JP3335765B2 - 振動特性解析装置 - Google Patents

振動特性解析装置

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JP3335765B2 JP14008194A JP14008194A JP3335765B2 JP 3335765 B2 JP3335765 B2 JP 3335765B2 JP 14008194 A JP14008194 A JP 14008194A JP 14008194 A JP14008194 A JP 14008194A JP 3335765 B2 JP3335765 B2 JP 3335765B2
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振動特性解析装置に関
し、特にエンジンブロック等の被試験物を加振すること
により応答を得てその応答関数から被試験物のモード特
性を同定する振動特性解析装置に関するものである。
【0002】実際の機械構造物の動特性を解析するため
には、該構造物を加振試験することにより得られた振動
応答特性から該構造物の動特性を同定する必要がある
が、この場合、振動現象を直接表現するパラメータであ
り、現象を直接理解し易く、収束性が良好なモード特性
(固有振動数、モード減衰比、固有モード形状などのモ
ーダルパラメータ)を同定する手法が現在では主流とな
っている。
【0003】
【従来の技術】図1は従来より知られている振動特性解
析装置の構成を概略的に示したもので、まず被試験物1
とこの被試験物1を加振するためのインパルスハンマー
2とを用意する。
【0004】そして、ハンマー2には力検出用ロードセ
ル3を取り付け、また該被試験物1の任意の場所に該ハ
ンマー2による加振力の3次元(x,y,z)方向加速
度を検出するためのピックアップ4を取り付ける。
【0005】そして、ピックアップ4の出力信号とロー
ドセル3の出力信号とを演算装置5に与えてFFT処理
を行い周波数応答関数(伝達関数:コンプライアンス)
を求めモード特性を計算して出力する構成を有してい
る。
【0006】この場合、加振実験は通常、ハンマー2に
よる被試験物1の加振場所を固定して行い、ピックアッ
プ4は逐次移動させて複数の応答関数を演算装置5に与
えるようにする。なお、被試験物1は柔らかいバネ(図
示せず)等により固定されている。
【0007】このような振動特性解析装置の演算装置
(実験モード解析装置)5のアルゴリズムとしては今ま
で多くの手法が提案されているが、この中で周波数領域
における『偏分反復法』は精度の良さで現在最も広く使
用されている。
【0008】この偏分反復法は簡単に言えば、実験デー
タと理論値の誤差を検定しながら反復計算を行い、最小
二乗法により最も確からしいモード特性を同定するもの
である。更に周波数領域で自由に重み付けすることがで
き、注目するモード特性以外のモード特性の影響を考慮
することができる。
【0009】<偏分反復法>以下にこの偏分反復法につ
いて説明すると、まず、ハンマー2で被試験物1を加振
したときのピックアップ4から演算装置5へ与えられる
モード特性の応答関数(理論値)は振幅と位相を持つの
で、次式のように実部GR(ω)と虚部GI(ω)とから
成る複素数で表されることがよく知られている。
【0010】
【数1】
【0011】この場合、角振動数をωで表し、注目する
角振動数範囲内の固有モ−ド数(自由度)をn(後述す
る図7の共振点を示す山の数に相当する)としている。
なお、Ur,Vrは、測定点に対するr番目の留数の実部
及び虚部を示している。
【0012】そして、この複素数とピックアップ4から
得られる実験データ(FFT演算処理した後の周波数を
横軸とし応答関数(コンプライアンス=変位/力)を縦
軸としたデータ)との誤差の二乗和(残差二乗和)が最
小になるように式(1) 中のパラメータ(定数)を決定
し、そのパラメータからモード特性を決定する。
【0013】即ち、式(1) に対応する実験デ−タから最
も確からしいパラメータ{γ}T={‥,σrdr,Ur,
r,‥,C,D,E,F,‥}({‥}はベクトルを表示す
る)を求めるには、理論値に対する実験デ−タの誤差が
正規分布するとして残差二乗和Sが最小となるようにパ
ラメータ{γ}を初期値(これは図7の実験データEの
共振点の周波数を読み取った値)から順次修正して行け
ば、図7に示すように実験データE(実線)の周波数応
答特性に最も近い(確からしい)理論値T(一点鎖線)
が得られることとなる。この残差二乗和Sは次式で表さ
れる。
【0014】
【数2】
【0015】なお、複数の応答関数を同時に処理する場
合にはそれらの実部、虚部を各々直列に並べて考えれば
よく、応答関数の数(測定点の数)をm,1つの応答関
数(1回の加振)中のデータ数をNとするとp=m・N
となる。また、Wi は重みであり各々の実測データの分
散の逆数に比例する。
【0016】残差二乗和Sが最小となるパラメータ
{γ}を求めるには、パラメータ{γ}の中に式(2) に
おける応答関数(理論式)fの分母にσrdrなどの非
線形項を含むので、線形近似による簡略化された改良反
復法(ガウス−ニュートン法)を次式のとおり適用する
ことによりパラメータ{γ}を修正するための修正ベク
トル{△γ}を求めて残差二乗和Sが最小値に収束する
まで反復して計算を行えばよい。
【0017】
【数3】 {△γ}=([A]T[W][A])-1・[A]T[W]{yi−fi} ・・・式(3) ただし、Aij =∂fi /∂γj であり、これは理論式
(1) 中のγの一つを変化させたときに該理論式(1) がど
れだけ変化したかを示しているが、これにより非線形項
を含む分母を強制的に分子に変換する「線形近似」を実
現している。また、[W]はWiを対角成分とする対角行
列を示している。
【0018】
【発明が解決しょうとする課題】しかし、上記の偏分反
復法には次の2つの欠点がある。 特に応答関数が複数の場合、求めるパラメータ{γ}
も応答関数の増加に応じて増加するため、式(3) の逆行
列の計算時間が急増してしまう(図3の特性A参照)。 変数が増加するため反復計算が収束し難く発散し易く
なり、途中で計算不能になることがある(図8参照)。
【0019】従って本発明は、被試験物を加振するため
のインパルスハンマーに取り付けられた力検出用ロード
セルと、該被試験物の任意の場所に取り付けられて該加
振力の3次元方向加速度を検出するためのピックアップ
と、該ピックアップの出力信号と該ロードセルの出力信
号とを受けて周波数応答関数を求めモード特性パラメー
タを計算することにより該被試験物のモード特性を同定
する演算装置とを備えた振動特性解析装置において、こ
の発散し易く計算時間がかかるというアルゴリズムの本
質に係わる改良を実現することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る振動特性解析装置は、演算装置が、実
測データとモード特性パラメータによる理論値との残差
が最小になるまで該パラメータを繰り返し変えて行く偏
分反復法を線形項と非線形項とに分けて計算すると共に
該線形項及び非線形項が変化しても該残差が発散しない
条件を設けることにより該モード特性を同定することを
特徴としたものである。
【0021】また上記の演算装置は、該発散しない条件
が該残差に対する該線形項及び非線形項による偏微分が
ゼロとなることであり、このときの2次偏微分項を省略
することができる。
【0022】更に上記の演算装置は、上記の発散しない
条件として該偏分反復法を実行するときの該非線形項の
修正ベクトルに対して閾値以内の縮小条件を付加するこ
とが好ましい。
【0023】
【作用】本発明に係る振動特性解析装置においては、モ
ード特性パラメータ線形項と非線形項とに分割する。
【0024】即ち、非線形項パラメータの数が、応答関
数の数が増加しても図7に示す山の位置(周波数)が変
わらないため不変であり、応答関数の数の影響を受けな
いことが特徴であり、この非線形項が求まれば線形項を
容易に求めることができるからである。
【0025】そこで非線形項だけを先ず非線形パラメー
タの初期値(暫定値)を設定し、この初期値により線形
項パラメータを計算で求める。
【0026】このようにして求めた線形項と初期値の非
線形項とを用いて式(1) により応答関数GR 及びGI
計算する。
【0027】このようにして計算した応答関数GR ,G
I と実験値との残差二乗和Sを式(2) に従って計算し、
この残差二乗和Sが最小値(極小値)であると判ったと
きには、上記のようにして求めた線形項と非線形項を同
定したいモード特性の最終値であるとする。
【0028】残差二乗和Sが最小値ではないと判ったと
きには残差二乗和Sは、この残差二乗和Sを最小値にす
るために新しい非線形項を求める。
【0029】この非線形項だけを求めるには修正ベクト
ル{△β}を上記の式(3) と同様にして求め、収束する
まで反復計算を行うが、線形項のことを考慮するため
に、残差二乗和Sの極小点近傍において発散防止を図る
ための制約条件を設け、この制約条件により非線形項の
修正ベクトル{△β}が求められる。
【0030】但し、修正ベクトル{△β}は求まるが、
このまま使用すると発散する場合もあるので更に側面制
約を設定する。
【0031】このようにして求められた修正ベクトル
{△β}と前回の非線形項パラメータ{β}(最初は初
期値)とを加算して今回の新しい非線形項パラメーを計
算し、この新しい非線形項パラメータを用いて繰り返し
実行することにより、最適なモード特性を示す{α}と
{β}を決定することができる。
【0032】
【実施例】本発明に係る振動特性解析装置の構成は上述
した図1に示した従来例と同様のものを用いることがで
きるが、従来例との差異は演算装置5における演算処理
である。以下にこの演算処理について図2に示したフロ
ーチャートに沿って説明する。
【0033】(1) パラメータの分割:複数の応答関数を
同時に考慮する時、その応答関数の数をm,同定する固
有モ−ドの数を上記と同様にnとするとパラメータ
{γ}の数は2n+(2n+4)mである。そのパラメータ{γ}
のうち式(1) において分母中にある非線形項は2n、分
子中にある線形項は(2n+4)m である。このパラメータ
{γ}を次式のように線形項{α}と非線形項{β}と
に分割する。
【0034】
【数4】 {γ}T={{α}T,{β}T} {α}T={‥,Ur,Vr,‥,C,D,E,F,‥} {β}T={‥,σrdr,‥} ・・・式(4)
【0035】ここで、非線形項{β}中のσr は各ピー
ク(n個存在し得る図7に示す山々)、つまり各モード
特性における減衰率を示し、ωdrは各ピーク、つまり各
モード特性における減衰固有角振動数を示す。この減衰
率と固有振動数は応答点(ピックアップ4の取付位置)
が変わっても変化しない。つまり非線形項のパラメータ
{β}の数2nは応答関数の数mが増加しても図7に示
す山の位置(周波数)が変わらないため不変であること
が特徴となっており、これにより応答関数の数の影響を
受けないことが分かる。そして、非線形項が求まれば線
形項だけは容易に求めることができる。
【0036】そこで非線形項だけを先ず求めることを工
夫する。このため、まず非線形パラメータ{β}の初期
値を設定する(図2のステップS1)。これは、図7に
示すような周波数応答のピークの周波数を読んでその値
をωdrとし、σrは適当な値を設定することにより行わ
れる。
【0037】非線形項パラメータ{β}が初期設定され
れば、次式により線形項パラメータ{α}を1回の計算
で求めることができる(ステップS2)。
【0038】
【数5】 {α}=([D]T[W][D])-1[D]T[W]{yi} ・・・式(5) ただし、Dij=∂fi/∂αj (i=1〜2p,j=1〜(2
n+4)m)
【0039】ここで、式(4) に示したように、{α}T
={‥,Ur,Vr,‥,C,D,E,F,‥}であるので、Dij
は次のようになる。
【0040】まず、i=1〜pのときは、fi=G
Ri) であるので、Dij=∂GRi)/∂αj とな
り、各線形項について次式が得られる。
【0041】
【数6】
【0042】また、上記式(6) におけるar,r も式
(1) で示した通り非線形項σr,ωdrで表すことができ、
非線形項σr,ωdrが上記のとおり初期設定されているの
で、それらの初期値を入れ且つωi を入れることにより
ijが計算できる。
【0043】同様に、i=p+1〜2pのときは、f
i=GIi) であるので、Dij=∂GIi)/∂αj
なり、各線形項について次式が得られる。
【0044】
【数7】
【0045】この式においても、非線形項の初期値を入
れ且つωi を入れることによりDijが計算できる。
【0046】このようにして求めた線形項{α}と非線
形項{β}とを用いて式(1) により応答関数GR 及びG
I を計算する(ステップS3)。
【0047】このようにして計算した応答関数GR ,G
I と実験値との残差二乗和Sを式(2) に従って計算する
(ステップS4)。
【0048】そして、この残差二乗和Sが前回求めた値
より小さくなっているか否かを判定する(ステップS
5)。なお、この場合の最初の残差二乗和Sは適当な値
を設定しておけばよい。
【0049】この結果、残差二乗和Sが前回の値より小
さくなっていないときには残差二乗和Sが最小値に達し
たことになるので、上記のようにして求めた線形項
{α}と非線形項{β}を同定したいモード特性の最終
値であるとして出力し(ステップS6)、このルーチン
を終了する。
【0050】残差二乗和Sが前回の値より小さくなって
いるときには残差二乗和Sはまだ最小値に達していない
ことになるので、この残差二乗和Sを最小値にするため
の次の非線形項パラメータ{β}を以下のとおり求め
る。
【0051】即ち、非線形項だけを求めるには次式によ
り修正ベクトル{△β}を上記の式(3) における{γ}
と同様にして求め、収束するまで反復計算を行う。
【0052】
【数8】 {△β}=([C]T[W][C])-1[C]T[W]・{yi−fi} ・・・式(8) ただし、Cij=∂fi/∂βj (i=1〜2p,j=1〜2
n)
【0053】しかしながら、このままでは線形項{α}
のことを考慮していないので、線形項{α}を考慮する
ために次のように工夫する。
【0054】残差二乗和Sの極小点において次式が成立
する。
【0055】
【数9】 ∂S/∂αj=0 (j=1〜(2n+4)m ) ・・・式(9)
【0056】この近傍において次式が成立すれば発散防
止を図ることができる。
【0057】
【数10】 ∂2S/∂αj∂βk=0 (j=1〜(2n+4)m,k=1〜2n) ・・・式(10)
【0058】即ち、この式(10)の意味は、∂S/∂αj
が線形項を変えると残差二乗和Sがどれだけ変わるかを
示し、これを更に∂βkで偏微分することにより非線形
項を変えても∂S/∂αjが変化しないということを示
し(右辺が0のため)、以て線形項{α}を考慮した発
散防止を図るための制約条件となっている。
【0059】上記の式(10)の数は、2n×(2n+4)m であり
線形項{α}を消去するには多過ぎるが、ここでは式(1
0)を全て成立させるのではなく変数を縮小するのが狙い
であるので、式(10)の下での応答関数fのβk による微
分係数をHk とすると、この微分係数Hk は次式のよう
に表される計算される(ステップS7)。
【0060】
【数11】
【0061】この微分係数Hk を求めるためには、∂α
j/∂βk(j=1〜(2n+4)m,k=1〜2n)を計算する必要
がある。
【0062】このため、まず式(10)に式(2) の残差二乗
和Sを代入すると、次式のようになる。
【0063】
【数12】
【0064】この式(12)の左辺第1項の∂fi/∂βk
代わりに式(11)のHk を代入し、更に整理して行列表示
すると次式のようになる。
【0065】
【数13】
【0066】従って、式(13)を変形して、{a}=
{b}[B]-1とすることにより、∂αj/∂βkを求める
ことができる。
【0067】また、[B]は(2n+4)m ×(2n+4)m の正方
行列であるが、Bstにおいて、s,tが異なる応答関数
に属する時には[B]は次式に示すようにBst=0とな
るので(2n+4)×(2n+4)の行列m個に分割できる。
【0068】
【数14】
【0069】従って、{a}を求めるための上記の逆行
列[B]-1の大きさは応答関数の数mに無関係となる。
【0070】そして、式(11)の微分係数Hk が求まれば
式(3) と同様に次式から非線形項の修正ベクトル{△
β}が求められる(ステップS8)。
【0071】
【数15】 {△β}=([C]T[W][C])-1[C]T[W]・{yi−fi} ・・・式(15) ただし、Cij=Hj(f=fi) (i=1〜2p,j=1〜2
n)
【0072】<側面制約の設定>式(15)により非線形項
の修正ベクトル{△β}が求まるが、上記の式(10)の制
約条件にも関わらずこのまま使用すると発散する場合が
あるので、更に側面制約を設定する。
【0073】発散防止の側面制約としては修正ベクトル
に縮小因子をかけてその方向は同じで大きさを縮小する
方法があるが、この場合、モ−ドが異なれば非線形項相
互の影響は少なくなるので、非線形項各々に次式の制約
を設定する(ステップS9)。
【0074】
【数16】 |△ωdr/ωdr|≦ K1 |△σr /σr |≦ K2 , σr >0 ・・・ 式(16)
【0075】今回、この係数K1 は0.05、K2 は0.8 を
使用した。K2 <1で且つσr の初期値が正であればσ
r は繰り返し計算後も正となる。
【0076】このようにして求められた修正ベクトル
{△β}と前回の非線形項パラメータ{β}(最初は初
期値)とを加算して今回の新しい非線形項パラメータ
{β*}を計算する(ステップS10)。
【0077】
【数17】 {β*}={β}+{Δβ} ・・・式(17)
【0078】このようにして求めた新しい非線形項パラ
メータ{β*}を用いて上記のステップS3以降を繰り
返し実行することとなり、最適なモード特性を示す
{α}と{β}を出力する(ステップS6)こととな
る。
【0079】なお、本発明では、式(12)の第2項目であ
る応答関数fの2階偏微分項を無視して同様に展開する
事もできる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る振動
特性解析装置によれば、実測データとモード特性パラメ
ータによる理論値との残差が最小になるまで該パラメー
タを繰り返し変えて行く偏分反復法を線形項と非線形項
とに分けて計算すると共に該線形項及び非線形項が変化
しても該残差が発散しない条件を設けることにより該モ
ード特性を同定するように構成したので、次に示す如
く、従来技術に対する効果が得られる。 (1)計算時間について:計算時間の比較を図3と下記
の表1に示す。同定するモ−ド数nは5で1つのコンプ
ライアンス中のデータ数は573である。単点参照にお
いては従来例によるほうが計算機使用時間が少ないが、
従来例では、周波数応答関数のmが増加すると計算機使
用時間は急増する。これは解くべき逆行列の大きさが
(2n+4)mとなる為である。改良型は逆行列の大き
さは2nで一定であり、これを使用する計算回数が増加
するだけなのでほぼ直線的に増加している。
【0081】
【表1】
【0082】(2)収束性について:収束性を比較する
為に計算で作成したコンプライアンスを使用する。モデ
ルは5質点、5バネで1番バネの端を固定している。諸
元と不減衰固有振動数を下記の表2に示す。同定するモ
ード特性数は5で、データは50〜950Hz までの1Hz置き
で 901個である。モード特性減衰比は全モード特性で1
%とした。
【0083】
【表2】
【0084】本発明と従来例における収束性を比較する
為に非線形項パラメータωdrの初期値を変えて繰り返し
計算を行った。モード特性減衰比の初期値は正解値の1
/ 10である0.1 %である。
【0085】これらの結果を結果を図4〜図6に示す。
縦軸は基準化された残差Zであり、次式で表される。
【0086】
【数18】
【0087】これらの図の内、図4は式(12)の左辺第
2項の2次微分項を省略した場合に対応し、図5はこ
の2次微分項を省略しない場合に対応し、そして、図
6は2次微分項を省略せず且つ式(16)による側面制約を
考慮した場合の特性をそれぞれ示しており、この順に収
束性が改善されて行き、図6の場合が従来例から大幅に
改善されていることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び従来例に共通な振動特性解析装置を
示したブロック図である。
【図2】本発明に係る振動特性解析装置における演算装
置に格納され且つ実行される演算アルゴリズムを示した
フローチャート図である。
【図3】本発明と従来例の演算時間を比較するためのグ
ラフ図である。
【図4】本発明に係る振動特性解析装置の収束性(その
1)を示したグラフ図である。
【図5】本発明に係る振動特性解析装置の収束性(その
2)を示したグラフ図である。
【図6】本発明に係る振動特性解析装置の収束性(その
3)を示したグラフ図である。
【図7】被試験物を加振したときのコンプライアンス
(応答関数)の測定結果と理論値を周波数に対して示し
たグラフ図である。
【図8】従来例の収束性を示したグラフ図である。
【符号の説明】
1 被試験物 2 インパルスハンマー 3 ロードセル 4 加速度ピックアップ 5 演算装置 図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01H 13/00 G01M 7/08 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被試験物を加振するためのインパルスハ
    ンマーに取り付けられた力検出用ロードセルと、該被試
    験物の任意の場所に取り付けられて該加振力の3次元方
    向加速度を検出するためのピックアップと、該ピックア
    ップからの実測データと該ロードセルの出力信号とを受
    けて周波数応答関数を求めモード特性パラメータを計算
    することにより該被試験物のモード特性を同定する演算
    装置と、を備えた振動特性解析装置において、 該演算装置が、該実測データと該パラメータによる理論
    値との残差が最小になるまで該パラメータを繰り返し変
    えて行く偏分反復法を線形項と非線形項とに分けて計算
    すると共に該線形項及び非線形項が変化しても該残差が
    発散しない条件を設けることにより該モード特性を同定
    することを特徴とした振動特性解析装置。
  2. 【請求項2】 該演算装置が、該発散しない条件が該残
    差に対する該線形項及び非線形項による偏微分がゼロと
    なることであり、このときの2次偏微分項を省略したこ
    とを特徴とする請求項1に記載の振動特性解析装置。
  3. 【請求項3】 該演算装置が、該発散しない条件として
    該偏分反復法を実行するときの該非線形項の修正ベクト
    ルに対して閾値以内の縮小条件を付加することを特徴と
    した請求項1又は2に記載の振動特性解析装置。
JP14008194A 1994-06-22 1994-06-22 振動特性解析装置 Expired - Fee Related JP3335765B2 (ja)

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