JP3345295B2 - エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤ

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JP3345295B2
JP3345295B2 JP07475097A JP7475097A JP3345295B2 JP 3345295 B2 JP3345295 B2 JP 3345295B2 JP 07475097 A JP07475097 A JP 07475097A JP 7475097 A JP7475097 A JP 7475097A JP 3345295 B2 JP3345295 B2 JP 3345295B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高能率な大入熱用の
エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤに関
し、特に、溶接部の低温靱性を改善したエレクトロガス
アーク溶接用フラックス入りワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロガスアーク溶接部の低温靭性
を改善する技術として、特開平4−89196号公報又
は特開平4−279295号公報に開示されたものがあ
る。
【0003】特開平4−89196号公報には、スラグ
生成剤が金属弗化物のみからなるフラックスを鋼製外皮
中に充填して、複合ワイヤ全重量に対して、金属弗化
物:0.7〜1.5%、Mn:0.7〜1.5%、S
i:0.15〜0.5%、Mg:0.1〜0.6%、T
i:0.05〜0.25%、Ni:1.5〜4.5%、
B:0.002〜0.02%、鉄粉:10〜25%を含
有させたエレクトロガスアーク溶接用複合ワイヤが開示
されている。また、特開平4−279295号公報に
は、スラグ生成剤が金属弗化物と金属酸化物からなり、
金属弗化物/金属酸化物=0.3〜0.8であるフラッ
クスを鋼製外皮中に充填して、複合ワイヤ全重量に対し
て、スラグ生成剤:0.7〜1.5%、Mn:0.7〜
1.5%、Si:0.15〜0.5%、Mg:0.1〜
0.6%、Ti:0.05〜0.25%、Ni:1.5
〜4.5%、B:0.002〜0.02%、鉄粉:10
〜25%、必要に応じてAl:0.005〜0.25%
をフラックスに含有させ、かつ鋼製外皮+フラックス中
のCの総和を0.02〜0.06%としたエレクトロガ
スアーク溶接用複合ワイヤが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術で開示されているエレクトロガスアーク溶接
用フラックス入りワイヤは、比較的入熱量が低い(約1
00kJ/cm)場合に有効であり、大入熱溶接(20
0kJ/cm以上)においては、溶接金属の靭性を改善
できるまでは至っていない。
【0005】最近のコンテナ船のシャーストレーキに代
表されるように、肉厚部へのエレクトロガスアーク溶接
の適用が近時注目されているが、従来、この肉厚部に大
入熱のエレクトロガスアーク溶接を適用すると、溶接施
工能率は優秀であるものの、溶接部において、充分な靭
性が得られず、このため、この種の分野において、大入
熱エレクトロガスアーク溶接は未だ適用されていないの
が現実である。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、大入熱溶接において、良好な低温靭性を有
する溶接部を形成することができる高能率なエレクトロ
ガスアーク溶接用ワイヤを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエレクトロ
ガスアーク溶接用ワイヤは、鋼製外皮中にフラックスを
充填してなり、鋼材をエレクトロガスアーク溶接するた
めのフラックス入りワイヤにおいて、フラックス充填率
が20乃至30量%であり、ワイヤ全量に対する
量%で、C(外皮中のCを含む):0.02乃至0.1
0%、Si(外皮中のSiを含む):0.20乃至0.
60%、Mn(外皮中のMnを含む):1.5乃至2.
5%、Ni:1.5乃至3.5%、Ti:0.10乃至
0.30%、B:0.004乃至0.025%、Mg:
0.10乃至0.50%、金属弗化物(F換算):0.
20乃至1.00%、Ca:0.20乃至1.20%を
含有し、P:0.02%以下、S:0.02%以下に規
制され、Ti/B比が5乃至50であり、外皮中のC量
(ワイヤ全量あたり)をCH、フラックス中のC量
(ワイヤ全量あたり)をCFとしたとき、CH/CF
比が0.10乃至2.50となることを特徴とする。
【0008】このエレクトロガスアーク溶接用フラック
ス入りワイヤにおいて、更に、ワイヤ全重量に対する重
量%で、Al:0.10%以下を含有することができ
る。
【0009】また、ワイヤ全重量に対する重量%で、M
o:0.50%以下及びCr:0.50%以下の少なく
とも一方を含有することができる。
【0010】更に、ワイヤ全重量に対する重量%で、ア
ルカリ金属化合物をアルカリ元素換算値で0.01乃至
0.50%含有することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエレクトロガスア
ーク溶接用フラックス入りワイヤにおける各成分の添加
理由及び組成限定理由について説明する。なお、以下、
各成分の%は、ワイヤ全重量に対する割合である。
【0012】C(炭素):0.02乃至0.10%(外
皮中のCも含む) Cが0.02%未満では、焼入性が不足し、溶接部の靭
性及び引張性能が劣化する。一方、Cが0.10%を超
えると、溶接部の強度が高くなりすぎ、靭性が劣化する
と共に、高温割れが生じやすくなる。このため、外皮も
含めて、C量を0.02乃至0.10%、好ましくは
0.04乃至0.07%にする。
【0013】Si(シリコン):0.20乃至0.60
%(外皮中のSiも含む) Siが0.20%未満では、溶接部の延性が低下し、逆
にSiが0.60%を超えると、溶接部の強度が過剰に
高くなり、靭性が劣化して高温割れが生じやすくなる。
このため、Si量は0.20乃至0.60%、好ましく
は0.30乃至0.50%とする。このSi量を調節す
るための、Si源としては、Fe−Si及びFe−Si
−Mn合金等がある。
【0014】Mn(マンガン):1.5乃至2.5%
(外皮中のMnも含む) Mnが1.5%未満では、焼入性が不足し、溶接金属部
の靭性及び引張性能が劣化する。一方、Mnが2.5%
を超えると、強度が高くなりすぎ、靭性が劣化して高温
割れが生じやすくなる。このため、Mn量は1.5乃至
2.5%、好ましくは1.5乃至2.0%とする。この
Mn源としては、金属Mn及びFe−Mn、Fe−Si
−Mn等の合金がある。
【0015】Ni(ニッケル):1.5乃至3.5% Niは溶接部の低温靭性を安定させる作用を有し、常に
低温靱性が優れた溶接部を得ることができる。Niが
1.5%未満では、溶接部の低温靭性が低下する。ま
た、Niが3.5%を超えると、強度が高くなりすぎ、
靭性が劣化して高温割れが生じやすくなる。このため、
Niは1.5乃至3.5%、好ましくは1.8乃至2.
8%とする。Ni源としては、金属Ni及びNi−Mg
等の合金がある。
【0016】Ti(チタン):0.10乃至0.30% B(ボロン):0.004乃至0.025% TiとBとを複合添加すると、組織が微細化することに
より、靭性が強化される。Tiが0.10%未満又はB
が0.004%未満では、靭性強化効果が発揮されず、
得られる溶接部の靭性が低いものとなる。一方、Tiが
0.30%を超えるか、又はBが0.025%を超える
と、強度が過剰となり、靭性が劣化して高温割れが生じ
やすくなる。このため、Tiは0.10乃至0.30
%、好ましくは0.15乃至0.25%にする。また、
Bは0.004乃至0.025%、好ましくは0.00
8乃至0.015%とする。Ti源としては、金属Ti
及びFe−Ti等の合金がある。B源としては、Fe−
B、Fe−Si−B等の合金又は特殊ガラス等の酸化物
がある。なお、酸化物で添加する場合には、B換算量で
上記範囲とする。TiとBとの個別の添加量は上記範囲
であるが、後述するように、本願発明の目的である大入
熱溶接において良好な低温靱性を得るためには、Ti/
B比も調整する必要がある。
【0017】Mg(マグネシウム):0.10乃至0.
50% Mgは強脱酸剤であるため、その添加により溶接金属の
酸素量を低減し、靭性を向上させることができる。Mg
量が0.10%未満では、溶接金属の脱酸不足により靭
性が向上しない。一方、Mg量が0.50%を超える
と、溶接作業性が劣化し、スパッタ発生量が増加し、ス
ラグ発生量が増加することにより、アークが不安定とな
る。このため、Mg含有量は0.10乃至0.50%と
する。Mg源としては、金属Mg及びNi−Mg、Fe
−Si−Mg、Al−Mg等の合金がある。
【0018】P(リン):0.02%以下 P量が多くなると、靭性及び耐割れ性が劣化するため、
0.02%以下とする。P量が0.02%を超えると溶
接部の靭性が劣化し、高温割れが生じやすくなる。
【0019】S(硫黄):0.02%以下 S量が多くなると、靭性及び耐割れ性が劣化する。この
ため、S量は0.02%以下とする。S量が0.02%
を超えると、溶接部の靭性が劣化し、高温割れが生じや
すくなる。
【0020】金属弗化物(フッ素量に換算して):0.
20乃至1.00% 金属弗化物は溶接金属の酸素量を低減すると共に、アー
クを安定させるために添加する。金属弗化物の量がF換
算で0.20%未満では、溶接金属の酸素量が低減され
ず、靭性が劣化してアークが不安定となる。金属弗化物
の量が1.00%を超えると、蒸気圧が高いため、ヒュ
ーム発生量が増大して溶接作業性が劣悪となる。このた
め、金属弗化物の量は0.20乃至1.00%、好まし
くは0.30乃至0.70%とする。この金属弗化物源
としては、LiF、NaF、K2SiF6、CaF2等が
ある。
【0021】なお、金属弗化物としてアルカリ金属の弗
化物を使用した場合には、後述するアルカリ金属化合物
(アルカリ元素換算値)としての効果も得られる。
【0022】Ca(カルシウム):0.20乃至1.2
0% Caは強脱酸剤であるため、溶接金属の酸素量を低減
し、靭性を向上させることができる。Caが0.20%
未満では、酸素量が低減されず、このため靭性が向上し
ない。一方、Caが1.20%を超えると、スラグが過
剰に生成し、アークが不安定となる。このため、Caは
0.20乃至1.20%、好ましくは0.30乃至0.
80%とする。なお、Caは、Caのフッ化物(CaF
2)及び/又はCa合金(Ca−Si)により添加する
ことができ、添加量はそのCa換算量で決めればよい。
【0023】充填率:20乃至30重量% フラックスの充填率が20重量%未満では、スパッタが
増加すると共に、電流密度が小さくなるため、高能率施
工を達成できない。一方、フラックス充填率が30重量
%を超えると、外皮金属の肉厚が薄くなるため、ワイヤ
強度が不足し、溶接中にワイヤが断線する虞れがある。
【0024】H/CF比=0.10乃至2.50 エレクトロガスアーク溶接は、母材希釈の程度が大きい
溶接法である。母材希釈率は以下のように定義される。
図4に示す溶接部の断面形状において、符号Aは全溶接
金属を示し、符号Bはそのうち母材が溶融した部分であ
る。この場合に母材希釈率とは、下記数式1にて表され
る。
【0025】
【数1】母材希釈率={(母材溶融断面積:Bの部分)
/(全溶接金属断面積:Aの部分)}×100 このように、母材希釈率とは、全溶接金属に対し、溶接
金属となる母材の割合をいう。
【0026】そして、機械的性質は、この母材希釈の影
響を大きく受ける。而して、CH/CF比が0.10乃至
2.50の範囲を外れると、アークが不安定となり、母
材の希釈率のバラツキが大きくなるため、設計通りの溶
接金属を得ることができない。このため、溶接金属の機
械的性質(特に低温靭性)のバラツキが大きくなる。ま
た、アークが安定しないため、スパッタ発生量が増大す
る等、溶接作業性も劣化する。このため、CH/CF比は
0.10乃至2.50、好ましくは0.50乃至1.5
0にする。
【0027】図1は横軸にCH/CF比をとり、縦軸にシ
ャルピ衝撃値及び母材希釈率をとって、夫々の関係を示
すグラフ図である。なお、この図1のデータの溶接条件
は下記表2に示すとおりである。また、図1のデータは
表3、4の実施例43乃至48である。この図1から明
らかなように、CH/CF比が0.10未満又は2.50
超になると、母材希釈率のバラツキが大きくなり、シャ
ルピ吸収エネルギが低下する。
【0028】Ti/B比=5乃至50 Ti/B比が5乃至50の範囲内では、アーク安定性が
向上し、母材希釈率のバラツキが小さく、一定の母材希
釈率が得られるため、Ti及びBによる靭性強化作用が
十分に発揮される。しかし、上記範囲を外れると、靭性
のバラツキが大きくなる。このため、Ti/B比は5乃
至50、好ましくは10乃至30とする。
【0029】図2は横軸にTi/B比をとり、縦軸にシ
ャルピ衝撃値及び母材希釈率をとって、夫々の関係を示
すグラフ図である。なお、この図2のデータの溶接条件
は下記表2に示すとおりであり、図2のデータは表3、
4の実施例49乃至54である。この図2から明らかな
ように、Ti/B比が5未満又は50超の場合は、母材
希釈率のバラツキが大きく、またシャルピ吸収エネルギ
も小さい。
【0030】以上のように、大入熱溶接において、溶接
金属が良好な低温靭性を有するためには、CH/CF比及
びTi/B比が上記範囲内にあることが必要である。
【0031】Al:0.10%以下 Alはビードのなじみ(形状)を向上させるために必要
に応じて添加する。このAl量が0.10%を超える
と、靱性が低下する。Al源としては、金属Al及びF
e−Al、Al−Mg等のAl合金がある。
【0032】Mo及びCr:0.50%以下 Mo及びCrは溶接金属部を高強度に設定する場合に、
引張強さを確保するために添加することができる。この
Mo及びCrが0.50%を超えると、靱性が低下す
る。Mo源としては、金属Mo及びFe−Mo等の合金
があり、Cr源としては、金属Cr及びFe−Cr等の
合金がある。
【0033】アルカリ金属化合物(アルカリ元素換算
値):0.01乃至0.50% アルカリ金属化合物を添加することにより、更にアーク
安定性が向上すると共に、母材希釈率が安定した溶接部
を得ることができる。従って、溶接部は、安定した衝撃
性能を具備する。このため、必要に応じて、アルカリ金
属化合物を添加することが好ましい。アルカリ金属化合
物が0.01%未満の場合は、上記効果が少ない。一
方、アルカリ金属化合物が0.50%を超えると、スラ
グ量が若干増加するため、多少アークが不安定となり、
アルカリ金属化合物の添加効果が減少する。このため、
アルカリ金属化合物はアルカリ元素換算値で0.01乃
至0.50%とする。
【0034】図3は横軸にアルカリ金属化合物の量(ア
ルカリ元素換算値)をとり、縦軸にシャルピ衝撃値及び
母材希釈率をとって、各関係を示すグラフ図である。こ
の図3に示すように、アルカリ金属化合物の量が0.0
1乃至0.50%の場合に、母材希釈率が安定し、シャ
ルピ吸収エネルギも高い。これに対し、アルカリ金属化
合物の量が0.006%の場合及び0.60%の場合は
母材希釈率のばらつきが若干大きく、シャルピ衝撃エネ
ルギも若干低い。
【0035】なお、アルカリ金属化合物の原料として
は、LiF、NaF、K2SiF6等の弗化物、Li2
3等の炭酸塩、長石等の酸化物がある。また、アルカ
リ金属化合物がアルカリ金属弗化物の場合は、その弗素
量は前述の金属弗化物の弗素量にも換算する。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その比較例
と比較して説明する。下記表1は軟鋼製外皮の組成(外
皮全重量に対する重量%)を示す。また、表2は溶接条
件を示し、下記表3、4はワイヤ組成(ワイヤ全重量に
対する重量%)を示す。その試験結果を下記表5に示
す。なお、表5の備考欄に記載の◎、○、×は総合判定
を表し、◎は極めて良好、○は良好、×は不良を示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】表3、4、5において、試験例1、6〜1
1、16〜18、23〜25、30〜34、39〜4
3、48、49、54は本発明の範囲から外れる比較例
である。このため、表5の備考欄に示した種々の欠点が
ある。これに対し、その他の試験例2〜5、12〜1
5、19〜22、26〜29、35〜38、44〜4
7、50〜53は本願請求項1の実施例であり、更に、
試験例55〜57は請求項2、3の条件も満足する実施
例である。これらの実施例は強度及び低温靱性が優れて
おり、高温割れが防止されていると共に、スパッタ等も
少なく溶接作業性も良好である。
【0043】次に、アルカリ金属化合物の添加効果につ
いて、試験した実施例についてその比較例と比較して説
明する。下記表6は溶接条件を示す。アルカリ金属化合
物の添加効果をより明らかにするため母材希釈率の不安
定な低電流(320A)についても試験を行った。な
お、表7〜9において、各試験例の組成は表3、4の試
験例3(本願請求項1を満足する)の組成を基本とする
ものである。そして、試験例3はアルカリ金属化合物が
本願請求項4にて規定する範囲よりも低いもの、試験例
61はアルカリ金属化合物が本発明の請求項4にて規定
する範囲よりも多いものであり、試験例58〜60,6
2〜64は本願請求項4にて規定する範囲に入るもので
ある。
【0044】
【表6】
【0045】また、下記表7、8はワイヤ組成(ワイヤ
全重量に対する重量%)を示す。その試験結果を下記表
9に示す。なお、表9の溶接作業性欄に記載の◎、○、
×は総合判定を表し、◎は極めて良好、○は良好、×は
不良を示す。
【0046】表9に示すように、試験例3,61は本願
請求項4の範囲から外れる比較例であるため、他の試験
例58〜60,62〜64に比して、溶接作業性が若干
劣り、またシャルピ吸収エネルギが若干低い。これに対
し、試験例58〜60,62〜64は溶接作業性及び衝
撃性能の双方が優れたものであった。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】
【表9】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るエレ
クトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤによれ
ば、入熱量が200kJ/cm以上の大入熱溶接におい
ても、優れた低温靱性を有する溶接金属部を得ることが
でき、高温割れも防止され、スパッタ等も少なく、溶接
作業性も優れている。また、アルカリ金属化合物の量を
適切に設定することにより、溶接作業性を更に向上で
き、また衝撃性能も更に安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CH/CF比と、母材希釈率及びシャルピ吸収エ
ネルギとの関係を示すグラフ図である。
【図2】Ti/B比と、母材希釈率及びシャルピ吸収エ
ネルギとの関係を示すグラフ図である。
【図3】アルカリ金属化合物の量と、母材希釈率及びシ
ャルピ吸収エネルギとの関係を示すグラフ図である。
【図4】母材希釈率の定義を示す図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/368

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製外皮中にフラックスを充填してな
    り、鋼材をエレクトロガスアーク溶接するためのフラッ
    クス入りワイヤにおいて、フラックス充填率が20乃至
    30量%であり、ワイヤ全量に対する量%で、C
    (外皮中のCを含む):0.02乃至0.10%、Si
    (外皮中のSiを含む):0.20乃至0.60%、M
    n(外皮中のMnを含む):1.5乃至2.5%、N
    i:1.5乃至3.5%、Ti:0.10乃至0.30
    %、B:0.004乃至0.025%、Mg:0.10
    乃至0.50%、金属弗化物(F換算):0.20乃至
    1.00%、Ca:0.20乃至1.20%を含有し、
    P:0.02%以下、S:0.02%以下に規制され、
    Ti/B比が5乃至50であり、外皮中のC量(ワイヤ
    量あたり)をCH、フラックス中のC量(ワイヤ全
    量あたり)をCFとしたとき、CH/CF比が0.1
    0乃至2.50となることを特徴とするエレクトロガス
    アーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  2. 【請求項2】 更に、ワイヤ全量に対する量%で、
    Al:0.10%以下を含有することを特徴とする請求
    項1に記載のエレクトロガスアーク溶接用フラックス入
    りワイヤ。
  3. 【請求項3】 更に、ワイヤ全量に対する量%で、
    Mo:0.50%以下及びCr:0.50%以下の少な
    くとも一方を含有することを特徴とする請求項1又は2
    に記載のエレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワ
    イヤ。
  4. 【請求項4】 更に、ワイヤ全量に対する量%で、
    アルカリ金属化合物をアルカリ元素換算値で0.01乃
    至0.50%含有することを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1項に記載のエレクトロガスアーク溶接用フ
    ラックス入りワイヤ。
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