JP3328010B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JP3328010B2 JP17051793A JP17051793A JP3328010B2 JP 3328010 B2 JP3328010 B2 JP 3328010B2 JP 17051793 A JP17051793 A JP 17051793A JP 17051793 A JP17051793 A JP 17051793A JP 3328010 B2 JP3328010 B2 JP 3328010B2
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実際のヨーレートが目
標ヨーレートに合致するように車載機器をフィードバッ
ク制御する車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の制御装置として、例え
ば特公平4−68167号公報に開示されるように、舵
角を検出する舵角センサと、車速を検出する車速センサ
と、上記両センサで検出された舵角及び車速から目標ヨ
ーレートを設定する目標ヨーレート設定手段と、車体に
発生する実際のヨーレートを検出するヨーレートセンサ
と、動力伝達経路に介設されたクラッチ手段とを備え、
実際のヨーレートが目標ヨーレートに合致するように上
記クラッチ手段を作動させて各駆動輪へのトルク伝達量
を調整するようにした、いわゆるヨーレートフィーバッ
ク制御装置は知られている。このヨーレートフィードバ
ック制御装置は、車両のステアリング特性を自由に変更
することができ、車両の応答遅れの補償及び横風等の外
乱による影響の抑制等の効果を奏することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ヨーレートフィードバック制御装置において、目標ヨー
レートは、通常、2輪モデルを基に設定されているが、
このものでは、車輪と路面との間の摩擦限界が考慮でき
ず、旋回限界において、過大なヨーレートが目標とな
り、結果として車両はオーバーステアリング特性を示す
ことになる。なぜなら、車両の姿勢は、発生したヨーレ
ートによって決まるヨー角と旋回角とによって決まり、
旋回角は旋回時の向心力によって左右され、上記向心力
は、車輪と路面との間の摩擦による限界を持っているか
らである。通常の車両では、そのバランスによって平衡
点を持っており、アンダステアリング特性を示すように
セッティングされている。しかし、ヨーレートフィード
バック制御を行う車両では、ヨーレートを自由に設定で
きるため、車輪と路面との間の摩擦限界を考慮しない目
標ヨーレートを設定した場合、向心力が増えず、旋回角
は一定となるのに対し、ヨー角が増加し、車両の姿勢だ
けが変化するスピン状態に陥り易くなるという問題があ
る。
【0004】もっとも、路面の摩擦係数(以下、必要に
応じてこれをμという)等の環境が一定であれば、事前
に目標ヨーレートひいてはステアリング特性を設定する
ことは可能であるが、車両の使われる環境は、高μ路か
らアイスバーンまで種々変化するため、一つに絞ること
はできない。例えば、低μ路で摩擦限界となる0.3重
力加速度程度の旋回に合わせて目標ヨーレートを設定す
ると、高μ路では強いアンダステアリング特性を示し、
回頭性が悪くなる。
【0005】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、2輪モデルを基に目標
ヨーレートを設定するとともに、旋回時に車輪と路面と
の間の摩擦限界つまり車輪の横力が極限になる時の前後
で上記目標ヨーレートを変更することにより、旋回初期
での回頭性の確保と旋回中での車両のスピン状態の発生
防止とを共に図り得る車両の制御装置を提供せんとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、2輪モデルを基に目標ヨー
レートを設定し、実際のヨーレートが該目標ヨーレート
に合致するように車載機器をフィードバック制御する車
両の制御装置において、舵角と車速とから横加速度計算
値を算出する横加速度算出部を有し、該算出部で算出さ
れた横加速度計算値と横加速度センサで検出された横加
速度実測値との差に基づいて車輪の横力が極限になった
時を検出する極限時検出手段と、該極限時検出手段の検
出結果で車輪の横力が極限になった時に上記目標ヨーレ
ートを小さくするように補正する目標ヨーレート補正手
段と、上記横加速度センサの信号からノイズを除去する
ための第1フィルタ手段と、上記横加速度算出部の出力
側に設けられ、上記第1フィルタ手段と同程度の遅れ特
性を有する第2フィルタ手段とを備える構成とする
【0007】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
旋回初期には、2輪モデルを基に設定された目標ヨーレ
ートに実際のヨーレートが合致するように車載機器がフ
ィードバック制御されることにより、車両が旋回方向に
スムーズに向くようになる。そして、旋回中に車輪と路
面との間の摩擦が限界になった時、つまり車輪の横力が
極限になった時には、そのことを極限時検出手段が検出
し、該検出手段の信号を受ける補正手段によって、上記
目標ヨーレートが小さく補正され、この補正後の目標ヨ
ーレートに実際のヨーレートが合致するようにフィード
バック制御が行われる。このため、実際のヨーレートな
いしヨー角が過大になることはなく、車両がスピン状態
に陥ることはない。
【0008】ここで、横加速度計算値と横加速度実測値
との差に基づいて車輪の横力の極限時を検出する場合、
横加速度実測値つまり横加速度センサの信号にはノイズ
が含まれるので、このノイズを除去するためのフィルタ
手段を設ける必要があるが、このフィルタ手段により遅
れが生じ、極限時の検出が不正確になる虞がある。従っ
て、この場合、上述の如く、横加速度センサの信号から
ノイズを除去するための第1フィルタ手段を設けるとと
もに、上記横加速度算出部の出力側に、上記第1フィル
タ手段と同程度の遅れ特性を有する第2フィルタ手段を
設けると、フィルタ手段による遅れが相殺し合うことに
なり、極限時の検出を精度良く行うことができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0010】図1は本発明の第1実施例として4輪駆動
車のトルク配分制御装置に適用した場合を示す。この図
において、1及び2は左右の前輪、3及び4は左右の後
輪、5はエンジンであって、該エンジン5の出力は、エ
ンジン出力を前輪側と後輪側とに等分に伝達するセンタ
ーディファレンシャルを有するトランスファ6にトラン
スミッション7を介して入力される。
【0011】上記トランスファ6には前輪側プロペラシ
ャフト11を介してフロントディファレンシャル12が
連結され、該フロントディファレンシャル12には左右
の前輪1,2がそれぞれ駆動軸13を介して連結されて
いる。また、トランスファ6には後輪側プロペラシャフ
ト14を介してリヤディファレンシャル15が連結さ
れ、該リヤディファレンシャル15には左右の後輪3,
4がそれぞれ駆動軸16を介して連結されている。
【0012】また、21,22,23及び24はそれぞ
れ各車輪1〜4に設けられたブレーキ装置であり、これ
らのブレーキ装置21〜24に供給される油圧(ブレー
キ圧)は、ブレーキ油圧回路25によって独立的に制御
される。26はエンジン1の吸気系に設けられたスロッ
トル弁、27は該スロットル弁26の開度を調整するス
ロットルモータであって、該スロットルモータ27はエ
ンジンコントローラ28により制御される。上記エンジ
ンコントローラ28は、運転者のアクセル操作量を検出
するアクセルセンサ29からのアクセル信号を受けて上
記スロットルモータ27に作動制御信号を出力し、運転
者のアクセル操作量に対応してスロットル弁26の開度
を調整するとともに、トルク配分コントローラ30から
の制御信号を受けて、トルク配分の変更に必要なエンジ
ン出力トルクが得られるようエンジン出力を変更するも
のである。
【0013】さらに、31は操舵輪である前輪1,2の
舵角を検出する舵角センサ、32は車両の横方向の加速
度を検出する横加速度センサ、33は車両の前後方向の
加速度を検出する前後加速度センサ、34は各車輪1〜
4の回転数を検出する車輪速センサ、35はエンジン回
転数を検出する回転数センサ、36は各車輪1〜4(ブ
レーキ装置21〜24)のブレーキ圧を検出するブレー
キ圧センサ、37はトランスミッション7のギヤポジシ
ョン(変速段)を検出するギヤポジションセンサ、38
はエンジン5のブースト圧を検出するブースト圧セン
サ、39は車両のヨーレートを検出するヨーレートセン
サであり、これら各種センサ31〜39の信号は、上記
アクセルセンサ29の信号と共に、上記トルク配分コン
トローラ30に入力される。該トルク配分コントローラ
30は、各車輪1〜4へのトルク配分を制御するため
に、上記エンジンコントローラ28及びブレーキ油圧回
路25(詳しくは後述の増圧用電磁弁46,47と減圧
用電磁弁48,49)を制御する。
【0014】次に、上記ブレーキ油圧回路25の構成に
ついて、図2を用いて説明する。
【0015】図2において、41は左前輪1のブレーキ
装置21のための第1油圧ライン、42は右前輪2のブ
レーキ装置22のための第2油圧ラインであって、該各
油圧ライン41,42にはそれぞれブレーキ圧の供給を
制御する圧力制御弁43,44が介設されている。
【0016】上記各圧力制御弁43,44は、シリンダ
43a,44aがピストン43b,44bにより容積可
変室43c,44cと制御室43d,44dとに区画さ
れている。上記容積可変室43c,44cは、マスタシ
リンダ45で発生したブレーキ圧を上記ブレーキ装置2
1,22に供給するものである。上記ピストン43b,
44bは、スプリング43e,44eにより容積可変室
43c,44cの容積が増大する方向に付勢されている
とともに、制御室43d,44dに導入される制御圧に
よりスプリング43e,44eの付勢に抗して容積可変
室43c,44cを縮小する方向に移動するものであ
り、この縮小方向の移動により容積可変室43c,44
cの制動圧入口を閉じるチェックバルブ43f,44f
を備えている。従って、制御室43d,44dに制御圧
が導入されてピストン43b,44bがスプリング43
e,44eに抗して移動すると、マスタシリンダ45と
容積可変室43c,44cとの間が遮断されるととも
に、該容積可変室43c,44c内で発生する制動圧が
ブレーキ装置21,22に供給されることになる。
【0017】一方、上記各圧力制御弁43,44を作動
させるために、各々増圧用電磁弁46,47と減圧用電
磁弁48,49とが設けられている。増圧用電磁弁4
6,47は、オイルポンプ50からリリーフ弁51を介
して上記圧力制御弁43,44の制御室43d,44d
に至る制御圧供給ライン52,53上に配置され、減圧
用電磁弁48,49は、上記制御室43d,44dから
導かれたドレンライン54,55上に配置されている。
そして、これらの電磁弁46〜49は上記トルク配分コ
ントローラ30からの信号により開閉制御され、増圧用
電磁弁46,47が開通されかつ減圧用電磁弁48,4
9が遮断されたときに圧力制御弁43,44の制御室4
3d,44dに制御圧が導入され、増圧用電磁弁46,
47が遮断されかつ減圧用電磁弁48,49が開通され
たときに上記制御室43d,44dの制御圧が排出され
るようになっている。
【0018】尚、左右の後輪3,4のブレーキ装置2
3,24についても、その図示は省略するが、上記前輪
1,2のブレーキ装置21,22と同様の構造が採用さ
れており、かかる構造により各ブレーキ装置21〜24
に独立したブレーキ圧を作用せしめることができるもの
である。
【0019】次に、上記トルク配分コントローラ30の
制御内容について、図3に示すフローチャートに従って
説明する。
【0020】図3において、スタートした後、先ず、ス
テップS1 で所定の計測タイミングになるのを待って、
ステップS2 で図1に示す各種センサ29,31〜39
からの各信号により、運動量としてのアクセル開度、舵
角、横加速度、前後加速度、各車輪速、エンジン回転
数、各車輪のブレーキ圧、ギヤポジション、ブースト
圧、車両の実際のヨーレートを計測する。
【0021】続いて、ステップS3 で要求トルクを計算
する。この要求トルクの計算は、予め各ギヤポジション
毎に用意された、アクセル開度とエンジン回転数とを関
数とするエンジン出力トルクの算出用マップを用いて行
われる。しかる後、ステップS4 で4車輪1〜4の駆動
トルクの配分量を設定し、ステップS5 でこの配分量を
用いて各車輪1〜4の要求駆動トルクを算出する。上記
配分量は、後述するように左右輪の駆動トルク差ΔT1
と前後輪の駆動トルク差ΔT2 とからなる。
【0022】しかる後、ステップS6 でエンジンコント
ローラ28を介してエンジン出力を制御するとともに、
ステップS7 でブレーキ油圧回路25を介して各車輪1
〜4のブレーキ圧を制御する。上記エンジン出力の制御
は、駆動軸13,16での出力トルクを、各車輪1〜4
の要求駆動トルクのうちの最大値となるようスロットル
開度を制御するものであり、上記ブレーキ圧の制御は、
実際の駆動軸13,16への出力トルクと各車輪1〜4
の要求駆動トルクとの差に相当するブレーキトルクを与
えるようブレーキ圧を各車輪毎に独立して制御するもの
である。この両制御が終了した後、ステップS1 へ戻
る。
【0023】上記配分量の設定は、図4に示すフローチ
ャートに従って行われる。
【0024】すなわち、先ず初めに、ステップS11で目
標ヨーレートYt を後述する方法で計算した後、ステッ
プS12でこの目標ヨーレートYt とヨーレートセンサ3
9で検出した実際のヨーレートYとの偏差ΔYを計算
し、ステップS13で該ヨーレート偏差の微分値dΔYを
計算する。この微分値dΔYの計算は、今回のヨーレー
ト偏差ΔYと前回のヨーレート偏差ΔY0 との差分をサ
イクルタイムΔt(約7ms)で除して行われる。しか
る後、ステップS14で今回のヨーレート偏差ΔYを前回
のヨーレート偏差ΔY0 に置き換える。
【0025】続いて、ステップS15で上記ヨーレート偏
差ΔYに対し、図5に示すように、0を中心にして所定
幅e1 の不感帯を設定する。しかる後、ステップS16で
左右輪の駆動トルク差ΔT1 を、ヨーレート偏差ΔYの
PD計算でもって算出する。つまり、駆動トルク差ΔT
1 は、次のような計算式により、ΔT1 =PG1 ×ΔY
+DG1 ×dΔY算出されるのである。但し、PG1 は
比例係数、DG1 は微分係数である。
【0026】続いて、ステップS17で前後輪の横すべり
角差dβを計算する。その計算式は、 dβ=|θ|−|Y×C/V| である。但し、θは舵角、Yはヨーレート、Vは車速で
ある。Cは係数であって、下記の式により、 C=(1+SF×V2)×Lw 算出されるものである。但し、SFはスタビリティファ
クタ、Lw はホイールベースである。
【0027】続いて、ステップS18で前後輪のトルク配
分比sを、図6に示すようなマップを用いて計算する。
このマップでは、前後輪のトルク配分比sは、上記前後
輪の横すべり角差dβに応じて変化するとともに、その
横すべり角差dβが零の時を中心に所定幅e2 の不感帯
が設けられている。尚、トルク配分比sは、0で前後均
等配分とし、+0.5で後輪の駆動トルクを最大にかつ
前輪の駆動トルクを0にし、−0.5で逆の関係にする
ようになっている。
【0028】続いて、ステップS19で前後輪の駆動トル
ク差ΔT2 を計算する。その計算式は、 ΔT2 =s×TRQ である。つまり、前後輪の駆動トルク差ΔT2 は、前後
輪のトルク配分比sとエンジン出力トルクTRQとの積
算値である。しかる後、リターンする。
【0029】以上の配分量設定の制御のうち、左右輪の
駆動トルク差ΔT1 の計算部分において、実際のヨーレ
ートYが目標ヨーレートYt に合致するように車載機器
としてのブレーキ油圧回路25(ブレーキ圧)及びエン
ジンコントローラ28(スロットル開度)をフィードバ
ック制御するようになっている。
【0030】そして、本発明の特徴部分である目標ヨー
レートYt の計算は、図7に示すフローチャートに従っ
て行われる。
【0031】すなわち、先ず初めに、ステップS21で横
加速度センサ32で検出された横加速度の実測値Gl を
読み込んだ後、ステップS22でその横加速度実測値Gl
から高周波のノイズを除去するためにフィルタ処理を行
う。このフィルタ処理は、ローパスフィルタによって行
われ、請求項記載の発明にいう第1フィルタ手段61
を構成している。
【0032】続いて、ステップS23で2輪モデルを基に
した横加速度計算値Gltを算出する。その計算式は、 Glt={V2/(1+A0 ×V2)}×θ/L である。但し、Vは車速、θは舵角、Lはホイールベー
ス、A0 はスタビリティファクタである。このステップ
S23により、舵角θと車速Vとから横加速度計算値Glt
を算出する横加速度算出部62が構成されている。
【0033】上記横加速度計算値Gltの算出後、ステッ
プS24でその横加速度計算値Gltに対しフィルタ処理を
行う。このフィルタ処理は、ノイズを除去すること以外
に、上記横加速度実測値Gl に対するフィルタ処理によ
る出力の遅れ特性及びハンドル操作に対する車両の遅れ
特性と相殺するために行うものであって、後者のための
フィルタ処理は、請求項記載の発明にいう、上記第1
フィルタ手段61と同程度の遅れ特性を有する第2フィ
ルタ手段63を構成している。
【0034】続いて、ステップS25で横加速度計算値G
ltと横加速度実測値Gl とが同符号であるか否かを判定
する。横加速度計算値Glt及び横加速度実測値Gl は、
左旋回の時と右旋回の時とで符号が逆になるが、この両
者の符号が逆になるのは、旋回中にその旋回方向と反対
方向にハンドルを操作するいわゆるカウンターステア状
態の時である。従って、ステップS25の判定は、通常の
旋回操作状態であるか、あるいはカウンターステア状態
であるかを判定しているのである。
【0035】そして、上記ステップS25の判定がYES
のとき、つまり通常の旋回状態の時には、ステップS26
で横加速度計算値Gltの絶対値と横加速度実測値Gl の
絶対値との差が所定値Gl0以上であるか否かを判定す
る。この判定がNOのときには、ステップS27で補正値
Ac に0をセットする一方、判定がYESのときには、
ステップS28で補正値Ac を下記の式により、 Ac =K{(|Glt|−|Gl |)−Gl0} 算出する。但し、Kは正の係数である。
【0036】一方、上記ステップS25の判定がNOのと
き、つまりカウンターステア状態のときには、ステップ
S29で補正値Ac に最大値Acmaxをセットする。
【0037】上記ステップS27〜S29のいずれかで補正
値Ac を設定した後、ステップS30でこの補正値Ac と
補正前のスタビリティファクタA0 とを加算して新たな
スタビリティファクタAを算出する。次いで、ステップ
S31で上記補正後のスタビリティファクタAに対し、そ
の最大値を規制するリミット処理をした後、ステップS
32で2輪モデルを基にした目標ヨーレートYt を下記の
式により、 Yt ={V/(1+A×V2)}×θ/L 算出し、リターンする。
【0038】以上のフローチャートのうち、前半部分つ
まりステップS21〜S26の制御フローにより、請求項
載の発明にいう、横加速度計算値Gltと横加速度実測
値Gl との差に基づいて車輪1〜4の横力が極限になっ
た時を検出する極限時検出手段64が構成され、後半部
分つまりステップS26,S28,S30〜SS32の制御フロ
ーにより、上記極限時検出手段63の検出結果で車輪の
横力が極限になった時にスタビリティファクタAを大き
くすることで目標ヨーレートを通常の時よりも小さくす
るように補正する目標ヨーレート補正手段65が構成さ
れている。
【0039】次に、上記第1実施例の作用・効果につい
て説明するに、旋回初期には、2輪モデルを基に舵角θ
と車速Vとから算出した横加速度計測値Gltと横加速度
センサ32で検出した横加速度実測値Gl との差は小さ
いため、補正値Ac は0にセットされ、目標ヨーレート
Yt は、2輪モデルを基に比較的大きな値に設定され
る。そして、この目標ヨーレートYt に実際のヨーレー
トYが合致するように左右輪の駆動トルクがフィードバ
ック制御されることにより、車両が旋回方向にスムーズ
に向くようになり、旋回初期での回頭性を高めることが
できる。
【0040】一方、旋回中に車輪の横力が極限になる時
には、上記横加速度計測値Gltと横加速度実測値Gl と
の差が所定値Gl0以上に大きくなり、スタビリティファ
クタAが旋回初期の時よりも補正値Ac の加算により大
きな値に変更されるので、目標ヨーレートYt は、旋回
初期よりも小さくなり、この目標ヨーレートYt に実際
のヨーレートYが合致するようにフィードバック制御が
行われる。このため、実際のヨーレートYないしヨー角
が過大になることはなく、車両がスピン状態に陥るのを
防止することができ、安全性を高めることができる。
【0041】尚、カウンターステア状態のときには、補
正値Ac が最大値Acmaxにセットされ、目標ヨーレート
Yt が極小値に補正されるので、車両の旋回を抑える収
束方向に向かう。
【0042】図8は車両の旋回時における舵角θ、目標
ヨーレートYt 、横加速度実測値Gl 及び横加速度計測
値Gltの各変化特性を示し、図8(a)中、実線Aは舵
角θの変化特性を、一点鎖線B1 は補正をしない従来の
目標ヨーレートYt の変化特性を、実線B2 は本実施例
の目標ヨーレートYt の変化特性をそれぞれ示す。ま
た、図8(a)及び(b)中、破線Cは横加速度実測値
Gl の変化特性を示し、図8(b)中、実線D1 はフィ
ルタ処理を行わないときの横加速度計測値Gltの変化特
性を、一点鎖線D2 は本実施例の横加速度計測値Gltの
変化特性をそれぞれ示す。
【0043】図8からも判るように、本実施例の場合、
旋回開始t1 の後、車輪の横力が極限になる時t2 以降
目標ヨーレートYt が補正され、その変化特性B2 は、
従来の変化特性B1 よりも小さくなる。
【0044】また、本実施例では、横加速度計算値Glt
と横加速度実測値Gl との差に基づいて車輪の横力の極
限時を検出する場合、横加速度実測値Gl からノイズを
除去するためのフィルタ処理をする第1フィルタ手段6
1を設けたことから、旋回時での横加速度実測値Gl の
立ち上がりは、図8(b)中に破線Cで示すように、緩
やかなものになる。ここで、横加速度計算値Gltに対
し、フィルタ処理を行わないとき、旋回時での横加速度
計測値Gltの立ち上がりは、図8(b)中に実線D1 で
示すように、急激なものになり、横加速度計測値Gltと
横加速度実測値Gl との差が、上記第1フィルタ手段6
1の配設に起因して誤って大きくなる。これに対し、本
実施例では、横加速度計算値Gltに対し、上記第1フィ
ルタ手段61と同程度の遅れ特性を有する第2フィルタ
手段63によりフィルタ処理を行うため、旋回時での横
加速度計測値Gltの立ち上がりは、図8(b)中に実線
D2で示すように、横加速度実測値Gl の立ち上がりと
同様に緩やかなものとなる。この結果、上記二値Glt,
Gl の差分を誤って算出することはなく、車輪横力の極
限時の誤検出を防止することができる
【0045】図は本発明の第実施例に係わる車両の
4輪操舵装置を示し、この4輪操舵装置は、左右の前輪
101,102を操舵する前輪操舵部110と、左右の
後輪103,104を操舵する後輪操舵部120とから
なる。
【0046】上記前輪操舵部110は、ステアリングシ
ャフト111と、該ステアリングシャフト111の一端
に設けられたステアリングハンドル112と、上記ステ
アリングシャフト111の他端にラック&ピニオン(図
示せず)を介して連結された車幅方向に延びるロッド部
材113と、該ロッド部材113の両端と左右の前輪1
01,102とを連結する左右一対のタイロッド11
4,114とを備え、ステアリングハンドル112の回
転操作により前輪101,102が左右に操舵されるよ
うになっている。
【0047】一方、上記後輪操舵部120は、車幅方向
に延びるロッド部材121と、該ロッド部材121の両
端と左右の後輪103,104とを連結する左右一対の
タイロッド122,122と、上記ロッド部材121を
作動ロッドとする油圧シリンダ123とを備えている。
上記油圧シリンダ123内の左右のシリンダ室には、油
圧ポンプ124から圧油が制御弁(図示せず)を介して
選択的に供給され、それにより後輪103,104が前
輪101,102の操舵方向と同じ方向の同位相に、ま
たは反対方向の逆位相に操舵されるようになっている。
上記制御弁の切換えはサーボコントローラ125により
制御され、該サーボコントローラ125には、マイクロ
コンピータ等よりなるメインコントローラ126からの
制御信号が入力される。
【0048】上記メインコントローラ126には、ハン
ドル操舵角を検出するハンドル操舵角センサ131の信
号と、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ1
32の信号と、車両の横加速度を検出する横加速度セン
サ133の信号と、従動輪(後輪)の車輪速から車速を
検出する車速センサ134の信号と、ロッド部材121
の軸方向変位量から後輪103,104の操舵角を検出
する後輪操舵角センサ135の信号とが入力される。メ
インコントローラ126は、2輪モデルを基に目標ヨー
レートを設定し、上記ヨーレートセンサ132で検出さ
れた実際のヨーレートが該目標ヨーレートに合致するよ
うに後輪操舵部120(サーボコントローラ125)を
フィードバック制御するヨーレートフィードバック制御
部(図示せず)を有している。
【0049】そして、このようなヨーレートフィードバ
ック制御部において、目標ヨーレートの計算は、上記第
1実施例の場合と同様な構成になっており、また、それ
により同様な作用・効果を奏することができる。
【0050】
【発明の効果】以上の如く、本発明における車両の制御
装置によれば、2輪モデルを基に設定された目標ヨーレ
ートに実際のヨーレートが合致するように車載機器をフ
ィードバック制御するに当り、車輪の横力が極限になっ
た時に上記目標ヨーレートを小さくするよう補正するこ
とにより、旋回初期での回頭性を高めることができると
ともに、旋回中に車両がスピン状態に陥るのを防止する
ことができ、安全性の向上を図ることができる。
【0051】特に、横加速度算出部での横加速度計算値
と加速度センサで検出する横加速度実測値との差に基づ
いて車輪の横力の極限時を検出するに当り、上記加速度
センサの信号からノイズを除去するための第1フィルタ
手段を設けるとともに、上記横加速度算出部の出力側
に、上記第1フィルタ手段と同程度の遅れ特性を有する
第2フィルタ手段を設けることにより、フィルタ手段に
よる遅れを相殺することができるので、極限時の検出精
度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係わる4輪駆動車のトル
ク配分制御装置の全体構成図である。
【図2】ブレーキ油圧回路の構成図である。
【図3】トルク配分制御のフローチャート図である。
【図4】配分量設定のフローチャート図である。
【図5】ヨーレート偏差に対する不感帯設定に用いるマ
ップを示す図である。
【図6】前後輪のトルク分配比の計算に用いるマップを
示す図である。
【図7】目標ヨーレート計算のフローチャート図であ
る。
【図8】旋回時での各運動量の変化特性を示す図であ
【図9】本発明の第実施例に係わる車両の4輪操舵装
置の全体構成図である。
【符号の説明】
25 ブレーキ油圧回路(車載機器) 28 エンジンコントローラ(車載機器) 61 第1フィルタ手段 62 横加速度算出部 63 第2フィルタ手段 6 極限時検出手段 6 目標ヨーレート補正手段 120 後輪操舵部(車載機器)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 109:00 B62D 109:00 111:00 111:00 113:00 113:00 123:00 123:00 125:00 125:00 127:00 127:00 137:00 137:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/28 - 17/36 B62D 6/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2輪モデルを基に目標ヨーレートを設定
    し、実際のヨーレートが該目標ヨーレートに合致するよ
    うに車載機器をフィードバック制御する車両の制御装置
    において、舵角と車速とから横加速度計算値を算出する横加速度算
    出部を有し、該算出部で算出された横加速度計算値と横
    加速度センサで検出された横加速度実測値との差に基づ
    いて 車輪の横力が極限になった時を検出する極限時検出
    手段と、上記極限時 検出手段の検出結果で車輪の横力が極限にな
    った時に上記目標ヨーレートを小さくするように補正す
    る目標ヨーレート補正手段と 上記横加速度センサの信号からノイズを除去するための
    第1フィルタ手段と、 上記横加速度算出部の出力側に設けられ、上記第1フィ
    ルタ手段と同程度の遅れ特性を有する第2フィルタ手段
    とを備えたことを特徴とする車両の制御装置
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