JP3359530B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP3359530B2
JP3359530B2 JP06649397A JP6649397A JP3359530B2 JP 3359530 B2 JP3359530 B2 JP 3359530B2 JP 06649397 A JP06649397 A JP 06649397A JP 6649397 A JP6649397 A JP 6649397A JP 3359530 B2 JP3359530 B2 JP 3359530B2
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秀幸 藤井
寿美 楊井
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造時における重
合ラテックスの安定性および生産性に優れたグラフト共
重合体を含む耐衝撃性、熱安定性、耐候性および顔料着
色性に優れた耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂材料の耐衝撃性を向上させること
は、材料の用途の拡大だけでなく成形品の薄肉化や大型
化ヘの対応を可能にするなど、工業的な有用性は非常に
大きく、これまで様々な提案がなされてきた。特にTg
や弾性率の低いゴム成分を樹脂マトリックス中に分散さ
せた樹脂材料は、その優れた耐衝撃性を特長として工業
化に至っている。
【0003】このようなゴム成分を分散させた樹脂材料
の耐衝撃性をより向上させるために、ゴム成分としてよ
りTgや弾性率の低いポリオルガノシロキサンを利用す
る方法が特開昭60−252613号公報に提案されて
いる。しかし、この方法ではポリオルガノシロキサンに
由来する艶消し状の成形外観不良が発生し、またグラフ
トゴムの粒子径を小さくして成形外観を改良すると耐衝
撃性が低下してしまうため、高い耐衝撃性と良好な成形
外観を両立させることは困難であった。
【0004】特公平8−30102号公報には、樹脂成
形物の表面外観を改良するためにポリオルガノシロキサ
ンゴムとアルキル(メタ)アクリレートゴムからなる複
合ゴームにビニル単量体をグラフト重合させたグラフト
共重合体が提案され、特開昭64−79257号公報に
はこのグラフト共重合体を含むポリカーボネート樹脂系
樹脂組成物が提案されている。また、特開平5−279
434号公報には、耐衝撃性樹脂の顔料着色性を改良す
る方法として、ポリオルガノシロキサンとアルキル(メ
タ)アクリレートゴムからなる複合ゴムにビニル単量体
をグラフト重合させた数平均粒子径0.01〜0.07
μmで0.10μmより大きい粒子が20体積%以下の
グラフト共重合体を用いることが提案され、特開平6−
157889号公報にはこのグラフト共重合体を含むポ
リカーボネート樹脂系樹脂組成物が提案されている。
【0005】従来、これらポリオルガノシロキサンとア
ルキル(メタ)アクリレートゴムとからなる複合ゴムを
含むグラフト共重合体は、いずれも乳化重合法により製
造されている。一般に乳化重合法において、重合したラ
テックスのせん断力に対する安定性は、安定した重合体
の製造のための重要な因子の一つであり、これが劣る
と、重合中の撹拌によるせん断力あるいはラテックスを
移送するためのポンプによって与えられるせん断力等に
より、ラテックスが崩壊し、重合体成分が析出固化して
しまうため好ましくない。
【0006】重合ラテックスのせん断に対する安定性を
向上させる方法としては、重合時の固形分を低下させる
方法、あるいは乳化剤を追加添加する方法等があるが、
経済性および操作性の観点からは乳化剤を追加添加する
方法が好ましい。しかし、追加添加する乳化剤の添加量
に応じて重合ラテックスの安定性は向上するが、添加量
を多くすると、重合体を凝固回収する際に必要となる凝
固剤の使用量が増え、経済的に不利となるばかりでな
く、凝固回収した重合体中に残存する凝固剤成分が増大
し、重合体を含む樹脂組成物の物性、成形性等が低下す
る。
【0007】また、重合ラテックスより重合体を凝固回
収する際、脱水処理した後の乾燥前の重合体中の水分率
を低下させることが重要であり、水分率が高いと、重合
体を乾燥させるために多くのエネルギーを要し、また処
理時間の延長あるいは装置の大型化を招くために工業的
に不利となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特公平8−30102
号公報のグラフト共重合体の製造方法では、重合ラテッ
クスのせん断力に対する安定性および凝固回収後の水分
率についての記載はなく、この方法で得られたグラフト
共重合体を用いた特開昭64−79257号公報の樹脂
組成物は、耐衝撃性には優れるものの、成形加工時の成
形機内滞留安定性や高温成形時の成形外観といった熱安
定性に問題があり、また、顔料着色性にも問題があっ
た。
【0009】一方、特開平5−279434号公報のグ
ラフト共重合体の製造方法では、重合ラテックスのせん
断力に対する安定性および凝固回収後の水分率に関する
記載はなく、この方法で得られたグラフト共重合体を用
いた特開平6−157889号公報記載の樹脂組成物
は、耐衝撃性および顔料着色性には優れるものの、成形
加工時の成形機内滞留安定性や高温成形時の成形外観と
いつた熱安定性に問題があった。
【0010】また、特開平8−41149号公報には、
特定の構造・組成のポリジメチルシロキサンとアルキル
(メタ)アクリレートゴムからなる複合ゴムを含むグラ
フト共重合体が開示されているが、重合ラテックスのせ
ん断力に対する安定性および凝固後の水分率に関する記
載はない。また、このグラフト共重合体はアクリロニト
リル−スチレン共重合体と混合した時の耐衝撃性および
顔料着色性には優れるものの、ポリカーボネート樹脂等
の熱安定性に劣る樹脂と混合した材料を熱成形する場合
に材料全体の熱安定性を低下させ、成形温度条件幅の縮
小あるいは成形機内滞留安定性不足を招きやすいという
問題があった。
【0011】すなわち、従来はポリオルガノシロキサン
とアルキル(メタ)アクリレートゴムからなる複合ゴム
を含むグラフト共重合体の製造方法において、重合ラテ
ックスの安定性に優れ、凝固後の水分率の低下を実現
し、さらに熱可塑性樹脂と混合した樹脂組成物の熱安定
性および顔料着色性を向上させる技術は見い出されてお
らず、これらを同時に満足する技術の開発が強く望まれ
ていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリオル
ガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムか
らなる複合ゴムにビニル単量体がグラフト重合したグラ
フト共重合体を乳化重合法により製造する際に用いる乳
化剤の種類および重合ラテックスを凝固回収する際に用
いる凝固剤の種類と、重合ラテックスのせん断力に対す
る安定性、凝固後の水分率および得られたグラフト共重
合体を含有する樹脂組成物の物性、熱安定性について鋭
意検討した結果、驚くべきことに特定の二種の乳化剤を
併用した乳化重合法により製造した重合ラテックスを特
定の凝固剤を用いて凝固回収することにより、従来にな
い優れた生産性が発揮され、かつこの方法により得られ
たグラフト共重合体を含有する樹脂組成物が優れた熱安
定性、物性および顔料着色性を示すことを見出し、本発
明に到達した。
【0013】すなわち、本発明は、(a)ポリオルガノ
シロキサンおよび(b)アルキル(メタ)アクリレート
ゴムからなる複合ゴムに、(c)芳香族アルケニル化合
物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよび
シアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単
量体をグラフト重合したグラフト共重合体ラテックスを
塩析回収して得られるグラフト共重合体(A)であっ
て、複合ゴムの製造開始の後グラフト共重合体ラテック
スを塩析回収する前までの間に、スルホン酸塩もしくは
硫酸塩乳化剤(1)およびカルボン酸塩(2)が添加さ
れ、かつ塩析にカルシウム塩水溶液が用いられて製造さ
れるグラフト共重合体(A)と、熱可塑性樹脂(B)と
からなる熱可塑性樹脂組成物である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のグラフト共重合体(A)
の製造方法に用いるポリオルガノシロキサン(a)は、
特に限定されるものではないが、ビニル重合性官能基を
含有するポリオルガノシロキサンであることが好まし
い。ビニル重合性官能基含有シロキサン単位0.3〜3
モル%およびジメチルシロキサン単位97〜99.7モ
ル%からなり、かつ3個以上のシロキサン結合を有する
ケイ素原子がポリジメチルシロキサン中の全ケイ素原子
に対し1モル%以下であることがより好ましい。
【0015】ポリオルガノシロキサン(a)中のビニル
重合性官能基含有シロキサン単位が0.3モル%未満で
は、アルキル(メタ)アクリレートゴム(b)との複合
化が不十分となりやすく、グラフト共重合体を含む樹脂
組成物成形品の表面におけるポリオルガノシロキサンの
ブリードアウトに由来する外観不良が発生しやすい。ま
た、ポリオルガノシロキサン中のビニル重合性官能基含
有シロキサシ単位が3モル%を超えるかあるいは3個以
上のシロキサン結合を有するケイ素原子がポリオルガノ
シロキサン中の全ケイ素原子に対し1モル%を超える場
合には、グラフト共重合体を含む樹脂組成物の耐衝撃性
が低くなりやすい。
【0016】さらにグラフト共重合体を含む樹脂組成物
の耐衝撃性と成形外観の両方を考慮すると、ポリオルガ
ノシロキサン(a)中のビニル重合性官能基含有シロキ
サン単位は0.5〜2モル%であることが好ましく、
0.5〜1モル%であることがより好ましい。
【0017】本発明の製造方法における複合ゴム中のポ
リオルガノシロキサン(a)の量は1〜20重量%であ
ることが好ましい。1重量%未満ではポリオルガノシロ
キサン量が少ないため耐衝撃性が低くなりやすく、20
重量%を超えるとグラフト共重合体(A)を含む樹脂組
成物成形品の顔料着色性が低下する傾向を示す。また、
グラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の耐衝撃性と
顔料着色性の両方を考慮すると、複合ゴム中のポリオル
ガノシロキサンの量は好ましくは6〜20重量%、より
好ましくは10〜20重量%である。
【0018】ポリオルガノシロキサン(a)の製法とし
ては、ジメチルシロキサン化合物とビニル重合性官能基
含有シロキサンからなる混合物またはさらに必要に応じ
てシロキサン系架橋剤を含む混合物を乳化剤と水によっ
て乳化させたラテックスを、高速回転によるせん断力で
微粒子化するホモミキサーや、高圧発生機による噴出力
で微粒子化するホモジナイザー等を使用して微粒子化し
た後、酸触媒を用いて高温下で重合させ、次いでアルカ
リ性物質により酸を中和する方法が挙げられる。重合に
用いる酸触媒の添加方法としては、シロキサン混合物、
乳化剤および水とともに浸合する方法と、シロキサン混
合物が微粒子化したラテックスを高温の酸水溶液中に一
定速度で滴下する方法等があるが、ポリオルガノシロキ
サンの粒子径の制御のしやすさを考慮するとシロキサン
混合物が微粒子化したラテックスを高温の酸水溶液中に
一定速度で滴下する方法が好ましい。
【0019】ポリオルガノシロキサン粒子の大きさは特
に限定されないが、グラフト共重合体(A)を含む樹脂
組成物の顔料着色性を考慮すると、重量平均粒子径が
0.2μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μm
以下である。
【0020】また、ポリオルガノシロキサン(a)の製
造に用いるジメチルシロキサン化合物としては、3員環
以上の環状ジメチルシロキサンが挙げられ、3〜6員環
のものが好ましい。具体的にはへキサメチルシクロトリ
シロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デ
カメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロ
ヘキサシロキサン等が挙げられるが、これらは単独でま
たは二種以上混合して用いられる。
【0021】また、ビニル重合性官能基含有シロキサン
としては、ビニル重合性官能基を含有しかつジメチルシ
ロキサン化合物とシロキサン結合を介して結合し得るも
のであり、ジメチルシロキサン化合物との反応性を考慮
するとビニル重合性官能基を含有する各種アルコキシシ
ラン化合物が好ましい。具体的には、β−メタクリロイ
ルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メ
タクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチ
ルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキ
シメチルシランおよびδ−メタクリロイルオキシブチル
ジエトキシメチルシラン等のメタクリロイルオキシシロ
キサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキ
サン等のビニルシロキサン、p−ビニルフエニルジメト
キシメチルシランさらにγ‐メルカプトプロピルジメト
キシメチルシラン、γ‐メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン等のメルカプトシロキサンが挙げられる。これ
らビニル重合性官能基含有シロキサンは、単独でまたは
二種以上の混合物として用いることができる。
【0022】シロキサン系架橋剤としては、3官能性ま
たは4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメ
チルシラン、トリエトキシフエニルンラン、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシ
ラン等が用いられる。
【0023】また、ポリオルガノシロキサン(a)の製
造の際に用いる乳化剤としては、アニオン系乳化剤が好
ましく、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ
オキシエチレンノニルフエニルエーテル硫酸エステルナ
トリウムなどの中から選ばれた乳化剤が使用される。特
にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルス
ルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸系の乳化剤が好ま
しい。これらの乳化剤は、シロキサン混合物100重量
部に対して0.05〜5重量部程度の範囲で使用され
る。使用量が少ないと分散状態が不安定となり微小な粒
子径の乳化状態を保てなくなる。また、使用量が多いと
この乳化剤に起因する樹脂組成物成形品の着色が甚だし
くなり不都合である。
【0024】シロキサン混合物、乳化剤、水および/ま
たは酸触媒を混合する方法は、高速撹拌による混合、ホ
モジナイザーなどの高圧乳化装置による混合などがある
が、ホモジナイザーを使用した方法は、ポリオルガノシ
ロキサンラテックスの粒子径の分布が小さくなるので好
ましい方法である。
【0025】ポリオルガノシロキサン(a)の重合に用
いる酸触媒としては、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベ
ンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸な
どのスルホン酸類および硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類
が挙げられる。これらの酸触媒は単独でまたは二種以上
を組み合わせて用いられる。また、これらの中では、ポ
リオルガノシロキサンラテックスの安定化作用にも優れ
ている点で脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、
n−ドデシルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。ま
た、n−ドデシルベンゼンスルホン酸と硫酸などの鉱酸
とを併用すると、ポリオルガノシロキサンラテックスの
乳化剤成分に起因する樹脂組成物の着色を低減させるこ
とができる。
【0026】ポリオルガノシロキサン(a)の重合温度
は、50℃以上が好ましく、80℃以上がより好まし
い。また、ポリオルガノシロキサン(a)の重合時間
は、酸触媒をシロキサン混合物、乳化剤および水ととも
に混合、微粒子化させて重合する場合は2時間以上、よ
り好ましくは5時間以上であり、酸触媒の水溶液中にシ
ロキサン混合物が微粒子化したラテックスを低下する方
法では、ラテックスの滴下終了後1時間程度保持するこ
とが好ましい。
【0027】重合の停止は、反応液を冷却、さらにラテ
ックスを苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ナトリウムなどの
アルカリ性物質で中和することによって行うことができ
る。
【0028】グラフト共重合体(A)を構成するアルキ
ル(メタ)アクリレートゴム(b)は、アルキル(メ
タ)アクリレートと多官能性アルキル(メタ)アクリレ
ートとの重合物であり、複合ゴムはポリオルガノシロキ
サン(a)ラテックスにアルキル(メタ)アクリレート
とおよび多官能アルキル(メタ)アクリレートからなる
アルキル(メタ)アクリレート成分を含浸させた後重合
させることによって製造することができる。アルキル
(メタ)アクリレートとしては、例えばメチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート等のアルキルアクリレートおよびへキシルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−
ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが
挙げられ、特にn−ブチルアクリレートの使用が好まし
い。
【0029】多官能性アルキル(メタ)アクリレートと
しては、例えばアリルメタクリレート、エチレングリコ
ールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタク
リレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレー
ト、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、ト
リアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等
が挙げられる。また、多官能性アルキル(メタ)アクリ
レートの使用量は、アルキル(メタ)アクリレート成分
中0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜5重量%、
より好ましくは0.2〜1重量%である。アルキル(メ
タ)アクリレートや多官能性アルキル(メタ)アクリレ
ートは単独でまたは二種以上併用して用いられる。
【0030】本発明に用いるポリオルガノシロキサン
(a)とアルキル(メタ)アクリレートゴム(b)から
なる複合ゴムは、ポリオルガノシロキサン成分のラテッ
クス中ヘ上記アルキル(メタ)アクリレート成分を添加
し、通常のラジカル重合開始剤を作用させて重合するこ
とによって調製できる。アルキル(メタ)アクリレート
を添加する方法としては、ポリオルガノシロキサン成分
のラテックスと一括で混合する方法とポリオルガノシロ
キサン成分のラテックス中に一定速度で滴下する方法が
ある。なお、得られるグラフト共重合体を含む樹脂組成
物の耐衝撃性を考慮するとポリオルガノシロキサン成分
のラテックスを一括で混合する方法が好ましい。また、
重合に用いるラジカル重合開始剤としては、過酸化物、
アゾ系開始剤または酸化剤・還元剤を組み合わせたレド
ックス系開始剤が用いられる。この中では、レドックス
系開始剤が好ましく、特に硫酸第一鉄・エチレンジアミ
ン四酢酸にナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオ
キサイドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好
ましい。
【0031】本発明の方法によるグラフト共重合体
(A)中において、芳香族アルケニル化合物、メタクリ
ル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニ
ル化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体がグラフ
ト重合されてなるグラフト成分(c)の量は特に限定さ
れるものではないが、好ましくは50〜80重量%、よ
り好ましくは50〜70重量%、より好ましくは50〜
60重量%である。50重量%未満ではグラフト共重合
体を含む樹脂組成物成形品の顔料着色性が低下する傾向
を示し、また、80重量%を超えるとゴム量が低くなる
ため耐衝撃性が低くなりやすい。
【0032】上記芳香族アルケニル化合物としては、例
えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
が挙げられ、メタクリル酸エステルとしては例えばメチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート等であり、アクリル酸エステル
としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート等が挙げられ、シアン化ビニ
ル化合物としては、例えばアクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等が挙げられる。このうち、後述する熱可塑
性樹脂(B)との相溶性を考慮するとスチレンおよびア
クリロニトリルの混合物が好ましい。
【0033】グラフト重合は、複合ゴム((a)+
(b))のラテックスに芳香族アルケニル化合物、メタ
クリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化
ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体を加
え、ラジカル重合法により一段であるいは多段で行うこ
とができるが、得られるグラフト共重合体(A)を含む
樹脂組成物の耐衝撃性および顔料着色性を考慮すると二
段以上で重合を行うことが好ましい。また、重合に用い
るラジカル重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始
剤、または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系
開始剤が用いられる。この中では、レドックス系開始剤
が好ましく、特に硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸
にナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサイド
を組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好ましい。
【0034】また、グラフト重合において用いる単量体
中にはグラフトポリマーの分子量やグラフト率を調製す
るための各種連鎖移動剤を添加することができる。
【0035】また、上記のように調製されるグラフト共
重合体(A)の粒子径は特に限定されるものではない
が、得られるグラフト共重合体を含む樹脂組成物の耐衝
撃性と顔料着色性の両方を考慮すると、数平均粒子径が
0.10〜0.5μmであることが好ましく、より好ま
しくは0.10〜0.30μm、より好ましくは0.1
0〜0.15μm、である。
【0036】本発明のグラフト共重合体の製造方法は、
複合ゴムの製造の開始の後、グラフト共重合体ラテック
スの塩析回収を実施する前までの段階において、乳化剤
を追加添加する必要がある。
【0037】乳化剤を追加添加せず、ポリオルガノシロ
キサン(a)ラテックス中に含まれていた乳化剤のみで
重合した場合は、重合ラテックスのせん断力に対する安
定性が低く、重合時の撹拌によるせん断力、重合後のラ
テックスの移送のためのポンプによるせん断力等によ
り、容易にラテックスが崩壊し、重合カレットあるいは
ポンプの閉塞等を招き好ましくない。
【0038】一般に、重合ラテックスのせん断力に対す
る安定性は、ホモミキサー等の撹拌混合装置を用いてラ
テックスにせん断力を与え、ラテックスが崩壊し、撹拌
による流動が停止するまでの時間によって判断され、工
業的に通常用いられている移送ポンプあるいは重合中の
撹拌によるせん断力を考慮すると、ホモミキサーを用い
た上記の方法で測定した流動停止までの時間(以下流動
停止時間という)の好ましい範囲は3分以上、より好ま
しくは5分以上である。この方法で測定した流動停止時
間が1分以下の場合は、重合ラテックスのせん断力に対
する安定性が不足するため、工業的に通常用いられてい
る移送ポンプあるいは重合中の撹拌によるせん断力によ
り、容易にラテックスが崩壊し、重合カレットあるいは
ポンプの閉塞等を招く。
【0039】本発明のグラフト共重合体の製造法におい
ては、上記追加添加する乳化剤として、スルホン酸塩も
しくは硫酸塩乳化剤(1)とカルボン酸塩乳化剤(2)
を併用する。スルホン酸塩もしくは硫酸塩乳化剤(1)
のみを追加添加した場合には、重合ラテックスのせん断
力に対する安定性が不足し、また凝固後の水分率が高く
なる。これを改良するためには乳化剤の使用量を増やす
必要があるが、乳化剤の使用量を増やすとラテックスの
凝固回収性およびグラフト共重合体を含む樹脂組成物の
熱安定性を損なわれる。一方、カルボン酸塩乳化剤
(2)のみを追加添加した場合には、グラフト共重合体
を含む樹脂組成物の熱安定性が損なわれる。
【0040】塩乳化剤(1)として用いるものとして
は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル
ナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフエニル
エーテルジスルホン酸ナトリウム、ナフタリンスルホン
酸ホルマリン縮合物等のスルホン酸塩乳化剤、およびラ
ウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルサルフエートおよび
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフエ
ート等の硫酸塩乳化剤が挙げられ、これらの一種または
2種以上を用いることができる。このうちグラフト共重
合体を含む樹脂組成物の熱安定性を考慮すると、ポリオ
キシエチレンアルキルフエニルエーテルサルフエートが
好ましい。
【0041】一方、カルボン酸塩乳化剤(2)として
は、牛脂系脂肪酸石鹸、ヤシ油系脂肪酸石鹸、ロジン酸
石鹸、ステアリン酸塩およびオレイン酸塩等の各種精製
脂肪酸石鹸、アルケニルコハク酸ジカリウム塩およびN
−ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサル
コシン塩等が挙げられ、このうち重合ラテックスのせん
断力に対する安定性と凝固後の水分率を考慮するとアル
ケニルコハク酸ジカリウム塩が好ましい。
【0042】乳化剤(1)および(2)は重合ラテック
スのせん断力に対する安定性を配慮して必要量使用され
る。乳化剤(1)の使用量の好ましい範囲は重合ラテッ
クス中の固形分に対し、0.01〜5重量部、より好ま
しくは0.1〜1.0重量部である。また乳化剤(2)
の使用量の好ましい範囲は重合ラテックス中の固形分に
対し、0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜
1.0重量部である。
【0043】乳化剤(1)および(2)の添加の方法
は、ポリオルガノシロキサン(a)にアルキル(メタ)
アクリレートを含浸させ重合する前での添加、芳香族ア
ルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エ
ステルまたはシアン化ビニル化合物から選ばれた少なく
とも一種の単量体をグラフト重合する前での添加、グラ
フト重合が完了するまでの間の添加、およびグラフト重
合が完了して塩析する前の段階での添加のいずれの時期
にも添加することができる。また、乳化剤(1)および
(2)の添加の順序は特に限定されるものではない。
【0044】本発明のグラフト共重合体の製造方法にお
いては、グラフト重合を行った後この重合ラテックスを
カルシウム水溶液中に投入し、塩析させることでグラフ
ト共重合体を回収する。用いるカルシウム塩としては、
塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシウムおよ
び臭化カルシウム等の水溶性のカルシウム塩が挙げら
れ、このうち凝固性および経済性を考慮すると塩化カル
シウムおよび酢酸カルシウムが好ましい。用いるカルシ
ウム塩の量は特に限定されるものではないが、少な過ぎ
る場合には凝固回収が不能となり、また多過ぎる場合に
は凝固回収したグラフト共重合体中に残存するカルシウ
ム元素の量が増え、このグラフト共重合体を含む樹脂組
成物の熱安定性が低下する傾向を示す。
【0045】このグラフト共重合体中に残存するカルシ
ウム元素の量は、凝固回収した重合体を水洗することに
よっても低減させることができる。グラフト共重合体を
含有した樹脂組成物の熱安定性を考慮すると、残存する
カルシウム元素の好ましい量は5000ppm以下、よ
り好ましくは1000ppm以下、特に好ましくは50
0ppm以下である。
【0046】マグネシウム塩やアルミニウム塩のような
カルシウム塩以外の塩を凝析剤として用いると、得られ
たグラフト共重合体を他の熱可塑性樹脂と混合して、樹
脂組成物として使用する場合に、成形物の耐衝撃性が低
く、また熱安定性に劣ったものとなってしまう。
【0047】本発明のグラフト共重合体の製造方法にお
いては、上記のようにして凝固させたグラフト共重合体
を水中より分離回収し、次いで乾燥処理により重合体中
の水分の除去を行う。乾燥処理に要するエネルギー量の
観点からは、凝固回収後乾燥前のグラフト共重合体中の
水分量は少ないほど好ましい。通常工業的に用いられる
流動乾燥装置あるいは気流乾燥装置を利用する場合、装
置の乾燥能力および処理時問を考慮すると、凝固回収後
乾操前のグラフト共重合体中の水分率の好ましい範囲
は、吸湿した重合体に対し50重量%以下であり、より
好ましくは40重量%以下である。
【0048】本発明の製造法で製造したグラフト共重合
体(A)は、熱可塑性樹脂(B)と混合した樹脂組成物
として種々の用途に用いることができる。
【0049】グラフト共重合体(A)と混合する熱可塑
性樹脂(B)は特に限定されるものではないが、本発明
の製造法で製造したグラフト共重合体の特徴を顕著に発
現する熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂ま
たはポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂との混合
物が挙げられる。
【0050】ポリカーボネート樹脂としては、公知の方
法で製造されるものが用いられる。すなわち、単官能
性芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシ化合物から得られる
炭酸のジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交
換反応、ジヒドロキシ化合物とそれ自身あるいは他の
ジヒドロキシ化合物のビスアルキル、またはビスアリル
カーボネートとのエステル交換反応、酸素結合剤の存
在下でジヒドロキシ化合物とホスゲンの反応、酸素結
合剤の存在下でジヒドロキシ化合物とジヒドロキシ化合
物のビスクロロ炭酸エステルとの反応による製造法等が
挙げられる。代表的には、ビスフエノールAを酸素結合
剤および溶剤の存在下で塩化カルボニルと反応させる製
造法がある。
【0051】ポリカーボネート樹脂との混合物に用いら
れる他の熱可塑性樹脂としては、アクリロニトリル−ス
チレン共重合体、N−フエニルマレイミド−アクリロニ
トリル−スチレン共重合体、ポリスチレン、ハイインパ
クトポリスチレン、ABS樹脂、AAS樹脂、AES樹
脂、ACS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、メチルメタ
クリレート−スチレン共重合体、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリエチレンテレスタレート、ポリエステル系
エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエーテル
系エラストマー、スチレン系エラストマー、アクリル系
エラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、オレフ
ィン系エラストマー等が挙げられ、これらの一種または
二種以上の混合物として用いることができる。
【0052】また、グラフト共重合体(A)と熱可塑性
樹脂(B)の配合比は特に限定されるものではないが、
熱可塑性樹脂の特性を有効にさせるためには、グラフト
共重合体(A)が0.01〜80重量%、熱可塑性樹脂
(B)が20〜99.9重量%、より好ましくはグラフ
ト共重合体(A)が1〜50重量%、熱可塑性樹脂
(B)が50〜99重量%、特に好ましくはグラフト共
重合体(A)が1〜30重量%、熱可塑性樹脂(B)が
70〜99重量%である。
【0053】本発明のグラフト共重合体(A)と熱可塑
性樹脂(B)よりなる樹脂組成物は、通常の公知の混練
機械によって押し出し成形することにより製造すること
ができる。このような成形機としては押出機、射出成形
機、ブロー成形機、カレンダー成形機およびインフレー
ション成形機等が挙げられる。
【0054】さらに、グラフト共重合体(A)を含む樹
脂組成物には、必要に応じて染料、顔料、安定剤、補強
剤、充填材、難燃剤等を配合することができる。
【0055】本発明に係るグラフト共重合体を含む熱可
塑性樹脂の用途としては、特に限定されるものではない
が、例えばポリカーボネート樹脂を含む場合は、自動車
外装部品、自動車内装部品、各種OA機器のハウジン
グ、OA機器のシャーシー部品、家電機器のハウジン
グ、食器用途、表示部品および各種建材部材等が挙げら
れる。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。な
お、参考例、実施例および比較例において『部』および
『%』は特に断らない限り『重量部』および『重量%』
を意味する。 1)ラテックス中のポリオルガノシロキサンの重量平均
粒子径およびラテックス中のグラフト共重合体の重量平
均粒子径は、大塚電子(株)社製DLS−700型を用
いた動的光散乱法により求めた。 2)せん断力に対する重合ラテックスの安定性は、ビー
カー中に入れた重合ラテックス300gを50℃に保
ち、これをホモミキサー(特殊理化工業(株)社製T.
K.AUTOホモミキサー)で10000回転毎秒の条
件で撹拌し、この撹拌によるせん断力によってラテック
スが崩壊し、固形分析出によって流動が停止するまでの
時間を測定することによって行った。 3)凝固後乾燥前の重合体中の水分率の測定は、遠心脱
水処理したグラフト共重合体を85℃で乾燥した際の乾
燥前重量と乾燥後重量を測定し、以下の式で算出した。 水分率(%)=(乾燥前重量−乾燥後重量)/乾燥前重
量×100 4)グラフト共重合体中のカルシウム元素濃度は、所定
量のグラフトポリマーを600℃で灰化し、これを用い
た塩酸水溶液からの原子吸光分析によりカルシウムを定
量することによって行った。 5)アイゾット衝撃強度の測定は、ASTMD258に
準拠した方法により行った。 6)表面硬度(ロックウエル硬度)の測定は、ASTM
D785に準拠した方法により行った。 7)顔料着色性は東芝機械(株)製射出成形機IS−1
00ENを用いてシリンダー温度250℃で成形した1
00mm×100mm×3mm黒着色板を用いてJIS
Z8729に準拠した色相測定によって評価した。 8)成形外観評価はこの成形板表面の成形くもりおよび
シルバー発生の有無の目視観察および光沢度の測定によ
り行った。 9)射出成形時の滞留安定性は、260℃のシリンダー
温度に設定した射出成形機を用いて、100mm×10
0mm×3mmの形状の成形品を1サイクル60秒の条
件で20ショット成形した後、樹脂がシリンダー内に残
った状態で15分間成形を中断し、さらに成形を開始し
てから2ショット目の成形品の成形外観の目視観察およ
び光沢度測定により行った。
【0057】参考例1 ポリオルガノシロキサン(L−
1)ラテックスの製造 オクタメチルシクロテトラシロキサン98部、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2部
を混合してシロキサン系混合物100部を得た。これに
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.67部を溶
解した蒸留水300部を添加し、ホモミキサーにて10
000回転/分で2分間撹拌した後、ホモジナイザーに
300kg/cm2 の圧力で1回通し、安定な予備混合
オルガノシロキサンラテックスを得た。
【0058】一方、試薬注入容器、冷却管、ジャケット
加熱機および撹拌装置を備えた反応器内に、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸10部と蒸留水90部とを注入し、1
0%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を調製した。
この水溶液を85℃に加熱した状態で、予備混合オルガ
ノシロキサンラテックスを4時間に亘って滴下し、滴下
終了後1時間温度を維持し、冷却した。次いでこの反応
物を苛性ソーダ水溶液で中和した。
【0059】このようにして得られたラテックスを17
0℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ、17.
7%であった。また、ラテックス中のポリオルガノシロ
キサンの重量平均粒子径は0.05μmであった。
【0060】参考例2 ポリオルガノシロキサン(L−
2)ラテックスの製造 オクタメチルテトラシクロシロキサン97.5部、γ−
メタクリルオキシプロピルジメトキシメチルシラン0.
5部およびエチルオルソシリケート2部を混合してシロ
キサン系混合物100部を得た。これにドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.67部およびドデシルベン
ゼンスルホン酸1部を溶解した蒸留水200部を添加
し、ホモミキサーにて10000回転/分で2分間撹拌
した後、ホモジナイザーに300kg/cm2 の圧力で
1回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテック
スを得た。この混合液を冷却管、ジャケット加熱器およ
び撹拌装置を備えた反応器内に移し、撹拌混合しながら
85℃で5時間加熱した後30℃で放置し、48時間後
に水酸化ナトリウム水溶液でこのラテックスをpH7に
中和した。
【0061】このようにして得られたラテックスを17
0℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ、29.
0%であった。また、ラテックス中のポリオルガノシロ
キサンの平均粒子径は0.21μmであった。
【0062】実施例1 グラフト共重合体(S−1)の
製造および樹脂組成物の製造 試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装
置を備えた反応器内に、参考例1で製造したポリオルガ
ノシロキサンラテックス(L−1)56.5部、エマー
ルNC−35(ポリオキシエチレンアルキルフエニルエ
ーテルサルフエート;花王(株)製)0.2部を採取
し、蒸留水148.5部を添加混合した後、ブチルアク
リレート40部、アリルメタクリレート0.3部、1,
3−ブチレングリコールジメタクリレート0.1部およ
びキュメンヒドロパーオキサイト0.18部の混合物を
添加した。
【0063】この反応器に窒素気流を通じることによっ
て、雰囲気の窒素置換を行い、60℃まで昇温した。内
部の液温が60℃となった時点で、硫酸第一鉄0.00
01部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.0
003部およびロンガリット0.24部を蒸留水10部
に溶解させた水溶液を添加し、ラジカル重合を開始し
た。アクリレート成分の重合により、液温は78℃まで
上昇した。1時間この状態を維持し、アクリレート成分
の重合を完結させポリオルガノシロキサンとブチルアク
リレートゴムとの複合ゴムのラテックスを得た。
【0064】反応器内部の液温が70℃に低下した後、
ロンガリット0.4部を蒸留水10部に溶解した水溶液
を添加し、次いでアクリロニトリル7.5部、スチレン
22.5部およびキュメンヒドロパーオキサイド0.1
4部の混合液を2時間にわたって滴下し重合した。滴下
終了後、温度60℃の状態を1時間保持した後、硫酸第
一鉄0.0002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリ
ウム塩0.0006部、ロンガリット0.23部および
エマールNC−35 0.2部を蒸留水10部に溶解さ
せた水溶液を添加し、次いでアクリロニトリル5.0
部、スチレン15.0部およびキュメンヒドロパーオキ
サイド0.10部の混合液を2時間にわたつて滴下し重
合した。滴下終了後、温度60℃の状態を1時間保持し
た後冷却した後、ラテムルASK(アルケニルコハク酸
ジカリウム塩;花王(株)製)を0.3部添加し、ポリ
オルガノシロキサンとブチルアクリレートゴムとからな
る複合ゴムに、アクリロニトリル、スチレンをグラフト
重合させたグラフト共重合体(S−1)の重合ラテック
スを得た。動的光散乱法より求めたラテックス中のグラ
フト共重合体の平均粒子径は、0.12μmであった。
また、この重合ラテックスのせん断力に対する安定性
は、ホモミキサー試験で5分と良好であった。
【0065】次いで酢酸カルシウムを1%の割合で溶解
した水溶液150部を60℃に加熱し撹拌した。この中
ヘグラフト共重合体のラテックス100部を徐々に滴下
し凝固した。次いで析出物を分離し、洗浄した後、遠心
器(国産遠心器(株)製;H−130E)を用いて18
00回転毎秒の条件で2分間脱水処理した。得られた粉
体状のグラフト共重合体の水分率は、35重量%であっ
た。
【0066】次いで、85℃で24時間乾燥し、グラフ
ト共重合体(S−1)を得た。このグラフト共重合体
(S−1)中のカルシウム濃度は、300ppmであっ
た。
【0067】次いで、このグラフト共重合体20部、ポ
リカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチッ
ク社製、ユーピロンS2000F)50部およびSAN
樹脂(旭化成(株)社製、スライラックAS709)3
0部を混合し、さらに着色剤としてカーボンブラツク
(CB−960、三菱化学(株)製)を0.8部添加し
た後、ヘンシエルミキサーを用いて十分混合した。これ
ら混合物をバレル温度260℃に設定した二軸押出機で
賦形し、ペレットを作製した。得られたペレットをシリ
ンダ温度250℃、金型温度80℃に設定した射出成形
機によって試験片を成形した。この試験片によりアイゾ
ット衝撃強度、ロックウエル硬度を評価した。
【0068】また、このペレットを用いて100×10
0×3mmの形状の平板を射出成形し、顔料着色性、成
形外観評価および射出成形時の滞留安定性評価を行っ
た。結果を表1に示した。
【0069】実施例2 グラフト共重合体(S−2)の
製造および樹指組成物の製造 実施例1のグラフト共重合体(S−1)の製造手順にお
いて、用いるポリオルガノシロキサンラテックスをL−
2に、またその仕込量を34.5部に変更し、さらに反
応器に仕込む蒸留水の量を170.5部に変更する以外
は同様の方法でグラフト共重合体(S−2)の重合ラテ
ックスを得た。動的光散乱法より求めたラテックス中の
グラフト共重合体の重量平均粒子径は、0.29μmで
あった。また、この重合ラテックスのせん断力に対する
安定性は、ホモミキサー試験で5分と良好であった。
【0070】次いで実施例1と同様の方法で凝固および
脱水処理を行った。得られた粉体状のグラフト共重合体
の水分率は、33%であった。85℃で24時間乾燥
し、グラフト共重合体(S−2)を得た。このグラフト
共重合体(S−2)中のカルシウム濃度は、300pp
mであった。
【0071】実施例1と同様の方法で、グラフト共重合
体(S−2)、ポリカーボネート樹脂およびSAN樹脂
よりなる樹脂組成物ペレットを製造し、このペレットに
ついて実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に
示した。
【0072】比較例1 グラフト共重合体(T−1)の
製造および樹脂組成物の製造 複合ゴムの製造時およびグラフト重合開始時にエマール
NC−35を添加しなかったこと並びにグラフト重合中
にラテムルASKを添加しなかったことを除き、実施例
1と全く同様にしてグラフト共重合体(T−1)の重合
ラテックスを得た。動的光散乱法より求めたラテックス
中のグラフト共重合体の重量平均粒子径は、0.15μ
mであった。この重合ラテックスのせん断力に対する安
定性は、ホモミキサー試験で1分と非常に低いものであ
った。
【0073】次いで実施例1と同様の方法で凝固および
脱水処理を行った。得られた粉体状のグラフト共重合体
の水分率は38%であった。85℃で24時間乾燥し、
グラフト共重合体(T−1)を得た。このグラフト共重
合体(T−1)中のカルシウム濃度は250ppmであ
った。
【0074】実施例1と同様の方法で、グラフト共重合
体(T−1)、ポリカーボネート樹脂およびSAN樹脂
よりなる樹脂組成物ペレットを製造し、このペレットに
ついて実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に
示した。
【0075】比較例2 グラフト共重合体(T−2)の
製造および樹脂組成物の製造 グラフト重合中に添加するラテムルASKをエマールN
C−35に変更したことを除き実施例1と全く同様にし
てグラフト共重合体(T−2)の重合ラテックスを得
た。動的光散乱法より求めたラテックス中のグラフト共
重合体の重量平均粒子径は、0.12μmであった。ま
た、この重合ラテックスのせん断力に対する安定性は、
ホモミキサー試験で5分と良好であった。
【0076】得られた粉体状のグラフト共重合体の水分
率は、50%と非常に高い値を示した。85℃で24時
間乾燥し、グラフト共重合体(T−2)を得た。このグ
ラフト共重合体(T−2)中のカルシウム濃度は、25
0ppmであった。
【0077】実施例1と同様の方法で、グラフト共重合
体(T−2)、ポリカーボネート樹脂およびSAN樹脂
よりなる樹脂組成物ペレットを製造し、このペレットに
ついて実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に
示した。
【0078】比較例3 グラフト共重合体(T−3)の
製造および樹脂組成物の製造 複合ゴムの製造時およびグラフト重合開始時に添加した
エマールNC−35の代わりにラテムルASKに変更し
て添加したことを除き実施例1と全く同様にしてグラフ
ト共重合体(T−3)の重合ラテックスを得た。動的光
散乱法より求めたラテックス中のグラフト共重合体の重
量平均粒子径は、0.12μmであった。また、この重
合ラテックスのせん断力に対する安定性は、ホモミキサ
ー試験で5分と良好であった。
【0079】得られた粉体状のグラフト共重合体の水分
率は、30%であった。85℃で24時間乾燥し、グラ
フト共重合体(T−3)を得た。このグラフト共重合体
(T−3)中のカルシウム濃度は1500ppmであっ
た。
【0080】実施例1と同様の方法で、グラフト共重合
体(T−3)、ポリカーボネート樹脂およびSAN樹脂
よりなる樹脂組成物ペレットを製造し、このペレットに
ついて実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に
示した。
【0081】比較例4 グラフト共重合体(T−4)の
製造および樹脂組成物の製造 実施例1のグラフト共重合体の製造手順において、用い
る凝固剤を酢酸カルシウムから硫酸アルミニウムに変更
した以外は同様の方法でグラフト重合体(T−4)を得
た。得られた粉体状のグラフト共重合体の水分率は30
重量%であった。
【0082】また、実施例1と同様の方法で、グラフト
共重合体(T−4)、ポリカーボネート樹脂およびSA
N樹脂よりなる樹脂組成物ペレットを製造し、このペレ
ットについて実施例1と同様の評価を実施した。結果を
表1に示した。
【0083】
【表1】
【0084】以上の実施例および比較例より、次のこと
が明らかとなった。 1)実施例1および2の方法でグラフト共重合体を製造
する場合には、重合ラテックスの安定性は高く、また凝
固後乾燥前の水分率が35%および33%と低いことか
ら、この方法によりグラフト共重合体を工業スケールで
製造する際に、撹拌あるいは移送ポンプ等のせん断力に
よってラテックスが崩壊することなく安定した製造が可
能となり、さらに水分率が40%以下であることから、
水分の乾燥処理において費やすエネルギーが少なくな
る。 2)実施例1および2の樹脂組成物は、高いアイゾット
衝撃強度、良好な成形外観および良好な射出成形時の滞
留安定性を示した。 3)実施例1の樹脂組成物は、優れた顔料着色性をし
た。 4)比較例1の方法でグラフト共重合体を製造する場合
には、重合ラテックスのホモミキサー法による安定性が
1分と低く、このようにせん断力に対する安定性が乏し
い重合ラテックスを工業スケールで製造する場合には重
合中の撹拌あるいは移送ポンプ等のせん断力によってラ
テックスが容易に崩壊し、重合体成分が析出固化してし
まうおそれがある。 5)比較例2の方法でグラフト共重合体を製造する場合
には、重合ラテックスの安定性は良好であるものの、凝
固後乾燥前の水分率が50%と高く、乾燥処理に要する
エネルギーが多くなり、処理時間の延長あるいは乾燥設
備の大型化等を招く。 6)比較例3および4の方法でグラフト共重合体を製造
する場合、重合ラテックスの安定性および凝固後乾燥前
の水分率は良好であるが、この方法で製造したグラフト
共重合体を含む樹脂組成物のアイゾット衝撃強度は低
く、また射出成形板の成形外観および射出成形時の滞留
安定性はともに不良であった。
【0085】
【発明の効果】本発明のグラフト共重合体の製造方法
は、重合ラテックスのせん断力に対する安定性および凝
固後乾燥前の水分率の低減に優れ、グラフト共重合体を
極めて高い生産性で工業的スケールで製造できる。ま
た、本発明の方法で製造したグラフト共重合体を含む熱
可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性、表面硬度、成形外観、
顔料着色性のバランスに優れるとともに、射出成形時の
熱安定性にも優れ、各種工業材料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井伊 康明 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社 大竹事業所樹脂開発セン ター内 (56)参考文献 特開 平4−306212(JP,A) 特開 平9−20815(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 291/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリオルガノシロキサンおよび
    (b)アルキル(メタ)アクリレートゴムからなる複合
    ゴムに、(c)芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸
    エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化
    合物から選ばれた少なくとも一種の単量体をグラフト重
    合したグラフト共重合体ラテックスを塩析回収して得ら
    れるグラフト共重合体(A)であって、複合ゴムの製造
    開始の後グラフト共重合体ラテックスを塩析回収する前
    までの間に、スルホン酸塩もしくは硫酸塩乳化剤(1)
    およびカルボン酸塩(2)が添加され、かつ塩析にカル
    シウム塩水溶液が用いられて製造されるグラフト共重合
    体(A)と、熱可塑性樹脂(B)とからなる熱可塑性樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(B)が、ポリカーボネー
    ト樹脂またはポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂
    の混合物である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
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