JP3355952B2 - ネットワーク監視システム - Google Patents

ネットワーク監視システム

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JP3355952B2
JP3355952B2 JP22723696A JP22723696A JP3355952B2 JP 3355952 B2 JP3355952 B2 JP 3355952B2 JP 22723696 A JP22723696 A JP 22723696A JP 22723696 A JP22723696 A JP 22723696A JP 3355952 B2 JP3355952 B2 JP 3355952B2
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宣幸 高尾
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワーク監視
システム、特に複数の通信局によって構成されたネット
ワークの監視を行うネットワーク監視システムの改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】工場の生産ライン等において、複数の機
器間のスムーズな制御を行うために相互で各種信号の送
受信を行っている。この時、各機器間でリアルタイム性
の高い信号の送受が必要な設備システムでは、トークン
を用いたネットワークが構築されている。ここで各機器
とは、ロボットコントローラやプログラマブルコントロ
ーラ、画像処理装置、表示器、産業用コンピュータ、操
作パネル等であり、それぞれが通信ケーブルで接続され
ている。このとき各機器は、「通信局」と呼ばれ、通信
局間の信号の送受を整理するために前記トークンが用い
られ、このトークンが所定の順序で各通信局間を回るよ
うに通過する。このトークンの送受のために、全局が
「自局」と「後続局」の関係で関連つけられている。
【0003】自局がデータを送信する場合、トークンが
通過するまで待機し、自局にトークンが来た時、自局に
送信すべきデータがあればまずデータを送信し、データ
送信終了後にトークンを後続局へわたす。言い換えれ
ば、自局でデータ出力が終了すると、自局から後続局に
トークンが送信され、後続局はこれに対して送信するデ
ータがあればデータを送信し、データがない場合は後後
続局にトークンを渡す。自局は、この動作が正常に行わ
れるか否かを監視する。これが順調に行われるとそれま
での後続局がトークン保持局(自局)になり、前述と同
じ動作が後後続局に対して繰り返される。
【0004】一方、自局が後続局へトークンを送信した
とき、所定期間内に後続局からの正しいデータの返信が
なされないと、自局はリカバリー動作を行う。すなわ
ち、自局から後続局に対してトークンの再送が行われ
る。このトークンの再送は、通信ケーブルにノイズ等が
混入して、後続局に正しいトークンが送られなかった
り、後続局に故障が発生したりしている場合である。ノ
イズ等により一時的に不都合が発生し、トークン再送時
に正常に復帰した場合、後続局が正しいデータの返信や
後後続局へのトークン送信が可能になりトークンの受け
渡しを続行する。
【0005】トークン再送に対してもなお後続局が返信
しない場合、後続局に対する送信が不能になったと判断
し、この後続局をネットワークから離脱させ、後後続局
を新たな後続局としてトークンの連鎖関係を修正し、新
たなネットワークを形成する。
【0006】上述したようなトークンを用いたネットワ
ークにおいて、通信ケーブル等の接触不良(一時的な断
線や信号の減衰、反射等信号の通信異常状態や通信局の
異常)が周期的又は繰り返し発生すると、一カ所の異常
がネットワーク全体を長時間停止させる原因になりう
る。すなわち、任意の通信局の離脱と復帰が繰り返さ
れ、ネットワークの維持が困難になる。従って、システ
ム構築時には、工事施工品質を確認することが求められ
ると共に、ネットワーク動作時の通信異常発生時に速や
かに異常箇所の特定を行うことが求められる。
【0007】このような異常発生箇所を特定するための
技術が、特開平6−14023号公報に開示されてい
る。この技術によれば、トークン再送回数や通信参加フ
ラグの反転タイミングを局毎に集計して、異常発生箇所
の特定を容易にすることができる。
【0008】また、ネットワークにおけるノイズの混入
や信号の減衰を特定する手段として、オシロスコープや
ケーブルテスタ等を用いて通信ケーブル内部のインピー
ダンス特性の変化等を測定して、異常発生箇所を推定す
ることが一般的に行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の特定方
法では、特定周期での接触不良(信号の通信異常状態)
の検出が困難になることがある。すなわち、各通信局が
接続されている幹線が一定時間以上の長い周期で接触不
良を起こすと異常発生箇所の両側でそれぞれ新規にトー
クンを生成してしまう。このトークンが接触不良回復後
通信ケーブル内で衝突したとき、どちらのトークンリン
グを中断するかは一意ではない。従って、複数のトーク
ンが発生した場合に、再送トークン等の集計したデータ
の傾向が安定せず、異常発生箇所の特定が困難になると
いう問題がある。
【0010】また、オシロスコープによる信号の減衰や
ノイズレベル測定は、完全な断線を発見するには有効で
あるが、設備の振動等で接触不良が発生している場合に
は、信号レベルの変化が小さく測定が困難であると共
に、測定したデータがどの通信局からのものかを正確に
特定することはできない。従って、多数のポイントで測
定する必要があり、大規模なネットワークでは異常発生
箇所特定に多大な時間を必要とするという問題がある。
【0011】さらに、ケーブルテスタ等の機器を用いた
断線測定方法は、一般に測定精度が高くない(位置測定
精度が悪く、機器によるインピーダンス特性の変化と接
触不良によるものを簡単に識別できない)ことと、機器
の電源を切らないと測定ができないため、設備の振動等
によって接触不良が発生している場合には、不良状態が
再現しないため設備稼働中の接触不良や通信の安定度の
監視や測定ができないという問題がある。
【0012】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、様々な原因により発生する通信異常に対して、設備
稼働状態でも接触不良や通信の安定度を常時監視できる
と共に、接触不良等の不具合箇所を容易に推定すること
のできるネットワーク監視システムを提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明の構成は、複数の通信局によって構
成されたネットワークの稼働状態を監視するネットワー
ク監視システムにおいて、前記ネットワークは、現在通
信に参加している通信参加局を認識する認識手段と、認
識した通信参加局に基づく通信参加局リストを通信局毎
に作成するリスト作成手段と、各通信局において作成さ
れた通信参加局リストのうち複数の通信参加局リストを
選択し相互に比較することによりネットワークの稼働状
態を監視する監視手段と、を有することを特徴とする。
【0014】この構成によれば、通信局間での通信の参
加、不参加を容易に認識することが可能になり、通信局
間の信号の到達状態の把握が容易になる。また、作成さ
れる通信参加局リストを比較することによって、接触不
良発生箇所(一時的な断線や信号の減衰、反射等信号の
通信異常状態)の特定が容易になる。また、通信参加、
不参加に基づいて推定するので設備稼働状態でも接触不
良を常時監視することができる。
【0015】上記のような目的を達成するために、本発
明の構成は、上記構成の監視システムにおいて、前記監
視手段はネットワークを代表する監視部であって、前記
監視部は、現在通信に参加している通信参加局を認識す
る監視側認識手段と、認識した通信参加局に基づく通信
参加局リストを作成する監視側リスト作成手段と、を含
み、監視部が作成した通信参加リストと各通信局が作
成した通信参加リストとの比較結果に基づいてネット
ワークの稼働状態を監視することを特徴とする。
【0016】ここで、監視部は、任意の通信局が有して
もよいし、通信局とは独立して構成されてもよい。
【0017】この構成によれば、監視部で基準になる通
信参加リストを作成し、このリストと各通信局が作成し
た通信参加局リストとを比較し、基準位置からの信号の
不到達状態が明確になるので接触不良発生箇所特定をさ
らに迅速かつ正確に行うことができる。
【0018】上記のような目的を達成するために、本発
明の構成は、複数の通信局によって構成されたネットワ
ークの稼働状態を監視するネットワーク監視システムに
おいて、前記ネットワークは、該ネットワーク中を流れ
るトークンを現在保持する通信局を検知する保持局検知
手段と、保持局の遷移状態を記憶する記憶手段と、前記
遷移状態に基づいて、遷移の中に認識されるイレギュラ
ーなトークンまたはデータフレームと、その送信局とを
認識しネットワークの稼働状態を監視する監視手段と、
を有することを特徴とする。
【0019】この構成によれば、特定のトークン保持局
が形成する遷移状態に、稀に今までトークンの遷移に参
加していなかった特定の通信局が割り込み異なる遷移状
態を形成することを容易に認識することが可能になり、
どの通信局が原因で接触不良が発生しているかを容易に
認識することができる。また、トークンの遷移状態に基
づいて推定するので設備稼働状態でも接触不良を常時監
視することができる。
【0020】上記のような目的を達成するために、本発
明の構成は、複数の通信局によって構成されたネットワ
ークの稼働状態を監視するネットワーク監視システムに
おいて、前記ネットワークは、該ネットワーク中を流れ
るデータフレームを検知するフレーム検知手段と、検知
したデータフレームにシュートフレームまたはデータ化
けフレームが存在するか否かを解析するフレーム解析手
段と、データフレームの解析結果に基づいてネットワー
クの稼働状態を監視する監視手段と、を有することを特
徴とする。
【0021】この構成によれば、解析手段はデータ化け
やショートフレームデータ等の解析を行うので、どの通
信局間でデータの不都合生じているかを容易に認識す
ることが可能になり、この発生原因の接触不良箇所の推
定を容易に行うことができる。また、通信されるデータ
フレームに基づいて推定するので設備稼働状態でも接触
不良を常時監視することができる。
【0022】上記のような目的を達成するために、本発
明の構成は、複数の通信局によって構成されたネットワ
ークの稼働状態を監視するネットワーク監視システムに
おいて、前記ネットワークは、受信したデータフレーム
ノイズ影響状態を判定する状態判定手段と、判定した
フレームのノイズ影響状態を通信局毎に記憶する状態記
憶手段と、各通信局において記憶されたフレームのノイ
ズ影響状態に基づいてネットワークの稼働状態を監視す
る監視手段と、を有することを特徴とする。
【0023】この構成によれば、ノイズの影響を受けた
異常なデータフレームを受信した通信局を認識すると共
に、そのデータを送信した通信局も認識することができ
るので、接触不良箇所の特定を容易に行うことができ
る。また、通信されるデータフレームに基づいて推定す
るので設備稼働状態でも接触不良を常時監視することが
できる。
【0024】上記のような目的を達成するために、本発
明の構成は、複数の通信局によって構成されたネットワ
ークの稼働状態を監視するネットワーク監視システムに
おいて、前記ネットワークは、トークン要求フレームを
送信する通信局を検知する局検知手段と、各通信局のト
ークン要求フレームに対する応答状態を検知する応答検
知手段と、局検知手段と応答検知手段の検知結果に基づ
いてネットワークの稼働状態を監視する監視手段と、を
有することを特徴とする。
【0025】この構成によれば、トークン要求フレーム
(クレームトークン)を送信している通信局と、各通信
局のトークン要求フレームに対する応答状態とを比較す
ることによって、接触不良箇所の特定を容易に行うこと
ができる。特に、通信局の受信状態が良好に行われてい
るかを容易に認識することができる。また、通信される
トークン要求フレームとその応答に基づいて推定するの
で設備稼働状態でも接触不良を常時監視することができ
る。
【0026】上記のような目的を達成するために、本発
明の構成は、複数の通信局によって構成されたネットワ
ークの稼働状態を監視するネットワーク監視システムに
おいて、前記ネットワークは、各通信局毎の送信回数を
入手する手段と、各通信局毎の受信回数を入手する手段
と、前記送信回数と受信回数との比較結果に基づいてネ
ットワークの稼働状態を監視する監視手段と、を有する
ことを特徴とする。
【0027】この構成によれば、各通信局の送信回数と
受信回数との比較によりネットワークの安定状態を容易
に認識できると共に、送受信回数の違いにより接触不良
箇所の特定を容易に行うことができる。また、データの
送受信回数に基づいて推定するので設備稼働状態でも接
触不良を常時監視することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面に基づき説明する。なお、以下に説明する実施形態
において、単に接触不良という場合、一時的な断線や信
号の減衰、反射、機器の異常等による信号の通信異常状
態を含むものとする。
【0029】第1実施形態.図1は、第1実施形態のネ
ットワーク監視システムの構成概念図である。本実施形
態では、ロボットコントローラやプログラマブルコント
ローラ、画像処理装置、表示器、産業用コンピュータ、
操作パネル等の機器が、通信ケーブルで接続され、ネッ
トワークを形成すると共に、各機器がそれぞれ通信局を
形成している。本実施形態の場合、6局からなるネット
ワークを例にとっているが、通信局の数は任意である。
また、この時通信局間の信号の送受を整理するためにト
ークンが用いられ、このトークンが第0局から第5局ま
でを繰り返し巡回する。これをトークンリング又はトー
クンパッシングと言う。このトークンの送受のために、
全局が「自局」と「後続局」の関係で関連づけられてい
る。
【0030】自局がデータを送信する場合、トークンが
通過するまで待機し、トークンが通過する時に、そのト
ークンと共にデータを目的の通信局(後続局)まで転送
する。言い換えれば、自局でデータ出力が終了すると、
自局から後続局にトークンが送信され、後続局はこれに
対して送信するデータがあればデータを後後続局に送信
し、データがない場合は後後続局にトークンを渡す。自
局は、この動作が正常に行われるか否かを監視する。こ
れが順調に行われるとそれまでの後続局がトークン保持
局(自局)になり、前述と同じ動作が後後続局に対して
繰り返される。
【0031】本第1実施形態では、通信波形の減衰によ
る通信異常の認識及び異常箇所の特定を容易に行うネッ
トワーク監視システムを説明する。例えば、ネットワー
クの幹線途中に設定された終端抵抗や接触不良等によっ
て、抵抗部分ができたり、各通信局の受信部の入力イン
ピーダンスが不整合であったりする場合に、ネットワー
ク中を伝達する信号波が急速に減衰する場合がある。こ
の結果、信号波形が受信可能レベルよりも減衰し正常な
通信が行えない。この様な場合、信号減衰が最も起こり
易いのは、通信距離が最も長い通信局間における通信、
例えば、図1において、右端局(第5局)から左端局
(第1局)に信号波形を送信するときである。
【0032】本実施形態では、ネットワークの物理的中
間位置に存在する任意の通信局、例えば第0局を代表局
として、該第0局を基準にネットワークの稼働状態を監
視する例を説明する。
【0033】本実施形態の特徴的事項は、ネットワーク
の任意の通信局(例えば、第0局10)から物理的に最
も遠い位置にある通信局がネットワークの通信に参加し
ているか否かを検証することによって、通信異常の認識
及び異常箇所の特定を行うところである。一般に、通信
局(自局)は、所定の後続局にトークンを渡すと共に、
他の通信局がトークンの受け渡しを行っているか否かの
監視、つまり、通信の参加・不参加の監視を行ってい
る。この参加・不参加状況を利用して、通信異常の認識
及び異常箇所の特定を行う。
【0034】図2には、任意の通信局(図1において、
物理的略中間に位置する第0局10)をモニター局とし
た場合の該モニター局の構成ブロック図が示されてい
る。第0局10がネットワーク中の1受信局として機能
する場合、第0局10の受信モデム16は、通信ケーブ
ル18を介して、図1に示される他の通信局からのデー
タを受信する。受信されたデータは、受信データ格納領
域20に一時格納され、サイクリック・リダクタンシ・
チェック(CRC)22によって、受信したデータの内
容チェック(データ化け等の有無)が行われる。そし
て、正常データと判定されたデータのみがCPU24に
転送され、そのデータに基づいて、通信局の制御が行わ
れる。その後、CPU24は、送信データ格納領域26
に保持されている後続局に送信するデータをトークンと
共に送信モデム28、通信ケーブル18を介して後続局
に送信する。また、CPU24は前述したように前記後
続局が正常に動作しているか否かの監視も行う。
【0035】前記CPU24は、前述したように前記受
信モデム16等を介して、他の通信局のトークンの受け
渡し状況の監視を行っている。つまり、CPU24は図
示しない認識手段によって現在通信に参加している通信
参加局を認識すると共に、図示しないリスト作成手段に
よって、図1に示すような通信状態データとしての通信
参加局リスト10aを作成し、図2に示す参加局記録部
30に格納する。
【0036】同様なデータやトークンの受け渡しが各通
信局(第1局11〜第5局15)で行われると共に、第
0局10から最も遠い位置に位置する第1局11と第5
局15では、通信参加局リスト11a,15aが作成さ
れ、各通信局の参加局記録部に保管される。
【0037】以下、図3のフローチャートを加えて、第
0局10が作成した通信参加局リストと他局が作成した
通信参加局リストの比較によるネットワークの監視処理
を説明する。まず、第0局10のCPU24は、送信デ
ータ格納領域26に格納されている通信参加局リスト要
求信号を送信モデム28を介して、両端の通信局(第1
局11と第5局15)に転送する(S100)。この通
信参加局リスト要求信号に対して、両端局からの通信参
加局リストの受信が確認されない場合(S101)、受
信がなかった通信局の次の端局(第0局10に1つ近い
通信局)を端局として、通信参加局リスト要求信号を送
信する(S102)。本実施形態の場合、第1局11か
らの通信参加局リストがない場合、第2局12に対して
通信参加局リスト要求信号を送信する。
【0038】両端局からの通信参加局リストの受信が確
認されると、第0局10のCPU24は、自らが作成し
た通信参加局リスト10aを参加局記録部30から読出
し(S103)、読み出した通信参加局リスト10aと
受信した通信参加局リスト11a,15aとの比較をリ
スト比較部24aで行う(S104)。比較の結果、各
通信参加局リストに相違がない場合、ネットワーク中で
通信不良を起こすような信号減衰が発生していないと判
断して、『異常無し』等のメッセージを図示しない表示
装置等によって行い(S105)、監視処理を終了す
る。
【0039】一方、S104において、通信参加局リス
ト10aと他の通信参加局リスト11a,15aが相違
する場合、通信参加局リストの受信を一定時間以上、ま
たは一定回数以上行ったか否かの判断を行う(S10
6)。これは、通信局毎にトークンの受け渡しサイクル
に時間差等があるため、一定以上のサンプリングを行い
データの信頼性を高めるためであり、S100からの処
理をやり直す。一方、一定時間以上、または一定回数以
上サンプリングを行ったにも関わらず、リストに相違が
ある場合、つまり、第0局10が通信参加局リスト10
aにより、第0局〜第5局まで通信に参加していると認
識しているのに対して、第1局11は通信参加局リスト
11aにより、第5局が通信に不参加であると認識し、
第5局15は通信参加局リスト15aにより、第1局が
通信に不参加であると認識した場合、これらの通信局に
対して信号減衰が発生して良好な通信が行われていない
と判断する。そして、検査結果を『異常有り』として
(S107)、必要に応じて通信局の表示や通信参加局
リストの表示を行い不良箇所等の表示を行う。
【0040】このような不良が発見された場合には、ネ
ットワーク中における通信局の配置の変更や信号増幅器
の配置等の処置が行われる。
【0041】第2実施形態.図4は、第2実施形態のネ
ットワーク監視システムの構成概念図である。本実施形
態は、前述した第1実施形態と同様に、6局からなるネ
ットワークを例にとっているが、通信局の数は任意であ
り、トークンの受け渡しやデータの送信、通信参加局リ
スト作成等も第1実施形態と同じである。
【0042】本第2実施形態では、信号の反射による信
号の不到達による通信異常の認識及び異常箇所の特定を
容易に行うネットワーク監視システムを説明する。例え
ば、各通信局の受信部の入力インピーダンスが不整合で
あったり、通信ケーブルの浮遊容量と受信部の分布容量
のバランスが良くないときには、通信信号の反射が発生
する。この結果、信号波形が受信可能レベルを越えて歪
む時には正常な通信が行えない。この様な場合、信号反
射が最も起こり易いのは、幹線が比較的長いネットワー
クで、各通信局の配置に粗密が在るときである。信号反
射が発生すると特定の通信局間のみで通信ができないこ
とがある。
【0043】本実施形態の特徴的事項は、ネットワーク
の任意の通信局(例えば、第0局10)における通信参
加局リストを基準に他の通信局が有する通信参加局リス
トを比較することによって、通信異常の認識及び異常箇
所の特定を行うところである。
【0044】なお、第0局をモニター局とした場合、第
0局10のブロック構成図は図2と同様であり、データ
やトークンの転送、通信参加局リストの作成等を行う。
また、他局(第1局11〜第5局15)の構成も第1実
施形態で説明したものと同じであり、第1局11〜第5
局15それぞれが、通信参加局リスト11a〜15aを
作成し、各通信局の参加局記録部に保管する。
【0045】以下、図2を利用しつつ、図4と図5のフ
ローチャートを用いて、第0局10が作成した通信参加
局リストと他局が作成した通信参加局リストの比較によ
るネットワークの監視処理を説明する。まず、第0局1
0のCPU24は、送信データ格納領域26に格納され
ている通信参加局リスト要求信号を送信モデム28を介
して、各通信局に転送する(S200)。この通信参加
局リスト要求信号に対して、どの通信局からも通信参加
局リストの受信が確認されない場合(S201)、ネッ
トワークが稼働していないものと判断して、検査結果
『参加局無し』を表示し(S202)、監視処理を終了
する。
【0046】一方、通信参加局リストの受信が確認され
ると、第0局10のCPU24は、自らが作成した通信
参加局リスト10aを参加局記録部30から読出し(S
203)、読み出した通信参加局リスト10aと受信し
た通信参加局リスト、例えば通信参加局リスト11a〜
15aとの比較をリスト比較部24aで行う(S20
4)。比較の結果、各通信参加局リストに相違がない場
合、ネットワーク中で通信不良を起こすような信号反射
が発生していないと判断して、『異常局無し』等のメッ
セージを図示しない表示装置等によって行い(S20
5)、監視処理を終了する。
【0047】また、S204において、通信参加局リス
ト10aと他の通信参加局リスト11a〜15aのいず
れか、または全てと相違する場合、通信参加局リストの
受信を一定時間以上、または一定回数以上行ったか否か
の判断を行う(S206)。これは、通信局毎にトーク
ンの受け渡しサイクルに時間差等があるため、一定以上
のサンプリングを行いデータの信頼性を高めるためであ
り、S200からの処理をやり直す。一方、一定時間以
上、または一定回数以上サンプリングを行ったにも関わ
らず、リストに相違がある場合、つまり、第0局10が
通信参加局リスト10aにより、第0局〜第5局まで通
信に参加していると認識しているのに対して、第1局1
1は通信参加局リスト11aにより、第5局が通信に不
参加であると認識し、第12〜第5局15は通信参
加局リスト12a〜15aにより、第1局のみが通信に
不参加であると認識した場合、ネットワーク内で信号反
射が発生して良好な通信が行われていないと判断する。
そして、検査結果を『異常局有り』として(S20
7)、必要に応じて通信局の表示や通信参加局リストの
表示を行う。信号反射の場合、反射が発生している付近
では通信不具合が起こりづらく、波長のn倍や1/n倍
離れた位置で反射による通信不良が起こり易いので、そ
の旨の表示等を行う。
【0048】なお、上述した第1,第2実施形態では、
任意の通信局をモニター局として、そこのCPUが各通
信参加局リストの比較を行う例を説明したが、通信局と
は別に、単に、各通信局が作成した通信参加局リストを
収集して、比較を行うモニターを設けても同様の処理が
可能で、同様の効果を得ることができる。
【0049】第3実施形態.図6は、第3実施形態のネ
ットワーク監視システムの概念を説明するための説明図
である。本実施形態では、各通信局を接続している幹線
や支線に接触不良が発生した時に、その接触不良箇所を
容易に特定することのできるネットワーク監視システム
を説明する。
【0050】ところで、強いリアルタイム性が要求され
るネットワークにおいては、トークンを通信に参加して
いる機器間で受け渡すことにより各通信局が一定時間内
に通信できることを保証するプロトコル:トークンパッ
シングが用いられている。このトークンパッシングは、
リアルタイム性の保証という点では非常に優れている
が、接触不良が発生したときにそのプロトコルの特徴に
よりネットワークのシステム全体が通信不能になってし
まうことがある。
【0051】まず、プロトコルの特徴によりネットワー
ク全体が通信不能になるメカニズムを説明する。図6に
おいて、例えばA点(支線)で接触不良が発生したとす
ると、第1局11は他局の信号を受信できない。すると
しばらくして第1局11はネットワークにつながってい
ないと判断して定期的にクレームトークン(トークン獲
得要求)を他局に対して送信する。このクレームトーク
ンはA点の接触不良で幹線に到達しなければ、ネットワ
ークのシステム全体を停止させることにはならないが、
何等かの原因により前記接触不良が改善されると、クレ
ームトークンが他局に伝わり、その結果、全他局は一度
全ての通信を中断し、その要求に応答する。同様に、図
6中B点(幹線)で接触不良が発生すると、トークンを
接触不良箇所を越えて伝達することができなくなる。そ
うすると、接触不良発生時にトークンを持っていた通信
局が所属するグループは、トークンを受け渡していた通
信局のうち応答しなくなった通信局(接触不良箇所より
遠い側にある通信局)を飛ばしてトークンを回し始める
リカバリー動作を行う。また、接触不良時にトークンを
持っていなかった局が所属するグループは、しばらく待
っても有効なトークンが送られてこないのでクレームト
ークンを出す。接触不良によりトークンを保持している
通信局側にはクレームトークンが伝達されないため、ク
レームトークンに対する応答はない。その結果、自らが
新しいトークンを作成し、独立したトークンの受け渡し
を開始する。
【0052】ところが、何らかの原因で、接触不良が改
善されると、トークンが接触不良箇所を越えて他局にも
伝わるようになる。その結果、2つのトークンが存在す
ることになり、全通信局が一度全ての通信を中断するこ
とになる。
【0053】このように、一箇所の接触不良がネットワ
ークのシステム全体を通信不能にしてしまう。前述のよ
うな現象が発生すると各通信局が盛んに通信への参加離
脱を繰り返すことになり、どの通信局が通信に参加して
いるかというデータのみでは、接触不良の特定が十分に
できない場合が出てくる。
【0054】そこで、本第3実施形態では、突然のイレ
ギュラーなトークンの発生とその送信局を監視すること
によりトークンの遷移状態を監視して、通信ケーブルの
接触不良箇所の特定を行う。
【0055】以下、トークンの具体的な遷移状態を説明
する。図6に示すように、幹線で接触不良が発生した場
合(B点)、イ点のモニター32では、第4局→第3局
→第2局→第4局→第3局→第2局の順にトークンが遷
移することが確認できる。この時、ロ点にモニター34
があれば、第1局→第0局→第1局→第0局→第1局→
第0局→第1局→第0局の順にトークンが遷移すること
を確認することができる。また、何らかの原因により接
触不良が改善された場合、イ点のモニター32には、第
1局11や第0局10で受け渡しが行われていたトーク
ンが第4局→第3局→第2局→第4局の順に流れるトー
クンに突然割り込んでくることが観測できる。この時、
所定時間以上観測を継続することにより、第1局11と
第2局12との間の幹線に接触不良があることが判別で
きる。
【0056】一方、支線(A点)で接触不良が発生した
場合、前述したように第1局11は他局の信号を受信で
きず、しばらくするとクレームトークンを出すようにな
る。この時、モニター32では、第4局→第3局→第2
局→第0局→第4局→第3局→第2局→第0局の順にト
ークンが遷移することを確認することができる。この
時、何らかの原因により接触不良が改善された場合、2
通りの現象が観測される。1つは、第1局11がクレー
ムトークンを出しているときに接触不良が改善された時
で、クレームトークンが他局に伝わり、全他局は一度全
ての通信を中断する。この時、イ点のモニター32には
正常なトークンの流れの中に突然イレギュラーなデータ
フレーム(クレームトークン)が割り込んでくることが
確認される。
【0057】他の一つは、第1局11が沈黙している時
に、接触不良が改善され他局が出した勧誘フレーム(第
2局→第0局のように通信局番号が飛んでいる時に飛ん
だ通信局を検索するフレームデータ)に第1局11が応
答する場合である。この場合、イ点のモニター32に
は、他局の勧誘フレームと第1局11の勧誘に対する応
答フレームが観測される。
【0058】以上のようにモニターが観測した結果に基
づいて、接触不良箇所の特定を行う。
【0059】図7には、前記モニター32,34の概略
構成が示されている。各通信局を流れるデータは通信ケ
ーブル36、受信モデム38を介して、受信データ格納
領域40に格納される。ここで、図2と同様に受信した
データの内容チェック(データ化け等の有無)がCRC
42によって行われる。チェックされたデータはCPU
44に転送され、前述したような不具合解析が行われる
と共に、必要な参加局のデータが順次参加局記録部46
に格納されていく。なお、本実施形態の場合、モニター
32等は各通信局の監視のみを行うため、CRC42で
チェックされた正常データ(主に、制御データ)のCP
U44に対する読込みは行わない。そして、CPU44
は所定のタイミングで前記解析結果に基づいて、接触不
良箇所の特定を行い表示等を行う。
【0060】以下、図7に加えて、図8〜図10のフロ
ーチャート及び図11〜図17のデータ等を利用して、
具体的な処理の流れを説明する。受信データ格納領域4
0からデータがCPU44に転送されると、該CPU4
4は、転送されたデータがMAC(メディアアクセスコ
ントロール)フレームか否かの判断(S300)、送信
元局番号は63以下(第0局〜第63局でネットワーク
が構成されている場合)か否かの判断(S301)、転
送されたデータがトークンフレームか否か、クレームト
ークンか否か、応答フレームか否かの判断が行われる
(S302)。ここでMACフレームとは、トークンの
維持管理を目的とするデータを含むフレームを意味す
る。これらの判断は、接触不良検出に寄与しないデータ
を処理から排除するためである。そして、接触不良検出
に寄与するデータを送信してきた送信元局とそのデータ
の送信先局を参加局記録部46の所定メモリに記録する
(S303)。そして、前記送信元局と送信先局に基づ
いて、図11に示す通信参加局リスト、図12に示すト
ークン遷移履歴リストの一部、図13に示すクレームト
ークン発信局状態リスト、図14に示す応答発信状態リ
スト等の通信参加状態データを作成する(S304)。
そして、上述のようなデータの収集を所定時間または所
定回数行い安定した通信参加状態データを構築するため
に、S300からの処理を繰り返す(S305)。
【0061】そして、所定時間または所定回数のサンプ
ル収集が終了したら、実際の接触不良箇所の特定を開始
する。まず、参加局記録部46に記録されているデータ
から必要なデータを読み出し(S306)、ネットワー
ク上でイレギュラーなトークンが発生しているか否かの
判断を行い(S307)、イレギュラーなトークンが受
信されている場合には、その送信局を記録し、図15の
ようなイレギュラートークン発信回数リストを作成する
と共に、図12のトークン遷移履歴リストを構築する
(S308)。前述したようにイレギュラーなトークン
は複数の通信局がネットワークから離脱した場合に発生
するため、イレギュラーなトークンが発生し、トークン
受け渡しのループを形成していることにより幹線側で接
触不良が発生していると判断することができる。もし、
イレギュラーなトークンが発生しているにも関わらず送
信局が2局以上ない場合には、データ数が不足している
ものとして、S300に戻りデータの収集をやり直す
(S309)。
【0062】次に、2局以上でトークンの受け渡しを行
っている場合、ネットワーク不参加局とイレギュラート
ークンの送信局数が一致するか否かの判断を行う(S3
10)。一致する場合、接触不良によりネットワークか
ら離脱している通信局と離脱していない通信局との区別
が明確に特定できるので、CPU44は『接触不良位置
は第1局と第2局の間の幹線』等の表示を行う(S31
1)。また、一致しない場合、通信に参加していない通
信局が存在する可能性が在るため、前述のような明確な
区別を行うことができないので、CPU44は『接触不
良位置は第0局と第1局より手前(モニター側)の幹
線』等の表示を行い(S312)、接触不良特定のため
の処理を終了する。なお、このような接触不良箇所の特
定が行われた場合には、通信ケーブルの引き直し等のメ
ンテナンス作業が行われる。
【0063】一方、図9のフローチャートのS307に
おいて、イレギュラーなトークンの受信がない場合、図
10のフローチャートに進む。まず、図8のS304で
作成したクレームトークン発信局状態リストに基づい
て、クレームトークンの受信が在るか否かの判断を行う
(S313)。クレームトークンの受信がある場合、接
触不良がときどき回復していることが確認される。そし
て、クレームトークンの送信局が2局以上あるか否かの
判断を行い(S314)、2局以上ある場合、CPU4
4は、『接触不良位置2カ所以上の支線の可能性有り、
○局と○局を確認』等の表示を行う(S315)。ま
た、クレームトークンの送信局が1局の場合、CPU4
4は、『接触不良位置は、第1局支線』等の表示を行い
(S316)、判定処理を終了する。
【0064】S313でクレームトークンの受信がない
と判断された場合、図8のS304で作成した応答発信
状態リストに基づいて、応答フレームがあるか否かの判
断を行う(S317)。応答フレームが存在しない場
合、ネットワークは正常に通信を行っているものと判断
して、図8のS300に戻りネットワークの監視を続け
る。一方、応答フレームが存在する場合、例えば勧誘フ
レームに対する応答フレームである。そして、前記応答
フレームが通信不参加局からのものか否かの判断を行う
(S318)。接触不良により通信不参加であって通信
局が接触不良の回復によりたまたま応答フレームを送信
した場合、その応答フレーム送信局が2局以上あるか否
かの判断を行い(S319)、2局以上の場合、S31
5と同様に、CPU44は、『接触不良位置2カ所以上
の支線の可能性有り、○局と○局を確認』等の表示を行
う(S320)。また、送信局が1局の場合、CPU4
4は、『接触不良位置は、第1局支線』等の表示を行い
(S316)、判定処理を終了する。なお、S318で
応答フレームが通信参加局からの場合、接触不良が改善
されているものとして、図8のS300に戻りネットワ
ークの監視を続ける。
【0065】このように、トークンの遷移履歴を検証す
ることによって、接触不良箇所の特定を行うことができ
る。なお、本第3実施形態の場合、ネットワークから独
立したモニターによって、トークンの遷移を観察する例
を説明したが、任意の通信局が代表して、モニターが行
った機能を実行しても同様の効果を得ることができる。
【0066】第4実施形態.図16は、第4実施形態の
ネットワーク監視システムの構成概念図である。本実施
形態では、接触不良により通信ケーブル中を流れるデー
タフレームに欠落(ショートフレームデータ)が生じた
場合に、前記ショートフレームデータを解析することに
よって通信異常の認識及び異常箇所の特定を容易に行う
ネットワーク監視システムを説明する。
【0067】図17には、データフレーム48の構造例
が示されている。このデータフレーム48は、スタート
フラグ、フレーム種類、宛先局、送信元局、規定データ
長L1、実データ長L2、チェックサム(CRCのチェ
ック内容)、エンドフラグ等が含まれている。図16に
示すように、B点で接触不良が発生すると、第0局10
や第1局11から送信されるデータフレーム48が破断
位置48a等で切れて、データフレームが規定の長さよ
り短いショートフレームデータになる。
【0068】図18には、モニター50の概略構成が示
されている。このモニター50も前述した各実施形態と
同様に、各通信局を流れるデータは通信ケーブル36、
受信モデム38を介して、受信データ格納領域40に格
納される。ここで、受信データ格納領域40では、デー
タ長に応じた最適なアドレスに各データが格納され、そ
れぞれCRC42に対するチェック依頼フラグ『1』が
立てられる。なお、図18中では、説明のため正常デー
タ、ノイズ、ショートF等の表示をしているが、実際は
CRC42のチェックが終了するまでその区別はない。
チェックされたデータは、正常データの場合、読込可フ
ラグ『1』が付され、それ以外の場合は、読込可フラグ
『0』が付され、読込みが禁止される。本実施形態の場
合、モニター50は各通信局の監視のみを行うので、正
常データ(おもに制御データ)のCPU44への転送は
行われないが、必要な参加局のデータ、例えば、図11
に示すような通信参加局リストのためのデータがCPU
44を介して順次参加局記録部46に格納されていく。
また、CPU44は、読込可フラグ『0』が付されたデ
ータの中からショートフレームデータを抽出し、そのデ
ータから必要な情報を入手し、参加局記録部46に格納
すると共に、CPU44は所定のタイミングで前記ショ
ートフレームデータからの抽出データに基づいて、接触
不良箇所の特定を行い表示等を行う。
【0069】以下、図19のフローチャートを加えて、
ショートフレームデータからの抽出データに基づく接触
不良箇所の特定処理を説明する。まず、CRC42のチ
ェック結果に基づき、ショートフレームデータを受信し
たか否かの判断を行う(S400)。ショートフレーム
データを受信していない場合、ネットワークは正常に通
信を行っていると判断して、S400の監視を続ける。
なお、ショートフレームデータの判断は、前記規定デー
タ長L1と実データ長L2の比較によりL1>L2の時
に行われる。ショートフレームデータが受信された場
合、ショートフレームデータは先頭から長さデータまで
読みとり可能かの判断が行われる(S401)。これ
、後述する送信元局等、接触不良箇所特定のためのデ
ータが得られるか否かを判断し、データが得られないも
のは、不要なデータとして排除するためである。続い
て、送信元局番号は63以下(第0局〜第63局でネッ
トワークが構成されている場合)か否かの判断(S40
2)を行う。ここでも接触不良箇所特定のためのデータ
として利用できないデータを排除している。
【0070】続いて、CPU44は、参加局記録部46
に蓄積している通信参加局リストを取り出す(S40
3)。そして、ショートフレームデータを送信してきた
通信局と通信参加局リストにある通信局との照会を行い
(S404)、相違がある場合、接触不良箇所特定のた
めのデータとして利用することができないものとして排
除する。一方、ショートフレームデータを送信してきた
通信局が通信に参加している通信局の場合、接触不良に
よる通信局の接離が繰り返されていると判断して、CP
U44は参加局記録部46に送信元局を記録する(S4
05)。
【0071】上述のようなS400からS405の処理
を所定時間または所定回数繰り返し(S406)、図1
6に示すようなショートフレーム送信回数リスト52を
作成する。そして、ショートフレーム送信回数リスト5
2に基づいて、CPU44は接触不良箇所を特定し、例
えば『接触不良位置は○局』等の表示を行う(S40
7)。
【0072】なお、本実施形態においてもネットワーク
通信から独立したモニターによって、トークンの遷移を
観察する例を説明したが、任意の通信局が代表して、モ
ニターが行った機能を実行しても同様の効果を得ること
ができる。
【0073】第5実施形態.図20は、第5実施形態の
ネットワーク監視システムの構成概念図である。本実施
形態では、ノイズの混入により通信ケーブル中を流れる
データフレームにデータ化けが生じた場合に、前記デー
タ化けを解析することによって通信異常の認識及び異常
箇所の特定を容易に行うネットワーク監視システムを説
明する。
【0074】図20に示すようなネットワークのノイズ
が侵入する経路は、大別して通信ケーブルから直接侵入
してくる場合と、通信局(機器)から侵入してくる場合
があり、後者の多くは、通信局のグランド又は電源を伝
わって侵入する。この場合、特定のデータの化け率が高
くなることが知られている。なお、この時、送信される
データフレームは、図17に示す構造と同じである。
【0075】図21には、モニター50の概略構成が示
されている。このモニター50も前述した各実施形態と
同様に、各通信局を流れるデータは通信ケーブル36、
受信モデム38を介して、受信データ格納領域40に格
納される。ここで、受信データ格納領域40では、デー
タ長に応じた最適なアドレスに各データが格納され、そ
れぞれCRC42に対するチェック依頼フラグ『1』が
立てられる。なお、図18中では、説明のため正常デー
タ、ノイズ等の表示をしているが、実際はCRC42の
チェックが終了するまでその区別はない。チェックされ
たデータは、正常データの場合、読込可フラグ『1』が
付され、それ以外の場合は、読込可フラグ『0』が付さ
れ、読込みが禁止される。本実施形態の場合、モニター
50は各通信局の監視のみを行うので、正常データ(お
もに制御データ)のCPU44への転送は行われない
が、必要な参加局のデータ、例えば、図11に示すよう
な通信参加局リストのためのデータが順次CPU44内
部の参加局記録部に格納されていく。また、CPU44
は、読込可フラグ『0』が付されたデータの中からノイ
ズによるデータ化けフレームを抽出し、そのデータから
必要な情報を入手し、参加局記録部に格納すると共に、
CPU44は所定のタイミングで前記データ化けフレー
ムからの抽出データに基づいて、接触不良箇所の特定を
行い表示等を行う。
【0076】以下、図22のフローチャートを加えて、
データ化けフレームからの抽出データに基づくノイズ混
入箇所の特定処理を説明する。まず、CRC42のチェ
ック結果に基づき、データ化けフレームを受信したか否
かの判断を行う(S500)。データ化けフレームを受
信していない場合、ネットワークはノイズの影響を受け
ることなく通信を行っていると判断して、S500の監
視を続ける。なお、データ化けフレームの判断は、デー
タを受信した機器がそのデータに誤りがないか否かのチ
ェックを行い、このチェックデータとデータフレーム中
に含まれるチェックサムとが一致しなかった場合に行わ
れる。データ化けフレームが受信された場合、データ化
けフレームは先頭から送信元局番データまで読みとり可
能かの判断が行われる(S501)。これは数ビットの
ノイズだけが受信されたようなデータを排除するためで
ある。次に、送信元局番号は63以下(第0局〜第63
局でネットワークが構成されている場合)か否かの判断
(S502)を行う。ここでもノイズ侵入箇所特定のた
めのデータとして利用できないデータを排除している。
【0077】続いて、CPU44は、参加局記録部に蓄
積している通信参加局リストを取り出す(S503)。
そして、データ化けフレームを送信してきた通信局と通
信参加局リストにある通信局との照会を行い(S50
4)、相違がある場合、すなわち通信に参加していない
局からのデータは、ノイズ侵入箇所特定のためのデータ
として利用できないものとして排除する。一方、データ
化けフレームを送信してきた通信局が通信に参加してい
る通信局の場合、その局からノイズが侵入していると判
断して、CPU44は参加局記録部に送信元局を記録す
る(S505)。
【0078】上述のようなS500からS505の処理
を所定時間または所定回数繰り返し(S506)、図2
0に示すような通信局毎のデータ化けフレーム受信回数
リスト54を作成する。そして、データ化けフレーム受
信回数リスト54に基づいて、特定の局にノイズ発生の
偏りがある場合、CPU44はノイズ侵入箇所を特定
し、例えば『ノイズ混入局は第1局』等の表示を行う
(S507)。このような表示が行われた場合には、例
えば、ノイズ侵入局やその周辺のシールド処理等を行う
ことになる。
【0079】なお、本実施形態においてもネットワーク
から独立したモニターによって、データ化けを観察する
例を説明したが、任意の通信局が代表して、モニターが
行った機能を実行しても同様の効果を得ることができ
る。また、図21に示すCPU44は内部に参加局記録
部等を含む構成としたが、図18のように別途設けても
よい。
【0080】第6実施形態.図23は、第6実施形態の
ネットワーク監視システムの構成概念図である。本実施
形態も第5実施形態と同様に、ノイズの混入により通信
ケーブル中を流れるデータフレームにデータ化けが生じ
た場合に、前記データ化けを解析することによって通信
異常の認識及び異常箇所の特定を容易に行うネットワー
ク監視システムを説明するものである。
【0081】第5実施形態では、通信局(機器)からノ
イズが侵入してくる場合の監視システムについて説明し
たが、本実施形態では、通信ケーブルから直接ノイズが
侵入してくる場合の監視システムについて説明する。通
信ケーブルから侵入するものは、多くの場合、周波数が
非常に高く通信ケーブル内を伝達する間に急速に減衰す
る。従って、ノイズ侵入点付近の通信局は比較的多くの
ノイズを受信する。一方、侵入点から遠い通信局ではノ
イズ受信頻度は低い。本実施形態では、このことを利用
して、ノイズ侵入検査を行う例を説明する。なお、送信
されるデータフレームは、図17に示す構造と同じであ
る。
【0082】図24には、任意の通信局をモニター局と
した場合の該モニター局のブロック構成図が示されてい
る。基本的には、図2に示す構成と同じであり、同一の
符号を付して説明する。第5局15がネットワーク中の
1受信局として機能する場合、第5局15の受信モデム
16は、通信ケーブル18を介して、図23に示される
他の通信局からのデータを受信する。受信されたデータ
は、受信データ格納領域20に、データ長に応じた最適
なアドレスに各データが格納され、それぞれCRC22
に対するチェック依頼フラグ『1』が立てられる。な
お、図24中では、説明のため正常データ、ノイズ等の
表示をしているが、実際はCRC22のチェックが終了
するまでその区別はない。チェックされたデータは、正
常データの場合、読込可フラグ『1』が付され、それ以
外の場合は、読込可フラグ『0』が付され、読込みが禁
止される。そして、正常データと判定されたデータのみ
がCPU24に転送され、そのデータに基づいて、通信
局の制御が行われる。その後、CPU24は、送信デー
タ格納領域26に保持されている後続局に送信するデー
タをトークンと共に送信モデム28、通信ケーブル18
を介して後続局に送信する。また、前述したように前記
後続局が正常に動作しているか否かの監視も行う。
【0083】また、CPU24は、読込可フラグ『0』
が付されたデータの中からノイズを抽出し、ノイズ受信
回数をCPU24に接続された参加局記録部30に記憶
している。同様に、ノイズ受信回数の記録10b〜14
bを各通信局(第0局10〜第4局14)でも行ってい
る。
【0084】さらに、モニター局となる第5局15のC
PU24は、定期的に、送信モデム28を介して、送信
データ格納領域26中のノイズ受信回数データ送信依頼
のデータを各局に送信する。第5局15のCPU24は
各局から送信されてくるノイズ受信回数データに基づ
き、全局ノイズ受信回数リスト56を作成し、このリス
トに基づいて、ノイズ混入検査を行う。
【0085】以下、図25のフローチャートを加えて、
ノイズデータに基づくノイズ混入検査の処理を説明す
る。まず、モニター局となる第5局15のCPU24
は、各局に対してノイズ受信回数データの送信を要求す
る(S600)。次に、この要求に対する応答があるか
否かの判断を行う(S601)。つまり、各局のノイズ
受信回数データの受信を第5局15ができない場合、通
信に参加している通信局は無いと判断して、検査結果表
示として、『参加局無し』等を行う(S602)。一
方、第5局15が各局のノイズ受信回数データを受信し
たら、そのデータに基づき、図23に示すノイズ受信回
数リスト56を作成する(S603)。そして、前記デ
ータ収集を一定時間または一定回数繰り返し(S60
4)、前記ノイズ受信回数リスト56の構築を行う。
【0086】第5局15において、十分なノイズ受信回
数リスト56の構築が行われたら、実際のノイズ混入検
査を開始する。まず、全ての局のノイズ受信回数が
「0」か否かの判断をおこなう(S605)。全ての局
のノイズ受信回数が「0」の場合、ノイズ混入はなく正
常にネットワークが動作していると判断して、検査結果
表示として、例えば『ノイズ侵入無し』等の表示を行う
(S606)。一方、「0」でない場合、各局間でノイ
ズ受信回数の相違があるか否かの判断を行う(S60
7)。相違がほとんどない場合、ノイズの侵入が均一的
に起こっている場合であり、検査結果表示として、例え
ば『ネットワーク全体にノイズ侵入あり』等の表示を行
う(S608)。また、相違がある場合、特定の通信局
またはその付近でノイズの侵入がある場合であり、検査
結果表示として、例えば『ノイズ侵入有り』や『異常局
有り』等の表示を行い(S609)、ノイズ混入検査の
処理を終了する。
【0087】なお、上述した実施形態では、任意の通信
局をモニター局として、そこのCPUが各通信局からの
データを代表して処理する例を説明したが、通信局とは
別に、単に、各通信局が作成したデータを収集して、比
較を行うモニターを設けても同様の処理が可能で、同様
の効果を得ることができる。
【0088】第7実施形態.図26は、第7実施形態の
ネットワーク監視システムの構成概念図である。第5実
施形態と同様に、ノイズの混入により通信ケーブル中を
流れるデータフレームにデータ化けが生じた場合に、そ
のデータ化けのために通信局のデータ処理部に過負荷が
かかりネットワークの稼働維持を阻害する場合がある。
本第7実施形態では、前述した第6実施形態と同様にノ
イズ受信回数(ノイズ発生頻度)を求めると共に、受信
データ格納領域使用状況を参考にすることによってネッ
トワークの稼働安定度を定量的に把握することのできる
ネットワーク監視システムを説明するものである。な
お、送信されるデータフレームは、図17に示す構造と
同じである。また、任意の通信局をモニター局とした場
合の該モニター局のブロック構成図は、図24と同じで
あり、ノイズ受信回数リストの作成も前記第6実施形態
と同じなので、説明を省略する。
【0089】本実施形態の場合、各通信局のCPUは、
受信データ格納領域使用率を常に算出し、ノイズ受信回
数データと共にモニター局となる第5局15に送信す
る。第5局15のCPUは各局から送信されてくるノイ
ズ受信回数データと受信データ格納領域使用率とに基づ
き、全局ノイズ受信回数リスト56と、受信データ格納
領域使用率リスト58を作成し、このリストに基づい
て、ネットワークの稼働安定度の検査を行う。
【0090】以下、図24のブロック図に加えて、図2
7のフローチャートを用いて、ネットワークの稼働安定
度検査の処理を説明する。まず、モニター局となる第5
局15のCPU24は、各局に対してノイズ受信回数デ
ータ及び、データ格納領域使用率データの送信を要求す
る(S700)。次に、この要求に対する応答があるか
否かの判断を行う(S701)。つまり、各局の前記2
種類の要求データの受信を第5局15ができない場合、
通信に参加している通信局は無いと判断して、検査結果
表示として、『参加局無し』等を行う(S702)。一
方、第5局15が各局からのデータを受信したら、その
データに基づき、図23に示すノイズ受信回数リスト5
6及び、図26に示す受信データ格納領域使用率リスト
58を作成する(S703)。そして、前記データ収集
を一定時間または一定回数繰り返し(S704)、ノイ
ズ受信回数リスト56、受信データ格納領域使用率リス
ト58の構築を行う。
【0091】第5局15において、十分なノイズ受信回
数リスト56と受信データ格納領域使用率リスト58の
構築が行われたら、実際のネットワークの稼働安定度検
査を開始する。まず、各局のノイズ受信回数が十分少な
いか否か(例えば、1回/1時間程度)の判断をおこな
う(S705)。ノイズ受信回数が十分少ない場合、さ
らに、各局のデータ格納領域使用率が十分少ないか否か
(例えば、50%以下)の判断を行う(S706)。デ
ータ格納領域使用率が十分少ない場合、ネットワークは
余裕を持った通信処理を行っているものと判断して、検
査結果表示として、例えば『ネットワークは安定』等の
表示を行う(S707)。一方、データ格納領域使用率
が高い場合、ノイズ等の影響は無いが処理の遅い通信局
が有ると判断して、検査結果表示として、例えば『ノイ
ズ影響無いが処理の遅い機器有り』等の表示を行う(S
708)。
【0092】一方、S705において、ノイズ受信回数
が多いと判断された場合、各データ格納領域使用率が高
いか否かの判断を行う(S709)。そして、使用率は
低い場合、ネットワークの各通信局は余裕を持ってデー
タ処理を行い、稼働に支障は無いが、ネットワーク上に
はノイズの影響があると判断して、検査結果表示とし
て、例えば『ネットワークへの影響は少ないがノイズ影
響有り』等の表示を行う(S710)。また、S709
において、データ格納領域使用率が高い場合には、ノイ
ズの混入により通信局のデータ処理に過負荷がかかって
いると判断して、検査結果表示として、例えば『ノイズ
影響によりネットワークへの影響有り』等の表示を行う
(S711)。
【0093】また、必要に応じて、ノイズ受信回数リス
ト56と、受信データ格納領域使用率リスト58からノ
イズ侵入により影響を受けている通信局を推定し表示す
るようにしてもよい。
【0094】なお、上述した実施形態では、任意の通信
局をモニター局として、そこのCPUが各通信局からの
データを代表して処理する例を説明したが、通信局とは
別に、単に、各通信局が作成したデータを収集して、比
較を行うモニターを設けても同様の処理が可能で、同様
の効果を得ることができる。
【0095】第8実施形態.図28は、第8実施形態の
ネットワーク監視システムの構成概念図である。前述し
たように、ある通信局が何らかの原因により他の通信局
からのトークンを受信できなくなると、定期的にトーク
ンを要求するクレームトークンを送信する。例えば、送
信部は正常でも受信部が故障し受信できない場合や接触
不良の発生、回復を繰り返し、受信状態が安定しない時
等、所定時間以上正常なトークンを受信できないような
不具合を有する通信局は定期的にクレームトークンの送
信を行う。これに対して、正常なトークンの受け渡しを
行っていた通信局は互いの通信を一時停止して、応答す
る動作を行う。前述したように、所定時間以上正常なト
ークンを受信できない局は定期的にクレームトークンを
送信する。受信部のみが故障している場合や、接触不良
が一時的に回復したときは他の局にクレームトークンが
伝わることになる。その結果、ネットワークの通信停止
が繰り返し発生し、正常に機能しなくなる。言い換えれ
ば、送信部が機能しない場合はネットワークを停止させ
ることは無いが、受信部が機能しない場合ネットワーク
を停止させてしまう。
【0096】本実施形態では、このような場合に送信さ
れるクレームトークンと、それに対する応答動作とに基
づいて、不具合位置の特定を行うネットワーク監視シス
テムを説明するものである。
【0097】図28に示すように、トークンの受け渡し
を行わないモニター60が各通信局(第0局10〜第4
局14)のトークンフレームやクレームトークンフレー
ム、応答フレームの送受の状態を監視している。このモ
ニター60の構成は図7に示す構成と略同一であり、各
通信局を流れるデータは通信ケーブル36、受信モデム
38を介して、受信データ格納領域40に格納される。
そして、受信したデータの内容チェック(データ化け等
の有無)がCRC42によって行われる。チェックされ
たデータはCPU44に転送され、前述したような不具
合解析が行われると共に、必要な参加局のデータが順次
参加局記録部46に格納されていく。そして、CPU4
4は所定のタイミングで前記解析結果に基づいて、不具
合位置の特定を行い表示等を行う。
【0098】本実施形態の場合、CPU44は各通信局
が送受するクレームトークンの発信回数状態と、応答フ
レームの発信状態を監視し、リストを作成する。このリ
ストに基づいて、ネットワークの不具合位置の特定を行
う。
【0099】以下、図29のフローチャートを加えて、
ネットワークの不具合位置検査の処理を説明する。ま
ず、モニター60のCPU44は、各局からのMAC
(メヂアアクセスコントロール)データ(トークンの維
持管理のためのデータで、トークン、クレームトーク
ン、応答フレーム等を含む)を取り込む(S800)。
そして、取り込んだデータが応答フレームか否かの判断
を行う(S801)。取り込んだデータが応答フレーム
の場合、応答フレーム送信元局を参加局記録部46に記
録し(S802)、S800に戻って、次のデータ取り
込みを行う。S801で応答フレームでないと判断した
場合、さらに、そのデータがクレームトークンフレーム
か否かの判断を行う(S803)。ここで、受信したデ
ータがクレームトークンフレームでもない場合、ネット
ワークの不具合位置の特定には利用できないデータであ
ると判断して、S800に戻って、次のデータ取り込み
を行う。
【0100】S803でクレームトークンフレームであ
る場合、CPU44はクレームトークン送信元局を参加
局記録部46に記録し(S804)、図30や図31に
示すように、各局毎のクレームトークン受信回数と応答
返信回数のリストを作成する。そして、一定時間または
一定回数のデータを収集し信頼性の高いリストを構築す
るためS800に戻る(S805)。
【0101】十分なリストの構築が行われたら、実際の
ネットワークの検査を開始する。まず、前記クレームト
ークン送信局は応答フレームを送信していないか否かの
判断を行う(S806)。もし、クレームトークンを送
信しかつ応答フレームを送信している場合、通信局の送
受信部は正常に機能し、他局への送信や他局からの受信
は正常に行うことができるが、接触不良等が原因で通信
不能状態が時々発生していると判断して、ネットワーク
の検査結果表示として、『支線接触不良』等の表示を行
う(S807)。なお、この場合、図30のようなリス
トに基づいて判断が行われたことになる。
【0102】一方、クレームトークンを送信している
が、応答フレームを送信していない場合、つまり、他局
からの呼びかけに応答できずクレームトークンのみを送
信している場合は、受信部が異常であると判断して、ネ
ットワークの検査結果表示として、『第1局受信部異
常』等の表示を行う(S808)。なお、この場合、図
31のようなリストに基づいて判断が行われたことにな
る。
【0103】なお、本実施形態において、ネットワーク
通信から独立したモニターによって、MACデータ(ク
レームトークン等)を観察する例を説明したが、任意の
通信局が代表して、モニターが行った機能を実行しても
同様の効果を得ることができる。
【0104】第9実施形態.図32は、第9実施形態の
ネットワーク監視システムの構成概念図である。FAの
分野におけるネットワークにはデータリンクと呼ばれる
通信を行うものがある。このデータリンクとは、各通信
局が通信に対して共通のメモリを提供し各通信局がその
メモリのうち自己の書込み領域に対してデータの書込み
を行う。このデータリンク通信は一般に一斉同報と呼ば
れる通信方法を採る。この一斉同報は受信側が正確に受
信したか否かに関わらず一方的な通信を行うものであ
る。従って、非常に設備システムのサイクルタイムが早
く、制御に許容される時間が極めて短い時には、送信さ
れたデータが受信局側で確実に受け取れたか否かを検査
することがネットワークの稼働を維持するために重要で
ある。
【0105】本実施形態では、任意のモニターで観察さ
れる各局からの受信データと各局がデータを送信した回
数を比較することによってネットワークの稼働安定度を
定量的に把握することのできるネットワーク監視システ
ムを説明するものである。なお、任意の通信局(図32
に示す本実施形態の場合、第5局15)をモニター局と
した場合の該モニター局の構成ブロック図は、図2と同
じであり、第5局15のCPU24は、各局から送られ
てくるデータ及び自らのデータの送受信回数に基づい
て、図33のような送受信回数リストを作成し、このリ
ストに基づいて、ネットワークの稼働安定度の検査を行
う。
【0106】以下、図2及び図34のフローチャートを
用いて、ネットワークの稼働安定度検査の処理を説明す
る。まず、モニター局となる第5局15のCPU24
は、各局に対してデータの受信回数及び送信回数の送信
を要求する(S900)。次に、この要求に対する応答
があるか否かの判断を行う(S901)。つまり、各局
からの前記2種類の要求データの受信を第5局15がで
きない場合、通信に参加している通信局は無いと判断し
て、検査結果表示として、『参加局無し』等を行う(S
902)。一方、第5局15が各局からのデータを受信
したら、そのデータを参加局記録部30に記録すると共
に、そのデータに基づき、図33に示す送受信回数リス
トを作成する(S903)。そして、前記データ収集を
一定時間または一定回数繰り返し(S904)、送受信
回数リストの構築を行う。
【0107】第5局15において、十分な送受信回数リ
ストの構築が行われたら、実際のネットワークの稼働安
定度検査を開始する。すなわち、各局の受信回数データ
が実送信回数データから一定値以上低い(例えば、10
%以上)か否かの判断を行う(S905)。受信回数と
送信回数とが略一致する場合には、ネットワーク上で各
通信局は正常にデータの送受を行っていると判断して、
検査結果表示として、例えば『異常局無し』等の表示を
行う(S906)。一方、送信回数より受信回数が一定
値以上低い場合、何らかの原因、例えば、故障や、接触
不良、ノイズ、反射等によりネットワークに潜在的な異
常が発生していると判断して、検査結果表示として、例
えば『異常局有り』等の表示を行う(S907)。な
お、図33に示す送受信回数リストを図35に示すよう
に、受信回数を実送信回数に対する比率で算出して表示
すれば、ネットワーク管理者等の理解を容易にすること
ができる。
【0108】また、上述した実施形態では、任意の通信
局をモニター局として、そこのCPUが各通信局からの
データを代表して処理する例を説明したが、通信局とは
別に、単に、各通信局が作成したデータを収集して、比
較を行うモニターを設けても同様の処理が可能で、同様
の効果を得ることができる。
【0109】なお、上述した各実施形態において作成さ
れたリストの形式は一例であり、同様な内容を示すリス
トであれば、同じ用途で利用することができる。
【0110】
【発明の効果】本発明によれば、ネットワークに参加し
ている通信局の状態や、送受されているデータの状態を
監視することによって、設備稼働状態でもネットワーク
を常時監視できると共に、接触不良箇所の正確かつ迅速
な把握やネットワークの稼働安定性を監視して良好な通
信を行うネットワークを維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のネットワーク監視シ
ステムの構成概念図である。
【図2】 本発明の第1実施形態のネットワーク監視シ
ステムのモニター局の構成ブロック図である。
【図3】 本発明の第1実施形態のネットワーク監視シ
ステムのモニター局の処理フローチャートである。
【図4】 本発明の第2実施形態のネットワーク監視シ
ステムの構成概念図である。
【図5】 本発明の第2実施形態のネットワーク監視シ
ステムのモニター局の処理フローチャートである。
【図6】 本発明の第3実施形態のネットワーク監視シ
ステムの構成概念図である。
【図7】 本発明の第3実施形態のネットワーク監視シ
ステムのモニターの構成ブロック図である。
【図8】 本発明の第3実施形態のネットワーク監視シ
ステムのモニターの処理フローチャートの一部である。
【図9】 本発明の第3実施形態のネットワーク監視シ
ステムのモニターの処理フローチャートの一部である。
【図10】 本発明の第3実施形態のネットワーク監視
システムのモニターの処理フローチャートの一部であ
る。
【図11】 本発明の第3実施形態のネットワーク監視
システムのモニターが作成する通信参加局リストであ
る。
【図12】 本発明の第3実施形態のネットワーク監視
システムのモニターが作成するトークン遷移履歴リスト
である。
【図13】 本発明の第3実施形態のネットワーク監視
システムのモニターが作成するクレームトークン発信局
状態リストである。
【図14】 本発明の第3実施形態のネットワーク監視
システムのモニターが作成する応答発信状態リストであ
る。
【図15】 本発明の第3実施形態のネットワーク監視
システムのモニターが作成するイレギュラートークン発
信回数リストである。
【図16】 本発明の第4実施形態のネットワーク監視
システムの構成概念図である。
【図17】 本発明の第4実施形態のネットワーク監視
システムで送受信されているデータフレームの構造例で
ある。
【図18】 本発明の第4実施形態のネットワーク監視
システムのモニターの構成ブロック図である。
【図19】 本発明の第4実施形態のネットワーク監視
システムのモニターの処理フローチャートである。
【図20】 本発明の第5実施形態のネットワーク監視
システムの構成概念図である。
【図21】 本発明の第5実施形態のネットワーク監視
システムのモニターの構成ブロック図である。
【図22】 本発明の第5実施形態のネットワーク監視
システムのモニターの処理フローチャートである。
【図23】 本発明の第6実施形態のネットワーク監視
システムの構成概念図である。
【図24】 本発明の第6実施形態のネットワーク監視
システムのモニター局の構成ブロック図である。
【図25】 本発明の第6実施形態のネットワーク監視
システムのモニター局の処理フローチャートである。
【図26】 本発明の第7実施形態のネットワーク監視
システムの構成概念図である。
【図27】 本発明の第7実施形態のネットワーク監視
システムのモニター局の処理フローチャートである。
【図28】 本発明の第8実施形態のネットワーク監視
システムの構成概念図である。
【図29】 本発明の第8実施形態のネットワーク監視
システムのモニターの処理フローチャートである。
【図30】 本発明の第8実施形態のネットワーク監視
システムのモニターが作成するクレームトークン受信回
数と応答返信回数のリストの一例である。
【図31】 本発明の第8実施形態のネットワーク監視
システムのモニターが作成するクレームトークン受信回
数と応答返信回数のリストの一例である。
【図32】 本発明の第9実施形態のネットワーク監視
システムの構成概念図である。
【図33】 本発明の第9実施形態のネットワーク監視
システムのモニター局が作成する送受信回数リストであ
る。
【図34】 本発明の第9実施形態のネットワーク監視
システムのモニター局の処理フローチャートである。
【図35】 本発明の第9実施形態のネットワーク監視
システムのモニター局が作成する送受信回数率リストで
ある。
【符号の説明】
10 第0局、11 第1局、12 第2局、13 第
3局、14 第4局、15 第5局、16,38 受信
モデム、18,36 通信ケーブル、20,40 受信
データ格納領域、22,42 CRC、24,44 C
PU、26 送信データ格納領域、28 送信モデム、
30,46 参加局記録部、32,34,50 モニタ
ー、48 データフレーム、52 ショートフレーム送
信回数リスト、54 データ化けフレーム受信回数リス
ト、56 ノイズ受信回数リスト、58 受信データ格
納領域使用率リスト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/28 - 12/46

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の通信局によって構成されたネット
    ワークの稼働状態を監視するネットワーク監視システム
    において、 前記ネットワークは、 現在通信に参加している通信参加局を認識する認識手段
    と、 認識した通信参加局に基づく通信参加局リストを通信局
    毎に作成するリスト作成手段と、 各通信局において作成された通信参加局リストのうち複
    数の通信参加局リストを選択し相互に比較することによ
    ネットワークの稼働状態を監視する監視手段と、 を有することを特徴とするネットワーク監視システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシステムにおいて、 前記監視手段はネットワークを代表する監視部であっ
    て、 前記監視部は、現在通信に参加している通信参加局を認
    識する監視側認識手段と、 認識した通信参加局に基づく通信参加局リストを作成す
    る監視側リスト作成手段と、 を含み、 監視部が作成した通信参加リストと各通信局が作成し
    た通信参加リストとの比較結果に基づいてネットワー
    クの稼働状態を監視することを特徴とするネットワーク
    監視システム。
  3. 【請求項3】 複数の通信局によって構成されたネット
    ワークの稼働状態を監視するネットワーク監視システム
    において、 前記ネットワークは、 該ネットワーク中を流れるトークンを現在保持する通信
    局を検知する保持局検知手段と、 保持局の遷移状態を記憶する記憶手段と、 前記遷移状態に基づいて、遷移の中に認識されるイレギ
    ュラーなトークンまたはデータフレームと、その送信局
    とを認識しネットワークの稼働状態を監視する監視手段
    と、 を有することを特徴とするネットワーク監視システム。
  4. 【請求項4】 複数の通信局によって構成されたネット
    ワークの稼働状態を監視するネットワーク監視システム
    において、 前記ネットワークは、 該ネットワーク中を流れるデータフレームを検知するフ
    レーム検知手段と、 検知したデータフレームにシュートフレームまたはデー
    タ化けフレームが存在するか否かを解析するフレーム解
    析手段と、 データフレームの解析結果に基づいてネットワークの稼
    働状態を監視する監視手段と、 を有することを特徴とするネットワーク監視システム。
  5. 【請求項5】 複数の通信局によって構成されたネット
    ワークの稼働状態を監視するネットワーク監視システム
    において、 前記ネットワークは、 受信したデータフレームのノイズ影響状態を判定する状
    態判定手段と、 判定したフレームのノイズ影響状態を通信局毎に記憶す
    る状態記憶手段と、 各通信局において記憶されたフレームのノイズ影響状態
    に基づいてネットワークの稼働状態を監視する監視手段
    と、 を有することを特徴とするネットワーク監視システム。
  6. 【請求項6】 複数の通信局によって構成されたネット
    ワークの稼働状態を監視するネットワーク監視システム
    において、 前記ネットワークは、 トークン要求フレームを送信する通信局を検知する局検
    知手段と、 各通信局のトークン要求フレームに対する応答状態を検
    知する応答検知手段と、 局検知手段と応答検知手段の検知結果に基づいてネット
    ワークの稼働状態を監視する監視手段と、 を有することを特徴とするネットワーク監視システム。
  7. 【請求項7】 複数の通信局によって構成されたネット
    ワークの稼働状態を監視するネットワーク監視システム
    において、 前記ネットワークは、 各通信局毎の送信回数を入手する手段と、 各通信局毎の受信回数を入手する手段と、 前記送信回数と受信回数との比較結果に基づいてネット
    ワークの稼働状態を監視する監視手段と、 を有することを特徴とするネットワーク監視システム。
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