JP3359017B2 - 加飾性熱可塑性樹脂シート - Google Patents

加飾性熱可塑性樹脂シート

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加飾性熱可塑性樹脂
シート、さらに詳しくは、接着剤との密着性及び印刷性
に優れる上、反りや歪が少なく、例えば床タイルや壁パ
ネルなどの化粧板の基材として、あるいは各種家具類や
建築内装材などに、装飾又は表面保護などの目的で貼着
される化粧シートの基材などとして好適な加飾性熱可塑
性樹脂シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、床タイルや壁パネルなどの化粧板
の基材シートとしては、適度な柔軟性を有し、かつ加工
性が良好であることなどから、塩化ビニル系樹脂製のも
のが賞用されてきた。また、家具や台所製品のキャビネ
ットなどの表面化粧板としては、一般に木質系材料、無
機系材料、鋼板などの金属系材料などに、例えば木目調
柄などを印刷した化粧シートを接着剤で貼り合わせた構
造のものが用いられている。このような表面化粧板に使
用される化粧シートとしては、これまで、適度の柔軟性
を有し、Vカット加工性やラッピング加工性などの加工
性が良いことから、その基材シートに、塩化ビニル系樹
脂製のものが賞用されてきた。しかしながら、このよう
な塩化ビニル系樹脂製化粧板や化粧シートは、耐久性
(摩耗、傷付き、窪みなどに対する耐性)や清掃性が悪
く、かつ焼却時に有害な塩素やダイオキシンを発生する
ため、環境汚染の面で問題を有する上、その中に含まれ
ている可塑剤がブリードしやすく、外観不良を引き起こ
すなどの問題も有していた。したがって、塩化ビニル系
樹脂を使用しないで、加工性が良好であって、しかも耐
久性や清掃性に優れる化粧板や化粧シートが要望されて
いた。このため、近年、基材シートとして、ポリオレフ
ィン系樹脂製のものを用いた化粧板や化粧シートが種々
開発されている。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂
は、一般に接着性がよくないために、例えばポリオレフ
ィン系樹脂をバッカー材とする床タイルや壁パネルを、
接着剤を用いて床面や壁面に貼付けた場合、剥離しやす
いという問題が生じる。一方、近年、消費者の高級品指
向により、床タイルや壁パネル、あるいは家具や台所製
品のキャビネットなどに対しても、高級感が求められる
ようになり、したがってそれらに用いられる化粧板や化
粧シートにおいても、高級感を与える外観を有するもの
が望まれている。そのため、ポリオレフィン系樹脂製基
材シートの表面に、各種の印刷を施したり、絵柄層を有
するフィルムを設けたりすることが行われているが、ポ
リオレフィン系樹脂は、一般に印刷性が悪く、また各種
フィルムを接着剤を用いてラミネートする場合、該接着
剤との密着性がよくないなどの問題がある。そこで、こ
のような問題を解決するために、通常ポリオレフィン系
樹脂製基材シート表面に、コロナ放電処理、サンドブラ
スト処理、クロム酸処理などの物理的又は化学的処理、
あるいはプライマー層を施すなどして、接着剤との密着
性や印刷性などを向上させる方法が行われている。しか
しながら、これらの方法においては、ある程度接着剤と
の密着性や印刷性の向上効果は認められるものの、必ず
しも十分に満足しうるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、接着剤との密着性及び印刷性に優れる
上、反りや歪が少なく、床タイルや壁パネルなどの化粧
板の基材として、あるいは各種家具類や建築内装材など
に、装飾又は表面保護などの目的で貼着される化粧シー
トの基材などとして好適な加飾性熱可塑性樹脂シートを
提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の優れ
た機能を有する加飾性熱可塑性樹脂シートを開発すべく
鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂合成紙は、接着剤
との密着性及び印刷性に極めて優れていることに着目
し、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂を用いた
基材シートの両面に、フィルム状の上記合成紙を設けて
なる積層シートがその目的に適合しうることを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、 (1)20〜85重量%の平均粒径0.05〜20μm
の炭酸カルシウムを含有する厚さ0.1〜10mmのポリ
プロピレン系樹脂製基材シートの両面に、炭酸カルシウ
ム及び酸化チタンを5〜30重量%配合して成膜したフ
ィルム状熱可塑性樹脂合成紙を設けた積層体からなる加
飾性熱可塑性樹脂シート、 (2)フィルム状の熱可塑性樹脂合成紙が、ポリオレフ
ィン系樹脂合成紙である第1項記載の加飾性熱可塑性樹
脂シート、 (3)第1項又は第2項記載の加飾性熱可塑性樹脂シー
トを用いた両面加飾仕切板、 (4)第1項又は第2項記載の加飾性熱可塑性樹脂シー
トを用いた片面又は両面加飾表示板、 (5)第1項又は第2項記載の加飾性熱可塑性樹脂シー
トを用いた片面加飾壁板、 (6)第1項又は第2項記載の加飾性熱可塑性樹脂シー
トを用いた片面加飾天井板、 (7)第1項又は第2項記載の加飾性熱可塑性樹脂シー
トを用いた片面加飾床材、及び (8)第1項又は第2項記載の加飾性熱可塑性樹脂シー
トを用いた片面加飾腰板、 を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性樹脂シートにお
ける基材シートには、樹脂成分として熱可塑性樹脂が用
いられ、この熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフ
ィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂など
が挙げられるが、これらの中で、特にポリオレフィン系
樹脂が好適である。このポリオレフィン系樹脂として
は、特に制限はなく、例えばエチレン、プロピレン、ブ
テン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン
−1、4−メチルペンテン−1などのα−オレフィンの
単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこれらと他の
共重合可能な不飽和単量体との共重合体などが挙げられ
る。代表例としては、高密度、中密度、低密度ポリエチ
レンや直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体などのポリエチレン類、プロピレ
ン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体
やランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ジエン化
合物共重合体などのポリプロピレン類、ポリブテン−
1、ポリ4−メチルペンテン−1などを挙げることがで
きる。上記ポリプロピレン類の中では結晶性のポリプロ
ピレン系樹脂がよく用いられ、この結晶性のポリプロピ
レン系樹脂としては、例えば結晶性を有するアイソタク
チックプロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量の
少ないエチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピ
レン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量
の比較的多いエチレン−プロピレンランダム共重合体か
らなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共
重合体、さらには前記プロピレンブロック共重合体にお
ける各ホモ部又は共重合部が、さらにブテン−1などの
α−オレフィンを共重合したものからなる結晶性のプロ
ピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げ
られる。このポリオレフィン系樹脂は1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、再生
品も用いることができるが、熱可塑性樹脂シートの用途
に応じて適宜選択して用いるのが好ましい。この基材シ
ートには、所望により無機フィラーを含有させることが
できる。この無機フィラーの含有量としては特に制限は
なく、熱可塑性樹脂シートの用途に応じて適宜選定され
るが、通常20〜85重量%、好ましくは30〜75重
量%の範囲である。この含有量が20重量%未満では切
削加工性や剛性などが不十分であるし、85重量%を越
えるとシート成形性及び耐衝撃性が低下する上、重量が
重くなり、好ましくない。ここで、無機フィラーとして
は、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、カオリン、シリ
カ、パーライト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、焼成
アルミナ、ケイ酸カルシウム、タルク、マイカなどが挙
げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0006】これらの無機フィラーの中で、切削性及び
経済性などの点から、炭酸カルシウム、タルク、水酸化
アルミニウム及び水酸化マグネシウムが好ましく、特に
炭酸カルシウムが好適である。この炭酸カルシウムとし
ては特に制限はなく、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸
カルシウム、軽質炭酸カルシウムなど、いずれも用いる
ことができる。この炭酸カルシウムの平均粒径は、通常
0.05〜200μm、好ましくは0.5〜20μmの範
囲である。該基材シートには、所望により、各種添加成
分、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、塩素捕捉剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、離型剤、
着色剤、さらには可塑剤やプロセスオイルや流動パラフ
ィンなどの軟化剤、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラス
トマーなどを適宜含有させることができる。この基材シ
ートを作製するには、まず、前述したポリオレフィン系
樹脂などの熱可塑性樹脂と、好ましくは、成形材料全量
に基づき20〜85重量%の炭酸カルシウムなどの無機
フィラーと、さらに所望により用いられる各種添加成分
とを配合し、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサ
ーなどで混合するか、又は混合後さらに単軸押出機や多
軸押出機を用いて溶融混練造粒することにより、基材シ
ート用成形材料を調製する。次いで、この成形材料を、
公知の方法、例えばキャスト成形、押出しシート成形、
カレンダー成形などの方法によって成形し、基材シート
を作製する。なお、押出機中でこの成形材料を発泡さ
せ、適当な発泡倍率を有する発泡基材シートを作製して
もよい。この基材シートの厚みは、熱可塑性樹脂シート
の用途に応じて、一般に0.08〜10mm、好ましくは
0.1〜6mmの範囲で選定される。本発明においては、
このようにして得られた基材シートの両面に設けられる
合成紙との密着性を向上させる目的で、所望により、該
基材シートに酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的
表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例
えばコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処
理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹
凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法
などが挙げられる。これらの表面処理法は、基材シート
の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処
理法が、効果及び操作性などの面から、好ましく用いら
れる。本発明の熱可塑性樹脂シートは、前記基材シート
の両面にフィルム状の熱可塑性樹脂合成紙を設けたもの
であり、この熱可塑性樹脂合成紙は、熱可塑性樹脂と無
機充填剤との組合わせにより表層を紙化したものであっ
て、極めて接着剤との密着性及び印刷性に優れている。
この熱可塑性樹脂合成紙としては、ポリオレフィン系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ
エステル系樹脂合成紙などが知られているが、本発明に
おいては、特にポリオレフィン系樹脂合成紙が好ましく
用いられる。上記ポリオレフィン系樹脂合成紙はポリプ
ロピレンやポリエチレンに、全重量に基づき、炭酸カル
シウムと酸化チタンを5〜30重量%程度配合して成膜
したものであり、本発明においては、厚みが50〜15
0μm程度のフィルム状のものが用いられる。
【0007】このようなフィルム状の熱可塑性樹脂合成
紙を、前記基材シートの両面に積層する場合、熱ラミネ
ート法では基材シートとの密着性が不十分となるおそれ
があるので、該基材シートと合成紙との間に接着剤層を
介挿し、合成紙を積層するのが好ましい。この際接着剤
層としては、基材シートと同質のフィルム、あるいは、
加熱時に粘着性を示すもの、例えば塩素化ポリオレフィ
ン樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アク
リル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、ア
イオノマー系樹脂などを主成分とする公知の接着剤から
なる厚さ1〜20μm程度のものを好ましく挙げること
ができる。なお、接着剤層として基材シートと同質のフ
ィルムを用いる場合には、予め合成紙の裏面に、ウレタ
ン系やアクリル系などの接着剤により、該フィルムを接
着しておくのが有利であり、これにより、該合成紙は基
材シートに熱融着が可能となる。なお、基材シートの両
面に積層される合成紙は、それぞれ種類や厚さが同じも
のであってもよいし、異なるものであってもよいが、得
られる熱可塑性樹脂シートの反りや歪の防止、生産性な
どの面から、種類及び厚みが同じであるものが有利であ
る。このようにして得られた本発明の熱可塑性樹脂シー
トは、接着剤との密着性及び印刷性に極めて優れる上、
反りや歪が抑制されるなどの特徴を有しており、例えば
床タイルや壁パネルなどの化粧板の基材として、あるい
は各種家具、台所製品のキャビネット、建築内装材など
の表面化粧板に用いられる化粧シートの基材などとして
好適である。
【0008】図1は、本発明の加飾性熱可塑性樹脂シー
トの1例の断面図であって、基材シート1の両面に、接
着剤層2、2'を介してフィルム状の熱可塑性樹脂合成
紙3、3'が積層された構造が示されている。本発明の
熱可塑性樹脂シートは、例えばその一方の面の合成紙上
に、木目、石目、天然皮革の表面柄、布目、抽象柄など
を表現する絵柄層をグラビア印刷、スクリーン印刷、オ
フセット印刷、フレキソ印刷などの一般的な印刷を施
し、さらにその上にクリア層を設けたり、各種ラミネー
ト材をラミネートしたりして、床タイルや壁パネルなど
の化粧板、あるいは家具や台所製品のキャビネット、建
築内装材などの表面化粧板に用いられる化粧シートなど
を作製することができる。上記各種ラミネート材として
は、例えば金属シート、透明又は着色プラスチックシー
ト、絵柄層を有する透明プラスチックフィルム、転写フ
ィルム、耐擦傷性クリアフィルム、さらにはクラフト
紙、印刷紙、不織布、織布などが挙げられる。なお、予
めフィルム状の熱可塑性樹脂合成紙の表面に、上記絵柄
層を印刷しておき、この印刷合成紙と無印刷合成紙を、
基材シートの両面に、それぞれ積層することもできる。
このようにして得られた化粧板は、床面や壁面などの施
工対象物に施工する場合、該化粧板を、その裏面が施工
対象物に対面するように接着剤を介して貼付ければよ
く、これにより、化粧板をしっかりと固定することがで
きる。一方、化粧シートは、例えば木材、合板、集成
材、あるいはパーチクルボード、ハードボードなどの木
質系基材、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板など
の金属系基材、石膏ボードなどの無機系基材などに、そ
の裏面が対面するように接着剤を介して接着することに
より、家具や台所製品のキャビネット、建築内装材など
の表面化粧板を作製することができる。本発明加飾性熱
可塑性樹脂シートは、印刷化粧板、例えば家具用板材
等、仕切板、例えば、仕切パネル等、目隠し板、表示
板、例えば、ポスター用ボード等、キャビネット、箱、
壁板、天井板、名札、床材、腰板に好適に使用すること
ができる。
【0009】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例1 (1)基材シートの作製 ホモポリプロピレン[重量平均分子量約32万、MI
3.1g/10分]45重量部、平均粒径1.0μmの炭
酸カルシウム粉末55重量部、ヒンダードフェノール系
酸化防止剤0.2重量部をドライブレンドしたのち、二
軸混練機にて溶融混練し、押出しシート成形により、厚
さ3.0mmの基材シートを作製した。次に、この基材シ
ートの両面に常法に従って、コロナ放電処理を施した。 (2)熱可塑性樹脂シートの作製 高密度ポリエチレンに炭酸カルシウムと酸化チタンを配
合して成膜してなる厚さ100μmの合成紙の片面に、
塩素化ポリプロピレン樹脂からなる厚さ3μmの接着剤
層を設けた。前記(1)で得られた基材シートの両面
に、上記合成紙を塩素化ポリプロピレン樹脂からなる接
着剤層が、該基材シートに接するようにして、温度15
0℃でのプレス法による熱融着により積層することによ
って、図1に示す構造の壁パネル用基材を作製した。 <反りの評価>縦100cm、横100cmの試料を切り取
り、平板ガラス上に載置し、四角隅と中間点計8点の高
さを測定し、次に裏面を上にして、同様に測定した。そ
の結果、反りは最大2mmであった。 <接着剤との密着性の評価>20mm×20mmサイズの試
料を切り出し、ウレタン系接着剤を用いて、該試料とス
チール板とを接着させ、7日間放置したのち、平面引張
試験を行った。その結果、0.62N/mm2で接着剤の凝
集破壊が生じた。 <印刷性の評価>1cm2内に1mm2の基盤目100ヶを作
成し、セロテープによる剥離試験を実施し、剥離しなか
った数をもって印刷の密着性を評価した。剥離数は0で
印刷性は良好であった。
【0010】比較例1 実施例1において、基材シートの片面のみに合成紙を積
層した以外は、実施例1と同様にして壁パネル用基材を
作製した。この壁パネル用基材について、実施例1と同
様にして反りを評価すると共に、合成紙を積層していな
い側の接着剤との密着性及び印刷性を、実施例1と同様
にして評価した。その結果、反りは最大5mmであり、ま
た、0.36N/mm2で接着剤の凝集破壊が生じた。さら
に印刷性は不良(剥離数12)であった。 実施例2 (1)基材シートの作製 エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(エチレン単位90重
量%、重量平均分子量約11万、メルトインデックス
(MI)3.0g/10分)65重量部、平均粒径2.4
μmの炭酸カルシウム粉末225重量部、可塑剤のジイ
ソノニルフタレート5重量部、滑剤のステアリン酸亜鉛
2.5重量部、リン酸エステル系金属ロール剥離剤2.5
重量部及びヒンダードフェノール系酸化防止剤0.5重
量部をドライブレンドしたのち、シート成形により、厚
さ3.0mmの基材シートを作製した。次に、この基材シ
ートの両面に常法に従ってコロナ放電処理を施した。 (2)熱可塑性樹脂シートの作製 実施例1(2)と同様にして、上記(1)で得られた基
材シートの両面に合成紙を積層することにより、床タイ
ル用基材を作製した。この床タイル用基材について、実
施例1と同様にして反り及び印刷性を評価すると共に、
下記のようにして接着剤との密着性を評価した。その結
果、反りは最大2mmであり、印刷性は良好(剥離数0)
であった。また、接着強度は11.1kg/50mmであっ
た。 <接着剤との密着性の評価>厚さ3.0mmのフレキシブ
ルボードにウレタン系接着剤をコートし、所定の櫛目を
入れ、その上に50mm幅に切断した床タイル用基材をロ
ーラで圧着して、4日後に90度剥離強度を測定した。 比較例2 実施例2において、基材シートの片面のみに合成紙を積
層した以外は、実施例2と同様にして床タイル用基材を
作製した。この床タイル用基材について、実施例2と同
様にして反りを評価すると共に、合成紙を積層していな
い側の接着剤との密着性及び印刷性を、実施例2と同様
にして評価した。その結果、反りは最大5mm、接着強度
は0.5kg/50mmであり、印刷性は不良(剥離数1
5)であった。
【0011】
【発明の効果】本発明の加飾性熱可塑性樹脂シートは、
接着剤との密着性及び印刷性に優れる上、反りや歪が少
なく、床タイルや壁パネルなどの化粧板の基材として、
あるいは各種家具類、台所製品のキャビネット、建築内
装材などに装飾又は表面保護などの目的で貼着される化
粧シートの基材などとして、好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の加飾性熱可塑性樹脂シートの
1例の断面図である。
【符号の説明】
1 基材シート 2、2' 接着剤層 3、3' フィルム状の熱可塑性樹脂合成紙

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】20〜85重量%の平均粒径0.05〜2
    0μmの炭酸カルシウムを含有する厚さ0.1〜10mm
    のポリプロピレン系樹脂製基材シートの両面に、炭酸カ
    ルシウム及び酸化チタンを5〜30重量%配合して成膜
    したフィルム状熱可塑性樹脂合成紙を設けた積層体から
    なる加飾性熱可塑性樹脂シート。
  2. 【請求項2】フィルム状の熱可塑性樹脂合成紙が、ポリ
    オレフィン系樹脂合成紙である請求項1記載の加飾性熱
    可塑性樹脂シート。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の加飾性熱可塑性樹脂
    シートを用いた両面加飾仕切板。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載の加飾性熱可塑性樹脂
    シートを用いた片面又は両面加飾表示板。
  5. 【請求項5】請求項1又は2記載の加飾性熱可塑性樹脂
    シートを用いた片面加飾壁板。
  6. 【請求項6】請求項1又は2記載の加飾性熱可塑性樹脂
    シートを用いた片面加飾天井板。
  7. 【請求項7】請求項1又は2記載の加飾性熱可塑性樹脂
    シートを用いた片面加飾床材。
  8. 【請求項8】請求項1又は2記載の加飾性熱可塑性樹脂
    シートを用いた片面加飾腰板。
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