JP3327861B2 - アンカー金具の防振装置 - Google Patents

アンカー金具の防振装置

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JP3327861B2
JP3327861B2 JP05678499A JP5678499A JP3327861B2 JP 3327861 B2 JP3327861 B2 JP 3327861B2 JP 05678499 A JP05678499 A JP 05678499A JP 5678499 A JP5678499 A JP 5678499A JP 3327861 B2 JP3327861 B2 JP 3327861B2
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善則 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特に壁体等に穿
設された固定用孔に挿入したアンカーソケットの端部
を、その内部に押込部材である例えばアンカーボルトな
どによって押し込まれたヘッドによって拡開させるアン
カー金具の防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の後施工アンカー金具につ
いては数多く提供されており、例えば、実開昭62−1
8413号公報記載のアンカー金具は、アンカーソケッ
トの一端部に縦割り溝を形成して、これに断面台形のプ
ラグを挿入して食わえ込ませ、アンカーソケットを専用
工具で孔内に打ち込むとプラグが孔底で停止してスリー
ブの一端部を拡開するから、アンカーソケットは孔内で
支持され、そこでアンカーソケットにボルトを捩込め
ば、ボルトはアンカーソケットに支持されるというもの
がある。これと同じようなものに、特開平6−3305
25号、特開平6−116953号公報記載のアンカー
金具がある。
【0003】また、特開昭59−147110号公報記
載の打込アンカー金具では、アンカーソケットの一端部
に縦割り溝を形成するとともに、内面に所定長さの円錐
状のテーパー部を形成し、そのアンカーソケット内に挿
入された押し広げ部材を孔底部に向けて打ち込むと、テ
ーパー部が拡開するというものがある。これと同じよう
なものに、実開平5−94333号公報記載のアンカー
金具がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
ようなアンカー金具は、建材である天井壁に予め穿設し
た固定用孔に前記押し広げ部材によってアンカーソケッ
トを固定した後、このアンカーソケットに、所定のエア
コンなど機器類を保持するアングル材をショルダーボル
トによって建材に固定するようになっているが、このシ
ョルダーボルトとアングル材及びアンカーソケットとは
直接連結されているか、あるいは金属ワッシャを介して
連結さているのが一般的である。
【0005】このため、例えば地震や天井壁の工事など
の振動がアングル材から直接的にエアコンなどの機器類
に伝達されて、故障や増幅された大きな振動騒音の原因
になっている。また、前記大きな振動によって、場合に
よってアンカーソケットが緩んで固定用孔から脱落して
しまう虞れがあった。
【0006】また、逆に、エアコン等の機器類の作動振
動がアングル材や該アングル材を介して天井壁などに伝
達されて、該アングル材や天井壁での振動騒音が発生す
る虞れがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来のア
ンカー金具の技術的課題に鑑みて案出されたもので、請
求項1記載の発明は、建材の固定用孔内に挿通固定され
た筒状のアンカーソケットに、所定のアングル材を支持
するショルダーボルトを螺着して、前記アングル材を建
材に固定するアンカー金具において、前記ショルダーボ
ルトと少なくとも前記アングル材との間に、軸方向へ圧
縮変形する防振体を介装すると共に、前記防振体を、上
下の平座金の間に弾性体を一体に結合してなる防振部材
として構成し、かつ前記弾性体の内部に、密閉された空
気室を形成したことを特徴としている。
【0008】したがって、この発明によれば、例えば天
井壁からあるいは機器類からの相互の振動伝達が防振体
によって確実に遮断されるため、固定用穴からのアンカ
ーソケットの不用意な脱落や振動騒音の発生を効果的に
防止できる。しかも、上下の平座金によって防振部材の
剛性が高くなり耐久性の向上が図れると共に、その間の
弾性体によって効果的な防振性が得られる。また、弾性
体内に、密閉された空気室を形成したことにより、該弾
性体がエアークッションとして機能するため、アングル
材に支持される対象物に応じて効果的に防振することが
できる。
【0009】請求項2記載の発明は、前記各防振部材を
同軸上に組み合わせたことを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明は、前記アンカーソケ
ット内に螺入する雄ねじ状の押込部材の先端部に、該押
込部材の押進により固定用孔内で該アンカーソケットの
先端部を縦割り部を介して拡開させるコーン状のヘッド
を一体に設け、かつ押込部材の先端部とヘッドとの境界
部に、押込部材の締付トルクトアンカーソケットの先端
部内周面に対するヘッドの摩擦トルクとのトルク差で生
じる所定以上の捩りトルクによって前記境界部を切断す
る切断用溝を形成したことを特徴としている。
【0011】請求項4記載の発明は、前記ヘッドの所定
位置に、該ヘッドが押込部材によってアンカーソケット
の先端部方向へ進出した際に、アンカーソケットの先端
部の折曲角度に応じて折曲変形させる折曲許容手段を形
成したことを特徴としている。
【0012】
【0013】請求項6記載の発明は、前記ヘッドの所定
位置に、該ヘッドが押込部材によってアンカーソケット
の先端部方向へ進出した際に、アンカーソケットの先端
部の折曲角度に応じて折曲変形させる折曲許容手段を形
成したことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】図1〜図5は本発明に係るアンカ
ー金具の防振装置の一実施形態を示し、建材であるコン
クリートの天井壁Cに穿設された固定用孔であるコンク
リート孔1内に挿通固定される筒状のアンカーソケット
2と、このアンカーソケット2の一端部開口から内部に
螺入する押込部材であるアンカーボルト3と、該アンカ
ーボルト3をアンカーソケット2から取り外した後に、
機器類を保持するアングル材21をアンカーソケット2
に固定するショルダーボルト23と、アンカーソケット
2とアングル材21及びショルダーボルト23との間に
介装された防振体30とを備えている。
【0015】前記コンクリート孔1は、図6A,Bに示
すように天井壁Cに下側からドリルで予め穿設されてい
るが、例えば、このドリル加工時にコンクリート内に混
練した比較的大きな砂利C1,C2によってドリルDの押
進方向Tが軸心方向Xからほぼく字形状に折れ曲がって
しまい、これによってコンクリート孔1自体がほぼく字
形状に折れ曲がった状態になっている。
【0016】前記アンカーソケット2は、図5A,Bに
示すように、両端に開口4a,4bが形成された所定の
長さを有する筒状本体4を有しており、この筒状本体4
の一端部5の外周面5aに捩り状の複数のリブ8がほぼ
軸方向に沿って形成されていると共に、該一端部5の内
周面に筒状本体4の中央部7の内周面まで渡った雌ねじ
部9が形成されている。また、一端部5の開口4a付近
の周壁は、外周面が図中下方に向かって大径なテーパ状
に形成されていると共に、その最大径の下端面5bが環
状に形成されている。
【0017】一方、筒状本体4の他端部6は、外周面6
aの外径が中央部7の外周面7aから開口4b側の先端
縁に亘ってほぼ均一径状に形成されていると共に、内周
面6bも同じく中央部7の内周面から開口4aの孔縁4
cまで漸次縮径テーパ状に形成されている。また、他端
部外周面6aには、ほぼ中央位置に捩り状リブ8と同方
向の螺旋状のリブ10が一体に形成されていると共に、
先端位置に大径な環状リブ11が一体に形成されてい
る。
【0018】さらに、他端部6の周壁には、該他端部6
を拡径あるいは縮径方向へ変形を許容する十文字の4つ
の縦割り溝であるスリット13が形成されており、この
スリット13は、その長さが他端部6の先端縁からほぼ
中央部7付近まで延設されている。
【0019】また、前記一端部5の捩り状のリブ8は、
横断面ほぼ三角形状に形成されている一方、他端部6の
螺旋状リブ10と環状リブ11は、図中下端縁側が切り
欠かれた横断面ほぼ台形状に形成されて爪状になってい
る。さらに、先端の環状リブ11は、その外径がコンク
リート孔1の内径や螺旋状リブ10の外径よりも大きく
設定されている。
【0020】前記アンカーボルト3は、図4に示すよう
に、六角形の頭部14と、該頭部14の一端面14a中
央に一体に有する軸部15とを備え、該軸部15の先端
にヘッド16が一体に設けられている。
【0021】前記軸部15は、アンカーソケット2内に
完全に捩込まれる所定長さを有し、先端部15aを除く
外周面全体に前記アンカーソケット2の雌ねじ部9と螺
合する雄ねじ部17が形成されている。
【0022】前記ヘッド16は、弾丸状を呈し、円柱状
の基端部16cが軸部15の先端部15aとほぼ同径に
形成されていると共に、その先端側が小径な軸状に形成
され、全体の軸方向の長さは軸部15の長さと合わせて
アンカーソケット2に挿通された際に先端部16aが他
端部開口4bから突出する程度の長さに設定されている
と共に、外周面16bはフラット面になっている。ま
た、ヘッド16の先端部16aは、外周面16bが先端
縁側に向かって漸次縮径状のテーパ面に形成されている
と共に、軸方向の中央位置には挿入された際にアンカー
ソケット2の他端部開口縁4cに係止してアンカーソケ
ット2内部への捩りを規制する環状の係止爪18が一体
に形成されている。
【0023】また、ヘッド16の外周面所定位置には、
該ヘッド16をく字形状に折曲自在にする折曲許容手段
である折曲許容溝22が形成されている。すなわち、こ
の折曲許容溝22は、ヘッド16の長手方向のほぼ中央
位置に円環状に切欠形成されていると共に、横断面ほぼ
V字形状に形成され、内径部22aが後述する切断用溝
20の内径部20aよりも大径に設定されている。ま
た、この折曲許容溝22は、基端部16c側のテーパ面
22bの傾斜角度が対向するテーパ面22cの傾斜角度
よりも大きく設定されて、先端部16a側がより折曲し
易いように設定されている。
【0024】さらに、前記軸部15の先端部15aとヘ
ッド16との境界部19には、環状の切断用溝20が形
成されている。この切断用溝20は、ヘッド16をアン
カーソケット2の内部に挿入して軸部16と一端部5の
雌雄ねじ部9,17を介してアンカーボルト3を締め付
けていった際に、該アンカーボルト3の締付トルクと他
端部6の内周面6bに対するヘッド16の外周面16b
との摺動摩擦トルクとのトルク差によって境界部19に
生じる所定以上の捩りトルクによって切断し得る深さに
設定されている。
【0025】そして、前記アングル材21は、天井壁の
下方位置に設けられる例えばエアコンや換気扇などの機
器類を固定保持するための保持部材であって、図1〜図
3に示すように横断面ほぼL字形状に形成され、上辺部
21aの長手方向の所定位置にボルト挿通孔21bが穿
設されている。
【0026】前記ショルダーボルト23は、アンカーボ
ルト3をそのまま利用することも可能であるが、この場
合はアンカーボルト3とは別個の通常の六角ボルトが用
いられ、頭部23aの内端面に突部23aが設けられて
いると共に、軸部の先端部23b側の外周面に雄ねじ2
3cが形成されている。また、このショルダーボルト2
3は、雄ねじ23cに防振体30を頭部23aと共同し
て挟持するショルダーナット34が螺着されるようにな
っていると共に、先端部23bが前記アンカーソケット
2の雌ねじ部9に螺着するようになっている。
【0027】また、前記防振体30は、同じく図1〜図
3に示すようにこの実施形態では、円環状の3つの防振
部材31、32、33とによって構成され、図1の最下
段とその上に示された第1、第2防振部材31、32
は、それぞれ上下2枚の平座金31a,31b,32
a,32bと、この各平座金31a,b、32a,bの
間にサンドイッチ状態に一体に結合され、軸方向に圧縮
変形するゴム材からなる弾性体31c、32cとから構
成されており、それぞれの中央軸方向にボルト挿通孔3
1d、32dが貫通形成されている。また、図中最上段
の第3防振部材33は、同じく上下2枚の平座金33
a,33bと、この平座金33a,bの間に一体的に結
合されたゴム製の弾性体33cから構成されいる。ま
た、この弾性体33cの内部軸方向に、ボルト挿通孔3
3dが貫通形成されていると共に、弾性体33cの内部
には、密閉された円環状の空気室33eが形成されてい
る。
【0028】以下、本実施形態の作用を説明する。最初
に、コンクリート孔1に対するアンカーソケット2の固
定手順を図7〜図9に基づいて説明する。すなわち、ま
ず、アンカーソケット2を他端部6からコンクリート孔
1内に一端部5を下方からハンマー等で軽く叩きながら
挿入して位置決めを行う。その後、さらに一端部5をハ
ンマー等で叩いてコンクリート孔1内に押し込むと、ア
ンカーソケット2は、図7に示すように捩り状リブ8及
び螺旋状リブ10の案内作用で旋回しながら圧入される
と共に、他端部6の大径な環状リブ12にコンクリート
孔1の内周面1aに内方への押圧力が加わって、該他端
部6は複数のスリット13を介して内方へ縮径変形しな
がら押し込まれる。特に、先端側は環状リブ12によっ
てその縮径変形量が大きくなるので、逆にその拡径方向
の大きな反力が発生してコンクリート孔1の内周面1a
に比較的強い力でアンカーソケット2全体を強固に保持
することが可能になる。
【0029】また、前記各捩り状リブ8及び螺旋状リブ
10がコンクリート孔1の内周面1aに食い込んで摩擦
抵抗が大きくなるため、アンカーソケット2のさらに強
固かつ確実な仮止めが可能になる。したがって、特に上
向き作業においてアンカーソケット2を手で保持する必
要がなくなり、以後の作業が極めて容易になる。さら
に、このアンカーソケット2は、コンクリート孔1内を
押進する際に、該コンクリート孔1のく字形状の折れ曲
がり角度にしたがってほぼく字形状に折れ曲がりながら
進入する。
【0030】また、アンカーソケット2が、図7に示す
ように最後まで圧入されると、他端部6がく字形状に折
れ曲がった状態で前記環状リブ12による拡径方向の反
力により強固な仮止め状態が維持されると共に、一端部
開口4a付近の最大径の下端面5bがコンクリート孔1
の開口縁1bに圧着してストッパーとして機能するた
め、アンカーソケット2の打ち込み過ぎを防止できる。
また、コンクリート孔1の開口縁1bを水密に閉塞し
て、シール機能を発揮して該コンクリート孔1からの水
の落下を防止できると共に、見映えも向上できる。
【0031】さらに、捩り状リブ8を横断面ほぼ三角形
状に形成したことにより、コンクリート孔1の内周面1
aに対する切込み性が良好になり、また螺旋状リブ10
と環状リブ11を爪状としたため、圧入後における内周
面1aに対する強い係止力が得られ、前述の仮止め力を
さらに助長できる。
【0032】次に、前記アンカーボルト3を、予め強固
に仮止めされた前記アンカーソケット2内に捩込むわけ
であるが、まず、ヘッド16の先端部16aを一端部5
の開口4aから内部に挿入しつつ軸部15の雄ねじ部1
7を一端部5内周面の雌ねじ部9に螺合させ、その後、
頭部14をスパナ等の工具で旋回させて捩込んでいく。
すると、図8に示すように軸部15と同期回転している
ヘッド16の外周面16bがアンカーソケット2の縮径
状態にある他端部6内周面6bに徐々に強く圧接する。
そして、アンカーボルト3のヘッド16の旋回によるア
ンカーソケット2の他端部内周面6bとの摺動摩擦トル
クとアンカーボルト3の締付回転トルクとのトルク差に
よって境界部19に所定以上の捩りトルクが発生する
と、該境界部19が切断用溝20によって捩じ切られ
る。つまり、アンカーボルト3の捩込み途中で軸部15
とヘッド16が分断されるのである。
【0033】その後、アンカーボルト3をさらに捩込ん
でいくと、ヘッド16は、軸部15の押圧力により以後
回転せずに、そのまま直線状態で他端部6内を押し進
む。そして、先端部16aが、図9に示すように他端部
6開口4bから突出すると同時に、一旦拡開された大径
な環状リブ11の縮径方向の強い反力によって係止爪1
8が開口4bの孔縁4cに強固に係止する。この時点で
は、ヘッド16によって他端部6がスリット13を介し
て拡径方向へ押し開けられるため、各環状リブ11及び
環状リブ10がコンクリート孔1の内周面1aにさらに
強く食い込み、アンカーソケット2を内周面1aに強固
に保持させることが可能になる。
【0034】そして、このようにヘッド16が直線状態
で他端部6内を押し進んで行くと、かかるヘッド16
は、先端部16a外周面16bが他端部6の折曲した凹
側の内面に当たってこの内面から摺動圧接による偏荷重
が発生して反対側方向へ押し曲げる力が作用し、これに
よって折曲許容溝30を中心として他端部6の折曲角度
に追従する形で徐々にほぼく字形状に折曲する。このた
め、ヘッド16外周面16bと他端部6内周面6bとの
間の摺動摩擦抵抗の増加が十分に抑制される。したがっ
て、ヘッド16のスムーズな押進性が得られると共に、
雌雄ねじ9,17に対する荷重負荷の増加が抑制される
ため、各ねじ山の破損が防止される。
【0035】次に、図10に示すように、アンカーボル
ト3を逆に回転させてアンカーソケット2内から抜き取
ると、軸部15と分断されたヘッド16は係止爪18の
係止力によって他端部6内に残留すると共に、環状リブ
11による他端部6の縮径方向の強い反力が作用しても
アンカーソケット2内からの抜け出しが確実に防止され
る。
【0036】次に、ショルダーボルト23を用いて前記
アングル材21をアンカーソケット2に固定する手順に
ついて説明する。すなわち、まず、図1に示すように、
各防振部材31、32、33をアングル材21のボルト
挿通孔21bの上下に配置した状態でショルダーボルト
23を各ボルト挿通孔21d、31d〜33d内に挿通
し、その後、図2に示すように、先端部23bにショル
ダーナット34を螺着して該ショルダーナット34を捩
込めば頭部23aとショルダーナット34との間に、各
防振部材31〜33を挟持状態に保持することができ
る。その後、ショルダーボルト23を、アンカーソケッ
ト2に雌雄ねじの螺着を得てねじ込めば、アングル材2
1を、アンカーソケット2を介して天井壁C等に弾性的
かつ確実に取り付けることが可能になる。
【0037】このように、本実施形態によれば、前述の
ように、アンカーソケットの先端部を拡開させるため
に、打撃を加える必要が全くなくなるため、打撃力によ
る壁体の破損や損壊の発生を防止できると共に、打撃音
の発生も防止できる。
【0038】また、アンカーソケット2とアンカーボル
ト3との2部品で構成できるので、部品点数の削減が図
れ、製造作業の向上とコストの低廉化が図れる。
【0039】しかも、アンカーボルト3の軸部15とヘ
ッド16とを押し込み途中の捩りトルクによって分断し
て、その後、ヘッド16を回転させることなく直線状に
押進させることが可能になるため、該ヘッド16の外周
面16bと他端部6の内周面6bとの摺動摩擦抵抗が十
分に小さくなる。この結果、アンカーボルト3の締付操
作力の省力化が図れ、アンカーソケット2等の全体の取
付作業が容易になり、該取付作業能率の大巾な向上が図
れる。
【0040】さらには、前述のようにアンカーソケット
2の他端部6がほぼく字形状に折曲されていたとして
も、該他端部6内を押進中のヘッド16も折曲許容溝2
2を介して前記折曲部の折曲角度に追従して柔軟に折曲
変形する。このため、他端部6の折曲部内周面6bとヘ
ッド16の先端部16a外周面16bとの摺動摩擦抵抗
の増大化を十分に抑制できる。したがって、前記ヘッド
16の直進性と相俟ってヘッド16のさらにスムーズな
押進性と雌雄ねじ9,17の各ねじ山の破損が防止でき
る。
【0041】さらに、他端部6の環状リブ11の外径を
コンクリート孔1の内径よりも大きく設定したため、コ
ンクリート孔1内に押し込んだ際における他端部6の拡
径方向の反力が大きくなる。この結果、アンカーソケッ
ト2のコンクリート孔1の内周面1aに対する強固かつ
確実な仮止め状態が得られる。したがって、その後のア
ンカーボルト3の捩込み作業等が行い易くなると共に、
安全性が向上する。
【0042】さらにまた、アンカーソケット2の複数の
スリット13をほぼ中央部7付近まで延設したため、前
述のようにアンカーソケット2内にアンカーボルト3を
捩込むと、ヘッド16の押し込み力によってアンカーソ
ケット2の他端部6の他に、中央部7もスリット13を
介して拡径方向へ変形してコンクリート孔1の内周面1
aに各外周面6a,7aと下端面5bがそれぞれ圧接す
る。したがって、コンクリート孔1内に完全に埋没した
アンカーソケット2は、他端部6と中央部7と一端部5
がコンクリート孔1の内周面1aに夫々圧接して、3点
圧接状態が得られるため、引き抜き方向と水平方向の外
力に対する対抗力が大きくなり、アンカーソケット2の
保持力が一層高くなる。
【0043】したがって、他端部6と一端部5との2点
圧接の場合に生じ易いアンカーソケット2の揺動による
他端部6側のコンクリート孔内周面1aの破損等が確実
に防止でき、かかる破損による孔1の大径化によるアン
カーソケット2の不用意な抜けを防止できる。
【0044】また、捩り状リブ8がコンクリート孔1の
内周面1aに食い込んでアンカーソケット2に回転方向
に対しても強固な保持力を付与するため、アンカーソケ
ット2内にアンカーボルト3を捩込んだ際における該ア
ンカーソケット2の連れ回りを確実に規制することがで
きる。このため、アンカーボルト3の捩込み作業が容易
になる。
【0045】しかも、前述のようにアンカーソケット2
の引き抜き方向および水平方向の外力に対抗する力が大
きくなるため、同一建材に取り付けられた各アンカー金
具の取付強度が均一かつ一定になる。したがって、アン
カー金具による取付の信頼性が向上する。
【0046】さらに、ヘッド16は、外周面が弾丸状テ
ーパ面になっているため、アンカーソケット他端部6の
内周面6bに対する荷重応力分布が周方向で等しくな
り、振動に対する耐久性が向上する。
【0047】また、コンクリート孔1に対するアンカー
ソケット2の固定後においては、前述したように、アン
グル材21は、防振部材31〜33を介して弾性的に支
持されるため、例えば工事などによって天井壁cに大き
な振動が発生してもこの振動が防振部材31〜33によ
って効果的に吸収されてアングル材21への振動伝達が
遮断される。したがって、このアングル材21に保持さ
れたエアコン等の機器類の増幅振動による故障や振動騒
音が十分に抑制される。また、この機器類で発生した振
動も各防振部材31〜33によって天井壁cへの振動伝
達も効果的に抑制されるため、かかる振動騒音などの発
生も防止できる。
【0048】特に、第3防振部材33は、エアークッシ
ョンとして機能するため、固有振動を効果的に吸収する
ことが可能になるので、防振性能が一層向上する。
【0049】また、各防振部材31〜33は、アングル
材21が支持する対象や大きさなどに応じてその組み合
わせや選択を自由に行うことが可能であり、さらに、弾
性体31c〜33cのゴムの硬度を、高音域振動、中音
域振動と低音域振動などの振動領域に合わせて適宜変更
すれば、さらに防振性能が向上する。
【0050】図11A,Bは、本実施形態に供されるア
ンカーソケット2の他例を示し、他端部6が先細りのテ
ーパ状に形成されていると共に、内周面6bも先細り状
にテーパ状に形成されている。また、各スリット13
が、図中上下方向に均一巾に設定されている。また、上
端部の環状リブ11は、その外径が筒状本体4の外径と
ほぼ同一に設定されている。
【0051】したがって、基本的には先のアンカーソケ
ット2と同様の作用効果を有するが、他端部6が先細り
テーパ状に形成されているため、コンクリート孔1内へ
の挿入性が良好になり、また、他端部6の内周面6bを
テーパ状に形成したことにより、前記環状リブ11の大
径化と相俟ってヘッド16の押し込みに伴う他端部6の
拡径方向の反力がさらに大きくなって、アンカーソケッ
ト2のコンクリート孔1の内周面1aに対するさらに強
固な保持力が得られる。。
【0052】図12は、本実施形態に供されるアンカー
ボルト3の他例を示し、アンカーボルト3とヘッド16
を境界部から分離して最初から別体に形成したものであ
る。他は先のアンカーボルト3と同様に折曲許容溝22
などの構成を有している。
【0053】したがって、この場合は、アンカーボルト
3をアンカーソケット2に螺入する際に、ヘッド16を
予め一端部開口4aから先に挿入しておく必要がある
が、一旦捩込みが開始されると、ヘッド16は最初から
直進性をもって押進するため、外周面16bと内周面6
bとの摺動摩擦抵抗が低減して該ヘッド16の押進性が
一層良好になる。また、折曲許容溝22の折曲自在性と
相俟ってさらに摺動摩擦抵抗の低減化が図れる。
【0054】本発明は、前記実施形態の構成に限定され
るものではなく、例えば防振部材31〜33の組み合わ
せ数や構造をアングル材21の支持対象物によって自由
に変更することが可能であり、また、支持対象物の振動
周波数などに応じて弾性体の硬度も任意に変更すること
が可能である。
【0055】また、ヘッド16の形状や押込部材の構造
についてもさらに変更することも可能である。さらに、
折曲許容手段の構成も適用するアンカーソケットの構造
や大きさなどによって適宜変更可能である。
【0056】さらに、アンカーボルト2をそのままショ
ルダーボルトとして利用することも可能である。
【0057】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
記載の発明によれば、例えば天井壁からあるいは機器類
からの相互の振動が防振体によって確実に遮断されるた
め、固定用穴からのアンカーソケットの不用意な脱落や
振動騒音の発生を効果的に防止できる。しかも、上下の
平座金によって防振部材の剛性が高くなり耐久性の向上
が図れると共に、その間の弾性体によって効果的な防振
性が得られる。弾性体内に密閉された空気室を形成した
ことにより、該弾性体がエアークッションとして機能す
るため、アングル材に支持される対象物に応じて効果的
に防振することができる。
【0058】請求項2記載の発明によれば、各防振部材
を支持対象物に応じてその組み合わせを適宜自由に変更
することにより、防振性能をさらに効果的に発揮するこ
とができる。
【0059】請求項3記載の発明によれば、アンカーボ
ルトの軸部とヘッドとを押し込み途中の捩りトルクによ
って分断して、その後、ヘッドを回転させることなく直
線状に押進させることが可能になるため、該ヘッドの外
周面と他端部の内周面との摺動摩擦抵抗が十分に小さく
なる。この結果、アンカーボルトの締付操作力の省力化
が図れ、アンカーソケット等の全体の取付作業が容易に
なり、該取付作業能率の大巾な向上が図れる。
【0060】請求項4記載の発明によれば、ヘッドの所
定位置にアンカーソケット他端部の折曲角度に応じて該
ヘッドを折曲変形させる折曲許容手段を設けたため、押
込部材によるアンカーソケットに圧入されたヘッド外周
面とアンカーソケット内周面との摺動摩擦抵抗の増加を
抑制することが可能になる。この結果、アンカーソケッ
ト内でのヘッドのスムーズな押進性が得られると共に、
押込部材をハンマーなどでの押打時における大きな衝撃
力や衝撃音の発生を防止できる。
【0061】
【0062】請求項6記載の発明によれば、ヘッドの所
定位置にアンカーソケット他端部の折曲角度に応じて該
ヘッドを折曲変形させる折曲許容手段を設けたため、押
込部材によるアンカーソケットに圧入されたヘッド外周
面とアンカーソケット内周面との摺動摩擦抵抗の増加を
抑制することが可能になる。この結果、アンカーソケッ
ト内でのヘッドのスムーズな押進性が得られると共に、
押込部材をハンマーなどでの押打時における大きな衝撃
力や衝撃音の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に供されるショルダーボルト
と防振体及びアングル材を示す一部断面図。
【図2】同実施形態の作用説明図。
【図3】同実施形態の作用説明図。
【図4】本発明の実施形態に供されるアンカーボルト及
びヘッドを示す正面図。
【図5】Aは同実施形態のアンカーソケットを示す正面
図、Bは同アンカーソケットの縦断面図。
【図6】Aはコンクリート孔をドリルで穿設している状
態を示す天井壁の断面図、Bは同コンクリート孔を示す
断面図。
【図7】アンカーソケットを固定する際の作用説明図。
【図8】同アンカーソケットを固定する際の作用説明
図。
【図9】同アンカーソケットを固定する際の作用説明
図。
【図10】同アンカーソケットを固定する際の作用説明
図。
【図11】Aはアンカーソケットの他例を示す正面図、
Bは同縦断面図。
【図12】アンカーボルトの他例を示す正面図。
【符号の説明】
1…コンクリート孔(固定用孔) 2…アンカーソケット 3…アンカーボルト(押込部材) 5…一端部 6…他端部 6a…外周面 6b…内周面 15…軸部 16…ヘッド 17…雄ねじ部 18…係止爪 19…境界部 20…切断用溝 21…アングル材 22…折曲許容溝 23…ショルダーボルト 30…防振体 31、32、33…第1〜第3防振部材 31a,b、32a,b、33a,b…平座金 31c、32c、33c…弾性体 33…空気室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/41 502 E04B 1/98 F16B 13/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建材の固定用孔内に挿通固定された筒状
    のアンカーソケットに、所定のアングル材を支持するシ
    ョルダーボルトを螺着して、前記アングル材を建材に固
    定するアンカー金具において、 前記ショルダーボルトと少なくとも前記アングル材との
    間に、軸方向へ圧縮変形する防振体を介装すると共に、
    該防振体は、上下の平座金の間に弾性体を一体に結合し
    てなる防振部材として構成し、かつ前記弾性体の内部
    に、密閉された空気室を形成したことを特徴とするアン
    カー金具の防振装置。
  2. 【請求項2】 前記各防振部材を同軸上に組み合わせた
    ことを特徴とする請求項1に記載のアンカー金具の防振
    装置。
  3. 【請求項3】 前記アンカーソケット内に螺入する雄ね
    じ状の押込部材の先端部に、該押込部材の押進により固
    定用孔内で該アンカーソケットの先端部を縦割り部を介
    して拡開させるコーン状のヘッドを一体に設け、かつ押
    込部材の先端部とヘッドとの境界部に、押込部材の締付
    トルクトアンカーソケットの先端部内周面に対するヘッ
    ドの摩擦トルクとのトルク差で生じる所定以上の捩りト
    ルクによって前記境界部を切断する切断用溝を形成した
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の
    アンカー金具の防振装置。
  4. 【請求項4】 前記ヘッドの所定位置に、該ヘッドが押
    込部材によってアンカーソケットの先端部方向へ進出し
    た際に、アンカーソケットの先端部の折曲角度に応じて
    折曲変形させる折曲許容手段を形成したことを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載のアンカー金具の防振
    装置。
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