JP3338387B2 - 基礎杭の継手部 - Google Patents

基礎杭の継手部

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JP3338387B2 JP26821398A JP26821398A JP3338387B2 JP 3338387 B2 JP3338387 B2 JP 3338387B2 JP 26821398 A JP26821398 A JP 26821398A JP 26821398 A JP26821398 A JP 26821398A JP 3338387 B2 JP3338387 B2 JP 3338387B2
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英明 岸田
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英明 岸田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、杭を上下に複数
本継ぎ足して利用する場合の基礎杭の継手部(以下単に
「杭の継手部」という。)の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】既成杭の接合部としては、杭端部に固定
した端板どうしを溶接するもの、杭端部にねじ部を形成
しねじ式に接合するもの、リング状の金具を介して接合
するものなどがある。
【0003】リング状の金具を用いるものとして、例え
ば実開昭50−12512号公報や実開昭62−190
730号公報には、凹凸を有する補強バンドあるいは継
手リングを上下の杭端部間に跨がるように配置し、これ
らを締め付けることで上下の杭を一体化するものが記載
されている。
【0004】また、実公平7−47453号公報には、
数条の環状溝を有する比較的細幅の接続用リングを締付
具で杭接合部に圧着し、溶接により一体化するものが記
載されている。
【0005】また、節杭等が埋込み杭として施工される
場合には、掘削孔にソイルモルタルあるいはセメントミ
ルク等の硬化性充填材を充填し、その中に杭を沈設し、
硬化性充填材の硬化により周面支持力の大きな基礎杭を
形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】端板どうしを溶接する
方法は、突き合わせ溶接となるため、現場で精度の高い
施工が求められ、小口径の杭の場合、特に熟練が必要で
あり、手間がかかり、コスト増となる。
【0007】また、従来のリング状の継手金具は、主と
して杭端部に圧着し、継手金具自体が上下の杭と一体化
するものであるが、杭端部側にも加工を施す必要があ
り、加工手間が多い。特に、杭側の加工については、杭
自体についてのコスト増につながる。
【0008】また、現場での接合作業に手間がかかる
他、締付け等により杭体と一体化することを前提として
いるため、十分な締付けが行われないと継手として十分
機能しない恐れがある。また、継手金具、締付け具等が
杭外周面から突出することで、建込み方法によってはそ
の障害となることが考えられる。
【0009】一方、基礎杭では上部構造物を支持するこ
とで大きな圧縮力が作用しており、軸方向の圧縮力のみ
考慮した場合、主として上下の杭端面間における圧縮力
の伝達が確保されればよく、必ずしも一体化する必要は
ない。
【0010】本願発明は上述のような従来技術における
課題の解決を図ったものであり、特別な加工を必要とせ
ず、現場での接合作業が容易で、かつ機能面でも合理的
な構造の杭の継手部を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る杭
の継手部は、杭外径と略同一の内径を有し、端面どうし
を突き合わせた下側の杭の端部所要区間と上側の杭の端
部所要区間とをカバーする長さを有し、内面に多数の凹
凸を形成した金属製の接続管を上下の杭端部間に被せ、
杭に作用する振動または引抜き力に対し、上下少なくと
も一方の杭端部を接続管内で杭軸方向に相対移動可能と
してあることを特徴とするものである。
【0012】すなわち、杭端部と接続管を固着により一
体化するのではなく、接続される上下の杭間における杭
支持力は基本的には上下の杭端面間で直接伝達されるよ
うにする。
【0013】ただし、接続管が容易に杭端部から外れな
いようにする必要があり、仮止め程度に、あるいは完全
には拘束しない形で簡易に固定することが望ましい。な
お、下側の杭端部あるいは接続管側に簡単なストッパー
を設け、ストッパーで接続管を支持するようにしてもよ
い。
【0014】なお、接続管の凹凸は内面だけでなく外面
にも設けることができる。請求項2は、請求項1に係る
杭の継手部において、接続管を上下の杭端部のいずれか
一方に対し、該接続管の管壁を貫通するボルトまたはピ
ンで止め付けてある場合である。
【0015】杭としては主としてコンクリート既成杭、
鋼管杭、鋼コンクリート複合パイル等を対象とし、接続
管としては短尺の内面突起付鋼管等を用いることができ
るが、材質は必ずしも限定されない。
【0016】内面突起付鋼管は、内面に螺旋状の突起を
有するもの等が知られており、その他、鋼管の内面また
は外面に多数の小突起が形成されているものなどがあ
る。もちろん、内面だけでなく外面にも突起等による凹
凸が形成されているものでもよい。
【0017】なお本願において、接続管が杭外径と略同
一の内径を有するという場合の内径は、突起部分も含め
た内側の径をいうものとする。上述したように、上下の
杭間における杭支持力は基本的には上下の杭端面間で直
接伝達され、上下の杭を接続管内で杭軸方向に相対移動
可能とすることで、接続管、杭ともそれほど大きな引張
耐力、曲げ耐力を必要とせず、合理的な構造となる。
【0018】しかしながら、継手部における杭の水平方
向の変位が全く自由というわけではなく、接続管として
は内面に多数の凹凸を形成した金属製の接続管を用いる
ことで、凹凸のないストレートな接続管の場合に比べ、
継手部のせん断剛性が上がり、また継手部の位置に応じ
て必要な曲げ耐力の向上が図れる。
【0019】請求項3は、接続管の中間部内面に板状ま
たは突起状のストッパーを設け、ストッパーが上下の杭
の端面と当接している場合を限定したものである。スト
ッパーがあることで、ストッパーが位置決めの機能を有
するとともに、接続管が不用意に移動することを防止で
きる。また、杭の外径と接続管の内径との関係でクリア
ランスが大きい場合でも対処できる。
【0020】この他、あらかじめ接続管を下側の杭の端
部に溶接あるいは接着剤等で固着しておき、上側の杭の
み接続管内で若干の移動が可能なようにすることもでき
る。請求項4は、接続される少なくとも下側の杭が節部
と胴部を交互に有する節杭であり、接続管が節杭端部に
形成された胴部に外嵌されている場合である。
【0021】この場合、下側の節杭の節部がストッパー
となり、接続管の位置決めの機能を果たし、また接続管
が下方へずり落ちるのを防止することができる。本願の
請求項5に係る杭の継手部は、埋込み杭として掘削孔内
に施工される節杭からなる下杭と少なくとも下端部の断
面外形が円形である上杭との継手部であって、上下の杭
の接合端部外周に、下杭としての節杭の胴部の外径より
わずかに大きい内径を有する内面に多数の凹凸を形成し
た金属製の接続管を、下杭の上端胴部および上杭の下端
に被さるように設置し、掘削孔内に充填された硬化性充
填材の硬化により上下の杭を接合することを特徴とする
ものである。
【0022】このように、ほぼ、節部外径>接続管径>
胴部外径といった関係の下、接続管を下杭の最上部の節
部と上杭の最下部との間に設置し、杭周を固める硬化性
充填材を接続管の内側にも導入することで、上下の杭を
接合するものである。
【0023】接続管の内径が杭の外径よりわずかに大き
い程度の場合、係合状態に近い状態であり、接合部周囲
の硬化性充填材の硬化により上下の杭および接続管が接
合される。
【0024】なお、接続管を設置する際、上下の杭どう
しの接合端部を接着剤で仮付けしておけば、接続管を用
いた接合作業をスムーズに行うことができる。また、接
合強度として接着剤の接着力を加えることができる。こ
の他、仮付けの方法としては、接着剤に限らず、接着テ
ープを巻くなど、種々の方法が考えられる。
【0025】このとき、接続管は内面に多数の凹凸を形
成したものであるため、凹凸がない場合に比べてせん断
耐力が大きくなる他、硬化性充填材との付着性能にも優
れる。その意味で、接続管の内面側に凹凸が形成されて
いることが望ましいが、内外両面に凹凸を形成してもよ
い。
【0026】また、請求項1〜4に係る発明では、上下
の杭端部どうしを直接接合していないのに対し、請求項
5に係る発明では、硬化性充填材の固化により上下の杭
端部を接続管を介して接合しているが、従来の溶接等に
よる継手部のように施工手間のかかるものではなく、ま
た従来のリング状の継手金具を杭端部に圧着して一体化
する場合のように杭体に破損の恐れを生じさせるような
ものではない。
【0027】埋込み杭は、基本的には既製杭を、ほぼそ
の全長に等しい深さまで掘削した地盤中に埋め込むこと
によって設けられるものであり、掘削時に掘削土と混合
した硬化性充填材(ソイルモルタル等)、あるいはセメ
ントミルク等単独の硬化性充填材の中に、下杭を沈設し
て行き、上杭を接続してさらに沈設して行く。なお、場
合によっては、予め下杭と上杭を接続した後に沈設する
ことも考えられる。
【0028】本願の請求項6に係る杭の継手部は、埋込
み杭として掘削孔内に施工される節杭からなる下杭と少
なくとも下端部の断面外形が円形である上杭との継手部
であって、上下の杭の接合端部外周に、下杭としての節
杭の胴部の外径より大きくかつ節部の外径より小さい内
径を有する内面に多数の凹凸を形成した金属製の接続管
を、下杭の上端胴部および上杭の下端に被さるように設
置し、接続管内面と上下の杭の接合端部との間にスペー
サーを介在させ、掘削孔内に充填された硬化性充填材
を、スペーサーによって保持された上下の杭の接合端部
と接続管との間に浸入させ、接続管内外における硬化性
充填材の硬化により上下の杭を接合することを特徴とす
るものである。
【0029】請求項6は、請求項5の場合に比べ、主と
して接続管の内径と杭の外径との差が大きく、接続管の
内側に入る硬化性充填材の量が多い場合である。この場
合は、接続管内面に形成される凹凸による付着効果が大
きくなる。
【0030】この場合は、上下の杭の接合端部と接続管
との間にスペーサーを介在させることで、接続管を所定
の位置に保持することができる。スペーサーとしては、
杭接合端部と接続管の内面との間に複数打ち込まれるく
さび状治具、杭接合端部の外面または接続管の内面より
複数突出する突起物(接続管に形成される凹凸に比べて
突出量の大きいもの)、接続管の管壁を貫通して複数設
けられ、内側への貫入量をねじ式に調整できるようにし
たねじ状のガイドピン、形状記憶合金をの形状記憶特性
を利用してくさび的に使用されるのスペーサー等が考え
られる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本願請求項1に係る杭の
継手部の一実施形態を示したもので、下側の杭1aと上
側の杭1bを、内面に多数の凹凸を形成した接続管2を
介して接続したものである。
【0032】この例では、接続管2として内面突起付鋼
管を使用しており、その内面突起2a部分先端における
内径が杭1の外径よりわずかに大きい略同一の径となっ
ている。また、接続管2は、端面どうしを突き合わせた
下側の杭1aの端部所要区間と上側の杭1bの端部所要
区間とをカバーする長さhを有する。
【0033】上載荷重(主として上部構造物の荷重)に
よる軸方向の圧縮力は、上側の杭1bの下端面から下側
の杭1aの上端面に直接伝達され、接続管2は基本的に
は上載荷重を負担せず、上下の杭1a,1bの水平方向
のずれに対し曲げ抵抗を与える。
【0034】この場合、突起2aを有する接続管は突起
を有さないストレートな形状のものに比べ、曲げ剛性、
せん断耐力が高いという利点がある。また、多数の突起
2aがあることで、上下の杭1a,1bが接続管2の中
心に導かれつつ、接続管2と杭1a,1b間で、上載荷
重による軸方向の圧縮力が上下の杭1b,杭1a間で直
接スムーズに伝達される。
【0035】また、上下の杭1a,1bの外面と、接続
管2の突起2aの先端との間には、わずかなクリアラン
スがあり、杭1a,1bどうしの接続に際し、接続管2
を下側の杭1aの端部に被せたり、上側の杭1bを接続
管2内に挿入するのを容易にしている。
【0036】図中、3は下側の杭1aに対し、接続管2
がずり落ちるのを防止するための突起状のストッパーを
示すが、ずり落ち防止の手段は種々のものが考えられ
る。図2は本願の請求項2に係る杭の継手部の一実施形
態を示したものである。この例では、ずり落ち防止の手
段として、内面突起付鋼管からなる接続管2を貫通する
ボルト4を設け、接続管2を下側の杭1aに止め付けて
いる。この場合、特に杭の建込み時においても接続管2
のずれが確実に防止できる利点がある。
【0037】図3は本願の請求項3に係る杭の継手部の
一実施形態を示したものである。この例では、接続管2
の中央部にストッパーとしての仕切り板5があり、この
仕切り板5が上下の杭1a,1bの接続するにあたり、
位置決め、接続を容易にしている。
【0038】図4は本願の請求項4に係る杭の継手部の
一実施形態を示したものである。この例は杭1が節杭の
場合であり、上下の節杭1a,1bを内面突起付鋼管か
らなる接続管2を介して接続するにあたり、接続管2よ
り太径の節部7がストッパーとして機能し、位置決め、
接続を容易にしている。
【0039】図5は本願の請求項1に係る杭の継手部の
他の実施形態を示したもので、この例では内面突起付鋼
管からなる接続管2をあらかじめ下側の杭1aの上部に
接着剤9で固着しておき、現場接合に際しては単に上側
の杭1bを接続管2に挿入すればよい構造としている。
【0040】図6は本願の請求項1に係る杭の継手部の
さらに他の実施形態を示したもので、内面突起付鋼管か
らなる接続管2の全長に渡って突起2a部分に接着剤7
を塗布し、上下の杭1a,1bを接合している。ただ
し、この場合も上下の杭1a,1bと接続管2を一体化
するというものではなく、主として接続管2のずれを防
止したものである。大きな引張力、曲げ力が作用した場
合には接着剤7による接着が切れることで、上下の杭1
a,1bが接続管2内で杭1軸方向に相対移動可能とな
る。
【0041】図7は本願の請求項5に係る杭の継手部の
一実施形態を示したもので、埋込み杭について、下杭1
aとしての節杭に上杭1bとしてコンクリート製の丸杭
を継ぎ足す場合である(ただし、鋼管杭、鋼コンクリー
ト複合パイル、その他、少なくとも下端の断面外形が円
形の杭の場合も同様に考えることができる)。
【0042】この例では、接続管2として、その突起2
a部分における内径が、下杭1aとしての節杭の胴部1
aの外径よりわずかに大きい接続管2を用いる。なお、
図は接続管2として内面に螺旋状の突起2aを有する内
面突起付鋼管を用いた場合を示しているが、後述する図
8、図9の場合のように連続しない多数の小突起2aが
形成されているものでもよい。
【0043】代表的な施工手順としては、まず、ソイル
モルタルあるいはセメントミルク等の硬化性充填材11
が充填されている掘削孔10内に下杭1aとしての節杭
を所定深さまで沈設する。
【0044】下杭1aの上端部が掘削孔10の孔口付近
にある状態で、節杭1の最上部の節部7上に接続管2を
被せ、必要に応じ接着剤等で仮固定する。接続管2とし
ては、突起2a部分における内径が節杭1の胴部1aの
外径よりわずかに大きい、長さ数十cmから1m程度の
内面突起付鋼管等を用いる。
【0045】続いて、接続管2の上部に上杭1bとし
て、この例ではコンクリート製丸杭の下端部を挿入す
る。なお、このとき、上下の杭1a,1bの接合端部の
一方または両方に接着剤を塗布しておき、上下の杭1
a,1bどうしを接続管2内で仮付けすることで、作業
性を向上させることができる。
【0046】このようにして、上下の杭1a,1bを接
続した状態で、さらに所定深さまで沈設して行き、その
際、硬化性充填材11が、接続管2と杭1a,1bの隙
間に流入し、硬化性充填材11の固化により、上下の杭
1a,1bと接続管2が、接続管2の内外から一体化
し、必要な剛性が確保される。
【0047】なお、沈設および接合の手順としては、上
述のように途中まで沈設した下杭1aの上部に接続管2
を被せ、上杭1bを接続して、さらに所定深さまで沈設
するといった手順が一般的であるが、先に上下の杭1
a,1bどうしを接続管2や必要に応じ接着剤等を用い
て接続した後、沈設することも可能である。
【0048】図8は本願の請求項6に係る杭の継手部の
一実施形態を示したもので、ガイドピン12をスペーサ
ーとして用いた場合である。この例では、上杭1bとし
て下杭1aと同じ節杭を用いている。
【0049】ガイドピン12は、予め接続管2の下部お
よび上部に、その管壁を貫通してそれぞれ2〜4箇所設
けられており、管壁に雌ねじを切っておき、ねじ式に回
転させることで、その貫入量を調整することができる。
【0050】下杭1aおよび上杭1bとしての節杭どう
しを接続する際には、ガイドピン12を緩めた状態(貫
入量を少なくした状態)で、下側の節杭の最上部の節部
7上に、接続管2の下端を被せ、ガイドピン12をねじ
込むことにより下杭1aと接続管2を固定する。その
際、各ガイドピン12の貫入量を調整することにより、
接続管2の位置決めを行うことができる。
【0051】続いて、上側の節杭の下端胴部6を接続管
2の内側に挿入し、同様にガイドピン12をねじ込むこ
とにより上下の杭1a,1bと接続管2を固定する。な
お、このとき、上下の杭1a,1bの接合端部に接着剤
4を塗布しておくことで、節杭どうしを仮付けした状態
で、よりスムーズに接合作業を行うことができる。
【0052】節杭からなる上下の杭1a,1bを接続し
た状態で、ソイルモルタルあるいはセメントミルク等の
硬化性充填材11が充填されている掘削孔10内で、埋
め込み杭としての沈設を行うことにより、ガイドピン1
2を介在させた節杭と接続管2の接合部内の空間に硬化
性充填材11が浸入し、沈設完了後、硬化性充填材11
が硬化することにより、上下の節杭の接合が完了する。
【0053】なお、接続管2の内面には多数の小突起2
aが形成されていることで、接続管2自体の曲げ剛性、
せん断剛性が高くなる他、硬化性充填材11との付着力
も増す。
【0054】図9は本願の請求項6に係る杭の継手部の
他の実施形態を示したもので、図8のガイドピン12の
代わりにくさび6を用いた場合である。また、この例で
は上杭1bとして、節杭の代わりに鋼管コンクリート複
合杭(SC杭)を用いている。
【0055】施工手順としては、まず、ソイルモルタル
あるいはセメントミルク等の硬化性充填材11が充填さ
れている掘削孔10内に下杭1aとしての節杭を所定深
さまで沈設する。
【0056】下杭の上端部が掘削孔10の孔口付近にあ
る状態で、節杭の最上部の節部7上に内面に多数の小突
起2aを有する接続管2を被せ、節杭の上端の胴部6と
接続管2の内面との間にくさび13(4〜6箇所)を打
ち込むことにより、下杭1aと接続管2を固定する。
【0057】続いて、接続管2の上部に上杭1bの下端
部を挿入する。このとき、必要に応じ接着剤4で上下の
杭1a,1bどうしを仮止めする。このようにして、上
下の節杭1を接続した状態で、さらに所定深さまで沈設
して行く。その際、硬化性充填材11が、接続管2内の
隙間に流入し、硬化性充填材11の固化により、上下の
杭1a,1bと接続管2が一体化し、必要な剛性が確保
される。
【0058】また、前述したように先に上下の杭1a,
1bとどうしを接続管2や必要に応じ接着剤4等を用い
て接続した後、沈設することも可能である。
【0059】
【発明の効果】杭どうしの接続部に、内面に凹凸を有
する円筒状の接続管を用いており、杭側、接続具側とも
特別な加工を必要としない。 現場での接合作業は、単に杭端部に接続管を被せる、
あるいは接続管に杭端部を挿入するだけであり、作業性
にも優れている。 構造が簡単であること、現場での施工性がよいことか
ら、コストの低減が図れる。 杭に作用する地震等による振動または引抜き力に対
し、上下の杭を接続管内で杭軸方向に相対移動可能とし
てあるため、接続管は実質的に曲げ力、せん断力のみ負
担すればよい。 内面に、また必要に応じ内外面に凹凸を有する接続管
を用いているため、接続管部分における曲げ耐力、せん
断耐力を高めることができる。 埋込み杭に適用した場合には、突起があることで硬化
性充填材との付着力が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1に係る発明の一実施形態を示す
断面図である。
【図2】本願の請求項2に係る発明の一実施形態を示す
断面図である。
【図3】本願の請求項3に係る発明の一実施形態を示す
断面図である。
【図4】本願の請求項4に係る発明の一実施形態を示す
断面図である。
【図5】本願の請求項1に係る発明の他の実施形態を示
す断面図である。
【図6】本願の請求項1に係る発明のさらに他の実施形
態を示す断面図である。
【図7】本願の請求項5に係る発明の一実施形態を示す
断面図である。
【図8】本願の請求項6に係る発明の一実施形態を示す
断面図である。
【図9】本願の請求項6に係る発明の他の実施形態を示
す断面図である。
【符号の説明】
1…杭、1a…下側の杭、1b…上側の杭、2…接続
管、2a…突起、3…ストッパー、4…ボルト、5…仕
切り板、6…胴部、7…節部、8…端板、9…接着剤、
10…掘削孔、11…硬化性充填材、12…ガイドピ
ン、13…くさび
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−158015(JP,A) 特開 昭63−40035(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 5/24 101 - 103

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杭外径と略同一の内径を有し、端面どう
    しを突き合わせた下側の杭の端部所要区間と上側の杭の
    端部所要区間とをカバーする長さを有し、内面に多数の
    凹凸を形成した金属製の接続管を上下の杭端部間に被
    せ、杭に作用する振動または引抜き力に対し、上下少な
    くとも一方の杭端部を前記接続管内で杭軸方向に相対移
    動可能としてあることを特徴とする基礎杭の継手部。
  2. 【請求項2】 前記接続管を上下の杭端部のいずれか一
    方に対し、該接続管の管壁を貫通するボルトまたはピン
    で止め付けてある請求項1記載の基礎杭の継手部。
  3. 【請求項3】 前記接続管の中間部内面には板状または
    突起状のストッパーが設けられており、上下の杭の端面
    と当接している請求項1または2記載の基礎杭の継手
    部。
  4. 【請求項4】 前記下側の杭は節部と胴部を交互に有す
    る節杭であり、前記接続管は節杭端部に形成された胴部
    に外嵌されている請求項1、2または3記載の基礎杭の
    継手部。
  5. 【請求項5】 埋込み杭として掘削孔内に施工される節
    杭からなる下杭と少なくとも下端部の断面外形が円形で
    ある上杭との継手部であって、上下の杭の接合端部外周
    に、下杭としての節杭の胴部の外径よりわずかに大きい
    内径を有する内面に多数の凹凸を形成した金属製の接続
    管を、前記下杭の上端胴部および上杭の下端に被さるよ
    うに設置し、掘削孔内に充填された硬化性充填材の硬化
    により上下の杭を接合することを特徴とする基礎杭の継
    手部。
  6. 【請求項6】 埋込み杭として掘削孔内に施工される節
    杭からなる下杭と少なくとも下端部の断面外形が円形で
    ある上杭との継手部であって、上下の杭の接合端部外周
    に、下杭としての節杭の胴部の外径より大きくかつ節部
    の外径より小さい内径を有する内面に多数の凹凸を形成
    した金属製の接続管を、前記下杭の上端胴部および上杭
    の下端に被さるように設置し、前記接続管内面と上下の
    杭の接合端部との間にスペーサーを介在させ、掘削孔内
    に充填された硬化性充填材を、前記スペーサーによって
    保持された上下の杭の接合端部と接続管との間に浸入さ
    せ、接続管内外における硬化性充填材の硬化により上下
    の杭を接合することを特徴とする基礎杭の継手部。
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