JP2851386B2 - 4輪駆動車のトルク配分制御装置 - Google Patents

4輪駆動車のトルク配分制御装置

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JP2851386B2
JP2851386B2 JP2156273A JP15627390A JP2851386B2 JP 2851386 B2 JP2851386 B2 JP 2851386B2 JP 2156273 A JP2156273 A JP 2156273A JP 15627390 A JP15627390 A JP 15627390A JP 2851386 B2 JP2851386 B2 JP 2851386B2
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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は4輪駆動車のトルク配分制御装置に関する。
(従来の技術) エンジン出力により前後左右の4輪を駆動する4輪駆
動車において、各車輪のトルク配分を常に等しい状態に
するのでなく、運転状態に応じた最適な配分に可変制御
するようにしたトルク配分制御装置は一般に知られてい
る。
例えば、特開平1−247223号公報には、車両の旋回運
動を、直進走行から旋回走行への進入時と、定常的な旋
回中と、旋回走行から直進走行への脱出時とに分け、前
輪の舵角及び舵角変化率に基づき車両の旋回状態に応じ
てトルク配分制御を行なうという提案が開示されてい
る。すなわち、この提案は、旋回進入時には車両の回頭
性を高めるべく前輪の駆動力をブレーキにより吸収して
この前輪へのトルク配分を少なくする一方、旋回脱出時
には直進性を高めるべく後輪の駆動力を吸収してこの後
輪へのトルク配分を少なくし、前後輪のタイヤの負担の
均一化を図るというものである。
(発明が解決しようとする課題) ところで、路面の摩擦係数(以下、必要に応じてこれ
をμという)が高い高μ路面においては、車両は舵角及
び車速の変化に略対応する挙動をとるが、低μ路面にお
いてはタイヤのスリップ率が大きいから、車両の運動が
舵角変化及び車速変化に対して遅れる。例えば、横加速
度は操舵終了後も残ることになる。
これに対して、上記従来技術の場合、舵角が零若しく
はその近傍になった時点で、脱出時の制御が終了する。
しかし、その時点でも、低μ路面においては、車両に比
較的大きな横加速度が残っており、後輪は上記脱出制御
終了に伴なう駆動トルクの増加により横滑りが大きくな
り、車両の走行安定性が損なわれる。つまり、旋回走行
から直進走行への速やかな収束性が得られない。
また、例えばS字カーブでの走行のように、脱出操舵
終了後、直に次の旋回操舵が行なわれる場合、今度は旋
回進入時のトルク配分制御が行なわれるため、後輪に横
滑りを生じているにも拘らず、その駆動トルクがさらに
増加し、横滑りがさらに大きくなる。
そこで、本発明は、低μ路面において、旋回脱出時に
おける上述の後輪の横滑りを抑え、安定した旋回走行を
行えるようにするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、このような課題を解決するため、旋回状態
の判定を車両の実際の状態に合わせて補正することによ
り、旋回脱出時のトルク配分制御を旋回操舵終了後まで
継続させることができるようにして、旋回走行の安定性
向上を図るものである。
すなわち、そのためのトルク配分制御装置は第1図に
示されている。
同図において、1は4輪駆動車であって、エンジン2
を備え、このエンジン2の出力はセンターデファレンシ
ャル3、フロントデファレンシャル4、リヤデファレン
シャル5を介して左右の前輪6,7及び左右の後輪8,9にそ
れぞれ伝達されるものである。
10は上記4輪6〜9へのエンジン出力の伝達量を調整
してこの4輪6〜9へのトルク配分を変更するトルク配
分変更手段であり、この場合は、各輪6〜9にそれぞれ
設けられたブレーキ装置11〜14を制御することにより上
記伝達量を調整するものとして示されている。16は上記
トルク配分変更手段10を制御するトルク配分制御手段で
ある。
そして、上記トルク配分変更手段10の制御のために、 車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段17と、 車両に発生する横加速度又は横滑り角を検出する手段
18と、 上記車両の操舵状態に基づいて車両が旋回走行から直
進走行へ脱出する脱出状態を判定する旋回状態判定手段
19と、 上記旋回状態判定手段19により脱出状態が判定された
時、上記横加速度又は横滑り角が所定値以下になるまで
上記脱出状態の判定を維持する脱出判定維持手段20とが
設けられている。
そうして、上記トルク配分制御手段16は、上記旋回状
態判定手段19及び脱出判定維持手段20の出力を受けて、
脱出状態が判定されている際には判定されていない時に
比して前後輪のオルク配分比を前輪の方が大きくなるよ
うに設定し、この設定されたトルク配分比に基づいて上
記トルク配分変更手段10を制御するようになっている。
(作用) 上記トルク配分制御装置においては、基本的には、操
舵状態検出手段17による検出結果に基づいて、旋回状態
判定手段19により脱出状態の判定がなされ、この判定結
果に基づいて旋回状態に応じた4輪のトルク配分制御が
行なわれる。しかして、上記旋回状態判定手段19により
脱出状態が判定された場合、車両に発生している横加速
度又は横滑り角のいかんによっては、その後の旋回状態
の判定が変わってくる。
すなわち、旋回状態判定手段19により脱出状態が判定
された場合、脱出判定維持手段20は横加速度又は横滑り
角が所定値以下になるまで脱出状態の判定を維持するも
のである。
よって、高μ路面のように、車両の運動が舵角変化や
車速変化に対してあまり遅れず、旋回操舵終了と略同等
に上記横加速度ないしは横滑り角が所定値以下になる場
合には、脱出状態の判定及びそれによる脱出制御は操舵
状態に略対応する形で終了する。
これに対して、低μ路面では、旋回操舵終了後でも比
較的大きな横加速度ないしは横滑り角が残っているか
ら、上記脱出判定維持手段20により脱出状態の判定が上
記旋回操舵終了後でも横加速度ないしは横滑り角が所定
値以下になるまで維持され、脱出時のトルク配分制御が
引き続いて行なわれることになる。また、旋回操舵終了
後、直に次の旋回操舵が行なわれる場合にも、脱出時の
制御が継続されることになる。
(発明の効果) 従って、本発明によれば、車両に発生する横加速度又
は横滑り角を検出してその大きさが所定値以下になるま
で、脱出状態の判定を維持するようにしたから、旋回状
態の判定が結果的に車両の実際の状態に合致することに
なり、旋回走行からの脱出時に、後輪の横滑りを抑える
走行安定性を重視したトルク配分制御を旋回操舵終了後
まで継続させて、旋回走行から直進走行への収束性を高
めることができ、また、直進走行から旋回走行への進入
と旋回走行からの脱出とが交互に続く場合の車両の走行
安定性の向上を図ることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
<全体構成の説明> 第2図に実施例の全体構成が示されている(なお、第
1図に示す要素に対応するものには同符号を用いてい
る)。
まず、エンジン2の出力は、エンジン出力を前輪側と
後輪側とに等分に伝達するセンターデファレンシャルを
有するトランスファ3にトランスミッション31を介して
入力されている。フロントデファレンシャル4はトラン
スファ2の前輪側出力軸32に連結され、このフロントデ
ファレンシャル4に左右の前輪6,7が前輪駆動軸33を介
して連結されている。同様に、リヤデファレンシャル5
はトランスファ3の後輪側出力軸34に連結され、このリ
ヤデファレンシャル5に左右の後輪8,9が後輪駆動軸35
を介して連結されている。
トルク配分変更手段としてのブレーキコントローラ10
は、上記4輪6〜9に配設された各ブレーキ装置11〜14
へ供給する制動圧を別個に制御する制動圧制御弁とその
アクチュエータとを備えたものである。エンジン2のス
ロットル弁36はスロットルモータ37によってその開度が
調整されるものである。
また、15はエンジン出力変更手段としてのエンジンコ
ントローラであって、運転者のアクセル操作量を検出す
るアクセルセンサ38からのアクセル信号を受けて上記ス
ロットルモータ37に作動制御信号を出力し、運転者のア
クセル操作量に対応するようにスロットル弁36の開度を
調整する一方、トルク配分制御手段としてのトルク配分
コントローラ16からの制御信号を受けて、トルク配分の
変更に必要なエンジン出力トルクが得られるようエンジ
ン出力を変更するものである。
トルク配分コントローラ16は、上記アクセルセンサ38
からの信号のほか、上記4輪6〜9へのトルク配分制御
を行なうための運動量ないしは操作量計測用の各種信号
が入力され、上記ブレーキコントローラ10及びエンジン
コントローラ15に制御信号を出力するものであり、上記
各種信号の出力源は以下の通りである。
車輪の舵角を検出する舵角センサ40 車両に発生する横加速度を検出する横加速度センサ41 各輪6〜9の回転数を検出する車輪速センサ44 エンジン回転数を検出する回転数センサ45 車速センサ46 トランスミッション25のギヤポジション(変速段)を
検出するギヤポジションセンサ47 エンジン2のブースト圧を検出するブースト圧センサ
48 車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ49 すなわち、上記トルク配分コントローラ16は、車両の
旋回状態に応じて前輪6,7と後輪8,9とのトルク配分比
(以下、必要に応じて前後配分比という)R1及び左輪6,
8と右輪7,9とのトルク配分比(以下、必要に応じて左右
配分比という)R2を設定する配分比設定手段を備え、こ
の配分比設定のために旋回状態の判定を行なうための手
段を備えている。この場合、上記舵角センサ40は旋回状
態判定のための操舵状態検出手段を構成し、横加速度セ
ンサ41は脱出状態の判定の維持に利用される。また、ヨ
ーレートセンサ49は上記脱出状態の判定の維持に利用さ
れるとともに、他のセンサと共に上記配分比R1,R2の設
定に利用されるものである。
<ブレーキコントローラ10の説明> 第3図において、59は前輪6のブレーキ装置11のため
の第1油圧ライン、60は右前輪7のブレーキ装置12のた
めの第2油圧ラインであって、各々制動圧の供給を制御
する第1と第2の制動圧制御弁61,62が介装されてい
る。この両制動圧制御弁61,62は、シリンダ61a,61aがピ
ストン61b,62bにより容積可変室61c,62cと制御室61d,62
dとに区画されている。容積可変室61c,62cは、マスタシ
リンダ58で発生された制動圧を上記ブレーキ装置11,12
に供給するものである。
ピストン61b,61bは、スプリング61e,62eにより容積可
変室61c,62cの容積が増大する方向に付勢されていると
ともに、制御室61d,62dに導入される制御圧によりスプ
リング61e,62eの付勢力に抗して容積可変室61c,62cを縮
小する方向に移動するものであり、この縮小方向の移動
により容積可変室61c,62cの制動圧入口を閉じるチェッ
クバルブ61f,62fを備えている。従って、制御室61d,62d
に制御圧が導入されてピストン61b,62bがスプリング61
e,62eに抗して移動すると、マスタシリンダ58と容積可
変室61c,62cとの間が遮断されるとともに、これらの室6
1c,62c内で発生される制動圧が各ブレーキ装置11,12に
供給されることになる。
一方、上記各制動圧制御弁61,62を作動させるため
に、各々増圧用電磁弁63a,64aと減圧用電磁弁63b,64bと
で構成された第1と第2のアクチュエータ63,64が設け
られている。増圧用電磁弁63a,64aは、オイルポンプ65
からリリーフ弁66を介して上記制動圧制御弁61,62の制
御室61d,62dに至る制御圧供給ライン69,70上に配置さ
れ、減圧用電磁弁63b,64bは、上記制御室61d,62dから導
かれたドレンライン67,68上に配置されている。そし
て、これらの電磁弁63a,63b,64a,64bは上記トルク配分
コントローラ16からの信号により開閉制御され、増圧用
電極弁63a,64aが開通され且つ減圧用電磁弁63b,64bが遮
断された時に制動圧制御61,62の制御室61d,62dに制御圧
が導入され、増圧用電磁弁63a,64aが遮断され且つ減圧
用電磁弁63b,64bが開通された時に上記制御室61d,62dか
らの制御圧が排出されるようになっている。
また、左右の後輪8,9のブレーキ装置13,14について
も、その図示は省略するが、上記前輪6,7のブレーキ装
置11,12と同様の構造が採用されており、かかる構造に
より各ブレーキ装置11〜14に独立した制動圧を作用せし
めることができるものである。
次に、上記トルク配分コントローラ16について説明す
る。
<全体的な処理の流れ> 全体的な処理の流れは、スタート後、所定の計測タイ
ミングになると、第2図に示す各センサ38,40,41,44〜4
9からの信号により、アクセル開度、舵角、横加速度、
各車輪速、エンジン回転数、車速、ギヤポジション、ブ
ースト圧、車両の実際のヨーレートが計測され、旋回状
態に応じて前後配分比R1と左右配分比R2が設定され、ブ
レーキコントローラ10及びエンジンコントローラ15の制
御が行われるというものである。
なお、本実施例においては、前後配分比R1は、0を前
後均等配分とし、+0.5で前輪6,7の駆動トルク0(後輪
8,9の駆動トルク最大)、−0.5で逆の関係になるよう設
定されている。また、左右配分比R2は、0を左右均等配
分とし、+0.5で左輪6,8の駆動トルク0(右輪7,9の駆
動トルク最大)、−0.5で逆の関係になるよう設定され
ている。
<旋回状態対応制御> 本制御は、基本的には後輪8,9の横滑り角に基づいて
前後配分比R1を決定する一方、目標とするヨーレートが
得られるよう左右配分比R2を決定するものである。そし
て、上記配分比R1及びR2を車両の旋回状態に応じて補正
するものである。
具体的には、第4図に示すフローに従って制御が実行
されるものであり、且つこの制御には旋回状態判定フラ
グFが用いられる。先に、このフラグFの意味について
説明しておくと、それは以下の通りである。
F=0……直進走行状態 F=1……直進走行から旋回走行への進入状態 F=2……定常的な旋回走行状態 F=3……旋回走行から直進走行への脱出状態 さて、本制御においては、まず、旋回状態の判定が行
なわれ(ステップS21)、車両が旋回状態であれば(ス
テップS22)、後輪8,9の横滑り角による前後配分比R1の
決定、ヨーレートによる左右配分比R2の決定が順次行な
われる(ステップS23,S24)。そして、旋回走行への進
入状態と脱出状態との場合は、舵角及び舵角変化率に基
づいて前後配分比R1の補正制御が行なわれる(ステップ
S25〜S28)。
−旋回状態の判定(ステップS21)− この判定制御の流れは第5図に示されている。すなわ
ち、基本的には、舵角センサ40により得られる舵角及び
舵角変化率から、車両の旋回状態を判定し、この判定結
果を横加速度センサ41による横加速度及びヨーレートセ
ンサ49によるヨーレートによって補正することになる。
この補正には、第2のフラグCFを用いるものであり、そ
の意味は次の通りである。
CF=0……車両の挙動変化に対し修正を必要としない状
態 CF=1……車両の挙動変化に対し修正を必要とする状態 以下、具体的に説明する。
まず、車速が設定値未満の時(極低速時)は、車両の
横滑りは問題にならないため、舵角及びその変化率の如
何を問わず、F=0、CF=0とする(ステップS31,S3
2)。そして、ステップS33において、前回の判定がF=
3(脱出状態)か否かをみて、否の時は第6図に示すマ
ップに従って旋回状態判定Iを行なう(ステップS3
4)。すなわち、判定内容は以下の通りである。
舵角がθ1未満且つ舵角変化率が1未満; F=0(直進状態),CF=CF(CFの設定に変更なし) 舵角がθ1以上且つ舵角変化率がプラス(舵角増大方
向)で2以上、又は舵角変化率が1以上; F=1(進入状態),CF=CF 舵角がθ1以上且つ舵角変化率が2〜3;(3は
マイナス値:舵角減少方向) F=2(定常旋回状態),CF=CF 舵角がθ1以上且つ舵角変化率が3〜4;(3>
4) F=3(脱出状態),CF=CF 舵角変化率が4以下; F=3,CF=1 次にステップS33がF=3(脱出状態)の判定の時
は、第7図に示すマップに従って旋回状態判定IIを行な
う(ステップS35)。すなわち、ここでは、脱出時には
操舵が終了しても(舵角が零若しくはその近傍になって
も)、横加速度が所定値|G1|以下になるまでは、車両の
挙動変化に対し修正を必要とする状態(脱出状態)と判
定し、CFを設定するものである。具体的には、以下の通
りである。
舵角が+θ2以上(左舵角から右舵角の所定値θ2ま
で)且つ横加速度が+G1以上(右方向加速度が零近傍ま
で)、又は舵角が−θ2以下(右舵角から左舵角の所定
値θ2まで)且つ横加速度が−G1以下(左方向加速度が
零近傍まで);CF=1 舵角が+θ2〜−θ2且つ横加速度が+G1〜G1;CF=
0 その他の領域;CF=CF 次に、F=0(直進状態)の時には、第8図に示すマ
ップに従って外乱判定を行なう(ステップS36,S37)。
すなわち、ヨーレートが−Y1〜+Y1且つ横加速度が−G1
〜+G1の時にのみCF=0とし、他は外乱が発生している
状態(車両の挙動変化に対し修正を必要とする状態)と
して、CF=1を設定するものである。
そうして、以上の各判定結果、CF=1の設定があると
きには、旋回状態判定フラグを強制的にF=3(脱出状
態)としてCF=0になるまでCF=3の設定を継続し、CF
=0になった時点で旋回状態判定Iを行なうものである
(ステップS38,S39)。
−滑り角制御(ステップS23)− 滑り角による前後配分比R1の決定は、舵角センサ40、
車速センサ46及びヨーレートセンサ49を用いて、車両の
ヨー運動の影響による後輪8,9の横滑り角γを次式に基
づいて求め、第9図に示す特性マップに従って行なうも
のである。
γ=Yaw.r・lr/V Yaw.r;実測ヨーレート lr ;後輪の車両重心からの距離 V ;車速 この場合、横滑り角γ=0のとき前後配分比R1=0で
あり、横滑り角γがプラス及びマイナスの方向に大きく
なるに従って前後配分比R1がマイナス方向に大きくなる
よう決定されるものである。この場合、ヨーレートYaw.
rは右旋回をプラス方向にとっている関係で、上記γに
プラス・マイナスがつくものであり、これは車両の右旋
回と左旋回に対応する。
−ヨーレート補正− ヨーレートによる左右配分比R2の決定にあたっては、
最低車輪速v、舵角θ、ホイールベースlから高μ路面
に対応する目標ヨーレートY.calを計算し、実測ヨーレ
ートYaw.rとの差から目標ヨーレートY.calが得られるよ
うに左右配分比R2をフィードバック制御するものであ
る。
この場合、目標ヨーレートY.calは次式により計算す
る。
Y.cal=v/(1+Av2)・θ/l Aは高μ路面での車両挙動特性を得るためのファクタ
ーであって、第10図に示す特性マップから得るものであ
る。
そして、ΔY=Y.cal−Yaw.rを求め、この偏差ΔYに
対応する左右輪の駆動トルク差を求め、次いでこの駆動
トルク差とドライバー要求トルクとの比率を求めてこれ
を左右配分比R2とするものである。具体的には次式の通
りである。
R2=k・ΔY/Tr kは偏差ΔYに対応する左右輪の駆動トルク差を求め
るための定数、Trはドライバー要求トルクである。この
Trは、アクセルセンサ38及び回転数センサ45によりアク
セル開度及びエンジン回転数(RPM)を検出し、それに
基づいて第11図に示すマップからエンジンの駆動トルク
を算出し、これにギヤポジションセンサ47から検出され
るギヤ比を乗じて得ることができる。
−旋回状態判定結果に基づくR1の補正− 旋回走行への進入状態(F=1)においては、ステッ
プS26に補正係数a,bの特性図及びR1の計算式(R1=a+
b+R1)を記載しているように、舵角が大きくなるに従
って、また、舵角変化率が大きくなるに従って、それぞ
れR1が大きくなるように補正するものである。
一方、旋回走行からの脱出状態(F=3)では、ステ
ップS28に補正係数a,bの特性図及びR1の計算式(R1=a
+b+R1)を記載しているように、舵角が大きくなるに
従って、また、舵角変化率が大きくなるに従って、それ
ぞれR1が小さくなるように補正するものである。
<エンジン、ブレーキコントロール> 上記旋回状態対応制御により設定された前後配分比R1
及び左右配分比R2によるトルク配分制御を実行する必要
なトルクTsを次式に従って計算する。
Ts=4×(|R1|+0.5)×(|R2|+0.5)×Tr そして、上記必要トルクTsが得られるようエンジンコ
ントローラ15を制御する一方、上記配分比R1,R2に基づ
いて各車輪6〜9に付与する制動トルクTBFR(右前輪
用)、TBFL(左前輪用)、TBRR(右後輪用)及びTBRL
(左後輪用)を次式に従って算出し、これらの制動トル
クが得られるように、ブレーキコントローラ10を制御す
るものである。
TBFR=Ts−4(0.5−R1)×(0.5+R2)×Ts TBFL=Ts−4(0.5−R1)×(0.5−R2)×Ts TBRR=Ts−4(0.5+R1)×(0.5+R2)×Ts TBRL=Teng−4(0.5+R1)×(0.5−R2)×Ts <実施例の作用> 設定車速以上での直進走行状態から旋回走行への進
入、定常的な旋回走行、直進走行への脱出が行なわれた
場合について説明する。
−旋回走行への進入時− 第6図に示すマップにより旋回状態判定Iが行なわ
れ、舵角がθ1以上且つ舵角変化率がプラスで2以
上、又は舵角変化率が1以上の場合、F=1(進入状
態)が判定される。この進入状態の前の直進走行におい
て外乱の判定がなければ、CF=0であり、従って、ステ
ップS39での強制的な脱出状態の設定はない。
そして、前後配分比R1は、滑り角制御により、後輪8,
9の横滑り角γが大きくなるほど後輪8,9へのトルク配分
が少なくなるように設定されるが、進入状態の判定がな
されているから、第4図のステップS26の補正制御によ
り、舵角及び舵角変化率が大きくなるにつれて補正係数
a,bが大きくなることにより、上記R1は零よりもプラス
方向に大きく、つまり前輪6,7へのトルク配分が小さく
なるように設定される。よって、前輪6,7の駆動力がブ
レーキにより吸収されて前輪6,7へのトルク配分を少な
くなり、車両の回頭性が良くなる。
一方、左右配分比R2は、ヨーレート補正により、高μ
路面での特性を目標とするヨーレートが得られるようフ
ィードバック制御により設定しているから、低μ路面で
も大きなヨーレートを得て上記回頭性の向上を図ること
ができる。
−定常的な旋回走行− 旋回状態判定Iにより、舵角がθ1以上且つ舵角変化
率が2〜3の場合、F=2(定常旋回状態)が判定
される。この場合、先の進入状態がCF=0であるから、
このCF判定がそのまま継続され、F=3にはならない。
しかして、上述の如くF=2であるから、前後配分比
R1の舵角等による補正制御はない。しかし、低μ路面で
は車両の旋回走行が継続されるにつれて後輪8,9の横滑
り角γが大きくなるため、それだけ滑り角制御による前
後配分比R1はマイナス方向に大きくなる。従って、後輪
8,9へのトルク配分が少なくなってくるため、低μ路面
での後輪8,9の横滑りの増大が抑えられることになる。
−旋回走行からの脱出時− 旋回状態判定Iにより、舵角がθ1以上且つ舵角変化
率が3〜4で、F=3(脱出状態),CF=CFが判定
された場合と、舵角変化率が4以下で、F=3,CF=1
が判定された場合のいずれにおいても、第7図に示すマ
ップにより旋回状態判定IIが行なわれる。
通常、脱出当初は舵角が(+)が大きいときは横加速
度は(−)は大きいから、CF=1の設定がなされる。左
旋回の場合も舵角が(−)に大きく横加速度は(+)に
大きくなるから、CF=1の設定がなされる。従って、再
度、F=3の設定がなされる(ステップS39)。
この場合、前後配分比R1は、滑り角制御と第4図の脱
出時の補正制御ステップS28(a,bは共にマイナス)とに
より、マイナス方向に大きくなる。よって、後輪8,9の
トルク配分が大きく減少することにより、この後輪8,9
の横滑りが抑えられる。
しかして、一旦、F=3の設定がなされると、旋回状
態判定I及び外乱判定は行なわれず、旋回状態判定IIの
みが行なわれることになる。そして、脱出走行状態がそ
のまま継続されると、最終的には舵角が零あるいは逆の
値(例えばプラスからマイナス)になるが、その場合で
も、横加速度が所定値G1以下にならなければ、旋回状態
判定IIはCF=1が維持され、従ってF=3(脱出状態)
の判定がそのまま維持されることになる。
よって、旋回操舵終了後においても、第4図の脱出時
の補正制御ステップS28により、前後配分比R1はマイナ
ス方向に大きくなり、後輪8,9のトルク配分が小さく抑
えられることにより、この後輪8,9の横滑りが抑えら
れ、車両は直進走行へ円滑に収束していくことになる。
そうして、上記横加速度が所定値G1以下になった時点
で、旋回状態判定IIによってCF=0が設定されることに
より、ステップS38の判断がNoとなり、旋回状態判定I
に移行する。
また、舵角が零になる前にあるいは零になった後に、
舵角変化率が零近傍、つまり定常旋回状態になった場合
や、舵角が再び増加して進入状態になった場合でも、横
加速度が所定値G1以下にならない限り、CF=1の設定が
続くため、脱出状態の判定が維持され、横滑りがあるに
も拘らず、後輪8,9へのトルク配分が大きくなるという
事態を避けることができる。
旋回状態判定Iで舵角変化率が小さく、F=3,CF=CF
と判定された場合について; 旋回状態判定IIにおいて、横加速度が小さくCF=CFと
設定された場合、それ以前は進入状態若しくは定常旋回
状態でCF=0であるから、結果的にCF=0となる。これ
により、ステップS38の判断がNoとなり、旋回状態判定
Iの判定を得ることができる。よって、一旦、脱出状態
が判定された後、車両が再び進入状態に移行した場合
に、F=1の判定を得て、第4図のステップS26の補正
制御により、前後配分比R1を零よりも大きく、つまり前
輪6,7へのトルク配分が小さくし、車両の回頭性を良く
することができる。
旋回状態判定Iで舵角変化率が大きく、F=3,CF=1
と判定された場合について; この場合は、車両の挙動変化が激しくなるが、なんら
かの原因で横加速度が小さくなって、旋回状態判定IIに
おいて、CF=CFと設定された場合でも、結果的にCF=1
となるから、ステップS39で強制的にF=3(脱出状
態)の判定を得て、旋回状態判定Iがなされないように
することができる。つまり、車両の挙動変化が激しい場
合にドライバーが修正操舵をして一時的に進入状態や定
常旋回状態になっても、脱出状態の判定が維持され、後
輪8,9のトルク配分を小さくして車両の挙動変化を速や
かに収めることができる。
以上のことは、第12図を見れば、より良く理解できる
であろう。すなわち、第12図は本実施例と、舵角変化の
みによって旋回状態の判定を行なう従来例とを比較した
ものである。同図に示されるように、従来例の場合、脱
出状態の判定が舵角が零になった時点で終了するのに対
し、実施例の場合、脱出状態の判定が延長されて従来の
進入状態判定部分にまで及んでいる。
また、上記実施例の場合、直進走行状態では、第8図
に示すマップによって外乱判定を行なうようにしたか
ら、直進走行時に大きな横風で車両がふらついた際に、
CF=1の設定を行なって強制的にF=3、つまり脱出状
態の判定を行ない、後輪8,9のトルク配分を小さくして
車両の挙動変化を速やかに収めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の全体構成図、第2図以下は本発明の実
施例を示し、第2図は全体構成図、第3図はトルク配分
変更手段を示す回路図、第4図は旋回状態対応制御のフ
ロー図、第5図は旋回状態判定のフロー図、第6図は旋
回状態判定Iのマップ図、第7図は旋回状態判定IIのマ
ップ図、第8図は外乱判定のマップ図、第9図は滑り角
による前後トルク配分比設定のマップ図、第10図は車輪
速とファクターAとの関係を示す特性図、第11図はドラ
イバー要求トルクとアクセル開度との関係を示す特性
図、第12図は旋回状態判定について実施例と従来例とを
比較したグラフである。 1……4輪駆動車 2……エンジン 3……センターデファレンシャル 4……フロントデファレンシャル 5……リヤデファレンシャル 6〜9……車輪 10……トルク配分変更手段 11〜14……ブレーキ装置 16……トルク配分制御手段 17……操舵状態検出手段 18……横加速度又は横滑り角を検出する手段 19……旋回状態判定手段 20……脱出判定維持手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の前後左右の4輪がエンジン出力によ
    り駆動される4輪駆動車において、 上記4輪へのエンジン出力の伝達量を制御して4輪への
    駆動トルクの配分を変更するトルク配分変更手段と、 車両の操舵状態を検出する手段と、 車両に発生する横加速度又は横滑り角を検出する手段
    と、 上記車両の操舵状態に基づいて車両が旋回走行から直進
    走行へ脱出する脱出状態を判定する旋回状態判定手段
    と、 上記旋回状態判定手段により脱出状態が判定された時、
    上記横加速度又は横滑り角が所定値以下になるまで上記
    脱出状態の判定を維持する脱出判定維持手段と、 上記旋回状態判定手段及び脱出判定維持手段の出力を受
    けて、脱出状態が判定されている際には判定されていな
    い時に比して前後輪のトルク配分比を前輪の方が大きく
    なるように設定し、この設定されたトルク配分比に基づ
    いて上記トルク配分変更手段を制御するトルク配分制御
    手段とを備えていることを特徴とする4輪駆動車のトル
    ク配分制御装置。
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