JP3345769B2 - 熱延鋼帯の製造方法およびこの方法に使用する熱間圧延設備列 - Google Patents

熱延鋼帯の製造方法およびこの方法に使用する熱間圧延設備列

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JP3345769B2
JP3345769B2 JP28835796A JP28835796A JP3345769B2 JP 3345769 B2 JP3345769 B2 JP 3345769B2 JP 28835796 A JP28835796 A JP 28835796A JP 28835796 A JP28835796 A JP 28835796A JP 3345769 B2 JP3345769 B2 JP 3345769B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面性状の良好な
熱延鋼帯を製造するための熱間圧延設備および圧延方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱延鋼帯を製造する熱間圧延工程におい
ては、被圧延材は800〜1300℃の高温域で加熱・
圧延されるため、被圧延材の表面には酸化スケールが生
成する。スケールが被圧延材の表面に残っていると、圧
延中にスケールが被圧延材の表面に押し込まれて、熱延
鋼帯のスケール疵となってしまう。
【0003】スケール疵としては、次の2種類が知られ
ている。 (1)噛み込みスケール 仕上圧延機前のデスケーリングで完全に除去されなかっ
たスケールが、仕上圧延される際に、被圧延材の表面に
押し込まれて発生する。 (2)粒状スケール 仕上圧延機前のデスケーリングの後に発生した2次スケ
ールが、仕上圧延中に被圧延材の表面に押し込まれて発
生する。
【0004】噛み込みスケールを防止するには、デスケ
ーリング前の粗バー表面温度を高くすればよい。粗バー
表面温度が高いほど、スケールの生成量が多く、スケー
ルの内部応力が大きくなる。デスケーリング前後の温度
差が大きくなって、スケールと粗バーの界面に発生する
熱応力も大きくなるからである。
【0005】このことを利用した特開平6−26984
0は、デスケーリング装置の直前で、ガスバーナーを用
いて粗バー表面を加熱する方法である。一方、粒状スケ
ールを防止するには、デスケーリング後の粗バー表面温
度を低くして2次スケールの生成を抑制しなければなら
ない。
【0006】デスケーリング前の粗バー温度は、噛み込
みスケールを防止するには高いほどよいが、粒状スケー
ルを防止するには低いほどよい。つまり、両者が発生し
ない最適な温度範囲があり、デスケーリング前の粗バー
温度がそこに入るように制御する必要がある。
【0007】特開平6−269840では、ガスバーナ
ーを用いて粗バー表面を加熱しているため、温度の制御
はほとんど不可能である。粗バーの温度が低すぎたり、
高すぎたりして、噛み込みスケールと粒状スケールの両
方を防止するのは難しい。
【0008】また、ガスバーナーには、以下のような問
題点もある。 (1)ガスバーナーの点火、停止に予熱時間などの準備
期間が必要であり、生産性が低下してしまう。 (2)燃焼ガスが発生するために作業環境が悪化しやす
く、メンテナンス性に劣る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、制御
応答性に優れた加熱手段を備え、デスケーリングをより
確実に行って、スケール疵のない表面性状の優れた熱延
鋼帯を製造する熱間圧延設備列およびそれを用いた圧延
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の熱延鋼帯の製造方法は、スラブを圧延し
て粗バーとする粗圧延工程と、粗圧延して得られた粗バ
ーを加熱する加熱工程と、加熱された粗バー表面に高圧
水を噴射して酸化スケールを除去するデスケーリング工
程と、デスケーリングした粗バーに仕上げ圧延を施す仕
上げ圧延工程とを備えた熱延鋼帯の製造方法であって、
前記加熱工程は、加熱手段にソレノイド型誘導加熱装置
を用い、しかも、デスケーリング装置入側における粗バ
ー表面温度が1010℃以上1020℃以下になるよう
に、前記ソレノイド型誘導加熱装置を制御する工程を備
えていることを特徴とするものである。また、スラブを
圧延して粗バーとする粗圧延工程と、粗圧延して得られ
た粗バーを加熱する加熱工程と、加熱された粗バー表面
に高圧水を噴射して酸化スケールを除去するデスケーリ
ング工程と、デスケーリングした粗バーに仕上げ圧延を
施す仕上げ圧延工程とを備えた熱延鋼帯の製造方法であ
って、前記加熱工程は、加熱手段にソレノイド型誘導加
熱装置を用い、しかも、デスケーリング装置入側におけ
る粗バー表面温度が1000℃以上1020℃以下にな
るように、前記ソレノイド型誘導加熱装置を制御する工
程を備え、前記ソレノイド型誘導装置を制御する工程
は、加熱手段入側温度計、デスケーリング装置入側温度
計、輸送速度検出用テーブルロール及びこれらの検出手
段によって検出された粗バー表面温度や搬送速度をもと
にソレノイド型誘導加熱装置を制御する制御装置を備
え、前記粗バー表面温度と粗バー搬送速度と必要昇温量
からソレノイド型誘導加熱装置の出力を下式(1)より
求め、加熱手段入側温度計で検出した粗バー表面温度を
制御装置にフィードフォワードするか、または、デスケ
ーリング装置入側温度計で検出した粗バー表面温度をフ
ィードバックする工程を備えていることを特徴とする熱
延鋼帯の製造方法である。 P=C・W・H・V・ΔT ・・・(1) ここで、W:粗バーの幅、H:粗バーの厚さ、V:粗バ
ーの搬送速度、ΔT:必要昇温量、C:粗バーの比熱、
比重、ソレノイド型誘導加熱装置の効率などで決まる定
数。また、本発明の熱間圧延整備列は、所定温度のスラ
ブを粗圧延して粗バーとする粗圧延機と、粗圧延した粗
バーを加熱する加熱装置と、加熱した粗バーをデスケー
リングするデスケーリング装置と、デスケーリングした
粗バーを仕上げ圧延する仕上げ圧延機とを、この順に配
置した熱間圧延設備列において、前記加熱装置は、ソレ
ノイド型誘導加熱装置とし、前記加熱装置の入側には加
熱手段入側温度計、前記デスケーリング装置の入側には
デスケーリング装置入側温度計、粗バーの搬送速度を検
出するための搬送速度検出用テーブルロールを具備し、
かつ、前記加熱手段入側温度計と前記デスケーリング装
置入側温度計と前記搬送速度検出用テーブルロールの検
出値に基づいてソレノイド型誘導加熱装置の出力をフィ
ードフォワード或いはフィードバックして制御する制御
装置を備えることを特徴とするものである。
【0011】こうして、ソレノイド型誘導加熱装置で粗
バー表面を加熱した直後にデスケーリングを行うことに
よって、スケール疵のない表面性状に優れた熱延鋼帯を
製造することができる。
【0012】また、上記加熱装置を複数配置する。これ
により、デスケーリングをより確実に行うことができ
る。更に、本発明の熱延鋼帯の圧延方法は、上記の熱間
圧延設備列を用いた熱延鋼帯の圧延方法において、前記
デスケーリング装置入側における粗バー表面温度が10
00℃以上1020℃以下になるように、前記ソレノイ
ド型誘導加熱装置を制御して粗バーを加熱することを特
徴とするものである。これにより、スケール疵の防止を
一層効果的に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の圧延設備列の一例の概略
を図1に示す。所定温度のスラブは粗圧延機1で粗圧延
されて粗バ−2となる。粗バ−2はテーブルロール3に
よって仕上圧延機10に送られる途中、ソレノイド型誘
導加熱装置6を通過する際に、幅方向全体にわたり誘導
加熱された後、デスケーリング装置9により高圧水を表
面に噴射されてスケールを除去してから、仕上圧延機1
0で仕上圧延されて所定厚さの熱延鋼帯となる。
【0014】なお、4は加熱装置入側温度計、5は搬送
速度検出用テーブルロール、8はデスケーリング装置入
側温度計であり、7はこれらの粗バ−2の検出温度及び
搬送速度を元にして加熱装置6を制御する制御装置であ
る。
【0015】ここで、まず、噛み込みスケールを防止す
るために、デスケーリングをより確実に行う方法につい
て説明する。粗バ−2表面のスケールは、次の三つの力
により除去される。
【0016】(1)デスケーリング装置9により、粗バ
−2の表面に吹き付けられた高圧水の衝撃力。 (2)鋼とスケールの熱膨張率差に起因し、水流による
粗バ−2表面の温度低下によって発生する熱応力。
【0017】(3)スケールの生成が体積の膨張を伴う
ことから発生する、スケールの内部応力。 スケール除去をより確実に行うためには、これらの三つ
の力を大きくすればよい。
【0018】このうちの衝撃力については、水圧や流量
を上げるか、デスケーリング装置9のノズルを粗バ−2
に接近させることによって、大きくすることができる。
しかし、水圧や流量を上げるには、ポンプの高圧化、大
容量化が必要であるが、現状以上にすることは、コスト
や設置スペースあるいは水流の不安定化といった問題か
ら、もはや困難な状況である。
【0019】ノズルを粗バ−2に接近させる方法は、粗
バ−2の上反りなどの形状不良が生じた場合、粗バ−2
がデスケーリング装置9に衝突して、デスケーリング装
置9を破損する恐れがあるために、むやみにノズルと粗
バ−2の距離を小さくすることは危険である。
【0020】そこで、本発明の熱間圧延設備列では、熱
応力と内部応力を大きくすることによって、粗バ−2の
スケール剥離性を向上する。粗バ−2はソレノイド型誘
導加熱装置6で幅方向全体にわたって加熱された後に、
デスケーリング装置9で水流を吹き付けられてスケール
を除去される。
【0021】図3と図4は、デスケーリング前後の粗バ
ー板厚方向の温度分布を、比較した図であり、図3はデ
スケーリング前に誘導加熱を行わない場合、図4は誘導
加熱を行った場合である。実線はデスケーリング前の温
度分布、破線はデスケーリング後のそれを表す。
【0022】デスケーリング直前に粗バ−2を誘導加熱
することによって、デスケーリング前後の温度差が大き
くなり、鋼とスケールの熱膨張率差に起因した熱応力も
大きくなって、スケール剥離性が向上する。
【0023】スケールの内部応力も本発明によって大き
くすることができる。スケールの生成量は、温度が高い
ほど増加する。スケールは鋼に対して、約1.4倍の体
積膨張があるので、スケールの生成量が多いほどスケー
ルの内部応力が大きくなり、スケールと鋼の界面に発生
する応力も大きくなって、スケールが剥離しやすくな
る。
【0024】本発明では、デスケーリングの直前に粗バ
−2を加熱することにより、生成するスケール量を多く
して、スケール除去を確実に行う。複数台のソレノイド
型誘導加熱装置6を設置して、デスケーリングの前に粗
バ−2の昇温と放熱を繰り返すことも有効である。図2
に三台のソレノイド型誘導加熱装置6を設置した設備列
を示す。
【0025】粗バ−2は誘導加熱によって昇温し、ソレ
ノイド型誘導加熱装置6を出てから次のソレノイド型誘
導加熱装置6に入るまでの間に、放熱によって温度が低
下する。このとき、スケールと粗バーの界面に発生する
熱応力によって、スケールに微細なクラックが発生す
る。このクラックによって、次の誘導加熱中に酸素がス
ケール内を拡散する速度が増し、スケールの成長が速く
なって、スケール内部応力が大きくなるからである。
【0026】次に、粒状スケールの防止について述べ
る。粒状スケールの原因は、デスケーリング後に生成す
る2次スケールである。2次スケ−ルの発生を抑制する
には、デスケーリング後の温度を低くすればよい。粒状
スケールはデスケーリング装置9直前のデスケーリング
装置入側温度計8で検出される温度が、1020℃以上
になると発生しやすくなる。粒状スケールを防止するに
は、デスケーリング装置9入側における、粗バ−2の表
面温度を1020℃以下にすればよい。
【0027】噛み込みスケールを防止するためには、デ
スケーリング前の粗バー表面温度が高いほどよいことか
ら、デスケーリング装置入側温度計8で検出される粗バ
ー表面温度が1000〜1020℃の間になるように、
ソレノイド型誘導加熱装置6を制御すれば、噛み込みス
ケール、粒状スケールともに防止することができる。
【0028】粗バ−2を加熱する手段として、ガスバー
ナー、通電加熱装置、誘導加熱装置が考えられるが、ソ
レノイド型誘導加熱装置6を選択するべきである。その
理由は以下のようなものである。
【0029】ガスバーナーを用いる方法は、特開平6−
269840に提案されているものであるが、[発明が
解決しようとする課題]に述べたような問題点があり、
実用に耐えるものではない。特に、噛み込みスケールと
粒状スケールの両者を防止するためには、デスケーリン
グ装置入側温度計8で測定される粗バ−2表面温度を、
1000〜1020℃という極めて狭い温度域に制御し
なければならないが、ガスバーナーではこのような精緻
な温度制御は不可能である。
【0030】電極を粗バ−2に接触させて直接通電して
加熱する通電加熱方式では、粗バ−2と電極の間にスパ
ークが発生して、粗バ−2の表面に疵をつける可能性が
ある。また、電極の消耗が激しく、頻繁に電極の交換が
必要であることや、制御応答性に劣ることも問題であ
る。
【0031】これに対して、誘導加熱装置は制御応答性
に優れ、能力の範囲内であれば粗バ−2の表面温度をい
かようにも変えることができる。粗バ−2に非接触で加
熱できるため、粗バ−2の表面に疵をつける恐れがな
い。作業環境が悪化することもなく、メンテナンス性に
も優れるなど、他の方法に比べて著しい優位性がある。
【0032】誘導加熱方式には、磁束が粗バ−2の板厚
方向と平行に発生するトランスバース型と、磁束が粗バ
−2の長手方向と平行に発生するソレノイド型の二種類
がある。
【0033】図5に、誘導加熱前、トランスバース型誘
導加熱装置による加熱直後、およびソレノイド型誘導加
熱装置による加熱直後の粗バ−2板厚方向温度分布を示
す。トランスバース型の場合は、渦電流密度が板厚方向
にほぼ均一であるために、誘導加熱後の温度分布は加熱
前の温度分布を反映して、粗バー表面で最も低く、板厚
中心で最も高い分布となる。これに対して、ソレノイド
型の場合は、表皮効果により、渦電流密度は粗バー表層
部で最も高く、板厚中心で最も低くなる。その結果、誘
導加熱後の温度分布は粗バー表面で最も高く、板厚中心
で最も低い分布となる。
【0034】図5から、同じ表面温度を得るために必要
な電力は、ソレノイド型の方が小さいことがわかる。図
6に、誘導加熱した後にデスケーリングした直後の粗バ
ー板厚方向温度分布を示す。図5で見たように、デスケ
ーリング前の粗バー板厚中心部の温度はトランスバース
型の方がソレノイド型よりも高いことから、デスケーリ
ング後の粗バー板厚中心部の温度もトランスバース型の
方が高くなっている。デスケーリング直後の表面温度が
同じでも、その後の板厚中心部からの復熱で、粗バー表
面の温度が上昇する度合いは、トランスバ一ス型の方が
大きい。
【0035】粒状スケールを防止するには、デスケーリ
ング後の粗バー表面温度を低くする必要があることから
も、ソレノイド型の方が有利であるといえる。以上のこ
とから、加熱手段としては、ソレノイド型誘導加熱装置
6が最も優れている。
【0036】なお、粗バ−2程度の大きさの被加熱材の
場合、表皮効果を十分に活用するためには、ソレノイド
型誘導加熱装置6の周波数は1000Hz以上にするこ
とが望ましい。
【0037】また、デスケーリング装置9の水流がソレ
ノイド型誘導加熱装置6にもかかる可能性があるため、
ソレノイド型誘導加熱装置6は防水構造でなければなら
ない。具体的には、粗バー2の入出口以外には開口部の
ないケースの中にソレノイド型誘導加熱装置6を入れ、
ケ一スに接続したダクトから、送風フアンによって清浄
な空気を供給して、ケース内を正圧に維持する方法(特
開平6−330158)などを用いる。
【0038】本発明では、デスケーリング装置入側にお
ける粗バ−2表面温度を精密に制御する必要があるた
め、加熱装置入側温度計4やデスケーリング装置入側温
度計8、搬送速度検出用テーブルロール5、およびこれ
らの検出手段によって検出された粗バー表面温度や搬送
速度をもとに、ソレノイド型誘導加熱装置6を制御する
制御装置7を備える。
【0039】制御方法としては、加熱手段入側温度計4
で検出した粗バー表面温度を制御装置7にフィードフオ
ワードするか、デスケーリング装置入側温度計8で検出
した粗バ−2表面温度をフィードバックする方法があ
る。
【0040】搬送速度検出用テーブルロール5の回転速
度から計算された粗バ−2搬送速度は、必要昇温量ΔT
からソレノイド型誘導加熱装置6の出力Pを次式により
計算するのに用いられる。
【0041】P=C・W・H・V・ΔT ここで、Wは粗バ−2の幅、Hは粗バ−2の厚さ、Vは
粗バー搬送速度、Cは粗バ−2の比熱、比重及びソレノ
イド型誘導加熱装置6の効率などで決まる定数である。
【0042】
【実施例】本発明の効果を、実施例により具体的に説明
する。本発明の熱間圧延設備列により、板厚30mmの
粗バーを仕上圧延して、板厚1.4mmの熱延鋼帯とし
た。鋼種は低炭素鋼である。デスケーリング装置入側温
度計で測定した粗バー幅方向中央部の表面温度と、熱延
鋼帯の表面性状の関係を、表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】デスケーリング装置入側温度が1030と
1050℃の熱延鋼帯については粒状スケールが、96
0と990℃の熱延鋼帯については噛み込みスケールが
見いだされた。表1から、加熱装置出側が1000〜1
020℃であれば、噛み込みスケール、粒状スケールと
もに防止されることがわかる。
【0045】同様に、厚さ30mmの粗バーを仕上圧延
して、厚さ1.4mmの熱延鋼帯とした。粗バーをソレ
ノイド型誘導加熱装置で制御加熱した場合の、加熱装置
入側温度計で測定した粗バー表面温度と、デスケーリン
グ装置入側温度計で測定した粗バー表面温度を表2に示
す。
【0046】
【表2】
【0047】ソレノイド型誘導加熱装置は制御応答性に
優れており、加熱装置入側温度が900〜1000℃の
範囲で、デスケーリング装置入側温度をいずれも101
0℃にすることができる。なお、表2の熱延鋼帯からは
噛み込みスケール、粒状スケールのいずれも見いだされ
なかった。
【0048】
【発明の効果】本発明によると、仕上圧延前のデスケー
リングを確実に行うことができ、スケール疵のない表面
性状の良好な熱延鋼帯を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧延設備列の一例の概要を示す説明
図。
【図2】本発明の圧延設備列の他の例の概要を示す説明
図。
【図3】誘導加熱しない場合の、デスケーリング前後の
粗バー板厚方向温度分布を示す説明図。
【図4】ソレノイド型誘導加熱装置で粗バーを加熱した
場合の、デスケーリング前後の粗バー板厚方向温度分布
を示す説明図。
【図5】誘導加熱前後の粗バー板厚方向温度分布を、ソ
レノイド型誘導加熱装置と卜ランスバース型誘導加熱装
置とで比較して示す説明図。
【図6】誘導加熱した後にデスケーリングした直後の粗
バー板厚方向温度分布をソレノイド型誘導加熱装置とト
ランスバース型誘導加熱装置とで比較して示す説明図。
【符号の説明】
1…粗圧延機、2…粗バー、3…テーブルロール、4…
加熱装置入側温度計、5…搬送速度検出用テーブルロー
ル、6…ソレノイド型誘導加熱装置、7…制御装置、8
…デスケーリング装置入側温度計、9…デスケーリング
装置、10…仕上圧延機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 雅明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 寺内 琢雅 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 江田 尚智 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−269840(JP,A) 富士時報,Vol.68 No.4,第 220〜224頁 JME材料科学 金属の高温酸化,株 式会社内田老鶴圃,1986年12月10日,第 1版,第111〜112頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 45/00 B21B 1/26 B21B 45/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スラブを圧延して粗バーとする粗圧延工程
    と、粗圧延して得られた粗バーを加熱する加熱工程と、
    加熱された粗バー表面に高圧水を噴射して酸化スケール
    を除去するデスケーリング工程と、デスケーリングした
    粗バーに仕上げ圧延を施す仕上げ圧延工程とを備えた熱
    延鋼帯の製造方法であって、前記加熱工程は、加熱手段にソレノイド型誘導加熱装置
    を用い、しかも、デスケーリング装置入側における粗バ
    ー表面温度が1010℃以上1020℃以下になるよう
    に、前記ソレノイド型誘導加熱装置を制御する工程を備
    えていることを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
  2. 【請求項2】スラブを圧延して粗バーとする粗圧延工程
    と、粗圧延して得られた粗バーを加熱する加熱工程と、
    加熱された粗バー表面に高圧水を噴射して酸化スケール
    を除去するデスケーリング工程と、デスケーリングした
    粗バーに仕上げ圧延を施す仕上げ圧延工程とを備えた熱
    延鋼帯の製造方法であって、前記加熱工程は、加熱手段にソレノイド型誘導加熱装置
    を用い、しかも、デスケーリング装置入側における粗バ
    ー表面温度が1000℃以上1020℃以下になるよう
    に、前記ソレノイド型誘導加熱装置を制御する工程を備
    え、 前記ソレノイド型誘導装置を制御する工程は、加熱手段
    入側温度計、デスケーリング装置入側温度計、輸送速度
    検出用テーブルロール及びこれらの検出手段によって検
    出された粗バー表面温度や搬送速度をもとにソレノイド
    型誘導加熱装置を制御する制御装置を備え、前記粗バー
    表面温度と粗バー搬送速度と必要昇温量からソレノイド
    型誘導加熱装置の出力を下式(1)より求め、 加熱手段入側温度計で検出した粗バー表面温度を制御装
    置にフィードフォワードするか、または、デスケーリン
    グ装置入側温度計で検出した粗バー表面温度をフィード
    バックする工程を備えていることを特徴とする熱延鋼帯
    の製造方法。 P=C・W・H・V・ΔT ・・・(1) ここで、W:粗バーの幅、H:粗バーの厚さ、V:粗バ
    ーの搬送速度、ΔT:必要昇温量、C:粗バーの比熱、
    比重、ソレノイド型誘導加熱装置の効率などで決まる定
    数。
  3. 【請求項3】所定温度のスラブを粗圧延して粗バーとす
    る粗圧延機と、粗圧 延した粗バーを加熱する加熱装置
    と、加熱した粗バーをデスケーリングするデスケーリン
    グ装置と、デスケーリングした粗バーを仕上げ圧延する
    仕上げ圧延機とを、この順に配置した熱間圧延設備列に
    おいて、 前記加熱装置は、ソレノイド型誘導加熱装置とし、前記
    加熱装置の入側には加熱手段入側温度計、前記デスケー
    リング装置の入側にはデスケーリング装置入側温度計、
    粗バーの搬送速度を検出するための搬送速度検出用テー
    ブルロールを具備し、かつ、前記加熱手段入側温度計と
    前記デスケーリング装置入側温度計と前記搬送速度検出
    用テーブルロールの検出値に基づいてソレノイド型誘導
    加熱装置の出力をフィードフォワード或いはフィードバ
    ックして制御する制御装置を備えることを特徴とする熱
    間圧延設備列。
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