JP3358662B2 - 塩化ビニリデン系ラテックス、およびその製造方法 - Google Patents

塩化ビニリデン系ラテックス、およびその製造方法

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秀樹 坂井
幸男 山脇
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、良好な接着性、良好な印刷性を有すると共
に、ガス(特に酸素)及び水蒸気の遮断性に優れ、か
つ、熱水処理に対して優れた耐性を有する塗膜を形成し
得る塩化ビニリデン系ラテックス、およびその製造方法
に関するものである。
背景技術 塩化ビニリデン系ラテックスは、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ナイロン等のプラスチックフィルムに直接
又はアンカーコート剤を塗布した上に塗布され、そのガ
ス及び水蒸気の遮断性を著しく向上せしめるために重用
されている。
このラテックスに対しては、基材フィルムとの接着性
の良い塗膜を形成することが求められ、又形成された塗
膜の印刷性や他のフィルムとのラミネート性の良いこと
などが求められているが、最も強く求められる性質は、
この形成された塗膜のガス及び水蒸気に対する遮断性が
優れていることである。
このようなコーティングフィルムは、主に食品包装用
として用いられるが、食品の種類によっては、包装後熱
水に通して内容物を殺菌する必要が生じる。この場合、
熱水処理によって塗膜の透明性が失われ白濁したり(以
下、「ボイル白化」という。)、ガス遮断性が低下した
りする。そこで熱水処理後のボイル白化やガス遮断性を
低下せず、かつ耐熱水性の優れたラテックスが求められ
ている。
例えば、特公昭48−10941号公報には、塩化ビニリデ
ン系ラテックスを隔膜を用いて透析処理して無機塩類の
総含有量を0.5%から0.1%まで減少せしめ、熱水処理後
のガス遮断性等に優れた塗膜を形成するラテックスが得
られることが開示されている。
しかし、ここにあげられた例では塗膜のボイル白化の
改善効果は十分であるとはいえない。
食品包装用材料においては、商品の美しい外観を保つ
ことは重要なポイントであり、特に塗膜のボイル白化は
著しくその商品価値を損なうことから、熱水処理時にお
いてこの発生を抑える技術が食品包装材分野において必
須とされる。また近年、食品包装市場において要求され
る性能はますます高まる傾向にあり、耐熱水性能の飛躍
的な向上のためにはさらなる改善が必要である。
本発明は、従来の欠点を除いて耐熱水性の良好な塩化
ビニリデン系ラテックス、およびその製造方法を提供す
ることである。さらに詳しくは、塗膜の熱水処理中にボ
イル白化、ガス遮断性の低下の起こらない塩化ビニリデ
ン系ラテックスと、それのコンパクトでかつ効率的な工
業的製造方法を提供することである。
発明の開示 塩化ビニリデン系ラテックスにおいては、重合時に共
重合体から脱塩酸が発生し、通常得られたラテックス中
には共重合体に対し1000ppm前後の塩素イオンが存在す
る。
本発明者らは、前記従来技術の課題を克服すべく鋭意
検討の結果、驚くべきことに、ラテックス中に存在する
塩素イオン含有量を透析処理により一定量以下にまで低
下させることによって、該ラテックスを塗布して形成し
た塗膜の耐熱水性の低下、特にボイル白化を飛躍的に改
善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、塩化ビニリデン系ラテックス中の塩
素イオン含有量をラテックス中の固形分重量に対して50
0ppm以下、好ましくは200ppm以下に低減させることを特
徴とする塩化ビニリデン系ラテックス、およびその製造
方法、である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる塩化ビニリデン系ラテックスとし
ては、塩化ビニリデンを主要単量体とし、乳化重合によ
って得られる共重合体ラテックスであって、該共重合体
中の塩化ビニリデン含量が50重量%以上のものである。
特に高度のガスおよび水蒸気遮断性を要求される用途に
おいては、塩化ビニリデンの含量を86〜94重量%とする
ことが好ましい。
塩化ビニリデンの含量が86重量%より低いと結晶性が
低くなり、ラテックスから形成される塗膜のガスおよび
水蒸気の遮断性が悪くなり、94重量%を越えると重合直
後でも共重合体が結晶化してしまい、ラテックス粒子が
固くなり、成膜性が不良となる。
また、塩化ビニリデン系ラテックスを乳化重合によっ
て製造するに際して用いられる乳化剤、重合開始剤、界
面活性剤等の種類については特に限定しない。
本発明に用いられる塩化ビニリデン系ラテックスの共
重合成分としては、塩化ビニリデンと共重合し得る単量
体として、例えば、 (a)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、
(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル
酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、
(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ス
テアリル、等の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のア
ルキルエステルまたはシクロアルキルエステル、(メ
タ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メ
トキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル等の
(メタ)アクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキ
ルエステルのような(メタ)アクリル酸エステル (b)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
無水イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、シトラコン酸等のカルボキシル基を有するエチレン
系α、β−不飽和カルボン酸およびその塩、 (c)(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルア
ミド等の不飽和アミド化合物、 (d)アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニト
リル基含有単量体、 (e)(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸の炭
素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;ポリオキシ
エチレンモノアクリレート、ポリオキシエチレンモノメ
タアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、アリルアルコール等の水酸基含有単量体、 (f)スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、ブ
タジエン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等のその他の重
合性不飽和単量体、 等を挙げることができる。
このような塩化ビニリデン系ラテックスから無機塩類
等の不純物を除去する方法としては、イオン交換樹脂に
よる吸着法、精密濾過膜または限外濾過膜による膜濾過
法、半透膜による透析法等がある。
イオン交換樹脂による吸着方法では、塩化ビニリデン
系ラテックス粒子自体に負の荷電があるためラテックス
粒子のアニオン交換樹脂への吸着が起こること、さらに
中性分子が除去できないこと、イオン交換樹脂の再生に
手間がかかること、などにより工業的実施は困難である
ことが判った。
膜濾過方法では、塩化ビニリデン系ラテックスの場合
には、濾過処理過程において膜面にラテックスの付着層
を形成し易く、このものは逆洗等の処理を行っても完全
には回復せず経時的に除去速度および透水速度の低下を
生じるといった欠点を有し、工業的な実施は極めて困難
であることが判明した。
本発明者らは鋭意検討した結果、本発明のラテックス
を得るには半透膜を用いた透析処理が最も効率的である
ことを見出した。
本発明の実施に際し用いられる半透膜としては、通
常、透析用途に用いられているセルロース系(再生セル
ロース系、酢酸セルロース系、化学変性セルロース系
等)、ポリアクリロニトリル系、ポリメチルメタクリレ
ート系、ポリスルホン系、ポリエチレンビニルアルコー
ル系、ポリアミド系等の膜、濾過用途に用いられるポリ
アクリロニトリル系、ポリスルホン系、ポリエーテルス
ルホン系、ポリフッ化ビニリデン系、酢酸セルロース
系、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフ
ィン系、ポリアミド系、ポリイミド系等の膜が挙げら
れ、その形状も中空糸、平膜、スパイラル、管状、等様
々なものが挙げられる。
本発明者らは、この中でも中空糸膜モジュールを用い
た透析処理方法が本発明の目的を最も効率的に達成し、
工業的に特に優れていることを見出した。
一般に、中空糸膜モジュールとは外形が数mm以下の中
空糸形状に製膜した半透膜を多数束ねて内蔵した容器で
あり、こうした例として、ウイルス除去膜、精密・限外
濾過膜、気体分離膜、人工腎臓中空糸膜等のモジュール
が知られている。本発明では、特に人工腎臓中空糸膜モ
ジュールを用いることが好ましい。
ここで人工腎臓中空糸膜モジュールとは、半透膜を使
用した物質移動器、特に該膜が中空糸状をなしたものを
使用する、いわゆる中空糸膜型物質移動器で、一般に人
工透析用途に用いられているモジュールをいう。現在、
特に人工腎臓として市販されている中空糸膜モジュール
は円筒形状の外塔内に多数の中空糸膜が密に配置された
形状を有している。
本発明において、人工腎臓モジュールとしてはこうし
た市販品の中から任意のものを用いることができる。
本発明者らは、中空糸膜モジュールを工業的に使用す
ることにより以下の利点があることを見出した。
a)コンパクトであり、かつ大面積が確保できる。
b)工業製品であり品質が安定している。
c)構造が単純である。
d)ホールドアップが小さいため処理ラテックスのロス
が少ない。
特に人工腎臓中空糸膜モジュールを用いた場合には、
以下の利点がある。
a)膜厚が5〜40μmと薄く透析除去速度が速いこと、 b)中空糸膜外径が約200〜300μmと細いため、中空糸
膜の充填密度が高められ非常にコンパクトでかつ大きな
膜面積が確保できること、 c)モジュールの交換作業が非常に簡便であること、 d)ホールドアップが極めて少なくラテックスのロスは
ほとんどないこと、 e)工業的に大量生産され品質が安定し、非常に安価で
あること、等の点が非常に優れている。
さらに中空糸膜モジュールの使用に際しては、いくつ
かの条件を規定することにより、より有効に使用し得る
ことを見出した。
本発明においては、処理時における膜を介したラテッ
クス側圧力(PL)と透析液側圧力(PW)とをPL≦PWに保
つことが重要である。好ましくは0≦PW−PL≦10kg/c
m2、さらに好ましくは0≦PW−PL≦1kg/cm2とする。圧
力がPW<PLの場合にはラテックス側が濾過状態となり膜
面上へのラテックスの付着が起こり、処理能力の低下さ
らにはモジュール内部での詰まりが発生する。一方、PW
−PL>10kg/cm2の場合には水側からラテックス側への透
水速度が大きくなり過ぎてラテックスの希釈が大きくな
り透析処理後に濃縮操作を必要としたり、場合によって
は膜の破壊を起こすこととなる。
本発明においては、ラテックスと透析液との通液方向
は並流でも向流でもよいが、圧力条件を考慮すれば並流
の方がより好ましい。
本発明においては、モジュールへの通液はラテックス
を中空糸膜の外側に、透析液を中空糸膜の中に通すこと
が好ましい。通常、塩化ビニリデン系ラテックスは約50
重量%の固形分含量で取り扱われるが、中空糸内部にこ
のような高固形分含量のラテックスを通液した場合に
は、中空糸内部での詰まり、閉塞等を発生し使用不能に
なる恐れがある。
本発明においては、ラテックスの流量は任意に選べる
が、通常は0.1〜500cm/秒の範囲から適宜選ばれる。膜
面に対する線速が0.1cm/秒より小さくなると濃度分極に
よる除去速度の低下、さらには膜面上への付着が起こり
安定な処理が実施不可能となる。一方、線速が500cm/秒
より大きくなるとラテックス粒子がシェア等により安定
性を減じられ、凝集および膜への付着を発生することと
なる。
本発明においては、膜の透水率は25℃、純水での測定
値が500ml/Hr・m2・mmHg以下の膜を用いることが好まし
く、さらに好ましくは100ml/Hr・m2・mmHg以下の膜を用
いる。透水率が上記範囲を超えるとラテックス側への水
の浸透速度が大きくなり過ぎ、極端な固形分濃度の低下
が生じ、その後、濃縮操作が必要になるなど、工業的に
多大な負担を生じたりするからである。
また、本発明において、好適に使用される膜の分子量
阻止限界は通常500〜100000である。阻止限界が100000
を超えるとラテックス粒子の膜への目詰まり、さらには
ラテックス粒子のリークが起こる場合がある。
本発明においては、ラテックス中の塩素イオンの濃度
が固形分に対し500ppm、好ましくは200ppm以下とするこ
とが必要である。塩素イオン濃度が500ppm以上では、該
ラテックスを基材に塗布した場合に塗膜物性、特にボイ
ル白化特性において満足な性能が得られない。
本発明では、通常、ラテックス、及び透析液の温度が
5〜50℃の範囲で実施する。
本発明においては、透析液は、通常、水を用いること
が好ましく、イオン類、有機物などの水溶性物質、固形
物が少ない方がより好ましい。通常は軟水、脱イオン水
等が用いられる。
本発明において使用する装置の様式は何ら限定される
ものではなく、また回分式でも連続式であってもよい。
本発明は、熱水処理を行う食品包装分野、特にナイロ
ン等のプラスチックフィルムコーティング用途に用いら
れる塩化ビニリデン系ラテックスおよびそれの極めて効
率的かつ効果的な工業的製造方法を提供する。特に、塩
化ビニリデン系ラテックスであって、熱水殺菌処理を必
要とする食品包装分野で用いられる塩化ビニリデン系ラ
テックス、およびその製造方法として、本発明は極めて
意義あるものである。
図面の簡単な説明 図1は、中空子膜モジュールとしての人工腎臓用中空
子膜モジュールの縦断面図である。図2は、1本のモジ
ュールを用いて回分式で行う場合の装置図である。図3
は複数のモジュールを並列に用いて回分式で行う場合の
装置図である。図4は、複数のモジュールを直列に用い
て連続式で行う場合の装置図である。
符号の説明:A ラテックス容器、B 人工腎臓中空子
モジュール、C 圧力調整用バルブ、D 圧力調整用バ
ルブ、E ヘッダー、F ヘッダー、G ヘッダー、H
ヘッダー、P 圧力計 発明を実施するための最良の形態 以下で、本発明を実施例等を用いてさらに具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例等により何ら限定させ
るものではない。なお、部および%は、特にことわらな
い限り重量基準による。
本発明の実施例等で用いる分析手段などは以下の通り
である。
(イ)イオンの定量 ラテックス(LTX)を遠心分離にて固液分離し、得ら
れた水相をイオンクロマトグラフィーにて測定した。イ
オン含有量は固形分重量に対する値である。
(ロ)固形分定量 塩化ビニリデン系ラテックスを精秤したアルミ箔皿に
約1g精秤し、120℃に保った熱風循環乾燥機中に30分間
おいた後の重量との差より求めた。
(ハ)塗工フィルムの作成 コロナ放電処理を施した2軸延伸ナイロンフィルム
に、アンカーコート剤(武田薬品、タケラックA−310/
タケネートA−3/酢酸エチル=12/2/93重量比)を、塗
工量0.2g/m2となるよう塗布乾燥し、次いで塩化ビニリ
デン系ラテックスをメイヤーロッドを用いて乾燥後塗膜
重量が5g/m2となるように塗布し、熱風循環乾燥機中120
℃、10秒にて乾燥した後、40℃で2日エージング処理を
行った。
(ニ)熱水処理 95℃の熱水中に、塗工フィルムを30分間浸漬した後、
濾紙の間にはさみ塗工フィルム表面の水滴を吸い取っ
た。
(ホ)酸素透過率 2軸延伸ナイロンフィルム(15μm)を用い上述
(ハ)項によって作成した塗工フィルムを、室温で相対
湿度100%に1日間放置した後、又は熱水処理後直ち
に、OX−TRAN100(Modern Control社製)を用い、20
℃、相対湿度100%にて測定した(前者は、後述の表3
の欄に「酸素透過率」と、後者は同欄に「ボイル後酸素
透過率」と記載)。塗布量5g/m2での値である。
(ヘ)塗膜の白化 2軸延伸ナイロンフィルム(15μm)を用い上述
(ハ)項によって作成した塗工フィルムを、東洋精機社
製の熱傾斜試験器を用いて、160、180、200℃の温度で1
kg/cm2の圧力をかけて、1秒間加熱した(ヒートシー
ル)。その後、直ちに熱水処理を行った。熱水処理後、
ヒートシールした部分の白化の度合いを肉眼判定および
日本電色工業(株)製の曇度計NDH−1001DPを用いて曇
度(%)を測定した(表3中、「ボイル白化」と記
載)。本試験方法では曇度約5%以下の時は肉眼観察で
は透明性が良好であり、約10%以上になると明らかに不
透明になり白化した状態である。本試験結果において実
用的に良好な状態であるのは、曇度7%以下の時であっ
た。
ラテックスの合成 (合成例1) 塩化ビニリデン90部、メタアクリル酸メチル6部、ア
クリロニトリル3.5部、アクリル酸0.5部(合計100部)
の単量体プレミックスを調合し、そのうちの10%をガラ
スライニングを施した鉄製耐圧反応器中に予め調合して
おいた脱イオン水90部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ0.08部、過硫酸ソーダ0.05部からなる水相プレミッ
クス中に添加し、密封攪拌下にて55℃に保ち重合を進行
させた。ラウリル硫酸ソーダ0.65部の水溶液を追加添加
し、単量体プレミックスの残部(即ち90%)と過硫酸ソ
ーダの稀薄水溶液を15時間にわたって連続添加した。こ
の間終始55℃に保ち、かき混ぜを続行し反応器内圧が十
分に低くなるまで反応を進行せしめラテックスを得た。
このラテックスにラウリル硫酸ソーダを更に添加し、得
られたラテックスの表面張力を20℃で42dyne/cmとなる
ようにした。この後水蒸気ストリッピングによって未反
応モノマーを除去した。得られたラテックスは、ナトリ
ウムイオン濃度700ppm、塩素イオン濃度900ppm、固形分
濃度55重量%であった。これをラテックス(a)とす
る。
(合成例2) 単量体プレミックスの組成を、塩化ビニリデン90部、
メアタクリル酸メチル8部、アクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル2部とした以外は、合成例1と全く同様とし
た。得られたラテックスは、ナトリウムイオン濃度870p
pm、塩素イオン濃度780ppm、固形分濃度55重量%であっ
た。これをラテックス(b)とする。
実装置システムおよびフロー 以下、図1〜3によって、塩化ビニリデン系ラテック
スを透析処理するための本発明を実施する装置システム
例および実施フローを説明する。以下の実施例、比較例
は当該システム例および実施フローに基づき実施した。
対応する物質流を括弧内の番号で示す。
図1は、中空糸膜モジュールである人工腎臓中空糸膜
モジュールの断面図である。中空糸膜モジュールは、通
常市販されているモジュールが使用され、本実施例では
主に外径約50mm、長さ約300mmのモジュールを1本であ
るいは複数本を並列に設置して用いた。
(1本のモジュールで行う回分式の場合) 図2に装置図を示す。ラテックス容器Aよりラテック
ス(1)を直立に設置した人工腎臓中空糸膜モジュール
Bの中空糸膜外側に、下方から上方に通液する。一方透
析液(2)は中空糸膜内側に、ラテックスと並流の場合
はモジュール下部から上方に、向流の場合はモジュール
上部から下部に、通液する。モジュールに導入したラテ
ックスはモジュール上部より抜き出し容器Aに循環され
る。一方、透析液はモジュール上部あるいは下部より抜
き出し系外に排出される。ラテックス、透析液のライン
にはモジュール入部直近にそれぞれ圧力計P1、P2を、出
部直近にそれぞれ圧力計P3、P4を設置し、さらに出側の
圧力計の後にそれぞれ圧力調整用バルブC,Dを設置して
いる。基本的な圧力条件はP2≧P1,P4≧P3でありこれを
達成するため透析液の流量および/またはバルブC、D
の開度で調整する。
(複数のモジュールを並列にして行う回分式の場合) 図3にモジュール4本を並列に用いた場合の装置図を
示す。複数のモジュールBを、内径68mm、長さ1450mmの
ヘッダーE,F,G,Hに並列に取り付けた装置を用いた。
ラテックス容器Aよりラテックス(1)をポンプにて
下部のヘッダーEを経て複数本のモジュールBに供給
し、中空糸膜外側に通液する。透析液(2)をラテック
スと並流の場合はのヘッダーFを経て、向流の場合はヘ
ッダーHを経てモジュールに供給し、中空糸膜内側に通
液する。モジュールに導入したラテックスはモジュール
上部より抜き出しヘッダーGを経て容器Aに循環され
る。一方、透析液はモジュール上部または下部より抜き
出しヘッダーHまたはFを経て系外に排出される。ラテ
ックス、透析液側にはモジュール入部にそれぞれ圧力計
P1、P2、出部に圧力計P3、P4を設置し、出側の圧力計の
後にそれぞれ圧力調整用バルブC,Dを設置している。基
本的な圧力条件はP2≧P1,P4≧P3でありこれを達成する
ため透析液の流量および/またはバルブC,Dの開度で調
整する。
(連続式の場合) 図4にモジュールを3本直列に用いた場合の装置図を
示す。ラテックス容器Aよりラテックス(1)を直列に
設置した人工腎臓中空糸膜モジュールBの中空糸膜外側
に通液する。一方透析液(2)は中空糸膜内側に、ラテ
ックスと並流あるいは向流に通液する。モジュールに導
入したラテックスおよび透析液はモジュールより系外に
抜き出される。ラテックス、透析液のラインにはモジュ
ール入部直近にそれぞれ圧力計P1、P2、出部直近にそれ
ぞれ圧力計P3、P4を設置し、さらに出側の圧力計の後に
それぞれ圧力調整用バルブC,Dを設置している。基本的
な圧力条件はP2≧P1,P4≧P3でありこれを達成するため
透析液の流量および/またはバルブC、Dの開度で調整
する。
以下の実施例、比較例の詳細な実験条件は表1、2に
まとめて示す。
また、ラテックスの固形分については、透析処理によ
る固形分の低下が10重量%以下の場合を○、10重量%を
越えて低下する場合を×で表記する。
(実施例1) ラテックスとして合成例1で製造したラテックス
(a)を25kg(約20L(リットル))、透析液として軟
水、中空糸膜モジュールとして旭メディカル製(再生セ
ルロース、透水率5mL/Hr・m2・mmHg、膜面積2.1m2、湿
潤時の膜厚約30μm、阻止限界分子量 約10000)の人
工腎臓用モジュールを用いた。このモジュールは、モジ
ュール横断面における中空糸膜の内部の断面積の計が約
5cm2、中空糸膜の外部の断面積の計が約7cm2である。
図1に示したような、装置システムによりラテックス
をモジュールに連続的に供給した後再度循環し、一方軟
水はモジュールに連続的に供給した後、系外に排出して
ラテックスの透析を行った。
ラテックスおよび軟水温度は25℃、ラテックスと軟水
は並流で、中空糸膜の外側にラテックスを、中空糸膜の
内側に軟水を通液した。ラテックス流量は4L/min(膜面
に対する線速約9.5cm/sec)、透析液側とラテックス側
との圧力差(PW−PL)を0kg/cm2(ラテックス側入り圧
0.9kg/cm2−G(ゲージ圧)、出圧0.1kg/cm2−G、軟水
流量2.8L/min、軟水側入り圧0.9kg/cm2−G、出圧0.1kg
/cm2−G)のような条件下で行った。10分毎にラテック
スをサンプリングし1時間透析処理を行った。ラテック
スの物性としてイオン、固形分、および塗工フィルムの
物性として熱水処理前後の酸素透過率、ボイル白化剤測
定を行った。その結果を表3に示す。
(実施例2) 実施例1と同じ装置、モジュールを用い、ラテックス
を合成例2で製造したラテックス(b)とした以外は実
施例1と同様の条件で行った。その結果を表3に示す。
(比較例1) 実施例1と同じラテックスを用い、透析処理を次の様
に実施した。
ラテックス0.6kgを直径76mm、膜面積0.05m2の再生セ
ルロースチューブ(Viskase社製、透水率5ml/Hr・m2・m
mHg、湿潤時の膜厚140μm、阻止限界分子量 約1000
0)に入れて流水中で透析を行った。この時、膜面積に
対するラテックス量比は実施例1と同じとした。
4時間連続で透析を行い、その結果、塩素イオン含量
は650ppmとなった。実施例1と比べ効率が大幅に低下し
た。その結果を表3に示す。
(比較例2) 実施例1と同じ装置、モジュール、ラテックスを用
い、モジュール内部でのラテックスと透析液との通液場
所とそれらの流量を次のように変える以外は実施例1と
同様の条件で行った。
比較例2では、ラテックスの通液を中空糸膜の内側、
軟水を中空糸膜の外側とした。詳細条件は表1に示す。
ラテックスの通液開始後より中空糸膜内部の圧力損失
が上昇し、5分後には完全に閉塞した。その結果を表3
に示す。
(参考例1〜2) 実施例1で60分間処理したラテックス1kgを用いて、
次のような塩を添加したラテックスを調製し、このラテ
ックスおよび塗工フィルムの物性を実施例1と同様の方
法で測定した。用いたラテックスは固形分53重量%、無
機塩含有量は、[Na+]=120ppm、[Cl-]=80ppm、総
含有量は200ppmであった。
参考例1では、塩化ナトリム0.526g(約9mmol)を添
加した。これによってラテックス中の塩素イオン含有量
は681ppm、無機塩総含有量は1192ppmとなった。
参考例2では、硫酸ナトリウム1.28g(約9mmol)を添
加した。
これによって無機塩の総含有量は2615ppmとなった。
参考例1の場合にのみ、塗工フィルムの物性(ボイル
後酸素透過率、ボイル白化)は透析処理前と同様に悪い
結果を示した。その結果を表3に示す。
(実施例3〜8) 実施例1と同じ装置、モジュールを用い、ラテックス
は合成例1で製造したもの1250kgとし、透析液側とラテ
ックス側との圧力条件(PW−PL)を表1のように変える
以外は実施例1と同様の条件でラテックス中の塩素イオ
ン含有量が200ppm以下となるまで透析処理を行った。
ラテックス側に対し、水側を微加圧することで透析効率
は高まった。透析処理に要した時間と処理後のラテック
ス固形分低下の結果を表4に示す。
(実施例9〜11) 実施例3と同じ装置、モジュール、ラテックスを用
い、ラテックスおよび透析液の通液量および圧力条件
(PW−PL)を表2のように変える以外は実施例3と同様
の条件でラテックス中の塩素イオン含有量が200ppm以下
となるまで透析処理を行った。透析処理に要した時間と
処理後のラテックス固形分低下の結果を表4に示す。
(実施例12) 実施例3と同じ装置、モジュール、ラテックスを用
い、ラテックスと透析液との通液方向、通液量および圧
力条件(PW−PL)を表2のように変える以外は実施例3
と同様の条件でラテックス中の塩素イオン含有量が200p
pm以下となるまで透析処理を行った。透析処理に要した
時間と処理後のラテックス固形分低下の結果を表4に示
す。
(比較例3) 実施例3と同じ装置、モジュール、ラテックスを用
い、圧力条件(PW−PL)を表2のように変える以外は実
施例3と同様の条件で透析処理を行った。
ラテックス側が透析液側に対し加圧になり、ラテック
スが濾過を受ける条件であるため、透析効率は低く、ま
た経時的にモジュール内部圧力損失が上昇し、20時間後
にはモジュール内部で閉塞を生じたため処理の継続が不
可能になった。この時の塩素イオン含量は600ppmであっ
た。その結果を表4に示す。
(比較例4) 実施例3と同じ装置、モジュール、ラテックスを用
い、ラテックスと透析液との通液方向および圧力条件
(PW−PL)を表2のように変える以外は実施例3と同様
の条件で行った。
透析液の出側において、透析液側に対してラテックス
側が加圧になりラテックスが濾過を受ける条件であるた
め、経時的にモジュール内部圧力損失が上昇し、10時間
後には内部で閉塞を生じたため処理の継続が不可能にな
った。この時の塩素イオン含量は550ppmであった。その
結果を表4に示す。
(実施例13〜15) 実施例3と同じ装置、ラテックスを用い、中空糸膜モ
ジュールと圧力条件(PW−PL)を次のように変える以外
は実施例3と同様の条件でラテックス中の塩素イオン含
有量が200ppm以下となるまで透析処理を行った。条件の
詳細は表2に示す。
実施例13では、透水率25ml/Hr・m2・mmHgの再生セル
ロース人工腎臓用中空糸モジュール(膜面積2.0m2、膜
厚30μm、阻止限界分子量約10000)を用いた。このモ
ジュールは、モジュール横断面における中空糸膜内断面
積約5cm2、中空糸膜外断面積約7cm2である。
実施例14では、透水率200ml/Hr・m2・mmHgのポリアク
リロニトリル人工腎臓用糸モジュール(膜面積2.2m2
膜厚35μm、阻止限界分子量約50000)を用いた。この
モジュールは、モジュール横断面における中空糸膜内断
面積約7cm2、中空糸膜外断面積約12cm2である。
実施例15では、透水率200ml/Hr・m2・mmHgのポリスル
ホン人工腎臓用中空糸モジュール(膜面積1.6m2、膜厚3
5μm、阻止限界分子量約50000)用いた。このモジュー
ルは、モジュール横断面における中空糸膜内断面積約5c
m2、中空糸膜外断面積約7cm2である。透析処理に要した
時間と処理後のラテックス固形分低下の結果を表5に示
す。
(比較例5) 実施例13と同じ装置、ラテックスを用い、中空糸膜モ
ジュールと圧力条件(PW−PL)およびラテックスの量を
次のように変えた以外は実施例10と同様の条件で行っ
た。条件の詳細は表2に示す。
比較例5では、透水率1000ml/Hr・m2・mmHgのポリエ
チレン精密濾過用中空糸膜モジュール(膜面積2.9m2
膜厚600μm、阻止限界分子量100000以上)を用いた。
このモジュールは、モジュール横断面における中空糸膜
内断面積約12cm2、中空糸膜外断面積約30cm2である。
透析効率が低く処理に長時間を要し、固形分の低下も
著しかった。その結果を表5に示す。
(実施例16〜17) 実施例3と同じラテックスを用い、ヘッダーにモジュ
ールを4本並列で設置した装置を用い、モジュールを次
のように変えた以外は実施例3と同様の条件でラテック
ス中の塩素イオン含有量が200ppm以下となるまで透析処
理を行った。条件の詳細は表2に示す。
実施例16では、実施例1と同じ再生セルロース人工腎
臓中空糸膜モジュールを用いた。
実施例17では、実施例14と同じポリアクリロニトリル
人工腎臓中空糸膜モジュールを用いた。透析処理に要し
た時間と処理後のラテックス固形分低下の結果を表6に
示す。
(実施例18) 実施例3と同じモジュール、ラテックスを用い、図4
に示したようなモジュールを3本直列で設置した装置を
用い、透析操作、処理に用いたラテックスの量、ラテッ
クスと透析液との流量および圧力条件を次のように変え
た以外は実施例3と同様の条件で行った。条件の詳細は
表2に示す。
実施例18では、ラテックスをモジュールに連続的に供
給した後、再度循環せずにそのまま系外に抜き出した。
得られたラテックス中の塩素イオン含有量は約200ppmで
あった。その結果を表6に示す。
産業上の利用可能性 本発明によれば、従来法に比べ次の利点がある。
1)塩化ビニリデン系ラテックス中の塩素イオンの濃度
を固形分に対して500ppm以下に制御することによって、
耐熱水性、特に耐ボイル白化、ガス遮断性低下に優れた
塗膜を形成させることができる。
2)本発明の透析方法は中空糸膜モジュールのようなコ
ンパクトな装置を用いた効率的かつ安定的な処理が可能
であり、また低コストにて工業的に実施することができ
る。
3)ラテックスの長期保存、移送中における物性の変化
に対して、ラテックス中の塩素イオン含有量のみでそれ
をモニターできる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−158455(JP,A) 特開 昭57−76044(JP,A) 特開 昭57−30705(JP,A) 特開 昭50−44221(JP,A) 特公 昭39−24114(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 14/08 C08F 6/16 C08L 27/08

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩素イオン含有量がラテックス中の固形分
    重量に対して500ppm以下であることを特徴とする塩化ビ
    ニリデン系ラテックス(但し、ハロゲン化銀写真感光材
    料用は除く。)。
  2. 【請求項2】塩化ビニリデン系ラテックスであって、該
    ラテックスを構成する共重合体は86〜94重量%の塩化ビ
    ニリデン、およびこれと共重合可能な1種以上のビニル
    系単量体が乳化重合してなることを特徴とする請求項1
    記載の塩化ビニリデン系ラテックス(但し、ハロゲン化
    銀写真感光材料用は除く。)。
  3. 【請求項3】塩化ビニリデンと共重合可能な単量体とし
    て、カルボキシル基を有する1種以上の単量体を該共重
    合体中に0.1〜4重量%含有することを特徴とする、請
    求項1または2記載の塩化ビニリデン系ラテックス(但
    し、ハロゲン化銀写真感光材料用は除く。)。
  4. 【請求項4】塩化ビニリデンと共重合可能な単量体とし
    て、水酸基を有する1種以上の単量体を該共重合体中に
    0.1〜6重量%含有することを特徴とする、請求項1、
    2または3記載の塩化ビニリデン系ラテックス(但し、
    ハロゲン化銀写真感光材料用は除く。)。
  5. 【請求項5】透析処理により、塩化ビニリデン系ラテッ
    クス中の塩素イオン含有量をラテックス中の固形分重量
    に対して500ppm以下に低減させることを特徴とする塩化
    ビニリデン系ラテックス(但し、ハロゲン化銀写真感光
    材料用は除く。)の製造方法。
  6. 【請求項6】透析処理に際し、中空糸膜モジュールを用
    いることを特徴とする請求項5に記載の塩化ビニリデン
    系ラテックス(但し、ハロゲン化銀写真感光材料用は除
    く。)の製造方法。
  7. 【請求項7】中空糸膜モジュールが人工腎臓用中空糸膜
    モジュールである、請求項6に記載の塩化ビニリデン系
    ラテックス(但し、ハロゲン化銀写真感光材料用は除
    く。)の製造方法。
  8. 【請求項8】人工腎臓用中空糸膜モジュールを用いた透
    析処理において、ラテックス側圧力PLと透析液側圧力PW
    をPL≦PWに保つことを特徴とする、請求項7に記載の塩
    化ビニリデン系ラテックス(但し、ハロゲン化銀写真感
    光材料用は除く。)の製造方法。
  9. 【請求項9】ラテックス側圧力PLと透析液側圧力PWとの
    圧力差ΔP=PW−PLを0≦ΔP≦10kg/cm2とすることを
    特徴とする、請求項8に記載の塩化ビニリデン系ラテッ
    クス(但し、ハロゲン化銀写真感光材料用は除く。)の
    製造方法。
  10. 【請求項10】人工腎臓用中空糸膜モジュールを用いた
    透析処理において、人工腎臓中空糸膜モジュールの中空
    糸膜内側に透析液、中空糸膜外側にラテックスを通すこ
    とを特徴とする請求項7記載の塩化ビニリデン系ラテッ
    クス(但し、ハロゲン化銀写真感光材料用は除く。)の
    製造方法。
  11. 【請求項11】人工腎臓中空糸膜モジュールを用いた透
    析処理において、ラテックスと透析液との液流方向を並
    流とすることを特徴とする、請求項7記載の塩化ビニリ
    デン系ラテックス(但し、ハロゲン化銀写真感光材料用
    は除く。)の製造方法。
  12. 【請求項12】人工腎臓中空糸膜モジュールを用いた透
    析処理において、透析膜面に対するラテックスの線速を
    0.1〜500cm/秒とすることを特徴とする、請求項7記載
    の塩化ビニリデン系ラテックス(但し、ハロゲン化銀写
    真感光材料用は除く。)の製造方法。
  13. 【請求項13】中空糸膜モジュールを用いた透析処理に
    おいて、ラテックス側圧力PLと透析液側圧力PWをPL≦PW
    に保つこと、中空糸膜内側に透析液を通液し、中空糸膜
    外側にラテックスを通液すること、ラテックスと透析液
    との液流方向を並流とすること、透析膜面に対するラテ
    ックスの線速を0.1〜500cm/秒とすること、を特徴とす
    る請求項7記載の塩化ビニリデン系ラテックス(但し、
    ハロゲン化銀写真感光材料用は除く。)の製造方法。
  14. 【請求項14】純水で測定した中空糸膜の透水率が0.1
    〜500ml/mmHg・Hr・m2である請求項6記載の塩化ビニリ
    デン系ラテックス(但し、ハロゲン化銀写真感光材料用
    は除く。)の製造方法。
  15. 【請求項15】中空糸膜の素材がセルロースであること
    を特徴とする請求項14に記載の塩化ビニリデン系ラテッ
    クス(但し、ハロゲン化銀写真感光材料用は除く。)の
    製造方法。
  16. 【請求項16】中空糸膜が標準タンパク質の分子量値で
    表して500〜100000の間の阻止限界を有する、請求項6
    に記載の塩化ビニリデン系ラテックス(但し、ハロゲン
    化銀写真感光材料用は除く。)の製造方法。
  17. 【請求項17】中空糸膜の透水率が0.1〜500ml/mmHg・H
    r・m2であり、阻止限界が500〜100000の間である中空糸
    膜を用いることを特徴とする請求項7に記載の塩化ビニ
    リデン系ラテックス(但し、ハロゲン化銀写真感光材料
    用は除く。)の製造方法。
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