JP3339172B2 - ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

ブロック共重合体の製造方法

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JP3339172B2 JP05531394A JP5531394A JP3339172B2 JP 3339172 B2 JP3339172 B2 JP 3339172B2 JP 05531394 A JP05531394 A JP 05531394A JP 5531394 A JP5531394 A JP 5531394A JP 3339172 B2 JP3339172 B2 JP 3339172B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なブロック共重合
体の製造方法に関し、さらに詳しくは、溶融粘度の経時
変化が少なく、特に、熱溶融型の粘着剤組成物のベース
ポリマーとして好適なブロック共重合体の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、感圧接着剤(粘着剤)や熱溶融型
粘着剤(ホットメルト型粘着剤)のベースポリマーとし
て、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロッ
ク共重合体やスチレン−ブタジエン−スチレン(SB
S)ブロック共重合体なとの熱可塑性エラストマーを使
用され、また、ベースポリマーとして、SISブロック
共重合体とSBSブロック共重合体の両者を併用した粘
着剤組成物も知られている(特公昭53−42345
号)。しかしながら、従来公知のブロック共重合体系の
熱可塑性エラストマーは、熱安定性が悪く、例えば、S
IS型ブロック共重合体の場合には、溶融加工時に熱劣
化を受けて溶融液の粘度が急低下し、一方、SBS型ブ
ロック共重合体の場合には、溶融加工時に架橋結合して
溶融液の粘度が急上昇する。また、これら両者のブレン
ド系でも、加熱時に溶融粘度が経時変化により急上昇を
示す。そのため、これらのブロック共重合体をベースポ
リマーとするホットメルト型粘着剤は、加工時および塗
工作業時の品質の安定を確保することが難しい。
【0003】かかる要求性能を満たすべく、出願人は先
にイソプレン重合体ブロックとブタジエン重合体ブロッ
クとを有し、溶融粘度の経時変化が少なく、熱安定性に
優れたSIBS型ブロツク共重合体について出願した
(特願平4−262807号)。このブロツク共重合体
の製造方法は、芳香族ビニル化合物、イソプレン、ブタ
ジエンおよび芳香族ビニル化合物を順次添加して重合す
るものである。しかし、この方法で得られたブロツク共
重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物は、概して
粘着物性の保持力が未だ不十分であり、その改善が望ま
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱可
塑性エラストマーとしての特性を有すると共に、加熱溶
融加工時における溶融粘度の経時変化が少なく、熱安定
性に優れた新規な(S−I−B−S)型ブロック共重合
体を効率良く製造する方法を提供することにある。本発
明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意
研究した結果、(S−I−B−S)型のブロック共重合
体を製造する際に、未反応ブタジエンの残留濃度と最後
に重合するスチレの添加時期を制御することによって、
得られるブロツク共重合体を用いた粘着剤組成物の粘着
物性に差が生じることを見いだし、この知見に基づいて
完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、有機リチウム系開始剤を使用して芳香族ビニル化合
物を重合し、イソプレンを重合し、次いで、ブタジエン
を重合し、さらに、未反応ブタジエンの残留濃度が50
0ppm以下になつた後に、芳香族ビニル化合物を添加
して重合することを特徴とする一般式(S−I−B−
S)で示されるブロック共重合体の製造方法が提供され
る。(式中、Sは芳香族ビニル化合物の重合体ブロック
である。Iはイソプレン重合体ブロックである。Bはブ
タジエン重合体ブロックである。)
【0006】本発明で製造するブロック共重合体は、一
般式(S−I−B−S)で示される構造を有するもので
ある。式中、Sは芳香族ビニル化合物の重合体ブロッ
ク、Iはイソプレン重合体ブロック、Bはブタジエン重
合体ブロックである。
【0007】本発明において使用する芳香族ビニル化合
物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、ジメチルス
チレン、ビニルナフタレン等を挙げることができる。こ
れらの中でも、入手のし易さ、反応性、およびブロック
共重合体の物性の観点等から見て、特に、スチレンが好
ましい。
【0008】本発明で製造するブロック共重合体におい
て、結合芳香族ビニル化合物の割合は、合計で10〜5
0重量%であり、結合ブタジエンの割合が10〜60重
量%、結合イソプレンの割合が10〜60重量%であ
る。また、結合ブタジエンと結合イソプレンとの重量比
は、通常、15/85〜85/15、好ましくは、20
/80〜80/20である。
【0009】結合芳香族ビニル化合物の割合が10重量
%未満であると、ブロック共重合体を粘着剤のベースポ
リマーとした場合に、保持力が低下し、逆に、50重量
%を越えると、タッキネス(粘着性)が低下する。ま
た、結合ブタジエンの割合が10重量%未満だとブロッ
ク共重合体の溶融粘度が経時変化により小さくなると共
に、保持力が低下し、逆に、60重量%を超えると溶融
粘度が経時変化により増大するので好ましくない。結合
イソプレンの割合が10重量%未満だとブロック共重合
体の溶融粘度が経時変化により増大し、逆に、60重量
%を超えると溶融粘度が経時変化により小さくなるので
好ましくない。結合スチレン、結合イソプレンおよび結
合ブタジエンの割合が前記範囲内にあることによって、
得られるブロック共重合体を粘着剤のベースポリマーと
して使用した場合に、タック、接着力および保持力のい
ずれもが良好、かつ、低温特性に優れた粘着剤を得るこ
とができる。また、結合イソプレンおよび結合ブタジエ
ンの割合が前記範囲内にあることによって、耐熱性に優
れ、溶融加工時に溶融粘度の変化の少ないブロック共重
合体を得ることができる。
【0010】本発明で製造するブロック共重合体は、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した重量平均分子量(ポリスチレン換算)が1
0,000〜500,000、好ましくは50,000
〜300,000の範囲にある。重量平均分子量が1
0,000未満であると、保持力が低下し、一方、50
0,000を越えると、タッキネスが低下すると共に、
塗工性および加工性が悪くなる。
【0011】本発明で製造するブロック共重合体は、通
常、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合の割合が15
%以下で、イソプレン部分の3,4−ビニル結合の割合
が10%以下である。また、本発明で製造するブロック
共重合体は、粘弾性測定における貯蔵弾性率(G′)
が、0℃〜50℃の範囲において、105 〜3×108
Paで、かつ、ブタジエン重合体ブロックおよびイソプ
レン重合体ブロックに起因する損失正接(tanδ)の
ピークが、−80℃〜−50℃の範囲において、1つだ
け存在する。例えば、S−I−S型ブロック共重合体と
S−B−S型ブロック共重合体をブレンドした場合に
は、ブタジエン重合体ブロックおよびイソプレン重合体
ブロックのそれぞれに起因する損失正接(tanδ)の
ピークが、−80℃〜−50℃の範囲において2つ現れ
る。貯蔵弾性率(G′)が105 Pa未満のブロック共
重合体を粘着剤のベースポリマーとした場合は、保持力
が低下し、逆に、3×108 Paを越えると、低温タッ
キネス(粘着性)が低下する。
【0012】本発明によって(S−I−B−S)型ブロ
ック共重合体を製造する方法は、従来公知の有機リチウ
ム化合物を重合開始剤として使用し、炭化水素溶媒中、
先ず芳香族ビニル化合物を重合し、次いで、イソプレン
を重合し、さらに、ブタジエンを重合し、未反応ブタジ
エの残留濃度が500ppm以下、好ましくは、100
ppm以下になった後に芳香族ビニル化合物を添加し
て、最後に芳香族ビニル化合物を重合させるものであ
る。このとき、未反応ブタジエンの残留濃度が500p
pm以下になる前に芳香族ビニル化合物を添加すると、
ブタジエンと芳香族ビニル化合物とがランダムに共重合
した部分を多量に含有する芳香族ビニル化合物の重合体
ブロツクが生成し、そのために、このようなブロツク共
重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物は、粘着物
性の保持力が極端に低下してしまう。
【0013】ブロック共重合体の製造に使用する炭化水
素溶媒としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、およびこ
れらとペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ブタンなどとの
混合溶媒等が挙げられる。
【0014】重合開始剤として用いられる有機リチウム
化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec
−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘ
キシルリチウム、iso−ヘキシルリチウム、フェニル
リチウム、ナフチルリチウムなどが挙げられ、通常、モ
ノマー100重量部当り0.01〜1重量部の範囲で用
いられる。
【0015】なお、本発明で製造するブロック共重合体
は、粘着剤のベースポリマーとして使用することがで
き、特に、熱可塑性エラストマーとしての特性と熱安定
性を利用して、熱溶融型粘着剤組成物のベースポリマー
として好適に使用することができる。かかる粘着剤組成
物は、前記ブロック共重合体100重量部と、粘着付与
剤50〜300重量部を含有する。また、軟化剤を0〜
100重量部の割合で配合してもよい。
【0016】粘着付与剤としては、数平均分子量が30
0〜3,000、JIS K−2207に定められた環
球法に基づく軟化点が60〜130℃の低分子量の樹脂
が好ましく使用できる。具体例としては、例えば、ロジ
ンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、芳香族変性
テルペン樹脂およびそれらの水素化物、テルペンフェノ
ール樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油樹
脂、芳香族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族・芳
香族共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹
脂およびその水素化物、スチレンまたは置換スチレンの
低分子量重合体などが挙げられる。
【0017】粘着付与剤の中でも、とくに、ブロック共
重合体のブタジエン重合体ブロックまたはイソプレン重
合体ブロックに相溶するものが好ましく、例えば、ポリ
テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂の
水素化物などが好ましい。また、粘着剤組成物の凝集力
を向上させる目的で、芳香族ビニル化合物重合体ブロッ
クに相溶するクマロン・インデン樹脂あるいはスチレン
や置換スチレンの低分子量重合体を、前記共役ジエン重
合体ブロックと相溶する粘着付与剤と共に、配合しても
よい。
【0018】軟化剤としては、例えば、パラフィン系プ
ロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プ
ロセスオイルなどの石油系プロセスオイル;ひまし油、
トール油などの天然油;フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
オクチル、アジピン酸ジブチルなどの二塩基酸ジアルキ
ル;液状ポリブテン、液状ポリイソプレンなどの低分子
量液状ポリマー;が挙げられる。これらの中でも、パラ
フィン系プロセスオイルや液状ポリブテンを用いると、
熱や紫外線に対し特に安定で色合いの優れた粘着剤を得
ることができる。
【0019】粘着剤組成物において、粘着付与剤の使用
割合は、ブロック共重合体100重量部に対し、50〜
300重量部、好ましくは30〜180重量部である。
粘着付与剤の割合が50重量部未満であると、タッキネ
スが低下し、逆に、300重量部を越えると、保持力が
低下する。軟化剤の使用割合は、0〜100重量部、好
ましくは5〜150重量部、より好ましくは10〜13
0重量部である。この比率を逸脱すると、粘着剤として
バランスのとれた物性を得ることが難しい。粘着剤組成
物には、本発明の目的を妨げない範囲で他のゴム成分を
配合してもよく、さらに、所望に応じて、酸化防止剤、
顔料、充填剤などの添加剤を適宜配合することができ
る。
【0020】粘着剤組成物の製造方法は、特に限定され
るものではなく、ロール、バンバリーミキサー、タルト
ン混練機などを用いた機械的混合法、撹拌機を備えた溶
融釜あるいは一軸または二軸の押出機を用いて加熱混合
することを特徴とするホットメルト法、適当な溶剤に配
合成分を投入し、これを攪拌することによって粘着剤組
成物の均一な溶液を得る溶剤法など、いずれの方法も用
いることができる。粘着剤組成物は、無溶剤で、あるい
はその溶液を、紙、プラスチックフィルムなどの支持体
に適当な塗布機を用いて均一に塗布し、必要に応じて乾
燥することによって、各種の粘着テープや粘着シートを
製造することができる。
【0021】本発明で製造するブロック共重合体は、熱
安定性に優れており、加熱溶融時における溶融粘度の経
時変化が少ないため、これらをベースポリマーとする粘
着剤組成物は、特に、熱溶融型粘着剤組成物として好適
に使用することができる。本発明の熱溶融型粘着剤組成
物は、溶融温度を高めても溶融粘度の経時変化が少ない
ため、溶融させることにより、無溶剤でも流動性良く支
持体上に塗工することができる。また、粘着剤組成物を
支持体に塗布することなく、熱で溶融させるか適当な溶
剤に溶解するなどの方法で流動化させることによって、
接着剤あるいはシーラントとして使用することもでき
る。
【0022】また、本発明のブロツク共重合体は上記粘
着剤組成物の用途の他に、その特徴を生かして、たとえ
ば、シートフイルム、各種形状の射出成形品、中空成形
品等の成形品用途、各種熱可塑性樹脂の改質材、履物の
素材、アスフアルト改質材、電線ケーブルの素材、加硫
ゴム用素材、加硫ゴム改質材、家電製品、自動車部品、
工業部品、家庭用品、玩具等の素材等に適用が可能であ
る。
【0023】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これ
らの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下
の例において、部および%は、特に断りのない限り重量
基準である。以下の例における物性の測定法は、次の通
りである。 <結合スチレン量、結合イソプレン量、結合ブタジエン
量>NMR(核磁気共鳴吸収)法により測定した(単
位:重量%)。 <残留ブタジエン濃度>ガスクロマトグラフイー法によ
り測定した(単位:ppm) <重量平均分子量>ブロック共重合体の重量平均分子量
は、高速液体クロマトグラフィー(HCL−802A、
東ソー社製)を用いて測定された分子量分布曲線から、
分子量既知の標準ポリスチレンの分析結果より求められ
る検量線をもとに算出した。測定には、ポリスチレンゲ
ルを充填したカラムG−4000HとG−5000を組
み合わせて用い、カラム温度40℃、キャリア(テトラ
ヒドロフラン)流量1.3m1/min、試料濃度0.
6g/1の条件で測定した(単位:×104)。 <粘弾性の測定>G′(貯蔵弾性率)、G″(損失弾性
率)、およびtanδ(損失正接)の測定条件は、次の
とおりである。 装置:レオメトリックス・ダイナミック・アナライ
ザーII(RDA II)(レオメトリックス社製) 試験方法:トウション・レクタンギュラー・テスト 試験片:長さ42mm×幅12.5mm×厚さ2m
mの短冊状試験片 振動数:6.28 ラジアン/秒 測定温度範囲:−100℃〜120℃
【0024】<粘着物性>不揮発分濃度50%の粘着剤
溶液を調製し、この溶液を25μm厚のポリエステルフ
ィルム上に糊厚25μmになるように塗布して粘着テー
プを作成し、得られた粘着テープのタッキネス、粘着力
および保持力を測定した。 (1) タッキネスは、JIS Z−0237に準じ、2
3℃および5℃において、傾斜角30度のステレンス板
上の斜面に、長さ10cmの粘着テープを粘着面を上に
して貼りつけ、斜面の上方10cmの位置より直径3/
32インチから32/32インチまでの30種類の大き
さの鋼球を初速度0でころがして、粘着テープ上で停止
する最大径の球の大きさで表示した(5個のボールナン
バーの平均値)。 (2) 粘着力は、JIS Z−0237に準じ、280
番の耐水研磨紙で研磨したステンレス板に、幅10mm
×長さ100mmとして粘着テープを貼りつけ、23℃
において200mm×分の速度で180度の方向に剥離
して測定した(単位:g/cm)。 (3) 保持力は、JIS Z−0237に準じ、前記と
同様に処理したステンレス板に25mm×10mmの面
積が接するように粘着テープを貼りつけ、23℃におい
て1kgの荷重を加えて、粘着テープがステンレス板よ
り脱落するのに要する時間を測定した(単位:分)。
【0025】(実施例1、2)乾燥窒素雰囲気下、3リ
ットルのオートクレーブにて、1500gのシクロヘキ
サン溶媒中、n−ブチルリチウム5.7ミリモルを重合
開始剤として使用し、60℃でスチレン(ST)、イソ
プレン(IP)、ブタジエン(BD)、を順次添加して
重合し、未反応ブタジエンの残留濃度が400ppmお
よび20ppmの時に、それぞれスチレンを添加して重
合することによって、2種類の(S−I−B−S)型ブ
ロック共重合体を製造した。なお、ブロツク共重合体の
組成は、ST:IP:BD:ST=20:35:25:
20である。また、使用したST、IPおよびBDの総
重量は400gであった。ブロック共重合体の重量平均
分子量は、いずれも8万である。また、得られた4種類
のブロック共重合体の粘弾性測定結果から、ブタジエン
重合体ブロックおよびイソプレン重合体ブロックに起因
する損失正接(tanδ)のピークが、いずれも−62
℃に1つだけ存在した。次に、上記4種類のブロツク共
重合体を用いて、以下の配合処方により粘着剤組成物を
調製し(以下の例においても同様)、粘着物性を測定し
た。具体的には、下記の配合処方により、各成分をダル
トン混練機にて混練した後、得られた組成物をトルエン
に溶解し(不揮発分濃度50%)、この溶液を25μm
厚のポリエステルフィルム上に糊厚25μmになるよう
に塗布して粘着テープを作成した。結果を一括して表1
に示す。 〔粘着剤組成物の配合〕 ブロック共重合体 100部 粘着付与剤(芳香族系石油樹脂の水素化物) 170部 軟化剤(パラフィン系プロセスオイル) 65部 酸化防止剤 1部
【0026】(比較例1、2)実施例1と同様に、乾燥
窒素雰囲気下、3リットルのオートクレーブにて、15
00gのシクロヘキサン溶媒中、n−ブチルリチウム
5.7ミリモルを重合開始剤として使用し、60℃でス
チレン(ST)、イソプレン(IP)、ブタジエン(B
D)を順次添加して重合し、未反応ブタジエンの残留濃
度が1200ppmおよび560ppmの時に、それぞ
れスチレンを添加して重合することによって、それぞれ
スチレンを添加して重合することによって、2種類の
(S−I−B−S)型ブロック共重合体を製造した。な
お、ブロツク共重合体の組成は、ST:IP:BD:S
T=20:35:25:20である。また、使用したS
T、BDおよびIPの総重量は400gであった。ブロ
ック共重合体の重量平均分子量は、いずれも8万であ
る。また、得られた4種類のブロック共重合体の粘弾性
測定結果から、ブタジエン重合体ブロックおよびイソプ
レン重合体ブロックに起因する損失正接(tanδ)の
ピークが、いずれも−62℃に1つだけ存在した。次
に、上記4種類のブロツク共重合体を用いて、実施例1
と同様に粘着剤組成物を調製し、粘着物性を測定した。
結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果から、本発明の製造方法によ
り、未反応ブタジエンの残留濃度が500ppm以下に
なった後にスチレンを添加して重合して得られた(S−
I−B−S)型ブロック共重合体をベースポリマーとす
る粘着テープは、タック、粘着力および保持力ともに高
水準の物性を有することが分かる。一方、未反応ブタジ
エンの残留濃度が500ppm以下になる前にスチレン
を添加して重合して得られたブロツク共重合体を使用し
た場合は、保持力がきわめて低いことが分かる。
【0029】なお本発明の具体的な態様は以下のとおり
である。 (1) 有機リチウム系開始剤を使用して芳香族ビニル
化合物を重合し、イソプレンを重合し、次いで、ブタジ
エンを重合し、さらに、未反応ブタジエンの残留濃度が
500ppm以下になつた後に、芳香族ビニル化合物を
添加して重合することを特徴とする一般式(S−I−B
−S)で示されるブロック共重合体の製造方法。(式
中、Sは、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックであ
る。Bは、ブタジエン重合体ブロックである。Iは、イ
ソプレン重合体ブロックである。) (2) 一般式(S−I−B−S)で示されるブロック
共重合体の結合芳香族ビニル化合物がスチレンである
(1)のブロツク共重合体の製造方法。 (3) 一般式(S−I−B−S)で示されるブロック
共重合体の結合芳香族ビニル化合物の割合が10〜50
重量%、結合ブタジエンの割合が10〜60重量%、結
合イソプレンの割合が10〜60重量%、粘弾性測定に
おける貯蔵弾性率(G′)が、0℃〜50℃の範囲にお
いて、105 Pa〜3×108 Paである、(1)のブ
ロツク共重合体の製造方法。 (4) 一般式(S−I−B−S)で示されるブロック
共重合体の結合芳香族ビ&重量平均分子量が10,00
0〜500,000である(1)のブロツク共重合体の
製造方法。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性エラストマー
としての特性を有すると共に、加熱溶融加工時における
溶融粘度の経時変化が少なく、熱安定性に優れた新規な
ブロック共重合体を効率よく得るための製造方法が提供
される。また、本発明によれば、粘着剤組成物、特に、
熱溶融型粘着剤組成物のベースポリマーとして好適な新
規なブロック共重合体が提供される。さらに、本発明で
製造する新規なブロック共重合体をベースポリマーとす
る粘着剤組成物は、特に、塗工作業性、流動性、さらに
低温特性に優れた熱溶融型粘着剤組成物として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−107745(JP,A) 特開 平6−234821(JP,A) 特開 平5−70699(JP,A) 特開 平3−287652(JP,A) 特表 平6−509595(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 297/04 C09J 153/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機リチウム系開始剤を使用して芳香族
    ビニル化合物を重合し、イソプレンを重合し、次いで、
    ブタジエンを重合し、さらに、未反応ブタジエンの残留
    濃度が500ppm以下になつた後に、芳香族ビニル化
    合物を添加して重合することを特徴とする一般式(S−
    I−B−S)で示されるブロック共重合体の製造方法。
    (式中、Sは芳香族ビニル化合物の重合体ブロックであ
    る。Iはイソプレン重合体ブロックである。Bはブタジ
    エン重合体ブロックである。)
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