JP3334240B2 - 導電ペースト組成物 - Google Patents
導電ペースト組成物Info
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- JP3334240B2 JP3334240B2 JP09720093A JP9720093A JP3334240B2 JP 3334240 B2 JP3334240 B2 JP 3334240B2 JP 09720093 A JP09720093 A JP 09720093A JP 9720093 A JP9720093 A JP 9720093A JP 3334240 B2 JP3334240 B2 JP 3334240B2
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- Japan
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- powder
- conductive paste
- paste composition
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- Conductive Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Pd粉を導電材料とす
る、特に積層セラミックコンデンサーの内部電極を形成
するに好適な導電ペースト組成物に関する。
る、特に積層セラミックコンデンサーの内部電極を形成
するに好適な導電ペースト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】Pd粉は約500℃から酸化し始め体積
膨張し、800℃を超えると逆に還元して体積収縮す
る。そのため、例えば積層セラミックコンデンサーの内
部電極形成用の、Pd粉を導電材料とする導電ペースト
組成物においては、温度1300〜1500℃で焼成し
て内部電極を形成する過程で、Pd粉の酸化程度が大き
い程、Pdの酸化に起因する体積膨張のために、内部電
極と誘電体との界面でデラミネーションと呼ばれている
剥離が生じ易くなる。
膨張し、800℃を超えると逆に還元して体積収縮す
る。そのため、例えば積層セラミックコンデンサーの内
部電極形成用の、Pd粉を導電材料とする導電ペースト
組成物においては、温度1300〜1500℃で焼成し
て内部電極を形成する過程で、Pd粉の酸化程度が大き
い程、Pdの酸化に起因する体積膨張のために、内部電
極と誘電体との界面でデラミネーションと呼ばれている
剥離が生じ易くなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、デラミネー
ションの発生が極めて少ないPd粉を含有する導電ペー
スト組成物を提供することにある。
ションの発生が極めて少ないPd粉を含有する導電ペー
スト組成物を提供することにある。
【0004】本発明は、上記の導電ペーストにおいて、
結晶子径が600Å以上であり、平均粒径が0.4〜1
μmであるPd粉を導電粉末として含有する導電ペース
ト組成物にある。
結晶子径が600Å以上であり、平均粒径が0.4〜1
μmであるPd粉を導電粉末として含有する導電ペース
ト組成物にある。
【0005】
【作用】本発明は、Pd粉は単結晶でもその微結晶が多
い程、多結晶でもその結晶粒が極めて細かい程、Pd粉
中に多くの欠陥が存在するため酸化量が大きくなること
に着目したものである。この微結晶あるいは微結晶粒の
大きさは結晶子径と呼ばれている。この結晶子径は光学
顕微鏡では測定できず、Scherrer法として知ら
れているX線回折により測定される。この方法は、結晶
の内部欠陥のために回折線が散乱され回折ピークの幅が
広がることを利用して結晶子径を評価するものである。
い程、多結晶でもその結晶粒が極めて細かい程、Pd粉
中に多くの欠陥が存在するため酸化量が大きくなること
に着目したものである。この微結晶あるいは微結晶粒の
大きさは結晶子径と呼ばれている。この結晶子径は光学
顕微鏡では測定できず、Scherrer法として知ら
れているX線回折により測定される。この方法は、結晶
の内部欠陥のために回折線が散乱され回折ピークの幅が
広がることを利用して結晶子径を評価するものである。
【0006】そして、出願人の製造した種々のPd粉の
結晶子径を測定し、種々の結晶子径を有するPd粉約2
0gを試料として、熱重量分析装置により、窒素流量5
00ml/分で、500℃まで昇温速度100℃/分で
昇温後、空気流量200ml/分に切り替え100分保
持した後の重量を測定し、重量増加率を調べた。その結
果を表1に示す。
結晶子径を測定し、種々の結晶子径を有するPd粉約2
0gを試料として、熱重量分析装置により、窒素流量5
00ml/分で、500℃まで昇温速度100℃/分で
昇温後、空気流量200ml/分に切り替え100分保
持した後の重量を測定し、重量増加率を調べた。その結
果を表1に示す。
【0007】その結果、結晶子径が600Å以上のPd
粉は、結晶子径が600Å未満のPd粉に比して酸化率
が少ないことが分かった。この結果に基づいて、導電ペ
ースト組成物を作成しデラミネーションの発生率を調べ
た結果、結晶子径が600Å以上のPd粉を使用すれば
デラミネーションの発生率を極めて少なくできることを
見いだしたものである。
粉は、結晶子径が600Å未満のPd粉に比して酸化率
が少ないことが分かった。この結果に基づいて、導電ペ
ースト組成物を作成しデラミネーションの発生率を調べ
た結果、結晶子径が600Å以上のPd粉を使用すれば
デラミネーションの発生率を極めて少なくできることを
見いだしたものである。
【0008】しかしながら、Pd粉の平均粒径が0.4
μm未満であると酸化率が大きくなり、一方1μmを超
えると電極形成直後の電極厚みを薄くすることが困難と
なるので、Pd粉の平均粒径は0.4〜1μmのものを
用いるのがよい。
μm未満であると酸化率が大きくなり、一方1μmを超
えると電極形成直後の電極厚みを薄くすることが困難と
なるので、Pd粉の平均粒径は0.4〜1μmのものを
用いるのがよい。
【0009】本発明導電ペースト組成物は、Pd粉とビ
ヒクルとからなるか、Pd粉と銀粉、或はPd粉とRu
O2粉、ガラス粉末、ビヒクル等とからなるものであっ
てもよく、Pd粉その他の配合割合は、通常用いられて
いる範囲が用いられる。
ヒクルとからなるか、Pd粉と銀粉、或はPd粉とRu
O2粉、ガラス粉末、ビヒクル等とからなるものであっ
てもよく、Pd粉その他の配合割合は、通常用いられて
いる範囲が用いられる。
【0010】
【実施例】出願人製造のPd粉を走査型電子顕微鏡によ
りランダムに選んだ100個の粒子径を測定してその平
均を平均粒径とした。このPd粉は凝集しておらず完全
に分散していた。
りランダムに選んだ100個の粒子径を測定してその平
均を平均粒径とした。このPd粉は凝集しておらず完全
に分散していた。
【0011】次に各平均粒径の結晶子径を測定した。測
定はX線回折装置(理学電気株式会社製の商品名RAD
−rVD)を使用し、CuターゲットとDS(ダイバー
ジェントスリット)1deg.RS(レシービングスリ
ット)0.3mmのスリットを使用し、測定条件は電圧
40kV、電流150mA、スキャンスピード2deg
/minで測定した。
定はX線回折装置(理学電気株式会社製の商品名RAD
−rVD)を使用し、CuターゲットとDS(ダイバー
ジェントスリット)1deg.RS(レシービングスリ
ット)0.3mmのスリットを使用し、測定条件は電圧
40kV、電流150mA、スキャンスピード2deg
/minで測定した。
【0012】測定板面は(111)ピークを測定し、コ
ンピュータソフト(株式会社リガク、RAD−Bシステ
ムアプリケーションソフト Kα1Kα2のピーク分離
プログラム)により分離したKα1プロフィルを用い
て、Scherrer法により結晶子径を測定した。
ンピュータソフト(株式会社リガク、RAD−Bシステ
ムアプリケーションソフト Kα1Kα2のピーク分離
プログラム)により分離したKα1プロフィルを用い
て、Scherrer法により結晶子径を測定した。
【0013】なお、Scherrerの式 R=0.9
・λ/B・cosθ におけるBはB2=Bm2−Bs2
を採用し、Rは結晶子径、λはX線の波長、θは回折
角、Bmは測定された半値幅、Bsは標準試料の半値幅
である。標準試料は粒径約0.25μmのα石英を約8
00℃でアニールしたものを使用した。表1にそれぞれ
のPd粉の結晶子径と平均粒径、前記の酸化率を示す。
・λ/B・cosθ におけるBはB2=Bm2−Bs2
を採用し、Rは結晶子径、λはX線の波長、θは回折
角、Bmは測定された半値幅、Bsは標準試料の半値幅
である。標準試料は粒径約0.25μmのα石英を約8
00℃でアニールしたものを使用した。表1にそれぞれ
のPd粉の結晶子径と平均粒径、前記の酸化率を示す。
【0014】次に、表1に示す各Pd粉50gと、約1
5重量%のエチルセルロースを含むターピネオール3
2.85gとを三本ロールミルで30分間混練した後、
ミネラルスプリッツ16gを添加して更に10分間混練
して導電ペースト組成物を作った。
5重量%のエチルセルロースを含むターピネオール3
2.85gとを三本ロールミルで30分間混練した後、
ミネラルスプリッツ16gを添加して更に10分間混練
して導電ペースト組成物を作った。
【0015】厚さ30μmのチタン酸バリウム系セラミ
ック上に、内部電極として上記の導電ペースト組成物を
スクリーン印刷し、これを30層積層し、1300℃で
焼成して5mm×3mmの積層セラミックコンデンサー
を各20個ずつ作成し、デラミネーション発生率を調べ
た。尚、焼成した内部電極の厚さは2.5〜3μmであ
る。結果を併せて表1に示す。これによると、本発明導
電ペースト組成物によれば、デラミネーションの発生が
極めて少ないことが分かる。
ック上に、内部電極として上記の導電ペースト組成物を
スクリーン印刷し、これを30層積層し、1300℃で
焼成して5mm×3mmの積層セラミックコンデンサー
を各20個ずつ作成し、デラミネーション発生率を調べ
た。尚、焼成した内部電極の厚さは2.5〜3μmであ
る。結果を併せて表1に示す。これによると、本発明導
電ペースト組成物によれば、デラミネーションの発生が
極めて少ないことが分かる。
【0016】
【表1】 Pd粉種類 平均粒径 結晶子径 酸化率 デラミネーション (μm) (Å) (%) 発生率 (%) 実 a 0.5 605 3 0 施 b 0.8 618 3 5 例 c 0.4 632 2.8 5 ─────────────────────────────── 比 d 0.2 130 7.5 75 較 e 0.5 150 6.3 45 例 f 0.4 400 4.5 40
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、デラミネーション発生
率の極めて小さい導電ペースト組成物を提供できる。
率の極めて小さい導電ペースト組成物を提供できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−168839(JP,A) 特開 平5−67405(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 1/00 H01B 1/22 H01G 4/12
Claims (1)
- 【請求項1】 結晶子径が600Å以上であり、平均粒
径が0.4〜1μmであるPd粉を導電粉末として含有
する導電ペースト組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09720093A JP3334240B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 導電ペースト組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09720093A JP3334240B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 導電ペースト組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06290633A JPH06290633A (ja) | 1994-10-18 |
JP3334240B2 true JP3334240B2 (ja) | 2002-10-15 |
Family
ID=14185968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09720093A Expired - Fee Related JP3334240B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 導電ペースト組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3334240B2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-31 JP JP09720093A patent/JP3334240B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06290633A (ja) | 1994-10-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |