JP3353753B2 - 産業車両におけるサイドフレーム構造及び車体フレーム - Google Patents

産業車両におけるサイドフレーム構造及び車体フレーム

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JP3353753B2
JP3353753B2 JP23601299A JP23601299A JP3353753B2 JP 3353753 B2 JP3353753 B2 JP 3353753B2 JP 23601299 A JP23601299 A JP 23601299A JP 23601299 A JP23601299 A JP 23601299A JP 3353753 B2 JP3353753 B2 JP 3353753B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォークリフトな
どの産業車両の車体フレームの側部を構成するサイドフ
レーム構造及び車体フレームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フォークリフトの車体フレームに
は、左右側面を形成するサイドプレートの内側に補強の
ための左右一組の箱型構造部が設けられたサイドフレー
ム構造が採用されていた。箱型構造部が左右に存在する
ことにより車体フレームの内側には車幅方向に広い収容
スペースを確保できないため、通常、バッテリ式フォー
クリフトの場合、バッテリを後輪の上方位置に配置して
いた。このため、エンジン車に比べ、運転席(着座位
置)が高くなる問題、機台重心位置が高くなってピッチ
ング(前後の揺れ)等が悪くなる問題、ヘッドガードが
高くなって天井の低い屋内作業が不利になる問題などが
あった。
【0003】バッテリの配置位置を低くするには、サイ
ドフレームの箱型構造部を廃止し、バッテリを前輪と後
輪間に落とし込む配置を採る必要があるが、箱型構造部
を廃止すると、車体フレームの強度がサイドフレーム部
分で低下するという別の問題が生じる。
【0004】特開平9−77487号公報には、サイド
フレームの箱状構造部を廃止し、前輪と後輪の間のスペ
ースを幅方向に広く確保し、バッテリを前輪と後輪の間
に落とし込む配置をとるフォークリフトの車体フレーム
構造が開示されている。この公報によれば、図15に示
すように、サイドフレーム90は、底板91の側面から
上方へ延出するように接合されたサイドパネル92と、
サイドパネル92の上面より上方へ突出し、かつサイド
パネル92の上部内側に位置する左右のサイドパネル補
強部材93とを有する。サイドパネル補強部材93はフ
ロントフレーム部及びリアフレーム部を各々構成する前
板及び後板(いずれも図示せず)に連結されていた。バ
ッテリ94はサイドパネル補強部材93の内側に収容さ
れるようになっていた。
【0005】また、この公報において従来技術として図
16に示すサイドフレーム構造が挙げられている。サイ
ドフレーム90は、底板91の上端部から上方へ延出す
るサイドパネル95の上部を内方へ折り曲げて上部屈曲
部95aを形成し、上部屈曲部95aの内側に断面L字
形状の補強部材96を配置することにより断面が環状に
閉じた筒構造部97を形成し、筒構造部97により補強
がなされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、バッテリ交
換作業はバッテリを吊り上げて行われるが、サイドフレ
ームに高さ幅があるとバッテリの交換作業時の吊り上げ
量が多くなってその作業性が悪くなる。そのため、図1
7に示すようにサイドフレーム90を高さ幅(H1)を
短くし、バッテリの吊り上げ量を少なく済ませたいとい
う要請がある。
【0007】一方、車体フレームの補強のためには、サ
イドフレームの前後端部の接合距離を長く稼ぎたいの
で、図17に示すようにサイドフレーム90の前後端部
における高さ幅H2をなるべく長くしたい(H2>H
1)という要請がある。
【0008】図15,図16に示す従来のサイドフレー
ム90は、上端部が厚肉のサイドパネル補強部材93や
筒構造部97となっているので、サイドフレーム90の
上端ライン形状を屈曲するライン形状に形成することは
製造が困難あるいは製造方法の複雑化に繋がる。従来の
サイドフレーム90を使用して上記二つの要請に応える
には、例えば図17に示すように従来のサイドフレーム
90の高さ幅H1を短くし、その前後端部にリブ98を
接合するサイドフレーム構造が考えられる。しかし、リ
ブ98の接合箇所(継ぎ目)に応力が集中する構造とな
るため、十分な補強効果が得られ難いという問題があ
る。このため、サイドフレームの上端ライン形状を例え
ばバッテリ室に相当する中央部分で下方へ凹設するライ
ン形状にするなどその上端ライン形状を所望する形成に
形成し易く、その形状選択の自由度の高いサイドフレー
ム構造が望まれている。
【0009】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであって、車体フレームの補強効果が高く前輪と
後輪の間に車幅方向に広い収容室を確保できるようにサ
イドフレームを薄型にでき、しかもサイドフレームの高
さ幅を収容室に相当する箇所で短くする製造が簡単であ
るなど、複雑な製造方法を採らなくてもサイドフレーム
の上端ライン形状の選択の自由度を高めることができる
産業車両のサイドフレーム構造及び車体フレームを提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、産業車両の車体フレーム
の底部を構成するボトムフレーム部の前後に立設された
フロントフレーム部とリアフレーム部との間を、車体の
左右側部を形成するとともに内部に収容室を区画する状
態で連結する産業車両のサイドフレーム構造であって、
前記フロントフレーム部と前記リアフレーム部に前後端
部を直結させた一枚以上の板材と、前記板材のうちサイ
ドフレームの上端ライン形状を決める板材を少なくとも
一部上方へ延出させた状態で、前記板材のうち少なくと
も一枚と一体に設けられ、前記フロントフレーム部と前
記リアフレーム部の間に渡って継ぎ目なく延設されたパ
イプ構造部とを有し、前記サイドフレームの上端ライン
形状を決める板材は、前記パイプ構造部より上方へ延出
する部分において前記収容室に相当する前後方向中央部
位が下方へ凹設された凹部を有する。
【0011】
【0012】請求項に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記板材は複数枚あり、少なくとも二
枚の板材は上下に配置された状態で上下に一部重複する
ように互いに接合され、該接合部分において該上下二枚
の板材を含む複数の板材が前記パイプ構造部を形成する
ように接合されている。
【0013】請求項に記載の発明は、請求項に記載
の発明において、前記二枚の板材の折り曲げ端部が上下
に一部重複する状態で接合されることにより前記パイプ
構造部が形成されている。
【0014】請求項に記載の発明は、請求項に記載
の発明において、前記パイプ構造部を形成する前記複数
の板材のうち少なくとも一枚は薄板材であり、該一枚の
薄板材のみに前記パイプ構造部を形成するための折り曲
げ部が形成され、該一枚の薄板材を除く他の板材は二枚
の平板材であり、該二枚の平板材のうち一方が厚肉であ
って、前記薄板材と前記平板材との間に前記厚肉の平板
材を挟持する接合により前記パイプ構造部が形成されて
いる。請求項5に記載の発明は、産業車両の車体フレー
ムの底部を構成するボトムフレーム部の前後に立設され
たフロントフレーム部とリアフレーム部との間を、車体
の左右側部を形成するとともに内部に収容室を区画する
状態で連結する産業車両のサイドフレーム構造であっ
て、前記フロントフレーム部と前記リアフレーム部に前
後端部を直結させた一枚以上の板材と、前記板材のうち
サイドフレームの上端ライン形状決める板材を少なくと
も一部上方へ延出させた状態で、前記板材のうち少なく
とも一枚と一体に設けられ、前記フロントフレーム部と
前記リアフレーム部の間に渡って継ぎ目なく延設された
パイプ構造部とを有し、前記板材は複数枚あり、少なく
とも二枚の板材は上下に配置された状態で上下に一部重
複するように互いに接合され、該接合部分において該上
下二枚の板材を含む複数の板材が前記パイプ構造部を形
成するように接合され、前記パイプ構造部を形成する前
記複数の板材のうち少なくとも一枚は薄板材であり、該
一枚の薄板材のみに前記パイプ構造部を形成するための
折り曲げ部が形成され、該一枚の薄板材を除く他の板材
は二枚の平板材であり、該二枚の平板材のうち一方が厚
肉であって、前記薄板材と前記平板材との間に前記厚肉
の平板材を挟持する接合により前記パイプ構造部が形成
されている。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれか一項に記載の発明において、前記パイプ構造部
の内部には充填材が充填されている。請求項7に記載の
発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明にお
いて、前記板材及び前記パイプ構造部は前記リアフレー
ム部の前面より後方へ延出する後方延出部を有し、該後
方延出部は後輪を支持する後輪支持フレーム部に接合さ
れている。
【0016】請求項8に記載の発明は、産業車両の車体
フレームにおいて、産業車両の車体フレームの底部を構
成するボトムフレーム部と、該ボトムフレーム部の前後
に立設されたフロントフレーム部及びリアフレーム部
と、前記フロントフレーム部とリアフレーム部との間を
車体の左右側部を形成するとともに内部に収容室を区画
する状態で連結する請求項1〜7のいずれか一項に記載
のサイドフレーム構造を有するサイドフレームとを備え
ている。 (作用) 請求項1に記載の発明によれば、フロントフレーム部と
リアフレーム部との間を入力荷重(負荷)が伝わると
き、板材にはその力の伝わる方向の途中に継ぎ目等の応
力の集中する箇所がないので強度が確保される。また、
パイプ構造部にも力の伝達経路途中に継ぎ目等の応力集
中箇所がないので、パイプ構造部によって強度及び剛性
が確保される。また、サイドフレームの上端ライン形状
を決める板材はパイプ構造部より上方へ少なくとも一部
延出しているので、この板材の上方延出部分を所望形状
に加工する板材の切削などの加工のみにより、サイドフ
レームの上端ライン形状を自由に設定することが可能に
なるので、その製造工程をさほど複雑にすることなく上
端ライン形状の選択の自由度が高まる。例えばこの板材
のパイプ構造部より上方へ延出する部位を収容室に相当
する箇所において凹設する形状に加工することにより、
サイドフレームの前後端部に必要な接合長さを確保しつ
つ収容室に相当する箇所におけるサイドフレームの高さ
幅を短くすることが可能となる。また、サイドフレーム
の上端ライン形状を決める板材は、パイプ構造部より上
方へ延出する部分において収容室に相当する前後方向中
央部位が下方へ凹設されているので、サイドフレームの
前後端部の接合距離が確保されたまま、サイドフレーム
の収容室に相当する箇所における高さ幅が短くなる。こ
のため、収容室に収容される例えばバッテリなどの収容
物を取り出すときの収容物の吊り上げ量を少なくするこ
とが可能になる。
【0017】
【0018】請求項に記載の発明によれば、請求項
に記載の発明の作用に加え、サイドフレームを構成する
複数の板材のうち上下に配置される二枚の板材の上下に
一部重複するように接合されるその接合部分を利用し、
その上下二枚の板材を含む複数の板材の接合部分にパイ
プ構造部が形成される。パイプ材を使用することなく、
板材の接合構造の工夫によって強度および剛性が高ま
る。
【0019】請求項に記載の発明によれば、請求項
に記載の発明の作用に加え、二枚の板材の折り曲げ端部
が上下に一部重複するように接合させることで、その接
合部にパイプ構造部が形成される。よって、二枚という
少ない数の板材によりパイプ構造部が形成される。例え
ば板材点数が少ないので、サイドフレームの組立作業が
簡単になる。
【0020】請求項に記載の発明によれば、請求項
に記載の発明の作用に加え、薄板材と平板材との接合部
分に厚肉の平板材を挟持することでパイプ構造部が形成
される。このため、厚肉の平板材の縦方向(高さ方向)
の長さを調整することで、強度の操作がし易くなるた
め、強度設計がし易くなる。また、折り曲げ部のための
曲げ加工を一枚の薄板材のみに施せばよく、曲げ加工等
の加工の手間を減らすことが可能になる。
【0021】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
〜5のいずれか一項に記載の発明の作用に加え、パイプ
構造部の内部には充填材が充填されているので、サイド
フレームの強度および剛性が一層高められる。
【0022】請求項7に記載の発明によれば、請求項1
〜6のいずれか一項に記載の発明の作用に加え、板材及
びパイプ構造部はリアフレーム部の前面より後方へ延出
し、この後方延出部が後輪支持フレーム部に接合されて
いるので、後輪から支持フレーム部を介して板材及びパ
イプ構造部に伝わる入力荷重に対しても、強度及び剛性
が確保される。
【0023】請求項8に記載の発明によれば、車体フレ
ームにおいて、請求項1〜7のいずれか一項に記載のサ
イドフレーム構造のサイドフレームが採用されることに
より、前輪と後輪の間に車幅方向に広い収容室が確保さ
れる。例えばバッテリ等の収容物を前輪と後輪の間に落
とし込む配置が可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
を具体化した第1の実施形態を図1〜図6に基づいて説
明する。
【0025】図6に示すように、産業車両としてのバッ
テリ式フォークリフト1は、前輪駆動・後輪操舵のカウ
ンタバランス型の四輪車である。車体2の前部にはマス
ト3がティルトシリンダ4を介して前後に傾動可能に設
けられている。マスト3はその後方に立設された油圧式
のリフトシリンダ5が駆動されることによりスライドし
て伸び縮みするとともに、フォーク6がマスト3に沿っ
て昇降する。バッテリ7は車体2の内部において前輪8
と後輪9との間に設けられたバッテリ室10に収容され
ている。座席11を上面に備えるフード12はその後端
を中心に開閉可能に設けられている。また、トーボード
13は前端を中心に開閉可能に設けられている。フード
12およびトーボード13を共に開くとともに、サイド
カバー14を取り外した状態で、バッテリ7の交換作業
は行われる。
【0026】図4は車体フレームFの要部を示す斜視図
である。同図に示すように、フロントフレーム部20と
リアフレーム部30はボトムフレーム部40の前後に立
設されている。フロントフレーム部20とリアフレーム
部30の間には車体左右両側を覆う状態にサイドフレー
ム50,50が連結されている。バッテリ室10は、左
右のサイドフレーム50,50と、前後のフレーム部2
0,30とに四方を囲まれた状態で車体フレームFの内
部に区画形成されている。
【0027】フロントフレーム部20は、フロントアク
スルプレート21、フロントクロスプレート22,2
3,24、マッドガード25、支持プレート26等を備
えている。各部材21,25,26はそれぞれ左右一対
設けられている。
【0028】左右のフロントアクスルプレート21は、
車幅方向に所定の間隔を隔てて配置され、車幅方向に水
平に延びる三枚のフロントクロスプレート22,23,
24を介して互いに連結固定されている。左右のマッド
ガード25は、左右のフロントアクスルプレート21の
外側面にそれぞれ溶接されている。各マッドガード25
の上面には支持プレート26がフロントアクスルプレー
ト21の上端部と平行に突出する状態に溶接され、フロ
ントアクスルプレート21の上端部と支持プレート26
とによって左右のティルトシリンダ4の基部を連結支持
するための左右一対のティルトシリンダ支持部(支持ブ
ラケット)27が構成されている。マッドガード25に
は左右のフロントピラー15(図6に示す)を連結する
ための連結孔25aが形成されている。
【0029】リアフレーム部30は、ボトムフレーム部
40から立設する左右外側のリアスタンドプレート31
及び左右内側のリアスタンドプレート32、左右上部を
覆うとともに車幅方向中央で凹むように下方へ屈曲する
左右のリアアッパプレート33、リアアクスルプレート
34等を備えている。リアアクスルプレート34は左右
のリアアッパプレート33の下方屈曲部下面に溶着さ
れ、その前部は左右のリアスタンドプレート32の後面
に溶接されている。左右外側のリアスタンドプレート3
1は、バッテリ室10の後面を形成するように下部がほ
ぼ鉛直に立設するとともに、その上部が斜め後方へ屈曲
して左右のリアアッパプレート33の下面に溶着されて
いる。リアアクスルプレート34の下面には、左右の後
輪(操舵輪)9を支持するリアアクスルビーム(図示せ
ず)を揺動可能に軸支するための前後一対のリアアクス
ルブラケット(図示せず)が固定されている。すなわち
リアフレーム部30は後輪9を支持する後輪支持フレー
ム部を構成している。左右一対のリアピラー16(図6
に示す)は、左右のリアアッパプレート33の上面に取
付けられた支持フレーム(図示せず)に組付けられてい
る。
【0030】サイドフレーム50は、アッパサイドプレ
ート51とロアサイドプレート52との上下二枚の板材
から構成される。アッパサイドプレート51とロアサイ
ドプレート52は上下に一部重複する状態で接合されて
いる。アッパサイドプレート51はバッテリ室10に相
当する箇所の上縁部位に凹部50aを有するように切削
加工された板材からなり、凹部50aの前後両端部には
前後へ斜め上方に延出する前後一対のリブ部51a,5
1bが形成されている。ロアサイドプレート52は側板
部52aと底板部52bとを有する断面略L字状に折り
曲げ形成され、左右のロアサイドプレート52の各底板
部52bは、四角平板状の底板41の左右両端部にそれ
ぞれ溶接されている。
【0031】ロアサイドプレート52の底板部52bの
前端部上には台板42を介してマッドガード25が溶接
支持されている。ボトムフレーム部40は、底板41お
よび台板42より構成される。
【0032】サイドフレーム50の前端部はマッドガー
ド25の背面と密接可能に湾曲し、その後端部はリアス
タンドプレート31の前面より後方へ延出している。サ
イドフレーム50の前端面はマッドガード25の背面に
密接状態に溶着され、サイドフレーム50の後端部内側
面がリアスタンドプレート31およびリアアッパプレー
ト33の各外側面に溶接されている。つまり、サイドフ
レーム50のリアフレーム部30の前面より後方へ延出
する後方延出部分が後輪支持フレーム30の側面に溶接
されている。
【0033】バッテリ室10は、フロントフレーム部2
0の後面と、リアフレーム部30の前面と、左右のサイ
ドフレーム50とに四方を囲まれた四角箱状に形成され
ている。左右のサイドフレーム50は板状構造であるの
で、従来の箱型構造に比べ車幅方向に薄型になってお
り、前輪8と後輪9の間にバッテリ7を収容するのに十
分に車幅方向に広い収容スペースが確保されている。
【0034】次にサイドフレーム50の構造を、図1〜
図3に従って詳しく説明する。なお、図3は図1におけ
るA視正断面図である。アッパサイドプレート51の下
端部には、外側へ下方斜めに屈曲してから元と平行な向
きに戻る角度で屈曲する折り曲げ部51cが前後方向全
域に亘り形成されている。一方、ロアサイドプレート5
2の上端部には、アッパサイドプレート51の下端部と
ほぼ同じ屈曲形状で内側へ屈曲する折り曲げ部52cが
形成されている。
【0035】すなわちアッパサイドプレート51の下端
部に設けられた折り曲げ部51cは、アッパサイドプレ
ート51の主たる面方向に対して外側へ斜め下方に屈曲
する斜面部51dと、主たる面方向と平行に延びる支持
板部51eとを有する。また、ロアサイドプレート52
の上端部に設けられた折り曲げ部52cは、ロアサイド
プレート52の主たる面方向に対して内側へ斜め上方に
屈曲する斜面部52dと、主たる面方向と平行に延びる
支持板部52eとを有する。そして、アッパサイドプレ
ート51とロアサイドプレート52は上下に一部重複さ
せた状態で、各支持板部51e,52eが相手側の折り
曲げ部51c,52cより所定距離のみ基端側部位の側
面に溶接されることにより互いに接合されている。アッ
パサイドプレート51とロアサイドプレート52の双方
の折り曲げ部51c,52cの接合より、サイドフレー
ム50には断面菱形状の中空部を有するパイプ構造部5
0bが前後方向全域に渡って延設されている。
【0036】図1,図4等に示すように、サイドフレー
ム50の上端ライン形状を決めているアッパサイドプレ
ート51は、パイプ構造部50bより上方へ延出する状
態に位置する一枚板であり、切削加工等により所望する
形状に加工し易いので、サイドフレーム50の上端ライ
ン形状の選択の自由度が高められる。アッパサイドプレ
ート51はパイプ構造部50bより上方に位置する部分
において、バッテリ室10に相当する前後方向中央部分
が凹設された形状に加工されることにより、凹部50a
と前後一対のリブ部51a,51bとが形成されてい
る。これによりサイドフレーム50は、その上端ライン
中央域で下方へ湾曲する凹部50aと、前後において斜
め上方へ延出する前後一対のリブ部51a,51bを有
する形状となっている。すなわち、サイドフレーム50
の前後端部の接合距離が前後一対のリブ部51a,51
bにより長く確保され、しかも凹部50aの存在によっ
てバッテリ室10に相当する箇所の高さ幅が短くなって
いる。
【0037】バッテリ7の交換作業は、サイドフレーム
50の上方に配設されたサイドカバー14(図6に示
す)を取り外して行われる。サイドフレーム50はバッ
テリ室10に相当する箇所の高さ幅が短くなっているの
で、バッテリ交換作業時のバッテリ7の吊り上げ量が少
なくて済むようになっている。
【0038】図5に示すように、バッテリ室10は車幅
方向に十分広く形成される。バッテリ7は例えば同図に
示すようにバッテリ室10において車幅方向片側に寄せ
て(同図のハッチング部分)に配置される。バッテリ室
10のうちバッテリ7の収容に使用されないスペース1
0aはオイルタンクや電装品等の収納に使用されてい
る。バッテリ室10にはその室内を区画する仕切に相当
する部材がないので、バッテリ室10内におけるバッテ
リ7や収容部品等のレイアウトの自由度が高くなってい
る。このため、収容部品のレイアウトを工夫することに
よりバッテリ室10の収納効率を高めることが可能で、
バッテリ室10を前後方向に広げなくてもバッテリ室1
0に収容すべき部品を全て配設することができるので、
前輪8と後輪9の間にバッテリ7を落とし込む配置の割
に、ホイールベースの比較的短いフォークリフト1とな
る。
【0039】次に上記のように構成される車体フレーム
構造の作用を説明する。サイドフレーム50を構成する
2枚のサイドプレート51,52は、前後端部をフロン
トフレーム部20及びリアフレーム部30に直結する一
枚板で構成されるので、サイドフレーム50の前後方向
に応力集中の原因となる継ぎ目などがない。積荷などに
起因してティルトシリンダ支持部27から入力される入
力荷重は、一枚板からなる各サイドプレート51,52
を前後方向に伝わってリアフレーム部30へ抜ける。こ
の際、サイドプレート51,52は撓むことがあって
も、その途中に応力集中箇所が発生することがない。ま
た、各サイドプレート51,52の接合部分に前後方向
に継ぎ目なく延設されたパイプ構造部50bによってサ
イドフレーム50の強度および剛性が高められるので、
強度の高いサイドフレーム構造となる。
【0040】また、後輪9からの荷重がリアフレーム部
30を介してサイドフレーム50に伝達される場合も、
後輪9からの入力荷重はサイドフレーム50を構成する
各サイドプレート51,52の一枚板をその途中に継ぎ
目などの応力集中箇所なく伝わり、しかもパイプ構造部
50bの存在によりサイドフレーム50の強度および剛
性が高められるので、後輪9からの入力荷重に対しても
強度が確保される。
【0041】さらにバッテリ7の交換作業時には、サイ
ドフレーム50のバッテリ室10に相当する箇所の高さ
幅が凹部50aの存在によって短くなっているので、バ
ッテリ7の交換時の吊り上げ量が少なく済む。このた
め、バッテリ7の交換作業性が向上する。
【0042】従って、この実施形態では以下の効果を得
ることができる。 (1)前後方向に継ぎ目のない一枚板からなる2枚のサ
イドプレート51,52を上下に一部重複させて接合
し、その接合部にパイプ構造部50bが延設されたサイ
ドフレーム構造であるので、サイドフレーム50を必要
な強度が確保しつつ薄型にすることができ、車体フレー
ムFの内部に車幅方向に十分広いバッテリ室10を区画
することができる。よって、バッテリ7を前輪8と後輪
9との間に落とし込む配置を採ることができ、座席11
をエンジン式フォークリフト並みに低い位置に設定する
ことができる。また、機台重心位置を低くできるので、
ピッチング等の問題が緩和される。また、座席11が低
いことからヘッドガード17を低く配置でき、天井の低
い屋内作業にも有効である。
【0043】(2)サイドフレーム50の上端ライン形
状を決めるアッパサイドプレート51が切削等の加工の
し易い板状であるため、サイドフレーム50の製造を複
雑にすることなくサイドフレーム50の上端ライン形状
の選択の自由度を高めることができる。例えばサイドプ
レート51を前後端部にリブ部51a,51bを有する
形状に容易に加工することができる。また、サイドフレ
ーム50のバッテリ室10に相当する箇所の高さ幅を短
くすべくサイドプレート51を前後方向中央部分で下方
へ湾曲する凹部50aを有する形状に容易に加工するこ
とができる。よって、前後のフレーム部20,30に対
するサイドフレーム50の前後端部接合距離をリブ部5
1a,51bの存在により長く確保してその繋ぎ部分の
接合強度を高く確保でき、凹部50aの存在によりサイ
ドフレーム50のバッテリ室10に相当する箇所の高さ
幅を短くすることによってバッテリ交換作業時のバッテ
リ7の吊り上げ量を少なく済ませることができる。
【0044】(3)2枚のサイドプレート51,52の
接合端部に折り曲げ部51c,52cを形成し、2枚の
サイドプレート51,52の接合部分に折り曲げ部51
c,52cによってパイプ構造部50bを形成している
ので、パイプ構造部50bを2枚という少ない数の板材
によって形成できる。また、パイプ構造部50bを形成
するのにサイドプレート51,52以外の部材が不要で
ある。
【0045】(4)仕切等の区画する部材のない車幅方
向に広いバッテリ室10が確保されるので、バッテリ室
10内におけるバッテリ7を含む収容部品のレイアウト
の自由度が高まる。収容部品のレイアウトの工夫により
収納効率を高めることでバッテリ室10の前後方向寸法
を短く済ませられ、ホイールベースの比較的短いフォー
クリフト1を提供できる。
【0046】(第2の実施形態)次に第2の実施形態を
説明する。この実施形態ではサイドフレームを構成する
板材を3枚使ってパイプ構造部を形成している。
【0047】図7,図8に示すように、サイドフレーム
50の構造は、平板状で薄肉のアッパサイドプレート5
3と、断面L字状のロアサイドプレート52と、平板状
で厚肉のサイドクロスプレート54とからなる。ロアサ
イドプレート52は外側に現れる意匠面となる板材で相
対的に薄肉の薄板材が使用されている。アッパサイドプ
レート53の外側面にロアサイドプレート52の折り曲
げ部52cが溶接され、アッパサイドプレート53とロ
アサイドプレート52の間に厚肉のサイドクロスプレー
ト54を挟持する状態で三者が溶接されている。これに
よりサイドフレーム50には3つのプレート52,5
3,54によって筒状に閉塞されたパイプ構造部50c
が形成されている。パイプ構造部50cはサイドフレー
ム50の前後に亘って延設されており、サイドフレーム
50はほぼ一様な断面構造を有している。
【0048】アッパサイドフレーム53は下端部が真っ
直ぐ延びる平板状である点を除き、第1の実施形態にお
けるアッパサイドプレートと同形状であり、その前後方
向中央部が凹設された凹部50aおよび前後一対のリブ
部53a,53bを有している。
【0049】このサイドフレーム構造では、厚肉のサイ
ドクロスプレート54の縦方向(高さ方向)の長さがサ
イドフレーム50の剛性を決定する要因となっており、
サイドクロスプレート54の縦方向長さの調整により剛
性を操作し易くなっている。このため、サイドクロスプ
レート54の縦方向長さの調整により強度設計がし易く
なっている。
【0050】また、パイプ構造部50cより上方へ延出
してサイドフレーム50の上端ライン形状を決めている
アッパサイドプレート53が板状であるので、その形状
の加工がし易い。そのため、サイドフレーム50の上端
ライン形状を、前後方向中央部分で下方へ湾曲する凹部
50aと、前後一対のリブ部53a,53bを有する形
状に設計しても、アッパサイドプレート53に切削等の
加工を施すのみで済むので、サイドフレーム50の製造
が簡単で済む。
【0051】また、サイドフレーム50のリアスタンド
プレート31の前面より後方へ延出する後方延出部がリ
アフレーム部30の外側面に接合されている点は前記第
1の実施形態と同様である。
【0052】この実施形態によれば、第1の実施形態で
述べた(1),(2),(4)の効果が同様に得られ
る。すなわち、(1)強度及び剛性を確保しつつサイド
フレーム50の薄型化を図り、車幅方向に広いバッテリ
室10を広く確保できる。(2)サイドフレーム50を
凹部50aとリブ部53a,53bのある形状に比較的
簡単に製造でき、サイドフレーム50の前後端部の接合
強度を確保しつつ、バッテリ7の吊り上げ量を少なくす
ることができる。(4)ホイールベースの比較的短いフ
ォークリフト1を提供できる。
【0053】その他、以下の効果が得られる。 (5)ロアサイドプレート52とアッパサイドプレート
53の間に厚肉のサイドクロスプレート54を挟持する
接合によりパイプ構造部50cを形成するので、サイド
クロスプレート54の縦方向長さを調整することによ
り、サイドフレーム50の強度設計がし易くなる。例え
ば継ぎ目があると、継ぎ目部分の応力集中等を考慮して
強度設計をしなければならず、計算が複雑になって強度
設計がし難くなるが、そのような継ぎ目がないので強度
設計がし易くなる。
【0054】(6)パイプ構造部50cを形成する三枚
のプレート52,53,54のうち一枚のみについて折
り曲げ加工をすればよいので、曲げ加工の手間が少なく
て済む。さらに折り曲げ加工される板材が意匠面となる
ロアサイドプレート52であるので、意匠のための曲げ
加工と一緒にパイプ構造部50cのための折り曲げ部を
成形することができ、この点からも加工の手間がかから
ない。さらに意匠面に使用される板材が薄板材なので、
折り曲げ加工がし易い。
【0055】(第3の実施形態)次に第3の実施形態を
説明する。この実施形態はパイプ構造部の内部に充填材
を充填した例である。
【0056】図9は、第1の実施形態のサイドフレーム
50において、アッパサイドプレート51とロアサイド
プレート52との接合部に形成されたパイプ構造部50
bの内部に充填材60を充填している。
【0057】また、図10は、第2の実施形態のサイド
フレーム50において、アッパサイドプレート53とロ
アサイドプレート52との接合部に形成されたパイプ構
造部50cの内部に充填材60を充填している。図9,
図10ともに充填材60としては発砲樹脂(例えば発砲
ウレタン)を使用している。充填材60はパイプ構造部
50b,50cの内部全体に充填されている。
【0058】充填材60は、その充填作業性の良さやサ
イドフレーム50の軽量化を考慮し、充填時に流動性が
あって比重の小さな材質、例えば樹脂が好ましい。ま
た、軽量化のうえでは発砲材料とするのがよい。樹脂は
ウレタン以外の公知の材質を使用することができる。
【0059】この実施形態では次の効果が得られる。 (7)パイプ構造部50b,50cの内部に充填材60
を充填したので、サイドフレーム50の強度および剛性
を一層向上させることができる。また、充填材60は発
砲樹脂(発砲ウレタン)からなるので、充填材を充填さ
せた構造の割にサイドフレーム50が軽量で済むととも
に、充填作業もし易い。さらに充填材60により振動吸
収効果が得られる。
【0060】なお、実施形態は前記に限定されるもので
はなく、例えば、次のように変更してもよい。 ○ 2枚のサイドプレートの接合部にパイプ構造部を形
成する構成は、前記各実施形態に限定されない。図11
に示すように、各サイドプレート51,52の接合端部
を断面L字状に折り曲げ、それぞれの折り曲げ端部51
f,52fを四角筒を形成するように接合し、パイプ構
造部50bを形成する。
【0061】○ 図12に示すように、アッパサイドプ
レート51の接合端部51iを断面略コ字状に折り曲
げ、ロアサイドプレート52の側板部52aの上部内面
に断面略コ字状の屈曲凹部51gを接合し、パイプ構造
部50dを形成する。屈曲凹部51iは屈曲凹部51g
および支持板部51hからなる。この構成によれば、2
枚のサイドプレート51,52のみでパイプ構造部50
dを形成でき、しかも一方(ロアサイドプレート52)
が平板状なので、寸法誤差が重複して接合部の寸法精度
が悪くなる不具合が発生し難く、強い接合強度が確保さ
れる。
【0062】○ 図13に示すように、ロアサイドプレ
ート52に意匠のための凸部52gを屈曲形成して凹凸
のある意匠面とし、その凹凸のある意匠部分裏面とアッ
パサイドプレート53の外側面とを接合させることによ
り、パイプ構造部50eを形成する。この場合、パイプ
構造部50eは2つ形成されるので、複数のパイプ構造
部50eによりサイドフレーム50の強度を一層高める
ことができる。また、意匠のための凸部52gを利用し
てパイプ構造部50eを形成できる。
【0063】○ パイプ構造部は、複数枚のサイドプレ
ートの接合部により形成することに限定されない。例え
ば図14に示すように、板材としての側板部55aと底
板部55bとを有するサイドプレート55の側面にパイ
プ材56を接合してパイプ構造部とすることができる。
パイプ材56はサイドプレート55の上端部を上方へ延
出させた状態となる所定高さに接合されている。そし
て、サイドプレート55の上方延出部分には、凹部50
aとリブ部55a(後側のリブ部は図示省略)を有する
上端ライン形状の加工が施されている。この構成によっ
ても、サイドフレーム50の前後端部の接合距離を長く
稼げ、しかもバッテリ室10に相当する箇所の高さ幅を
短くできる。その結果、サイドフレーム50の前後接合
強度を高く確保でき、しかもバッテリ7の交換作業時の
吊り上げ量を少なく済ませられる。
【0064】○ 図11〜図14に示した各サイドフレ
ーム50のパイプ構造部50b、50d,50e,56
の内部に充填材(例えば発砲樹脂)を充填させた構造と
することもできる。充填材を充填することでサイドフレ
ーム50の強度および剛性を高め、車体フレームFを一
層補強された構造にすることができる。
【0065】○ サイドフレーム50の上端ライン形状
は上記各実施形態の形状に限定されない。例えば機能面
から決まる形状ではなく意匠面から決まる所定形状を施
すこともできる。サイドフレームは例えばバッテリ室に
相当する箇所で上方へ膨らむ形状でもよい。また、サイ
ドフレームの前後端部一方のみを上方へ延出させた形状
でもよい。要するに形状を決める目的はどうであれ、本
サイドフレーム構造を採用すれば、製造の負担を増やさ
ずにサイドフレームの上端ライン形状の選択の自由度が
高まるので、その目的に応じた形状に設計し易くなる。
【0066】○ 1つのサイドフレームにパイプ構造部
が3つ以上あってもよい。この場合、複数の板材の接合
によるパイプ構造やパイプ材構造など、複数種のパイプ
構造部が混在してもよい。
【0067】○ パイプ構造部は、水平に対して斜め方
向に延びていたり、軽く湾曲して延びていてもよい。 ○ エンジン式フォークリフトに適用してもよい。
【0068】○ 産業車両はフォークリフトに限定され
ない。すなわち、フォークリフト以外の産業車両にサイ
ドフレーム構造を採用してよい。例えばトラクタショベ
ルに採用してよい。
【0069】前記実施形態及び別例から把握できる請求
項以外の技術的思想を以下に記載する。 (1)請求項において、前記パイプ構造部を形成する
前記複数の板材のうち少なくとも一枚は、前記パイプ構
造部を形成するための折り曲げ部を有している。この場
合、パイプ構造部の形成に必要な板材の数を減らすこと
ができる。
【0070】(2)請求項において、前記パイプ構造
部を形成する前記複数の板材のうち少なくとも一枚は薄
板材であり、該一枚の薄板材のみに前記パイプ構造部を
形成するための折り曲げ部が形成されている。この場
合、板厚の比較的薄い薄板材に曲げ加工をするので、折
り曲げ部を形成するための加工がし易い。
【0071】(3)請求項又は前記(2)の技術思想
において、前記薄板材は車両の外側面に現れる意匠面と
なる板材である。この場合、意匠面となる板材を意匠の
ための折り曲げ成形するときに一緒にパイプ構造部のた
めの折り曲げ部を成形でき、作業の手間が一度で済む。
【0072】(4)請求項6及び前記(1)〜(3)の
技術思想のいずれかにおいて、前記パイプ構造部の内部
に充填される充填材は樹脂からなる。この場合、充填材
の充填作業が比較的簡単でしかも充填量の割にサイドフ
レームが軽量で済む。
【0073】(5)請求項1〜7及び前記(1)〜
(4)のいずれかにおいて、前記収容室はバッテリ室で
ある。バッテリを前輪と後輪の間に落とし込むように配
置して、その配置位置を低くできる。また、請求項
発明に本構成が適用された場合、バッテリ交換作業時の
バッテリの吊り上げ量が少しで済む。
【0074】(6)産業車両は、四輪式のカウンタバラ
ンス型産業車両である。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1及び8に記
載の発明によれば、板材及びパイプ構造部の存在により
サイドフレームに高い強度を確保しつつサイドフレーム
を薄型にして車幅方向に広い収容室を確保できるととも
に、パイプ構造部より上方へ延出する部分が板材なの
で、サイドフレームの上端ライン形状を切削などの比較
的簡単な加工方法により形成でき、サイドフレームの上
端ライン形状の選択の自由度をその製造方法を複雑にす
ることなく高めることができる。また、サイドフレーム
の上端ライン形状を決める板材が収容室に相当する箇所
で下方へ凹設され、サイドフレームの前後端部の接合距
離を確保したまま収容室に相当する箇所の高さ幅のみを
短くできる。例えば収容室に収容されるバッテリ等の収
容物を取り出すとき、その吊り上げ量を少なくすること
ができる。
【0076】
【0077】請求項及び8に記載の発明によれば、請
求項に記載の発明の効果に加え、サイドフレームを構
成する複数の板材の接合部分を利用してパイプ構造部が
形成されるので、パイプ材を使用することなく板材のみ
によって強度および剛性を高めることができる。
【0078】請求項及び8に記載の発明によれば、請
求項に記載の発明の効果に加え、二枚の板材の折り曲
げ端部を上下に一部重複させて接合させてパイプ構造部
を形成するので、二枚という少ない数の板材によりパイ
プ構造部を形成することができる。よって、板材点数が
少なくサイドフレームの組立作業が簡単である。
【0079】請求項及び8に記載の発明によれば、請
求項に記載の発明の効果に加え、薄板材と平板材との
接合部分に厚肉の平板材を挟持することでパイプ構造部
が形成されるので、厚肉の平板材の縦方向長さを調整す
ることで強度設計をし易くできる。また、折り曲げ部を
形成するための曲げ加工を一枚の薄板材にのみ施せばよ
く、曲げ加工等の加工の手間を減らすることができる。
請求項5及び8に記載の発明によれば、板材及びパイプ
構造部の存在によりサイドフレームに高い強度を確保し
つつサイドフレームを薄型にして車幅方向に広い収容室
を確保できるとともに、パイプ構造部より上方へ延出す
る部分が板材なので、サイドフレームの上端ライン形状
を切削などの比較的簡単な加工方法により形成でき、サ
イドフレームの上端ライン形状の選択の自由度をその製
造方法を複雑にすることなく高めることができる。ま
た、サイドフレームを構成する複数の板材の接合部分を
利用してパイプ構造部が形成されるので、パイプ材を使
用することなく板材のみによって強度および剛性を高め
ることができる。さらに、薄板材と平板材との接合部分
に厚肉の平板材を挟持することでパイプ構造部が形成さ
れるので、厚肉の平板材の縦方向長さを調整することで
強度設計をし易くできる。また、折り曲げ部を形成する
ための曲げ加工を一枚の薄板材にのみ施せばよく、曲げ
加工等の加工の手間を減らすることができる。
【0080】請求項6及び8に記載の発明によれば、請
求項1〜5のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、
パイプ構造部の内部に充填材が充填されているので、サ
イドフレームの強度及び剛性を一層高めることができ
る。
【0081】請求項7及び8に記載の発明によれば、請
求項1〜6のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、
板材及びパイプ構造部がリアフレーム部の前面より後方
へ延出する後方延出部が後輪支持フレーム部に接合され
ているので、後輪から後輪支持フレーム部を介して伝わ
る入力荷重に対しても強度及び剛性の高いサイドフレー
ム構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態におけるサイドフレーム構造
を示す斜視図。
【図2】 サイドフレームの部分斜視図。
【図3】 サイドフレームの正断面図。
【図4】 車体フレームの斜視図。
【図5】 車体フレームの模式平面図。
【図6】 フォークリフトの側面図。
【図7】 第2の実施形態におけるサイドフレームの部
分斜視図。
【図8】 サイドフレームの正断面図。
【図9】 第3の実施形態におけるサイドフレームの正
断面図。
【図10】 同じくサイドフレームの正断面図。
【図11】 別例のサイドフレームの正断面図。
【図12】 図11と異なる別例のサイドフレームの正
断面図。
【図13】 図12と異なる別例のサイドフレームの正
断面図。
【図14】 図13と異なる別例のサイドフレームの正
断面図。
【図15】 従来のサイドフレーム構造の部分正面図。
【図16】 従来のサイドフレーム構造の部分正面図。
【図17】 従来のサイドフレーム構造を示す側面図。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、2…車体、8…
前輪、9…後輪、10…収容室としてのバッテリ室、2
0…フロントフレーム部、30…リアフレーム部、40
…ボトムフレーム部、50…サイドフレーム、50a…
凹部、50b,50c,50d,50e…パイプ構造
部、51…サイドフレームの上端ライン形状を決める板
材としてのアッパサイドプレート、53…サイドフレー
ムの上端ライン形状を決める板材及び平板材としてのア
ッパサイドプレート、51a,51b,53a,53b
…リブ部、52…板材、薄板材としてのロアサイドプレ
ート、51c,52c…折り曲げ端部、54…板材及び
厚肉の平板材としてのサイドクロスプレート、55…板
材としてのサイドプレート、56…パイプ材、60…充
填材、F…車体フレーム。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 産業車両の車体フレームの底部を構成す
    るボトムフレーム部の前後に立設されたフロントフレー
    ム部とリアフレーム部との間を、車体の左右側部を形成
    するとともに内部に収容室を区画する状態で連結する産
    業車両のサイドフレーム構造であって、 前記フロントフレーム部と前記リアフレーム部に前後端
    部を直結させた一枚以上の板材と、 前記板材のうちサイドフレームの上端ライン形状決め
    る板材を少なくとも一部上方へ延出させた状態で、前記
    板材のうち少なくとも一枚と一体に設けられ、前記フロ
    ントフレーム部と前記リアフレーム部の間に渡って継ぎ
    目なく延設されたパイプ構造部とを有し、 前記サイドフレームの上端ライン形状を決める板材は、
    前記パイプ構造部より上方へ延出する部分において前記
    収容室に相当する前後方向中央部位が下方へ凹設された
    凹部を有 する産業車両のサイドフレーム構造。
  2. 【請求項2】 前記板材は複数枚あり、少なくとも二枚
    の板材は上下に配置された状態で上下に一部重複するよ
    うに互いに接合され、該接合部分において該上下二枚の
    板材を含む複数の板材が前記パイプ構造部を形成するよ
    うに接合されている請求項1に記載の産業車両における
    サイドフレーム構造。
  3. 【請求項3】 前記二枚の板材の折り曲げ端部が上下に
    一部重複する状態で接合されることにより前記パイプ構
    造部が形成されている請求項2に記載の産業車両におけ
    るサイドフレーム構造。
  4. 【請求項4】 前記パイプ構造部を形成する前記複数の
    板材のうち少なくとも一枚は薄板材であり、該一枚の薄
    板材のみに前記パイプ構造部を形成するための折り曲げ
    部が形成され、該一枚の薄板材を除く他の板材は二枚の
    平板材であり、該二枚の平板材のうち一方が厚肉であっ
    て、前記薄板材と前記平板材との間に前記厚肉の平板材
    を挟持する接合により前記パイプ構造部が形成されてい
    る請求項2に記載の産業車両におけるサイドフレーム構
    造。
  5. 【請求項5】 産業車両の車体フレームの底部を構成す
    るボトムフレーム部の前後に立設されたフロントフレー
    ム部とリアフレーム部との間を、車体の左右 側部を形成
    するとともに内部に収容室を区画する状態で連結する産
    業車両のサイドフレーム構造であって、 前記フロントフレーム部と前記リアフレーム部に前後端
    部を直結させた一枚以上の板材と、 前記板材のうちサイドフレームの上端ライン形状決める
    板材を少なくとも一部上方へ延出させた状態で、前記板
    材のうち少なくとも一枚と一体に設けられ、前記フロン
    トフレーム部と前記リアフレーム部の間に渡って継ぎ目
    なく延設されたパイプ構造部とを有し、 前記板材は複数枚あり、少なくとも二枚の板材は上下に
    配置された状態で上下に一部重複するように互いに接合
    され、該接合部分において該上下二枚の板材を含む複数
    の板材が前記パイプ構造部を形成するように接合され、 前記パイプ構造部を形成する前記複数の板材のうち少な
    くとも一枚は薄板材であり、該一枚の薄板材のみに前記
    パイプ構造部を形成するための折り曲げ部が形成され、
    該一枚の薄板材を除く他の板材は二枚の平板材であり、
    該二枚の平板材のうち一方が厚肉であって、前記薄板材
    と前記平板材との間に前記厚肉の平板材を挟持する接合
    により前記パイプ構造部が形成されている産業車両にお
    けるサイドフレーム構造。
  6. 【請求項6】 前記パイプ構造部の内部には充填材が充
    填されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の産業
    車両におけるサイドフレーム構造。
  7. 【請求項7】 前記板材及び前記パイプ構造部は前記リ
    アフレーム部の前面より後方へ延出する後方延出部を有
    し、該後方延出部は後輪を支持する後輪支持フレーム部
    に接合されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の
    産業車両におけるサイドフレーム構造。
  8. 【請求項8】 産業車両の車体フレームの底部を構成す
    るボトムフレーム部と、該ボトムフレーム部の前後に立
    設されたフロントフレーム部及びリアフレーム部と、前
    記フロントフレーム部とリアフレーム部との間を車体の
    左右側部を形成するとともに内部に収容室を区画する状
    態で連結する請求項1〜7のいずれか一項に記載のサイ
    ドフレーム構造を有するサイドフレームとを備えている
    産業車両の車体フレーム。
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