JP3366373B2 - プロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

プロピレン系樹脂組成物

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JP3366373B2 JP12004293A JP12004293A JP3366373B2 JP 3366373 B2 JP3366373 B2 JP 3366373B2 JP 12004293 A JP12004293 A JP 12004293A JP 12004293 A JP12004293 A JP 12004293A JP 3366373 B2 JP3366373 B2 JP 3366373B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、高度な機械的強度バラ
ンス、良好な成形品外観及び成形性を備えた、成形用ポ
リプロピレン系樹脂組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、工業部品分野に於ける各種成形
品、例えばバンパー、インパネ、ファンシュラウド、グ
ローブボックス等の自動車部品、テレビケース、VTR
ケース、洗濯機カバー等の家電製品の各種部品用素材と
して、タルク、各種ウィスカー等のフィラーや各種ゴム
成分を複合化して強化したポリプロピレン系樹脂組成物
が、その優れた機械的強度、成形性及び経済性を備えて
いるとの特徴を活かして多量に実用に供されている。こ
のような情況下であることから、特に高度な機械的強度
バランス、良好な成形品外観及び成形性を求められる場
合には、従来、フィラーの微粒子化、エチレン・プロピ
レン共重合体ゴム成分の配合や金属塩・ワックス等の分
散剤の添加による改良が試みられていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィラ
ーの微粒子化は二次凝集による強度や外観の低下を、ゴ
ム成分の配合はコストの上昇のみならず剛性の低下を、
また、既存の分散剤の添加は金型の汚染等を、それぞれ
の問題として抱えている。すなわち、剛性(耐熱性)と
衝撃強度の機械的強度バランスが低水準であったり、例
えば射出成形した場合にはフローマーク(波形状流れ模
様)が発生したり、金型が汚染されたり、また、その成
形性(流動性)が低水準である為に、上記各種成形品の
デザイン的な自由度や生産性の向上を阻む場合が多かっ
た。 【0004】 【課題を解決するための手段】 [発明の概要]本発明者等は、上記課題を解決するため
に、種々の研究を重ねた結果、特定のプロピレン・エチ
レンブロック共重合体、特定のスチレン・エチレン・ブ
チレン・スチレンブロック共重合体及び特定の処理を施
したフィラーから成るプロピレン系樹脂組成物が、高水
準の機械的強度バランス、良好な成形品外観及び成形性
を備えていることを見い出して本発明を完成するに至っ
た。 【0005】すなわち、本発明のプロピレン系樹脂組成
物は、下記の(a) 〜(d) 成分から成ることを特徴とする
ものである。 (a)成分: 結晶性ポリプロピレン部分(A成分)とエチレン・プロピレンラン ダム共重合部分(B成分)とを含有するプロピレン・エチレンブロック共重合体 であって、前記A成分はブロック共重合体全体の60〜95重量%を占め、その MFRが5〜300g/10分、同密度が0.9070g/cm3 以上のもので あり、B成分はブロック共重合体全体の5〜40重量%を占め、そのエチレン含 量が20〜80重量%のものであり、かつ、ブロック共重合体全体のMFRが3 〜200g/10分で、かつ重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が5 〜15のブロック共重合体: 100重量部 (b)成分: 結合スチレン量10〜25%、数平均分子量(Mn)10,000 〜50,000、MFR(230℃、2.16kg)50〜250g/10分の スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体: 3〜100重量部 【0006】 (c)成分: 下記一般式[I] 、[II]又は[III] で表される少なくとも一種の化合 物をフィラー100重量部当たり0.01〜8重量部の量比で用いて表面処理さ れた、レーザー光散乱方式粒度分布計にて測定される実質的な全体の長さが15 μm以下であって平均粒径が1〜6μmかつ平均アスペクト比が5以上のタルク 及び平均直径が2μm以下でかつ平均アスペクト比が5以上の無機質ウィスカー から選ばれた少なくとも一種のフィラー: 3〜100重量部 一般式[I] (R1 COO)nM (式中、R1 は分子量が250〜500の1価の炭化水
素基又はヒドロキシ基を含む分子量が250〜500の
1価の炭化水素を表わし、Mはリチウム、カルシウム、
ストロンチウム又はバリウム原子を表わし、nはMの原
子価と同じ数を表わす。) 一般式[II] 【0007】 【化3】 【0008】(式中、R2 は炭素数4〜29の炭化水素
基又はヒドロキシル基を含む炭素数4〜29の炭化水素
基で、互いに同一又は異なる基を表わし、R3 は炭素数
1〜8の炭化水素基、水素原子、ヒドロキシル基、R2
COO−より選ばれる互いに同一又は異なる基を表わ
す。) 一般式[III] 【0009】 【化4】 【0010】(式中、R4 は炭素数1〜8の炭化水素
基、水素原子、ヒドロキシル基、R2 COO−より選ば
れる互いに同一又は異なる基であり、その少なくとも1
つはR2COO−を含み、かつヒドロキシル基は含んで
いても化合物中1個である。) (d)成分: ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が10〜100、エチレン含量 が40〜85重量%のエチレン系ゴム: 0〜20重量部 【0011】[発明の具体的説明] [I] プロピレン系樹脂組成物 (1) 構成成分 (a) プロピレン・エチレンブロック共重合体((a) 成
分) 本発明のプロピレン系樹脂組成物を構成する上記(a) 成
分のプロピレン・エチレンブロック共重合体としては、
結晶性ポリプロピレン部分(A成分)とエチレン・プロ
ピレンランダム共重合部分(B成分)を含有するブロッ
ク共重合体であって、上記A成分はブロック共重合体全
体の60〜95重量%、好ましくは70〜95重量%を
占め、そのMFRが5〜300g/10分、好ましくは
10〜250g/10分、かつ密度が0.9070g/
cm3 以上、好ましくは0.9075g/cm3 以上、
特に好ましくは0.9080g/cm3 以上のものであ
り、また、上記B成分はブロック共重合体全体の5〜4
0重量%、好ましくは5〜30重量%を占め、そのエチ
レン含量が20〜80重量%、好ましくは25〜75重
量%のものであり、その上、このプロピレン・エチレン
ブロック共重合体全体のMFRが3〜200g/10
分、好ましくは5〜150g/10分、特に好ましくは
10〜100g/10分で、かつ重量平均分子量/数平
均分子量(Mw/Mn)が5〜15、好ましくは6〜1
5のものである。ここでエチレン含量の値は赤外スペク
トル分析法等により測定することができ、また、MFR
の値はJIS−K7210(230℃、2.16kg)
に準拠して測定することができる。また、B成分の含有
量の値は、2gの試料を沸騰キシレン300g中に20
分間浸漬して溶解させた後、室温まで冷却し、それによ
って析出した固相をガラスフィルターで槇過、乾燥して
求めた固相重量から逆算することにより求めることがで
きる。更に、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/M
n)の値は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)により測定することができる。 【0012】このような(a) 成分のプロピレン・エチレ
ンブロック共重合体は、高立体規則性重合触媒を用いて
スラリー重合、気相重合、あるいは液相塊状重合により
製造されたものである。該プロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体を製造する重合方式としてはバッチ重合、連
続重合どちらの方式も採用し得る。また、このプロピレ
ン・エチレンブロック共重合体を製造するに際しては、
どちらの部分を先にして重合しても良いが、最初に結晶
性ポリプロピレン部分を重合し、次にエチレン・プロピ
レンランダム共重合部分を共重合する方が品質上好まし
い。前記高立体規則性重合触媒としては、従来、三塩化
チタン組成物と有機アルミニウム化合物の組合せに有機
酸エステルを添加した触媒系が知られているが、これら
の触媒系を使用したのでは高MFRのブロック共重合体
を製造する際に多量の溶媒可溶副生物が生成するので、
上記(a) 成分のプロピレン・エチレンブロック共重合体
を製造するのが困難である。従って、鋭意検討した結
果、塩化マグネシウムに四塩化チタン、有機酸ハライド
及び有機珪素化合物を接触させて形成された固体触媒成
分と有機アルミニウム化合物の組合せ触媒(特開昭62
−187707号公報および特開昭62−246906
号公報)を用いることにより上記の問題を解決し、(a)
成分のプロピレン・エチレンブロック共重合体を製造す
ることが可能となるので、これら組合せ触媒を用いて得
られたものが好ましい。 【0013】この(a) 成分のプロピレン・エチレンブロ
ック共重合体のMFRは、3g/10分以上であること
が必須であり、上記範囲未満のMFRの場合には成形品
の外観が劣ったり、成形性が劣るので不適当である。他
方、上記範囲を上回るものは成形品の耐衝撃性が劣った
ものとなり不適当である。更に、このブロック共重合体
のMFRは、重合条件の変更のみで上記範囲のMFR値
に調整させたものであることが好ましいが、予め重合に
より低MFRのブロック共重合体を生成させた後、これ
をジアルキルパーオキサイド等の過酸化物等にて減成処
理をし高MFR化したり、低MFR品と高MFR品とを
ブレンドして所望のMFRに調整すこともできる。ま
た、このブロック共重合体のB成分の割合が上記範囲に
満たないものは、成形品とした際に耐衝撃性が劣ったも
のとなり、他方、上記範囲を上回るもの、更には該ブロ
ック共重合体のA成分の密度が上記範囲に満たないもの
は、成形品の剛性(耐熱性)がそれぞれ不足し不適当で
ある。更にこのブロック共重合体の重量平均分子量/数
平均分子量(Mw/Mn)が上記範囲以外のものは、成
形品外観が劣り不適である。 【0014】このブロック共重合体が本発明の効果を著
しく損なわない範囲内で他の不飽和単量体(例えばブテ
ン‐1等のα‐オレフィンや酢酸ビニルの如きビニルエ
ステル、或いはアクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和
有機酸又はその誘導体)を含有する三元以上の共重合体
であってもよい。 【0015】(b) スチレン・エチレン・ブチレン・スチ
レンブロック共重合体((b) 成分) 本発明のプロピレン系樹脂組成物を構成する上記(b) 成
分のスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック
共重合体としては、結合スチレン量10〜25%、好ま
しくは13〜25%、特に好ましくは15〜22%、数
平均分子量10,000〜50,000、好ましくは1
5,000〜40,000、特に好ましくは20,00
0〜35,000、MFR(230℃、2.16kg)
50〜250g/10分、好ましくは60〜200g/
10分、特に好ましくは90〜180g/10分のスチ
レン系のエラストマーである。ここで、結合スチレン量
・数平均分子量・MFRの値が上記範囲外のものは、成
形品の性能、特に衝撃強度が劣ったものとなる。更に、
該エラストマーのビニル量(水添ポリブタジエン部分の
1,2−結合量)は25〜60%、特に30〜50%、
であることが望ましい。また、該エラストマーの重量平
均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)は1〜3の範囲
内、特に1.3〜2.5の範囲内であることが好まし
い。なお、これら結合スチレン量・数平均分子量・重量
平均分子量/数平均分子量・ビニル量(水添ポリブタジ
エン部分の1,2−結合量)は、赤外線スペクトル分析
法、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)やNMR等の常法によって測定された値である。 【0016】本発明のスチレン・エチレン・ブチレン・
スチレンブロック共重合体に類似するものとして、例え
ば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合
体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体
及びスチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体
等の種々のスチレン系エラストマーを挙げることができ
るが、これらのものでは本発明の効果が得られないので
不適当である。本発明のスチレン・エチレン・ブチレン
・スチレンブロック共重合体の製造法としては、特別に
限定されたものではなく、一般に、スチレン・ブタジエ
ン・スチレン共重合体を部分水素添加して製造すること
ができる。 【0017】(c) フィラー((c) 成分) 本発明のプロピレン系樹脂組成物を構成する上記(c) 成
分のフィラーとしては、下記に示す一般式[I] 、[II]又
は[III] で表される特定な化合物の少なくとも一種より
なる表面処理剤により表面処理された、レーザー光散乱
方式粒度分布計にて測定される実質的な全体の長さが1
5μm以下であって平均粒径が1〜6μmかつ平均アス
ペクト比が5以上のタルク及び平均直径が2μm以下で
かつ平均アスペクト比が5以上の無機質ウィスカーから
選ばれた少なくとも一種のフィラーである。 一般式[I] (R1 COO)nM (式中、R1 は分子量が250〜500の1価の炭化水
素基又はヒドロキシ基を含む分子量が250〜500の
1価の炭化水素を表わし、Mはリチウム、カルシウム、
ストロンチウム又はバリウム原子を表わし、nはMの原
子価と同じ数を表わす。) 一般式[II] 【0018】 【化5】 【0019】(式中、R2 は炭素数4〜29の炭化水素
基又はヒドロキシル基を含む炭素数4〜29の炭化水素
基で、互いに同一又は異なる基を表わし、R3 は炭素数
1〜8の炭化水素基、水素原子、ヒドロキシル基、R2
COO−より選ばれる互いに同一又は異なる基を表わ
す。) 一般式[III] 【0020】 【化6】 【0021】(式中、R4 は炭素数1〜8の炭化水素
基、水素原子、ヒドロキシル基、R2 COO−より選ば
れる互いに同一又は異なる基であり、その少なくとも1
つはR2COO−を含み、かつヒドロキシル基は含んで
いても化合物中1個である。) 【0022】 フィラー 前記(c) 成分のフィラーとしては、タルク又は無機質ウ
ィスカーである。タルク 表面処理に供されるタルクとしては、実質的な全体の長
さが15μm以下であって平均粒径が1〜6μmかつ平
均アスペクト比が5以上のものである。このようなタル
クは、例えば、タルク原石を衝撃式粉砕機やミクロンミ
ル型粉砕機で粉砕し、更にミクロンミル、ジェット型粉
砕機で微粉砕した後、サイクロンやミクロンセパレータ
ー等で分級調整して製造したものである。ここでタルク
原石は中国産が金属不純物成分が少ないので好ましい。
上記タルクの長さが「実質的に」とはほとんどのタルク
粒子がこの範囲に入るものを言う。タルクの平均粒径の
測定は、レーザー光散乱方式粒度分布計を用いて測定し
た値であり、そのような測定装置として、例えば堀場製
作所製LA−500型の測定精度が優れているので望ま
しい。また、長さとアスペクト比は顕微鏡により測定し
た値である。更に長さ、平均アスペクト比が上記範囲外
でかつ平均粒径が上記範囲を超えるタルクを用いると成
形品の機械的強度バランスや成形外観が劣り、一方、平
均粒径が上記範囲より小さくなるとタルクを分散させる
ことが困難となり、機械的強度バランスや成形品外観が
返って悪化するので好ましくない。 【0023】無機質ウイスカー 表面処理に供される平均粒径が2μm以下でかつ平均ア
スペクト比が5以上の無機質ウイスカーとしては、具体
的には、ほう酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリ
ウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、炭素繊
維、炭酸カルシウムウィスカー、酸化チタンウィスカー
等を挙げることができる。これらの中でも平均粒径が1
μm以下でかつ平均アスペクト比が10以上のほう酸ア
ルミニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、
硫酸マグネシウムウィスカー、炭素繊維、炭酸カルシウ
ムウィスカーが好ましい。なお、これらの平均長さは限
定されない。 【0024】フィラーの表面処理 これらタルク及び無機質ウイスカーから選ばれたフィラ
ーは、次記の方法で表面処理したものを使用するが、該
表面処理したフィラーは、成形品の機械的強度バランス
や成形品外観の向上に有効である。 【0025】 表面処理処理条件 前記フィラーは、下記一般式[I] 、[II]又は[III] で表
される少なくとも一種の化合物をフィラー100重量部
当たり0.01〜8重量部、好ましく0.1〜8重量
部、特に好ましくは0.3〜8重量部の量比で用いて表
面処理されたものである。該表面処理は、フィラーと後
記表面処理剤を高速ミキサーやタンブラー等を用いて混
合することによって行うことができる。表面処理の条件
としては、一般に10〜80℃、好ましくは20〜50
℃の温度下で、100〜1,000rpm、好ましくは
200〜600rpmの回転数で攪拌、混合することに
よって行なわれる。該表面処理は、前記(a) 成分〜(c)
成分の各成分を一軸押出機、二軸押出機等を用いて混練
してプロピレン系樹脂組成物を製造する工程中におい
て、未処理のフィラーと表面処理剤とを同時に混合して
(a) 成分〜(c) 成分の各成分の混練と表面処理とを同時
に行なうこともできるが、該フィラーを予め表面処理し
ておくことが好ましい。 【0026】表面処理剤 前記フィラーの表面を処理するために使用される表面処
理剤としては、以下の一般式[I] 、[II]又は[III] で表
される少なくとも一種の化合物を挙げることができる。 一般式[I] (R1 COO)nM (式中、R1 は分子量が250〜500の1価の炭化水
素基又はヒドロキシ基を含む分子量が250〜500の
1価の炭化水素を表わし、Mはリチウム、カルシウム、
ストロンチウム又はバリウム原子を表わし、nはMの原
子価と同じ数を表わす。) 一般式[II] 【0027】 【化7】 【0028】(式中、R2 は炭素数4〜29の炭化水素
基又はヒドロキシル基を含む炭素数4〜29の炭化水素
基で、互いに同一又は異なる基を表わし、R3 は炭素数
1〜8の炭化水素基、水素原子、ヒドロキシル基、R2
COO−より選ばれる互いに同一又は異なる基を表わ
す。) 一般式[III] 【0029】 【化8】 【0030】(式中、R4 は炭素数1〜8の炭化水素
基、水素原子、ヒドロキシル基、R2 COO−より選ば
れ互いに同一又は異なる基であり、その少なくとも1つ
はR2 COO−を含み、かつヒドロキシル基は含んでい
ても化合物中1個である。)このような一般式[I] で表
わされる化合物としては、アラキン酸、ベヘン酸、セロ
チン酸、モンタン酸、メリシン酸、アビエチン酸、デキ
ストロピマル酸、ヒドロキシステアリン酸等の有機酸の
金属塩を挙げることができる。具体的には、ベヘン酸リ
チウム、モンタン酸リチウム、ヒドロキシステアリン酸
リチウム、ベヘン酸カルシウム、モンタン酸カルシウ
ム、ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ベヘン酸スト
ロンチウム、ベヘリン酸バリウム、ヒドロキシステアリ
ン酸バリウム、モンタン酸バリウム等を挙げることがで
きる。これらの中でも好ましいものはカルシウム塩、バ
リウム塩であり、特に好ましいのはカルシウム塩であ
る。上記金属塩以外では金型汚染の抑制効果や高水準の
機械的強度バランス・良好な成型性の発現を奏すること
ができない。 【0031】また、このような一般式[II]及び[III] で
表わされる化合物としては、トリメチロールプロパント
リエステル、トリメチロールプロパンジエステル、ペン
タエリスリトールテトラエステル、ペンタエリスリトー
ルトリエステル、ペンタエリスリトールジエステル、グ
リセリントリエステル、グリセリンジエステル、プロピ
レングリコールジエステル、プロピレングリコールモノ
エステル等である。具体的には、トリメチロールプロパ
ントリカプレート、トリメチロールプロパントリラウレ
ート、トリメチロールプロパントリミリステート、トリ
メチロールプロパントリパルミテート、トリメチロール
プロパントリステアレート、トリメチロールプロパント
リベヘネート、トリメチロールプロパントリモンタネー
ト、トリメチロールプロパントリオレエート、トリメチ
ロールプロパンジカプレート、トリメチロールプロパン
ジラウレート、トリメチロールプロパンジミリステー
ト、トリメチロールプロパンジバルミテート、トリメチ
ロールプロパンジステアレート、トリメチロールプロパ
ンジベヘレート、トリメチロールプロパンジモンタネー
ト、ペンタエリスリトールテトラヘブテート、ペンタエ
リスリトールテトラカブレート、ペンタエリスリトール
テトララウレート、ペンタエリスリトールテトラミリス
テート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペ
ンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリス
リトールテトラベヘレート、ペンタエリスリトールテト
ラモンタネート、ペンタエリスリトールテトラオレエー
ト、ペンタエリスリトールトリカプレート、ペンタエリ
スリトールトリラウレート、ペンタエリスリトールトリ
ミリステート、ペンタエリスリトールトリパルミテー
ト、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエ
リスリトールトリベヘネート、ペンタエリスリトールト
リモンタネート、ペンタエリスリトールジカプレート、
ペンタエリスリトールジラウレート、ペンタエリスリト
ールジミリステート、ペンタエリスリトールジパルミテ
ート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエ
リスリトールジベヘネート、ペンタエリスリトールジモ
ンタネート、グリセリントリラウレート、グリセリント
リミリステート、グリセリントリパルミテート、グリセ
リントリステアレート、グリセリントリミリステート、
グリセリントリパルミテート、グリセリントリステアレ
ート、グリセリントリベヘネート、グリセリントリモン
タネート、グリセリンジラウレート、グリセリンジミリ
ステート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジス
テアレート、グリセリンジベヘネート、グリセリンジモ
ンタネート、プロピレングリコールジラウレート、プロ
ピレングリコールジミリステート、プロピレングリコー
ルジパルミテート、プロピレングリコールジステアレー
ト、プロピレングリコールジベヘネート、プロピレング
リコールジモンタネート、プロピレングリコールモノラ
ウレート、プロピレングリコールモノミリステート、プ
ロピレングリコールモノパルミテート、プロピレングリ
コールモノステアレート、プロピレングリコールモノベ
ヘネート、プロピレングリコールモノモンタネート等を
挙げることができる。 【0032】これらの中で好ましい化合物は、トリメチ
ロールプロパントリステアレート、トリメチロールプロ
パントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラヘブ
テート、ペンタエリスリトールテトラカプレート、ペン
タエリスリトールテトララウレート、ペンタエリスリト
ールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラ
パルミテート、ペンタエリスリトールテトラステアレー
ト、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエ
リスリトールテトラモンタネート、ペンタエリスリトー
ルテトラオレエート、ペンタエリスリトールトリステア
レート、ペンタエリスリトールトリベヘネート、ペンタ
エリスリトールトリモンタネート、ペンタエリスリトー
ルジステアレート、ペンタエリスリトールジベヘネー
ト、グリセリントリラウレート、グリセリントリミリス
テート、グリセリントリパルミテート、グリセリントリ
ステアレート、グリセリントリベヘネート、グリセリン
トリモンタネート、グリセリンジステアレート、グリセ
リンジベヘネート、プロピレングリコールモノステアレ
ート、プロピレングリコールモノベヘネートであり、特
に好ましくは、ペンタエリスリトールテトラヘブテー
ト、ペンタエリスリトールテトラカプレート、ペンタエ
リスリトールテトララウレート、ペンタエリスリトール
テトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパル
ミテート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、
ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリス
リトールテトラモンタネート、ペンタエリスリトールテ
トラオレエート、グリセリントリラウレート、グリセリ
ントリミリステート、グリセリントリパルミテート、グ
リセリントリステアレート、グリセリントリベヘネー
ト、グリセリントリモンタネートである。上記化合物以
外の化合物では、金型汚染の抑制効果や高水準の機械的
強度バランス・良好な成形性の発現を奏することができ
ない。 【0033】(d) 成分:エチレン系ゴム成分((d) 成
分) 本発明のプロピレン系樹脂組成物において用いられる前
記 (d)成分のエチレン系ゴム成分は、ムーニー粘度ML
1+4 (100℃)が10〜100、好ましくは20〜9
5、特に好ましくは30〜95、エチレン含量が40〜
85重量%、好ましくは50〜85重量%、特に好まし
くは60〜80重量%のエチレン系ゴムである。具体的
には、例えば、非晶性エチレン・プロピレン二元共重合
体(EPM)、非晶性エチレン・プロピレン・ジエン三
元共重合体(EPDM)、非晶性エチレン・ブテン二元
共重合体(EBM)、非晶性エチレン・プロピレン・ブ
テン三元共重合体(EPBM)等が挙げられる。該エチ
レン系ゴム成分は、上記各種ゴムの混合物であっても良
く、また、その形状はベール条、ペレット状、フレーク
状、クラム状等を問わない。前記ムーニー粘度ML1+4
(100℃)が10未満のものは機械的強度バランスが
劣り、また、100を超えるものは成形品外観が劣るの
で実用性がない。 【0034】(e) 成分:その他の配合成分 本発明のプロピレン系樹脂組成物は、上記(a) 〜(d) の
必須成分の他に、通常着色するために顔料を配合した
り、更に性能の向上をはかるために、上記必須成分以外
に、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤等を添加
することもでき、更に本発明の効果を著しく損なわない
範囲内で前記(a) 〜(d) の必須成分以外の各種樹脂、各
種エラストマー、各種フィラー等を配合することができ
る。 【0035】(2) 量 比 本発明のプロピレン系樹脂組成物においては、その配合
量比が重要であり、前記(a) 〜(d) の各必須成分の中で
前記(a) 成分のプロピレン・エチレンブロック共重合体
100重量部を配合基準としている。前記(b) 成分のス
チレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合
体の配合量としては、前記(a) 成分のプロピレン・エチ
レンブロック共重合体100重量部当たり3〜100重
量部、好ましくは5〜60重量部、特に好ましくは7〜
40重量部の量比で配合される。前記(b) 成分のスチレ
ン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体の
配合量が上記範囲未満では衝撃強度が劣り、また、上記
範囲を超えると耐熱剛性や成形品外観が劣るようになる
ので不適当である。前記(c) 成分のフィラーの配合量と
しては、前記(a) 成分のプロピレン・エチレンブロック
共重合体100重量部当たり3〜100重量部、好まし
くは8〜80重量部、特に好ましくは15〜60重量部
である。前記(c) 成分のフィラーの配合量が上記範囲未
満では成形品の剛性(耐熱性)や寸法安定性が劣り、上
記範囲を超えると耐衝撃性や成形品外観が劣るようにな
るので不適当である。前記(d) 成分のエチレン系ゴムの
配合量としては、前記(a) 成分のプロピレン・エチレン
ブロック共重合体100重量部当たり0〜20重量部、
好ましくは3〜20重量部、特に好ましくは5〜18重
量部である。前記(d) 成分のエチレン系ゴムの配合量上
記範囲を超えると耐熱性や剛性が劣るようになるので不
適当である。 【0036】[II] プロピレン系樹脂組成物の製造 前記(a) 〜(d) の各成分を、前記量比により配合するこ
とによってプロピレン系樹脂組成物を製造することがで
きる。これら各成分の配合は、一般に一軸押出機、二軸
押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープ
ラストグラフ、ニーダー等通常の混練機を用いて混練造
粒して得られるのが一般的である。この場合、各成分の
分散を良好化するために混練造粒法を選ぶことが好まし
く、通常は二軸押出機を用いて混練造粒する。この際、
上記(a) 〜(d) の各成分を同時混練しても良く、また性
能の向上を図るべく各成分を分割、例えば、先ず(a) 成
分と(b) 成分の一部または全部を混練し、その後に残り
の成分を混練造粒することも出来る。混練は、一般に1
90〜250℃、好ましくは200〜240℃の温度下
で行なわれる。また、前述したように、このような(a)
成分〜(d) 成分の各成分の混練に際して、表面処理剤を
混合して、(a) 成分〜(d) 成分の混練と表面処理とを同
時に行なうこともできる。 【0037】[III] プロピレン系樹脂組成物の成形・
用途 (1) 成 形 この様にして得られたプロピレン系樹脂組成物は、各種
成形方法、すなわち、射出成形、圧縮成形、押出成形
(シート成形、ブロー成形)等にて成形して、各種成形
製品を得るが、これら成形方法の中でも効果発現の点で
射出成形、射出圧縮成形(プレスインジェクション)を
行なうことが好ましい。 (2) 用 途 本発明のプロピレン系樹脂組成物は、成形品の高水準な
機械的強度バランスと良好な外観及び成形性(流動性)
を有している外、金型汚染も抑制され、更に優れた塗装
性や寸法安定性も発現することができるので、各種の工
業部品分野の、特に高機能化や大型化された各種成形
品、例えば、バンパー、フエンダー、スポイラー、イン
パネ、トリム、グローブボックス等の自動車内外装部
品、テレビケース、VTRケース、洗濯機カバー、掃除
機ケース等の家電機器製品の部品、ステレオケース等の
音響製品部品向けの各種部品用素材として、実用に充分
な性能を有している。 【0038】 【実施例】以下に実験例を示して本発明を更に具体的に
説明する。ここで行なった評価方法は次に示すとおりで
ある。 <成形性>流動性 幅14mm、厚み2.3mmの断面形状を有するスパイ
ラル状試験片(二条型)の成形(流動)長さ(平均値)
を測定した。なお、成形は東芝機械製IS−170型射
出成形機を用い、成形条件は220℃、600kg/c
2 で行った。外観・フローマーク観察 上記スパイラル状試験片を射出成形し、その外観(フロ
ーマーク)を目視にて観察した。判 定 ◎:ほとんど認められず良好な外観である。 ○:僅かに認められるが実用上差支えがない。 ×:はっきり認められ、実用が困難である。金型汚染 上記射出成形機にて長さと幅が各々100mm、厚み3
mmのシートを、220℃、600kg/cm2 の条件
下でその目付けの約50%充填の状態で連続成形し、充
填された樹脂の末端に金型汚染(白濁状模様)が見え始
めるまでのショット数を観察した。この数値が大きいほ
ど金型汚染の抑制効果が奏されていることを示す。 【0039】<機械的強度評価>曲げ弾性率 JIS−K7203に準拠して測定した。測定温度は2
3℃である。本測定値は耐熱性の目安ともなる。IZOD衝撃強度 JIS−K7110に準拠(切削リッチ)して測定し
た。測定温度は23℃である。 【0040】実施例1〜4及び比較例1〜4 下記の(a) 成分、(b) 成分、(c) 成分及び(d) 成分を表
1に示す割合で配合し、更にテトラキス〔メチレン‐3
‐(3′,5′‐ジ‐t‐ブチル‐4′‐ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕メタンを(a) 〜(d) 成分の合
計量100重量部に対して0.08重量部、ジ‐ステア
リル‐チオ‐ジ‐プロピオネートを0.07重量部を各
々配合し、高速ミキサーにてこれらを充分に混合(c−
1を除く)させた。然る後、神戸製鋼(株)製高速二軸
押出機を用いて、220℃の温度条件下にて混練造粒し
た後、(但しc−1のみ混練押出機後半部より別にフィ
ードした。)得られたペレットを上記射出成形機へ供給
して、物性測定用試験片及びスパイラル状試験片を上記
温度条件で成形して、評価を行なった。その評価結果を
表1に示す。 【0041】(a) 成分 a−1:MFRが90g/10分、密度が0.9091
g/cm3 の結晶性ポリプロピレン部分(A成分)89
重量%、エチレン含量が40重量%のエチレン・プロピ
レンランダム共重合部分(B成分)を14重量%各々含
有し、全体の重合MFRが37g/10分、Mw/Mn
が8.2であるプロピレン・エチレンブロック共重合体 a−2:MFRが75g/10分、密度が0.9089
g/cm3 の結晶性ポリプロピレン部分(A成分)85
重量%、エチレン含量が45重量%のエチレン・プロピ
レンランダム共重合部分(B成分)16重量%を各々含
有し、全体の重合MFRが32g/10分、Mw/Mn
が8.7であるプロピレン・エチレンブロック共重合体 a−3:MFRが45g/10分、密度が0.9062
g/cm3 の結晶性ポリプロピレン部分(A成分)91
重量%、エチレン含量が70重量%のエチレン・プロピ
レンランダム共重合部分(B成分)7重量%を各々含有
し、全体の重合MFRが21g/10分、Mw/Mnが
4.5であるプロピレン・エチレンブロック共重合体 【0042】(b) 成分 b−1:結合スチレン量20%、数平均分子量33,0
00、MFR90g/10分のスチレン・エチレン・ブ
チレン・スチレンブロック共重合体 b−2:結合スチレン量18%、数平均分子量28,0
00、MFR160g/10分のスチレン・エチレン・
ブチレン・スチレンブロック共重合体 b−3:結合スチレン量40%、数平均分子量90,0
00、MFR1g/10分のスチレン・エチレン・ブチ
レン・スチレンブロック共重合体 【0043】(c) 成分 c−1:平均直径が0.7μmで平均アスペクト比が3
0の硫酸マグネシウムウイスカーを、該ウイスカー10
0重量部当たり5重量部のペンタエリスリトールテトラ
ステアレートで表面処理(ミキサーにて30℃の温度で
ブレンド)を施したもの。 c−2:実質的に全体の長さが13μm以下であって、
長さが10μm未満部分が99.5%、平均粒径が3.
0μmで平均アスペクト比が6のタルクを、該タルク1
00重量部当たり2.5重量部のペンタエリスリトール
テトラステアレートで表面処理(高速ミキサーにて30
℃の温度でブレンド)を施したもの。 c−3:上記と同一の未処理タルクを該タルク100重
量部当たり2重量部のグリセリントリステアレートで表
面処理(高速ミキサーにて25℃の温度でブレンド)を
施したもの。 c−4:上記と同一の未処理タルクを該タルク100重
量部当たり1重量部のベヘン酸カルシウムで表面処理
(高速ミキサーにて30℃の温度でブレンド)を施した
もの。 c−5:長さ15μm超過部分11%、長さが10μm
未満部分72%、平均粒径が8.9μmの未処理タルク c−6:c−2と同一の未処理タルクを該タルク100
重量部当たり2重量部のステアリン酸マグネシウムで表
面処理(高速ミキサーにて30℃の温度でブレンド)を
施したもの。 c−7:c−2と同一の未処理タルクを該タルク100
重量部当たり5重量部のペンタエリスリトールモノカプ
レートで表面処理(高速ミキサーにて25℃の温度でブ
レンド)を施したもの。 【0044】(d) 成分 d−1:ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が88、エ
チレン含量68重量%のエチレン系ゴム d−2:ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が70、エ
チレン含量73重量%のエチレン系ゴム d−3:ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が110、
エチレン含量38重量%のエチレン系ゴム 【0045】 【表1】【0046】表1に示す様に、実施例1〜4に示す組成
を持った樹脂組成物は、何れも良好な機械的強度バラン
ス、成形品外観及び成形性を有していたし、金型汚染も
抑制された。一方、比較例1〜4に示したものは、何れ
も機械的強度バランス、成形品外観や成形性、金型汚染
の一部または全部が不充分であった。 【0047】 【発明の効果】本発明のプロピレン系樹脂組成物は、そ
の組成に特定のプロピレン・エチレンブロック共重合
体、特定のスチレン系エラストマー及び特定の処理を施
したタルクウイスカーを用いたことから、従来の成形用
ポリプロピレン系樹脂組成物とは異なり、金型汚染が抑
制され、かつ流動性に富んだ良好な成形性や成形品外観
と共に高水準の機械的強度バランスを備えていることか
ら、バンパー、フエンダー、インパネ、ファンシュラウ
ド、グローブボックス等の自動車内外装部品、テレビケ
ース、VTRケース、洗濯機カバー、掃除機ケース等の
家電機器製品等の各種部品向け等の成形用樹脂組成物と
して優れた適用性を有している。
フロントページの続き (72)発明者 松 岡 正 祐 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (56)参考文献 特開 平1−256557(JP,A) 特開 平4−300935(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/00 C08L 53/02 C08K 9/04

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】下記の(a) 〜(d) 成分から成ることを特徴
    とするプロピレン系樹脂組成物。 (a)成分: 結晶性ポリプロピレン部分(A成分)とエチレン・プロピレンラン ダム共重合部分(B成分)とを含有するプロピレン・エチレンブロック共重合体 であって、前記A成分はブロック共重合体全体の60〜95重量%を占め、その MFRが5〜300g/10分、同密度が0.9070g/cm3 以上のもので あり、B成分はブロック共重合体全体の5〜40重量%を占め、そのエチレン含 量が20〜80重量%のものであり、かつ、ブロック共重合体全体のMFRが3 〜200g/10分で、かつ重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が5 〜15のブロック共重合体: 100重量部 (b)成分: 結合スチレン量10〜25%、数平均分子量(Mn)10,000 〜50,000、MFR(230℃、2.16kg)50〜250g/10分の スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体: 3〜100重量部 (c)成分: 下記一般式[I] 、[II]又は[III] で表される少なくとも一種の化合 物をフィラー100重量部当たり0.01〜8重量部の量比で用いて表面処理さ れた、レーザー光散乱方式粒度分布計にて測定される実質的な全体の長さが15 μm以下であって平均粒径が1〜6μmかつ平均アスペクト比が5以上のタルク 及び平均直径が2μm以下でかつ平均アスペクト比が5以上の無機質ウィスカー から選ばれた少なくとも一種のフィラー: 3〜100重量部 一般式[I] (R1 COO)nM (式中、R1 は分子量が250〜500の1価の炭化水
    素基又はヒドロキシ基を含む分子量が250〜500の
    1価の炭化水素を表わし、Mはリチウム、カルシウム、
    ストロンチウム又はバリウム原子を表わし、nはMの原
    子価と同じ数を表わす。) 一般式[II] 【化1】 (式中、R2 は炭素数4〜29の炭化水素基又はヒドロ
    キシル基を含む炭素数4〜29の炭化水素基で、互いに
    同一又は異なる基を表わし、R3 は炭素数1〜8の炭化
    水素基、水素原子、ヒドロキシル基、R2 COO−より
    選ばれる互いに同一又は異なる基を表わす。) 一般式[III] 【化2】 (式中、R4 は炭素数1〜8の炭化水素基、水素原子、
    ヒドロキシル基、R2 COO−より選ばれる互いに同一
    又は異なる基であり、その少なくとも1つはR2COO
    −を含み、かつヒドロキシル基は含んでいても化合物中
    1個である。) (d)成分: ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が10〜100、エチレン含量 が40〜85重量%のエチレン系ゴム: 0〜20重量部
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