JP3349488B2 - 有機el素子の製造方法 - Google Patents

有機el素子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL(エレク
トロルミネセンス)素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子では、水分により輝度が低
下する等の問題があり、通常、素子内部には吸湿剤が配
設される。この吸湿剤は封止キャップの凹部に投入さ
れ、粘着剤により貼着される透湿フィルムにより素子内
に散在しないようにされている。しかし、粘着剤から揮
散する揮発成分によりダークスポット、ダークエッジ等
のダークエリアが発生し、成長して素子の性能を損なう
ことがある。また、透湿フィルムそのものの内部に含ま
れる水分の揮散により、ダークスポット等が発生するこ
ともある。更に、透湿フィルムは非常に薄く、取り扱い
難いとの問題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点を解決するものであり、封止キャップとし
て、特に、金属製のものを使用し、且つ吸着剤を保持す
る金属部材を封止キャップの内面に固定することによっ
て、水分等による輝度の低下、ダークスポット等の発生
が十分に抑えられる有機EL素子の製造方法を提供する
ことを目的とする。また、これにより防湿が十分になさ
れ、長期に渡って安定した性能が発揮される有機EL素
子の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1発明の有機EL素子
の製造方法は、透明基板、該透明基板の表面に形成され
る有機EL積層体、及び該透明基板に接合され、該有機
EL積層体を封止する金属製の封止キャップを備える有
機EL素子の製造方法において、(1)該封止キャップ
の内面に一の金属多孔体を溶接により固定し、(2)他
の金属多孔体の中央部に凹部を形成し、該凹部内に吸湿
剤を投入し、その後、(3)上記一の金属多孔体と、上
記他の金属多孔体の上記凹部になっていない周縁部とを
当接させ、押圧することにより、上記一の金属多孔体と
上記他の金属多孔体とを一体とすることを特徴とする。
【0005】上記「透明基板」としては、有機EL積層
体の発光による文字、図形等の視認が損なわれない程度
の透明性を有する材質からなるものを使用することがで
きる。また、有機EL素子の表層としての形状を保持し
得るだけの強度を併せ有し、且つ表面が容易に傷付かな
い程度の硬さを有するものが好ましい。そのような基板
としては、ガラスの他、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート等からなるも
のを使用することもできる。この透明基板は無色透明で
あってもよいし、適宜の色調に着色された着色透明のも
のであってもよい。
【0006】上記「有機EL積層体」は、透明基板の表
面に、少なくとも陽極、有機EL薄膜及び陰極が、この
順に積層され、形成される。有機EL薄膜は少なくとも
発光層を備え、この発光層の他、正孔輸送層及び/又は
電子輸送層を備えていてもよい。更に、正孔注入層及び
/又は電子注入層を備えていてもよい。これらの各層
は、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、スパッ
タリング法及びLB法等、各種の方法によって形成する
ことができる。
【0007】有機EL薄膜を構成する各層は、それぞれ
種々の材質により形成することができる。発光層は、ベ
ンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系等の蛍光増白
剤、及び金属キレート化オキシノイド化合物、スチリル
ベンゼン系化合物等の金属錯体などにより形成すること
ができる。また、正孔輸送層はトリフェニルアミン誘導
体等により、電子輸送層はアルミキノリウム錯体等によ
り形成することができる。更に、正孔注入層は銅フタロ
シアニン錯体等により、電子注入層はアルカリ金属のフ
ッ化物又は酸化物等により形成することができる。
【0008】陽極及び陰極も、それぞれ種々の材質によ
り形成することができる。陽極は、金、ニッケル等の金
属単体、及びITO、CuI、SnO2、ZnO等の金
属化合物などを使用して形成することができ、生産性、
安定した導電性等の観点からITOを用いて形成するこ
とが特に好ましい。また、陰極は、マグネシウム−銀合
金又はマグネシウムと銀との混合物、ナトリウム、ナト
リウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アル
ミニウム、或いはインジウム、イッテルビウム等によっ
て形成することができる。
【0009】上記「封止キャップ」は、その周縁におい
て透明基板と接合される接合面を有し、その他の部分
は、この封止キャップと有機EL積層体とが接触しない
程度の空間が形成される形状であることが好ましい。封
止キャップは、ガラス又は合成樹脂からなるものであっ
てもよいが、金属部材を溶接により固定することができ
るとの観点から、ステンレス鋼、アルミニウム及びそれ
らの合金等の金属からなるものが特に好ましい。
【0010】封止キャップの接合面と、透明基板の有機
EL積層体が形成された面の周縁とは、封止樹脂によっ
て接合することができる。この接合は、接合面に封止樹
脂を塗布し、必要に応じて乾燥させ、硬化させること等
により行うことができる。封止樹脂としては、エポキシ
樹脂、アクリレート樹脂等の熱硬化性樹脂の他、光硬化
性樹脂などを使用することができる。光硬化性樹脂は、
硬化速度が大きいため特に好ましい。また、輝度の低下
等を抑えるため、水分等が透過し難い硬化体が形成され
る封止樹脂を使用することがより好ましい。尚、水分等
の侵入を十分に抑えるためには、接合面における樹脂層
の厚さは薄いほうが有利であり、接合性が損なわれない
範囲でより薄くすることが好ましい。
【0011】上記「吸湿剤」は特に限定されず、水分を
吸収し、除去することができるものであればよい。この
吸湿剤としては、Na2O、K2O等のアルカリ金属酸
化物、及びBaO、CaO、SrO等のアルカリ土類金
属酸化物、MgCl2、CaCl2等の金属ハロゲン化
物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属並びにそれら
の金属の合金、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライ
ト等の一般的な吸湿剤などが挙げられる。これらの吸湿
剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用するこ
ともできる。
【0012】吸湿剤としては、水分を物理的に吸着する
一般的な吸湿剤よりも、水分が化学的に吸着され、安定
に保持されるアルカリ金属酸化物及び/又はアルカリ土
類金属酸化物などがより好ましい。また、吸湿剤の形状
は特に限定されないが、球形、楕円形等であり、且つ微
細な粉末が好ましく、このような吸湿剤は、表面積が大
きく、優れた吸湿性を有する。
【0013】金属部材としては、上記「金属多孔体」が
挙げられる。例えば、ニッケル、銅、鉄等からなる金属
多孔体等が挙げられる。上記金属多孔体は、多数の空孔
を有し、それらの多くは連通している。その平均孔径
は、通常、100〜300μm程度であり、吸湿剤の平
均粒径は数μmであることが多く、金属多孔体の連通孔
には多量の吸湿剤を充填させ、保持させることができ
る。金属多孔体の連通孔は三次元的に形成されており、
吸湿剤は漏出し難いが、特に、開口部の近傍の吸湿剤の
漏出を防止するため、金属多孔体の所要面を押圧する等
して、開口径を吸湿剤が容易に漏出しないように小さく
することが好ましい。
【0014】上記金属多孔体にかえて、金属フェルト、
金属網状体等が使用できる。この金属網状体では、吸湿
剤が粗粒である場合は、漏出しないように保持すること
ができるが、吸湿性に優れる微細な吸湿剤を漏出しない
ように保持することは容易ではない。このように微細な
吸湿剤を用いる場合は、吸湿剤を加圧して錠剤状の成形
体とし、これを金属網状体からなる袋状容器に収納する
ことが好ましい。吸湿剤からなる成形体の大きさは特に
限定されないが、吸湿性能の観点からは表面積が大きい
ほうが好ましく、袋状容器から容易に漏出しない限り、
より小さな成形体とすることが好ましい。
【0015】また、吸湿剤のみでは成形体が崩れ易く、
形状の保持が難しい場合は、吸湿剤と銅等の延性に優れ
る金属粉末とを混合し、加圧成形することにより強度の
大きい成形体とすることができる。更に、吸湿剤、或い
は吸湿剤と銅等の金属粉末とを混合したものを金属網状
体からなる袋状容器に収納した後、加圧成形し、金属網
状体と吸湿剤等からなる成形体とがより一体に形成され
たものとすることもできる。
【0016】吸湿剤が充填された金属多孔体、或いは吸
湿剤等からなる成形体が収納された金属網状体からなる
袋状容器は、封止キャップの内面に固定される。そし
て、この封止キャップは有機EL積層体が形成された透
明基板に接合され、防湿構造が形成される。金属多孔
体、或いは袋状容器の封止キャップ内面への固定の方法
は特に限定されず、粘着剤、接着剤等を用いることもで
きるが、粘着剤等から揮散する揮発成分によりダークス
ポット等が発生することがある。そのため、第1発明
ように、金属製の封止キャップを使用し、金属多孔体又
は金属網状体等を溶接により固定することが好ましい。
溶接であれば、透湿フィルムばかりでなく、粘着剤、接
着剤も必要としないため、これらから発生する水分及び
揮発成分による有機EL素子の性能低下をより確実に抑
えることができる。
【0017】このような優れた防湿性能を有する防湿構
造を備える有機EL素子は、以下の方法により製造する
ことができる。第発明の有機EL素子の製造方法は、
(1)金属製の封止キャップの内面に一の金属多孔体を
溶接により固定し、(2)他の金属多孔体の中央部に凹
部を形成し、この凹部内に吸湿剤を投入し、その後、一
の金属多孔体と、他の金属多孔体の凹部になっていない
周縁部とを当接させ、押圧することにより、一の金属多
孔体と他の金属多孔体とを一体とする。
【0018】第発明において、(1)と(2)の工程
はいずれが先であってもよい。また、金属多孔体の上記
「凹部」は、金属、樹脂等からなり、凹部に対応する形
状を有する型を金属多孔体の所定位置に押し当てること
等により容易に形成することができる。凹部が形成され
る金属多孔体の全面積に対する凹部の面積割合は、この
金属多孔体の形状が維持され、且つ十分な防湿性が得ら
れる限り特に限定はされないが、通常、全面積の10〜
50%、特に15〜40%、更には20〜30%程度と
することができる。
【0019】また、凹部の底部の厚さは、吸湿剤を保持
するのに十分な強度を有しておればよく、特に限定はさ
れないが、この底部から吸湿剤が漏出することのない程
度に、金属多孔体の連通孔の開口部が細径化されている
ことが好ましい。従って、底部の厚さは、吸湿剤の平均
粒径及び金属多孔体の平均孔径によっても適宜に調整す
る必要がある。この凹部内に吸湿剤が投入された他の金
属多孔体の周縁を、封止キャップの内面に固定された一
の金属多孔体に当接し、押圧して、これらを一体とした
後、この封止キャップを有機EL積層体が形成された透
明基板に接合することにより、防湿構造を形成すること
ができる。尚、一の金属多孔体と他の金属多孔体とは、
その端面において互いに絡み合い、押圧によって容易に
強固に一体とすることができる。
【0020】第発明の有機EL素子の製造方法は、金
属多孔体を振動させつつ、この金属多孔体が有する連通
孔内に吸湿剤を充填し、その後、金属多孔体の一の表面
を押圧し、この表面から吸湿剤が脱落しないようにし、
次いで、金属多孔体の他の表面を金属製の封止キャップ
の内面に溶接により固定することを特徴とする。
【0021】第発明において、金属多孔体が有する連
通孔の平均孔径は、吸湿剤の平均粒径に比べて十分に大
きい。そのため、金属多孔体の一の表面に所要量の吸湿
剤を散布し、超音波等により振動させることにより、吸
湿剤を各々の連通孔に容易に均等に充填することができ
る。また、この吸湿剤の充填に際し、吸湿剤の散布量を
調整することにより、金属多孔体の一の表面の所要の厚
さに渡って、吸湿剤が充填されない部位を形成すること
が好ましい。そして、この部位を押圧することにより、
金属多孔体の表面を容易に変形させることができ、連通
孔の開口部を吸湿剤が漏出しない程度に細径化すること
ができる。
【0022】この吸湿剤が充填された金属多孔体の他の
面を封止キャップの内面に溶接により固定し、この封止
キャップを有機EL積層体が形成された透明基板に接合
することにより、防湿構造を形成することができる。
【0023】また、この第発明における押圧の後、第
発明のように、他の表面から吸湿剤を排出させ、次い
で、金属多孔体の上下を反転させて他の表面を上方に
し、金属多孔体を振動させつつ、連通孔内に再び吸湿剤
を充填し、その後、他の表面を押圧し、表面から吸湿剤
が脱落しないようにし、この他の表面又は一の表面のう
ちのいずれか一方を封止キャップの内面に溶接により固
定することもできる。このようにすれば、吸湿剤が充填
された金属多孔体の取り扱いが非常に容易となり、封止
キャップに溶接し、固定する際にも、金属多孔体の上
下、或いは充填された吸湿剤の散逸の防止等を考慮する
必要はまったくない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、有機EL素子の防湿構造の
形成及びこの防湿構造を備える有機EL素子の製造方法
を実施例により更に詳しく説明する。 実施例1(第発明に対応する有機EL素子の製造) (1)防湿構造の形成 厚さ2.5mmのニッケル製多孔体(片山特殊工業株式
会社製、商品名「FORMEX500」)を5×10m
mに裁断し、図1のように、この一の金属多孔体11の
四隅をステンレス鋼製の封止キャップの凹部の内面に
スポット溶接し、固定した。一方、同材質、同寸法の多
孔体の中心部をプレス機により押圧して2.5×5mm
の凹部を形成し、他の金属多孔体12とした。尚、この
凹部121の底部121bの厚さは約50μmであっ
た。
【0025】その後、他の金属多孔体12と、一の金属
多孔体11が内面に溶接され、固定された封止キャップ
5とを、120℃に調温されたオーブンに1時間静置
し、各々の表面に吸着されていた水分を除去した。次い
で、乾燥窒素ガス雰囲気(露点;−50℃以下)のグロ
ーブボックスに移し、このグローブボックス内におい
て、図2のように、他の金属多孔体12の凹部121内
に、吸湿剤4として粒径1〜10μmのBaO粉末0.
02gを投入した。その後、図3のように、一の金属多
孔体11と、他の金属多孔体12とを当接させ、ハンド
プレス機により圧力5MPaで押圧した。これにより、
界面における絡み合い等により、各々の多孔体は強固に
一体となり、図4のように、封止キャップ5の凹部51
の内面に、吸湿剤4が含有され、保持された金属部材1
が固定されてなる防湿構造が形成された。
【0026】(2)有機EL積層体の作製 ガラス製の透明基板6の表面に、蒸着法によりITO薄
膜からなる透明な陽極を形成した。その後、この陽極の
表面に、有機EL薄膜を蒸着法により形成した。有機E
L薄膜は、陽極の表面から、順次、CuPc及びα−N
PDからなる2層のホール輸送層、Alqからなる発光
層、及びLiFからなる電子注入層が積層され、形成さ
れている。次いで、有機EL薄膜の表面に、蒸着法によ
りAl薄膜からなる陰極を形成し、有機EL積層体7を
得た。
【0027】(3)有機EL素子の製造 吸湿剤4が含有され、保持された金属部材1が凹部51
の内面に固定された封止キャップ5の接合面にエポキシ
樹脂を塗布し、(2)において有機EL積層体7が形成
された透明基板6の周縁に接合させ、接合面の全面を加
圧しながら、紫外線によりエポキシ樹脂を硬化させ、図
5の有機EL素子9を得た。形成された接合層8は、
幅、厚さともに均一であった。尚、この封止操作は乾燥
窒素ガス雰囲気において行った。
【0028】比較例1〜5 防湿構造を形成せず、或いは防湿構造の形成を以下のよ
うにした他は、同様にして有機EL素子を製造した。 比較例1 吸湿剤を用いず、封止キャップのみを使用した他は、実
施例1と同様にして有機EL素子を製造した。 比較例2 封止キャップの凹部に吸湿剤は投入せず、ポリテトラフ
ルオロエチレン製の透湿フィルム(厚さ;100μm、
20×30mm)を両面テープで貼着した他は、実施例
1と同様にして有機EL素子を製造した。
【0029】比較例3 吸湿剤を含有しない金属部材を封止キャップの凹部の内
面に固定した他は、実施例1と同様にして有機EL素子
を製造した。 比較例4 透湿フィルムも金属部材も使用せず、封止キャップの凹
部に実施例1と同量の吸湿剤を投入した他は、実施例1
と同様にして有機EL素子を製造した。 比較例5 封止キャップの凹部に実施例1と同量の吸湿剤を投入
し、比較例2において用いたのと同材質、同寸法の透湿
フィルムを貼着した他は、実施例1と同様にして有機E
L素子を製造した。
【0030】(4)防湿性の評価 実施例1及び比較例1〜5において製造した有機EL素
子を、120℃の高温雰囲気に1時間及び120時間晒
した後、素子の端縁に発生したダークエッジの幅を測定
し、防湿性を評価した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果によれば、実施例1の有機EL
素子では、1時間経過後のダークエッジ幅は小さく、そ
の幅は120時間経過後もまったく変わらず、且つ各々
の素子によるばらつきもなく、非常に防湿性に優れてい
ることが分かる。一方、封止キャップのみを使用した比
較例1では、1時間経過後のダークエッジ幅は大きく、
この幅は120時間経過後には非常に大きくなるととも
に、そのばらつきも大きく、防湿性に劣る。また、透湿
フィルムのみを用いた比較例2では、このフィルムを金
属多孔体と同様に120℃で1時間加熱処理したにもか
かわらず、ダークエッジ幅は、1時間経過後が約38μ
m、120時間経過後が約210μmと著しく大きく、
比較例1、3の倍程度となっており、透湿フィルム或い
は両面テープによる水分、揮発成分の影響が明らかであ
る。
【0033】更に、金属多孔体のみを使用した比較例3
では、ダークエッジ幅は、1時間経過後が約16μm、
120時間経過後が約102μmであり、封止キャップ
のみを用いた比較例1と大差なく、金属多孔体が防湿性
に何ら影響を及ぼさないことが裏付けられている。ま
た、吸湿剤のみを使用した比較例4と、実施例1とは、
ほぼ同様の優れた防湿性が得られていることからも、金
属多孔体が防湿性に何ら影響を及ぼさないことがこの場
合も裏付けられている。尚、比較例4は、吸湿剤が有機
EL積層体を傷付けることが他の実験により確認されて
おり、実用に供することはできない。更に、吸湿剤と透
湿フィルムとを用いた比較例5では、吸湿剤を使用して
いない比較例1〜3に比べ、防湿性はかなり優れている
が、透湿フィルムの影響は大きく、実施例1並びに比較
例4に比べ、防湿性は相当に劣っていることが分かる。
【0034】(5)金属部材からの吸湿剤の漏出の有無 実施例1における金属部材を使用し、6Gの振動試験を
100時間行った後、素子を分解して内部を観察したと
ころ、吸湿剤の漏出はまったくみられなかった。これ
は、金属多孔体を押圧して形成した凹部の底部は十分に
細径化され、BaO粉末を通過させない三次元フィルタ
として機能しており、且つ押圧され、一体に圧縮された
金属部材がBaOを十分に保持することができるためで
あると考えられる。
【0035】 実施例2(第発明に対応する有機EL素子の製造) (1)防湿構造の形成 実施例1において用いたと同様のニッケル製多孔体を5
×10mmに裁断し、この金属多孔体を120℃に調温
されたオーブンに1時間静置し、その表面に吸着されて
いた水分を除去した。その後、乾燥窒素ガス雰囲気(露
点;−50℃以下)のグローブボックスに移し、このグ
ローブボックス内において、図6のように、金属多孔体
の一の表面21上に吸湿剤4として粒径1〜10μmの
BaO粉末0.02gを散布し、超音波により振動させ
て、BaO粉末を金属多孔体の連通孔内に充填した。ま
た、図7のように、金属多孔体の一の表面21側には所
定の厚さの吸湿剤が充填されない第1押圧代211を形
成し、プレス機により押圧し、図8のように、第1押圧
層212を形成した。
【0036】その後、金属多孔体を超音波により再び振
動させ、図9のように、吸湿剤を金属多孔体の他の表面
22から排出した。次いで、金属多孔体の上下を反転さ
せ、図10のように、金属多孔体の他の表面22上にB
aO粉末を散布し、超音波により振動させて、BaO粉
末を金属多孔体の連通孔内に充填した。また、一の表面
の場合の図7と同様に、金属多孔体の他の表面22側に
所定の厚さの吸湿剤が充填されない第2押圧代を形成
し、プレス機により押圧して第2押圧層221を形成し
た。このようにして、吸湿剤4が充填され、両表面が押
圧された図11の金属多孔体からなる金属部材2が形成
された。その後、この金属部材2と封止キャップ5とを
120℃に調温されたオーブンに1時間静置し、その表
面に吸着されていた水分を除去し、図12のように、封
止キャップ5の凹部51の内面に金属部材2をスポット
溶接し、固定した。
【0037】(2)有機EL素子の製造 実施例1と同様にして、ガラス製の透明基板6の表面
に、陽極、有機EL薄膜及び陰極が積層された有機EL
積層体7を作製し、実施例1と同様にして、封止キャッ
プ5の接合面を透明基板6周縁に接合させ、図13の有
機EL素子9を得た。形成された接合層8は、幅、厚さ
ともに均一であった。尚、この封止操作は乾燥窒素ガス
雰囲気において行った。
【0038】(3)防湿性の評価及び金属部材からの吸
湿剤の漏出の有無 この実施例2の有機EL素子の防湿性の評価を実施例1
の場合と同様にして行ったところ、1時間経過後のダー
クエッジ幅は小さく、その幅は120時間経過後もまっ
たく変わらず、且つ各々の素子によるばらつきもなく、
実施例1の素子と同様に、非常に防湿性に優れているこ
とが分かった。また、実施例1と同様にして振動試験を
行った後、素子を分解して内部を観察したところ、吸湿
剤の漏出はまったくみられなかった。これは、第1及び
第2押圧層ともに十分に細径化され、BaO粉末を通過
させない三次元フィルタとして機能しているためである
と考えられる。
【0039】尚、本発明においては、上記の実施例に限
られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更
した実施例とすることができる。即ち、ニッケルフェル
ト(片山特殊工業株式会社製、商品名「ファイベル」)
を使用し、同様にして有機EL素子を製造した場合も、
同様の優れた防湿性を有する素子とすることができる。
【0040】
【発明の効果】発明によれば、透湿フィルム及びこの
フィルムを封止キャップの内面に接合するための粘着剤
を使用しないため、これらから発生する水分等による輝
度の低下、ダークスポット等の発生が十分に抑えられ
る。また、金属多孔体を封止キャップに溶接により固定
することができ、より確実にダークスポット等の発生を
抑えることができる。従って、優れた防湿性を有する防
湿構造を備える有機EL素子を容易に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において、一の金属多孔体を封止キャ
ップの凹部の内面に接合した状態を示す断面図である。
【図2】実施例1において、他の金属多孔体に凹部を形
成し、吸湿剤を投入した状態を示す断面図である。
【図3】実施例1において、一の金属多孔体と他の金属
多孔体とを当接させた状態を示す断面図である。
【図4】実施例1において、当接させた一の金属多孔体
と他の金属多孔体とを押圧し、一体とした状態を示す断
面図である。
【図5】実施例1の有機EL素子の断面図である。
【図6】実施例2において、金属多孔体の一の表面上に
吸湿剤を散布し、振動させながら充填しつつある状態を
示す断面図である。
【図7】実施例2において、吸湿剤が充填されない押圧
代を残し、それ以外の部分に吸湿剤を充填した状態を示
す断面図である。
【図8】実施例2において、吸湿剤を充填した後、一の
表面を押圧し、押圧層を形成した状態を示す断面図であ
る。
【図9】実施例2において、他の表面から吸湿剤を排出
した状態を示す断面図である。
【図10】実施例2において、金属多孔体の上下を反転
させ、他の表面に吸湿剤を散布し、再び充填しつつある
状態を示す断面図である。
【図11】実施例2において、吸湿剤を充填した後、他
の表面を押圧し、両表面に押圧層が形成された金属多孔
体からなる金属部材を示す断面図である。
【図12】図11の金属部材を封止キャップの凹部の内
面に溶接し、固定した状態を示す断面図である。
【図13】実施例2の有機EL素子の断面図である。
【符号の説明】
1;吸湿剤が含有され、保持された金属部材、11;一
の金属多孔体、12;他の金属多孔体、121;他の金
属多孔体の凹部、121b;他の金属多孔体の凹部の底
部、2;吸湿剤が充填され、両表面が押圧された金属多
孔体からなる金属部材、21;金属多孔体の一の表面、
211;第1押圧代、212;第1押圧層、22;金属
多孔体の他の表面、221;第2押圧層、3;スポット
溶接部、4;吸湿剤、5;封止キャップ、51;封止キ
ャップの凹部、6;ガラス製の透明基板、7;有機EL
積層体、8;接合層、9;有機EL素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 寛倫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 牟田 光治 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所内 (72)発明者 竹内 万善 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所内 (72)発明者 村崎 孝則 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所内 (56)参考文献 特開2001−167876(JP,A) 特開 平11−329719(JP,A) 特開2001−167875(JP,A) 特開2001−176655(JP,A) 特開 平10−275679(JP,A) 特開2000−164350(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板、該透明基板の表面に形成され
    る有機EL積層体、及び該透明基板に接合され、該有機
    EL積層体を封止する金属製の封止キャップを備える有
    機EL素子の製造方法において、(1)該封止キャップ
    の内面に一の金属多孔体を溶接により固定し、(2)他
    の金属多孔体の中央部に凹部を形成し、該凹部内に吸湿
    剤を投入し、その後、(3)上記一の金属多孔体と、上
    記他の金属多孔体の上記凹部になっていない周縁部とを
    当接させ、押圧することにより、上記一の金属多孔体と
    上記他の金属多孔体とを一体とすることを特徴とする有
    機EL素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 透明基板、該透明基板の表面に形成され
    る有機EL積層体、及び該透明基板に接合され、該有機
    EL積層体を封止する金属製の封止キャップを備える有
    機EL素子の製造方法において、金属多孔体を振動させ
    つつ、該金属多孔体が有する空孔内に吸湿剤を充填し、
    その後、該金属多孔体の一の表面を押圧して該表面から
    該吸湿剤が脱落しないようにし、次いで、該金属多孔体
    の他の表面を上記封止キャップの内面に溶接により固定
    することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記押圧の後、上記他の表面から上記吸
    湿剤を排出させ、次いで、該他の表面を上方にし、上記
    金属多孔体を振動させつつ、上記空孔内に再び吸湿剤を
    充填し、その後、上記他の表面を押圧し、該表面から該
    吸湿剤が脱落しないようにし、次いで、上記一の表面又
    は上記他の表面のうちのいずれか一方を上記封止キャッ
    プの内面に溶接により固定する請求項記載の有機EL
    素子の製造方法。
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