JP3327726B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3327726B2 JP7772995A JP7772995A JP3327726B2 JP 3327726 B2 JP3327726 B2 JP 3327726B2 JP 7772995 A JP7772995 A JP 7772995A JP 7772995 A JP7772995 A JP 7772995A JP 3327726 B2 JP3327726 B2 JP 3327726B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体噴射装置に関し、
詳しくは、熱エネルギーを利用して記録液を被記録材に
向けて吐出し、プリントを行う液体噴射装置、中でも長
時間にわたり連続してプリントを行うのに好適な液体噴
射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばインクジェット記録装置などの液
体噴射装置では、熱エネルギーを利用して複数の吐出口
からデータ信号に基づいて記録液を吐出させる記録ヘッ
ド(以下では熱記録ヘッドと呼ぶ)を具えており、吐出
した液滴を用紙や布などの被記録材に着弾させて記録が
行われる。この種の記録装置は一般のプリンタやファク
シミリ等に広く使用されているが、記録液の粘度などの
特性が雰囲気温度や装置自体の温度、特に熱記録ヘッド
自体の温度によって変化し、吐出状態の変化によって記
録品位に影響を及ぼすので、これらの温度条件を所望の
範囲内に収めるようにする必要があった。
【0003】そこで、従来の熱記録ヘッド部の温度制御
には、記録サイクル中の駆動時間すなわち吐出エネルギ
ー発生体(例えばヒータ)への通電時間を増減したり、
あるいは、ヘッド加熱用の発熱体(例えばヒータ)の通
電を熱記録ヘッド部の検出温度に基づいて断続するなど
の方法や特開昭61−211045号公報に開示されて
いるように、熱記録ヘッドユニットにヘッド加熱用のヒ
ータおよび温度検出手段を設けるとともに装置内に送風
機を設け、前記温度検出手段からの検出信号に基づいて
前記ヒータおよび前記送風機の駆動を制御することによ
り、熱記録ヘッド部の温度を適正液滴形成範囲に維持す
るなどの方法が用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記送風機
のように温度制御の手段として流体を使用する場合、そ
の流体自体の温度が、温度制御能力を少なからず左右す
るので、装置の内部温度や外部温度によって流体の温度
が変化すると、温度制御能力も変化し、環境温度に関わ
らず常に安定した温度範囲内に制御することが困難にな
る。また、発熱量が大きい熱記録ヘッドの場合、高い環
境温度においては、その環境温度下の流体によって熱記
録ヘッド部(ヘッドユニット)の温度を所定の温度範囲
内に制御維持することができない虞があった。
【0005】本発明は、上述のような環境の変化や発熱
量の大きい熱記録ヘッドユニットに対し、常に安定した
温度制御を行うことができ、安定した吐出が行える液体
噴射装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基板上に形成されたヒータへ通電して駆
動することにより発生する熱エネルギーを利用してイン
クを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体に対してイン
クを吐出して記録を行うインクジェット記録装置におい
て、印字信号によりインクの吐出を行うヒータを駆動し
てインクの吐出を行うとともに、印字信号がOFFのヒ
ータに対してはインクを吐出しない程度の電力を通電し
て駆動することにより、前記記録ヘッドによる記録を制
御する駆動制御手段と、前記基板の前記ヒータが形成さ
れている面の反対側の面に設けた流体通路に、流体を一
定の流速により循環させることで前記記録ヘッドを冷却
する冷却手段と、前記流体の温度を制御する温度制御手
段と、前記記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段
と、前記駆動制御手段による制御とともに、前記温度制
御手段により所定の温度に制御された前記流体を用いて
前記冷却手段により前記記録ヘッドの冷却を行うよう制
御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記温度
検出手段により検出した前記記録ヘッドの温度に応じ
て、前記温度制御手段により前記流体の制御温度を変更
することを特徴とするものである。
【0007】
【0008】
【作用】本発明によれば、流体通路に所定の温度に制御
された流体を一定の流速により循環させるとともに、該
流体の制御温度を記録ヘッドの温度に応じて変更するこ
とで、熱記録ヘッドの温度を、安定した吐出が行え得る
所望の温度に維持することができる。
【0009】また、流体を流体通路に連続的に循環させ
るようにすることで制御動作を単純化させることがで
き、さらにまた、流体の流速および流量を適切に設定し
て流体を流体通路に連続的に送給あるいは循環させるこ
とで、加熱手段を熱記録ヘッドユニットに設けなくとも
適切にその温度制御を良好な応答性の元に行わせること
ができる。
【0010】
【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例を詳
細にかつ具体的に説明する。
【0011】[基本構成例1] 図2および図3は本発明を適用するシリアル型インクジ
ェット記録装置の好適例として捺染プリント装置の構成
例を示す。ここで、1は、捺染プリント装置の対象とな
る被記録材の布地であり、巻き出しローラ11に巻回さ
れた状態に保持されていて、巻き出しローラ11から中
間ローラ13、15を経て所定の送り速度でプリント手
段1000の記録装置に伸張された状態で導かれる。1
7および19は記録装置でプリント手段1000により
プリントを終えた布地1を巻き取りローラ21に導くた
めの送りローラおよび中間ローラである。
【0012】また、100は布地1をプリント位置に導
くための搬送手段、110および120はその間に無端
の搬送ベルト130が張設される搬送ローラおよびベル
ト駆動ローラ、140は搬送ベルト130上に布地1を
伸張状態に保持するプラテンローラである。一方、プリ
ント手段1000は、ヘッドキャリッジ1010に搭載
された熱記録ヘッドユニット1100,1100を具え
ており、ヘッドキャリッジ1010の図2で紙面に直交
する方向の移動走査中に熱記録ヘッドユニット110
0,1100からそれぞれ複数種類の捺染プリント用の
記録液(以下では単にインクという)を布地1に向けて
吐出し、捺染プリントが行われる。
【0013】1020および1022はキャリッジ10
10の移動を案内するガイドバーおよびガイドレール、
1030はキャリッジ1010を駆動する駆動モータ、
1032はキャリッジ1010に連結され、駆動モータ
1030によってプリントに合わせた所定のタイミング
で駆動されるタイミングベルト、また、1040はプリ
ント手段1000が保持される支持枠であり、さらに布
地1に対するプリント位置から外れた下方に図3に示す
ように熱記録ヘッドユニット1100,1100の不図
示のインク吐出口からインクの吸引による回復動作を行
うための回復機構1200および排出されたインクを受
ける廃インクタンク1210が設けられている。101
2はヘッドキャリッジ1010側に固定されているボー
ルベアリングなどの軸受部材であり、軸受部材1012
を介してキャリッジ1010がガイドレール1020に
沿って移動する。
【0014】続いて図4により熱記録ヘッドユニット1
100の概略の構成について説明する。
【0015】1101は熱記録ヘッドユニット1100
全体を支持する支持体(支持板)であり、支持板110
1の下面側には後述するようにして熱記録ヘッドユニッ
ト1100の温度制御のための各手段が設けられる。1
103は支持板1101上に接合される基板、110
5,1107,1109および1111はエッチング,
蒸着,スパッタリング等の半導体製造プロセスを経て基
板1103上に製膜された電気熱変換体(以下でヒータ
と呼ぶ),電極,液路壁および天板である。なお、イン
ク吐出口1113や天板1111への共通液室1115
等が同時に形成される。1117は天板1111に穿設
されているインク供給口、1119は供給管接続用コネ
クタ、1121はインク供給管であり、共通液室111
5には不図示のインク収容部からインク供給管1121
によりインクの消費に対応してインクが供給される。
【0016】このような熱記録ヘッドユニット1100
においては、共通液室1115から毛細管作用により液
路1123を経てインク吐出口1113にインクが導か
れ、インク吐出口1113においてインクにメニスカス
が形成されることによりインクをその吐出に備えて安定
した状態に保つことができる。かくして、ヒータ110
5が選択的に駆動されることにより駆動されたヒータに
対応するインク吐出口からインクが吐出され、捺染プリ
ントのためのインク滴となって飛翔する。
【0017】次に、本発明による熱記録ヘッドユニット
1100の温度制御にかかわる機構を図1に従って説明
する。
【0018】ここで、1131および1132は熱記録
ヘッドユニット1100のヒータ1105近傍にあたる
支持板1101裏面側に設けたヘッド温度検出手段およ
び同じく裏面側のヒータ1105から共通液室1115
にかけての加熱が好適な位置に設けたヘッド加熱手段で
ある。ヘッド温度検出手段1131により検出された温
度は制御部1133に電気信号として送られ、その検出
温度に基づいて熱記録ヘッドユニット1100の温度を
許容される所定の温度範囲における下限値以上に保つべ
く、ヘッド加熱手段1132が駆動される。また、11
34は支持板1101裏面側に設けた流体通路であり、
熱記録ヘッドユニット1100の温度を上記所定の温度
範囲における上限値以下に保つべく流体通路1134に
は流体、例えば水が流通される。
【0019】1135は流体通路1134に流体(水)
を供給するための循環管、1136はメインタンク、1
137は流体通路1134に供給された水が戻されるサ
ブタンクであり、メインタンク1136に収容される水
とサブタンク1137に回収される水との間にはHの水
頭差が保たれるように設定されている。また、1138
はメインタンク1136から流体通路1134に水を導
く循環管1135の途中に介装され、制御部1133に
よってその開閉が制御される電磁弁、1139はサブタ
ンク1137内の水位が所定の高さとなると自動的に水
をメインタンク1136に戻す循環用のポンプであり、
ポンプ1139としては流体通路1134への水の循環
中、常時循環量に相当する分をサブタンク1137から
メインタンク1136に戻すように機能するものであっ
てもよい。1140Aおよび1140Bはそれぞれメイ
ンタンク1136およびサブタンク1137の水温を検
知する水温センサ、1141Aおよび1141Bはそれ
ぞれ水温センサ1140Aおよび1140Bからの検知
水温に基づいて水の温度を制御可能な水温制御装置であ
る。
【0020】本例による熱記録ヘッドユニット1100
の温度制御機構では先にも述べたように、ヘッド温度検
出手段1131からの温度検出(電気)信号に基づい
て、制御部1123によりヘッド加熱手段1132およ
び電磁弁1138の駆動を制御することによりその熱記
録ヘッドユニット1100の温度が所定の温度範囲内に
保たれるようにする。
【0021】ところで、本例では上記ユニット1100
の支持板1101がアルミニウムで作成されており、ガ
ラス製の天板1111に比べて熱伝導率が格段と大き
い。そこで、プリント時に基板1103に残留する熱エ
ネルギーを主に支持板1101に伝播させて外部に放熱
させることが可能である。
【0022】すなわち、支持板1101からの放熱が応
答性良く、効果的に行われていないと、プリント時に熱
記録ヘッドユニット1100の、温度上昇が大きくな
り、安定した記録が行えなくなるため、プリント時に、
この支持板1101から熱を効率良く、かつ、効果的に
取り去ることが、熱記録ヘッドユニット1100の温度
を所定の温度範囲内に維持し、効果として、安定したプ
リントを行うために必要となる。
【0023】本基本構成例で熱記録ヘッドユニット11
00の温度制御を行う流体として比較的熱伝達率が大き
な水を使用したのは上記の理由によるものである。な
お、本基本構成例では、流体通路1134を熱記録ヘッ
ドユニット1100の支持板1101の裏面側にあって
構成上可能な限りヒータ1105に近い位置に設けるよ
うにした(図5の(A)参照)。ここで、流体通路11
34自体は水の流路を確保する壁の役割を果たすもので
水を支持板1101上に直接流すことによって熱伝導を
なるべく良くし支持板1101を効率的に所望の温度に
することができる。また、流体通路1134は、上記の
ように水の流路を確保するものであるが、その構成は上
記のものに限らず、例えば図5の(B)に示すように熱
伝導性の良いアルミニューム等で作られた支持板110
1自体に、流体通路1134を形成するような構成や、
図5の(C)に示すように記録装置側のキャリッジ10
10内に流体通路1134を形成しておき、熱記録ヘッ
ドユニット1100の装着時に熱記録ヘッドユニット1
100と流体通路1134の外側とを接触させるように
構成することも可能である。
【0024】なお図1において、メインタンク1136
内に蓄えられている水は、電磁弁1138を開くことに
よって、水頭差Hにより矢印Aの方向に流れ、流体通路
1134からサブタンク1137へと戻される。本例の
場合、温度制御の応答性を考えると、電磁弁1138の
開閉と、それによって流体通路1134内の水の流れが
起きるまでの時間差は、出来るだけ短くするのが好まし
く、サブタンク1137内に開口する循環管1135の
出口は、常に水面より下に位置し、循環管1135およ
び流体通路1134内には電磁弁1138の開閉の如何
に関わらず、水が常に満たされてる状態が好ましい。
【0025】次に、図6の(A)および(B)を参照し
て、前記加熱手段1132および電磁弁1138の制御
動作の一例を説明する。
【0026】図6の(A)は、加熱手段1132の制御
動作の手順を示す。装置電源が“ON”になると、まず
ステップ101で加熱制御要求の有無を判定し、有(Y
ES)であればステップ102で温度検出手段1131
からの温度データTn(n=0〜3)を読み取る。この
温度データTnから熱記録ヘッドユニット1100が設
定温度範囲より低いか否かをステップ103で判断し、
低ければステップ104に進んで加熱手段1132を駆
動して加熱する。また、ステップ103で設定温度範囲
より低くないと判断したときは、ステップ105に進み
設定温度範囲より高いか否かを判断し、高ければステッ
プ106で加熱手段1132の通電を“OFF”にし、
高くなければそのままにしておく。以上の動作を繰り返
しながら加熱手段1132の制御を行う。また、ステッ
プ101で加熱制御要求がないと判断されたときは、制
御動作を停止する。
【0027】図6の(B)は、電磁弁1138の制御動
作の手順を示し、装置電源が“ON”になると、まずス
テップ301で電磁弁制御の要求の有無を判断し、有
(YES)であればステップ302に進み温度検出手段
1131からの温度データを読み取る。ステップ303
で温度データが設定温度範囲より高いか否かを判定し、
高ければステップ304で電磁弁1138の駆動を“O
N”にする。ここで、設定温度範囲より高くなければス
テップ305へ進み設定温度範囲より低いか否かを判断
する。そして、設定温度範囲より低ければステップ30
6で電磁弁1138を停止し、低くなければそのままに
する。以上の動作手順を繰り返して電磁弁1138を制
御し、ステップ301で制御の必要がないと判定したと
き制御動作を終了する。
【0028】なお、先にも述べたように、メインタンク
1136内の水面と、サブタンク1137内の水面との
間の水頭差Hで流体通路1134内を流れる水の流量、
および、流速が決まるので、水頭差Hの設定にあたって
は熱記録ヘッドユニット1100の温度制御に必要な流
速が十分得られるようにする。
【0029】また、ポンプ1139を駆動するタイミン
グは、メインタンク1136、或は、サブタンク113
7内に残検センサのようなものを取り付けて、それによ
る信号で行ってもよいし、電磁弁1138の開閉の回
数、或は時間に応じて決めても良い。さらにまた、メイ
ンタンク1136、およびサブタンク1137内には、
それぞれ水温センサ1140Aおよび1140Bが設け
られており、その検出信号に基づいて、水温制御装置1
141Aおよび1141Bを介してそれぞれの水温を制
御し、所定の温度範囲内に維持する。なおここで、維持
する水の設定温度範囲は、装置外部、または内部の環境
温度に関わらず、一定の温度幅内に維持してもよいし、
環境温度の変化に対して、例えば、環境温度がa℃〜b
℃の時は、c℃〜d℃に水温を維持すると言うような所
定の温度テーブルを持たせて制御しても良い。
【0030】このように、循環させる水の水温を所定の
温度範囲内に制御することによって、常に所望の冷却効
果が得られ、加熱手段1132による加熱と合わせて熱
記録ヘッドユニット1100の温度を制御しやすくする
ことができる。
【0031】また、水温制御装置1141A、1141
Bにより、インクジェット記録装置(プリント手段)1
000を取り巻く環境温度の変化に対し、熱記録ヘッド
ユニット1100の温度維持幅が変わることがなく常に
安定した温度変動内での記録を行え、その結果、所望の
記録品位を保つことができる。特に本基本構成例では熱
記録ヘッドユニット1100の温度調整用の流体として
水のように、熱伝導率の高い流体を用いるので、流体の
温度が、その伝熱する熱量に大きく効いてくる。そこ
で、環境温度に応じて水温が大きく変化してしまわない
ように制御することが、熱記録ヘッドユニット1100
を所定の温度範囲に維持する上で重要となる。
【0032】特に、発熱量が大きく、記録動作中の温度
上昇が著しいヘッド等では、水温の設定温度範囲を低め
に設定してやることで、安定した記録ヘッド温度範囲に
温度制御されるような冷却効果を得ることができる。
【0033】なお、本基本構成例においては、メインタ
ンク1136およびサブタンク1137の双方に水温セ
ンサ1140Aおよび1140Bと、水温制御装置11
41Aおよび1141Bを設けたが、メインタンク11
36にだけ、これらを設けて、水温を制御してもよい。
【0034】また、図1に示す基本構成例では、水の流
路系が、循環系であるので、流路内(特に、循環管11
35や流体通路1134内)に不純物が固着するなど
で、熱記録ヘッドユニット1100に流れる水の流量、
流速が変化することのないように、純水を用いるのが好
ましい。さらにまた、水の流路系を構成しているメイン
タンク1136、サブタンク1137、および、循環管
1135は、できるだけ外部の温度変化を水に伝えない
ような、断熱効果の高い素材のものが好ましい。
【0035】[参考例] 図7はシリアルタイプのインクジェット記録装置に適用
した参考例を示す。本例では、メインタンク1136内
に一時的に蓄えられている水の温度を、水温センサ11
40と、その検出信号によって駆動制御される水温制御
装置1141とによって所定の温度に維持されるように
するものである。
【0036】本例ではメインタンク1136内で本質的
に一定温度に維持された水が、ポンプ1139によっ
て、矢印Aの方向に送給され、循環管1135および流
体通路1134を経て、再び、メインタンク1136へ
と戻される。ここで、ポンプ1139は、インクジェッ
ト記録装置(プリント手段)1000が記録動作中、お
よび、その前後の記録動作待ち時間において連続的に駆
動され、その結果、循環管1135および流体通路11
34内を流れる水流は、その間中、流速流量が一定で循
環されるもので、上述の設定温度、流速および流量の条
件については、後で詳述する。
【0037】なお、本参考例では流体通路1134を、
基本構成例1と同様、支持板1101上に直接水が接触
するように構成するもので、図5の(D)に本参考例に
適した流体通路1134の構成例を示す。この図に示す
ように支持板1101は、ヒータ1105の近傍で、ヒ
ータ1105に向けて凹形に形成されている。これは、
支持板1101の熱伝導距離を小さくすることで、水の
温度を応答性良く、かつ、効率的にヒータ1105の近
傍、基板1103および液路1123内のインクに伝え
るためであって、支持板1101の凹形における、厚さ
aは、ヒータ1105の熱変換効率に影響を与えない範
囲で可能な限り薄くするのが好ましい。
【0038】本参考例によれば、熱記録ヘッドユニット
1100に設けられた流体通路1134と、その流体通
路1134内に連続的に水を循環させるポンプ1139
と、その水を常時一定温度に維持する水温制御装置11
41とを有することによって、熱記録ヘッドユニット1
100内に加熱手段や温度検出手段を設けること無し
に、熱記録ヘッドユニット1100を安定した記録の行
える温度範囲に維持することができる。
【0039】以下に、水温の設定、および、流体通路1
134内を循環させる水の流速、流量の設定条件と共に
温度制御動作を例示して説明する。
【0040】今、熱記録ヘッドユニット1100のヒー
タ1105近傍の基板1103温度をd℃(低温時)〜
e℃(高温時)に維持することができれば、安定した吐
出と、所望の記録品位が得られるものとする。熱記録ヘ
ッドユニット1100が記録動作待ち状態にある時は、
ヒータ1105に通電されていないので、ヒータ110
5からの発熱は皆無であるが、(d+f)℃(fは伝熱
によって失われる温度)の水温に維持された水が、ある
流速g(m/s)および流量h(1/min)以上で循
環されていれば熱記録ヘッドユニット1100内に加熱
手段がなくても、ヒータ1105近傍の温度を低温限界
のd℃に維持することができる、この時、水と支持板1
101との間の熱伝達効率、および、支持板1101、
ならびに、基板1103の熱伝導率が大きく、厚さaが
薄いほど、fの値は小さくなる。
【0041】一方、熱記録ヘッドユニット1100が記
録動作中にあるとき、ヒータ1105は通電されている
状態にあるので、ヒータ1105からの発熱が起こって
いる。このような記録時の状態において、上記記録動作
待ち状態時に決めた水温設定温度(d+f)℃の水を循
環させ、記録中に想定しうるヒータ1105からの最大
の発熱量をi(W)の蓄熱を抑えつつ、ヒータ1105
近傍の温度を高温限界のe℃以下(低温限界のd℃以
上)に維持するべく、流速j(>g)および、流量k
(>h)を以下のように設定を行う。
【0042】図8に示すグラフ1は、ヒータ1105の
発熱量の変化に対して、水温(d+f)℃の水を循環さ
せ、その時の流速jおよび流量kを変化させた時に、熱
記録ヘッドユニット1100のヒータ1105近傍にお
ける温度が、どう変化するかを示すものである。
【0043】グラフ1において、電気熱変換体ヒータの
発熱量が0(W)の時、すなわち記録動作待ち状態時に
記録ヘッドの温度をd(℃)に維持すべく、設定された
水の温度は(d+f)℃である。この設定水温におい
て、循環水の流速jおよび流量kが小さ過ぎると、2点
鎖線で示すようにヒータ1105からの発熱量が最大i
(W)のときの熱記録ヘッドユニット1100の温度を
e℃以下に抑えることができない。そこで、徐々に流速
jおよび流量kを上げていって、流速j(>g)、流量
k(>h)以上にすると実線で示すように、ヒータ11
05からの発熱量が最大のiのときでもヒータ1105
近傍の温度をe℃に抑えることができるようになる。
【0044】なおこの限界の流速J(>g)、流量K
(>h)では、ヒータ1105からの発熱量が0の時で
も前記条件、流速g、流量h以上で水が循環されること
になるので、当然乍らヒータ1105近傍の温度をd℃
に保つことができる。また、破線で示すように流速jお
よび流量kをさらに高めることで、記録ヘッドの温度を
より安定した温度範囲内に維持することができる。
【0045】以上説明したように、水温、流速、流量を
設定することにより、発熱量が0の時から、発熱量が最
大i(W)のときまで、全ての発熱量の変化に対して、
電気熱変換対202近傍の温度をd℃〜e℃の範囲内に
維持することができる。
【0046】しかし、以上説明してきたのは、水温を全
くの温度変化無しに、(d+f)℃に維持できるものと
仮定したものであり、実際は水温を温度変化無しに、常
時(d+f)℃に維持するのは容易ではない。
【0047】今、水温を常時(d+f)℃に維持するこ
とができずに±X℃の範囲内で変化してしまうものとす
る。この場合、上述したように水温、流速、流量を設定
してしまうと、図9に示すグラフ2のように、発熱量が
0(W)ところで、水温が(d+f−X)℃の時、記録
ヘッドの温度が破線で示すようにd−x℃となって過冷
却となり、また、発熱量がi(W)のところでは、2点
鎖線で示すように水温が(d+f+X)℃の時、記録ヘ
ッドの温度がe+x℃となって、冷却能力が足りないと
言うことになる。
【0048】そこで、記録ヘッド温度を常時d℃〜e℃
にに維持するためには、図10に示すグラフ3のよう
に、水温の変化(±X℃)も考慮にいれて、設定水温
値、流速、流量を決める必要がある。すなわち、発熱量
が0の時に、熱記録ヘッドユニット1100のヒータ1
105近傍の温度がd℃に保たれる水温を(d+f−
X)℃とした場合、その温度より2X℃高い水温(d+
f+X)℃において、グラフ3で2点鎖線によって示す
ように発熱量が最大i℃のときに熱記録ヘッドユニット
1100のヒータ1105近傍の温度が、e℃以下に維
持できるだけの流速、流量に設定する。
【0049】このように、水温、流速、流量を決定する
ことで、水温設定値(d+f)℃に対して、±X℃以内
で水温が変化しても、全ての発熱量0〜i(W)の変化
に対して、熱記録ヘッドユニット1100におけるヒー
タ1105近傍の温度をd℃〜e℃の範囲内に維持する
ことができる。
【0050】なお、流速と流量とは、ここまで同様に扱
って述べてきたが、これは、流体通路1134および、
それによって決まる全体流路の断面積が固定ならば、流
速は流量に比例するからである。
【0051】しかし、実際の熱伝達には、冷却面の面積
が同じならば、流速が影響してくるので流量を少なくし
て、大きな流速が得られるように(小量の水を流すこと
で、大きな熱伝達効果が得られるように)流体通路11
34の形状を決める必要がある。
【0052】例えば、先に示した図5の(D)において
流体通路1134を熱伝導性の非常に小さい材質のもの
で、作成したとすると、支持板1101内の熱を水に伝
達するのは、水と支持板1101との接触面だけで、水
と流体通路1134のその他の接触面積は直接関与しな
いので、所望の流速を確保しながら、流体通路1134
における高さ(h)を低くし、水の流路の断面積を小さ
くすることによって温度制御に使用する水の流量を減ら
すことができる。
【0053】以上述べたように、本参考例では、熱記録
ヘッドユニット1100内に加熱手段や温度検出手段を
設けることなく、熱記録ヘッドユニット1100のヒー
タ1105近傍の温度を安定した記録が行える温度範囲
内に維持することができる。
【0054】[基本構成例2] 図11はシリアルタイプのインクジェット記録装置(プ
リント手段)1000に適用した基本構成例2を示す。
【0055】本基本構成例は、熱記録ヘッドユニット1
100に取り付けられた温度検出手段(図示せず)の検
出信号にも続いて、加熱手段(図示せず)と、少なくと
も1気圧以上に圧縮された気体の噴出しを制御する電磁
弁1208とのON、OFF制御を行うことで熱記録ヘ
ッドユニット1100のヒータ1105の近傍の温度を
安定した記録が行える温度範囲内に維持するものであ
る。
【0056】ここで、気体(例えば空気)はエアコンプ
レッサ1201で圧縮され、エア温度制御装置1203
で所望の温度に温度制御された上、エアノズル(不図
示)から支持板1101に設けた流体通路1204内に
噴射される。1205は圧縮空気送給管である。なお、
エアー温度制御装置1203は、公知のエアー冷却装置
を、利用してもよいし、まわりに不図示の熱伝導性の良
い金属製の螺旋状パイプを設け、そのパイプ内に水を通
して圧縮された空気を所望の温度以下に冷却するような
構成としてもよい。なお、圧縮された空気は、エアーノ
ズルから熱記録ヘッドユニット1100の支持板110
1に向けて噴射されるときに、大気圧に開放され、その
時に起こる断熱膨張の効果により、噴射された空気の温
度は、エアーコンプレッサ1201で圧縮された空気の
温度よりも低くなる。
【0057】本基本構成例は、上記の断熱膨張の効果
と、さらに、気体の温度制御部を設けることにより送風
機等を用いた従来の温度制御方式よりも、発熱量の大き
い熱記録ヘッドに対しての温度制御能力が高く、また、
装置外部の環境温度による影響が少なくてすむ。
【0058】[実施例] 本実施例による熱記録ヘッドの温度制御は、熱記録ヘッ
ドに接して設けた流体通路と、該流体通路に流体を一定
の流速により循環させることで熱記録ヘッドを冷却する
冷却手段と、流体の温度を制御する温度制御手段と、
字信号がOFFのヒータにも、インクが発泡しない程度
の電力を与える熱記録ヘッドの駆動制御手段を具備する
ことにより行われる。
【0059】すなわち、特開平4−47948号で書か
れているように、印字信号がOFFのヒータに対して発
泡しない程度の電力エネルギーを与えることにより、印
字のスタンバイ状態時、あるいは記録dutyによら
ず、記録ヘッドの単位時間あたりの蓄熱量を、一定にし
た熱記録ヘッドに対し、該熱記録ヘッドに接して設けた
流体通路に、一定の流速で一定の温度に制御された流体
を連続的に流し、熱記録ヘッドから単位時間あたりに一
定の熱量を奪い去ることにより、熱記録ヘッドの温度
を、安定した吐出が行え得る所望の温度に維持する。
【0060】例えば、熱記録ヘッドの単位時間あたりの
蓄熱量を一定、熱記録ヘッドに接して設けた流体通路内
に連続的に流れる流体の流速を一定とすると、図12
(A)で示すように、熱記録ヘッドの温度は流体の制御
温度α℃に対応する特定の温度β℃に維持される。
【0061】しかしながら、実際は装置を取り巻く環境
温度に影響されたり、熱記録ヘッドの交換を行った時、
あるいは複数の熱記録ヘッドを用いてカラー記録を行う
ような液体噴射装置の場合、熱記録ヘッド毎の伝熱構
造、放熱構造の製造上での微妙な個体差(流体通路の個
体差も含む)等の伝熱能力、放熱能力の違いにより、流
体の制御温度α℃に対して、熱記録ヘッドの温度は必ず
しもβ℃にはならず、装置周囲の温度によって、あるい
は熱記録ヘッドを交換する度に、印字の濃度が変化した
りカラーバランスが変化してしまうというような問題が
起こる。
【0062】例えば、熱記録ヘッドに接して設けた流体
通路に流す流体の制御温度と、個々の流体の制御温度に
対応して熱記録ヘッドの維持される温度を示すグラフ図
12(A)のグラフにおいて、流体の制御温度α℃に対
して、熱記録ヘッドがβ℃に維持されるのは、ある特定
の熱記録ヘッドにおける、ある特定の環境温度下の時で
あって、環境温度が変化すると、ヘッド温度は必ずしも
β℃に維持されない。これは、ヘッドの維持温度が、流
体通路内を流れる流体の熱伝達能力だけでなく、熱記録
ヘッドの温度制御流体が流れていない他の部分からの自
然放熱も、若干の影響を与えているからである。
【0063】また、熱記録ヘッドに接して設けた流体通
路に流す流体の制御温度と、個々の流体の制御温度に対
応して熱記録ヘッドの維持される温度を示すグラフ図1
2(B)のグラフにおいて、H1,H2,h3,H4で
示すように、熱記録ヘッド毎に製造上の個体差であり、
各々の伝熱能力、放熱能力が異なるとした時、流体の制
御温度をα1℃に設定しても、熱記録ヘッドの温度は、
β1℃〜β4℃のように、維持できる温度がヘッドの個
体差に伴い変化してしまう。
【0064】以上のような問題がある中で、熱記録ヘッ
ドの温度を、常時所望の温度に維持するために、本発明
における液体噴射装置では、熱記録ヘッドの温度を検出
する温度検出手段と、該温度検出手段の検出信号に基づ
き、熱記録ヘッド毎に、流れる流体の温度を制御する手
段を持つ。
【0065】例えば、今、熱記録ヘッドの作業温度を常
時β1℃に維持したいとする時、図12(B)のグラフ
において、伝熱、放熱能力の違う各々の熱記録ヘッドH
1,H2,H3,H4のそれぞれに対して、各々α1
℃,α2℃,α3℃,α4℃に流体の温度を設定、制御
することによって、全てのヘッド(H1〜H4)におい
て熱記録ヘッドの温度を所望の温度β1℃に維持でき
る。
【0066】すなわち、温度検出手段によって検出した
ヘッド温度が所望の温度より低い場合は、流体の制御温
度をより高く設定し、高い場合は、より低い温度に流体
を制御することにより、熱記録ヘッドに対して連続的に
流体を送給して行う本実施例の熱記録ヘッドの温度制御
方式において前記問題を解決し安定した作業温度を維持
できる。
【0067】この時、熱記録ヘッドユニット内にインク
吐出用のヒータとは別に設けた加熱手段を併用し補助的
な加熱を加えることにより、さらに容易に高安定な熱記
録ヘッドの温度制御が行える。
【0068】図13(A)のグラフは、図12(B)の
グラフ中の熱記録ヘッド(H4)に前記加熱手段を設
け、熱記録ヘッドの温度がβ1℃以下の時、前記加熱手
段の加熱ON、β1℃以上の時、加熱OFF、という制
御を行った場合に、流体の制御温度と、その各々の流体
温度において熱記録ヘッドが維持される温度との関係を
示すグラフである。
【0069】前記加熱手段を駆動しないと、流体をα4
℃より低い温度で制御した時、過冷却となり、熱記録ヘ
ッドを所望の温度β1℃に維持できない(グラフ破線)
に対し、前記加熱手段を駆動すると、グラフ実線のよう
な特性を示す。
【0070】グラフ実線において、流体の制御温度がα
4℃より高い領域では、熱記録ヘッドの温度はβ1℃よ
り高い温度となり所望の熱記録ヘッド維持温度β1℃に
維持できない。
【0071】グラフ実線において、流体の制御温度がα
4℃より低く、α4′℃より高い領域では、前記加熱手
段の駆動がON,OFFされながら熱記録ヘッドの温度
はβ1℃に維持されている。
【0072】例えば、流体の制御温度がα4′℃の時に
加熱手段の駆動を行わないと、熱記録ヘッドの温度は、
熱記録ヘッドの単位時間あたりの蓄熱量と、熱記録ヘッ
ドに接して設けられた流体通路内を流れるα4′℃に温
度制御された流体が単位時間あたりに奪う熱量のバラン
スで、β1′℃となるのに対して、加熱手段の駆動を追
加し、補足的な熱量が加えられることにより、熱記録ヘ
ッドの温度はβ1℃にまで押し上げられる。
【0073】グラフ実線において、流体の制御温度がα
4′℃より低い領域では、熱記録ヘッドの温度はβ1℃
より低い温度となる。この時、α4′℃の値は前記加熱
手段の加熱能力によって異なり、加熱能力の大きい加熱
手段を用いるほど、より低い制御温度の流体においても
熱記録ヘッドの温度をβ1℃にまで押し上げることがで
きるようになる。
【0074】図13(B)のグラフは、図12(A)に
おける各、伝熱能力、放熱能力の違う熱記録ヘッドH
1,H2,H3,H4において、α4′℃(図13
(A))=α1℃(図12(B))となるような能力を
持っている加熱手段を駆動したとき、流体の制御温度
と、各々の流体の制御温度において熱記録ヘッドの温度
が安定する温度を示すグラフであり、該能力を持った加
熱手段を駆動することによって、流体をα1℃に温度制
御すれば、種々の個体差を持つ全ての熱記録ヘッドH1
〜H4において熱記録ヘッドの温度を所望の温度である
β1℃に制御維持できることを示している。
【0075】また、同様に、熱記録ヘッドの温度が、所
望の温度であるβ1℃以下の時、前記加熱手段の加熱O
N、β1℃以上の時、加熱OFF、という制御を行い、
熱記録ヘッドに対して補助的な熱を加えることによっ
て、装置を取り巻く環境の温度の変化に対しても、常
時、安定した所望の熱記録ヘッド温度での記録が行える
ような記録装置を提供することができる。
【0076】以上説明してきたように、本実施例におけ
るインクジェット記録装置は、熱記録ヘッドの単位時間
あたりの蓄熱量を一定にする手段と、単位時間あたりに
熱記録ヘッドから奪う熱量を一定にするべく、熱記録ヘ
ッドに接して設けられた流体通路内に流体を連続的に送
給する手段と、前記流体の温度を所望の温度に制御する
制御手段を持ち、さらには、熱記録ヘッドユニット内に
加熱手段を設け、補助的な加熱を加えることにより、装
置を取り巻く環境温度や、熱記録ヘッドの種々の個体差
に影響されることなく、熱記録ヘッドの温度を、常時安
定して、所望の記録品位と記録濃度が得られる特定の温
度に維持することができる。
【0077】なお、以上に述べた実施例では、発熱量の
大きい熱記録ヘッドの温度制御が行われるものとして、
インクジェット記録装置、中でも捺染プリント装置に用
いられるシリアル型インクジェット記録装置の熱記録ヘ
ッドを例として述べたが、本発明の適用は上記に限られ
るものではなく、装置の大小、熱記録ヘッドユニットの
数や形態の如何に拘らず、その温度制御を必要とする液
体噴射装置に広く適用できるものである。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
印字信号によりインクの吐出を行うヒータを駆動してイ
ンクの吐出を行うとともに、印字信号がOFFのヒータ
に対してはインクを吐出しない程度の電力を通電して駆
動することにより、前記記録ヘッドによる記録を制御す
る駆動制御手段と、前記基板の前記ヒータが形成されて
いる面の反対側の面に設けた流体通路に、流体を一定の
流速により循環させることで前記記録ヘッドを冷却する
冷却手段と、前記流体の温度を制御する温度制御手段
、前記記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、
前記駆動制御手段による制御とともに、前記温度制御手
段により所定の温度に制御された前記流体を用いて前記
冷却手段により前記記録ヘッドの冷却を行うよう制御す
る制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記温度検出
手段により検出した前記記録ヘッドの温度に応じて、前
記温度制御手段により前記流体の制御温度を変更するよ
うにし、さらには、熱記録ヘッドユニット内に加熱手段
を設け、補助的な加熱を加えることにより、装置を取り
巻く環境や、熱記録ヘッドの種々の個体差に影響される
ことなく、熱記録ヘッドの温度を、常時安定して、所望
の記録品位と記録濃度が得られる特定の温度に維持する
ことができる。
【0079】なお、発熱量の大きい記録ヘッドユニット
を使用するような液体噴射装置でも、記録中の熱記録ヘ
ッドの昇温を抑え安定した記録品位を得ることができ
る。
【0080】
【0081】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1にかかる熱記録ヘッドユニッ
トの温度制御装置の構成図である。
【図2】本発明の適用が可能なインクジェット捺染プリ
ント装置の概要を示す断面図である。
【図3】図2に示すインクジェット捺染プリント装置の
概要を示す斜視図である。
【図4】本発明に適用される熱記録ヘッドユニットの構
成を一部破砕して示す斜視図である。
【図5】本発明による熱記録ヘッドユニットの構成例を
(A)〜(D)の4例で示す断面図である。
【図6】本発明にかかる加熱手段および電磁弁の動作シ
ーケンスの一例を(A)および(B)によって示すフロ
ーチャートである。
【図7】本発明の実施例2にかかる熱記録ヘッドユニッ
トの温度制御装置の構成図である。
【図8】実施例2において、電気熱変換体の発熱量の変
化に対して、流速および流量を変化させた時の熱記録ヘ
ッドユニットの温度変化を示す特性曲線のグラフ1であ
る。
【図9】実施例2において、電気熱変換体の発熱量の変
化に対して、水温を変化させた時の熱記録ヘッドユニッ
トの温度変化を特性曲線として示すグラフ2である。
【図10】実施例2において、電気熱変換体の発熱量の
変化に対して、熱記録ヘッドユニットの図9とは異なる
温度変化を特性曲線として示すグラフ3である。
【図11】本発明の実施例3にかかる熱記録ヘッドユニ
ットの温度制御装置の構成図である。
【図12】本発明の実施例4にかかる熱記録ヘッドの温
度制御を(A),(B)の特性曲線として示す図であ
る。
【図13】本発明の実施例4にかかる熱記録ヘッドの温
度制御を(A),(B)の特性曲線として示す図であ
る。
【符号の説明】
1 布地(被記録材) 11 巻き出しローラ 13,15,17,19 ローラ 21 巻きとりローラ 100 搬送手段 1000 プリント手段 1010 ヘッドキャリッジ 1100 熱記録ヘッドユニット 1101 支持板 1103 基板 1105 電気熱変換体(ヒータ) 1113 インク吐出口 1115 共通液室 1123 液路 1131 ヘッド温度検出手段 1132 ヘッド加熱手段 1133 制御部 1134 流体通路 1135 循環管 1136 メインタンク 1137 サブタンク 1138 電磁弁 1139 ポンプ 1140A,1140B 水温センサ 1141A,1141B 水温制御装置 1201 エアコンプレッサ 1203 エア温度制御装置 1205 圧縮空気送給管 1208 電磁弁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−166954(JP,A) 特開 平1−242257(JP,A) 特開 昭63−41153(JP,A) 実開 平6−24927(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/175 B29C 47/92

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されたヒータへ通電して駆
    動することにより発生する熱エネルギーを利用してイン
    クを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体に対してイン
    クを吐出して記録を行うインクジェット記録装置におい
    て、印字信号によりインクの吐出を行うヒータを駆動してイ
    ンクの吐出を行うとともに、印字信号がOFFのヒータ
    に対してはインクを吐出しない程度の電力を通電して駆
    動することにより、前記記録ヘッドによる記録を制御す
    る駆動制御手段と、 前記基板の前記ヒータが形成されている面の反対側の面
    設けた流体通路に、流体を一定の流速により循環させ
    ることで前記記録ヘッドを冷却する冷却手段と、 前記流体の温度を制御する温度制御手段と 前記記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、 前記駆動制御手段による制御とともに、前記温度制御手
    段により所定の温度に制御された前記流体を用いて前記
    冷却手段により前記記録ヘッドの冷却を行うよう制御す
    る制御手段と、 を有し、 前記制御手段は、前記温度検出手段により検出した前記
    記録ヘッドの温度に応じて、前記温度制御手段により前
    記流体の制御温度を変更する ことを特徴とするインクジ
    ェット記録装置
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドを複数用いるとともに、
    前記制御手段は、前記記録ヘッド毎に前記温度制御手段
    により前記流体の温度を制御することを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記流体は水であることを特徴とする請
    求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
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