JP3335773B2 - ビームダクト - Google Patents
ビームダクトInfo
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Description
るシンクロトロン等の加速器において、特に偏向電磁石
の立ち上げ速度の早い部分に使用されるビームダクトに
関する。
等の加速器においては、低い入射エネルギーを高エネル
ギーで利用する場合、偏向電磁石の立ち上げ速度の速い
部分にビームダクトが設けられている。
の磁束により大きな渦電流が発生し、この渦電流によっ
て形成される磁場によりビームが曲げられ、目的の軌道
から外れてしまう。
電流を抑える上から、高抵抗で薄肉構造に成形されたベ
ローズや、溶接構成で成形された接続ベローズを成形し
ている。
で、その両端には接続フランジ1が取付けられている。
また、図5は溶接ベローズ10の構成を示すもので、そ
の両端には接続フランジ1が取付けられている。
接ベローズによるビームダクトでは、長い距離を必要と
する場合には製作することが困難である。そこで、従来
では図6に示すように外周面に適宜の間隔を存して補強
リブ8をロー付により取付けた肉厚の薄い真空容器7の
一端部に接続フランジ1を溶接等により取付け、また真
空容器7の他端部に調整用として押え板5を介してベロ
ーズダクト6の一端を溶接により接合し、その他端を接
続フランジ1に溶接により取付けている。
厚肉であれ薄肉であれ、全体組立時にビーム軸方向の伸
縮が行われる。また、真空度を高めるためにベーキング
が行われるが、このときダクトに発生する熱による伸縮
がある。
に接合されたベローズ6により吸収させることで、接続
フランジ側へ作用する外力が小さくなるようにしてい
る。しかし、このような構成のビームダクトでは、ベロ
ーズ部に伸縮調整のための調整用押え板5、真空容器
7、接続フランジ等をそれぞれ接続するための溶接部が
多いため、溶接欠陥が生じ易い部分が数多く存在する。
ダクトに発生する渦電流が大きい場合には、真空容器7
の片端あるいは両端に調整用押え板5が取付けられる
が、渦電流の発生を押えるという観点から見ると、調整
用押え板の取付方法と補強方法に問題がある。
押え板が設けられるということは、ビームダクトの品質
向上を図る上で種々の問題がある。本発明は上記のよう
な問題点を解消するためになされたもので、その目的は
真空容器の組込みや、ベーキングがし易く信頼性の向上
を図り得るビームダクトを提供することにある。
目的を達成するため次のような手段によりビームダクト
を構成するものである。請求項1に対応する発明は、内
部に電子やイオンのビームを通す薄肉の筒状の真空容器
の外周面に補強リブを取付け、両端部に接続フランジを
設けてなるビームダクトにおいて、前記真空容器の少な
くとも一端部に長さ調整用のベローズダクトを設け、こ
のベローズダクトを真空容器と一体に成形し、このベロ
ーズダクトは絶縁材を介して前記接続フランジに接続さ
れ、この接続フランジに形成された環状溝と前記絶縁材
との間にはリング状セラミックとこのリング状セラミッ
クの軸方向を押えるセラミック押えが挿入され、前記リ
ング状セラミックと前記環状溝との間には第1の封着金
属が介挿され、かつこのリング状セラミックと前記セラ
ミック押えとの間には第2の封着金属が介挿される。
とベローズダクトの境界面に長さ調整用押さえ板を銀ロ
ー付により取付ける。請求項3に対応する発明は、内部
に電子やイオンのビームを通す薄肉の筒状の真空容器の
外周面に補強リブを取付けてなるビームダクトにおい
て、前記真空容器の少なくとも一端部に長さ調整用のベ
ローズダクトを設け、このベローズダクトを真空容器と
一体に成形し、且つこのベローズダクトの端部にリング
状の絶縁物を接続フランジの内部に設けて取付け、この
リング状の絶縁物と接続フランジの接続部に封着金属が
介挿され、接続フランジの半径方向に対する絶縁を施
す。
ビームダクトにあっては、ベローズダクトを接続フラン
ジに絶縁材を介して取付ける際、接続フランジ内に形成
された環状溝にセラミック押えにより軸方向に押えられ
たセラミックの軸方向両端面に封着金属を挿入して軸方
向の絶縁を施すようにしているので、偏向電磁石による
磁場立上げ時にベローズダクトと接続フランジとの接続
部に生ずる渦電流やビームによって生じる電流をしゃ断
することができる。また、接続フランジの内部に封着金
属を介してセラミックを保持しているので、真空封着等
の溶接も容易に行うことができる。
だけを目的としてロー付されているので、軸方向に対す
る肉厚を薄くでき、偏向電磁石の磁場の影響による渦電
流の発生を押えることが可能となる。
トにあっては、上記と同様の作用効果が得られることは
勿論、ベローズダクトの端部に接合されるリング状の絶
縁物が接続接続フランジの内部に設けられるので、偏向
電磁石の磁場の影響による渦電流やビームによって発生
するイメージ電流等を有効にしゃ断することができる。
発明のビームダクトにあっては、真空容器としての内表
面積が小さくなるので、真空排気もし易くなる等の利点
が得られる。
る。図1は本発明によるビームダクトの第1の実施例を
示す断面図である。図1において、7は電気抵抗が高く
しかも非磁性材からなる薄肉(例えば0.2〜0.5mm
の肉厚)の筒状の真空容器で、この真空容器7の外周面
には適宜の間隔を存して内外の圧力差に耐え得るように
補強リブ8がロー付により取付けられている。この場
合、真空容器7の外周面には補強リブ8を固定するため
のリング状の膨出部が形成されている。
1が溶接により取付けられ、また他端部にはベーキング
による軸方向の伸びを吸収するためのベローズダクト6
が一体的に成形され、真空容器7とベローズダクト6と
の境界面に調整用押え板5が取付けられる。
ベローズダクト6は真空容器7の成形時に同時に加工す
ることによって成形される。また、ベローズダクト6の
伸縮調整用の押え板5も真空容器7の成形のときに同時
に銀ロー付により取付けられる。
れる接続フランジ1は、図2に示すように中心部に有す
る穴のベローズダクト側に環状溝1aが形成され、この
環状溝1aにリング状のセラミック3を挿入し、このセ
ラミック3の軸方向両端面から穴部の内周面にかけて封
着金属2を介挿すると共に、環状溝1aの開口側にセラ
ミック押え11を設け、さらに封着金属2の環状溝1a
よりベローズダクト側に延出する封着金属2を中心軸と
して円板状の絶縁材4を挿入する。そして、この絶縁材
4に金属性の継手9を介してベローズダクト6の端部を
取付ける。
溶接し、セラミック3およびセラミック押え11と封着
金属2との接合も同時に成形しロー付が可能である。従
って、このようにベローズダクト6を接続フランジ1に
取付けることにより、軸方向に絶縁された状態で接続フ
ランジ1に結合されることになる。
は、外周面に補強リブ8を適宜の間隔を存してロー付さ
れた肉厚の薄い真空容器7とベローズダクト6とを同時
に加工して一体的に成形するようにしたので、従来のよ
うに真空容器7とベローズダクト6とを溶接により接合
する場合に生じる不具合を防止することができる。
型の粒子加速用リングに対しても適用することができ
る。特に小形化の場合には偏向電磁石の極率が小さくな
るため、真空容器7の曲率にあった設計が必要となる
が、真空容器7に取付けられた補強リブ8を固定するた
めの小さなリング状の膨出部が存在しているので、自在
に湾曲が行い得る。
ト6の伸縮調整用の押え板5も同時に銀ロー付ができる
ほか、ベローズダクト6を接続フランジ1に絶縁材4を
介して取付ける際、接続フランジ1内に形成された環状
溝1aにセラミック押え11により軸方向に押えられた
セラミック3の軸方向両端面に封着金属2を挿入してロ
ー付により接合して軸方向の絶縁を施すようにしたの
で、偏向電磁石による磁場立ち上げ時にベローズダクト
6と接続フランジ1との接続部に生ずる渦電流やビーム
によって生じる電流をしゃ断することができる。
ク3を設けているので、真空封着等の溶接もし易くな
る。図3は本発明によるビームダクトの第2の実施例を
示す断面図で、ここでは図1と異なる点について述べ
る。
容器7と一体的に加工して成形されたベローズダクト6
の端部を接続フランジ1に溶接により接合し、且つ接続
フランジ1の中心穴の外周に設けられた環状穴1bに軸
方向両端が封着金属2によりロー付されて保持されたリ
ング状のセラミック3を設ける構成として、半径方向に
対する絶縁を施したものである。
実施例と同様の作用効果を得ることができる。なお、上
記第1の実施例および第2の実施例では、真空容器7の
一端側にベローズダクトを一体に成形する場合について
述べたが、真空容器の両端側にベローズダクトを一体的
に成形するようにしてもよい。
容器の組込みや、ベーキングがし易く、しかも偏向電磁
石による磁場立上げ時にベローズダクトと接続フランジ
との接続部に生ずる渦電流やビームによって生じる電流
をしゃ断することができる信頼性の高いビームダクトを
提供することができる。
す断面図。
トの接合部を示す拡大断面図。
面図。
す断面図。
を示す断面図。
ビームダクトを示す断面図。
ク、4……絶縁材、5……調整用押え板、6……ベロー
ズダクト、7……真空容器、8……補強リブ、9……継
手。
Claims (3)
- 【請求項1】 内部に電子やイオンのビームを通す薄肉
の筒状の真空容器の外周面に補強リブを取付け、両端部
に接続フランジを設けてなるビームダクトにおいて、前
記真空容器の少なくとも一端部に長さ調整用のベローズ
ダクトを設け、このベローズダクトを真空容器と一体に
成形し、このベローズダクトは絶縁材を介して前記接続
フランジに接続され、この接続フランジに形成された環
状溝と前記絶縁材との間にはリング状セラミックとこの
リング状セラミックの軸方向を押えるセラミック押えが
挿入され、前記リング状セラミックと前記環状溝との間
には第1の封着金属が介挿され、かつこのリング状セラ
ミックと前記セラミック押えとの間には第2の封着金属
が介挿されたことを特徴とするビームダクト。 - 【請求項2】 請求項1記載のビームダクトにおいて、
前記真空容器とベローズダクトの境界面に長さ調整用押
さえ板を銀ロー付により取付けたことを特徴とするビー
ムダクト。 - 【請求項3】 内部に電子やイオンのビームを通す薄肉
の筒状の真空容器の外周面に補強リブを取付けてなるビ
ームダクトにおいて、前記真空容器の少なくとも一端部
に長さ調整用のベローズダクトを設け、このベローズダ
クトを真空容器と一体に成形し、且つこのベローズダク
トの端部にリング状の絶縁物を接続フランジの内部に設
けて取付け、このリング状の絶縁物と接続フランジの接
続部に封着金属が介挿され、接続フランジの半径方向に
対する絶縁を施したことを特徴とするビームダクト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18487194A JP3335773B2 (ja) | 1994-08-05 | 1994-08-05 | ビームダクト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18487194A JP3335773B2 (ja) | 1994-08-05 | 1994-08-05 | ビームダクト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0850999A JPH0850999A (ja) | 1996-02-20 |
JP3335773B2 true JP3335773B2 (ja) | 2002-10-21 |
Family
ID=16160777
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18487194A Expired - Lifetime JP3335773B2 (ja) | 1994-08-05 | 1994-08-05 | ビームダクト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3335773B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2665082A1 (en) * | 2012-05-16 | 2013-11-20 | ICT Integrated Circuit Testing Gesellschaft für Halbleiterprüftechnik mbH | Element for fast magnetic beam deflection |
CN108831812B (zh) * | 2018-06-12 | 2020-11-13 | 中国科学院近代物理研究所 | 用于加速器的真空管 |
JP7163241B2 (ja) * | 2019-04-15 | 2022-10-31 | 東芝エネルギーシステムズ株式会社 | 荷電粒子加速器及びその施工方法 |
-
1994
- 1994-08-05 JP JP18487194A patent/JP3335773B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0850999A (ja) | 1996-02-20 |
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