JP3334452B2 - 食器洗い機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は食器類の洗浄を行う
食器洗い機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、食器洗い機は図３に示すように構
成していた。以下、その構成について説明する。

【０００３】図に示すように、洗浄槽１は、食器類２を
内部に収納し、底部に洗浄水を溜めており、前面は開口
部となっている。洗浄ノズル３は、洗浄槽１内に回転自
在に支持され、洗浄ポンプ４により送り込まれた洗浄水
を食器類２に向けて噴出する。洗浄ポンプ４はモータ５
によって駆動される。ヒータ６は、洗浄槽１の底部に配
設し、洗浄水を加熱する。扉７は洗浄槽１の前面開口部
を前方に開閉自在に覆っている。洗浄槽１の上部にはフ
ァンモータ８を設け、ダクト９によって吸気口１０に連
通している。また、食器洗い機本体１１の上部前面には
排気口１２を設け、ダクト１３によって洗浄槽１の上部
に設けた排出穴１４に連通している。

【０００４】上記構成において動作を説明すると、利用
者が扉７を前方に開け、食器類２を食器かご１５に配置
し洗浄槽１に収納して洗剤を入れた後運転を開始する
と、まず、洗浄槽１の底部に所定量の水道水が給水され
る。そして、モータ５およびヒータ６に通電され、洗浄
水は加熱されながら洗浄ポンプ４により食器類２に向け
て洗浄ノズル３から噴出され、食器類の汚れを落とす。
また、乾燥時には、洗浄水を槽外に排出した後、ファン
モータ８を動作させて外気を吸気口１０より洗浄槽１内
に供給する。そして、槽内の湿気を排出穴１４を通して
排気口１２より機外へ排出し食器類２の乾燥を行う。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、排気口１２が食器洗い機本体１１の正面
に位置しているため、使用者が食器洗い機本体１１の前
に居ると、乾燥中に排出される湯気が直接使用者にかか
る恐れがあった。この湯気は温度は６０℃程度であり、
勢い、量とも少なく、やけどをするレベルではないが、
使用者が予期していないところに湯気がかかるとびっく
りさせるという問題を有していた。

【０００６】また、ダクト１３内は洗浄、乾燥中とも水
滴がたくさん付着するが、付着した水が容易に流れ落ち
るようにしないと、乾燥中にダクト１３内に残った水が
食器類２に滴下して乾燥性能を低下させることになる。
水切りをよくして内部に水がたまらないようにするため
には、傾斜を大きく取る必要があるが、傾斜を大きく取
ると、食器洗い機本体１１の上部の必要スペースが大き
くなり、洗浄槽１の有効容積が小さくなるという問題を
有していた。

【０００７】また、排気口１２はダクト１３によって洗
浄槽１の排出穴１４と連通される構成のため、それぞれ
の接続部には水封のためにシール部材１６、１７が必要
となり、構成が複雑となってコストがかかるという問題
を有していた。

【０００８】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、乾燥中に排出される湯気が使用者にかからないよう
にするとともに、洗浄、乾燥中に送風路の水滴残りを少
なくすることを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の食器洗い機にお
いては、洗浄槽の開口部を覆い後方に形成した軸受け部
により上方に回転自在に保持された蓋の上面後方に排気
口を構成するとともに、前記蓋の内面側に前記排気口を
内側より覆うように取り付けた送風ガイド板の下端部に
形成され前記送風ガイド板を介して前記排気口に連通し
た排出穴を前記排気口より後方に設けるとともに前記送
風ガイド板は後方下方に傾斜するようにしたものであ
る。

【００１０】これにより、乾燥中に排出される湯気が使
用者にかからないようにするとともに、洗浄、乾燥中に
送風路の水滴残りを少なくすることができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、上方に開口部を有する箱型の洗浄槽と、前記開口部
を覆い後方に形成した軸受け部により上方に回転自在に
保持された蓋と、前記蓋の上面後方に形成した排気口
と、前記蓋の内面側には前記排気口を内側より覆うよう
に取り付けた送風ガイド板と、前記送風ガイド板の下端
部に形成され前記送風ガイド板を介して前記排気口に連
通した排出穴とを備え、前記排出穴は前記排気口より後
方に設けるとともに前記送風ガイド板は後方下方に傾斜
するようにしたものであり、蓋の上面後方の排気口と蓋
の内面の排出穴は、排気口が上になるように傾斜してい
るため、乾燥中に洗浄槽内の湿気により発生し、排気口
から排出される湯気は、蓋の上面後部より斜め前方向へ
出るため、使用者が食器洗い機の前に居ても湯気が掛か
るのをなくすることができ、また、洗浄、乾燥中ともに
水切りをよくし、水滴残りを少なくすることができる。

【００１２】また、請求項２に記載の発明は、請求項１
に記載の発明において、蓋はおわん形形状とし、送風ガ
イド板は、前記蓋のおわん形形状に添って後方下方に傾
斜するようにしたものであり、蓋の上面後方の排気口と
蓋の内面の排出穴との傾斜を大きくすることができ、排
気口から排出される湯気は、蓋の上面後部より一層高く
斜め前方向へ出るため、使用者が食器洗い機の前に居て
も湯気が掛かるのをなくすることができ、洗浄、乾燥中
ともに水切りをよくし、水滴残りを少なくすることがで
き、しかも、洗浄槽の有効容積を犠牲にすることなく実
現することができ、乾燥性能を向上することができる。

【００１３】また、請求項３に記載の発明は、上方に開
口部を有する箱型の洗浄槽と、前記開口部を覆い後方に
形成した軸受け部により上方に回転自在に保持された内
蓋と、前記内蓋の上面後方に形成した排気口と、前記内
蓋の内面側には前記排気口を内側より覆うように取り付
けた送風ガイド板と、前記送風ガイド板の下端部に形成
され前記送風ガイド板を介して前記排気口に連通した排
出穴と、前記内蓋の上面に取り付けられ穴部を設けた外
蓋とを備え、前記内蓋の排気口は、前記外蓋の穴部より
上方に突出し、外観の一部を構成したものであり、排気
口を内蓋に一体に構成することにより、送風径路を水封
する必要のない槽内側に形成することができ、少ない部
品点数で、コスト低減できるとともに、水漏れなどの心
配もなくすることができる。

【００１４】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照しながら説明する。

【００１５】（実施の形態１） 図１および図２に示すように、洗浄槽２１は、食器類２
２を内部に収納し、底部に洗浄水を溜めており、上面は
開口部となっている。洗浄ノズル２３は、洗浄槽２１内
に回転自在に支持し、洗浄ポンプ２４により送り込まれ
た洗浄水を食器類２２に向けて噴出する。ヒータ２５
は、洗浄槽２１の底部に配設し、洗浄水を加熱する。

【００１６】蓋を構成する内蓋２６は、洗浄槽２１の上
面の開口部を上方に開閉自在に覆うもので、上方に外蓋
２７を取り付けている。内蓋２６の後方に軸受け部２８
を一体に形成し、軸２９によって支持部材３０を回転自
在に取り付けている。内蓋２６の上面後方に排気口３１
を一体に形成し、外蓋２７に形成した穴部３２より表面
側に突出している。

【００１７】また、内蓋２６の内面には送風ガイド板３
３を排気口３１を内側より覆うように取り付け、この送
風ガイド板３３の下端部３４には、排気口３１より後方
の位置に排出穴３５を形成している。内蓋２６の下面外
周には、洗浄槽２１の開口部の全周にわたって内側に入
りこむ内壁３６を形成し、その外周にはシール部材３７
を取り付けている。洗浄槽２１の下方にはファンモータ
３８を取り付け、ダクト３９によって洗浄槽２１の下面
に形成した給気口４０と連通している。

【００１８】上記構成において動作を説明すると、利用
者が内蓋２６を上方に開け、食器類２２を食器かご４１
に配置し、洗浄槽２１に収納して洗剤を入れた後、運転
を開始すると、まず、洗浄槽２１の底部に所定量の水道
水が給水される。そして洗浄ポンプ２４およびヒータ２
５に通電され、洗浄水は加熱されながら食器類２２に向
けて洗浄ノズル２３から噴出され、食器類の汚れを落と
す。

【００１９】洗浄中は、シール部材３７によって洗浄槽
２１と内蓋２６との間を水封し、洗浄槽２１内に噴出さ
れる洗浄水が槽外に漏れることを防止する。また、送風
ガイド板３３によって排気口３１から洗浄水が機外へ飛
び散ることを防止する。乾燥中は、洗浄水が槽外へ排出
された後、ファンモータ３８が動作し、給気口４０より
外気が洗浄槽２１内に供給され、洗浄槽２１内の湯気は
排出穴３５より送風ガイド板３３内を通って排気口３１
から槽外へ排出され、食器類２２を乾燥する。

【００２０】乾燥中には排気口３１より湯気が機外に排
出されるが、送風ガイド板３３の排出穴３５が排気口３
１より後方に形成されているため、内蓋２６の上面後方
の排気口３１と内蓋２６の内面の排出穴３５は、排気口
３１が上になるように傾斜しているため、湯気が排気口
３１より食器洗い機の斜め前の上方に向かって出ること
になる。

【００２１】したがって、使用者が食器洗い機本体の前
に居ても、湯気が直接掛かることはない。この湯気は温
度は６０℃程度であり、勢い、量供少なく、やけどをす
るレベルではなく、使用者が予期していないところに湯
気がかかってびっくりさせるということもなくなる。さ
らに、食器洗い機本体の上方に吊り戸棚などがあって
も、直接には湯気が当たり難く、結露による台所回りの
腐食も防ぐことができる。また、洗浄、乾燥中ともに水
切りをよくし、水滴残りを少なくすることができる。

【００２２】（実施の形態２） 図１および図２に示すように、内蓋２６の天面４２は、
直径の大きい大皿も収納できるように上方に凸のおわん
形の形状をしている。送風ガイド板３３は、内蓋２６の
内面にそのおわん形形状に沿って取り付けており、送風
ガイド板３３の底面４３は天面４２と一定の間隔を保っ
て後方下方に傾斜をしている。他の構成は上記実施の形
態１と同じである。

【００２３】上記構成においてその作用を説明すると、
洗浄中には洗浄水が排出穴３５より送風ガイド板３３の
内部へ侵入するが、内蓋２６の内面がおわん形形状であ
るため、送風ガイド板３３の底面４３は下方へ大きく傾
斜しており、容易に排出穴３５より洗浄槽２１内へ流れ
落ち、洗浄水が送風ガイド板３３内にたまることはな
い。

【００２４】また、乾燥中においても送風ガイド板３３
内を湯気が通過するため結露するが、底面４３を伝って
容易に排出穴３５より洗浄槽２１内へ流れ落ち、送風ガ
イド板３３内が早く乾くことができ、さらに、排気口３
１から排出される湯気は、内蓋２６の上面後部より一層
高く斜め前方向へ出るため、使用者が食器洗い機の前に
居ても湯気が掛かるのをなくすることができる。

【００２５】したがって、乾燥中に、乾きかけた食器類
２２の上に結露水が滴下して食器類２２を濡らすことも
なく、乾燥性能を向上することができる。ここで、水切
りを良くするための底面４３の傾斜は、内蓋２６のおわ
ん形形状に沿って形成できるため、洗浄槽２１の有効容
積を犠牲にすることなく構成することができる。

【００２６】（実施の形態３） 図１および図２に示すように、排気口３１は、内蓋２６
の天面に一体に形成しており、この排気口３１は外蓋２
７の穴部３２より表面側に突出し、食器洗い機本体の外
観の一部を構成している。また、内蓋２６の槽内側に
は、送風ガイド板３３を排気口３１を覆うように取り付
けており、送風ガイド板３３の下端部３４に排出穴３５
を形成している。

【００２７】上記構成において作用を説明すると、洗浄
中には洗浄水が排出穴３５より送風ガイド板３３内部へ
侵入するが、排出穴３５は排気口３１から離れた位置に
あるため、洗浄水が排気口３１から機外に飛び出すこと
はない。ここで、送風ガイド板３３は槽内側に位置して
いるため、内蓋２６と送風ガイド板３３との間はシール
部材などで水封する必要はない。したがって、この構成
により、少ない部品点数でコストを掛けることなく、水
漏れの心配のない信頼性の高い送風径路を得ることが可
能となる。

【００２８】

【発明の効果】以上のように本発明の請求項１に記載の
発明によれば、上方に開口部を有する箱型の洗浄槽と、
前記開口部を覆い後方に形成した軸受け部により上方に
回転自在に保持された蓋と、前記蓋の上面後方に形成し
た排気口と、前記蓋の内面側には前記排気口を内側より
覆うように取り付けた送風ガイド板と、前記送風ガイド
板の下端部に形成され前記送風ガイド板を介して前記排
気口に連通した排出穴とを備え、前記排出穴は前記排気
口より後方に設けるとともに前記送風ガイド板は後方下
方に傾斜するようにしたから、蓋の上面後方の排気口と
蓋の内面の排出穴は、排気口が上になるように傾斜して
いるため、乾燥中に洗浄槽内の湿気により発生し、排気
口から排出される湯気は、蓋の上面後部より斜め前方向
へ出るため、使用者が食器洗い機の前に居ても湯気が掛
かるのをなくすることができるとともに、吊り戸棚など
の腐食も防ぐことができ、また、洗浄、乾燥中ともに水
切りをよくし、水滴残りを少なくすることができる。

【００２９】また、請求項２に記載の発明によれば、請
求項１に記載の発明において、蓋はおわん形形状とし、
送風ガイド板は、前記蓋のおわん形形状に添って後方下
方に傾斜するようにしたから、蓋の上面後方の排気口と
蓋の内面の排出穴との傾斜を大きくすることができ、排
気口から排出される湯気は、蓋の上面後部より一層高く
斜め前方向へ出るため、使用者が食器洗い機の前に居て
も湯気が掛かるのをなくすることができ、洗浄、乾燥中
ともに水切りをよくし、水滴残りを少なくすることがで
き、しかも、洗浄槽の有効容積を犠牲にすることなく実
現することができ、乾燥性能を向上することができる。

【００３０】また、請求項３に記載の発明によれば、上
方に開口部を有する箱型の洗浄槽と、前記開口部を覆い
後方に形成した軸受け部により上方に回転自在に保持さ
れた内蓋と、前記内蓋の上面後方に形成した排気口と、
前記内蓋の内面側には前記排気口を内側より覆うように
取り付けた送風ガイド板と、前記送風ガイド板の下端部
に形成され前記送風ガイド板を介して前記排気口に連通
した排出穴と、前記内蓋の上面に取り付けられ穴部を設
けた外蓋とを備え、前記内蓋の排気口は、前記外蓋の穴
部より上方に突出し、外観の一部を構成したから、排気
口を内蓋に一体に構成することにより、送風径路を水封
する必要のない槽内側に形成することができ、少ない部
品点数で、コスト低減できるとともに、水漏れなどの心
配もなくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる実施の形態の食器洗い機の断面
図

【図２】同食器洗い機の要部拡大断面図

【図３】従来の食器洗い機の断面図

【符号の説明】

２１ 洗浄槽 ２６ 内蓋（蓋） ３１ 排気口 ３５ 排出穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−245093（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−115419（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−126119（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−217922（ＪＰ，Ａ) 実開 平４−44865（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭49−69555（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47L 15/00 - 19/00

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方に開口部を有する箱型の洗浄槽と、
   前記開口部を覆い後方に形成した軸受け部により上方に
   回転自在に保持された蓋と、前記蓋の上面後方に形成し
   た排気口と、前記蓋の内面側には前記排気口を内側より
   覆うように取り付けた送風ガイド板と、前記送風ガイド
   板の下端部に形成され前記送風ガイド板を介して前記排
   気口に連通した排出穴とを備え、前記排出穴は前記排気
   口より後方に設けるとともに前記送風ガイド板は後方下
   方に傾斜するようにした食器洗い機。
2. 【請求項２】 蓋はおわん形形状とし、送風ガイド板
   は、前記蓋のおわん形形状に添って後方下方に傾斜する
   ようにした請求項１記載の食器洗い機。
3. 【請求項３】 上方に開口部を有する箱型の洗浄槽と、
   前記開口部を覆い後方に形成した軸受け部により上方に
   回転自在に保持された内蓋と、前記内蓋の上面後方に形
   成した排気口と、前記内蓋の内面側には前記排気口を内
   側より覆うように取り付けた送風ガイド板と、前記送風
   ガイド板の下端部に形成され前記送風ガイド板を介して
   前記排気口に連通した排出穴と、前記内蓋の上面に取り
   付けられ穴部を設けた外蓋とを備え、前記内蓋の排気口
   は、前記外蓋の穴部より上方に突出し、外観の一部を構
   成した食器洗い機。