
【符号の説明】
10 廃棄物焼却炉 12 ガス冷却設備 14 集塵装置 16 湿式洗煙装置 18 排水受槽 20 反応凝集槽 22 沈殿槽 24 ろ過器 26 キレート樹脂塔 28 汚泥貯槽 30、30a 加熱装置 32 乾式水銀捕集装置 34 汚泥ホッパ 36 汚泥返送手段 38 灰ホッパ 40 加熱脱塩素化装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇治 貞宏 神戸市中央区東川崎町1丁目1番3号 川崎重工業株式会社 神戸本社内 (56)参考文献 特開 昭60−232235(JP,A) 特開 平8−47699(JP,A) 特開 平11−270816(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 11/00 B09B 3/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物焼却施設の湿式洗煙装置の洗煙排
    水処理により発生する、ダイオキシン類や水銀などの有
    害成分を含む洗煙排水汚泥を、120〜250℃の範囲
    で加熱処理し汚泥から水銀を揮散させ、揮散した水銀を
    乾式水銀捕集剤により吸着・捕集し、加熱処理後の乾燥
    汚泥を焼却炉に戻して汚泥に含まれるダイオキシン類を
    分解することを特徴とする廃棄物処理方法。
  2. 【請求項2】 廃棄物焼却施設で発生するダイオキシン
    類や水銀などの有害成分を含む廃棄物焼却灰、及び/又
    はダイオキシン類や水銀などの有害成分を含む集塵装置
    捕集飛灰を、120〜300℃の範囲で加熱処理し灰か
    ら水銀を揮散させ、揮散した水銀を乾式水銀捕集剤によ
    り吸着・捕集し、加熱処理後の灰を加熱脱塩素化装置へ
    投入し300〜550℃の範囲で加熱処理して灰に含ま
    れるダイオキシン類を分解することを特徴とする廃棄物
    処理方法。
  3. 【請求項3】 廃棄物焼却施設の湿式洗煙装置の洗煙排
    水処理により発生する、ダイオキシン類や水銀などの有
    害成分を含む洗煙排水汚泥、並びに廃棄物焼却施設で発
    生するダイオキシン類や水銀などの有害成分を含む廃棄
    物焼却灰及び/又はダイオキシン類や水銀などの有害成
    分を含む集塵装置捕集飛灰を、120〜300℃の範囲
    で加熱処理し汚泥及び灰から水銀を揮散させ、揮散した
    水銀を乾式水銀捕集剤により吸着・捕集し、加熱処理後
    の汚泥及び灰を加熱脱塩素化装置へ投入し300〜55
    0℃の範囲で加熱処理して汚泥及び灰に含まれるダイオ
    キシン類を分解することを特徴とする廃棄物処理方法。
  4. 【請求項4】 水銀除去後の汚泥を焼却炉へ投入する代
    りに、水銀除去後の汚泥を溶融炉又は/及び加熱脱塩素
    化装置へ投入する請求項1記載の廃棄物焼却方法
  5. 【請求項5】 乾式水銀捕集剤として、活性炭、イオウ
    含浸活性炭、よう化カリウム含浸活性炭、よう化カリウ
    ム・イオウ含浸活性炭、硫化銅、硫化銀、硫化鉄などの
    金属硫化物のペレット又はハニカム成形体の少なくとも
    いずれかを用いる請求項1〜のいずれかに記載の廃棄
    物処理方法
  6. 【請求項6】 廃棄物を焼却処理する焼却炉と、この焼
    却炉からの排ガスの熱を回収し排ガスを冷却するガス冷
    却設備と、このガス冷却設備からの排ガス中のダストを
    除去する集塵装置と、この集塵装置からの排ガスを導入
    し洗浄液と接触させて排ガス中のHCl、SOxなどの
    有害成分を除去する湿式洗煙装置とを備えた廃棄物処理
    装置において、 湿式洗煙装置からの汚泥を含む排水にキレート剤を添加
    して水銀と反応させるとともに凝集・沈殿させるための
    反応・凝集・沈殿槽と、この沈殿槽から抜き出した汚泥
    を加熱処理して汚泥中の水銀を揮散させるための加熱装
    置と、この加熱装置からの汚泥を焼却炉に戻すための汚
    泥返送手段と、加熱装置からの揮散した水銀を含む排ガ
    スを導入し水銀を吸着・捕集するための乾式水銀捕集装
    置とを設けたことを特徴とする廃棄物処理装置。
  7. 【請求項7】 廃棄物を焼却処理する焼却炉と、この焼
    却炉からの排ガスの熱を回収し排ガスを冷却するガス冷
    却設備と、このガス冷却設備からの排ガス中のダストを
    除去する集塵装置と、この集塵装置からの排ガスを導入
    し洗浄液と接触させて排ガス中のHCl、SOxなどの
    有害成分を除去する湿式洗煙装置とを備えた廃棄物処理
    装置において、 焼却炉からの廃棄物焼却灰及び/又は集塵装置からの捕
    集飛灰を加熱処理して灰中の水銀を揮散させるための加
    熱装置と、この加熱装置からの灰を加熱して灰中のダイ
    オキシン類を分解するための加熱脱塩素化装置と、加熱
    装置からの揮散した水銀を含む排ガスを導入し水銀を吸
    着・捕集するための乾式水銀捕集装置とを設けたことを
    特徴とする廃棄物処理装置。
  8. 【請求項8】 廃棄物を焼却処理する焼却炉と、この焼
    却炉からの排ガスの熱を回収し排ガスを冷却するガス冷
    却設備と、このガス冷却設備からの排ガス中のダストを
    除去する集塵装置と、この集塵装置からの排ガスを導入
    し洗浄液と接触させて排ガス中のHCl、SOxなどの
    有害成分を除去する湿式洗煙装置とを備えた廃棄物処理
    装置において、 湿式洗煙装置からの汚泥を含む排水にキレート剤を添加
    して水銀と反応させるとともに凝集・沈殿させるための
    反応・凝集・沈殿槽と、この沈殿槽から抜き出した汚
    泥、並びに焼却炉からの廃棄物焼却灰及び/又は集塵装
    置からの捕集飛灰を加熱処理して汚泥及び灰中の水銀を
    揮散させるための加熱装置と、この加熱装置からの汚泥
    及び灰を加熱して汚泥及び灰中のダイオキシン類を分解
    するための加熱脱塩素化装置と、加熱装置からの揮散し
    た水銀を含む排ガスを導入し水銀を吸着・捕集するため
    の乾式水銀捕集装置とを設けたことを特徴とする廃棄物
    処理装置。
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