JP3343813B2 - 磁性フェライト材料、積層型チップフェライト部品および複合積層型部品 - Google Patents
磁性フェライト材料、積層型チップフェライト部品および複合積層型部品Info
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Description
料と、この磁性フェライト材料を磁性材料として用いる
積層型チップフェライト部品およびLC複合積層型部品
やトランス複合積層型部品等の積層型フェライト部品に
関する。
ビーズ等の積層型チップフェライト部品、LC複合積層
型部品等の複合積層型部品は、体積が小さいこと、堅牢
性および信頼性が高いことなどから、各種電子機器に多
用されている。このような積層型フェライト部品は、通
常、磁性フェライトからなる磁性層用のシートやペース
ト、および、内部電極用のペーストを厚膜積層技術によ
って積層一体化した後、焼成し、得られた燒結体表面に
外部電極用ペーストを印刷ないし転写した後に焼成して
製造される。この場合、磁性層に用いられる磁性フェラ
イト材料は、内部電極用材料の融点以下での低温焼成が
可能であるという点から、NiCuZnフェライトやN
iZnフェライトが一般に用いられている。
野の急速な展開の中、電磁障害対策部品の必要性が非常
に高まってきている。そして、上述の積層型フェライト
部品に要求されている一つの特性として、低周波での吸
収特性が挙げられる。従来、吸収特性をより低周波側で
発揮するためには、フェライトの透磁率を高くすること
が知られている。例えば、硼珪酸ガラスを添加すること
で液相燒結を形成し、フェライトの結晶粒成長を促進し
て透磁率を高くする方法がある(特開平5−32624
1号公報)。また、NiCuZnフェライトに硼珪酸ガ
ラスを添加することで、フェライトの結晶粒子が内部電
極用材料から拡散して析出したAg等から受ける内部応
力が減少し、フェライトの透磁率が高くなり、インダク
タンスLの大きい積層型チップフェライト部品が開示さ
れている(特開平8−148338号公報)。
フェライト部品に用いられるNiCuZnフェライト
は、Ag内部電極と同時焼成されるので、その組成や焼
成温度(Agの融点(960℃)以下)、および、添加
物の種類や含有量等に制限があり、硼珪酸ガラスを添加
してフェライトの結晶粒成長を促進しても、その透磁率
は最高で1500程度であり、上述の特性に対する要請
を十分に満足できるものではなかった。
れたものであり、結晶粒径が大きく高い透磁率をもつ磁
性フェライト材料と、低周波での高い吸収特性や高いイ
ンダクタンスLをもつ積層型チップフェライト部品や複
合積層型部品を提供することを目的とする。
るために、本発明の磁性フェライト材料は、Fe2 O
3 、NiO、CuOおよびZnOを主成分とし、ガラス
成分として少なくともSiO2 、B2 O3 およびNa2
Oを含有し、磁性フェライトの結晶粒径が3〜50μm
の範囲であるような構成とした。また、本発明の磁性フ
ェライト材料は、Fe2 O3 、NiO、CuOおよびZ
nOからなる主成分に対して、SiO2 、B2 O3 およ
びNa2 Oからなるガラス成分が総量で80〜2000
ppmの範囲で含有されるような構成とした。
記ガラス成分に占めるNa2 O量が1〜20重量%の範
囲内であるような構成とした。
Fe2 O3 、NiO、CuOおよびZnOの組成が、F
e2 O3 :49〜50モル%、NiO:6〜13モル
%、CuO:6〜14モル%、ZnO:28〜33モル
%の範囲内にあるような構成とした。
磁性フェライト層と内部電極とを多層積層して構成され
る積層型チップフェライト部品であって、前記磁性フェ
ライト層は上記の磁性フェライト材料で構成されている
ものとした。
性層と内部電極とを積層して構成されるチップフェライ
ト部を有するLC複合積層型部品であって、前記フェラ
イト磁性層は上記の磁性フェライト材料で構成されてい
るものとした。
性層と内部電極とを積層して構成されるフェライト部を
有するトランス複合積層型部品であって、前記フェライ
ト磁性層は上記の磁性フェライト材料で構成されている
ものとした。
結晶粒径が3〜50μmと大きいので、高い透磁率を有
する磁性フェライト材料が可能となり、この磁性フェラ
イト材料を用いた積層型チップフェライト部品や複合積
層型部品は、インダクタンスLや吸収特性等の特性向上
が可能となる。
て説明する。
ト材料中に特定のガラス成分を含有することにより、焼
成時の結晶粒成長がより促進されることを見出してなさ
れたものである。すなわち、Fe2 O3 、NiO、Cu
OおよびZnOを主成分とし、ガラス成分として少なく
ともSiO2 、B2 O3 およびNa2 Oを含有する磁性
フェライト材料であり、磁性フェライトの結晶粒径が3
〜50μm、好ましくは3〜10μmの範囲のものであ
る。結晶粒径が3μm未満の場合、磁性フェライト材料
の透磁率が不十分なものとなり、このような磁性フェラ
イト材料で構成された磁性フェライト層等を備える積層
型フェライト部品は、インダクタンスLや吸収特性等の
特性が不十分なものとなる。
の方法により計測した数値を意味する。すなわち、磁性
フェライト材料を鏡面研磨し、フッ酸によりエッチング
を施し、粒径がはっきり確認できる状態とし、この状態
を電子顕微鏡等を用いて5000倍程度の写真を撮る。
次に、写真上で任意の一定方向の2平行線が粒子に外接
するときの距離を計測し、この計測を最低100個の粒
子について行い、その平均値を結晶粒径とする。
2 、B2 O3 およびNa2 Oの3種の酸化物からなるガ
ラス成分の総量が、Fe2 O3 、NiO、CuOおよび
ZnOからなる主成分に対して80〜2000ppm、
好ましくは200〜500ppmの範囲で含有される。
上記の3種の酸化物の総量が80ppm未満であると、
液相燒結に必要な液相量が不足して結晶粒成長は促進さ
れない。一方、3種の酸化物の総量が2000ppmを
超えると、結晶粒界に存在するガラス層の厚みが大き過
ぎ、フェライトとガラスの線膨張係数の差による内部応
力の発生が増大し、透磁率が減少してしまう。また、上
記の3種の酸化物の個々の含有量としては、SiO2 :
10〜500ppm、B2 O3 :50〜1400pp
m、Na2O:10〜300ppmの範囲が好ましい。
特に、上記の3種の酸化物からなるガラス成分に占める
Na2 O量は、1〜20重量%の範囲内であることが好
ましい。ガラス成分に占めるNa2 O量が1重量%未満
であると、結晶粒成長の促進が不十分となり、20重量
%を超えると、フェライトの絶縁抵抗率が低下し、湿度
等の影響を受けて信頼性特性を悪化させることになり好
ましくない。
のSiO2 、B2 O3 およびNa2Oの3種の酸化物か
らなるガラス成分の他に、P2 O5 、GeO2 、As2
O3、CaO、BaO、PbO、Al2 O3 、V2 O
5 、WO3 、MoO3 、TeO 2 、MgO等のガラス化
可能な酸化物の1種または2種以上を0.2重量%未満
の範囲で含有してもよい。
であるFe2 O3 、NiO、CuOおよびZnOの組成
は、下記の範囲内とすることができる。 ・Fe2 O3 :49〜50モル%、好ましくは49.4
〜49.8モル% ・NiO :6〜13モル%、好ましくは7〜10モル
% ・CuO :6〜14モル%、好ましくは7〜12モル
% ・ZnO :28〜33モル%、好ましくは30〜32
モル%
O、CuOおよびZnOの組成が上記の範囲を外れた領
域では、透磁率が不十分なものとなる。具体的には、例
えば、Fe2 O3 量が上記の範囲から外れた場合、透磁
率が低下する。また、ZnO量が少な過ぎる場合、透磁
率が減少し、多過ぎると室温での透磁率は増加するが、
キュリー点が低下し、使用温度範囲内で透磁率の急激な
低下が発生して使用に耐えない。また、NiO量とCu
O量は、主成分組成からFe2 O3 量とZnO量を引い
た残りを分けることになるが、CuO量が上記の範囲よ
り少ないと、燒結性が不足して透磁率は低下し、上記範
囲を超えると、比抵抗が低下し実用に供し得ない。
O3 、NiO、CuOおよびZnOの主成分組成の分
析、SiO2 、B2 O3 およびNa2 Oのガラス成分の
分析は、ガラスビート法による蛍光X線分析で測定する
ことができる。
ト層と内部電極とを多層積層して構成され、磁性フェラ
イト層を本発明の磁性フェライト材料で構成したもので
ある。
部品の一実施形態である積層型チップインダクタの一例
を示す概略断面図であり、図2は平面部分断面図であ
る。図1および図2において、積層型チップインダクタ
1は、磁性フェライト層2と内部電極3とが交互に積層
一体化された多層構造のチップ体4を有し、このチップ
体4の端部には、内部電極3と電気的に導通する外部電
極5,5が設けられている。
フェライト層2は、上述の本発明の磁性フェライト材料
で構成されたものである。すなわち、本発明の磁性フェ
ライト材料を得るためのFe2 O3 、NiO、CuOお
よびZnOを主成分とした仮焼成粉と、SiO2 、B2
O3 およびNa2 Oのガラス成分の各粉体とを、エチル
セルロース等のバインダとテルピネオール、ブチルカル
ビトール等の溶剤とともに混練して磁性フェライト層用
ペーストを調製し、この磁性フェライト層用ペーストを
内部電極用ペーストと交互に印刷積層した後、焼成して
形成することができる。
ンダおよび溶剤の含有量には制限はなく、例えば、バイ
ンダの含有量は1〜5重量%、溶剤の含有量は10〜5
0重量%程度の範囲で設定することができる。また、ペ
ースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電
体、絶縁体等を10重量%以下の範囲で含有させること
ができる。
イト層用シートを用いて形成することもできる。すなわ
ち、本発明の磁性フェライト材料を得るためのFe2 O
3 、NiO、CuOおよびZnOを主成分とした仮焼成
粉と、SiO2 、B2 O3 およびNa2 Oのガラス成分
の各粉体とを、ポリビニルブチラールを主成分としたバ
インダとトルエン、キシレン等の溶媒とともにボールミ
ル中で混練してスラリーを調製し、このスラリーをポリ
エステルフィルム等の上にドクターブレード法等で塗布
し乾燥して磁性フェライト層用シートを得る。この磁性
フェライト層用シートを、内部電極用ペーストと交互に
積層した後、焼成する。
ダの含有量には制限はなく、例えば、1〜5重量%程度
の範囲で設定することができる。また、磁性フェライト
層用シート中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、
誘電体、絶縁体等を10重量%以下の範囲で含有させる
ことができる。
電極3は、インダクタとして実用的な品質係数Qを得る
ために抵抗率の小さいAgを主体とした導電材を用いて
形成する。内部電極3は、各層が長円形状であり、隣接
する内部電極3の各層は、図2に示されるように、スパ
イラル状に導通が確保されているので、内部電極3は閉
磁路コイル(巻線パターン)を構成し、その両端に外部
電極5,5が接続されている。
外形や寸法には特に制限はなく、用途に応じて適宜設定
することができ、通常、外形はほぼ直方体形状とし、寸
法は1.0〜4.5mm×0.5〜3.2mm×0.6
〜1.9mm程度とすることができる。また、磁性フェ
ライト層2の電極間厚みおよびベース厚みには特に制限
はなく、電極間厚み(内部電極3,3の間隔)は10〜
100μm、ベース厚みは250〜500μm程度で設
定することができる。さらに、内部電極3の厚みは、通
常、5〜30μmの範囲で設定でき、巻線パターンのピ
ッチは10〜100μm程度、巻数は1.5〜20.5
ターン程度とすることができる。
トと内部電極用ペーストとを交互に印刷積層した後の焼
成時の温度は、800〜930℃、好ましくは850〜
900℃とする。焼成温度が800℃未満であると焼成
不足となり、一方、930℃を超えるとフェライト材料
中に内部電極材料が拡散して、電磁気特性を著しく低下
させることがある。また、焼成時間は0.05〜5時
間、好ましくは0.1〜3時間の範囲で設定することが
できる。
NiO、CuOおよびZnOの主成分組成の分析、Si
O2 、B2 O3 およびNa2 Oのガラス成分の分析は、
ガラスビート法による蛍光X線分析で測定することがで
きる。
料で構成されたフェライト磁性層と内部電極とを積層し
たチップフェライト部やフェライト部を有するものであ
る。
形態であるLC複合積層型部品の一例を示す概略断面図
である。図3において、LC複合積層型部品11は、チ
ップコンデンサ部12とチップフェライト部13とを一
体化したものであり、この端部には外部電極15,15
が設けられている。
電体層21と内部電極22とが交互に積層一体化された
多層構造を有する。
はなく、種々の誘電体材料を用いることができ、焼成温
度が低い酸化チタン系誘電体が好ましい。また、チタン
酸系複合酸化物、ジルコン酸系複合酸化物、あるいは、
これらの混合物を使用することもできる。さらに、焼成
温度を下げるために、硼珪酸ガラス等の各種ガラスが含
有されてもよい。
gを主体とした導電材を用いて形成されており、内部電
極22の各層は、交互に別の外部電極に接続されてい
る。
インダクタであり、フェライト磁性層32と内部電極3
3とが交互に積層一体化された多層構造のチップ体であ
る。
ェライト材料で構成されたものである。すなわち、本発
明の磁性フェライト材料を得るためのFe2 O3 、Ni
O、CuOおよびZnOを主成分とした仮焼成粉と、S
iO2 、B2 O3 およびNa 2 Oのガラス成分の各粉体
とを、エチルセルロース等のバインダとテルピネオー
ル、ブチルカルビトール等の溶剤とともに混練してフェ
ライト磁性層用ペーストを調製し、このフェライト磁性
層用ペーストを、内部電極用ペーストと交互に印刷積層
した後、焼成して形成することができる。あるいは、本
発明の磁性フェライト材料を得るためのFe2 O3 、N
iO、CuOおよびZnOを主成分とした仮焼成粉と、
SiO2 、B2 O3 およびNa2 Oのガラス成分の各粉
体とを、ポリビニルブチラールを主成分としたバインダ
とトルエン、キシレン等の溶媒とともにボールミル中で
混練してスラリーを調製し、このスラリーをポリエステ
ルフィルム等の上にドクターブレード法等で塗布し乾燥
して得たフェライト磁性層用シートを、内部電極用ペー
ストと交互に積層した後、焼成して形成することができ
る。
が確保されて閉磁路コイル(巻線パターン)を構成し、
その両端は外部電極15,15に接続されている。この
内部電極33は、抵抗率の小さいAgを主体とした導電
材を用いて形成される。
層32の電極間厚みおよびベース厚みには特に制限はな
く、電極間厚み(内部電極33,33の間隔)は10〜
100μm、ベース厚みは100〜500μm程度で設
定することができる。さらに、内部電極33の厚みは、
通常、5〜30μmの範囲で設定でき、巻線パターンの
ピッチは10〜400μm程度、巻数は1.5〜50.
5ターン程度とすることができる。
寸法には特に制限はなく、用途に応じて適宜設定するこ
とができ、通常、外形はほぼ直方体形状とし、寸法は
1.6〜10.0mm×0.8〜15.0mm×1.0
〜5.0mm程度とすることができる。
3 、NiO、CuOおよびZnOの主成分組成の分析、
SiO2 、B2 O3 およびNa2 Oのガラス成分の分析
は、ガラスビート法による蛍光X線分析で測定すること
ができる。
複合積層型部品等の場合も、上記と同様に本発明の磁性
フェライト材料を用いて作製することができる。
詳細に説明する。 [磁性フェライト材料の作製]まず、Fe2 O3 、Ni
O、CuOおよびZnOの各成分を下記の製造条件で配
合、仮焼成、粉砕して仮焼成粉(Fe2 O3 :49.5
モル%、NiO:8.5モル%、CuO:11.0モル
%、ZnO:31.0モル%の組成)を調製した。製造条件 ・配合及び粉砕用ポット : 4インチ、ステンレスボ
ールミルポット ・配合及び粉砕用メディア: 1/8インチスチールボ
ール800g ・配合時間 : 10時間 ・粉砕時間 : 60時間 ・仮焼成条件 : 700℃、4時間
O2 、B2 O3 およびNa2 Oの3成分、あるいは、S
iO2 およびB2 O3 の2成分を加えて、9種の混合粉
体を作製した。これにポリビニルアルコール6%水溶液
を10重量%添加し、その後、トロイダル(外径11.
1cm、内径5.1cm、厚み2.4cm)に成形し、
900℃で2時間の焼成を行って磁性フェライト材料
(実施例1〜5、比較例1〜4)を得た。得られた9種
の磁性フェライト材料について、ガラスビート法による
蛍光X線分析で、Fe2 O3 、NiO、CuOおよびZ
nOからなる主成分に対するSiO2 、B2 O3 、Na
2 Oの各含有量を分析して結果を下記の表1に示した。
施例1〜5、比較例1〜4)の結晶粒径、透磁率μを下
記の方法で測定して、結果を下記の表1に示した。結晶粒径の測定方法 トロイダル形状の磁性フェライト材料を鏡面研磨し、フ
ッ酸によりエッチングを施し、電子顕微鏡を用いて50
00倍程度の写真を撮り、この写真上で任意の一定方向
の2平行線が粒子に外接するときの距離を計測し、この
計測を100個の粒子について行い、その平均値を算出
して結晶粒径とする。透磁率μの測定方法 トロイダル形状の磁性フェライト材料に銅製ワイヤー
(線径0.35mm)を20ターン巻き、測定周波数1
00KHz、測定電流0.5mAでLCRメーター(ヒ
ューレットパッカー(株)製)を用いてインダクタンス
を測定し、下記の式を用いて透磁率μを算出する。 透磁率μ=(le ×L)/(μ0 ×Ae ×N2 ) le :磁路長 L:試料のインダクタンス μ0 :真空の透磁率=4π×10-7(H/m) Ae :試料の断面積 N:コイルの巻数
記の9種の混合粉体を用い、各混合粉体100重量部に
対して、エチルセルロース2.5重量部、テルピネオー
ル40重量部を加え、3本ロールにて混練して磁性フェ
ライト層用ペーストを調製した。一方、平均粒径0.8
μmのAg100重量部に対して、エチルセルロース
2.5重量部、テルピネオール40重量部を加え、3本
ロールにて混練して、内部電極用ペーストを調製した。
このような磁性フェライト層用ペーストと内部電極用ペ
ーストを交互に印刷積層した後、900℃で2時間の焼
成を行って図1および図2に示されるような積層型チッ
プインダクタ(実施例1〜5、比較例1〜4)を得た。
これらの積層型チップインダクタの寸法は2.0mm×
1.2mm×0.85mmであり、巻数は3.5ターン
とした。次いで、上記の積層型チップインダクタの端部
に外部電極を約600℃で焼き付けて形成し、測定周波
数100KHz、測定電流0.2mAでLCRメーター
(ヒューレットパッカー(株)製)を用いてインダクタ
ンスLを測定し、結果を下記の表1に示した。
用ペーストを調製し、このペーストと、上記の内部電極
用ペーストとを使用して、2012タイプの積層型チッ
プビーズ(実施例1〜5、比較例1〜4)を得た。焼成
は900℃、2時間とし、巻数は3.5ターンとした。
次いで、上記の積層型チップビーズの端部に外部電極を
約600℃で焼き付けて形成し、インピーダンズアナラ
イザー(ヒューレットパッカー(株)製)を用いて測定
電流0.2mAでインピーダンスZ、リアクタンスX、
レジスタンスRの周波数特性を測定し、測定周波数1M
HzにおけるレジスタンスRの測定結果を下記の表1に
示した。
よびZnOを主成分とし、ガラス成分としてSiO2 、
B2 O3 およびNa2 Oの3成分を含有し、かつ、磁性
フェライトの結晶粒径が3〜50μmの範囲内にある磁
性フェライト材料(実施例1〜5)は、透磁率が150
0を超えることが確認された。また、この磁性フェライ
ト材料で構成された磁性フェライト層を備える積層型チ
ップインダクタ(実施例1〜5)は、5μH以上の非常
に高いインダクタンスLを有することが確認された。さ
らに、上記の磁性フェライト材料で構成された磁性フェ
ライト層を備える積層型チップビーズ(実施例1〜5)
の測定周波数1MHzにおけるレジスタンスR(吸収成
分)は、35Ω以上と大きいものであった。
合(比較例1)は、磁性フェライトの結晶粒径が2μm
であり、磁性フェライト材料の透磁率は1000程度と
低いものであった。また、ガラス成分としてSiO2 、
B2 O3 の2成分を含有させたのみでNa2 Oを含有し
ない場合(比較例2〜4)、磁性フェライトの結晶粒径
は大きくなるものの、未だ3μm未満であり、磁性フェ
ライト材料の透磁率、積層型チップインダクタのインダ
クタンスL、および、積層型チップビーズのレジスタン
スRは、いずれも上記の実施例1〜5に比べて低いもの
であった。
iCuZnフェライト材料中に特定のガラス成分を含有
させることにより、焼成時の結晶粒成長が促進され、磁
性フェライトの結晶粒径が3〜50μmの範囲となるの
で、磁性フェライト材料の透磁率が高いものとなり、こ
のような磁性フェライト材料で構成された磁性フェライ
ト層を備える積層型チップインダクタは、非常に高いイ
ンダクタンスLをもち、従来品に比べ同等の取得インダ
クタンスLの設計の場合、巻数が低減され、小型化や低
背化が可能となり、また、本発明の磁性フェライト材料
で構成された磁性フェライト層を備える積層型チップビ
ーズは、反射成分(リアクタンス)が小さく、吸収成分
(レジスタンス)が大きく、かつ、両者の交点が低周波
側にシフトするので、従来に比べて高い吸収特性を備え
たものとなり、さらに、本発明の磁性フェライト材料で
構成されたフェライト磁性層と内部電極とを積層したチ
ップフェライト部を有する複合積層型部品は、高密度
化、高特性化が可能となる。
形態である積層型チップインダクタの一例を示す概略断
面図である。
部分断面図である。
C複合積層型部品の一例を示す概略断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 Fe2 O3 、NiO、CuOおよびZn
Oを主成分とし、ガラス成分として少なくともSiO
2 、B2 O3 およびNa2 Oを含有し、磁性フェライト
の結晶粒径が3〜50μmの範囲であることを特徴とす
る磁性フェライト材料。 - 【請求項2】 Fe2 O3 、NiO、CuOおよびZn
Oからなる主成分に対して、SiO2 、B2 O3 および
Na2 Oからなるガラス成分が総量で80〜2000p
pmの範囲で含有されることを特徴とする請求項1に記
載の磁性フェライト材料。 - 【請求項3】 前記ガラス成分に占めるNa2 O量は、
1〜20重量%の範囲内であることを特徴とする請求項
2に記載の磁性フェライト材料。 - 【請求項4】 Fe2 O3 、NiO、CuOおよびZn
Oの組成は、Fe2O3 :49〜50モル%、NiO:
6〜13モル%、CuO:6〜14モル%、ZnO:2
8〜33モル%の範囲内にあることを特徴とする請求項
1乃至請求項3のいずれかに記載の磁性フェライト材
料。 - 【請求項5】 磁性フェライト層と内部電極とを多層積
層して構成される積層型チップフェライト部品におい
て、 前記磁性フェライト層は請求項1乃至請求項4のいずれ
かに記載の磁性フェライト材料で構成されていることを
特徴とする積層型チップフェライト部品。 - 【請求項6】 フェライト磁性層と内部電極とを積層し
て構成されるチップフェライト部を有するLC複合積層
型部品において、 前記フェライト磁性層は請求項1乃至請求項4のいずれ
かに記載の磁性フェライト材料で構成されていることを
特徴とするLC複合積層型部品。 - 【請求項7】 フェライト磁性層と内部電極とを積層し
て構成されるフェライト部を有するトランス複合積層型
部品において、 前記フェライト磁性層は請求項1乃至請求項4のいずれ
かに記載の磁性フェライト材料で構成されていることを
特徴とするトランス複合積層型部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00422599A JP3343813B2 (ja) | 1999-01-11 | 1999-01-11 | 磁性フェライト材料、積層型チップフェライト部品および複合積層型部品 |
Applications Claiming Priority (1)
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