JP3356554B2 - 多極子レンズ電子光学装置 - Google Patents
多極子レンズ電子光学装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多極子レンズ電子光学
装置に係り、特に複数の静電型多極子レンズによって集
光するとともに、静電型多極子レンズの出口を出た荷電
粒子ビームを減速電界によって減速させて試料台上の試
料へ照射する走査型電子顕微鏡等の多極子レンズ電子光
学装置に関する。
装置に係り、特に複数の静電型多極子レンズによって集
光するとともに、静電型多極子レンズの出口を出た荷電
粒子ビームを減速電界によって減速させて試料台上の試
料へ照射する走査型電子顕微鏡等の多極子レンズ電子光
学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3に従来の走査型電子顕微鏡等の多極
子レンズ電子光学装置の概略構成の一例を示す。電子銃
1から放出された電子ビーム9は3個の静電型多極子レ
ンズ11、13、15から構成される静電型三重四極子
電極10によって集光され、試料台17上の試料へ照射
される。静電型多極子レンズ11、13、15は、それ
ぞれ電源12、14、16によって電圧が印加される。
静電型多極子レンズ11、13、15は略同一の構成を
有し、それぞれ互いに90度の角度をおいた4個の円柱
状の構成電極から構成された四極子レンズである。
子レンズ電子光学装置の概略構成の一例を示す。電子銃
1から放出された電子ビーム9は3個の静電型多極子レ
ンズ11、13、15から構成される静電型三重四極子
電極10によって集光され、試料台17上の試料へ照射
される。静電型多極子レンズ11、13、15は、それ
ぞれ電源12、14、16によって電圧が印加される。
静電型多極子レンズ11、13、15は略同一の構成を
有し、それぞれ互いに90度の角度をおいた4個の円柱
状の構成電極から構成された四極子レンズである。
【0003】図3(b)に、例として静電型多極子レン
ズ15の構成を示す。構成電極15aと構成電極15c
とが対向配置され、これらの電極の間に電源16aによ
って電圧が印加されている。同様に、構成電極15bと
構成電極15dとが対向配置され、これらの電極の間に
は電源16aとは極性が逆で等しい大きさの電圧を電源
16bによって印加されている。通常、電子銃1から放
出された電子ビーム9は、レンズ収差を小さくするため
に静電型三重四極子電極10によって高加速度で加速さ
れる。
ズ15の構成を示す。構成電極15aと構成電極15c
とが対向配置され、これらの電極の間に電源16aによ
って電圧が印加されている。同様に、構成電極15bと
構成電極15dとが対向配置され、これらの電極の間に
は電源16aとは極性が逆で等しい大きさの電圧を電源
16bによって印加されている。通常、電子銃1から放
出された電子ビーム9は、レンズ収差を小さくするため
に静電型三重四極子電極10によって高加速度で加速さ
れる。
【0004】また、試料台17には電源18によって負
の減速電圧が印加されており、静電型多極子レンズ15
と試料との間に減圧電界が発生しており、この減速電界
によって静電型多極子レンズ15の出口19を出た電子
ビームが減速される。静電型三重四極子電極10によっ
て高加速度した後、出口19を出た電子ビームを減速す
るのは次の理由からである。電子ビームが高加速度で試
料台17の試料に照射されると、試料が導体でないとき
は特に電荷が蓄積されて、いわゆるチャージアップが生
じ、この結果デバイス等の試料が破壊されることがあ
る。このようなチャージアップを防止する必要があるか
らである。
の減速電圧が印加されており、静電型多極子レンズ15
と試料との間に減圧電界が発生しており、この減速電界
によって静電型多極子レンズ15の出口19を出た電子
ビームが減速される。静電型三重四極子電極10によっ
て高加速度した後、出口19を出た電子ビームを減速す
るのは次の理由からである。電子ビームが高加速度で試
料台17の試料に照射されると、試料が導体でないとき
は特に電荷が蓄積されて、いわゆるチャージアップが生
じ、この結果デバイス等の試料が破壊されることがあ
る。このようなチャージアップを防止する必要があるか
らである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図4は、静電型多極子
レンズ15の出口19近傍から試料台17との間の光軸
上の電界分布を示す。横軸はz軸、縦軸は電位を任意単
位で示す。
レンズ15の出口19近傍から試料台17との間の光軸
上の電界分布を示す。横軸はz軸、縦軸は電位を任意単
位で示す。
【0006】D(z)は、四極子レンズである静電型多
極子レンズ15の位置に対応して四極子レンズ成分D
(z)が発生し、また静電型多極子レンズ15の端部2
0と試料台17との間に減速電界ФR (z)が発生して
いる。これらの二つの成分D(z)、ФR (z)の他
に、高次成分である八極子レンズ成分D1 (z)が静電
型多極子レンズ15の端部20の近傍に発生しフリンジ
電界を形成している。通常、試料台17へ印加される電
圧は−1kV以上であるため、八極子レンズ成分D
1 (z)の値は非常に大きい。
極子レンズ15の位置に対応して四極子レンズ成分D
(z)が発生し、また静電型多極子レンズ15の端部2
0と試料台17との間に減速電界ФR (z)が発生して
いる。これらの二つの成分D(z)、ФR (z)の他
に、高次成分である八極子レンズ成分D1 (z)が静電
型多極子レンズ15の端部20の近傍に発生しフリンジ
電界を形成している。通常、試料台17へ印加される電
圧は−1kV以上であるため、八極子レンズ成分D
1 (z)の値は非常に大きい。
【0007】この八極子レンズ成分D1 (z)によるフ
リンジ電界は、四極子レンズである静電型多極子レンズ
15の収差特性に影響を与える。また八極子レンズ成分
D1(z)の値は試料台17の印加電圧である減速電位
Vs の値によって変動する。
リンジ電界は、四極子レンズである静電型多極子レンズ
15の収差特性に影響を与える。また八極子レンズ成分
D1(z)の値は試料台17の印加電圧である減速電位
Vs の値によって変動する。
【0008】このように試料台17に印加される減速電
界ФR (z)と静電型多極子レンズ15等の四極子レン
ズ成分D(z)とを組み合わされた電子光学系において
は、八極子レンズ成分D1 (z)によるフリンジ電界の
存在は、静電型多極子レンズ15等にレンズ収差が生
じ、電子ビームを微小に集光できないという問題点があ
った。
界ФR (z)と静電型多極子レンズ15等の四極子レン
ズ成分D(z)とを組み合わされた電子光学系において
は、八極子レンズ成分D1 (z)によるフリンジ電界の
存在は、静電型多極子レンズ15等にレンズ収差が生
じ、電子ビームを微小に集光できないという問題点があ
った。
【0009】なお、フリンジ電界がレンズ収差を生じさ
せることについて四極子レンズの場合について述べた
が、静電型多極子レンズが四極子レンズではなく一般の
多極子レンズである場合にも同様に、フリンジ電界がレ
ンズ収差を生じ電子ビームを微小に集光できないという
問題点があった。
せることについて四極子レンズの場合について述べた
が、静電型多極子レンズが四極子レンズではなく一般の
多極子レンズである場合にも同様に、フリンジ電界がレ
ンズ収差を生じ電子ビームを微小に集光できないという
問題点があった。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の
有する問題を解消し、フリンジ電界によるレンズ収差を
縮減した多極子レンズ電子光学装置を提供することであ
る。
有する問題を解消し、フリンジ電界によるレンズ収差を
縮減した多極子レンズ電子光学装置を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による多極子レンズ電子光学装置は、荷電粒
子銃から放出された荷電粒子ビームを複数の静電型多極
子レンズによって集光するとともに、前記静電型多極子
レンズの出口を出た荷電粒子ビームを試料台に印加する
減速電界によって減速させて試料台上の試料へ照射する
多極子レンズ電子光学装置において、前記静電型多極子
レンズの出口と前記試料台との間に、前記減速電圧を試
料台に印加することによって前記静電型多極子レンズの
出口と試料台との間で生じるフリンジ電界を調整するた
めに、荷電粒子ビームが通過する開口が形成され所定の
調整電圧が印加される電位分布調整電極を設けたことを
特徴とする。
に、本発明による多極子レンズ電子光学装置は、荷電粒
子銃から放出された荷電粒子ビームを複数の静電型多極
子レンズによって集光するとともに、前記静電型多極子
レンズの出口を出た荷電粒子ビームを試料台に印加する
減速電界によって減速させて試料台上の試料へ照射する
多極子レンズ電子光学装置において、前記静電型多極子
レンズの出口と前記試料台との間に、前記減速電圧を試
料台に印加することによって前記静電型多極子レンズの
出口と試料台との間で生じるフリンジ電界を調整するた
めに、荷電粒子ビームが通過する開口が形成され所定の
調整電圧が印加される電位分布調整電極を設けたことを
特徴とする。
【0012】また、前記電位分布調整電極は、回転対称
の形状を有し前記静電型多極子レンズの光軸に対して回
転対称に配設されていることを特徴とする。
の形状を有し前記静電型多極子レンズの光軸に対して回
転対称に配設されていることを特徴とする。
【0013】また、前記電位分布調整電極は、前記開口
が中心部に形成されたドウーナツ状の円板形状を有し、
前記静電型多極子レンズを構成する構成電極を前記光軸
に沿って前記電位分布調整電極へ射影した断面射影部
が、前記円板形状の内円および外円の円周に接すること
を特徴とする。
が中心部に形成されたドウーナツ状の円板形状を有し、
前記静電型多極子レンズを構成する構成電極を前記光軸
に沿って前記電位分布調整電極へ射影した断面射影部
が、前記円板形状の内円および外円の円周に接すること
を特徴とする。
【0014】
【作用】静電型多極子レンズの出口と試料台との間に電
位分布調整電極を設けたので、電位分布調整電極に所定
の電圧を印加することによって、試料台に印加される減
速電界ФR (z)と静電型多極子レンズの四極子レンズ
成分D(z)等の多極子レンズ成分とを組み合わされた
電子光学系において、静電型多極子レンズの出口近傍に
発生する八極子レンズ成分等によるフリンジ電界を縮減
してこのフリンジ電界によるレンズ収差を縮小させる。
位分布調整電極を設けたので、電位分布調整電極に所定
の電圧を印加することによって、試料台に印加される減
速電界ФR (z)と静電型多極子レンズの四極子レンズ
成分D(z)等の多極子レンズ成分とを組み合わされた
電子光学系において、静電型多極子レンズの出口近傍に
発生する八極子レンズ成分等によるフリンジ電界を縮減
してこのフリンジ電界によるレンズ収差を縮小させる。
【0015】
【実施例】本発明による静電型多極子レンズの実施例を
図面参照をして説明する。図1に本実施例の多極子レン
ズ電子光学装置の概略構成を示す。電子銃1は、偏平な
直方体形状であり先端の電子放出面が4個の矩形面に分
割されたLaB6 からなる陰極2と、ウェーネルト電極
3と、接地された陽極4とから構成されている。陰極2
は電源5を介して加熱され、ウェーネルト電極3は電源
6によって負電圧が印加され電子ビームの発散を抑制す
るようにしている。陰極2およびウェーネルト電極3は
電源7によって印加される負電圧によって電子ビームの
加速電圧を制御している。
図面参照をして説明する。図1に本実施例の多極子レン
ズ電子光学装置の概略構成を示す。電子銃1は、偏平な
直方体形状であり先端の電子放出面が4個の矩形面に分
割されたLaB6 からなる陰極2と、ウェーネルト電極
3と、接地された陽極4とから構成されている。陰極2
は電源5を介して加熱され、ウェーネルト電極3は電源
6によって負電圧が印加され電子ビームの発散を抑制す
るようにしている。陰極2およびウェーネルト電極3は
電源7によって印加される負電圧によって電子ビームの
加速電圧を制御している。
【0016】電子銃1から放出された電子ビーム9は3
個の静電型多極子レンズ11、13、15から構成され
る静電型三重四極子電極10によって集光され、試料台
17上の試料へ照射される。静電型多極子レンズ11、
13、15は、それぞれ電源12、14、16によって
電圧が印加される。
個の静電型多極子レンズ11、13、15から構成され
る静電型三重四極子電極10によって集光され、試料台
17上の試料へ照射される。静電型多極子レンズ11、
13、15は、それぞれ電源12、14、16によって
電圧が印加される。
【0017】静電型多極子レンズ11、13、15は略
同一の構成を有し、各静電型多極子レンズは互いに90
度の角度をおいて配設された4個の円柱状の構成電極を
有し、四極子レンズを構成している。
同一の構成を有し、各静電型多極子レンズは互いに90
度の角度をおいて配設された4個の円柱状の構成電極を
有し、四極子レンズを構成している。
【0018】試料台17に最も近い静電型多極子レンズ
15の出口19と試料台17との間に、ドウーナツ状の
円板形状の電位分布調整電極30が配設されている。電
位分布調整電極30の中央部には電子ビームが通過する
円形の開口30aが形成されている。電位分布調整電極
30は静電型多極子レンズ11、13、15の光軸に対
して回転対称に配設されている。また、図1(b)に示
すように、静電型多極子レンズ15を構成する構成電極
15a,15b,15c,15dを光軸に沿って電位分
布調整電極30の面上へ射影した場合の断面射影部は、
電位分布調整電極30の内円30bおよび外円30cの
円周に接するような位置にあり、四極子レンズである静
電型多極子レンズ15等のボア径は内円30bの径に等
しいようになっている。
15の出口19と試料台17との間に、ドウーナツ状の
円板形状の電位分布調整電極30が配設されている。電
位分布調整電極30の中央部には電子ビームが通過する
円形の開口30aが形成されている。電位分布調整電極
30は静電型多極子レンズ11、13、15の光軸に対
して回転対称に配設されている。また、図1(b)に示
すように、静電型多極子レンズ15を構成する構成電極
15a,15b,15c,15dを光軸に沿って電位分
布調整電極30の面上へ射影した場合の断面射影部は、
電位分布調整電極30の内円30bおよび外円30cの
円周に接するような位置にあり、四極子レンズである静
電型多極子レンズ15等のボア径は内円30bの径に等
しいようになっている。
【0019】電位分布調整電極30には電源31によっ
て電圧VA が印加されるようになっており、電源31は
電圧VA を減速電圧Vs や静電型多極子レンズ15に印
加される電圧とは独立に制御できる。電圧VA の制御
は、以下に述べるように、静電型多極子レンズ15の端
部20近傍の八極子レンズ成分D1 (z)によるフリン
ジ電界を減少させ、このフリンジ電界によるレンズ収差
をできるだけ小さくなるように制御される。
て電圧VA が印加されるようになっており、電源31は
電圧VA を減速電圧Vs や静電型多極子レンズ15に印
加される電圧とは独立に制御できる。電圧VA の制御
は、以下に述べるように、静電型多極子レンズ15の端
部20近傍の八極子レンズ成分D1 (z)によるフリン
ジ電界を減少させ、このフリンジ電界によるレンズ収差
をできるだけ小さくなるように制御される。
【0020】図2は、静電型多極子レンズ15の出口1
9近傍と試料台17との間の光軸上の電界分布を示す。
横軸はz軸、縦軸は電位を任意単位で示す。
9近傍と試料台17との間の光軸上の電界分布を示す。
横軸はz軸、縦軸は電位を任意単位で示す。
【0021】四極子レンズである静電型多極子レンズ1
5等のボア内には四極子レンズ成分D(z)が発生して
おり、静電型多極子レンズ15の端部20と試料台17
との間には減速電界ФR (z)が発生している。また、
静電型多極子レンズ15の端部20の近傍には高次成分
である八極子レンズ成分D1 (z)が発生しフリンジ電
界を形成している。
5等のボア内には四極子レンズ成分D(z)が発生して
おり、静電型多極子レンズ15の端部20と試料台17
との間には減速電界ФR (z)が発生している。また、
静電型多極子レンズ15の端部20の近傍には高次成分
である八極子レンズ成分D1 (z)が発生しフリンジ電
界を形成している。
【0022】さらに、端部20と試料台17との間には
電位分布調整電極30に印加された調整電圧によって、
回転対称な強度分布を有する調整電界ФA (z)が発生
している。
電位分布調整電極30に印加された調整電圧によって、
回転対称な強度分布を有する調整電界ФA (z)が発生
している。
【0023】図2において、図4と比較するとわかるよ
うに電位分布調整電極30が配設されていない場合に比
べて減速電界ФR (z)は試料台17側へシフトしてい
る。また、調整電界ФA (z)の存在によって、静電型
多極子レンズ15の端部20近傍の八極子レンズ成分D
1 (z)によるフリンジ電界は大幅に減少していること
がわかる。
うに電位分布調整電極30が配設されていない場合に比
べて減速電界ФR (z)は試料台17側へシフトしてい
る。また、調整電界ФA (z)の存在によって、静電型
多極子レンズ15の端部20近傍の八極子レンズ成分D
1 (z)によるフリンジ電界は大幅に減少していること
がわかる。
【0024】以上説明したように、本実施例の構成によ
れば、静電型多極子レンズ15の出口19と試料台17
との間に電位分布調整電極30を設けたので、減速電界
ФR(z)を試料台17側へシフトさせるとともに、八
極子レンズ成分D1 (z)によるフリンジ電界を大幅に
減少させることができる。この結果、試料台17に印加
される減速電界ФR (z)と静電型多極子レンズの四極
子レンズ成分D(z)とを組み合わされた電子光学系に
おいて、フリンジ電界によるレンズ収差を縮小させるこ
とができる。
れば、静電型多極子レンズ15の出口19と試料台17
との間に電位分布調整電極30を設けたので、減速電界
ФR(z)を試料台17側へシフトさせるとともに、八
極子レンズ成分D1 (z)によるフリンジ電界を大幅に
減少させることができる。この結果、試料台17に印加
される減速電界ФR (z)と静電型多極子レンズの四極
子レンズ成分D(z)とを組み合わされた電子光学系に
おいて、フリンジ電界によるレンズ収差を縮小させるこ
とができる。
【0025】また、電位分布調整電極30は、回転対称
の形状を有し静電型多極子レンズの光軸に対して回転対
称に配設されているので、調整電界ФA (z)を回転対
称な強度分布を有するように形成することができる。こ
の結果、レンズ収差に影響を与え易い出口19と試料台
17との間の電界分布を非回転対称的に乱すことを防止
することができる。
の形状を有し静電型多極子レンズの光軸に対して回転対
称に配設されているので、調整電界ФA (z)を回転対
称な強度分布を有するように形成することができる。こ
の結果、レンズ収差に影響を与え易い出口19と試料台
17との間の電界分布を非回転対称的に乱すことを防止
することができる。
【0026】また、電位分布調整電極30では静電型多
極子レンズ15等のボア径が内円30bの径に等しいよ
うに開口30aが形成されているので、八極子レンズ成
分D1 (z)によるフリンジ電界を効率的に減少させる
ことができる電位分布調整電極30をコンパクトに形成
することができる。
極子レンズ15等のボア径が内円30bの径に等しいよ
うに開口30aが形成されているので、八極子レンズ成
分D1 (z)によるフリンジ電界を効率的に減少させる
ことができる電位分布調整電極30をコンパクトに形成
することができる。
【0027】以上の実施例の説明において、静電型多極
子レンズ11、13、15が四極子レンズとして説明し
てきたが、本発明はこれに限らず、静電型多極子レンズ
11、13、15が四極子レンズ以外の多極子レンズで
ある場合にも適用できる。
子レンズ11、13、15が四極子レンズとして説明し
てきたが、本発明はこれに限らず、静電型多極子レンズ
11、13、15が四極子レンズ以外の多極子レンズで
ある場合にも適用できる。
【0028】また、3個の静電型多極子レンズ11、1
3、15がシリーズに配設場合について説明したが、静
電型多極子レンズの数は3個に限らない。
3、15がシリーズに配設場合について説明したが、静
電型多極子レンズの数は3個に限らない。
【0029】また、荷電粒子銃として電子銃として説明
したが本発明はこれに限らず、イオン銃等の他の荷電粒
子銃であってもよい。
したが本発明はこれに限らず、イオン銃等の他の荷電粒
子銃であってもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によ
れば、静電型多極子レンズの出口と試料台との間に電位
分布調整電極を設けたので、電位分布調整電極に所定の
電圧を印加することによって、試料台に印加される減速
電界ФR (z)と静電型多極子レンズの四極子レンズ成
分D(z)等の多極子レンズ成分とを組み合わされた電
子光学系において、静電型多極子レンズの出口近傍に発
生する八極子レンズ成分等によるフリンジ電界を縮減し
てこのフリンジ電界によるレンズ収差を縮小させること
ができる。
れば、静電型多極子レンズの出口と試料台との間に電位
分布調整電極を設けたので、電位分布調整電極に所定の
電圧を印加することによって、試料台に印加される減速
電界ФR (z)と静電型多極子レンズの四極子レンズ成
分D(z)等の多極子レンズ成分とを組み合わされた電
子光学系において、静電型多極子レンズの出口近傍に発
生する八極子レンズ成分等によるフリンジ電界を縮減し
てこのフリンジ電界によるレンズ収差を縮小させること
ができる。
【図1】本発明による多極子レンズ電子光学装置の一実
施例の概略構成を示す断面図(a)とA−Aから見た断
面図(b)。
施例の概略構成を示す断面図(a)とA−Aから見た断
面図(b)。
【図2】本発明の多極子レンズ電子光学装置において静
電型多極子レンズの出口近傍と試料台との間の光軸上の
電界分布を示す図。
電型多極子レンズの出口近傍と試料台との間の光軸上の
電界分布を示す図。
【図3】従来の多極子レンズ電子光学装置の概略構成を
示す断面図(a)とA−Aから見た断面図(b)。
示す断面図(a)とA−Aから見た断面図(b)。
【図4】従来の多極子レンズ電子光学装置において静電
型多極子レンズの出口近傍と試料台との間の光軸上の電
界分布を示す図。
型多極子レンズの出口近傍と試料台との間の光軸上の電
界分布を示す図。
1 電子銃 9 電子ビーム 10 静電型三重四極子電極 11 静電型多極子レンズ 12 静電型多極子レンズ 15 静電型多極子レンズ 15a、15b,15c,15d 構成電極 17 試料台 19 静電型多極子レンズの出口 30 電位分布調整電極 30a 開口 30b 内円 30c 外円
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/00 - 37/153 H01J 37/252 - 37/295
Claims (3)
- 【請求項1】荷電粒子銃から放出された荷電粒子ビーム
を複数の静電型多極子レンズによって集光するととも
に、前記静電型多極子レンズの出口を出た荷電粒子ビー
ムを試料台に印加する減速電界によって減速させて試料
台上の試料へ照射する多極子レンズ電子光学装置におい
て、 前記静電型多極子レンズの出口と前記試料台との間に、
前記減速電圧を試料台に印加することによって前記静電
型多極子レンズの出口と試料台との間で生じるフリンジ
電界を調整するために、荷電粒子ビームが通過する開口
が形成され所定の調整電圧が印加される電位分布調整電
極を設けたことを特徴とする多極子レンズ電子光学装
置。 - 【請求項2】前記電位分布調整電極は、回転対称の形状
を有し前記静電型多極子レンズの光軸に対して回転対称
に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の多
極子レンズ電子光学装置。 - 【請求項3】前記電位分布調整電極は、前記開口が中心
部に形成されたドウーナツ状の円板形状を有し、前記静
電型多極子レンズを構成する構成電極を前記光軸に沿っ
て前記電位分布調整電極へ射影した断面射影部が、前記
円板形状の内円および外円の円周に接することを特徴と
する請求項2に記載の多極子レンズ電子光学装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17526694A JP3356554B2 (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 多極子レンズ電子光学装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17526694A JP3356554B2 (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 多極子レンズ電子光学装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0845461A JPH0845461A (ja) | 1996-02-16 |
JP3356554B2 true JP3356554B2 (ja) | 2002-12-16 |
Family
ID=15993151
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17526694A Expired - Fee Related JP3356554B2 (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 多極子レンズ電子光学装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3356554B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002184336A (ja) * | 2000-12-12 | 2002-06-28 | Hitachi Ltd | 荷電粒子線顕微鏡装置、荷電粒子線応用装置、荷電粒子線顕微方法、荷電粒子線検査方法、及び電子顕微鏡装置 |
-
1994
- 1994-07-27 JP JP17526694A patent/JP3356554B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0845461A (ja) | 1996-02-16 |
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