JP3334194B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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Description
性、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
などのポリオレフィン樹脂は、安価であるうえ、成形
性、機械的強度、透明性などに優れ、自動車内外装材部
品、電気製品、食品包装材など、幅広い分野に汎用樹脂
として非常に多く利用されている。しかしながら、特に
低温での耐衝撃性が低く脆いという欠点がある。また、
透明性、ヒートシール性などが充分ではない。この欠点
を克服するため、一般的な手段として、ポリオレフィン
系樹脂に、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレ
ン−ブテン−1共重合体ゴムなどを機械的に混合する方
法が採られている。
ゴムは、低温での耐衝撃性を改良するには効果的な材料
であり、またエチレン−ブテン−1共重合体ゴムは、透
明性、ヒートシール性を改良するには効果的な材料であ
る。しかしながら、これらの特性を両立させることは困
難であり、さらに透明性を向上させるには困難をともな
うものである。
術の課題を背景になされたもので、ポリオレフィン系樹
脂に特定の水添ジエン系共重合体とエチレン−α−オレ
フィン系ランダム共重合体を配合することにより、低温
での耐衝撃性、透明性、ヒートシール性を両立させた熱
可塑性樹脂組成物を提供するものである。
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、ポリプ
ロピレン樹脂(ただし、エチレン−プロピレンブロック
共重合体を除く)、およびポリ−4−メチル−ペンテン
−1の群から選ばれたポリオレフィン系樹脂(以下
「(I)ポリオレフィン系樹脂」ということがある)、
(II) 共役ジエン部分のビニル結合含量が60%以上の
芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の共
役ジエン部分を90%以上水素添加してなる水添ジエン
系共重合体(以下「(II) 水添ジエン系共重合体」とい
うことがある)、ならびに(III)エチレン−α−オレフ
ィン系ランダム共重合体(以下「(III)ランダム共重合
体」ということがある)を主成分とし、各成分の組成割
合が(I)/〔(II) +(III)〕(重量比)=97/3
〜10/90、かつ(II) /(III)(重量比)=10/
90〜90/10であることを特徴とする熱可塑性樹脂
組成物を提供するものである。
レフィン系樹脂は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、LLDPE(直鎖状低密
度ポリエチレン)、ポリプロピレン樹脂、ポリ−4−メ
チル−ペンテン−1などが挙げられる。好ましくは、ポ
リプロピレン樹脂、ポリ−4−メチル−ペンテン−1で
ある。なお、本発明に使用される(I)ポリオレフィン
系樹脂のメルトフローレート(MFR)(ASTM D
1238、230℃、2.16kg荷重)は、0.1〜
100g/10分、好ましくは0.5〜80g/10分
である。
水添ジエン系共重合体は、ビニル結合含量が60%以上
の芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の共役ジエ
ン部分を90%以上水素添加してなるものである。この
(II) 水添ジエン系共重合体としては、ビニル芳香族化
合物重合体ブロック(A)と共役ジエン重合体もしくは
ビニル芳香族化合物と共役ジエンとのランダム共重合体
ブロック(B)とからなる(A)−(B)ブロック共重
合体、またはさらに必要に応じてビニル芳香族化合物と
共役ジエンのうちビニル芳香族化合物が漸増するテーパ
ーブロック(C)とからなる(A)−(B)−(C)ブ
ロック共重合体、もしくはビニル芳香族重合体ブロック
(A)からなる(A)−(B)−(A)ブロック共重合
体であって、ビニル芳香族化合物/共役ジエンの割合が
重量比で0〜30/100〜70、(A)成分および必
要に応じて構成される(C)成分中のビニル芳香族化合
物の結合含量が全モノマーの3〜30重量%、共役ジエ
ン部分のビニル結合含量が60%以上である、ブロック
共重合体を水素添加し、共役ジエン部分の二重結合の少
なくとも90%が飽和されており、数平均分子量が5万
〜60万である水添ジエン系共重合体が好ましい。
/共役ジエンの割合は、重量比で0〜30/100〜7
0、好ましくは5〜25/95〜75である。ビニル芳
香族化合物の含有量が30重量%を超える場合、得られ
る組成物の低温耐衝撃性、透明性、ヒートシール性のバ
ランスが不充分となる。また、ビニル芳香族化合物重合
体ブロック(A)と必要に応じて構成されるテーパーブ
ロック(C)中のビニル芳香化合物の結合含量は、全モ
ノマーの0〜30重量%、好ましくは3〜25重量%で
ある。(A)成分あるいは(A)成分と(C)成分のビ
ニル芳香族化合物の結合含量が、全モノマーの30重量
%を超える場合、得られる組成物の低温耐衝撃性、透明
性、ヒートシール性のバランスが不充分となる。
は60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましく
は80%以上である。このビニル結合含量が60%未満
では、透明性の確保が不充分となる。なお、ここでいう
ビニル結合とは、共役ジエンが1,2−もしくは3,4
−結合位の二重結合で重合したモノマーユニットを示
す。
は、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも90%、好
ましくは95%以上が水添されて飽和されていることが
必要であり、90%未満では耐熱性、耐候性、耐オゾン
性が劣るほか、透明性が損なわれる。
は、ポリスチレン換算の数平均分子量が5万〜60万、
好ましくは10万〜50万である。数平均分子量がこの
範囲を外れると、耐衝撃性、透明性のバランスが損なわ
れる結果となる。
ク(A)、ブロック(B)、さらに必要に応じてテーパ
ーブロック(C)もしくはブロック(A)を、有機溶媒
中で有機アルカリ金属化合物を開始剤としてリビングア
ニオン重合し、ブロック共重合体を得たのち、さらにこ
のブロック共重合体に水素添加を行って得られる。
t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチ
レン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、
N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニル
ピリジンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルス
チレンが好ましい。
ジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタ
ジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−
ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチ
ル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オク
タジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、工業的に
利用でき、また物性の優れた水添ジエン系共重合体を得
るには、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペ
ンタジエンが好ましく、より好ましくは1,3−ブタジ
エンである。
ヘプタン、オクタン、メチルシクロペンタン、シクロヘ
キサン、ベンゼン、キシレンなどの炭化水素溶媒が用い
られる。重合開始剤である有機アルカリ金属化合物とし
ては、有機リチウム化合物が好ましい。この有機リチウ
ム化合物としては、有機モノリチウム化合物、有機ジリ
チウム化合物、有機ポリリチウム化合物が用いられる。
これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピ
ルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘ
キサメチレンジリチウム、ブタジエニルリチウム、イソ
プレニルジリチウムなどが挙げられ、モノマー100重
量部当たり0.02〜0.2重量部の量で用いられる。
ジエン部分のビニル結合含量の調節剤としてルイス塩
基、例えばエーテル、アミンなど、具体的にはジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル、ブ
チルエーテル、高級エーテル、またエチレングリコール
ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエ
チレングリコールジメチルエーテルなどのポリエチレン
グリコールのエーテル誘導体、アミンとしてはテトラメ
チルエチレンジアミン、ピリジン、トリブチルアミンな
どの第3級アミンなどが挙げられ、前記有機溶媒ととも
に用いられる。
50℃で実施される。また、重合は、一定温度にコント
ロールして実施しても、また熱除去をしないで上昇温度
下にて実施してもよい。
方法でもよいが、一般に前記有機溶媒中で、前記アルカ
リ金属化合物などの重合開始剤を用いて、まずブロック
(A)またはブロック(B)を重合し、続いてブロック
(B)またはブロック(A)を重合する。ブロック
(A)あるいはブロック(B)のどちらを先に重合する
かは限定されない。また、ブロック(A)とブロック
(B)との境界は、必ずしも明瞭に区別される必要はな
い。また、(A)−(B)−(C)ブロック共重合体、
あるいは(A)−(B)−(A)ブロック共重合体を得
るには、有機溶媒中で有機リチウム開始剤を用いて芳香
族ビニル化合物を添加してブロック(A)を重合し、次
に共役ジエンもしくは共役ジエンと芳香族ビニル化合物
とを添加してブロック(B)を作り、さらに共役ジエン
と芳香族ビニル化合物あるいは芳香族ビニル化合物を添
加することによりテーパーブロック(C)またはブロッ
ク(A)を重合すればよい。この場合、まずテーパーブ
ロック(C)、あるいはブロック(A)を最初に重合
し、次いでブロック(B)、さらにブロック(A)を重
合する方法でもよい。
ロック共重合体、(A)−(B)−(C)ブロック共重
合体、あるいは(A)−(B)−(A)ブロック共重合
体は、カップリング剤を添加することより下記一般式で
表されるような、重合体分子鎖が延長または分岐された
ブロック共重合体であってもよい。 〔(A)−(B)〕n−X、 〔(A)−(B)−(C)〕n−X、または 〔(A)−(B)−(A)〕n−X 〔式中、(A)、(B)、(C)は前記に同じ、nは2
〜4の整数、Xはカップリング剤残基を示す。〕
アジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、テトラクロロ
ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロスズ、
ブチルトリクロロスズ、ジメチルクロロケイ素、テトラ
クロロゲルマニウム、1,2−ジブロムエタン、1,4
−クロルメチルベンゼン、ビス(トリクロルシリル)エ
タン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネー
ト、1,2,4−ベンゼントリイソシアネートなどが挙
げられる。
合物の結合含量は、各段階における重合時のモノマーの
供給量で調節され、共役ジエン部分のビニル結合含量
は、前記ミクロ調整剤の成分を変量することにより調節
される。さらに、数平均分子量、メルトフローレート
は、重合開始剤、例えばn−ブチルリチウムの添加量で
調節される。
うにして得られるブロック共重合体を、不活性溶媒中に
溶解し、20〜150℃、1〜100kg/cm2 の加
圧水素下で水素化触媒の存在下で行われる。水素化に使
用される不活性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンな
どの炭化水素溶媒、またはメチルエチルケトン、酢酸エ
チル、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの極性
溶媒が挙げられる。
タジエニルチタンハライド、有機カルボン酸ニッケル、
有機カルボン酸ニッケルと周期律表第I〜III 族の有機
金属化合物からなる水素化触媒、カーボン、シリカ、ケ
イソウ土などで担持されたニッケル、白金、パラジウ
ム、ルテニウム、レニウム、ロジウム金属触媒やコバル
ト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム錯体、あるいはリ
チウムアルミニウムハイドライド、p−トルエンスルホ
ニルヒドラジド、さらにはZr−Ti−Fe−V−Cr
合金、Zr−Ti−Nb−Fe−V−Cr合金、LaN
i5 合金などの水素貯蔵合金などが挙げられる。
ン部分の二重結合の水添率は、水素化触媒、水素化化合
物の添加量、または水素添加反応時における水素圧力、
反応時間を変えることにより調節される。水素化された
ブロック共重合体溶液からは、触媒の残渣を除去し、フ
ェノール系またはアミン系の老化防止剤を添加し、重合
体溶液から(II) 水添ジエン系共重合体を容易に単離す
ることができる。(II) 水添ジエン系共重合体の単離
は、例えば共重合体溶液に、アセトンまたはアルコール
などを加えて沈澱させる方法、重合体溶液を熱湯中に攪
拌下、投入し溶媒を蒸留除去する方法などで行うことが
できる。
エチレン−α−オレフィン系ランダム共重合体は、例え
ばチーグラー系触媒を用いて、エチレンとα−オレフィ
ンおよび/または非共役ジエンを共重合することによっ
て得られる。この(III)ランダム共重合体の共重合モノ
マーとして使用されるα−オレフィンとしては、炭素数
3〜12のα−オレフィンであり、具体的にはプロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などが
挙げられ、好ましくはプロピレン、ブテン−1である。
これらのα−オレフィンは、1種単独で、または2種以
上組み合わせて用いることができる。
れる非共役ジエンの具体例としては、ジシクロペンタジ
エン、トリシクロペンタジエン、5−メチル−2,5−
ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、
5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニ
ル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノ
ルボルネン、シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセ
ン、1,5,9−シクロドデカトリエン、1,4−ヘキ
サジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエ
ン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、3,6
−ジメチル−1,7−オクタジエンなどが挙げられ、好
ましくは5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロ
ペンタジエンである。
中でバナジウム化合物および/またはチタン化合物と周
期律表第I〜IV族の有機金属化合物との組み合わせから
なる触媒を用いて製造することができる。
活性有機溶媒に可溶な3〜5価のバナジウム化合物が好
んで用いられ、バナジウムのハライド、オキシハライ
ド、含酸素化合物とのキレート錯体、バナジン酸エステ
ルなどが好ましい。より具体的には、四塩化バナジウ
ム、オキシ三塩化バナジウム、バナジウムトリスアセチ
ルアセテート、バナジン酸トリスエトキシド、バナジン
酸トリ−n−ブトキシド、バナジン酸ジ−n−ブトキシ
モノクロライド、四塩化バナジウムおよび/またはオキ
シ三塩化バナジウムとアルコールとの反応組成物などが
挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上の混合
物として用いられる。
溶剤に溶解した三塩化チタン触媒、塩化マグネシウムな
どに担持した三塩化チタンまたは四塩化チタン化合物が
用いられる。これらの化合物は、電子供与体などの第三
成分を組み合わせて用いるこも可能である。
ては、有機リチウム化合物、有機亜鉛化合物、有機マグ
ネシウム化合物、有機アルミニウム化合物などが挙げら
れる。より具体的な例としては、トリエチルアルミニウ
ム、トリ−i−ブチルアルミニウム、ジエチルアルミニ
ウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライ
ド、エチルアルミニウムジクロライドなどである。
共重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、3
〜120、好ましくは5〜90である。このムーニー粘
度が3未満では、得られる組成物の耐衝撃性が不充分と
なり、一方120を超えると、透明性が損なわれる。
共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、1.
3〜10、好ましくは1.3〜6、さらに好ましくは
1.5〜4である。Mw/Mnが1.3未満の場合に
は、(III)ランダム共重合体をチーグラー系触媒を用い
て製造するのが困難であり、一方10を超えると、得ら
れる組成物の透明性が損なわれる。
ム共重合体は、エチレン/α−オレフィン/非共役ジエ
ンの割合が、重量比で30〜90/10〜70/0〜
8、好ましくは35〜85/15〜65/0〜5であ
り、エチレンがこの範囲より小さい場合は透明性、ヒー
トシール性、耐衝撃性のバランスが損なわれる。
(I)〜(III)成分を主成分とするが、その配合割合
は、(I)/〔(II) +(III)〕(重量比)=97/3
〜10/90、好ましくは95/5〜20/80、かつ
(II) /(III)(重量比)=10/90〜90/10、
好ましくは20/80〜70/30である。(I)成分
が組成物中に97重量%を超えると、本発明の効果、す
なわち低温での耐衝撃性、透明性、ヒートシール性のバ
ランス向上という効果が乏しく、一方10重量%未満で
は(I)成分の量が少なすぎて成形物が柔らかくなりす
ぎ、また(I)成分が本来持つ機械的強度の低下が大き
くなりすぎる。また、(II) 成分と(III)成分の割合に
おいて、(II) 成分が10重量%未満では透明性、ヒー
トシール性の改良効果が乏しく、一方90重量%を超え
ると耐衝撃強度が乏しくなる。
方法で混合することにより得ることができる。例えば、
(II) 水添ジエン系共重合体と(III)ランダム共重合体
を重量比で10/90〜90/10の組成比になるよう
に、ニーダーブレンダー、バンバリーミキサー、熱ロー
ル、あるいは押し出し機を用いて溶融・混合するか、ま
たは(II) 水添ジエン系共重合体および(III)ランダム
共重合体をそれぞれ有機溶剤で溶解させた状態の溶液を
混合し、しかる後、溶剤を除去して混合物を取り出す
法、あるいは(II) 水添ジエン系共重合体または(III)
ランダム共重合体を製造する際に、相手方の共重合体溶
液を存在させて共重合体を製造する方法などが挙げられ
る。このようにして、(II) 水添ジエン系共重合体と
(III)ランダム共重合体をあらかじめ混合したのち、こ
れを(I)ポリオレフィン系樹脂に配合するほか、最終
的に本発明の組成物の組成となるように、(I)ポリオ
レフィン系樹脂に(II) 水添ジエン系共重合体および
(III)ランダム共重合体を配合して、前記各種の混合手
段により混合する方法が挙げられる。このように、本発
明の組成物の混合方法は特に限定されるものではなく、
最終的に本発明の組成になるように各成分を配合するこ
とが重要である。
た以外の、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、水添スチレン−ブタジエン−スチレン・トリブロ
ック共重合体、水添スチレン−イソプレン−スチレン・
トリブロック共重合体、ポリブタジエンなどをブレンド
することができる。
加材、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、無
機あるいは有機充填剤、補強剤、スリップ剤、着色剤な
どを添加することもできる。
形、Tダイ成形、インフレーションなどの成形方法、さ
らには延伸、スタンピングモールド法などの二次加工を
加えることにより、自動車内外装部品、電気製品各種部
品、食品包蔵をはじめとする各種包装材料、文具、その
他一般工業材料に用いることが可能である。
性、透明性、ヒートシール性に優れている。このような
改質効果は定かではないが、組成物中の特定の(II) 水
添ジエン系共重合体と(III)ランダム共重合体の分散効
果が適度にバランスしあう結果もたらされるものと考え
られる。
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は、か
かる実施例により限定されるものではない。なお、実施
例中において、部および%は、特に断らない限り重量基
準である。また、実施例中の各種の測定は、以下の方法
に拠った。
を基に赤外分析法により分析した。 共役ジエン部分のビニル結合含量;赤外分析法を用
い、ハンプトン法により算出した。 水添率; 1H−NMR分析で求めた。 分子量;トリクロルベンゼンを溶媒にして、135℃
におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)を用い、ポリスチレン換算で求めた。
5℃におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)を用い、ポリスチレン換算で求め、算出し
た。 ムーニー粘度;JIS K6300に準じて測定し
た。 メルトフローレート(MFR);JIS K7210
に準じて測定した。測定条件は、230℃、荷重2.1
6kgを採用した。
準じて測定した。 フィルムインパクト試験;JIS Z1707に準じ
て測定した。
たシクロヘキサン5,000g、1,3−ブタジエン9
50gを仕込み、テトラヒドロフラン200g、n−ブ
チルリチウム0.3gを加えて10℃からの断熱重合を
行った。45分後、スチレン50gを加え、さらに重合
を行った。次いで、反応液を70℃にしてn−ブチルリ
チウム1.5gと2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール1.5gを加え、さらにビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロライド0.5g、ジエチルアルミ
ニウムクロライド2gを加え、水素圧10kg/cm2
で1時間水添反応を行った。
得られた固形物は、数平均分子量が295,000、M
FRが2.0g/10分、水添前のブタジエン部分のビ
ニル結合含量は80%、水添率は99%であった。
オレフィン種はプロピレン、エチレン含量は78%、ム
ーニー粘度((ML1+4 、100℃)は19、Mw/M
nは2.0であった。
製 55mmφフルフライトタイプ一軸押し出し機を用い
て、ヘッド温度220℃下に、の水添ジエン系共重合
体(II) −1とのランダム共重合体(III)−1を、重
量比で(II) −1/(III)−1=30/70になるよう
に溶融混合した。
ッ素石油化学(株)製、F8277〕を80部混合し、
4リットルのバンバリーミキサーで溶融混合した。混練
り後、シート成形、角ペレットを経たのち、400mm
Tダイ付き40mmφ押し出し機を用いて、40μm厚
のフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示
す。
(重量比)=60/40とした以外は、実施例1と同様
に行った。結果を表1に示す。 比較例1〜2 実施例1の配合物の調製で用いた(II) −1または
(III)−1を単独で組成物の調製に用いた以外は、実
施例1と同様に行った。結果を表1に示す。比較例1〜
2は、実施例1〜2に較べ、透明性が劣ったり、ヒート
シール性−インパクト−透明性のバランスが劣ることが
分かる。
て、日本合成ゴム(株)製、EBM2041P〔エチレ
ン含量=80%、ムーニー粘度(ML1+4 、100℃)
=15、Mw/Mn=1.9のエチレン−ブテン共重合
ゴム、以下「(III)−2」という)を用いた以外は、実
施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
組成を代える以外は、実施例3と同様に行った。結果を
表1に示す。
用い、比較例1〜2と同様に行った。結果を表1に示
す。比較例3は、実施例3または実施例4に較べ、透明
性が劣ったり、ヒートシール性−インパクト性−透明性
のバランスが劣ることが分かる。 比較例4〜5 実施例1の配合物の調製において、(II) −1/(II
I)−1(重量比)=95/5または5/95とした以外
は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
I)−2(重量比)=95/5または5/95とした以外
は、実施例3と同様に行った。結果を表1に示す。比較
例4〜7は、本発明の組成物の範囲を外れる組成物を使
用した場合であり、実施例1〜2あるいは実施例3〜4
と較べると、充分なヒートシール性、インパクト性、透
明性のバランスがとれていないことが分かる。
(III)−1に代えて、オキシ塩化バナジウムトリクロラ
イドとエチルアルミニウムセスキクロライドの組み合わ
せからなる触媒を用いて、n−ヘキサン溶媒中で試作し
た表2に示すランダム共重合体(III)−3〜6を用いた
以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
で、表2に示す水添ジエン系共重合体(II) −2〜(I
I) −4を製造し、実施例1の配合物の調製で用いた
水添ジエン系共重合体(II) −1に代えて、表2に示す
(II) −2〜(II) −4を用いた以外は、実施例1と同
様に行った。結果を表2に示す。
で、表2に示す水添ジエン系共重合体(II) −5を製造
し、実施例1の配合物の調製で用いた(II)−1に代
えて表2に示す(II) −5を用いた以外は、実施例1と
同様に行った。結果を表2に示す。比較例11では、ビ
ニル結合含量が60%未満の本発明の範囲を外れた水添
ジエン系共重合体を使用している。この場合、充分なヒ
ートシール性、インパクト性、透明性のバランスが得ら
れていないことが分かる。
で、表2に示す水添ジエン系共重合体(II) −6を製造
し、実施例1の配合物の調製で用いた(II)−1に代
えて表2に示す(II) −6を用いた以外は、実施例1と
同様に行った。結果を表2に示す。比較例12も、水添
ジエン系共重合体のビニル結合含量が60%未満のもの
を使用している。この場合、充分なヒートシール性、イ
ンパクト性、透明性のバランスが得られていないことが
分かる。
0/0の条件に変更する以外は、実施例1と同様に行っ
た。結果を表2に示す。
性、ヒートシール性、インパクト性のバランスに優れて
おり、自動車内外装部品、電気製品各種部品、食品包蔵
をはじめとする各種包装材料、文具、その他一般工業材
料に有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 (I)高密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、LLDPE(直鎖状低
密度ポリエチレン)、ポリプロピレン樹脂(ただし、エ
チレン−プロピレンブロック共重合体を除く)、および
ポリ−4−メチル−ペンテン−1の群から選ばれたポリ
オレフィン系樹脂、(II) 共役ジエン部分のビニル結合
含量が60%以上の芳香族ビニル化合物−共役ジエンブ
ロック共重合体の共役ジエン部分を90%以上水素添加
してなる水添ジエン系共重合体、ならびに(III)エチレ
ン−α−オレフィン系ランダム共重合体を主成分とし、
各成分の組成割合が(I)/〔(II) +(III)〕(重量
比)=97/3〜10/90、かつ(II) /(III)(重
量比)=10/90〜90/10であることを特徴とす
る熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30797492A JP3334194B2 (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30797492A JP3334194B2 (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06136191A JPH06136191A (ja) | 1994-05-17 |
JP3334194B2 true JP3334194B2 (ja) | 2002-10-15 |
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ID=17975398
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP30797492A Expired - Fee Related JP3334194B2 (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 熱可塑性樹脂組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3334194B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996031567A1 (fr) * | 1995-04-07 | 1996-10-10 | Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. | Volant de voiture automobile |
JPH11179865A (ja) * | 1997-12-25 | 1999-07-06 | Tokuyama Corp | ポリプロピレン系多層フィルム |
US6521705B1 (en) | 1999-06-04 | 2003-02-18 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Thermoplastic elastomer composition for powder molding, powder and molded article thereof |
-
1992
- 1992-10-22 JP JP30797492A patent/JP3334194B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH06136191A (ja) | 1994-05-17 |
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