JP3331144B2 - ビーム整形光学系 - Google Patents

ビーム整形光学系

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JP3331144B2
JP3331144B2 JP13779597A JP13779597A JP3331144B2 JP 3331144 B2 JP3331144 B2 JP 3331144B2 JP 13779597 A JP13779597 A JP 13779597A JP 13779597 A JP13779597 A JP 13779597A JP 3331144 B2 JP3331144 B2 JP 3331144B2
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晃一 丸山
淳二 上窪
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旭光学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光束の断面形状
を整形するビーム整形光学系、およびこのビーム整形光
学系を用いた光源装置、結像光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のビーム整形光学系は、例えば、
特開昭60−175018号公報に開示される。この公
報の実施例1に開示されるビーム整形光学系は、図7に
示されるように、図中左側となる入射側から順に配列し
た第1、第2の楔型プリズム1,2から構成されてお
り、楕円形のファーフィールドパターンを持つ半導体レ
ーザーから発したレーザー光束の断面形状を円形に整形
する作用を有する。プリズム1,2の主断面は互いに平
行である。なお、楔型プリズムの主断面とは、光束が通
過する2つの屈折面の交線(屈折面が交差しない場合に
はその延長面の交線)である稜線に垂直な面をいう。
【0003】半導体レーザーを光源として利用した光デ
ィスク装置や光磁気ディスク装置、レーザープリンター
等の光学機器では、光量の有効利用や対象面上に形成さ
れるスポットの対称性を保つため、一般に上記のような
ビーム整形光学系が用いられる。なお、上記の光学機器
では、情報の入出力スピードを向上させるため、複数の
光束で並列的に処理を行う方式の開発が進んでいる。複
数光束利用の装置の光源としては、装置のコンパクト化
のため、1素子内に発光点を3点以上持つ多点発光半導
体レーザーが利用される傾向がある。多点発光半導体レ
ーザーの各発光点から発する光束の主光線は、互いに所
定の角度をなして異なる方向に射出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た公報に記載された従来のビーム整形光学系は、所定の
基準角度で入射する単一の光束の断面形状を補正するた
め設計されており、多点発光半導体レーザーから発する
光束のように射出角度が異なる複数の光束を入射させる
と、基準角度以外の角度で入射した光束に対する角倍率
が基準角度で入射した光束に対する角倍率と大きく異な
るという問題がある。以下の表1は、上記公報に記載さ
れた従来例のデータを基に計算した第1プリズム1への
入射角φ(deg.)と第2プリズム2からの射出角度ω(de
g.)との関係、そして、倍率が一定であるとした場合の
近軸倍率γ0(この例では0.669041)と入射角φとの積で
表される理想射出角ψ(deg.)、各入射角度での角倍率
γ、近軸倍率を基準とした変化率γ'(=(γ0−γ)/
γ0)、そして、ω−ψで表される射出角度誤差δ(deg.)
との関係を示す。
【0005】
【表1】 入射角φ 射出角ω 理想射出角ψ 角倍率γ 変化率γ' 射出角度誤差δ -2.0 -1.33272 -1.33808 0.66636 0.40% 0.00536 -1.6 -1.06710 -1.07047 0.66694 0.31% 0.00337 -1.2 -0.80098 -0.80285 0.66748 0.23% 0.00187 -0.8 -0.53440 -0.53523 0.66800 0.16% 0.00083 -0.4 -0.26739 -0.26762 0.66848 0.08% 0.00023 0.0 0.00000 0.00000 - - 0.00000 0.4 0.26774 0.26762 0.66935 -0.05% 0.00012 0.8 0.53584 0.53523 0.66980 -0.11% 0.00061 1.2 0.80422 0.80285 0.67018 -0.17% 0.00137 1.6 1.07286 1.07047 0.67054 -0.22% 0.00239 2.0 1.34173 1.33808 0.67087 -0.27% 0.00365
【0006】このように、従来のビーム整形光学系では
入射角度の違いによる角倍率の変化が比較的大きいた
め、上述のような多点発光半導体レーザーを用いた装置
の光学系に適用すると、半導体レーザー上での発光点が
等間隔で形成されている場合にも、半導体レーザーの各
発光点からの光束のビーム整形光学系への入射角度の違
いにより、媒体上に形成されるスポットの位置間隔が不
均等になる。また、従来のビーム整形光学系は、図3に
破線で示されるように、入射角度の変化に対する射出角
度誤差が入射角度の2次以上の偶数次関数で表される成
分を有している。一方、コリメートレンズや対物レンズ
等の回転対称な光学系が有する歪曲収差は、入射角度の
3次以上の奇数次の関数であるため、従来のビーム整形
光学系を用いる場合には、コリメートレンズや対物レン
ズ等に歪曲収差をもたせてもビーム整形光学系に起因す
る歪曲収差を補正することはできない。
【0007】この発明は、上述した従来技術の課題に鑑
みてなされたものであり、光束の入射角度が変化した場
合にも、角倍率の変化を小さく抑えることができるビー
ム整形光学系を提供すること、および、このビーム整形
光学系を用いた複数の光束を発する光源装置、そして、
等間隔の発光点から発した複数の光束を対象面上に等間
隔で結像させることができる結像光学系を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるビーム
整形光学系は、上記の目的を達成させるため、主断面が
互いに平行な2つの楔型プリズムを有するビーム整形光
学系であって、プリズムの各光束透過面に対する基準光
線の入射角度が、以下の条件(1)を満たすよう設定され
ていることを特徴とする。なお、「基準光線」は、規定
の角倍率が得られる角度で入射する光線として定義され
る。
【0009】
【数2】
【0010】上記の条件(1)を満たすことにより、入射
角度の違いによる角倍率の変化の1次成分(射出角度の
2次成分)を抑えることができ、プリズムを射出した光
束を対象面上に結像させる場合には、結像位置の誤差を
小さくすることができる。例えば、入射光が基準光線に
対して1deg.(0.017453rad.)をなす場合、Σαj=0.
02であれば、射出角度の違いは0.017453 rad.×0.02
=0.00035 rad.となる。結像面上での結像位置の誤差は
角倍率の積分値で表され、係数が1/2かかるため、例え
ば、入射角度0deg.の基準光線の結像点と入射角度±1
deg.光線の2つの結像点とを1mm間隔で並べようとする
と、0.00035/2×1mm=0.000174mmより、一方の結像点は
中央の結像点から1+0.000174mm、他方の結像点は中央の
結像点から-1+0.000174mmの位置に形成されることとな
る。
【0011】次に、上記の条件式が導かれる過程を以下
に説明する。なお、式中の符号「Π」は、全要素の相乗
積を示す演算記号である。複数のプリズムを備えるビー
ム整形光学系の全系が第1面から第L面で構成されると
想定し、その第1面に入射する際に、基準光線に対する
傾きがΔ1である光線Pに作用する角倍率について考え
る。
【0012】入射側から数えて第j番目の面における入
射角度の単位変化量当たりの角倍率の変化率の、この面
の角倍率に対する割合をεj、第j番目の面への基準光
線の入射角度と光線Pの入射角度との差をΔj、第j番
目の面の基準光線に対する角倍率をγj、光線Pに対す
る全系の角倍率をΓ(Δ1)とする。基準光線に対する全
系の角倍率はΓ(0)である。基準光線に対する光線Pの
角度差は、各光束透過面の角倍率で変換されるため、各
光束透過面に対する基準光線と光線Pとの入射角の差
は、以下の式(2)の通りとなり、光線Pに対する全系の
角倍率Γ(Δ1)は式(3)の通りとなる。
【0013】
【数3】
【0014】ここで、式(4)が成立する範囲では、上の
式(3)は式(5)のように表される。面毎の角倍率の変化
率をαjとして以下の式(6)のように定義すると、式
(5)は式(7)のように表される。式(7)から、入射角度
の変化(Δ1の変化)による全系の角倍率Γ(Δ1)の変化を
小さくするためには、Σαjを0に近づければよいこと
が理解できる。
【0015】
【数4】
【0016】次に、上記の角倍率の変化につき媒質の屈
折率を用いて説明する。ビーム整形光学系の第j面を境
界面とすると、その入射側、射出側の媒質の屈折率と、
入射角、屈折角との関係は、以下の式(8)で示されるス
ネルの法則により定義される。スネルの法則に基づいて
この境界面の角倍率γjを計算すると、以下の式(9)に
示されるとおりとなる。
【0017】
【数5】
【0018】式(9)を微分して角倍率γjの変化率γj'
を求めると、式(10)の通りとなる。また、入射角度の
単位変化量当たりの角倍率の変化率の、この面の角倍率
に対する割合εjは、上記の(10)式で表される角倍率
γjを分母、微分値である変化率γj'を分子として、以
下の式(11)で表されるとおりとなる。
【0019】
【数6】
【0020】この発明のビーム整形光学系は、上記のよ
うにして求めたγj、εjを用いて前述の式(6)により定
義されるΣαjが0に近づくように、具体的にはΣαj
絶対値が0.020より小さくなるように各光束透過面
への入射角度を決定づけたことを特徴とする。また、こ
の発明のビーム整形光学系は、単一の発光点から発して
プリズムの各光束透過面で屈折される光束の主光線が、
単一の主断面内に含まれるよう設定したことを特徴とす
る。
【0021】発明のビーム整形光学系を、複数の発光点
を有する光源から発してコリメートレンズにより平行光
束に変換された複数の光束の入射させる位置に配置する
ことにより、複数の整形された平行光束を発する光源装
置を構成することができる。発明の構成では、ビーム整
形光学系の入射角度の変化による射出角度誤差はその発
生量自体が小さく抑えられる。また、発明の構成では、
射出角度誤差を入射角度を変数とした多項式で表すと、
3次の項が多項式の値を決定づける主成分となる。した
がって、回転対称なコリメートレンズに歪曲収差(入射
角度の3乗に比例する)を与えることにより、ビーム整
形光学系の射出角度誤差に起因する歪曲収差をほぼ相殺
することができる。コリメートレンズに持たせる歪曲収
差は、ビーム整形光学系側から平行光束を入射させて光
源側の結像面上で結像性能を評価した場合に、負の方向
となる歪曲収差である。
【0022】さらに、この発明のビーム整形光学系を光
束結像光学系に用いる場合には、上記のように構成され
た光源装置からの光束を対物レンズにより対象面上に結
像させる構成とする。また、上記のコリメートレンズの
場合と同様、対物レンズに、ビーム整形光学系に起因す
る歪曲収差を相殺する歪曲収差を持たせることができ
る。対物レンズに持たせる歪曲収差は、ビーム整形光学
系側から平行光束を入射させて対象面上で結像性能を評
価した場合に、正の方向となる歪曲収差である。ビーム
整形光学系を上記のような光源装置として、あるいは結
像光学系として用いる場合、複数の発光点が主断面と平
行な方向に一列に配列するよう配置され、あるいは、複
数の発光点が主断面と平行な方向および垂直な方向に二
次元に配列するよう配置される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるビーム整
形光学系の実施形態を説明する。図1は、この発明にか
かるビーム整形光学系を利用した光束結像光学系として
の光磁気ディスク装置の光学系である。
【0024】図1の光学系は、3つの発光点を同一基板
上に有する多点発光半導体レーザー10を光源として用
い、この半導体レーザー10から発した3本の発散光を
コリメータレンズ20により平行光束とし、2つの楔型
プリズム31、32から構成されるビーム整形光学系3
0によりそれぞれの断面形状を補正する。
【0025】なお、半導体レーザー10から発する光束
は、光束に対向する方向から見て互いに直交する方向で
広がり角が異なる発散光である。広がり角は、pn接合
の接合面に平行な方向において小さく、接合面に垂直な
方向に大きくなる。したがって、コリメータレンズ20
を射出した光束は、pn接合の接合面に平行な方向の半
径が垂直な方向の半径より小さい楕円形の断面形状を有
する。他方、多点発光半導体レーザーの発光点は、pn
接合の接合面に平行な方向に沿って配列しており、か
つ、各光束の主光線はpn接合の接合面に平行な平面内
で互いに角度差を有しているため、コリメータレンズ2
0を射出した時点では、長短軸方向が一致した3つの楕
円光束が、その短軸方向に沿って並列する状態となって
いる。半導体レーザー10のpn接合の接合面は、図1
の紙面内であるX方向に一致している。ビーム整形光学
系30は、上記のX方向と平行な主断面に対して垂直な
光束透過面を有しており、X方向における各光束の径を
拡大することにより、光束の断面形状を円形に近づける
機能を有する。
【0026】ビーム整形光学系30を射出してハーフミ
ラープリズム41を透過した光束は、2枚のレンズ42
a,42bから構成されるリレーレンズ系42を介して
対物レンズ43に入射し、この対物レンズにより収束さ
れて対象面である光ディスク44の記録面に独立した3
つのビームスポットを形成する。ビームスポットは、図
中のX方向に沿って等間隔で形成される。
【0027】光磁気ディスク44からの反射光は、対物
レンズ43、リレーレンズ系42を介してハーフミラー
プリズム41に入射する。ハーフミラー面で反射された
光束は、1/2波長板51により偏光方向が45°回転
され、偏光光束スプリッター52により電界ベクトルの
振動方向が互いに直交する2つの直線偏光成分に分離さ
れ、それぞれ集光レンズ53a,53bを介して受光素
子54a,54bに入射する。受光素子54a,54b
の少なくとも一方は、公知の多分割センサであり、トラ
ッキングエラー信号、フォーカシングエラー信号を出力
する。また、2つの受光素子54a,54bの出力の差
をとることにより、光磁気ディスク44に記録されてい
る磁気信号を読み取ることができる。
【0028】ビーム整形光学系30の具体的な構成は、
図2に示される。コリメータレンズ20の光軸と平行な
軸を基準軸Fxと定義し、図中左側となる入射側から数
えて第j番目の面の法線に対する基準軸の角度(法線か
ら基準軸に向けた鋭角で、図中時計回りを正に符号をと
る)をβj、基準軸に沿って入射した基準光線の第j面に
対する入射角をθjとする。また、第j面より入射側の
媒質の屈折率をn0j、射出側の媒質の屈折率をn1jとす
ると、ビーム整形光学系30の構成は表2に示すとおり
となる。
【0029】
【表2】 面番号 β n01 θ γ ε α 1 52.389 1.00000 1.63552 52.3890 0.4265 -1.0619 -1.0619 2 15.725 1.63552 1.00000 7.6938 1.6611 -0.2377 -0.1014 3 -33.556 1.00000 1.59631 61.9291 0.3537 1.6405 1.1623 4 0.000 1.59631 1.00000 0.0000 1.5963 0.0000 0.0000
【0030】各光束透過面の角倍率γj、角倍率の変化
の入射側から数えて第j番目の面における入射角度の単
位変化量当たりの角倍率の変化率の、この面の角倍率に
対する割合εj、面毎の角倍率の変化率αjは表2に示さ
れるとおりである。この構成ではγjの相乗積Πγj=0.
4000、αjの総和Σαj=-0.0010となり、前記の条件
(1)を満たしている。
【0031】以下の表3は、上記実施形態の構成による
第1プリズム31への入射角φ(deg.)と第2プリズム3
2からの射出角度ω(deg.)との関係、そして、倍率が一
定であるとした場合の近軸倍率γ0(この例では0.40006
6)と入射角φとの積で表される理想射出角ψ(deg.)、各
入射角度での角倍率γ、近軸倍率を基準とした変化率
γ'(=(γ0−γ)/γ0)、そして、ω−ψで表される射出
角度誤差δ(deg.)との関係を示す。
【0032】
【表3】 入射角φ 射出角ω 理想射出角ψ 角倍率γ 変化率γ' 射出角度誤差δ -2.0 -0.79919 -0.80013 0.39960 0.12% 0.00094 -1.6 -0.63962 -0.64011 0.39976 0.08% 0.00049 -1.2 -0.47988 -0.48008 0.39990 0.04% 0.00020 -0.8 -0.31999 -0.32005 0.39999 0.02% 0.00006 -0.4 -0.16002 -0.16003 0.40005 0.00% 0.00001 0.0 0.00000 0.00000 - - 0.00000 0.4 0.16002 0.16003 0.40005 0.00% -0.00001 0.8 0.31999 0.32005 0.39999 0.02% -0.00006 1.2 0.47987 0.48008 0.39989 0.04% -0.00021 1.6 0.63961 0.64011 0.39976 0.08% -0.00050 2.0 0.79918 0.80013 0.39959 0.12% -0.00095
【0033】この構成による入射角度と射出角度誤差と
の関係は、図3のグラフに実線で示されている。同図中
の破線は、従来技術の項で説明されている公報に記載さ
れたビーム整形光学系の射出角度誤差δを比較のため示
したものである。表1と表3とを対比すれば、実施形態
のビーム整形光学系が従来例と比較して入射角度の違い
による角倍率の変化率が小さいことが理解できる。ま
た、図3のグラフに示されるように、角倍率の変化がな
いとした場合の理想射出角と実際の射出角との射出角度
誤差δが入射角度±2deg.の範囲で従来例の約1/4〜
1/5程度に抑えられる。さらに、従来例では射出角度
誤差δが入射角の2次以上の偶数次の関数として現れて
いるが、実施形態の例では3次以上の奇数次の関数とし
て表されている。
【0034】なお、上記実施形態のように光磁気ディス
ク装置のビーム整形光学系として利用する場合には、現
在一般的に用いられているトラック幅1.6μmの光磁
気ディスクに適用した際に、角倍率の違いによる結像位
置のズレをトラッキングエラーとして検出されるレベル
以下に抑えようとすると、角倍率の変化率の総和Σα j
の絶対値が0.003より小さいこと、という前記の条件
(1)より厳しい条件を満たすことが要求される。実施形
態のビーム整形光学系は、このより厳しい要求をも満た
しており、光磁気ディスクの光学系に適用するのに適し
ている。
【0035】次に、上記のようなプリズムを組み合わせ
て構成されるビーム整形光学系により生じる歪曲収差
と、この歪曲収差を補正するための手段とについて説明
する。ビーム整形光学系により発生する歪曲収差には、
第1に入射角度の違いによる角倍率の変化に起因する射
出角度誤差に基づく収差と、第2に結像系の横倍率が入
射角度φと射出角度ωとの正接比(tanφ/tanω)で規定
されるのに対し、ビーム整形光学系の角倍率が角度比
(φ/ω)で規定されるという不一致に基づく収差とがあ
る。
【0036】第1の原因に基づく歪曲収差は、実施形態
のように入射角度の変化に対する角倍率の変化を小さく
抑えることにより低減することができるが、2つの楔型
プリズムを組み合わせてビーム整形光学系を構成する場
合には、角倍率を完全に一定にすることはできないた
め、従来例と比較すれば小さくはあるが必ず発生する。
実施形態のビーム整形光学系では、この角倍率の変化に
よる歪曲収差が入射角φ(deg.)に対して0.030×φ
2%の割合で発生する。
【0037】一方、第2の原因に基づく歪曲収差は、入
射角度の変化に対して角倍率が一定であっても発生す
る。一般に、光学系を介した結像においては、1つの物
点に対応する像点の光軸からの高さ(像高)は、レンズへ
の主光線の入射角度の正接とレンズの焦点距離とにより
決定される。一方、ビーム整形光学系の角倍率γは、入
射角φと射出角ωとの関係がγ・φ=ωとなることを規
定するため、この角倍率γがかかると像に歪曲収差が発
生する。歪曲収差を発生させないためには、入射角φと
射出角ωとの関係がγ・tanφ=tanωとなるよう
に設定する必要があるが、プリズムによって構成される
ビーム整形光学系にこのような特性を持たせることは困
難である。
【0038】以下の表4は、第2の原因により発生する
歪曲収差のみを示すため、入射角度の違いによって角倍
率が変化しない理想的なビーム整形光学系により光束径
を一方向について拡大する場合を想定し、このビーム整
形光学系において第2の原因により発生する歪曲収差の
量を示している。ω0(deg.)は、ビーム整形光学系がγ
・tanφ=tanω0を満たす場合の理想射出角、ω
(deg.)はビーム整形光学系がγ・φ=ωを満たす場合の
計算射出角度であり、いずれも角倍率γは0.400で
一定であるものとする。Dは、計算射出角ωと理想射出
角ω0との差の割合(ω0−ω)/ωとして示される歪曲収
差である。この場合、入射角φ(deg.)に対して0.00
86×φ2%の割合で歪曲収差が発生する。
【0039】
【表4】 入射角φ 理想射出角ω0 計算射出角ω 歪曲収差D 0.0 0.0000 0.000 0.000% 1.0 0.4000 0.400 0.009% 2.0 0.8003 0.800 0.034% 3.0 1.2009 1.200 0.077% 4.0 1.6022 1.600 0.140% 5.0 2.0043 2.000 0.220% 6.0 2.4074 2.400 0.310% 7.0 2.8118 2.800 0.420% 8.0 3.2176 3.200 0.550% 9.0 3.6251 3.600 0.700% 10.0 4.0344 4.000 0.860%
【0040】実施形態のビーム整形光学系30で発生す
る歪曲収差は、上記第1、第2の原因に基づく収差0.
030×φ2%と0.0086×φ2%とを合わせたもの
であり、0.039×φ2%となる。したがって、入射
角が2deg.であれば、0.16%の歪曲収差が発生す
る。このビーム整形光学系30で発生する歪曲収差は、
他のレンズ系で相殺して補正することができる。上記の
光磁気ディスク装置の光学系では、コリメータレンズ2
0、あるいは対物レンズ43にビーム整形光学系30に
起因する歪曲収差を打ち消すだけの歪曲収差を故意に持
たせることにより、全系としての歪曲収差の発生を抑え
ることができる。
【0041】コリメートレンズ20に歪曲収差を持たせ
る場合には、ビーム整形光学系30側から平行光束を入
射させて光源側の結像面上で結像性能を評価した場合
に、負の方向となる歪曲収差とする。他方、対物レンズ
43に、歪曲収差を持たせる場合には、ビーム整形光学
系30側から平行光束を入射させて光磁気ディスク44
が位置する対象面上で結像性能を評価した場合に、正の
方向となる歪曲収差とする。
【0042】実施形態のビーム整形光学系30の射出角
度誤差等に起因する歪曲収差を相殺するためには、コリ
メートレンズ20にはコリメートレンズ20への入射角
φc(deg.)に対して−0.039×φc 2%となる負の歪
曲収差を持たせる。図4は、このような歪曲収差を有す
るコリメートレンズ20の具体的な構成例を示すレンズ
図である。コリメートレンズ20は、半導体レーザー1
0のカバーガラス12側から順に、メニスカス正レンズ
である第1レンズ21、互いに貼り合わされた負の第2
レンズ22と正の第3レンズ23、正の第4レンズ2
4、両凹の負の第5レンズ25、そして両凸の正の第6
レンズ26から構成されている。
【0043】このコリメートレンズ20の具体的な数値
構成は、以下の表5に示される。表中の面番号は、性能
を評価する際の光の入射方向に沿って第6レンズ26側
から付されており、第1、第2面が第6レンズ26、第
3、第4面が第5レンズ25、以下、順次第5面〜第1
1面が第4、第3、第2、第1レンズ24,23,2
2,21を示し、第12、第13面はカバーガラス12
を示す。表中の記号FNo.はFナンバー、fは焦点距
離、φcmaxはカバーガラス12側からの最大入射角、r
は曲率半径、dは面間距離、n780は波長780nmにおける
媒質の屈折率、νdはそのアッベ数である。
【0044】
【表5】
【0045】図5は、上記の構成によるコリメートレン
ズ20に、ビーム整形光学系30側から、すなわち第6
レンズ26側から平行光束を入射させた際の性能を示す
グラフであり、(A)が球面収差SAと正弦条件SC、
(B)が歪曲収差を示す。また、図6は、上記のコリメー
トレンズとビーム整形光学系30とを組み合わせた際の
光線図である。半導体レーザー10の発光面10aの3
つの発光点から発した発散光束は、コリメートレンズ2
0によりそれぞれ平行光束とされ、ビーム整形光学系3
0にそれぞれ異なる入射角度で入射する。ビーム整形光
学系は、発光点の配列方向であるX方向に光束径を拡大
し、それぞれ異なる角度で3つの平行光束を射出させ
る。
【0046】表6は、上記のコリメートレンズ20とビ
ーム整形光学系30とを組み合わせた際の性能を示して
おり、入射角度φに対して前述した第1、第2の原因に
よる歪曲収差がない場合の理想像高hi、実際の像高h
r、(hr−hi)/hiにより求められる歪曲収差Dの値を
示す。
【0047】
【表6】 入射角φ(deg.) 理想像高hi 実像高hr 歪曲収差D -2.0 0.485266 0.485200 -0.01% -1.6 0.388156 0.388114 -0.01% -1.2 0.291084 0.291062 -0.01% -0.8 0.194040 0.194032 0.00% -0.4 0.097015 0.097014 0.00% 0.0 0.000000 0.000000 0.00% 0.4 -0.097015 -0.097016 0.00% 0.8 -0.194040 -0.194037 0.00% 1.2 -0.291084 -0.391063 -0.01% 1.6 -0.388156 -0.388092 -0.02% 2.0 -0.485266 -0.485121 -0.03%
【0048】上記の表6に示されるように、コリメート
レンズ20の歪曲収差とビーム整形光学系30に起因す
る歪曲収差とを互いに相殺することにより、例えば入射
角2deg.では、補正しない場合に0.12%発生してい
たビーム整形光学系30の歪曲収差を全体として−0.
03%と1/4程度に低減することができる。
【0049】なお、上記の実施形態では、発光点が一直
線上に配列した光源を用いているが、複数の発光点が2
次元に配列する光源を用いることもできる。この場合、
主断面と平行な方向についての発光点のズレに基づく射
出角度誤差は、実施形態と同等の構成を用いることによ
り低減することができる。一方、主断面と垂直な方向に
ついては、プリズムは角倍率を持たないため、この方向
についての発光点のズレに基づく射出角度誤差は比較的
小さく抑えられる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ビーム整形光学系の入射角度の違いによる角倍率の
変化を小さく抑えることができる。したがって、光束の
入射角度が変化してもビーム整形の倍率は変化せず、例
えば光束の射出方向を調整する場合には、ビーム整形光
学系に入射する平行光束の入射角度を変化させるのみ
で、ビーム整形光学系自体は調整しなくとも良い。ま
た、入射角度が異なる複数の光束を整形する場合にも、
各光束に作用する各倍率を一定にすることができるた
め、ビーム整形光学系を射出した複数の光束を対象面上
に結像させる場合、一定の角度差で入射した光束の結像
点を一定間隔で形成することができる。
【0051】さらに、ビーム整形光学系と組み合わせて
利用されるレンズ系にビーム整形光学系の射出角度誤差
等に起因する歪曲収差を相殺する分の歪曲収差を故意に
持たせることにより、全系の歪曲収差の発生量を低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態にかかるビーム整形光学系を適用し
た光磁気ディスク装置の光学系を示す説明図である。
【図2】 実施形態にかかるビーム整形光学系の拡大説
明図である。
【図3】 図2に示したビーム整形光学系と従来例のビ
ーム整形光学系との射出角度の誤差を対比して示すグラ
フである。
【図4】 実施形態にかかるコリメートレンズのレンズ
図である。
【図5】 図4のコリメートレンズの単独での収差図で
ある。
【図6】 図2のビーム整形光学系と図4のコリメート
レンズとを組み合わせた際の光路を示す説明図である。
【図7】 従来のビーム整形光学系を示すプリズムの説
明図である。
【符号の説明】
10 半導体レーザー 20 コリメートレンズ 30 ビーム整形光学系 31 第1プリズム 32 第2プリズム 43 対物レンズ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−11649(JP,A) 特開 平2−257115(JP,A) 特開 平7−140387(JP,A) 実開 平5−15130(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 13/00 G02B 27/09

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主断面が平行な2つの楔型プリズムを有
    するビーム整形光学系であって、前記プリズムの各光束
    透過面に対する基準光線の入射角度が、以下の条件(1)
    を満たすよう設定されていることを特徴とするビーム整
    形光学系。 【数1】
  2. 【請求項2】 単一の発光点から発して前記プリズムの
    各光束透過面で屈折される光束の主光線が、前記主断面
    内に含まれることを特徴とする請求項1に記載のビーム
    整形光学系。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のビーム整形光学系を用
    いた光源装置であって、複数の発光点を有する光源と、
    前記光源から発した光束をそれぞれ平行光束に変換する
    コリメートレンズとを備え、前記ビーム整形光学系が、
    前記コリメートレンズを射出した複数の光束の入射させ
    る位置に配置されていることを特徴とする光源装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の発光点は、前記主断面と平行
    な方向に一列に配列していることを特徴とする請求項3
    に記載の光源装置。
  5. 【請求項5】 前記コリメートレンズは、前記ビーム整
    形光学系に起因する歪曲収差を相殺する歪曲収差を有す
    ることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
  6. 【請求項6】 前記コリメートレンズは、前記ビーム整
    形光学系側から平行光束を入射させて前記光源側の結像
    面上で結像性能を評価した場合に、負の歪曲収差を有す
    ることを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
  7. 【請求項7】 前記光源は、多点発光半導体レーザーで
    あることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の
    光源装置。
  8. 【請求項8】 複数の発光点を有する光源と、 前記光源から発した光束をそれぞれ平行光束に変換する
    コリメートレンズと、 前記コリメートレンズを射出した複数の光束の入射させ
    る位置に配置された2つ以上のプリズムを有するビーム
    整形光学系と、を備え、 前記ビーム整形光学系における前記光束の射出角度誤差
    を、該光束の入射角度を変数とした多項式で表すと、3
    次の項が前記多項式の値を決定付ける主成分となってお
    り、 前記コリメートレンズは、前記射出角度誤差に起因する
    歪曲収差を相殺する歪曲収差を有することを特徴とする
    光源装置。
  9. 【請求項9】 前記コリメートレンズは、前記ビーム整
    形光学系側から平行光束を入射させて前記光源側の結像
    面上で結像性能を評価した場合に、負の歪曲収差を有す
    ることを特徴とする請求項8に記載の光源装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の発光点は、前記主断面と平
    行な方向に一列に配列していることを特徴とする請求項
    9に記載の光源装置。
  11. 【請求項11】 複数の発光点を有する光源と、 前記光源から発した光束をそれぞれ平行光束に変換する
    コリメートレンズと、 前記コリメートレンズを射出した複数の光束の断面形状
    を整形する2つ以上のプリズムを有するビーム整形光学
    系と、 該ビーム整形光学系により整形された複数の光束を対象
    面上に結像させる対物レンズと、を備え、 前記ビーム整形光学系における前記光束の射出角度誤差
    を、該光束の入射角度を変数とした多項式で表すと、3
    次の項が前記多項式の値を決定付ける主成分となってお
    り、 前記対物レンズは、前記射出角度誤差に起因する前記対
    象面上での歪曲収差を相殺する歪曲収差を有することを
    特徴とする結像光学系。
  12. 【請求項12】 前記対物レンズは、前記ビーム整形光
    学系側から平行光束を入射させて前記対象面上で結像性
    能を評価した場合に、正の歪曲収差を有することを特徴
    とする請求項11に記載の結像光学系。
  13. 【請求項13】 前記複数の発光点は、前記主断面と平
    行な方向に一列に配列していることを特徴とする請求項
    12に記載の結像光学系。
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