JP3330413B2 - ポリプロピレン組成物およびその製造方法 - Google Patents
ポリプロピレン組成物およびその製造方法Info
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Description
よびその製造方法に関する。詳しくはポリプロピレンに
特定の低分子量ポリプロピレンをブレンドしてなること
を特徴とするポリプロピレン組成物に関する。
り、物性のバランスが比較的良く、優れた電気的、機械
的、化学的性質を有し、また安価に入手することが出来
るため各種の材料としてさまざまな分野に非常によく利
用されている。
の進歩、結晶化核剤等の添加効果の向上等により、剛
性、耐熱変形性、表面の硬さ等の物性がさらに優れたも
のとして研究改良が行われている。
めに分子量分布を変えたり、異なった物性を有するポリ
プロピレン同志を混合する方法が通常行われている。
プロピレンや低分子量のポリプロピレンは、通常工業的
に生産されているが、従来のものは立体規則性が低いも
のであった。さらに、通常のポリプロピレンに少量の高
分子量のポリプロピレンを混合すると物性が低下した
り、フィルムなどにしたときにはブツが生じて外観も悪
くなるなどの問題があった。これは同じポリプロピレン
同志でも分子量の差が大きいため高分子量のポリプロピ
レンが均一に分散されないためであると考えられてい
る。
低分子量のポリプロピレンを混合した場合には、ブツが
生じて外観が悪くなるなどの問題はないが、高分子量の
ポリプロピレンを混合した時のように混合した低分子量
のポリプロピレンが均一に分散されない場合には低分子
量のポリプロピレンの性質が全体の組成物の物性に影響
を与えることが予想される。
レンに少量の低分子量のポリプロピレンを混合した場合
には、上記した如くフィルムなどにしたときにはブツが
生じて外観が悪くなるようなことはないが、低分子量の
ポリプロピレンを入れた分だけ物性が低下する。これは
従来使用されてきた低分子量ポリプロピレンが分子量と
して小さいだけで、立体規則性が低いものであったため
である。ところが、立体規則性の高い低分子量のポリプ
ロピレンは剛性、耐熱変形性、表面の硬さ、結晶性等の
物性が優れたものとして期待できるので、これらのポリ
プロピレンを通常のポリプロピレンに混合することによ
り物性の向上が期待できる。
に用いられているポリプロピレンに特定の低分子量ポリ
プロピレンをブレンドすることにより物性が低下せず、
むしろ物性が向上することを見いだして本発明を完成さ
せた。すなわち本発明は、135℃のテトラリン中で測
定した極限粘度数(以下、〔η〕と記す。)が1.0 dl
/g以上で、沸騰n−ヘプタンに不溶部のC13NMRで
測定したmmmmペンタッド分率が0.90以上である高分
子量のポリプロピレン90〜99.9重量部と、〔η〕が0.1
〜0.8 dl/gでC13NMRで測定したmmmmペンタ
ッド分率が0.93以上である低分子量の高立体規則性ポリ
プロピレン0.1 〜10重量部よりなるポリプロピレン組成
物であり、また本発明は、上記の高分子量のポリプロピ
レン90〜99.9重量部と低分子量の高立体規則性ポリプロ
ピレン0.1 〜10重量部とを溶融混合することを特徴とす
るポリプロピレン組成物の製造方法である。
レンとは、プロピレンのホモポリマー或いは20wt%以下
のエチレンやブテン等のコモノマーを含むポリプロピレ
ン共重合体であって、しかも〔η〕が1.0 dl/g以上
で沸騰n−ヘプタンに不溶部の割合が80%以上あるもの
が好ましく、さらに該沸騰n−ヘプタンに不溶部のC13
NMRで測定したmmmmペンタッド分率が0.90以上で
あることが重要であり、特に沸騰n−ヘプタンに不溶部
のmmmmペンタッド分率が0.90よりも小さい場合には
あまり効果がない。ここで沸騰n−ヘプタンに不溶部と
は、熊川式抽出器を用いてポリプロピレン6gを沸騰n
−ヘプタンで6時間抽出した後の抽出残分を示す。
工業的にポリオレフィンを製造する方法で得られ、その
重合方法は溶媒重合法あるいは実質的に溶媒の存在しな
い塊状重合法、気相重合法などの従来の方法が利用で
き、その重合に用いる触媒は、例えば三塩化チタン触媒
あるいはマグネシウム化合物に三塩化チタンや四塩化チ
タンなどのチタン化合物を担持した触媒成分にアルキル
アルミニウムを助触媒成分とする担体触媒等が用いられ
る。さらにジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロ
リドとアルミノキサンの組み合わせで代表されるような
シクロペンタジエニル化合物を配位子とする周期律表第
3族、第4族の金属錯体とアルミノキサン化合物よりな
る触媒、あるいはシクロペンタジエニル化合物を配位子
とする周期律表第3族、第4族の金属カチオン錯体を触
媒として用いる均一系の触媒も利用できる。
レンとは、〔η〕が0.1 〜0.8 dl/gで、C13NMR
で測定したmmmmペンタッド分率が0.93以上である低
分子量の高立体規則性ポリプロピレンである。これら低
分子量のポリプロピレンの製造方法は、上記高分子量の
ポリプロピレンを製造するものと同じ触媒、同じ重合法
で得られ、重合時の条件を変えることで製造することが
できる。また、〔η〕が0.8 dl/g以上のポリプロピ
レンを熱減性等のモルフォロジーコントロールを行って
〔η〕が0.1 〜0.8 dl/g、C13NMRで測定したm
mmmペンタッド分率が0.93以上となるようにしたもの
も使用される。
高分子量のポリプロピレンと溶融混合することで、本発
明のポリプロピレン組成物が得られる。この溶融混合す
る方法としては、通常行われているポリプロピレン中に
添加物を溶融添加する様な方法でよく、例えば、ヘンシ
ェルミキサー等で予め混合したのちに押出機中に入れて
溶融混練する方法などが挙げられる。この溶融混練時に
充分均一に混合し過ぎるとあまり効果が上がらない場合
があるので、できるだけ溶融剪断力をかけないように混
合することが好ましいが、通常行われている成形条件で
は問題はない。本発明の樹脂組成物を用いて成形体を成
形するときには、通常のポリプロピレンに使用される種
々の安定剤を添加して用いることができる。
る。
60℃で重合して得られたポリプロピレン(〔η〕が1.
6 dl/g、沸騰n−ヘプタンに不溶部のC13NMRで
測定したmmmmペンタッド分率が0.98)にジメチルシ
リルビス(2,5-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロライドとメチルアルミノキサンを触媒とし
てトルエン中で重合して得られた低分子量のポリプロピ
レン(〔η〕が0.35dl/g、C13NMRで測定したm
mmmペンタッド分率が0.98)が5重量%になるように
添加してヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練機
(神戸製鋼(株)社製)を用い230℃の温度で滞留時
間約4分間の条件で溶融混練し、ペレット化した。この
ペレットを射出成形機(東芝(株)社製IS−90)に
て試験片を作成して物性を評価した。
化解析をおこなって結晶化速度に対応する数値t1/2 を
求めたところ150 秒であり、また曲げ弾性は19000(kg/c
m2)であった。
試験片を作成して物性を評価した。t1/2 を求めたとこ
ろ216 秒と遅く、また曲げ弾性は17000(kg/cm2) であっ
た。
子量のポリプロピレン(一部サンプリングして測定した
〔η〕が0.7 dl/g、C13NMRで測定したmmmm
ペンタッド分率が0.94)を合成し、ついで水素を減らし
て通常の重合を行ってポリプロピレン(〔η〕が1.4 d
l/g、沸騰n−ヘプタンに不溶部のC13NMRで測定
したmmmmペンタッド分率が0.97)を得た(この二段
重合をそれぞれ同一条件化で別々に重合して確認したと
ころ、ポリプロピレン中に含まれる低分子量ポリプロピ
レンの割合は7重量%であった。)。
レット化し、射出成形して試験片の一部を用いて物性を
評価したところ、結晶化速度に対応する数値t1/2 は22
0 秒であり、また曲げ弾性は16000(kg/cm2) であった。
社製、〔η〕が1.3 dl/g、沸騰n−ヘプタンに不溶
部が93%であり、そのC13NMRで測定したmmmmペ
ンタッド分率が0.95)を用いて、実施例1で用いた低分
子量ポリプロピレンが5重量%になるように添加した他
は実施例1と同様にしたところ、23℃及び−10℃で
のアイゾットがそれぞれ9.3(kg・cm/cm ) 、5.0 (kg・c
m/cm )であり、曲げ強さは348(kg/cm2) 、曲げ弾性は11
800(kg/cm2) であった。
2と同様にしたところ、23℃及び−10℃でのアイゾ
ットがそれぞれ9.3(kg・cm/cm ) 、5.1 (kg・cm/cm )で
あり、曲げ強さは321(kg/cm2) 、曲げ弾性は10400(kg/c
m2) であった。
易に製造することができ、成形加工性に富、剛性と耐衝
撃性の物性バランスに優れた物が得られ、工業的に極め
て価値がある。
Claims (2)
- 【請求項1】135℃のテトラリン中で測定した極限粘
度数(以下、〔η〕と記す。)が1.0 dl/g以上で、
沸騰n−ヘプタンに不溶部のC13NMRで測定したmm
mmペンタッド分率が0.90以上である高分子量のポリプ
ロピレン90〜99.9重量部と、〔η〕が0.1 〜0.8 dl/
gでC13NMRで測定したmmmmペンタッド分率が0.
93以上である低分子量の高立体規則性ポリプロピレン0.
1 〜10重量部よりなるポリプロピレン組成物。 - 【請求項2】〔η〕が1.0 dl/g以上で、沸騰n−ヘ
プタンに不溶部のC13NMRで測定したmmmmペンタ
ッド分率が0.90以上である高分子量のポリプロピレン90
〜99.9重量部に、〔η〕が0.1 〜0.8 dl/gでC13N
MRで測定したmmmmペンタッド分率が0.93以上であ
る低分子量の高立体規則性ポリプロピレン0.1 〜10重量
部を溶融混合することを特徴とするポリプロピレン組成
物の製造方法。
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